1年高値1,007 円
1年安値451 円
出来高30 千株
市場ジャスダック
業種サービス業
会計日本
EV/EBITDA16.6 倍
PBR2.9 倍
PSR・会予0.7 倍
ROA1.1 %
ROIC2.9 %
β0.51
決算3月末
設立日1978/3/11
上場日2008/6/25
配当・会予0 円
配当性向0.0 %
PEGレシオ-1.7 倍
売上高(百万円)&収益性(%)
売上5y CAGR・予想:9.1 %
利益(百万円)
営利5y CAGR・予想:7.9 %
純利5y CAGR・予想:5.2 %
EPS(円) BPS(円)
配当(円)
健全性(%、倍)
セグメント別売上
セグメント別営業利益
セグメント別利益率
会社の詳細

3【事業の内容】

(1)事業の内容について

 当社の事業内容は「受託試験」、「環境」のセグメントから構成されております。

 なお、次の2部門は「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項」に掲げるセグメントの区分と同一であります。

 「受託試験」は、医薬品開発企業・食品関連企業及び大学等研究機関等から委託を受け、実験動物や細胞を用いて開発薬物や食品素材の安全性や有効性の確認を行う試験を実施しております。

 「環境」は、製薬会社及び大学等動物施設、脱臭材搭載装置、殺菌装置、実験動物用機材の設計・販売等を行っております。

 

 当社の事業系統図は次のとおりであります。

 

[事業系統図]

(画像は省略されました)

 

(2) 「受託試験」について

 新薬として市場で流通する医薬品は、次のような開発過程を経て販売されます。

[医薬品の開発過程]

(画像は省略されました)

 

 この開発過程において当社は医薬品開発企業の委託を受けて、非臨床試験段階の開発支援を行っております。非臨床試験は、探索・創製された医薬品候補物質を、実験動物、細胞、細菌を用いてその安全性や有効性を確認するものです。非臨床試験から得られた試験成績は、新薬の承認申請に際して必要な資料として「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」に定められており、その後のステップである臨床試験(治験)において、ヒトに適用した場合の安全性に関する適切な情報を得るために不可欠な試験となっております。

 新薬の承認申請の添付資料となる試験成績は、「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」に規定されるGLP(注1)に適合した施設においてGLPに従い実施した試験から得られたデータを用いることが求められております。当社が新薬開発支援を目的とする非臨床試験を行うためには、GLP適合施設であることが不可欠であり、GLP施行以来11回のGLP適合性調査(注2)を受け、常に適合の評価を得ております。

 委託者の試験依頼から最終報告書提出に至るまでの試験の流れは、以下のとおりであります。

(画像は省略されました)

 

 当社で実施する非臨床試験は、安全性試験(単回・反復投与毒性試験、生殖発生毒性試験、遺伝毒性試験等の毒性試験、依存性試験、安全性薬理試験、トキシコキネティクス試験)、薬効薬理試験及び薬物動態試験があり、試験の種類と内容は次のとおりであります。

 

[非臨床試験の種類と試験内容]

試験の種類

試験内容

安全性試験

 

毒性試験

 

 

 

単回投与毒性試験

被験物質(注3)を1回投与した時の毒性を、質的・量的の両面から調べます。

 

 

反復投与毒性試験

被験物質を繰り返し投与したときに生ずる毒性変化を用量及び時間との関連で把握し、明らかな毒性変化が認められる用量とその変化の内容、また毒性変化が認められない用量を調べます。

 

 

生殖発生毒性試験

生体の生殖機能に対して、被験物質が及ぼす悪影響があるかどうかを、親世代の生殖機能から次世代の成長・発達までの期間について調べます。

 

 

遺伝毒性試験

細胞や細菌を用いて、被験物質の遺伝子突然変異、染色体異常、DNA損傷を誘発する可能性を調べます。

 

 

がん原性試験

被験物質の発がん性リスクを調べます。

 

 

局所刺激性試験

被験物質を皮膚、血管内、筋肉内等の限られた部位に適用して、その刺激性を調べます。

 

 

抗原性試験

被験物質がヒトに対してアレルギーを誘発する可能性があるかどうかを調べます。

 

 

皮膚感作(光感作)性試験

皮膚外用剤として用いる被験物質の皮膚に対する接触や光照射によるアレルギー誘発性を調べます。

 

依存性試験

中枢神経作用を有する被験物質の依存性を明らかにすると共に、乱用の可能性及び乱用された場合のリスクについて調べます。

 

安全性薬理試験

被験物質が、ヒトの生命維持機能に対する有害作用(副作用)があるかどうかを調べます。

 

トキシコキネティクス試験

毒性試験に用いた動物から採血し、血液中の被験物質の濃度を調べ、全身暴露と発現された毒性症状を比較します。

薬効薬理試験

被験物質の薬としての有効性を評価します。ターゲットとする疾病の病態モデル動物を用いて評価します。

薬物動態試験

被験物質投与後の生体内での被験物質及びその代謝物質の吸収、分布、代謝、排泄について血液、尿、組織を採取して調べます。

 

(注1) GLP:医薬品GLPは「医薬品の安全性試験に関する非臨床試験の実施の基準(GLP:Good Laboratory Practice)」の略称で、医薬品の製造(輸入)承認申請の際に提出すべき資料のうち、動物による安全性試験データの信頼性を確保するために、試験実施施設が遵守しなければならない事項を定めた厚生労働省令であります。

(注2) GLP適合性調査:独立行政法人医薬品医療機器総合機構によりGLPに従って試験が行われているかを調査します。GLPが適用された試験について計画・実施等に関するすべての要素や過程(ハード面・ソフト面)について調査します。

(注3) 被験物質:試験において安全性の評価対象となる医薬品(医療機器を含む)または化学的物質、生物学的物質もしくはその製剤のことを言います。

 

(3) 「環境」について

 実験動物施設の運営を通し、長年にわたり培ってきた空気環境対策のノウハウを生かした脱臭システムの設計・販売を行っております。実験動物施設をはじめ、全国的に環境保全のための規制強化が進む中で、より良い空気環境を求める様々な業界に向け販売しております。

 また、O157、ノロウイルスといった食品業界を根底から脅かす感染症対策に有効の微酸性電解水生成装置を提供しております。

 さらに、多くの研究施設が更新時期を迎え内装等の改修工事が活発になっていることから、自社での経験をもとに顧客の求める最適な機材を提供することを通じて販路を拡大しております。

 

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

 当事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

① 財政状態及び経営成績の状況

 製薬会社や研究者は、新型コロナウイルス感染拡大という新たな危機と対峙する現在、治療薬開発の早期実現という社会的要請を受けその取組を急ピッチで進めており、新薬開発市場はかつてないほど注目されております。国内製薬市場においては、当社の主要顧客は、新薬開発への社会的期待と同時に薬価の改定が一段と進んだことを受け、従来の医薬品と併せて再生医療等製品、免疫療法、遺伝子治療、ワクチン等へ経営資源の集中を進めており、試験受託機関(Contract Research Organization:以下「CRO」と言います。)間の競争は厳しくなっております。

 また海外市場では、アジア各国の健康戦略や経済戦略により医薬品開発市場は着実に成長を続けております。このような中、当社は顧客から新たな手法の掘り起こしのパートナーとして信頼されるCROの期待に応えるべく、バイオ医薬品関連の高度分析機器や病理サービス強化のための機器投資を積極的に実施し、医薬品開発分野での対応可能領域の拡充を図ってまいりました。また海外を重要市場ととらえ現地営業代理会社との関係強化に努め、現地セミナー開催や顧客との相互訪問等を実施してまいりました。従来より注力しておりますSEND(米国食品医薬局(FDA)への新薬申請時に義務化されている非臨床試験データ標準フォーマット:Standard for Exchange of NonclinicalData)の変換対応サービスについては、先行して取得したノウハウによる差別化で、国内外を含め顧客数は着実に増加し環境事業に次ぐ第3の事業へと成長しつつあります。

 当期より開始いたしました、国内には無い特色を持つ欧州、米国のCROとの代理店事業では、国内企業への紹介営業を重ね取扱高は順調に増加し、さらに当社の試験サービスとのシナジー効果も出ており、代理店収入とともに試験受注にもつながっております。なお内1社の米国Southern Research Institute(サザンリサーチ・インスティテュート)は感染症対応可能CROであることが世界的に知られており時下一段と高い関心が寄せられております。さらに、当社の試験サービスの顧客増加を目的に、台湾、シンガポールにて現地の非臨床関連会社との代理店契約を締結し同エリアでの宣伝活動を開始いたしました。

 また、国立研究開発法人日本医療開発機構(AMED)の支援のもと、国立大学法人信州大学が推進する「遺伝子・細胞治療研究開発基盤事業(遺伝子改変T細胞(CAR-T細胞)の医薬品化に向けた研究基盤整備)」のための研究拠点が当社施設内に設けられました。今後AMED並びに国立大学法人信州大学のもと安全性評価方法の確立に協力・貢献し、アカデミアや企業等からの試験受託にもつなげてまいります。

 受託試験事業におきましては、活発な営業活動の成果により受注は好調に推移し、当会計期間を通じて稼働率は高い水準を維持し売上高及び受注残高ともに前事業年度を上回りました。しかしながら利益については、業務量増加による人員増加に伴う人件費増加、働き方改革に備え環境や機器の整備、戦略的な研究開発投資さらに営業代理店への支払手数料の増額の影響により下回りました。

 環境事業におきましては、大学・民間企業の動物関連施設の多くが更新時期を迎えることで、理化学機器販売会社等と連携し大型工事の取り込みを図りましたところ、複数の大型公共工事の発注が発注者都合により遅れたため完成引渡が当事業年度に間に合わずに翌事業年度となったため、売上高、利益ともに前事業年度を下回りました。

 なお、第4四半期会計期間において、新型コロナウイルスの世界的な感染拡大が生じましたが、受託試験事業及び環境事業の受注動向、試験等の実施、資材の調達等の当社の事業活動に影響はなく、業績に与える影響はありませんでした。

 また、当期においては、海外関係会社の清算が完了したことに伴って発生した関係会社清算益9,612千円を特別利益に計上しております。

 以上の結果、当事業年度末の財政状態及び経営成績は、以下のとおりとなりました。

 

a.財政状態

(資産)

 当事業年度末における流動資産は前事業年度末と比較し、65,304千円増加の1,919,893千円となりました。これは主に、売掛金の回収による145,484千円減少があった一方で、現金及び預金の増加81,452千円、受注残高の増加に伴う原材料及び貯蔵品の増加100,534千円が生じたこと等によるものであります。

 当事業年度末における固定資産は前事業年度末と比較し、159,189千円増加の1,546,784千円となりました。これは主に、試験機器等への投資により有形固定資産が157,426千円増加したこと、ソフトウェア等の増加により無形固定資産が10,729千円増加したことによるものであります。

 この結果、当事業年度末における総資産は3,466,677千円となり、前事業年度末と比較し、224,493千円増加いたしました。

 

(負債)

 当事業年度末における流動負債は前事業年度末と比較し、196,053千円増加の1,639,738千円となりました。これは主に、受注残高の増加に伴い前受金が222,886千円増加した一方で、年度末にかけての仕入減により、支払手形、買掛金及び電子記録債務の合計額が86,651千円減少したこと等によるものです。

 当事業年度末における固定負債は前事業年度末と比較し、8,159千円減少の1,028,399千円となりました。これは主に、長期借入金の1年内振替により100,000千円減少した一方で、試験機器等への投資によるリース債務残高が83,728千円増加したこと等によるものであります。

 この結果、当事業年度末における負債合計は2,668,138千円となり、前事業年度末と比較し、187,893千円増加いたしました。

 

(純資産)

 当事業年度末における純資産は前事業年度末と比較し、36,600千円増加の798,539千円となりました。これは、当期純利益36,600千円を計上したことによるものであります。

 

 この結果、自己資本比率は前事業年度末の23.5%から23.0%となりました。

 

b.経営成績

 当事業年度の経営成績は、売上高は2,862,443千円(前期比10.7%増)、営業利益は61,801千円(前期比33.9%減)、経常利益は30,254千円(前期比50.0%減)、当期純利益は36,600千円(同35.4%減)となりました。

 

 セグメントごとの経営成績は以下のとおりであります。

 

(受託試験)

 当事業部門におきましては、国内及びアジアを中心とする海外で積極的な営業展開を進めた他、他社に先行するSEND対応サービスへの増員、研究設備投資による拡充を進めた結果、受注は増加し当事業年度を通じて高い稼働率を維持しましたが、人件費及び海外代理店への支払手数料の増加等の影響もあり、売上高は2,707,782(前期比16.8%増)千円、営業利益は57,541千円(前期比20.4%減)となりました。

 

(環境)

 当事業分野におきましては、複数の国立大学等の動物関連施設更新工事の発注が、当初見込みより遅延し完成引渡が翌期となり、売上高は154,661千円(前期比41.8%減)、営業利益は4,259千円(前期比79.8%減)となりました。

 

② キャッシュ・フローの状況

 現金及び現金同等物(以下「資金」と言います。)は、前事業年度と比較して81,452千円増加し463,751千円とな
りました。

 当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 営業活動の結果、資金は270,758千円の増加(前期は93,125千円の減少)となりました。主な内訳は減価償却費112,252千円、売上債権の減少額160,084千円、たな卸資産の増加額90,671千円、前受金の増加額222,886千円であります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 投資活動の結果、資金は39,342千円の減少(前期は37,241千円の減少)となりました。主な内訳は有形固定資産の取得による支出47,414千円、子会社の清算による収入17,148千円であります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 財務活動の結果、資金は149,963千円の減少(前期は365,862千円の減少)となりました。内訳は長期借入金の返済による支出100,000千円、リース債務の返済による支出49,963千円であります。

 

 

2018年3月期

2019年3月期

2020年3月期

自己資本比率(%)

20.7

23.5

23.0

時価ベースの自己資本比率(%)

122.0

64.2

49.0

キャッシュ・フロー対有利子負債比率(年)

1.4

4.5

インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍)

15.9

9.6

(注)自己資本比率:自己資本/総資産

時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産

キャッシュ・フロー対有利子負債比率: 有利子負債/キャッシュ・フロー

インタレスト・カバレッジ・レシオ:キャッシュ・フロー/利払い

(注1)2018年3月期は連結ベースの財務数値により計算しています。2019年3月期以降は連結財務諸表を作成していないため、単体ベースの財務数値により計算しております。

(注2)株式時価総額は発行済株式数をベースに計算しています。なお、当社には自己株式はありませ
ん。

(注3)キャッシュ・フローは営業活動によるキャッシュ・フローを利用しております。

(注4)有利子負債は連結貸借対照表(貸借対照表)に計上されている負債のうち利子を支払っている全ての負債を対象としております。

(注5)2019年3月期のキャッシュ・フロー対有利子負債比率及びインタレスト・カバレッジ・レシオについては、営業キャッシュ・フローがマイナスのため、記載しておりません。

 

③ 生産、受注及び販売の実績

a.生産実績

 当事業年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当事業年度

(自 2019年4月1日

 至 2020年3月31日)

前年同期比(%)

受託試験(千円)

2,747,594

20.1

環境(千円)

105,038

△66.9

合計(千円)

2,852,632

9.5

(注)1.金額は販売価格によっております。

2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

b.受注実績

 当事業年度の受注状況をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

受注高

前年同期比(%)

受注残高

前年同期比(%)

受託試験(千円)

2,926,974

17.1

1,880,982

13.2

環境(千円)

224,147

△14.9

140,748

97.5

合計(千円)

3,151,121

14.1

2,021,730

16.7

(注)1.金額は販売価格によっております。

2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

c.販売実績

 当事業年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当事業年度

(自 2019年4月1日

至 2020年3月31日)

前年同期比(%)

受託試験(千円)

2,707,782

16.8

環境(千円)

154,661

△41.8

合計(千円)

2,862,443

10.7

(注)1.主要な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合については、いずれの販売先についても当該割合が10%未満のため記載を省略しております。

2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

 経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において判断したものであります。

 

① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

a.財政状態の分析

(流動資産)

 当事業年度末における流動資産の残高は1,919,893千円となり、前事業年度末に比べ65,304千円増加しました。主な内訳は、現金及び預金81,452千円の増加、受取手形、電子記録債権及び売掛金160,084千円の減少、原材料及び貯蔵品100,534千円の増加であります。

(固定資産)

 当事業年度末における固定資産の残高は1,546,784千円となり、前事業年度末に比べ159,189千円増加しました。増加の主な要因は、有形固定資産及びソフトウエアの購入によるものであります。

(流動負債)

 当事業年度末における流動負債の残高は1,639,738千円となり、前事業年度末に比べ196,053千円増加しました。主な内訳は、支払手形、電子記録債務及び買掛金86,651千円の減少、前受金222,886千円の増加であります。

(固定負債)

 当事業年度末における固定負債の残高は1,028,399千円となり、前事業年度末に比べ8,159千円減少しました。主な内訳は、長期借入金100,000千円の減少、リース債務83,728千円の増加であります。

(純資産)

 当事業年度末における純資産の残高は、798,539千円となり、前事業年度末に比べ36,600千円増加しました。これは利益剰余金36,600千円の増加によるものであります。

 

b.経営成績の分析

(売上高)

 当事業年度の売上高は、2,862,443千円となり、前事業年度に比べ277,395千円増加しました。セグメント別の売上高については、「(1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載したとおりであります。

(売上原価)

 当事業年度の売上原価は、2,078,704千円となり、前事業年度に比べ155,482千円増加しました。

 この結果、当事業年度の売上総利益は783,738千円となり、前事業年度に比べ121,913千円増加しました。

(販売費及び一般管理費)

 当事業年度の販売費及び一般管理費は、721,937千円となり、前事業年度に比べ153,554千円増加しました。

 この結果、当事業年度の営業利益は61,801千円となり、前事業年度に比べ31,641千円減少しました。

(営業外損益)

 当事業年度の営業外収益は4,000千円となり、前事業年度に比べ1,755千円減少しました。営業外費用は35,546千円で前事業年度に比べ3,140千円減少しました。

 この結果、当事業年度の経常利益は30,254千円となり、前事業年度に比べ30,255千円減少しました。

(特別損益)

 当事業年度においては、休眠中であった海外関係会社を清算したことに伴う関係会社清算益9,612千円の特別利益が発生しております。

 以上の結果、税引前当期純利益は39,867千円となり、前事業年度に比べ20,643千円減少しました。当期純利益は36,600千円となり、前事業年度に比べ20,097千円減少しました。

 

c.当社の経営成績に重要な影響を与える要因

 当社の経営成績に重要な影響を与える要因については、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおり、新型コロナウイルス感染拡大の影響によるリスク、受託試験事業固有のリスク、知的財産権、情報セキュリティ管理体制等、さまざまなリスク要因が当社の経営成績に重要な影響を与える可能性があると認識しております。

 

② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

 キャッシュ・フローの分析については、(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載したとおりであります

 当社の運転資金需要のうち主なものは、受託試験・環境事業に関する資材の仕入、試験研究センターの運営費用、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。

 投資を目的とした資金需要は、試験研究センターの試験機器等の取得・施設の改修等によるものであります。

 これらの資金の財源につきましては、営業活動によるキャッシュ・フロー並びに金融機関からの借入及びリースによる資金調達にて対応していくこととしております。

 

③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

 当社の財務諸表は、一般に公正妥当と認められる会計基準に基づいて作成されております。その作成には、決算日における資産・負債の報告金額及び偶発債務の開示、並びに報告期間における収益・費用の報告金額に影響を与える見積り及び仮定が必要となりますが、この判断及び見積りには決算日までに入手可能なすべての情報と過去の実績を勘案して、合理的な根拠に基づいて、継続的に評価しております。

 このため、財務諸表作成時点で実施した見積り及び将来の予測には、見積り特有の不確実性があるため、実際の結果は、見積りと異なる場合があります。なお、当社の財務諸表で採用する重要な見積りは、「第5 経理の状況 1 財務諸表等 注記事項 重要な会計方針」に記載のとおりであります。

 なお、新型コロナウイルスの感染拡大の影響が当事業年度の上半期まで継続し、下半期から改善していくものと仮定し、繰延税金資産の回収可能性及び固定資産の減損等の会計上の見積りを行っております。

 

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

 文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において判断したものであります。

 

(1)経営方針、経営戦略等

 当社は、医薬品、医療器具、食品、化学品等の安全性や有効性を研究する業務を主として行っております。近年において医食に対する安全性への要求は益々高まり、加えてにiPS細胞を始めとする医療分野における革新的な展開は目覚しいものがあり、当社が果たす社会的役割は一段と大きなものになっております。

 このような社会的環境において、当社は、「人類の永遠の平和共存を願い、生命科学の探求を通じて明日の医療を実現すると共に、地球環境の維持向上に貢献する。」ことを基本理念としております。

 そのために私達は、常に次の事項を自らに課しております。

1.常に社会を見据え、私達がやるべき事、私達にしかやれない事、に取り組みます。

2.研究する心、創造する心、を忘れません。

3.人を信頼し、人から信頼されるよう常に務めます。

 当社では現在の市場環境に対応しつつ、基本理念を実現するため、2019年度(2020年3月期)を初年度とする「中期経営計画(2019年度-2021年度)」(以下、「中期経営計画」といいます。)を策定しております。中期経営計画では、以下の点に重点的に取り組んでまいります。

 なお新型コロナウイルス感染が全世界に拡大し影響が経済面だけでなく社会生活全般に及んでおりますが、現段階では、当社の業績に重要な影響を与えないと判断しておりますので中期経営計画の見直しは実施しておりません。

 

① 試験機能の拡充に向けた投資と国内外への営業の拡充

 キャパシティーや試験機能の拡充に向けた投資・増員と、国内外での営業活動の拡大を計画的に実行し、着実な売上と収益の向上を目標に取り組みます。

 併せて事業提携先との関係強化を進めると共に海外CRO代理店業務の拡大を図り、より業界や技術面において広範囲かつ深みのあるサービスを網羅できるよう総合的かつグローバルな体制構築を目指します。

 

② 信頼性の遵守、サービスの向上、改善活動の継続

 これらはどの時代もどの様な環境下にあっても、当社事業の根幹を成す永遠の課題です。

 外部環境の変化にも囚われる事なく、経営方針、教育活動、日々のコミュニケーション、改善活動などあらゆる事業活動を通じて維持向上に取り組みます。

 

③ 更なる研究開発型企業へ

 今まで取り組んできた様々な試験法の開発を通じて、再生医療や遺伝子治療など新たな領域の評価技術に対する研究開発に取り組み、常に先を見据えた研究開発企業となるべく、国立大学法人・国立研究所等との関係強化を図って参ります。

 

④ 環境事業の拡大

 弊社の環境事業は、一定割合の空気を循環しながら再利用する事によりエネルギーコストを大幅に軽減するというコンセプトのもと、独自の湿式空調及び乾式空調を製造販売し、技術を蓄積して来ました。国内においては過去20年以上に渡り100件以上の納入・使用実績があり、納入業界も多岐に渡っています。

 近年、電気や重油などエネルギーコストは日本のみならずアジア各国でも高騰しており、弊社の空調コンセプトが受け入れられやすい土壌は形成されているものと見ています。

 今後、国内外の協力網を構築すると共に、価格の低廉化を図り、販売市場の拡大を図ります。

 

⑤ より働きやすい企業へ

 「働き方改革」への適応を図ると共に、社員教育、キャリアプランなど個々の社員への対応やサービスの充実など処遇向上に努めます。併せて積極的な研究活動や学会活動、地域の学校で薬や生命に関する授業を行うなど、社会貢献と社員のやりがいに繋がる社外活動も行って参ります。

 

(2)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

 当社における中期経営計画では、売上高、経常利益、当期純利益を重要な経営指標として用いておりますが、中期経営計画最終年度にあたる、2021年度(2022年3月期)目標は、売上高3,234百万円、経常利益139百万円、当期純利益119百万円であります。

 

(3)経営環境、優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

 当社の主要顧客である製薬業界においては、薬価改定による国内売上高の成長鈍化は見られるものの、研究開発テーマは従来テーマに加え感染症治療薬などの開発需要も加わり、総じて増加傾向にあるものと見られます。医薬品の種類については低分子医薬品、バイオ医薬品、それぞれにバラエティーが増えつつあり、また、AI創薬や過去情報利用による新たな創薬手法の登場など、各社の差別化戦略を伴い、変化と広がりを見せております。

 また近年、アジア圏における創薬の拡大も見受けられるなか、海を越えたCROの役割や期待も増えているものと認識しています。

 なお、新型コロナウイルス感染が全世界に拡大し影響が経済面だけではなく、社会全般に及んでおりますが、2020年3月末段階で、受託試験事業と環境事業の受注残高の合計が、2,021百万円となっている上、提出日現在の受注状況も新型コロナウイルス感染拡大前と同程度以上の水準で推移していることから、現段階では当該事象は業績に重要な影響を与えないものと判断しております。

 環境事業においては、研究施設の更新需要は依然あるなかで、新型コロナウイルスの蔓延による、設備投資計画の延期や建設会社の活動鈍化などの影響が懸念されておりますが、新規取り扱い製品などのテーマもあり、これらを売上に繋げる必要があります。

 この様な状況において、高い成長性を確保するために、以下のような課題があるものと認識しております。

 

① 新型コロナウイルス感染症拡大事業継続に関する取組

 この度の新型コロナウイルスの国内における拡大にあたり、社員及び社員の家族のウイルスからの感染防止対策と、万が一の発症時の被害の最小化などの対策が不可欠です。

 当社においては、感染防止対策として、可能な限り職員の在宅勤務を進めておりますが、業務の性質上、出社しなければ遂行できない業務が大半です。

 その様な状況において、職員の行動制限、全従業員の日々の健康チェック、出社職員のマスク着用や手洗い等の励行、時間差通勤、部門の分散化、密度の軽減、執務机毎のビニールバリケード設置、外部との接触機会の低減等、考えうる限りの対策を実施しております。

 幸いにも長野県内における発生が現段階では限定的である事、必要資材も十分確保できている事などから、受託試験の遂行に障害は生じておりませんが、引き続き感染防止対策を進め、万が一災害が発生した場合にも、人的、物的被害を最小にするべく、総合的なリスク対策を進めて参ります。

 

② 先行投資の回収

 近年、上記の市況や営業拡大に伴う業務量の増加に対応するべく、増員、施設改修によるキャパシティーの増加、各種高額検査機器などの投資を行い、成長に向けた拡大を図っておりますが、これらは先行投資であり、回収は遅れて生じることが見込まれます。

 その様な状況において、収益率を上げる事が最大の経営課題になっております。

 次年度より、従来からあった経営戦略室の業務を拡大するとともに、これらの経営課題を専任して分析し解決にあたるべく経営管理を強化します。

 

③ 新技術対応

 新薬開発のバラエティーの拡大を受け、本年度より研究開発専任部門を設置し、これに取り組んでおります。具体的には、国立研究開発法人日本医療開発機構(AMED)の支援のもと国立大学法人信州大学と共同で進める、遺伝子・細胞療法研究開発センター(CARS)の運営や試験の実施、産学連携、社内での新たな試験系の開発等に取り組んでおります。

 また、環境事業においても、新規取扱商品や従来製品のコストダウン対策などに取り組んでおり、これらを売上につなげて参ります。

 

新規事業の拡大

 近年開始した、SEND受託、海外代理店事業については順調に売上を拡大しております。これらの事業については、体制強化と信頼性強化に努めつつ、引き続き営業活動を推進し、環境事業に続く第3、第4の柱事業に成長させるべく努めて参ります。

 

⑤ 人材の育成

 当社の事業継続及び拡大にあたっては、より質の高いサービスの提供に努め、医学・薬学・獣医学などの専門的な知識・技術を有する人材のほか、IT技術やマネジメントに優れた人材が不可欠です。また海外との連携ややり取りが出来る人材も求められます。

 この様な人材を育成するための教育研修を重要課題として継続して取組んでまいります。

 

2【事業等のリスク】

 当社の事業展開その他に関するリスク要因となる可能性があると考えられる主な事項を記載しております。また当社でコントロールできない外部要因や必ずしも事業上のリスクに該当しない事項についても、投資判断上重要と考えられる事項については、投資者に対する積極的な情報開示の観点から以下に開示しております。

 なお、文中における将来に関する事項は、当事業年度末現在において、当社が判断したものであります。当社では、これらのリスク発生の可能性を認識したうえで、その発生の予防及び発生時の対応に努力する方針ですが、本株式に関する投資判断、当社の経営状況及び将来の事業についての判断は本項及び本書中の本項以外の記載事項を慎重に検討した上で行われる必要があると考えています。

 また、以下の記載は当社株式への投資に関するリスク全てを網羅するものではありません。

 

(1) 新型コロナウイルス感染拡大の影響によるリスク

 当社において本報告書提出日現在、直接的な影響は顕在しておりません。長野県内における発生が限定的であること、必要資材も十分確保できていることなどから、受託試験の遂行には障害は生じておりません。感染防止対策として、職員の行動制限と毎日の健康チェック、マスクの着用と手洗いの励行、テレワークと時差出勤による密度の軽減等を継続して実施してまいります。万が一感染が発生した場合にも、人的、物的被害を最小にするため総合的なリスク対策を可能な限り進めてまいります。当社では、2020年3月末の段階で、受託試験事業と環境事業の受注残高の合計が2,021百万円となっている上、提出日現在の受託試験の受注状況も新型コロナウイルス感染拡大前と同程度以上の水準で推移しており、また、受託試験等の実施状況等、資材の調達等にも影響は生じていないことから、現段階では当該事象が業績に重要な影響を与えないものと想定しております。しかしながら、今後の推移が想定と異なる場合、経営成績や財政状況に影響を及ぼす可能性があります。その場合、適時適切にその内容を開示いたします。

 

(2) 受託試験事業固有のリスクについて

① 法的規制について

 当社の事業は、現在、「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」、「化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律」及びそれに関連する厚生労働省令等による諸規制を受けております。実験動物の調達にあたっては、「特定外来生物による生態系等に係る被害の防止に関する法律」及び「感染症の病原体を媒介するおそれのある動物輸入に関する規制」等の諸規制を受け、試験実施施設はGLPに基づくGLP適合性確認のための調査の対象となっております。

 当社は、信頼性保証室及び内部監査室を配置しており、それぞれが機能しつつ法的規制への抵触を予防する措置を取っておりますが、何らかの要因により、当社における「輸入検査場所としての指定」「輸入サル飼育施設としての指定」「特定外来生物の飼養許可」のいずれかが指定又は許可の取り消し・停止処分を受けた場合、GLP適合確認において高い評価が得られなかった場合及びその他諸規制に抵触する事態が発生した場合には、事業の進捗に支障が生じる可能性があり、これまで取引してきた企業からの受注が激減することが予想され、当社の経営成績や財政状態に影響を与える可能性があります。

 

② 必要資材の取得について

 当社にとってカニクイザルは最も重要な資材であり、現時点では需要を賄う物量を確保しておりますが、以下のようなリスクが内在しております。

a.今後の需給動向により、取得数の減少や購入コストの高騰が生じた場合、当社の経営成績や財政状態及に影響を与える可能性があります。

b.人獣共通の感染症が発生した場合には、移動禁止措置がとられる可能性があります。今後、移動禁止の措置がとられた場合や必要な物量が確保できない場合、もしくは調達が遅延するといった事態が発生した場合、当社の経営成績や財政状態に影響を与える可能性があります。

 

③ 試験の変遷について

 近年ヨーロッパなど一部の地域においては、カニクイザル以外のサルを用いる試験が出てきております。現在のところは背景データの豊富さからカニクイザルが主流となっておりますが、将来、カニクイザル以外のサルが実験用途として世界のスタンダードとなった場合、当社の有利性が失われ、当社の経営成績や財政状態に影響を与える可能性があります。

 

④ 感染症等の発生について

 実験動物は、当社試験施設において、外部と遮断され、気圧調整により相互の汚染が防止された試験室内で、温度・湿度等が一定に制御された環境下で飼育されております。また、実験動物を受入れる際の厳重な検疫体制やGLP基準に基づく研究施設への試験従事者等の入退出管理を含めて、安全管理・衛生管理には万全の態勢を構築しております。しかしながら、施設内外のトラブルや、実験動物及び試験従事者のウィルスによる感染症の発生等、予期せぬ事態が生じた場合には、事業活動に支障をきたし、当社の経営成績や財政状態に影響を与える可能性があります。

 

⑤ 動物福祉について

 非臨床試験は、実験での使用を目的として生産された動物を使用しております。新薬の開発過程において非臨床試験は、ヒトでの臨床試験を実施する際の科学的・倫理的妥当性を客観的に評価するため、現状では必要不可欠な試験と考えております。当社では、実験動物の使用に当たっては、「動物の愛護及び管理に関する法律」、「実験動物の飼養及び保管等並びに苦痛の軽減に関する基準」等の適用法令及び自社で策定した「実験動物指針」を遵守し、実験動物の適正な管理を行っております。また、2005年には実験動物の取扱い、管理及び福祉における世界的基準である、AAALAC Internationalによる認証を国内で初めて取得し、その基準に合わせた管理体制及び実験方法の選定を行っております。

 しかしながら、動物福祉の観点から実験動物の利用に関して否定的な意見が多数を占めるような社会情勢に至った場合、当社のイメージに悪影響を与える可能性があります。また、実験動物利用の規制が行われるようになった場合にはその入手が困難となり、当社の経営成績や財政状態に影響を与える可能性があります。

 

⑥ 特定の業界への依存度が高いことについて

 受託試験事業は、製薬業界への売上依存度が高く、製薬業界全体の動向が当社の業績に大きな影響を与えます。近年、国内製薬企業大手は積極的に海外製薬企業の買収を進めており、今後の研究開発の軸足を国内・海外のいずれに置くことになっていくかは不透明になりつつあります。また、欧米の製薬企業は大型のM&Aにより企業規模を拡大しており、日本の製薬企業が、その創薬能力の優秀さや、日本が米国に次ぐ大きな医薬品市場を抱えていることから、海外企業の買収ターゲットとなる可能性を十分に持っています。今後、国内製薬会社の研究開発の海外移転が進んだ場合及び海外製薬企業による買収が行われ、当社の取引先である国内製薬企業の絶対数が減少した場合、国内における新薬開発の件数が減少し当社の経営成績や財政状態に影響を与える可能性があります。

 

⑦ 競合について

 CRO業界は、海外を含めその競合は大変厳しいものとなっております。当社が提供する商品は、品質、信頼性等での優位性を保持しておりますが、競合他社が当社の商品の品質、信頼性等を凌ぐ商品を開発し市場に投入した場合には、当社の経営成績や財政状態に影響を与える可能性があります。

 

(3) 知的財産権について

 当社は、研究開発活動に関わる成果を、特許権その他の知的財産権として確保することは事業戦略上極めて重要であると考えておりますが、これらの研究成果をすべて特許等として申請しても、必ずしもその権利を保全できるとは限りません。その結果、後発の第三者が同様の技術を開発した場合、市場における優位性が保てなくなり、当社の経営成績や財政状態に影響を与える可能性があります。

 本書発表日現在、第三者の知的財産権を侵害している事実はないと認識しておりますが、万一、第三者から訴訟を提起されるような事態が発生した場合は当社の経営成績や財政状態に影響を与える可能性があります。

 

(4) 情報セキュリティ管理体制について

 当社は、医薬品開発企業等から委託された開発品の情報等(以下「秘密情報」と言います。)を得て受託試験を実施しております。秘密情報の取り扱いについては、委託先と秘密保持契約を締結し秘密情報を厳重に管理するとともに、役職員に対して在職中、退職後を問わず秘密情報の保全を義務付けております。しかしながら、万一、当社に起因した第三者に対する秘密情報漏洩が発生した場合等には、顧客の信頼が損なわれ当社の経営成績や財政状態に影響を与える可能性があります。

 

(5) 人材の確保及び育成について

 当社の事業推進にあたっては、薬学、獣医学及び農学等の専門的知識の保有者並びに薬剤師、獣医師、臨床検査技師等の有資格者が不可欠であります。こうした人材は、これまでのところ支障なく確保及び育成できておりますが、今後、計画した人材確保ができない場合や、現在在籍する人材の流出が生じた場合には、当社の経営成績や財政状態に影響を与える可能性があります。

 

(6) 為替変動について

 当社は、海外との取引があります。このため、為替レートの動向は当社の経営成績や財政状態に影響を与える可能性があります。

 

(7) 売上高の季節変動について

 当社の取引先である大手製薬会社や大学等の予算は、4月から翌年3月を区切りとして編成される場合が多く、当社に委託される試験や工事案件にも同様の期間内での完了が求められるものが多数あります。このため、当社の売上計上は3月に集中する傾向があります。

 

2【沿革】

年月

事項

1974年7月

有限会社信州実験動物センターを設立

1977年7月

商号を有限会社信州動物実験センターに変更

1978年3月

株式会社に改組

1983年4月

GLP(医薬品の安全性試験の実施に関する基準)施行に伴い、GLP対応の安全性試験の受託開始

1988年3月

第2研究所(現本社所在地)を開設、バリアシステムの小動物実験棟を建設

1989年2月

実験機器及び空調装置の商品化と販売を開始

1989年7月

商号を株式会社イナリサーチに変更

1991年10月

第2研究所敷地内に大動物実験棟を建設

1992年9月

東日本の営業拠点として、東京出張所を埼玉県浦和市に開設

1992年11月

大動物実験棟の一部を改造、サル試験の受託を開始

1993年1月

東京出張所を東京都新宿区に移転

1994年4月

フィリピンに土地保有会社Inaphil,Incorporatedを設立

1994年4月

フィリピンに受託試験会社として、Ina Research Philippines,Inc.(INARP)を設立

1997年1月

東京出張所を東京支所に改称し、東京都北区に移転

1997年4月

前臨床医学研究所より依存性試験技術の譲渡を受け、依存性試験の受託を開始

1998年5月

INARPにカニクイザルの防疫及び実験への適性を高めるための育成施設である、Primate Quality
Control Center(PQCC)を建設

2000年3月

第2研究所のサル検疫施設が、農林水産大臣のサル輸入検疫検査場所指定を取得

2001年6月

第2研究所敷地内にサル検疫棟を建設

2003年4月

本社機能及び本社研究所を第2研究所に統合し、新たに小動物のバリアシステム実験室、サル実験室、検査室を備えた研究棟を建設

2004年4月

食品の安全性及び有効性を確認する臨床試験の受託を開始

2005年2月

当社実験施設が日本初のAAALAC International(注)の完全認証を取得

2007年8月

東京支所を東京都千代田区に移転

2008年6月

ジャスダック証券取引所へ上場

2010年10月

大阪証券取引所ヘラクレス市場、同取引所JASDAQ市場及び同取引所NEO市場の統合に伴い、大阪証券取引所JASDAQ(スタンダード)に株式を上場

2011年1月

米国Cardiocore Lab, Inc.の総代理店として、臨床QT/QTc評価試験サービスの提供を開始

2013年3月

移植寛容型カニクイザルの検出技術を確立し、モデル動物の販売を開始

2013年7月

東京証券取引所と大阪証券取引所の統合に伴い、東京証券取引所JASDAQ(スタンダード)に株式を上場

2013年9月

株式会社住化分析センターと業務提携

2014年1月

マーモセット試験の受託を開始

2015年11月

PQCCを閉鎖

2015年12月

信州大学と社会連携協定締結

2016年7月

2018年12月

 

2019年4月

2019年10月

2020年2月

シミックファーマサイエンス株式会社と業務提携

スイスInnovative Environmental Services Ltd.、スペインVivotecnia Research SL、

スペインZeClinics SLと代理店契約締結

米国Southern Research Instituteと代理店契約締結

「信州大学遺伝子・細胞治療研究開発センター イナリサーチラボ」開設

Inaphil, Incorporatedの清算を結了

 (注) AAALAC International:Association for Assessment and Accreditation of Laboratory Animal Care

International(国際実験動物管理公認協会)は、米国に本部を置き、科学における動物の人道的な管理を推進する観点から実験動物施設の評価を行う唯一の国際的独立調査機関であります。これまでに世界の主要な医薬品及びバイオ技術企業、大学、研究機関等がAAALAC認証を取得しています。

(5)【所有者別状況】

 

 

 

 

 

 

 

2020年3月31日現在

区分

株式の状況(1単元の株式数100株)

単元未満株式の状況

(株)

政府及び地方公共団体

金融機関

金融商品取引業者

その他の

法人

外国法人等

個人その他

個人以外

個人

株主数(人)

3

23

13

16

5

2,097

2,157

所有株式数(単元)

336

838

5,481

750

8

22,561

29,974

1,400

所有株式数

の割合(%)

1.12

2.80

18.28

2.50

0.03

75.26

100.00

3【配当政策】

 当社は、株主の皆様への利益還元を経営上の最重要課題のひとつと考え、あわせて将来の事業展開に備え財務体質の強化と内部留保の充実を勘案しつつ、安定的な配当を行ってまいりたいと考えております。

 しかしながら、当事業年度末においては、純資産の部における利益剰余金がマイナスであるため、誠に遺憾ながら、当期の配当につきましては実施を見送らせて頂きます。配当可能利益を生み出すべく、業績の拡大を図り、内部留保を進め、早期に復配できるよう努力して参ります。

 

(2)【役員の状況】

① 役員一覧

男性9名 女性0名 (役員のうち女性の比率0%)

役職名

氏名

生年月日

略歴

任期

所有株式数(株)

代表取締役会長

中川 博司

1943年9月23日

 

1968年4月

北山ラベス株式会社入社

1974年7月

有限会社信州実験動物センター(現当社)代表取締役社長

1978年3月

株式会社信州動物実験センター(現当社)に改組 代表取締役社長

1994年4月

Ina Research Philippines,Inc.代表取締役会長(現任)

1994年4月

Inaphil,Incorporated取締役(現任)

2013年6月

代表取締役会長(現任)

 

(注)4

187,400

代表取締役社長

中川 賢司

1968年6月16日

 

1994年4月

タカノ株式会社入社

2000年4月

当社入社

2006年4月

試験研究センターセンター長付

2006年10月

社長室長兼試験研究センター信頼性保証部長代行

2007年4月

社長室長

2009年6月

取締役社長室長

2009年7月

取締役

2011年4月

取締役総務部長

2012年6月

常務取締役総務部長

2013年6月

代表取締役社長(現任)

 

(注)4

448,500

常務取締役

試験研究センター長

佐藤 伸一

1962年2月10日

 

1986年4月

当社入社

2007年1月

試験管理部長

2009年7月

試験研究センター長

2011年6月

取締役試験研究センター長

2019年6月

常務取締役試験研究センター長(現任)

 

(注)4

2,000

取締役

本坊 敏保

1952年8月23日

 

1979年4月

藤沢薬品工業株式会社(現アステラス製薬株式会社)入社

2007年4月

当社入社 企画本部長

2007年6月

取締役企画本部長

2009年7月

取締役(現任)

 

(注)4

2,000

取締役

芦部 喜一

1956年1月23日

 

1979年4月

トヨタ自動車工業株式会社(トヨタ自動車株式会社)入社

2004年1月

天竜精機株式会社入社 専務取締役

2005年2月

同社代表取締役社長

2009年6月

当社取締役(現任)

2014年10月

天竜精機株式会社代表取締役会長

2016年1月

同社相談役(現任)

 

(注)4

取締役

新井 秀夫

1958年10月16日

 

1981年4月

オリエンタル酵母工業株式会社入社

2008年6月

同社取締役

2010年6月

同社取締役バイオ事業本部長

2015年6月

同社常務取締役バイオ事業本部長(現任)

2019年6月

当社取締役(現任)

 

(注)4

 

 

役職名

氏名

生年月日

略歴

任期

所有株式数(株)

監査役

(常勤)

新村 和人

1955年8月7日

 

1980年12月

日成運輸倉庫株式会社(現株式会社日成)入社

1990年4月

当社入社

2003年4月

総務部長

2009年6月

執行役員内部監査室長

2012年6月

執行役員試験研究センター副センター長

2013年4月

執行役員監査担当

2013年6月

監査役(現任)

 

(注)5

12,900

監査役

松﨑堅太朗

1975年4月1日

 

1996年10月

中央監査法人入所

1999年4月

公認会計士登録

1999年7月

湯澤文弘税理士事務所入所
公認会計士松﨑堅太朗事務所開設(現任)

2000年1月

税理士登録

2004年6月

当社監査役(現任)

2019年7月

税理士法人mkパートナーズ設立 代表(現任)

 

(注)5

800

監査役

浦野 正敏

1944年11月24日

 

1967年3月

興亜電工株式会社(現KOA株式会社)入社

1998年6月

同社取締役

2008年6月

同社監査役

2013年6月

当社監査役(現任)

 

(注)5

653,600

 (注)1 代表取締役社長中川賢司は、代表取締役会長中川博司の長男であります。

2 取締役芦部喜一及び取締役新井秀夫は、社外取締役であります。

3 監査役松﨑堅太朗及び浦野正敏は、社外監査役であります。

4 任期は2019年6月25日開催の定時株主総会終結の時から、2021年3月期に係る定時株主総会終結の時までであります。

5 任期は2019年6月25日開催の定時株主総会終結の時から、2023年3月期に係る定時株主総会終結の時までであります。

 

② 社外役員の状況

 当社の社外役員は、社外取締役2名、社外監査役2名であります。

 社外取締役芦部喜一及び社外取締役新井秀夫と当社との間には利害関係はありません。

 社外監査役松﨑堅太朗は税理士法人mkパートナーズの代表ですが、同法人と当社との間には利害関係はありません。なお同氏は当社の株式800株を保有しておりますが、その他に当社との利害関係はありません。また、社外監査役浦野正敏と当社との間には利害関係はありません。

 当社は、社外取締役及び社外監査役が企業統治において果たす機能及び役割として、会社経営に関する実践経験と会計分野における豊富な経験から培われた高い見識の当社経営への反映と、併せて、一般株主目線での経営に対する牽制機能を期待するものであります。現在、選任された取締役及び監査役は有効な機能を果たしていると判断しております。

 社外取締役芦部喜一及び新井秀夫は、自身の経営者としての豊富な経験を活かして、組織の活性化に向けた取組みを実践しております。また、社外監査役松﨑堅太朗及び浦野正敏は、自身の経験と知識を活かしながら、常勤監査役、内部監査室及び監査法人との緊密な連携のもと、監査の有効性・効率性を高めております。

 当社において、社外取締役及び社外監査役を選任するための独立性について特段の定めはありませんが、高い見識と経験を有し、一般株主の方と利益相反が生じる事由が無く、中立的な立場から経営の意思決定・執行に対して適切な意見を述べて頂ける方であることを基本要件として、選任しております。

③ 社外取締役又は社外監査役による監督又は監査と内部監査、監査役監査及び会計監査との相互連携並びに内部統制部門との関係

 当社は社外取締役、監査役、内部監査室及び監査法人の緊密な連携が、コーポレート・ガバナンスを確立していく上で極めて重要と考えており、年間予定などの定期的な打ち合わせを含め、必要に応じて随時情報の交換を行うことで連携を深め、監査の有効性・効率性を高めております。

 社外取締役は取締役会に出席し、客観的かつ中立的な立場で提言を行う等、取締役の職務執行について監督を実施している他、監査役及び内部監査室と、随時情報交換を行い、助言を与えることにより連携をしております。

 監査役及び内部監査室は、監査法人から監査計画の概要、監査重点項目等について説明を受けるほか、必要に応じて監査法人の往査の立会い、監査講評の報告会出席及び内部統制の整備状況等について情報の共有化と意見交換を行っております。

 また、監査役と内部監査室については特に連携体制が重要であり、監査役と内部監査室による連絡会を開催し、監査方針、監査計画及び監査結果とその改善状況ならびに内部統制の整備状況等に関して報告と意見交換を行っております。その他、年間を通じて情報の共有化に努めております。

 今後、内部統制の整備強化が一層求められる状況を鑑み、各監査機関は監査の実効性の確保に向けてさらに連携を深めてまいります。

4【関係会社の状況】

(1) 親会社

該当事項はありません。

 

(2) 関連会社

該当事項はありません。

 

(3) その他の関係会社

該当事項はありません。

 

1【設備投資等の概要】

 当事業年度の設備投資の総額は、280,430千円であります。

 受託試験事業におきまして、主に試験機器等の導入177,312千円、施設設備等68,497千円の投資を行いました。

株価(1年)
期間を変更
PER(1年/会予)
期間を変更

その他企業情報

企業価値3,120 百万円
純有利子負債766 百万円
EBITDA・会予188 百万円
発行済株数2,998,800 株
設備投資額280 百万円
減価償却費112 百万円
のれん償却費N/A
研究開発費76 百万円
代表者代表取締役社長  中川 賢司
資本金685 百万円
住所長野県伊那市西箕輪2148番地188
会社HPhttp://www.ina-research.co.jp/

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