1年高値2,538 円
1年安値1,812 円
出来高3,849 千株
市場東証1
業種食料品
会計IFRS
EV/EBITDA6.9 倍
PBR1.4 倍
PSR・会予1.7 倍
ROA6.5 %
ROIC11.0 %
β0.50
決算12月末
設立日1985/4/1
上場日1994/10/27
配当・会予154 円
配当性向78.5 %
PEGレシオ-1.3 倍
売上高(百万円)&収益性(%)
売上5y CAGR・予想:-1.6 %
利益(百万円)
営利5y CAGR・予想:-8.2 %
純利5y CAGR・予想:-9.3 %
EPS(円) BPS(円)
配当(円)
健全性(%、倍)
セグメント別売上
セグメント別営業利益
セグメント別利益率
会社の詳細

3【事業の内容】

当社グループの経営理念は、「4Sモデル」の追求です。これは「お客様を中心として、株主、従業員、社会の4者に対する責任を高い次元でバランスよく果たし、4者の満足度を高めていく」という考え方です。

当社グループは、「4Sモデル」をベースに、「JTならではの多様な価値を提供するグローバル成長企業であり続けること」を目指す企業像(ビジョン)として定めており、また、「自然・社会・人間の多様性に価値を認め、お客様に信頼される『JTならではのブランド』を生み出し、育て、高め続けていくこと」が、当社グループの使命であると考えております。

加えて、当社グループ社員の一人ひとりが徹底すべき行動規範・価値観として「JTグループWAY」を掲げており、「お客様を第一に考え、誠実に行動すること」「あらゆる品質にこだわり、進化し続けること」「JTグループの多様な力を結集すること」という3つのステートメントによって、表現しております。

当社と、連結子会社231、持分法適用会社13社から構成される当社グループは国内及び海外たばこ事業、医薬事業並びに加工食品事業を展開しているグローバル企業であり、その主な事業内容及び各関係会社等の当該事業に係る位置づけは次のとおりです。

なお、次の4区分は「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 6.事業セグメント (1)報告セグメントの概要」に掲げる報告セグメントの区分と同一です。

 

〔国内たばこ事業〕

 当該事業につきましては、たばこ製品の製造、販売等を行っております。当社が製造、販売を行い、TSネットワーク㈱が当社製品の配送及び外国たばこ製品(輸入たばこ製品)の卸売販売等の流通業務を行っております。また、日本フィルター工業㈱等が材料品の製造を行っております。なお、Natural American Spirit製品に係る一部業務については、㈱トゥルースピリットタバコカンパニーが行っております。

 (主な関係会社)

TSネットワーク㈱、ジェイティ物流㈱、日本フィルター工業㈱、富士フレーバー㈱、ジェイティエンジニアリング㈱、㈱トゥルースピリットタバコカンパニー

その他連結子会社7社、持分法適用会社1社

 

〔海外たばこ事業〕

 当該事業につきましては、JT International S.A.を中核として、たばこ製品の製造、販売等を行っております。

 (主な関係会社)

JT International S.A.、LLC JTI Russia、Gallaher Ltd.、LLC Petro、JT International Germany GmbH、JTI Polska Sp. z o. o.、JTI Tütün Ürünleri Sanayi A.Ş.

その他連結子会社164社、持分法適用会社7社

 

〔医薬事業〕

 当該事業につきましては、医療用医薬品の研究開発、製造、販売及びプロモーションを行っております。主に当社が研究開発を行い、鳥居薬品㈱が製造、販売及びプロモーション業務(当社製品を含む)を行っております。

 (主な関係会社)

鳥居薬品㈱、Akros Pharma Inc.

 

〔加工食品事業〕

 当該事業につきましては、冷凍・常温加工食品、調味料、ベーカリー等の製造、販売をテーブルマーク㈱等が行っております。

 (主な関係会社)

テーブルマーク㈱

その他連結子会社27社、持分法適用会社3社

 

 上記の報告セグメントの他に、不動産賃貸等に係る事業等を営んでおります。なお、報告セグメントに属さない関係会社として、連結子会社17社、持分法適用会社2社があります。

 

以上に述べた事項を事業系統図によって示すと、次のとおりです。

(画像は省略されました)

また、各事業における研究開発、調達、製造、販売等の分野ごとの概要は以下のとおりです。

 

〔たばこ事業〕

 当社グループのたばこ事業(当社グループのたばこ事業は、国内と海外に分けて事業管理を行っており、報告セグメントにおいては「国内たばこ事業」と「海外たばこ事業」を区分しております)は、販売数量で世界第3位(中国国家煙草総公司を除く)を誇り、70以上の国と地域で事業を展開、また130以上の国と地域で製品を販売しております。当社グループは世界における販売数量シェア上位10ブランドのうち3ブランドを製造・販売しております。

 

<研究開発>

研究開発力を長期に亘る競争力の源泉とすべく、特に葉たばこの育種、原材料及びその加工、たばこの香喫味、製造技術並びにRRP(注)関連技術の分野に注力し、製品価値の向上とコストの低減を目指しております。基礎研究及び応用研究開発領域については、日本国内の研究所がグローバル機能を有しており、製品開発領域については、各国・各地域の異なるニーズ・嗜好に対応すべく、ローカルベースでの開発も行っております。

(注)RRPは、E-Vapor製品及び加熱式たばこ等、喫煙に伴う健康リスクを低減させる可能性のある製品(Reduced-

Risk Products, RRP)を指しております。

 

<原料葉たばこの調達>

たばこの原料である葉たばこは、農作物であるため、その調達状況は天候に左右され、また、近年、エネルギー資源や他の作物の価格高騰等により、葉たばこ供給の不安定化や価格の高止まり傾向が見られます。このような状況下において、当社グループは買収による垂直統合及びサプライヤーとの連携強化により、原料の安定的な調達と調達コストの低減を目指しております。

 

・外国産葉たばこの調達

当社グループは、主要葉たばこ産地(米国、ブラジル、マラウィ等)における自社調達基盤の活用、及び主に大手3社の国際葉たばこサプライヤーからの購買により、外国産葉たばこを調達しております。

自社調達基盤は、2009年にブラジル及びアフリカにおける葉たばこサプライヤーの買収、並びに米国におけるジョイントベンチャー設立によって獲得したものです。自社調達基盤の獲得以降、原料調達の安定化、葉たばこ耕作段階からの関与を深めることによる品質管理の強化、葉たばこ調達に精通した優秀な人財の育成による葉たばこ調達部門の強化に取組んでおります。

 

・国内産葉たばこの調達

国内産葉たばこの調達については、たばこ事業法等により、当社が国内の葉たばこ耕作農家と毎年売買契約を締結し、たばこ製造に適した葉たばこを全量購買することが定められております。また、翌年の耕作面積及び買入価格については、「葉たばこ審議会(注)」の答申を尊重し決定しております。

(注)当社の代表者の諮問に応じ、原料用国内産葉たばこの生産及び買入れに関する重要事項につき調査審議するための審議会です。委員は11人以内で、耕作者を代表する者及び学識経験のある者のうちから財務大臣の認可を受けて当社の代表者が委嘱します。

 

<製造>

 お客様に信頼される高品質なたばこづくりを目指し、グローバルな製造体制を構築しております。日本国内では4つのたばこ製造工場及び2つのその他たばこ関連工場が、日本を除く28か国では35のたばこ製造工場(その他たばこ関連工場含む)が稼動しております。また、当社グループブランドの製造委託及び2社間でのクロスライセンスによる製造も一部行っております。

 

<マーケティング>

 ブランド・ロイヤリティを高めるために、様々な規制を遵守しつつ、積極的かつ効果的なマーケティング活動を展開しております。

 グローバルには、グローバル・フラッグシップ・ブランド(以下「GFB」という)(注)を中心に、一部のローカルブランドによる補完を行いながらマーケティング活動を行っております。

(注)当社グループのブランドポートフォリオの中核を担う「ウィンストン」「キャメル」「メビウス」「LD」の4ブランドをGFBとしております。

 

<小売価格>

 たばこの小売価格設定にあたっては、ブランドのポジショニング、製品価値との見合い、競合製品の価格、利益確保といった観点に加え、定価制や課税方式(従量税・従価税)など国ごとに異なる特有の制度面からも検討を行います。小売価格変更の契機として最も代表的なものは増税です。近年、国内外問わず財政及び公衆衛生の観点からたばこ税の増税が行われております。

 

<販売(流通)>

 お客様に当社グループの商品を確実にお届けするために、当社グループは各市場の法的制約、慣行等に合わせて、自社流通や現地代理店及び流通業者の利用等、最適な流通販売ルートの確保を行っております。

 また、販売チャネルに関しても、コンビニエンスストア、ガソリンスタンド、スーパーマーケットといったチェーン企業をはじめ、個人商店、自動販売機等があり、その販売構成比は国ごとに異なります。当社グループは、販売チャネル状況、お客様動向及び競合動向を加味した営業体制を構築しております。

〔医薬事業〕

当社グループは、1987年より医薬事業に進出し、「国際的に通用する特色ある研究開発主導型事業の構築」「オリジナル新薬の開発を通じての存在感の確保」をミッションとし、現在は医療用医薬品の研究開発、製造、販売及びプロモーションを行っております。

1998年12月には鳥居薬品㈱(以下「鳥居薬品」という)の発行済株式総数の過半数を取得し、その後、製造、販売及びプロモーション機能を鳥居薬品に、研究開発機能を当社に統合しました。

また、2000年4月には、米国ニュージャージー州にあるグループ会社、Akros Pharma Inc.に臨床開発機能を追加し、海外での臨床開発拠点を設立しました。

 当社グループは、安定的な利益貢献に向け、各製品の価値最大化、研究開発パイプラインの強化並びに、戦略的な導出入機会の探索及び提携先との連携強化に取り組んでおります。

 

<研究開発>

研究開発は医薬事業の基盤であり、医薬事業の長期的成長と収益性にとって重要なものです。研究開発活動は主に「糖・脂質代謝」「免疫・炎症」「ウイルス」の領域にフォーカスしており、当年度は332億円を投資しました。

 

・研究開発プロセス

 「探索研究、創薬研究、前臨床試験」を医薬総合研究所が、その後の「臨床試験、承認申請・承認取得」を臨床開発部門等とグループ会社であるAkros Pharma Inc.が、それぞれ担っております。また、開発途中段階にて海外における開発権及び商業化権を導出した化合物については、導出先企業が以後のプロセスを担います。

 

<製造>

当社グループ製品の製造に関しては、鳥居薬品が担うほか、医薬品製造受託会社にも委託しております。

なお、2020年度中に鳥居薬品での製造を中止し、すべて製造委託に切り替えを予定しております。

 

<販売及びプロモーション>

・海外における販売及びプロモーション

現在、海外において自社の販売組織を保有しておらず、化合物毎に、開発途中段階で海外における開発及び商業化権を他社に導出し、導出先から販売実績に応じたロイヤリティを受領することとしております。

 

・日本における販売及びプロモーション

日本国内での当社グループ製品の医薬品卸売業者への販売及び医療施設へのプロモーションについては、主に鳥居薬品によって行われております。なお、プロモーションについては、同社の全国7か所の営業支社に在籍する309名の医薬情報担当者(MR)によって行われております。

主要製品としては、「リオナ(高リン血症治療剤)」「レミッチ(透析患者における経口そう痒症改善剤)」があります。

なお、当社がGilead Sciences Inc.(以下「Gilead社」という)及び鳥居薬品との間で締結していた抗HIV薬6品の日本国内での独占的開発・商業化権のライセンス契約について、2019年1月1日に契約が終了し、同年12月1日にGilead社の日本法人であるギリアド・サイエンシズ株式会社への製造販売承認の承継が完了しております。

〔加工食品事業〕

 当社グループは、1998年より加工食品事業に参入し、それ以来、自律的な成長に加えて、M&Aや資本提携等によって事業を拡大させてきました。

 2008年には日本の大手冷凍食品メーカーであった㈱加ト吉の株式を公開買付により取得してグループ会社とし、同年に当社グループの加工食品事業を㈱加ト吉に移管し、事業統合を実施するとともに、2010年に㈱加ト吉はテーブルマーク㈱と名称を変更する等、統合シナジーの追求・一体感の更なる醸成を図りました。

 当年度末現在、テーブルマーク㈱、富士食品工業㈱、㈱サンジェルマン及びその他グループ各社が事業を担っております。テーブルマーク㈱は、日本を中心に、冷凍麺、冷凍米飯、パックご飯、焼成冷凍パンといったステープル(主食)商品を中心とした冷食・常温事業を展開しております。富士食品工業㈱は、酵母エキス調味料、昆布・カツオ等の抽出エキス調味料、組立型調味料、オイスターソース等の調味料を主力とした調味料事業を、㈱サンジェルマンは、首都圏を中心に店舗を構え、ベーカリー事業を展開しております。

 なお、当社グループの主要な製品には、冷凍麺の「冷凍さぬきうどん」や、パックご飯「たきたてご飯」、酵母エキス調味料「バーテックス」等があります。

 

<研究開発>
 消費者のニーズや嗜好にあった革新的な製品の開発に注力しており、多様化するお客様ニーズに対応するため、当社グループが保有する独自技術を活かした、付加価値ある製品の開発に取り組んでおります。

 具体的には、当社グループ独自の発酵・製パン・冷凍技術を活かして、焼きたての味、食感を維持・再現した、家庭で手軽に焼きたての味が楽しめる焼成冷凍パンを開発しました。また、冷凍麺ではうどんの新製法「丹念仕込み『綾・熟成法』」を開発し、これにより、うどんの高品位・高付加価値化を実現することが可能となりました。

 

<調達>
 安全な食品づくりは、安全で高品質な原料の調達から始まります。当社グループでは、原料の選定にあたり、サプライヤーから提出される品質規格保証書の内容確認だけでなく、主要な原料については、残留農薬などのモニタリング検査や原料工場の定期的な監査を食品衛生法等関連法規の適法性はもとより、当社グループ独自で定めている基準により実施しております。

 更に、海外から調達する原材料において、原料農場の土壌や水質の検査、栽培状況の確認、農薬の管理状態のチェック、飼育場や養殖場の点検など、原材料の生産現場から安全性を確認する体制を構築しております。

 

<製造>
 当社グループでは、日本で23の工場、海外で9つの工場を運営しており、また、国内外の委託工場に当社グループの加工食品の製造を外部委託しております。2020年度より稼働予定の1工場(注)を除き、国内外の自社グループ工場と生産委託を行っているすべての冷凍食品工場においては、ISO22000又はFSSC22000を取得しております。ISO22000及びFSSC22000では、HACCPの考え方による科学的な裏付けをもった衛生管理や重要管理点をコントロールするためのルールを定め、その管理手法に基づいた継続的な改善を行います。

(注)当該工場についても、現在ISO22000及びFSSC22000の取得を進めております。

 

<マーケティング>

 お客様視点での市場分析と当社グループが保有する技術を組み合わせることにより、新たな付加価値を持った商品提案を行い、市場の拡大を目指しております。また、効果的な販売促進施策によるお客様の商品認知度の向上に努めております。

 

<販売及び流通>

 収益力強化に向けて、営業部門組織体制の最適化に取り組むとともに、量販店、コンビニエンスストア等への積極的なアプローチによる取扱い品目の拡大や優位な陳列場所の確保に取り組んでおります。

 

<食の安全>

 お客様に安全な商品を、安心して召し上がっていただくために、東京及び中国(青島)に品質管理センターを設置しており、商品の企画・開発段階からの使用原材料の検査・監査を実施するとともに、工場での生産時・出荷前の検査並びに商品づくり全体の安全管理を行っております。また、「食の安全に関するアドバイザー」である外部専門家の方々より、評価・助言をいただき、多様な知見・視点を積極的に取り入れ、事業活動に反映しております。これらの取組みは、上記<調達>及び<製造>に記載した内容を含め、ウェブサイトなどで積極的に公開しております。

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

経営者の視点による経営成績等の状況に関する主な注記は以下のとおりです。

 

(IFRS第16号について)

当社グループは、当年度より、IFRS第16号「リース」を適用しております。この結果、IFRS第16号適用時に資産及び負債が39,033百万円増加しております。

なお、営業利益及び当期利益に与える重要な影響はありません。詳細は「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 3.重要な会計方針」をご参照ください。

 

(非GAAP指標について)

当社グループは、当社が適用する会計基準であるIFRSにおいて定義されていない非GAAP指標を追加的に開示し

ております。非GAAP指標は、当社グループが中長期的に持続的な成長を目指す上で、各事業運営の業績を把握するために経営管理にも利用している指標であり、財務諸表の利用者が当社グループの業績を評価する上でも、有用な情報であると考えております。

 

調整後営業利益

営業利益(損失)から買収に伴い生じた無形資産に係る償却費、調整項目(収益及び費用)を除いた調整後営業利益を開示しております。調整項目(収益及び費用)はのれんの減損損失、リストラクチャリング収益及び費用等です。

また、為替一定ベースの調整後営業利益の成長率も追加的に開示しております。これは、海外たばこ事業における当期の調整後営業利益を前年同期の為替レートを用いて換算・算出することにより、為替影響を除いた指標です。当社グループは、為替一定ベースの調整後営業利益の成長率における、中長期に亘る年平均mid to high single digit成長を全社利益目標としており、その達成を目指してまいります。

 

(自社たばこ製品売上収益について)

たばこ事業においては、自社たばこ製品に係る売上収益を開示しております。具体的には、国内たばこ事業においては、国内免税市場及び当社の中国事業部管轄の中国・香港・マカオ市場における売上収益並びにRRP・リトルシガー等に係る売上収益が含まれていますが、輸入たばこ配送手数料等に係る売上収益は含まれておりません。また、海外たばこ事業においては、水たばこ製品及びRRPに係る売上収益が含まれていますが、物流事業及び製造受託等に係る売上収益は含まれておりません。

 

(RRPについて)

RRPは、E-Vapor製品及び加熱式たばこ等、喫煙に伴う健康リスクを低減させる可能性のある製品(Reduced-

Risk Products)を指しております。

E-Vapor製品は、たばこ葉を使用せず、装置内もしくは専用カートリッジ内のリキッド(液体)を電気加熱させ、発生するベイパー(蒸気)を愉しむ製品です。

一方、加熱式たばこは、たばこ葉を使用し、たばこ葉を燃焼させずに、加熱等によって発生するたばこベイパー(たばこ葉由来の成分を含む蒸気)を愉しむ製品です。

当社グループは、たばこ事業の将来に亘る持続的な成長のため、イノベーティブな製品の開発等に取り組んでおります。

 

(国内たばこ事業の紙巻数量について)

当年度より、国内たばこ事業の紙巻数量にリトルシガーを含めており、比較対象の前年同期実績も遡及して修正しております。これにより影響を受ける指標は、紙巻総需要、紙巻販売数量、紙巻シェア、及びRRP市場占有率となります。また、このうち、紙巻総需要、紙巻シェア及びRRP市場占有率は当社推計値です。

なお、リトルシガーは、たばこ葉を原料とする巻紙を使い、紙巻たばこと同様の形態に巻き上げた製品で、たばこ事業法上「葉巻たばこ」に分類されるものです。

 

 

経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容は以下のとおりです。

(1)経営成績の状況

① 全社実績

(単位:億円)

 

2018年12月期

2019年12月期

増減率

売上収益

22,160

21,756

△1.8%

調整後営業利益

5,955

5,159

△13.4%

営業利益

5,650

5,024

△11.1%

当期利益(親会社所有者帰属)

3,857

3,482

△9.7%

 

<売上収益>

売上収益は、国内たばこ事業、医薬事業、加工食品事業の減収により、前年度比1.8%減の2兆1,756億円となりました。なお、海外たばこ事業においては、単価上昇効果による堅調なパフォーマンスがネガティブな為替影響をほぼ相殺しました。

 

<調整後営業利益>

為替一定ベースの調整後営業利益は、国内たばこ事業及び医薬事業で減少となったものの、海外たばこ事業及び加工食品事業での増加により、前年度比0.9%増となりました。為替影響を含めた調整後営業利益は、海外たばこ事業においてネガティブな為替影響を受けたことにより、前年度比13.4%減の5,159億円となりました。

 

<営業利益>

営業利益は、医薬事業の抗HIV薬6品の国内におけるライセンス契約解消に係る収益があったものの、調整後営業利益の減少、不動産売却益の減少及び買収に伴い生じた無形資産に係る償却費の増加、海外たばこ事業における事業運営体制の変革に係る施策費用の計上等により、前年度比11.1%減の5,024億円となりました。

 

<親会社の所有者に帰属する当期利益>

親会社の所有者に帰属する当期利益は、一時的な要因により税負担率が低下したものの、営業利益の減益及び

金融損益の悪化により、前年度比9.7%減の3,482億円となりました。

 

② セグメント別実績

 

〔国内たばこ事業〕

(単位:億本、億円)

国内たばこ事業

2018年12月期

2019年12月期

増減率

紙巻総需要(注1)

1,336

1,251

△6.3%

紙巻販売数量(注2)

820

755

△7.9%

自社たばこ製品売上収益

5,824

5,689

△2.3%

調整後営業利益

2,090

1,872

△10.4%

 

<紙巻販売数量>

紙巻総需要は、趨勢減、RRP市場の拡大、2018年10月及び2019年10月に実施した定価改定の影響により、前年度比6.3%減となりました。当社の紙巻販売数量は、総需要減少に加え、シェアの減少により前年度比7.9%減となりました。

紙巻シェアは、キャメルやリトルシガー製品は足元で伸長しているものの、低価格帯での競争激化等の影響を受け、前年度比1.0%ポイント減の60.4%となりました。

 

なお、当年度における国内で製造した紙巻たばこの数量は、前年度に対し20億本減少し、813億本(前年度比2.4%減)となりました。

 

<RRP販売実績>(注3)

国内たばこ市場におけるRRPの市場占有率は、約23%(出荷ベース)となりました。当社のRRP販売数量は紙巻たばこ換算ベースで前年度比5億本増加の33億本となりました。実需ベースの当社のRRPカテゴリー内シェアは9%程度となりました。

 

<自社たばこ製品売上収益及び調整後営業利益>(注3)

自社たばこ製品売上収益は、紙巻単価上昇効果があったものの、紙巻販売数量の減少影響及びRRP関連売上収益の減少により、前年度比2.3%の減収となりました。なお、RRP関連売上収益は前年度比37億円減少の609億円となっております。

調整後営業利益は、紙巻単価上昇効果があるものの、紙巻販売数量の減少影響及び低温加熱向けカプセル製造機械の減損により、前年度比10.4%の減益となりました。

 

(注1)紙巻総需要は、日本市場全体における紙巻たばこの販売数量を指しております。なお、当該数値にはリトルシガーを含み、RRP等は含まれておりません。

(注2)当該数値の他に、国内免税市場及び当社の中国事業部管轄の中国・香港・マカオ市場の当年度における販売数量40億本(前年度の当該数量は40億本)があります。なお、当該数値にはリトルシガーを含み、RRP等は含まれておりません。

(注3)RRP販売数量は、1パック当たり紙巻たばこ20本として換算しております。当該数値には国内免税市場における販売数量は含まれておりません。なお、RRP関連売上収益には国内免税市場における売上収益及びデバイス・関連アクセサリー等に係る売上収益が含まれております。

 

〔海外たばこ事業〕

(単位:億本、億円)

海外たばこ事業

2018年12月期

2019年12月期

増減率

総販売数量(注4)

4,276

4,458

4.3%

GFB販売数量(注5)

2,664

2,770

4.0%

自社たばこ製品売上収益

12,507

12,530

0.2%

調整後営業利益

3,845

3,408

△11.4%

 

(単位:百万ドル)

海外たばこ事業

(参考:ドルベース)

2018年12月期

2019年12月期

増減率

自社たばこ製品売上収益

11,330

11,496

1.5%

(9.3%)

調整後営業利益

3,493

3,126

△10.5%

(10.7%)

※()内は、為替一定ドルベース 前年度比増減率

 

<販売数量及び市場シェア

総販売数量は、ギリシャ・バングラデシュ・ロシアにおける買収効果により前年度比4.3%増となりました。買収効果及びポジティブに作用した流通在庫調整影響を除いた総販売数量は、多くの市場で総需要減少よりも底堅い数量パフォーマンスとなった結果、前年度比0.8%減に留まりました。市場シェアは主要市場である、イラン・英国・カナダ・台湾等の様々な市場で継続的に伸長しました。

GFB販売数量は、4ブランドすべてでの力強いパフォーマンスにより、前年度比4.0%増となりました。

 

なお、当年度における製造委託を含めた海外での製造数量は、前年度に対し178億本増加し、4,508億本(前年度比4.1%増)となりました。

 

<自社たばこ製品売上収益及び調整後営業利益>

自社たばこ製品売上収益は、ネガティブな為替影響を堅調な単価上昇効果と買収に伴うポジティブな数量効果が

相殺し、前年度とほぼ同水準の0.2%の増収となりました。調整後営業利益はネガティブな為替影響を受けて、前年度比11.4%の減益となりました。

為替影響を含めたドルベースの自社たばこ製品売上収益は、ネガティブな為替影響があったものの、単価上昇効果と数量効果により、前年度比1.5%増となりました。為替一定ベースでは前年度比9.3%増となりました。

なお、単価上昇効果はイラン・英国・カナダ・ドイツ・トルコ・フィリピン・ルーマニア・ロシア等で特に発現しています。

為替影響を含めたドルベースの調整後営業利益は、単価上昇効果及び数量効果があったものの、主に買収を実施した市場及びRRPへの投資並びにネガティブな為替影響により、前年度比10.5%減となりました。為替一定ベースでは、前年度比10.7%増となりました。

 

〔海外たばこ事業 地域別内訳〕(注6)

海外たばこ事業における各地域の実績は以下のとおりです。

(単位:億本、億円、百万ドル)

 

2018年12月期

2019年12月期

増減率

South and West Europe

 

総販売数量(注4)

638

649

1.6%

 

GFB販売数量(注5)

516

528

2.2%

 

自社たばこ製品売上収益

2,230

2,167

△2.8%

 

 

自社たばこ製品売上収益

(参考:ドルベース)

2,021

1,987

△1.7%

(3.4%)

North and Central Europe

 

総販売数量(注4)

532

559

5.1%

 

GFB販売数量(注5)

241

285

18.1%

 

自社たばこ製品売上収益

2,331

2,362

1.3%

 

 

自社たばこ製品売上収益

(参考:ドルベース)

2,111

2,167

2.6%

(8.1%)

CIS+

 

総販売数量(注4)

1,340

1,315

△1.9%

 

GFB販売数量(注5)

946

901

△4.8%

 

自社たばこ製品売上収益

3,119

3,096

△0.7%

 

 

自社たばこ製品売上収益

(参考:ドルベース)

2,824

2,842

0.6%

(4.0%)

Rest-of-the-World

 

総販売数量(注4)

1,766

1,935

9.6%

 

GFB販売数量(注5)

960

1,056

9.9%

 

自社たばこ製品売上収益

4,828

4,905

1.6%

 

 

自社たばこ製品売上収益

(参考:ドルベース)

4,373

4,500

2.9%

(15.9%)

※()内は、為替一定ドルベース 前年同期比増減率

 

(注4)製造受託、水たばこ製品及びE-Vapor製品を除き、Fine cut、シガー、パイプ、スヌース、クレテック及び加熱式たばこを含めております。

(注5)当社グループのブランドポートフォリオの中核を担う「ウィンストン」「キャメル」「メビウス」「LD」の4ブランドをGFB(グローバル・フラッグシップ・ブランド)としております。

(注6)当社グループの海外たばこ事業をより深く理解していただくために、当該セグメントを4地域(South and West Europe、North and Central Europe、CIS+、Rest-of-the-World)に区分けしております。

South and West Europeにはフランス、イタリア、スペイン等、North and Central Europeにはドイツ、英国等、CIS+にはルーマニア、ロシア等、Rest-of-the-Worldにはイラン、台湾、トルコ等を含んでおります。

 

※ 当年度における米国ドルに対する為替レートは、以下のとおりです。

為替レート

2018年12月期

2019年12月期

増減

増減率

USD/円

110.44

109.03

△1.41

1.3%高

USD/RUB

62.68

64.74

2.06

3.2%安

USD/GBP

0.75

0.78

0.03

4.4%安

USD/EUR

0.85

0.89

0.05

5.2%安

USD/CHF

0.98

0.99

0.02

1.6%安

USD/TWD

30.14

30.90

0.76

2.5%安

USD/TRY

4.82

5.67

0.84

14.9%安

USD/IRR

61,649

104,046

42,397

40.7%安

 

 

〔医薬事業〕

(単位:億円)

医薬事業

2018年12月期

2019年12月期

増減率

売上収益

1,140

885

△22.3%

調整後営業利益

284

159

△43.9%

 

<売上収益及び調整後営業利益>

売上収益は、抗HIV薬6品の国内におけるライセンス契約解消の影響及び海外ロイヤリティ収入の減少等により前年度比22.3%の減収となりました。

調整後営業利益は、売上収益の減少により前年度比43.9%の減益となりました。

 

〔加工食品事業〕

(単位:億円)

加工食品事業

2018年12月期

2019年12月期

増減

売上収益

1,614

1,586

△1.7%

調整後営業利益

41

54

31.8%

 

<売上収益及び調整後営業利益>

売上収益は、注力しているステープル商品等の販売が伸長したものの、主に利益率が低い商品の販売減少により、前年度比1.7%の減収となりました。

調整後営業利益は、売上収益の減少、原材料費及び物流費の上昇があったものの、価格改定効果に加え、商品構成の改善及びコスト低減といった収益性改善の取組みもあり、前年度比31.8%の増益となりました。

 

(2)財政状態及びキャッシュ・フローの状況

① 財政状態の状況

〔資産〕

当連結会計年度の資産合計は、前連結会計年度末に比べ917億円増加し、5兆5,531億円となりました。これは、買収に伴い生じた無形資産の償却等による減少があったものの、現金及び現金同等物の増加並びにIFRS第16号適用に伴う使用権資産の増加があったこと等によるものです。

〔負債〕

当連結会計年度の負債合計は、前連結会計年度末に比べ485億円増加し、2兆8,095億円となりました。これは、前年度以前の企業結合による取得後支出等があったものの、IFRS第16号適用に伴うリース負債の増加及び営業債務の増加があったこと等によるものです。

〔資本〕

当連結会計年度の資本合計は、前連結会計年度末に比べ432億円増加し、2兆7,436億円となりました。これは、配当金の支払い及び自己株式の取得等による減少があったものの、親会社の所有者に帰属する当期利益の計上による利益剰余金の増加があったこと等によるものです。

 

② キャッシュ・フローの状況

当年度末現在における現金及び現金同等物は、前年度末に比べ751億円増加し、3,572億円となりました(前年度末残高2,821億円)。

 

〔営業活動によるキャッシュ・フロー〕

当年度の営業活動によるキャッシュ・フローは、5,404億円の収入(前年度は4,614億円の収入)となりました。これは、国内外におけるたばこ税及び法人税の支払いがあったものの、主にたばこ事業による安定したキャッシュ・フローの創出があったこと等によるものです

 

〔投資活動によるキャッシュ・フロー〕

当年度の投資活動によるキャッシュ・フローは、1,236億円の支出(前年度は3,833億円の支出)となりました。これは、有形固定資産の取得による支出があったこと等によるものです

 

〔財務活動によるキャッシュ・フロー〕

当年度の財務活動によるキャッシュ・フローは、3,338億円の支出(前年度は624億円の支出)となりました。これは、社債の発行による収入があった一方で、配当金の支払い、自己株式の取得及び借入金の返済があったこと等によるものです

 

(3)生産、受注及び販売の実績

当社グループは、国内たばこ事業、海外たばこ事業、医薬事業及び加工食品事業において広範囲かつ多種多様な製品の生産・販売を行っており、その品目・形式・容量・包装等は多種類であること、また主要な製品については受注生産を行っていないことから、各セグメントの生産規模及び受注規模を金額及び数量で表示することはしておりません。

このため生産、受注及び販売の実績については、「(1)経営成績の状況」における各セグメントの業績に関連付けて記載しております。

 

なお、当社グループの売上収益総額に対する割合が100分の10以上の相手先に対する売上収益及びその割合については、以下のとおりです。

 

相手先

2018年12月期

2019年12月期

金額(億円)

割合(%)

金額(億円)

割合(%)

Megapolisグループ

2,498

11.3

2,351

10.8

 

(注)海外たばこ事業において、ロシア等で物流・卸売事業を営むMegapolisグループに対して製品を販売しております。

(4)重要な会計方針

① IFRSの適用

当社グループは、1999年にRJRナビスコ社から米国外のたばこ事業を取得、2007年にGallaher社を買収し、70以上の国と地域で事業を展開、また130以上の国と地域で製品を販売するグローバル企業として着実な成長を続けてきました。こうした中で、日本において国際的な財務・事業活動を行っている上場企業に対して、2009年度よりIFRSの任意適用が認められたことを踏まえ、当社グループは、2011年度よりIFRSを適用することとしました。これにより、当社グループは資金調達手段の多様化、経営管理面での品質向上を目指してまいります。

 

② 重要な会計上の見積り及び見積りを伴う判断

当社グループの連結財務諸表は、収益及び費用、資産及び負債の測定並びに決算日現在の偶発事象の開示等に関する経営者の見積り及び仮定を含んでおります。これらの見積り及び仮定は過去の実績及び決算日において合理的であると考えられる様々な要因等を勘案した経営者の最善の判断に基づいております。しかし、その性質上、将来において、これらの見積り及び仮定とは異なる結果となる可能性があります。

見積り及び仮定は経営者により継続して見直しております。これらの見積り及び仮定の見直しによる影響は、その見積り及び仮定を見直した期間及びそれ以降の期間において認識しております。

上記のうち、当社グループの連結財務諸表で認識する金額に重要な影響を与える見積り及び仮定については、「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 連結財務諸表注記 4.重要な会計上の見積り及び見積りを伴う判断」をご参照ください。

 

(5)目標となる経営指標について

当社グループは、経営理念である「4Sモデル」の追求による、中長期に亘る持続的な利益成長が最も重要であると考えております。持続的利益成長の基盤である事業そのもののパフォーマンスを計るためには、為替影響、一時的要因及び特殊要因を除くことが適切と捉え、為替一定ベースの調整後営業利益の成長率における、中長期に亘る年平均mid to high single digit成長を全社利益目標としております。

2019年12月期の為替一定ベースの調整後営業利益は、前年度比0.9%増と厳しい事業環境の中でも前年を上回りました。

2019年12月期の経営成績等の状況に関する分析・検討内容については、「第2 事業の状況 3経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績の状況」に示しております。

全社利益目標の達成に向けた経営方針等の詳細については、「第2 事業の状況 1経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」をご参照ください。

 

(6)経営成績等に重要な影響を与える要因

当社グループの海外たばこ事業の拡大に伴い、その寄与分につき、為替の変動が連結財務諸表に影響を与えております。2019年12月期においては、為替一定ベースの調整後営業利益は前年度比0.9%増となった一方、為替影響を含めた調整後営業利益は前年度比13.4%減となり、ネガティブな為替影響を受けました。2020年12月期においても、ネガティブな為替影響を見込んでおります。

当社グループは、為替リスクを緩和すべく、収入通貨と支払通貨を合致させるナチュラルヘッジの実施に努めております。また、一部の為替リスクに対しては、デリバティブ又は外貨建有利子負債等を利用したヘッジを行っております。

以上を含む、当社グループの経営成績等に重要な影響を与える要因については、「第2 事業の状況 2事業等のリスク」をご参照ください。

 

(7)財務活動の基本方針

当社グループの財務活動の基本方針は、以下のとおりです。

① グループ内キャッシュマネジメント

グループ全体の資金効率を最大化するため、法制度上許容され、かつ経済合理性が認められることを前提として、主としてキャッシュマネジメントシステム(CMS)によるグループ内での資金貸借の実施を最優先としております。

 

② 外部資金調達

短期の運転資金については、金融機関からの借入、コマーシャル・ペーパー又はその組み合わせ、中長期資金については、金融機関からの借入、社債、株主資本又はその組み合わせにより調達することを基本としております。

安定的で効率的な資金調達のために、複数のコミットメント融資枠を設定するなど、取引する金融機関と資金調達手段の多様性を維持しております。

③ 外部資金運用

外部資金運用においては、安全性と流動性を確保した上で、適切な収益を求め、また投機的取引を行ってはならないことを定めております。

 

④ 財務リスク管理

当社グループは、経営活動を行う過程において、財務上のリスク(信用リスク・流動性リスク・為替リスク・金利リスク・市場価格の変動リスク)に晒されており、当該リスクを回避又は低減するために、一定の方針に基づきリスク管理を行っております。主要な財務上のリスク管理の状況については、定期的に当社の社長及び取締役会への報告を行っております。

また、当社グループの方針として、デリバティブは、実需取引のリスク緩和を目的とした取引に限定しており、投機目的やトレーディング目的の取引は行っておりません。

なお、財務リスク管理の詳細については、「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 連結財務諸表注記 34.金融商品 (2)リスク管理に関する事項 ~(8)市場価格の変動リスク」までをご参照ください。

 

(8)資本の財源及び資金の流動性についての分析

① 資金需要

 設備投資、運転資金、外部資源の獲得、借入の返済及び利息の支払い、配当金の支払い、自己株式取得並びに法人税の支払い等に資金を充当しております。

 重要な資本的支出の予定及び資金の調達方法については、「第3 設備の状況 3設備の新設、除却等の計画」に記載のとおりです。

 

② 資金の源泉

 主として営業活動によるキャッシュ・フロー、金融機関からの借入、社債及びコマーシャル・ペーパーの発行により、必要とする資金を調達しております。

 

<キャッシュ・フロー>

 「(2)財政状態及びキャッシュ・フローの状況 ②キャッシュ・フローの状況」をご参照ください。

 

<有利子負債>

 当社グループの当年度末現在の有利子負債の返済・償還予定額は以下のとおりです。

(単位:億円)

 

帳簿価額

1年以内

1年超~2年以内

2年超~3年以内

3年超~4年以内

4年超~5年以内

5年超

短期借入金

1,926

1,926

-

-

-

-

-

1年内返済予定の長期借入金

116

116

-

-

-

-

-

1年内償還予定の社債

800

800

-

-

-

-

-

長期借入金

1,037

-

112

412

112

201

202

社債

5,866

-

822

300

1,175

-

3,604

合計

9,745

2,841

934

712

1,287

201

3,806

(注)当年度より、リース負債を除いております。

(長期負債)

社債(1年内償還予定を含む)は、前年度末現在6,104億円、当年度末現在6,666億円、金融機関からの長期借入金(1年内返済予定を含む)は、それぞれ1,293億円、1,153億円です。長期リース負債は、前年度末現在88億円、当年度末現在402億円です。

当年度末現在、長期債務格付は、ムーディーズジャパン㈱ではA1(安定的)、スタンダード&プアーズ・レーティング・ジャパン㈱ではAA-(ネガティブ)、㈱格付投資情報センター(R&I)ではAA(安定的)となっており、同日現在、国際的なたばこ会社の信用格付としてはそれぞれ最高レベルです。

格付は、事業を行う主要市場の発展及び事業戦略の成功、並びに当社グループではコントロールできない全般的な景気動向等、数多くの要因によって影響を受けます。格付は随時、撤回あるいは修正される可能性があります。格付はそれぞれ、他の格付と区別して単独に評価されるべきものです。JT法のもと、当社により発行される社債には、当社の一般財産に対する先取特権が付されております。この権利により、国税及び地方税並びにその他の法定債務を例外とし、償還請求において社債権者は無担保債権者よりも優先されます。

 

(短期負債)

金融機関からの短期借入金は、前年度末現在1,660億円、当年度末現在1,926億円です。コマーシャル・ペーパーの発行残高は、前年度末現在720億円、当年度末現在はありません。短期リース負債は、前年度末現在10億円、当年度末現在135億円です。

 

③ 流動性

当社グループは、従来から営業活動により多額のキャッシュ・フローを得ており、今後も引き続き資金源になると見込んでおります。営業活動によるキャッシュ・フローは今後も安定的で、通常の事業活動における必要資金はまかなえると予想しております。また、当年度末現在、国内・海外の主要な金融機関からの4,704億円のコミットメント融資枠があり、そのすべてが未使用です。更に、コマーシャル・ペーパープログラム、アンコミットメントベースの融資枠、国内社債発行登録枠及びユーロMTNプログラム等があります。

 

(9)経営成績等の状況の概要に係る主要な項目における差異に関する情報

IFRSにより作成した連結財務諸表における主要な項目と日本基準により作成した場合の連結財務諸表におけるこれらに相当する項目との差異に関する事項は、以下のとおりです。

(のれんの償却に関する事項)

 日本基準の下で、のれんの償却については、実質的に償却年数を見積り、その年数で償却することとしておりましたが、IFRSではIFRS移行日以降の償却を停止しております。

 この影響によりIFRSでは日本基準に比べて、のれん償却額(販売費及び一般管理費)は前年度133,440百万円、当年度135,664百万円減少しております。

 

6.事業セグメント

(1) 報告セグメントの概要

 当社グループの報告セグメントは、当社グループの構成単位のうち分離された財務情報が入手可能であり、取締役会が経営資源の配分の決定及び業績の評価をするために、定期的に検討を行う対象となっている事業セグメントを基礎に決定されております。

 

 当社グループは主に製造たばこ、医薬品、加工食品を製造・販売しており、そのうち製造たばこについては、国内と海外に分けて事業管理を行っております。従って当社グループは、製品の種類、性質、販売市場等から総合的に区分されたセグメントから構成されており、「国内たばこ事業」、「海外たばこ事業」、「医薬事業」、「加工食品事業」の4つを報告セグメントとしております。

 

 「国内たばこ事業」は、国内(国内免税市場及び当社の中国事業部が管轄する中国、香港、マカオ市場を含みます)での製造たばこの製造・販売を行っております。「海外たばこ事業」は、製造・販売を統括するJT International S.A.を中核として、海外での製造たばこの製造・販売を行っております。「医薬事業」は、医療用医薬品の研究開発・製造・販売を行っております。「加工食品事業」は、冷凍・常温加工食品、ベーカリー及び調味料等の製造・販売を行っております。

 

(2) セグメント収益及び業績

 当社グループの報告セグメントによる収益及び業績は、以下のとおりです。取締役会は、収益と調整後営業利益を検討のうえ、セグメント業績を評価し、経営資源の配分を決定しております。金融収益、金融費用、法人所得税費用はグループ本社で管理されるため、これらの収益・費用はセグメントの業績から除外しております。なお、セグメント間の取引は概ね市場実勢価格に基づいております。

 

前年度 (自 2018年1月1日 至 2018年12月31日)

 

報告セグメント

 

その他

(注2)

 

消去

 

連結

 

国内たばこ

 

海外たばこ

 

医薬

 

加工食品

 

 

 

 

 

百万円

 

百万円

 

百万円

 

百万円

 

百万円

 

百万円

 

百万円

 

百万円

売上収益

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

外部収益

621,426

 

1,312,342

 

113,992

 

161,387

 

2,209,147

 

6,815

 

 

2,215,962

セグメント間収益

7,976

 

27,637

 

 

1

 

35,615

 

5,737

 

(41,353)

 

収益合計

629,403

 

1,339,979

 

113,992

 

161,388

 

2,244,762

 

12,553

 

(41,353)

 

2,215,962

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

セグメント損益

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

調整後営業利益(注1)

208,977

 

384,524

 

28,438

 

4,123

 

626,062

 

(30,440)

 

(159)

 

595,463

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その他の項目

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

減価償却費及び償却費

55,044

 

89,887

 

5,071

 

6,708

 

156,710

 

2,193

 

(233)

 

158,671

減損損失(金融資産の減損

損失を除く)

 

5,336

 

2,141

 

146

 

7,623

 

831

 

 

8,454

減損損失の戻入(金融資産

の減損損失の戻入を除く)

 

692

 

 

 

692

 

 

 

692

持分法による投資損益(損)

35

 

3,849

 

 

11

 

3,895

 

36

 

 

3,931

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

資本的支出

55,444

 

75,727

 

11,333

 

12,749

 

155,253

 

4,844

 

(289)

 

159,808

 

当年度 (自 2019年1月1日 至 2019年12月31日)

 

報告セグメント

 

その他

(注2)

 

消去

 

連結

 

国内たばこ

 

海外たばこ

 

医薬

 

加工食品

 

 

 

 

 

百万円

 

百万円

 

百万円

 

百万円

 

百万円

 

百万円

 

百万円

 

百万円

売上収益

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

外部収益

611,494

 

1,310,877

 

88,528

 

158,586

 

2,169,485

 

6,140

 

 

2,175,626

セグメント間収益

7,270

 

27,626

 

 

1

 

34,897

 

7,333

 

(42,229)

 

収益合計

618,764

 

1,338,503

 

88,528

 

158,587

 

2,204,382

 

13,473

 

(42,229)

 

2,175,626

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

セグメント損益

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

調整後営業利益(注1)

187,180

 

340,752

 

15,943

 

5,432

 

549,308

 

(33,478)

 

97

 

515,927

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その他の項目

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

減価償却費及び償却費(注3)

59,276

 

108,378

 

5,936

 

7,586

 

181,176

 

2,909

 

(233)

 

183,852

減損損失(金融資産の減損

損失を除く)

7,751

 

5,765

 

1,471

 

220

 

15,207

 

917

 

 

16,124

減損損失の戻入(金融資産

の減損損失の戻入を除く)

 

91

 

 

 

91

 

 

 

91

持分法による投資損益(損)

16

 

4,863

 

 

10

 

4,889

 

122

 

 

5,011

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

資本的支出(注4)

34,793

 

78,295

 

6,979

 

6,142

 

126,209

 

5,609

 

(383)

 

131,434

 

調整後営業利益から税引前利益への調整表

 

前年度 (自 2018年1月1日 至 2018年12月31日)

 

報告セグメント

 

その他

(注2)

 

消去

 

連結

 

国内たばこ

 

海外たばこ

 

医薬

 

加工食品

 

 

 

 

 

百万円

 

百万円

 

百万円

 

百万円

 

百万円

 

百万円

 

百万円

 

百万円

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

調整後営業利益(注1)

208,977

 

384,524

 

28,438

 

4,123

 

626,062

 

(30,440)

 

(159)

 

595,463

買収に伴い生じた無形

資産に係る償却費

(16,245)

 

(45,527)

 

 

 

(61,772)

 

 

 

(61,772)

調整項目(収益)(注5)

9

 

1,711

 

 

37

 

1,757

 

38,691

 

 

40,447

調整項目(費用)(注6)

(288)

 

(1,195)

 

(2,141)

 

(1,240)

 

(4,864)

 

(4,290)

 

 

(9,154)

営業利益(損失)

192,453

 

339,514

 

26,297

 

2,919

 

561,183

 

3,960

 

(159)

 

564,984

金融収益

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

5,754

金融費用

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(39,252)

税引前利益

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

531,486

 

当年度 (自 2019年1月1日 至 2019年12月31日)

 

報告セグメント

 

その他

(注2)

 

消去

 

連結

 

国内たばこ

 

海外たばこ

 

医薬

 

加工食品

 

 

 

 

 

百万円

 

百万円

 

百万円

 

百万円

 

百万円

 

百万円

 

百万円

 

百万円

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

調整後営業利益(注1)

187,180

 

340,752

 

15,943

 

5,432

 

549,308

 

(33,478)

 

97

 

515,927

買収に伴い生じた無形

資産に係る償却費

(16,245)

 

(53,378)

 

 

 

(69,623)

 

 

 

(69,623)

調整項目(収益)(注5)

24

 

8,776

 

61,018

 

461

 

70,278

 

14,189

 

 

84,467

調整項目(費用)(注6)

 

(22,141)

 

(4,264)

 

(365)

 

(26,770)

 

(1,646)

 

 

(28,415)

営業利益(損失)

170,960

 

274,008

 

72,697

 

5,528

 

523,193

 

(20,935)

 

97

 

502,355

金融収益

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

8,402

金融費用

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(45,526)

税引前利益

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

465,232

 

 (注1) 調整後営業利益は、営業利益(損失)から買収に伴い生じた無形資産に係る償却費、調整項目(収益及び費用)を除外しております。

 (注2) 「その他」には、不動産賃貸に係る事業活動等及び報告セグメントに帰属しない企業広報経費や本社コーポレート部門運営費等の本社経費が含まれております。

 (注3) 減価償却費及び償却費に含まれる使用権資産に係る減価償却費及び償却費は、以下のとおりです。

 

 

 

 

 

 当年度

(自 2019年1月1日

 至 2019年12月31日)

 

 

 

百万円

 

 

 

 

 

 

 国内たばこ

3,649

 

 

 海外たばこ

10,314

 

 

 医薬

456

 

 

 加工食品

741

 

 

 その他

616

 

 

 使用権資産に係る

 減価償却費及び償却費

15,778

 

 

 

 

 

 

 (注4) 当年度より、使用権資産の増加額を除いております。

 (注5) 調整項目(収益)の主な内訳は、以下のとおりです。

 

 

 前年度

(自 2018年1月1日

 至 2018年12月31日)

 

 当年度

(自 2019年1月1日

 至 2019年12月31日)

 

百万円

 

百万円

 

 

 

 

 医薬品に係るライセンス譲渡益

 

60,518

 リストラクチャリング収益

39,284

 

15,197

 その他

1,163

 

8,752

 調整項目(収益)

40,447

 

84,467

 

 前年度及び当年度におけるリストラクチャリング収益は、主に不動産の処分に係る収益です。なお、リストラクチャリング収益は「26.その他の営業収益」に内訳を記載しております。当年度におけるその他の調整項目(収益)は、主に海外たばこ事業における企業結合に伴い取得した資産及び負債について測定期間経過後に発生した公正価値の修正に係る収益です。

 

 (注6) 調整項目(費用)の主な内訳は、以下のとおりです。

 

 

 前年度

(自 2018年1月1日

 至 2018年12月31日)

 

 当年度

(自 2019年1月1日

 至 2019年12月31日)

 

百万円

 

百万円

 

 

 

 

 リストラクチャリング費用

7,934

 

26,182

 その他

1,220

 

2,233

 調整項目(費用)

9,154

 

28,415

 

 前年度におけるリストラクチャリング費用は、主に不動産の処分に係る費用、医薬事業における事業構造改革に係る費用及び海外たばこ事業における一部マーケットの流通体制・製品供給体制の合理化に係る費用です。当年度におけるリストラクチャリング費用は、主に海外たばこ事業における事業運営体制の変革に係る施策費用及び医薬事業における事業構造改革に係る費用ですリストラクチャリング費用は「売上原価」に前年度13百万円、「販売費及び一般管理費等」に前年度7,921百万円、当年度26,182百万円含まれております。なお、「販売費及び一般管理費等」に含まれるリストラクチャリング費用は、「27.販売費及び一般管理費等」に内訳を記載しております。前年度におけるその他の調整項目(費用)は、主に2018年9月に和解した訴訟に係る費用です。当年度におけるその他の調整項目(費用)は、主に不動産の処分に係る費用です。

 

(3) 地域別に関する情報

 各年度の非流動資産及び外部顧客からの売上収益の地域別内訳は、以下のとおりです。

 

非流動資産

 

前年度

(2018年12月31日)

 

当年度

(2019年12月31日)

 

百万円

 

百万円

 

 

 

 

 日本

835,386

 

812,083

 海外

2,452,505

 

2,450,772

 連結

3,287,891

 

3,262,855

 

(注) 非流動資産は資産の所在地によっており、金融商品、繰延税金資産、退職給付に係る資産を含んでおりません。

 

外部顧客からの売上収益

 

 前年度

(自 2018年1月1日

 至 2018年12月31日)

 

 当年度

(自 2019年1月1日

 至 2019年12月31日)

 

百万円

 

百万円

 

 

 

 

 日本

822,070

 

789,279

 海外

1,393,892

 

1,386,347

 連結

2,215,962

 

2,175,626

 

(注) 売上収益は、販売仕向先の所在地によっております。

 

(4) 主要な顧客に関する情報

 当社グループの海外たばこ事業は、ロシア等で物流・卸売事業を営むMegapolisグループに対して製品を販売しております。当該顧客に対する売上収益は、前年度において249,797百万円(連結売上収益の11.3%)、当年度において235,093百万円(同10.8%)です。

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

 本項においては、将来に関する事項が含まれておりますが、別段の表示が無い限り、当該事項は提出日現在において判断したものです。

(1)経営理念

 当社グループの経営理念は、「4Sモデル」の追求です。これは「お客様を中心として、株主、従業員、社会の4者に対する責任を高い次元でバランスよく果たし、4者の満足度を高めていく」という考え方です。
 当社グループは、「4Sモデル」をベースに、「JTならではの多様な価値を提供するグローバル成長企業であり続けること」を目指す企業像(ビジョン)として定めており、また、「自然・社会・人間の多様性に価値を認め、お客様に信頼される『JTならではのブランド』を生み出し、育て、高め続けていくこと」が、当社グループの使命であると考えております。
 加えて、当社グループ社員の一人ひとりが徹底すべき行動規範・価値観として「JTグループWAY」を掲げており、「お客様を第一に考え、誠実に行動すること」「あらゆる品質にこだわり、進化し続けること」「JTグループの多様な力を結集すること」という3つのステートメントによって、表現しております。
 当社グループは、「4Sモデル」を追求することを通じ、これまで持続的な利益成長を実現してきましたし、今後もその実現を目指してまいります。持続的な利益成長のためには、お客様に新たな価値・満足を提供し続けることが前提となることから、中長期的な視点に基づき、将来の利益成長に向けた事業投資を着実に実施していくことが肝要と考えております。

 この「4Sモデル」を追求していくことが、中長期に亘る企業価値の継続的な向上につながると考えており、株主を含む4者のステークホルダーにとって共通利益となる、ベストなアプローチであると確信しております。

 

(2)経営資源の配分

 当社グループの中長期の経営資源配分は、かかる経営理念に基づき、中長期に亘る持続的な利益成長につながる事業投資を最優先とする方針です。

 当社グループは、たばこ事業を利益成長の中核かつ牽引役と位置付け、たばこ事業の持続的な利益成長に向けた事業投資を最重要視します。一方、医薬事業及び加工食品事業は全社利益成長を補完すべく、事業基盤の再構築に注力することとし、そのために必要な投資を実行していきます。

 2020年以降も、中長期に亘る持続的な利益成長につながる事業投資(注)を最優先に実行し、同時に事業投資による利益成長と株主還元のバランスを重視するという経営資源配分方針に変更はありません。

(注)お客様へ新たな価値・満足を継続的に提供することで、質の高いトップライン成長を目指す。たばこ事業の成長投資を最重要視

 

(3)全社利益目標及び株主還元の方針

 当社グループは、経営理念及び資源配分方針を踏まえ、全社利益目標及び株主還元の中長期の方向性を「経営計画2020」において設定しています。
 「経営計画2020」においても、引き続き為替一定ベースの調整後営業利益の成長率における、中長期に亘る年平均mid to high single digit成長を目指してまいります。
 株主還元方針については、積極的な事業投資を継続しながらも、起こり得る環境変化にも対応できる強固な財務基盤(注1)を維持しつつ、中長期の利益成長に応じた株主還元の向上を図ってまいります。

 具体的には、1株当たり配当金の安定的・継続的な成長(注2)を目指してまいります。

 自己株式取得は、事業環境や財務状況の中期的な見通し等を踏まえて、実施の是非を検討することといたします。

 なお、引き続きグローバルFMCG(注3)の還元動向をモニタリングしてまいります。

 

(注1)「財務方針」として、経済危機等の環境変化に備えた堅牢性及び事業投資機会等に対して機動的に対応できる柔軟性を担保する強固な財務基盤を保持する

(注2)中長期の為替一定ベースの調整後営業利益の成長率の見通しを基本としつつ、当期利益の水準も勘案

(注3)ステークホルダーモデルを掲げ、高い事業成長を実現しているグローバルFast Moving Consumer Goods(日用消費財)企業群

 

(4)経営環境及び全社利益目標達成に向けた基本戦略

ⅰ経営環境

 当社グループ経営を取り巻く経営環境は、グローバルにおける景気の動向、為替変動リスク及び国際的な地政学リスク等、不確実性を増していると認識しております。こうした不透明な経営環境を乗り越え、適切にグローバルビジネスを運営し、持続的な利益成長を実現するためには、「変化への対応力」が必要であると考えております。これは、不確実性に対処すべく、計画策定時において想定の範囲を拡げるとともに、それでも起こりうる想定を超える変化・出来事に対して、素早く・柔軟に対応する能力を指しており、この変化への対応における巧拙とスピード感こそが、今後の企業の競争力を決定する重要なファクターになると考えております。

 加えて、デジタル・テクノロジーの進展に伴う産業の境界を越えた競争状況の現出や、お客様行動の変化等を踏まえ、「変化への対応力」という受け身の対応だけではなく、自ら変化を起こし、変革をリードする組織への進化を加速してまいります。

 当社グループは、不確実性を増す経営環境を見極め、スピード感を持って競争力を強化すべく、期間を3年間とした経営計画を1年毎にローリングを行う方式で策定しております。

 

ⅱ基本戦略

 当社グループは目標達成に向けた基本戦略として「質の高いトップライン成長」「コスト競争力の更なる強化」「基盤強化の推進」を掲げており、それぞれ選択と集中の考え方を通じて実行していきます。
 中でも「質の高いトップライン成長」を最重要視しており、以下各事業戦略の中で述べるブランドやカテゴリーといった注力分野にリソースを集中し、商品・サービスの付加価値を向上させていきます。
 「コスト競争力の更なる強化」については、事業コスト、コーポレートコストの双方においてその最適化を進め、品質の維持・向上との両立を図りながらスピーディーかつ効率的な事業運営体制を構築し、利益率の改善及びキャッシュ・フロー創出力の強化を目指していきます。
加えて、事業継続能力の向上を図るとともに、コスト競争力の強化を目指していきます。
 「基盤強化の推進」にあたっては、前例にとらわれることなく、変化する環境を適切にとらえ、常に挑戦する姿勢を持ち続けることが重要です。このような観点に基づき、不断の改善に取り組んでいきます。加えて70以上の国と地域での事業展開、更に100か国以上の国籍を持つ社員が働く当社グループ人財の多様性を活用し、コラボレーションを推進することにより、シナジーを最大化していきます。なお、すべての企業活動及び成果は人財によって生み出されていることを強く認識しており、人財育成についても一層強化していきます。

 

セグメント毎の経営環境及び事業戦略については以下のとおりです。

 

[たばこ事業]
 たばこ事業は、当社グループ利益成長の中核かつ牽引役であり、為替一定ベースの調整後営業利益の成長率について、「中長期に亘って年平均mid to high single digit成長」を目指します。国内たばこ事業は高い競争優位性を保持する利益創出の中核事業としての、また、海外たばこ事業は利益成長の牽引役である、もう一つの中核事業としての役割を担っていきます。

 

ⅰ経営環境

 たばこ製品については、現在多種多様な製品形態が市場に流通しており、以前よりお客様に親しまれているカテゴリーとしては、紙巻たばこを筆頭に、Fine cut、シガー、パイプ、無煙たばこ、水たばこ、クレテック等が挙げられます。加えて、近年人気が高まっているカテゴリーとして、E-Vapor製品及び加熱式たばこ等のRRPカテゴリーがあります。E-Vapor製品は、たばこ葉を使用せず、ニコチンが含まれるリキッドを加熱して愉しむ製品で、欧米の市場を中心にプレゼンスを拡大しています。E-Vapor製品は、たばこ葉を使用していないことから、多くの市場において規制・税制上たばこ製品としての取扱いを受けてきませんでしたが、各国の規制・税制に変化が見られています。加熱式たばこは、たばこ葉を使用し、たばこ葉を燃焼させずに、加熱等によって発生するたばこベイパー(たばこ葉由来の成分を含む蒸気)を愉しむ製品で、日本市場を中心に伸長しています。加熱式たばこは、たばこ葉を使用していることから、原則として規制・税制上たばこ製品としての取扱いを受けます。加熱式たばこは、各社が開発に力を入れており、イノベーションを通じた更なる成長が期待されます。また、鼻や口に直接たばこを含んで味・香りを愉しむ、煙の出ない製品である無煙たばこについても、以前より市場が形成されていた欧州や米国を中心にプレゼンスが拡大してきています。

 世界の紙巻総需要は年間約5.3兆本(注1)、金額ベースの市場規模は約7,000億米ドル(注1)です。世界最大の市場は中国であり、世界の紙巻総需要の40%超を消費しておりますが、同国の専売企業である中国国家煙草総公司が製造・流通・販売をほぼ独占しています。また、インドネシア、米国、ロシア、日本が中国に次ぐ市場規模となります(注1)。たばこ産業における主なグローバルプレーヤーは、中国国家煙草総公司を除けば、フィリップ・モリス・インターナショナル社、ブリティッシュ・アメリカン・タバコ社、JTグループ、インペリアル・ブランズ社があります。RRPにおいては、この4社に加え、電子たばこを販売している米国のジュール社や、無煙たばこを主力製品としているスウェーデンのスウェディッシュ・マッチ社も挙げられます。

 紙巻たばこ市場は、成熟市場と新興市場とで異なる特徴を有しており、成熟市場においては、経済成長が限定的であることや、増税及び規制の強化、人口構造の変化等の様々な要因によって、紙巻総需要は減少傾向にあります。また、お客様の需要がより低い価格帯の製品へと移行する動きも複数の市場で見受けられます。一方、新興市場においては、人口の増加と経済成長に伴い、中東、アフリカを中心とした多くの国々で紙巻総需要は増加傾向にあります。加えて、所得の増加に伴い、お客様の需要はより高品質・高価格帯の製品へと移行する傾向があります。

 世界の紙巻総需要(注1)は、僅かながらも減少傾向にあります。しかしながら、たばこ産業の利益創出構造は引き続き堅固であり、厳しい環境下においても、主に紙巻たばこにおける製品単価の上昇により、今次経営計画の期間においても市場全体の売上規模は成長を続けると見立てています。この総需要の減少と売上規模の増加傾向は、今後も継続するものと予想されます。また、RRPカテゴリーの売上規模も伸長しており、加熱式たばことE-Vapor製品を合わせたグローバルベース(注2)の税抜総売上高が2022年には400億米ドル規模に拡大する見込みです。

(注1)2018年度データ

(注2)中国を除く

 

ⅱ基本戦略

<質の高いトップライン成長>

・RRPへの取組み強化
 RRPは、お客様、社会及び当社グループの事業にとって有益であると考えており、RRPをたばこ事業の将来に亘る持続的成長の柱と位置づけ、優先的な資源配分を実施してまいります。より多くのお客様に選択いただけるRRPの開発に注力し、イノベーションによる高品質な製品ポートフォリオの拡充を通じて、変化するお客様ニーズを満たしていきます。なお、既存のたばこ製品については、利益基盤としてその重要性に変更はなく、引き続き事業投資を通じた持続的成長を目指してまいります。

 

・ブランド・エクイティ強化を通じた既存主要市場におけるシェアの維持・拡大
 たばこ事業は、「卓越したブランド・ポートフォリオ」を原動力として、過去数年間に亘って、当社グループ主要市場の多くで、その市場シェア伸張を実現してきました。

 今後も市場シェア伸張を目指すべく、当社グループは、主要ブランド、特にGFBへの継続的な投資を通じたブランド・エクイティの向上に注力していきます。その一方で、当社グループが事業展開する各国・各地域のお客様の嗜好に合わせ、ローカルブランドによる補完も適切に実行し、ブランド・エクイティ強化に向けた継続的な投資を行っていきます。

 具体的には、喫味品質の主たる要素である「ブレンド技術」「香料技術」「フィルターをはじめとする材料技術」、そしてそれらを「加工する技術」を更に進化させていくとともに、外観品質として重要な「パッケージ開発力」も加えた、付加価値あるたばこ創りの5つの主要素に注力していきます。

また、たばこ業界は、世界的な広告・販売促進規制等の進行によって、テレビ・ラジオ・新聞・雑誌の4大マスメディアの活用が著しく制限されており、お客様との適切なブランドコミュニケーションを展開するうえで、店頭を中心としたコミュニケーション媒体の重要性が高まっていると認識しております。したがって、流通・プロモーション戦略上は、国・地域毎の規制環境により販売チャネル、お客様の購買動向、競合動向が異なることを踏まえたトレードマーケティングの推進を重要テーマと考えております。

 

・地理的拡大
 たばこ事業は、1999年のRJRナビスコ社の米国以外の海外たばこ事業及び2007年のGallaher社といった大型買収・統合を実現し、グローバルたばこメーカーとしてのプレゼンスを高めてきました。
 これら二度の大型買収・統合を柱とした地理的拡大施策は、過去10数年間に亘って、たばこ事業成長の中核的役割を担い、特にスピード感ある適切な統合施策の実行は、買収によって獲得したグローバル事業基盤の自律的な強化・拡充に大きく貢献してきました。

 その後も、新規市場への参入及び既存市場でのプレゼンス拡大を推進すべく、既存事業への投資強化及び外部資源の獲得として買収及び出資を行うなど、先進国を中心とした高マージン市場と新興国を中心とした高成長市場のバランスの取れた地理的ポートフォリオの構築を実現してまいりました。今後も、更なるグローバル事業基盤の強化及び拡充を図るため、既に強固な基盤を有する市場及び成長ポテンシャルが高い市場へバランス良く投資し、自律的な成長を目指します。また同時に、更なる外部資源の獲得による成長機会の探索及び実行についても、重要な戦略オプションと考えております。

 

<コスト競争力の更なる強化>
 たばこ事業は、これまで同様に不断のコスト改善を追求し、品質の維持・向上との両立を図りながら、スピーディーかつ効率的な事業運営体制の構築を目指します。また、これまで以上に、グローバルサプライチェーンの全体最適化を志向していきます。具体的には、葉たばこのグローバル調達における垂直統合や、材料品調達における材料スペックの統一化、サプライヤー間の互換性の確保によるコスト低減を促進していくとともに、市況に応じた機動的な調達と原材料在庫の適正化による原材料費の抑制を追求していきます。また、生産性の向上を目指した製造体制の見直しと設備投資の最適化を通じた加工費の節減も継続的に実施していきます。同時に、事業継続能力を向上させるべく、代替性確保と重要機能の分散化という観点から、マルチソーシング体制の確立と、グローバルな製造拠点の相互活用による製造能力の最適配分、優先銘柄に関する製造能力のエリア分散を目指しております。

 上記施策を通じて、品質に妥協することなくコスト効率化を実現し、更なるマージン改善及び運転資本や投資最適化によるキャッシュ・フロー創出力の強化を目指していきます。

 

<基盤強化の推進>
 たばこ事業の持続的利益成長を支える基盤として、「人財育成」を重要なテーマと考えております。
 当社グループは70以上の国と地域で事業を展開しており、世界中で100か国以上の国籍の社員が、国籍・性別・年齢の区別なく働いております。こうした多様性を活かし、コラボレーションを推進する中で、シナジーを最大化しております。すべての企業活動・成果は人財によって生み出されるものだという強い認識の下、グローバルな人財の獲得・育成について、更に進化させていきたいと考えております。

 

 たばこ事業は、上記事業戦略の着実な実行により、引き続き業界を代表するグローバルたばこメーカーとしてのプレゼンス向上を目指すとともに、当社グループにおける利益成長の中核かつ牽引役としての役割を一層強化していきます。

[医薬事業]
 医薬事業は、次世代戦略品の研究開発推進と各製品の価値最大化を通じ、当社グループへの安定的な利益貢献を目指します。

 

ⅰ経営環境

 2018年における世界の医薬品市場規模は、前年度比5.2%増の約1兆1,982億米ドルと成長を続けています(注)。健康意識の高まり、人口の増加、公的医療制度の充実等に伴い、先進的な医薬品の需要が高まっている一方で、高齢化や財政赤字等の背景もあり、各国政府は薬価コントロールを強めており、医療費の抑制を図っています。

 日本においては、2019年10月に消費税率の引き上げがあり、これに伴う薬価基準改定による業界全体の平均薬価引き下げ率は2.4%となりました。また、日本の医療用医薬品市場におけるジェネリック医薬品の規模は、政府による医療費抑制を目的とした普及促進に伴い拡大しています。加えて、薬価制度の抜本的改革により、2021年より毎年段階的な薬価引き下げ等が行われることになり、企業にとっては引き続き厳しい状況が予想されます。

 有望な創薬標的の発見は容易ではなく、また新薬の承認審査基準が厳格化する中で、グローバルの開発競争は厳し

さを増しています。当社は、国際的に通用するオリジナル新薬創出のための研究開発主導型事業を運営しており、日

本国内だけでなく、海外のメガファーマやベンチャー企業等、多数の企業と競合関係にあります。

(注)Copyright © 2020 IQVIA.

Created based on IQVIA World Review Excecutive ™ Summary 2014-2018 より引用 無断転載禁止

 

ⅱ基本戦略

<安定的な利益貢献>
 安定的な利益貢献のために、具体的には「次世代戦略品の研究開発推進と最適タイミングでの導出」「各製品の価値最大化」を重要課題とした収益基盤の更なる強化に努めます。

 

・「次世代戦略品の研究開発推進と最適タイミングでの導出」

医薬事業の持続的発展の観点から、次世代戦略品の研究開発推進は重要な課題です。新薬創出のハードルが年々上昇している中、世界の医療現場におけるアンメットニーズに徹底的にこだわり、世界中から創薬のタネを求めることによって研究テーマの充実を図るとともに、候補化合物ごとに柔軟かつきめ細やかな研究マネジメントを実践することによって、迅速な臨床開発フェーズへの移行を目指します。

近年、世界規模で研究開発競争が激化しており、医療現場ニーズを見据えた完成度の高い開発戦略の構築と、スピード感のある臨床試験の実施が必要不可欠です。研究開発スピードを加速し、早期に世界の患者様に当社グループが創製した新薬をお届けするために、自社での開発推進に加え、引き続き、他社(特にグローバルメガファーマ)への導出や提携等の機会も積極的に追求していきます。

 

・「各製品の価値最大化」

2014年以降、「リオナ錠」(高リン血症治療剤)、「シダトレンスギ花粉舌下液」、「ミティキュアダニ舌下錠」及び「シダキュアスギ花粉舌下錠」(減感作療法(アレルゲン免疫療法)薬)を国内で発売しました。また、海外においては各ライセンスパートナー企業が、「Stribild」及び「Genvoya」(抗HIV薬)並びに「Mekinist」(メラノーマ、非小細胞肺がん治療薬)を販売中です。これら各製品を通じた医療現場への貢献を最大化すべく、当社のグループ会社である鳥居薬品やライセンスパートナー企業と緊密に連携し、市場への着実な浸透を図っていきます。

 

なお、こうした諸活動の推進を実効あるものとするためには、医療現場におけるアンメットニーズや最新の創薬研究に精通し、それをもとに完成度の高い開発戦略や製品価値最大化戦略を構築しうる人財、世界のアカデミアや製薬企業とわたりあえるグローバル人財の育成が急務であると認識しており、それに向けた取組みに注力していきます。

[加工食品事業]

 加工食品事業は、高品質なトップライン成長による中長期に亘る利益成長を通じ、当社グループへの利益貢献を目指します。

 

ⅰ経営環境

 2018年における日本国内の冷凍食品消費数量は、前年度比1.4%増の289万トンと過去最高を記録し、輸入品を含む国内消費金額は前年度比1.6%増の1兆746億円となり、2年連続で1兆円を上回りました(注)

 日本の加工食品市場は、ライフスタイルの変化に伴い、今後も需要が伸長すると考えられます。その中でも冷凍食品は、いつでも手軽に出来たてのおいしさを再現でき、バリエーションが豊富であるため、現代の多様なニーズを満たすことが期待されます。

 当社のグループ会社であるテーブルマーク㈱の競合企業は、マルハニチロ、ニチレイフーズ、味の素冷凍食品、日本水産といった大手企業に加え、数多くの中小企業が挙げられますが、各種の製品カテゴリーごとにすみ分けがなされております。一方で、流通各社でのプライベートブランド製品の拡大や卸企業の業界再編等、販路の動向にも注視することが必要と考えており、また、原材料においても世界的な食料不足を背景とした価格変動等のリスクが依然として存在しております。

(注)出典:日本冷凍食品協会

 

ⅱ基本戦略

<質の高いトップライン成長>
 ステープル(主食)商品を中心とした冷凍・常温加工食品、調味料及びベーカリーを主力として事業を展開しております。中でも、高い商品力・市場シェアを有するステープル商品に注力します。具体的には、お客様ニーズ把握力、アイデア創出力・具現化力の更なる強化を図ることにより、当社グループ独自の製造技術を一層活かしつつ、「お客様にとって、その価格に相応しい付加価値ある商品づくり」を目指します。また、商品戦略と連動した効果・効率的な広告宣伝及び販売促進活動の展開並びに営業力の強化を図ることによって、更なる市場シェア拡大を目指します。

 

<コスト競争力の更なる強化>
 原材料調達力の強化、物流網の効率的運用、自社グループ工場の生産性改善によるコスト低減に加えて、販売促進施策の選択と集中による営業活動経費の効率的執行、全社的な固定費削減努力を継続的に行い、コスト競争力の強化に努めます。

 

<基盤強化の推進>

・食の安全管理
 今後も引き続き、お客様に安全で高品質の商品を提供していくため、「フードセーフティ」「フードディフェンス」「フードクオリティ」「フードコミュニケーション」の4つの視点をもとに食の安全管理に万全を期した事業運営を行っていきます。

「フードセーフティ」では、既に導入済の食品安全マネジメントシステムを活用し、リスクを極小化する活動を展開します。

「フードディフェンス」では、意図的な攻撃を防ぐための仕組みとして導入済であるフードディフェンスプログラムを推進しております。

「フードクオリティ」では、食品本来の品質である「おいしさ」を追求するとともに、お問い合わせ・ご指摘情報からの継続的な改善による、商品付加価値とお客様満足度の向上を目指します。

「フードコミュニケーション」では、お客様の要望に真摯に耳を傾けるとともに、当社グループの活動の「見える化」を推進するため、積極的に情報を提供する取組みを行います。

 

・人財育成
 事業を支える人財の育成は重要なテーマであり、高いマーケティング能力や商品開発能力等様々なスキルを有する人財の育成に向け、能力開発プログラムの策定及び適切なキャリアパスの構築を図り、その実行に努めていきます。

 

 

以上のとおり、当社グループは、「4Sモデル」の追求を経営理念とし、「変化への対応力」を高めながら、大胆かつスピーディーに意識・行動を変革し、各事業の成長戦略を着実に実行することによって、持続的利益成長を実現し、中長期に亘る企業価値の継続的な向上を目指していきます。

2【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資家の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。ただし、以下に記載したリスクは当社グループに関するすべてのリスクを網羅したものではなく、記載されたリスク以外のリスクも存在します。かかるリスク要因のいずれによっても、投資家の判断に影響を及ぼす可能性があります。

なお、本項においては、将来に関する事項が含まれておりますが、別段の表示が無い限り、当該事項は提出日現在において判断したものです。

 

(1)当社グループの事業及び収益構造並びに経営方針に係る事項

① 連結売上収益に占める日本市場のたばこ売上収益の重要性について
 当社グループは、たばこ事業を中心に70以上の国と地域で事業を展開、また130以上の国と地域で製品を販売しております。その中でも日本市場におけるたばこの売上収益は、当社グループの売上収益に相当程度貢献しております。したがって、日本市場が何らかの悪影響を受けた場合は、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります(たばこ事業に係るリスクの詳細については、下記「(2)当社グループのたばこ事業に係る事項」をご参照ください)。

 

② 事業拡大について
 当社グループは、医薬事業及び加工食品事業が、当社グループの中長期に亘る持続的な利益成長を補完する役割として、将来においても安定的かつ更なる利益貢献をするものと考えており、引き続きこれらの事業に対する投資を行う予定ですが、かかる投資が期待されるリターンをもたらすという保証はありません。
 当社グループは、RJRナビスコ社の米国外たばこ事業の取得(1999年、買収額約78億ドル(9,440億円、取得時の為替レートにより算出、以下同じ))、Gallaher社の買収(2007年、買収額約75億ポンド(1兆7,200億円))、㈱加ト吉(現:テーブルマーク㈱)の買収(2008年、買収額約1,090億円)、Natural American Spiritの米国外たばこ事業の取得(2016年、買収額約50億ドル(約5,914億円))をはじめとして、事業の拡大に向け、積極的に外部の経営資源を獲得してまいりました。当社グループは、事業の拡大のために、他企業の買収、他企業への出資、他企業との提携及び協力体制構築等の検討を行い、その結果、将来の当社グループの業績に貢献すると判断した場合には、これらを実行することもあり得ます。しかしながら、異なる地理的又は文化的背景により営業、人員、技術及び組織の統合ができない場合、買収又は提携した事業における製品に対する継続的な需要を維持し又はかかる製品を製造販売することができない場合、現在行われている事業を継続することができない場合、買収した事業における優秀な人財を保持し又は従業員の士気を維持することができない場合、当社グループの内部統制体制を買収した事業に適用することができない場合、効果的なブランド及び製品ポートフォリオを構築することができない場合、異なる製品ラインにおける販売及び市場戦略の連携ができない場合、並びに現在行われている事業から経営者の注意が分散される場合等により、当社グループの期待する成果が得られない場合、又は、想定しなかった重大な問題点が買収後に発見された場合等には、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
 また、当社グループは、買収に伴い、相当額ののれん及び無形資産を連結財政状態計算書に計上しており、当年度末現在、のれん及び無形資産の金額はそれぞれ、連結総資産の36.1%(2兆26億円)及び7.9%(4,404億円)を占めております。当社グループは、当該のれん及び無形資産につきまして、それぞれの事業価値及び事業統合による将来のシナジー効果が発揮された結果得られる将来の収益力を適切に反映したものと考えておりますが、事業環境や競合状況の変化等により期待する成果が得られないと判断された場合、又は適用される割引率が高くなった場合等は、減損損失が発生し、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

③ 外国為替の変動による影響について
 当社は円表示で連結財務諸表を作成しておりますが、海外の当社グループ会社はロシアルーブル、ユーロ、英国ポンド、台湾ドル、米国ドル、スイスフラン等日本円以外の外国通貨で財務諸表を作成しております。したがって、海外の当社グループ会社の業績、資産及び負債は、当社の連結財務諸表の作成時において日本円に換算され、円表示で当社の連結財務諸表に記載されることになるため、当該当社グループ会社が決算に使用する外国通貨の日本円に対する為替の変動による影響を受けることになります。当社グループの売上収益及び調整後営業利益に占める海外たばこ事業の割合は、当年度において、それぞれ60.3%及び66.0%であり、特に、当社グループの海外たばこ事業の拡大に伴い、その寄与分につき、為替の変動が連結財務諸表に重大な影響を与える可能性があります。
 なお、海外たばこ事業の決算を連結するJT International Holding B.V.(以下「JTIH」という)が決算に使用する通貨は米国ドルですが、同社は世界各国に存在する連結子会社又は関連会社を通じて事業を行っており、それらの中には米国ドル以外の通貨により決算を行っているものがあります。このため、外国為替の変動に伴う換算影響には日本円とJTIHが連結決算に使用する通貨である米国ドルの間の為替変動だけでなく、当該米国ドルと、同社の連結子会社又は関連会社が決算に使用するその他の通貨の間の為替変動も含むことになります。

 また、当社が外貨建てで株式等を取得した海外の当社グループ会社について、清算、売却又は重大な価値の減額等の事由が発生した場合、当社の連結財務諸表において当該会社に対する投資の損益が計上され、かかる損益は当該株式等の取得に使用した外国通貨と日本円の間の為替変動の影響を受けます。
 また、当社グループの国際取引の大部分は外国為替の影響を受けます。例えば、当社グループは、国内たばこ事業又は海外たばこ事業において、外国産葉たばこを使用しております(下記⑧をご参照ください)が、外国産葉たばこの相当程度を米国ドル建てで調達する一方、製造たばこを各国の現地通貨建てで販売しております。したがって、当該現地通貨に対して米国ドルが高くなった場合には、当社グループの利益率に悪影響を及ぼす可能性があります。

 当社グループは取引による為替リスクの一部をヘッジしておりますが、かかるヘッジにより当社グループの為替リスクを完全に回避することはできず、為替の動向が当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

④ 自然災害及び不測の事態等について
 2011年3月に発生した東日本大震災により、当社グループの一部事業所や材料品調達先が被災したこと等から、主に国内たばこ事業における事業運営に影響を受けました。事業継続能力の向上を図っておりますが、今後も震災に起因する事象が当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。また、国内及び海外の将来の大規模な地震、津波、台風、洪水等の自然災害、インフラの停止、政情不安、爆発等の人災その他の不測の事態が発生した場合には、仕入先の被災に起因する供給不足、交通、流通サービス及び販売チャネルの障害、電気・水道等の停止、需要の減少、従業員の被災等により当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
 なお、当社グループは、東日本大震災及び津波の影響による東京電力福島第一原子力発電所の事故を契機とした国内産葉たばこへの放射性物質影響に対するお客様の不安を取り除き、安心してご愛顧いただける製品をお届けするための取組みとして、野菜類の農産物に対する政府基準値を参考に自社基準値を設定し、原料購買前・原料処理前・製品工場での使用前・製品出荷前の各段階において幾重にも検査・確認する体制をとっています。

 

⑤ 気候変動について

 地球の温暖化に伴う気候変動は、集中豪雨等の異常気象による浸水・洪水・土砂災害や天候不順による酷暑・大雪・干ばつ、水資源の変化、生物多様性の損失等、様々な被害をもたらします。気候変動による影響は、当社グループのみならず、当社グループのバリューチェーンが被害を受けることで、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

 当社グループでは、環境への負荷低減のため、温室効果ガス排出量削減や水資源の効率的利用、廃棄物削減等、様々な課題に取り組んでおり、当社グループのバリューチェーンにおける環境課題についても、取組みを強化しています。2019年に公表した新しい環境計画2030ではパリ協定に準拠した温室効果ガス削減目標を掲げています。この目標はグループだけでなくバリューチェーンも対象としており、科学的根拠に基づく温室効果ガス排出量の削減(Science Based Target)として認定を受けています。現在は、シナリオ分析の実施に取り組んでおり、気候変動が事業に及ぼす影響をより的確に把握し、適切に対応できる体制を整備しています。

 

⑥ カントリーリスク
 当社グループは、たばこ事業を中心に70以上の国と地域で事業を展開、また130以上の国と地域で製品を販売しており、特に、海外たばこ事業の重要性が増加してきております。当社グループは、長期的な成長実現のために、更なる地理的拡大に積極的に挑戦していきますが、一方で、現地の政治・経済・社会・法制度等の変化や暴動、テロ及び戦争の発生に伴うカントリーリスクが相対的に高まり、リスクが具現化した場合には、サプライ・チェーンや流通網の遮断、資産や設備の毀損、人員配置及び営業管理の困難性等により、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

 また、当社グループには、経済制裁の対象となっている国々における事業があります。当社グループは、各種経済制裁に則り適法、適切に事業運営を行っておりますが、仮に当社グループがこれらの経済制裁に違反したと認定された場合には、多額の罰金が課される等のおそれがあり、また当該制裁の内容等が変更された場合には、当社グループがかかる国々における事業を継続できなくなる等、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。また、当社グループがかかる経済制裁に違反しない場合でも、経済制裁の対象となっている国々において事業を行っていること自体により、当社グループに対する評判に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

⑦ 経済・景気の悪化
 世界経済は、先進国においてゆるやかな景気回復が見られますが、新興国経済の成長鈍化等、引き続き先行きは不透明な状況にあります。また、日本においても、雇用・所得環境の改善等を背景にゆるやかな景気回復の傾向が見られるものの、2019年10月1日から消費税が10%に増税されたこともあり、かかる傾向が持続するかどうかについては、依然として予断を許さない状況にあります。

 当社グループの海外たばこ事業における主要な市場の多くにおいては、経済・景気の悪化、人口構成の変化その他の社会的な要因により、近年たばこの総需要が減少しております。日本においても、たばこの総需要は減少を続けており、かかる傾向が継続するものと考えております。

 このように、経済・景気の悪化等により、お客様の購買力又は消費意欲が減退し、また、お客様の需要がより安価な商品又はカテゴリーへ移行する可能性があります。これらの事象により、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

⑧ 原材料調達の不安定化
 当社は、国内において製造する製造たばこの原料として、国内産葉たばこ及び外国産葉たばこを使用しております。一方、当社グループが海外において製造する製造たばこの原料については、現時点において外国産葉たばこのみを使用しております。
 葉たばこは農作物であり、また加工食品も多くが自然由来の原材料を使用しているため、それらの調達状況は天候やその他の自然現象及び商品市場に左右されます。また、世界的な人口の増加及び経済成長に伴う爆発的な消費の増加によって、資源の枯渇が全世界的なリスクになると認識されており、原材料価格が上昇するおそれがあります。当社グループの商品生産にあたって必要な量の原材料確保の困難化及びその調達コストの上昇が当社グループの業績に悪影響を与える可能性があります。

 

⑨ 人財確保の困難化
 当社グループは多様な人財こそが競争力の源泉であると認識し、世界中から優秀な人財を採用し、その育成・確保を行っております。しかしながら、当社グループの中核であるたばこ事業に対する社会的イメージの低下等により、優秀な人財の確保及びその引き留めが重要な課題となっております。人財の確保等を十分に行うことができなかった場合、将来の事業運営が困難となり、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

⑩ 知的財産権の侵害について
 当社グループの知的財産権が他社に侵害された場合には、当社グループの技術やブランドが十分に保護されず、当社グループの事業戦略や財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。また、当社グループ製品が第三者の知的財産権を侵害したと認定された場合には、当社より損害賠償の支払いが必要となる又は製品を市場で販売できなくなるおそれがあり、当社グループの事業戦略や財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

⑪ 環境規制について
 当社グループは、国内外において研究開発及び製造過程で発生する有害物質、廃棄物等について、さまざまな環境保護に係る法的規制を受けております。将来、当社グループの事業活動により環境汚染等の問題が発生した場合、又は、環境規制の導入もしくはその変更があった場合には、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

⑫ 情報セキュリティについて

 当社グループは、情報セキュリティに関する各種規程を整備し、当社グループが保有するシステムやデータ等の情報資産の適切な管理・保護に努めております。

 しかしながら、不正アクセスやコンピュータウィルスによる攻撃、災害等の不測の事態によって機密情報の漏洩及びシステムの障害等が発生した場合には、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(2)当社グループのたばこ事業に係る事項

① たばこ需要の減少について
 国内たばこ市場におけるたばこ需要は、少子高齢化の進展、喫煙と健康に関する意識の高まり、増税や喫煙をめぐる規制の強化等を背景に、減少傾向が続いており、かかる減少傾向は継続するものと予測しております。海外たばこ市場においても、需要の動向は地域によって変動はあるものの、経済環境、社会情勢、規制動向、人口構成の変化や増税値上げ等により減少する可能性があります。
 たばこ需要が減少した場合、販売数量の減少により、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

② 競合他社との競争について
 当社グループは、国内外のたばこ市場においてフィリップ・モリス・インターナショナル社及びブリティッシュ・アメリカン・タバコ社といった競合他社と熾烈な競争を行っております。
 国内たばこ市場においては、1985年の製造たばこの輸入に関する規制の自由化及び1987年の輸入紙巻たばこの関税の無税化以降、喫煙者の嗜好の多様化、競合他社の積極的な販売促進活動等により、競合他社との競争は著しく高まってきております。加えて、お客様のニーズの多様化に伴い、近年RRP市場が急激に拡大しており、お客様のニーズを的確に捉えた製品を提供し続けることが、これまで以上に重要であると認識しています。
 海外たばこ市場においては、当社グループは自律的成長に加え、RJRナビスコ社の米国外のたばこ事業の取得、Gallaher社の買収等を通じて当社グループの事業の拡大を行いました。これら買収の結果として、海外の市場において、当社グループはフィリップ・モリス・インターナショナル社やブリティッシュ・アメリカン・タバコ社のようなグローバルにたばこ事業を展開する企業及びそれぞれの地域において強みを持つ企業との間で、より広範囲にわたって競合関係にあります。
 各市場におけるシェアは、当社グループ及び他社の新製品の投入、並びにそれらに伴う特別の販売促進活動等の一時的要因によって短期的に変動することがあるほか、競合、規制、価格戦略、喫煙者の嗜好の変化、健康に対する社会的関心の高まり、ブランド力又は各市場における経済情勢その他の多数の要因に影響されて変動いたします。当社グループがこれらの諸要因によりたばこ市場におけるシェアを低下させた場合、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

③ たばこに課せられる税金について
 たばこ税については、日本を含む各国で財政及び公衆衛生の観点による増税議論が行われ、実際に増税が行われております。また、日本をはじめ多くの国で、国家財政の改善に向けた消費税又はVAT(Value-Added Tax、付加価値税)等それに類する税金の引上げが行われております。
 当社グループは各国においてたばこに課せられる税の種類又はその税率等に関する増加又は変更を予測することはできません。増税が想定外のタイミング、頻度、税率又は地域で行われた場合、当社グループは、増税に迅速かつ適切に対応することができない可能性があります。
 また、たばこに課せられる税金が引き上げられた場合、これに対応してたばこの小売定価の値上げを行えば、たばこ需要の減退や安価な銘柄への需要の移行、密輸や偽造等の不法取引の発生又は増加を促す可能性があり、一方で、かかる値上げを行わなければ、たばこ事業の収益構造の悪化をもたらすことから、いずれも当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

 なお、日本では2018年度税制改正において「所得税法等の一部を改正する法律」(平成30年3月31日法律第7号)及び「地方税法等の一部を改正する法律」(平成30年3月31日法律第3号)が制定されました。また、2019年12月20日に閣議決定された「令和2年度税制改正の大綱」において、たばこ税の見直しとして、軽量な葉巻たばこ(1本当たりの重量が1g未満の葉巻たばこをいう。)の課税標準について、葉巻たばこ1本を紙巻たばこ1本に換算する方法とする旨の記載がなされております。詳細については、「(4)上記以外に、投資家の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項 ③提出会社の事業に係る法律関連事項等 ⅲたばこ税に係る法律(たばこ特別税を含む)ⅳ紙巻たばこ以外の製造たばこに適用される課税方法について」をご参照ください。

 

④ 製造たばこに対する規制について
 ・海外の状況について

たばこ規制環境は、2005年2月に発効した「たばこの規制に関する世界保健機関枠組条約(FCTC)」を契機に、年々厳しくなる傾向にあります。

当該条約は、喫煙の広がりの継続的かつ実質的な抑制を目的としており、たばこ需要減少のための価格及び課税措置についての条項、たばこ需要減少のための非価格措置についての条項(受動喫煙からの保護、たばこ製品の含有物・排出物に関する規制、たばこ製品についての情報の開示に関する規制、たばこ製品の包装及び表示に関する規制、たばこの広告、販売促進及びスポンサーシップに関する規制等)、たばこの供給削減に関する措置についての条項(たばこ製品の不法取引を防止するための措置、たばこ製品の未成年者への販売を防止するための措置等)等を規定しています(日本政府は2004年6月に当該条約を受諾しています)。

なお、当該条約においては、各締約国の一般的義務として、たばこ規制戦略、計画及びプログラムの策定、実施、定期的な更新、及び検討を行うことが定められていますが、各締約国における具体的規制の内容・範囲・方法等は各国に委ねられています。当該条約発効後、締約国会議(COP)が定期的に開催され、各条項に係るガイドラインや議定書(FCTCとは別に批准・受諾等を要する)を策定する等、締約国間での議論が継続しています。

各国の具体的規制として、当社の重要市場であるロシアにおいては、2013年2月にたばこ製品の店頭陳列規制、販売場所規制、広告・販促・スポンサーシップの禁止、最低小売価格の設定、公共の場所における喫煙禁止、不法取引対策等を含む包括的たばこ規制法が成立し、同年6月から段階的に施行されております。

また、EUにおいては、2001年7月に公布された「たばこ製品指令(EU TPD)」が改定され、たばこ製品の包装・表示規制の強化、たばこ製品の添加物規制、電子たばこ製品関連規制、不法品対策等を含むその改定指令が、2014年5月に発効し、各加盟国で本指令に基づく法制化がなされております。

更に、2012年12月に、豪州が規定のフォントスタイル及びフォント色での製品名の刷記を除き、たばこパッケージにロゴ・ブランドイメージ又は販促文言を刷記することを禁止するプレーンパッケージ規制を導入しております。現在、同様の規制が、フランス、英国等で導入済であり、複数国が導入を検討又は決定している状況にあります。

その他、例えば米国連邦政府においては、フレーバー付き電子たばこの一部について販売禁止規制の導入が決定される等、電子たばこへも規制拡大の動きが見られます。

将来における販売活動、マーケティング、包装・表示、たばこ製品及び喫煙に関する法律・規則の正確な内容を予測することは困難ですが、当社グループは、国内外において、上記のような規制を含む様々な規制が広がっていくものと予測しています。

 

 ・国内の状況について

たばこ事業法、関連法令及び業界自主規準は日本国内における製造たばこの販売及び販売促進活動に関する規制を設けており、この規制には広告活動や製造たばこの包装に製造たばこの消費と健康の関係に関して注意を促す文言を表示することも含まれております。
 2003年11月、たばこ事業法施行規則が改正され、製造たばこの包装に表示するたばこの消費と健康に関する注意文言等の見直しが行われ、2005年7月以降、すべての国内向け製造たばこが改正後の規則に従って販売されております。また、財務大臣は、たばこ事業法第39条(注意表示)及び第40条(広告に関する勧告等)に基づき、「製造たばこに係る広告を行う際の指針」(以下、「広告指針」という)を示しており、広告指針は上記のたばこ事業法施行規則改正を踏まえ、2004年3月に改正されております(詳細については、以下(4)③ⅰの脚注2及び3をご参照ください)。

一般社団法人日本たばこ協会も広告及び販売促進活動等に関する自主規準を設けており、当社を含む会員各社は、これを遵守しております。なお、2016年2月には、財政制度等審議会たばこ事業等分科会の下に表示等部会が新設され、広告指針のあり方に関する専門的な検討が行われました。表示等部会は、2016年6月にたばこ事業等分科会に対し検討結果を報告しており、たばこ事業等分科会においてこれを踏まえた更なる議論が行われた結果、2018年12月28日に「注意文言表示規制・広告規制の見直しについて」が公開されました。これに基づき、2019年6月14日、たばこ事業法施行規則及び広告指針、関連告示の一部改正が公布されたことを受け、同日、一般社団法人日本たばこ協会の設ける自主規準の改定がなされました(たばこ事業法施行規則及び広告指針の改正については、以下(4)③ⅰの脚注4及び5をご参照ください)。本改定では、製造たばこに係る規準の改定に加え、加熱式たばこの製造たばこ部分に係る規準の新設、加熱式たばこの製造たばこ以外の部分(加熱式たばこを加熱するための機器)に係る規準の新設、たばこに係る企業活動及び喫煙マナー向上を提唱するテレビ広告に関する規準の新設がなされております。

具体的には、製造たばこの包装における注意文言表示については、2020年7月1日までに、最新の科学的知見に即した文言の追加・改定及び注意文言の表示面積を50%以上へ拡大する等の新たな表示方法へ切り替えることが定められました。また、広告規制については、インターネット広告等について未成年者を対象としないためのより実効性の高い措置を講じる、店頭広告の大きさや掲示方法について新たに必要な制限を行う等、自主規準の改定が行われました。

受動喫煙防止の観点からは、2018年7月に「健康増進法の一部を改正する法律(以下、「本法律」という)」(平成30年7月25日法律第78号)が成立し、多くの人が利用する施設ごとに、望まない受動喫煙を防止するための対策が強化されました。本法律では、第一種施設(学校、病院、行政機関等)、第二種施設(飲食店・事務所・工場等、第一種施設及び後述の喫煙目的施設以外の施設)、喫煙目的施設(公衆喫煙所・喫煙を主たる目的とするバーやスナック等・店内で喫煙可能なたばこ販売店)と3つの施設に区分され、施設ごとに求められる措置が異なります。第一種施設においては、「原則敷地内禁煙」となりますが、一定の要件を満たした屋外喫煙所を設置することは可能となります。第二種施設においては、「原則屋内禁煙」となりますが、一定の要件を満たした喫煙専用室を設置することは可能となります。また、一定の要件を満たした飲食店においては、店舗全体を喫煙可とすることも可能です。喫煙目的施設においては、施設内で喫煙が可能となります。本法律が2020年4月1日から全面施行されることにより、喫煙場所が減少していくものと予測しております。喫煙環境の具体的変化を詳細に見通すことは困難ですが、当社グループの業績への影響は一定程度あるものと認識しております。

 

 ・当社グループの業績への影響について

将来における販売活動、マーケティング、包装・表示、たばこ製品及び喫煙に関する法律、規則及び業界のガイドラインの正確な内容を予測することはできませんが、当社グループは、製品を販売する国内及び海外において上記のような規制又は新たな規制(地方自治体による規制を含む)が広がっていくものと予測しております。

当社グループとしては、たばこに関する適切かつ合理的な規制については支持する姿勢ではありますが、上記のようなたばこに関する規制が強化された場合、又はかかる規制強化に適時適切に対応できなかった場合には、たばこに対する需要及び市場シェアの減少や、新たな規制に対応するための費用等の要因を通じて、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

⑤ 密輸及び偽造等の不法取引について
 たばこ業界が直面している主要な問題の一つとして、たばこ製品の密輸及び偽造等の不法取引の増加が挙げられます。不法取引は、国ごとの税制及び課税水準の違いによる価格差等を要因にしていると考えられ、大幅な増税を機に増加する傾向にあります。

 不法に取引されたたばこは、メーカーにとってはブランド・企業の信頼性の毀損をもたらし、政府にとっては税収の減収につながることから、各たばこ企業とも政府当局と協力し、その撲滅に力を入れております。

当社グループでは、EU(加盟国を含む)及びカナダ政府当局との間で不法取引を解決するための協力契約をそれぞれ締結する等、その対策に取り組んでおりますが、密輸及び偽造等の不法取引の増大が、ブランド価値を毀損すること、又は不法取引を撲滅するための対策等に多額の費用を要すること等により、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

⑥ 訴訟等について
 当社グループは、喫煙、たばこ製品のマーケティング又はたばこの煙への曝露により損害を受けたとする訴訟の被告となっております。喫煙と健康に関する訴訟については、当社グループを被告とする訴訟、もしくはRJRナビスコ社の米国外のたばこ事業を取得した契約に基づき、当社が責任を負担するものを合わせて、当年度末現在20件存在しております。また当社グループは喫煙と健康に関する訴訟以外の訴訟においても当事者になっております。
 当社グループは係争中の又は将来の喫煙と健康に関する訴訟がどのような結果になるのか予測することはできません。これらの訴訟が当社グループにとって望ましくない結果になった場合、多額の賠償責任を負うこと等により、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。またこれら訴訟の結果にかかわらず、訴訟に関する批判的報道その他により、喫煙に対する社会の許容度の低下、喫煙に対する公的な規制が強化されること、当社グループに対する多くの類似の訴訟が提起されること、かかる訴訟の対応及び費用の負担を強いられること等により、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。また喫煙と健康問題関連の訴訟以外にも、製品の品質に何らかの問題が生じた場合に製造物責任の請求を受ける等、今後も当社グループを当事者とした訴訟等が発生する可能性があります。これらの訴訟等が、当社グループにとって望ましくない結果になった場合に、当社グループの業績又は当社製品の製造、販売、輸出入等に悪影響を及ぼす可能性があります。
 なお、当社グループが当事者となっている主な訴訟については「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 38.偶発事象」をご参照ください。

 

(3)当社グループの医薬事業及び加工食品事業に係る事項

① 医薬事業に係る事項
 当社グループの医薬事業に係る様々なリスクには下記のものが含まれます。

・当社グループが事業上価値のある医薬品を研究開発又は発売することができないリスク

・医薬品の研究開発に長期の時間及び多大な研究開発費を要するリスク

・当社グループが研究開発中の臨床開発品目又は医薬品につき、当社グループもしくは当社グループの共同開発先・導出先(ライセンシー)等が存在する場合はそれらの判断により、又は何らかの内的もしくは外的要因により、研究開発又は販売を中止することとなるリスク

・当社グループが事業上価値のある医薬品を研究開発又は発売することができたとしても、研究開発費用がその医薬品から生じる売上収益を上回るリスク

・当社グループが特定の医薬品に依存するリスク

・当社グループが医薬品を効率的かつ大量に製造又は製造委託することができないリスク

・当社グループの医薬品が事業上成功したとしても国内及び海外の競合他社の製品や政府による価格の引き下げ指示等によってその成功が覆されるリスク

・他社の開発医薬品のライセンス及び販売に依存するリスク

・重要な原材料の一部を特定の外部の供給元に依存するリスク

・当社グループの医薬品の品質又は情報提供に何らかの問題が生じた場合に製造物責任等の請求を受けるリスク及び販売中止になるリスク

・特許その他の知的財産権に関する訴訟等により業績が影響を受けるリスク

・研究開発段階から新薬発売後まで広範な規制を受けるリスク

・研究開発又は販売における提携先の努力に一部依存するリスク

・想定外の副作用又は不十分な臨床結果により医薬品の研究開発、製造販売を中止することとなるリスク

・放射性物質その他の危険物の使用又は管理に関し、当該危険物が環境を害する等の社会的又は法的問題が発生するリスク

 

② 加工食品事業に係る事項
 当社グループの加工食品事業に係る様々なリスクには下記のものが含まれます。

・当社グループの開発する製品がお客様の嗜好に合致せず、商品寿命が短期で終了するリスク

・原材料価格の変動(為替変動によるものを含む)により当社グループの損益が変動するリスク

・当社グループの製品の売上が天候の影響を受けるリスク

・調達、製造、販売等について国内及び海外の規制を受けるリスク(規制に対応するための諸コストの増加のリスクを含む)

・当社グループが当社グループよりも広い販売網、優れた開発能力又は豊富な経験を有する他の大規模な製造者に対抗することができないリスク

・当社グループが効率的なマーケティングを行えないリスク

・当社グループが、効率的、安定的かつ効果的な方法で製品を自ら製造し又は外部に製造委託できないリスク

・当社グループの製品の品質に何らかの問題が生じた場合に、お客様の健康を害する、製造物責任等の請求を受ける、又は当該製品及び当社グループのブランド・イメージが損なわれるリスク

 

(4)上記以外に、投資家の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項

① 日本国政府及び財務大臣との関係等について
 日本国政府はJT法に基づいて、常時、当社の発行済株式総数の3分の1を超える株式を保有することとされており、当年度末現在において、当社の発行済株式総数の33.35%を保有しております。したがって、日本国政府は、当社の株主総会において取締役の選任等の普通決議事項について重大な影響を及ぼすことができ、また合併、資本金の減少、定款変更等の特別決議事項については拒否権を有することになります。
 また、財務大臣はJT法及びたばこ事業法に従い、当社を監督する権限等を有しております。なお、JT法上、当社の営む事業の範囲は、「製造たばこの製造、販売及び輸入に関する事業及びこれに附帯する事業のほか、当社の目的を達成するために必要な事業」とされており、かつ、「当社の目的を達成するために必要な事業」については財務大臣の認可を受ける必要があります。したがって、現在認可を受けている事業の範囲を超えて新たな事業を営もうとする際には、財務大臣の認可が必要になります(詳細については、下記③ⅱをご参照ください)。

 上記のとおり、日本国政府は、当社に対して株主としての権利に加え、JT法及びたばこ事業法に従い、監督する権限等を有しておりますが、日本国政府の利害が他の株主のそれと一致する保証はなく、他の株主の利益に悪影響を及ぼす可能性があります。
 また、2011年12月2日公布の「東日本大震災からの復興のための施策を実施するために必要な財源の確保に関する特別措置法」において、政府は、2022年度までの間において復興財源に充てる収入を確保することを旨として、当社株式について、たばこ事業法等に基づくたばこ関連産業への国の関与の在り方を勘案し、当社株式の保有の在り方を見直すことによる処分の可能性について検討を行うこととされております。

 

② 葉たばこの買入れ等について
 当社の国内産葉たばこの買入れについては、たばこ事業法に基づき、国内の耕作者と毎年たばこの種類別の耕作面積並びに葉たばこの種類別及び品位別の価格を定めた葉たばこの買入れに関する契約を締結し、当社は、この契約に基づいて生産された葉たばこについては、製造たばこの原料の用に適さないものを除き、すべて買い入れる義務があります。当社がこの契約を締結しようとするときは、耕作総面積及び葉たばこの価格について、国内の耕作者を代表する者及び学識経験のある者のうちから財務大臣の認可を受けた委員で構成される「葉たばこ審議会」の意見を尊重することとされております(詳細については、下記③ⅰをご参照ください)。他の多くの国内農産物と同様に国内産葉たばこの生産費は外国産葉たばこの生産費に比して高いため、国内産葉たばこ(再乾燥前)の買入価格も、外国産葉たばこ(再乾燥済み)に対し約3倍と割高となっております。したがって、国内産葉たばこを実質的にすべて買い入れる義務は、外国産葉たばこのみを使用する他のグローバルたばこ企業に比して、当社グループの日本国内における競争力に悪影響を与える可能性があります。

 

③ 提出会社の事業に係る法律関連事項等

 ⅰたばこ事業法(昭和59年8月10日法律第68号)

 

内容

1.目的

 この法律は、たばこ専売制度の廃止に伴い、製造たばこに係る租税が財政収入において占める地位等にかんがみ、製造たばこの原料用としての国内産の葉たばこの生産及び買入れ並びに製造たばこの製造及び販売の事業等に関し所要の調整を行うことにより、我が国たばこ産業の健全な発展を図り、もって財政収入の安定的確保及び国民経済の健全な発展に資することを目的とする。(第1条)

2.原料用国内産葉たばこの生産及び買入れ

(1)日本たばこ産業株式会社(以下「会社」という。)は、国内産の葉たばこの買入れを行おうとする場合は、あらかじめ、会社に売り渡す目的をもってたばこを耕作しようとする者(以下「耕作者」という。)とたばこの種類別の耕作面積並びに葉たばこの種類別及び品位別の価格を定めた葉たばこの買入れに関する契約を締結するものとする。(第3条)

 

(2)会社は、契約に基づいて生産された葉たばこについては、製造たばこの原料の用に適さないものを除き、すべて買い入れるものとする。(第3条)

 

(3)会社は、契約を締結しようとするときは、たばこの種類別の耕作総面積及び葉たばこの価格について、あらかじめ、会社に置かれる葉たばこ審議会に諮り、その意見を尊重するものとする。(第4条及び第7条)

 

(4)葉たばこ審議会は、葉たばこの価格について、生産費及び物価その他の経済事情を参酌し、葉たばこの再生産を確保することを旨として審議するものとする。(第4条)

 

(5)会社は、たばこの種類別の耕作総面積の地域別の内訳をたばこ耕作組合中央会(以下「中央会」という。)の意見を聴いて定め、その範囲内において耕作者と契約を締結するものとする。(第5条)

 

(6)たばこ耕作組合の組合員である耕作者が中央会に対し葉たばこの価格等の基本的事項の約定を委託したときは、会社は、中央会と当該基本的事項を約定するものとするとともに、当該約定は、会社と当該耕作者との間で締結される契約の一部とみなす。(第6条)

3.製造たばこの製造

(1)製造たばこは、会社でなければ、製造してはならない。(第8条)

 

(2)会社は、その製造する製造たばこの品目別倉出価格の最高額について、財務大臣の認可を受けなければならない。(第9条)

 

(3)会社は、製造たばこに係る地域的な需給状況を勘案して、その円滑な供給を図るよう努めるものとする。(第10条)

4.製造たばこの販売

(1)自ら輸入した製造たばこの販売を業として行おうとする者は、財務大臣の登録を受けなければならないものとし、当該登録及び当該登録を受けた者(以下「特定販売業者」という。)に関し、必要な規定が設けられている。(第11条~第19条)

 

(2)製造たばこの卸売販売を業として行おうとする者は、当分の間、財務大臣の登録を受けなければならないものとし、当該登録及び当該登録を受けた者に関し、必要な規定が設けられている。(第20条及び第21条)

 

(3)製造たばこの小売販売を業として行おうとする者は、当分の間、財務大臣の許可を受けなければならないものとし、当該許可及び当該許可を受けた者(以下「小売販売業者」という。)に関し、必要な規定が設けられている。(第22条~第32条)

 

(4)会社又は特定販売業者は、その製造し、又は輸入する製造たばこを販売しようとするときは、当分の間、その品目毎の小売定価を定め、財務大臣の認可を受け、また、これを変更しようとするときも同様に認可を受けなければならないものとし、これらの認可の申請があった場合には、財務大臣は、消費者の利益を不当に害することとなると認めるとき等を除き認可しなければならないとする等、当該認可に関し、必要な規定が設けられている。(第33条~第35条)((注)1)

 

(5)小売販売業者は、財務大臣の認可に係る小売定価によらなければ、製造たばこを販売してはならない。(第36条)

 

 

 

内容

5.その他

(1)会社又は特定販売業者は、その製造し、又は輸入した製造たばこを販売する時までに、消費者に対し製造たばこの消費と健康の関係に関して注意を促すための財務省令で定める文言を表示しなければならない。(第39条)(注)2、4

 

(2)製造たばこに係る広告を行う者は、未成年者の喫煙防止等に配慮するとともに、その広告が過度にわたることがないように努めなければならないものとし、財務大臣は、広告を行う者に対し、必要な措置を行うことができる。(第40条)(注)3、5

(注)1.いわゆる定価制度を当分の間維持するとは、1904年以来、定価制がとられ、一定の流通秩序が形成され、定着してきていることから、これを一挙に廃止した場合の流通秩序の混乱を避けるための措置であると承知しております。
なお、たばこはいわゆる公共財・サービスとは異なる嗜好品であり、輸入自由化等に伴い完全に自由化された流通市場におきましては、会社も特定販売業者も各々が独自の経営判断に基づいて、財務大臣に対する申請価格を定めております。
また、小売定価の認可に関し、1984年のたばこ事業法案の国会審議において、政府委員より次のような趣旨の答弁がなされたと承知しております。

たばこの小売定価については、たばこ事業法において、小売定価の認可の申請があった場合には、大蔵大臣は、消費者の利益を不当に害することとなると認められるとき、又は倉出価格(国産品)もしくは輸入価格(輸入品)に照らして不当に低いと認められるときには例外的に認可しないことができるとされており、このような場合でない限り認可しなければならないとされ、このたばこ事業法の趣旨に基づき認可を行っているところである。

2.2003年11月、たばこ事業法施行規則が改正され、製造たばこの包装に表示するたばこの消費と健康に関する注意文言の見直しが行われました。改正された同施行規則では、注意文言は、直接喫煙(肺がん、心筋梗塞、脳卒中及び肺気腫)に関する4種類の文言と、妊婦と喫煙、受動喫煙、喫煙への依存及び未成年者の喫煙に関する4種類の文言の計8種類の文言とすること、直接喫煙に関する4種類の文言とそれ以外の4種類の文言のうち、それぞれ1つ以上を選び、たばこ包装の「主要な面」に一つずつ表示し、これらの文言が年間を通じて品目及び包装ごとに概ね均等に表示されるようにすること、これらの文言の表示については、それぞれ「主要な面」の面積の30%以上を占める部分とすること等が規定されております。加えて、「マイルド」「ライト」等の用語を使用する場合には、消費者にたばこの消費と健康との関係に関して誤解を生じさせないため、それらの用語は健康に及ぼす影響が他のたばこと比べて小さいことを意味するものではない旨を明らかにする文言をそれらの用語を使用しているたばこの包装に表示しなければならないとの規定が設けられております。2005年7月1日から、製造たばこの販売に際しては、これらの規定に従っております。

3.2004年3月、「製造たばこに係る広告を行う際の指針」が改正され、屋外におけるたばこ製品の広告(ポスター・看板等)は原則として行わないこととされております。そのほか、たばこ広告に記載される注意文言の表示及び内容に関する事項を含んでおります。

4.2019年6月、たばこ事業法施行規則が改正され、製造たばこの包装に表示するたばこの消費と健康に関する注意文言の見直しが行われました。改正された同施行規則では、加熱式たばこについての注意文言が新たに設けられた他、「他者への影響」に関する注意文言をたばこ包装の「主要な面」の表面に、「未成年者(20歳未満のもの)の喫煙防止」及び「喫煙者本人への影響」に関する注意文言を裏面に表示すること、これらの文言の表示については、それぞれ「主要な面」の面積の50%以上を占める部分とすること等が規定されております。加えて、「マイルド」「ライト」等の用語を使用する場合における、それらの用語は健康に及ぼす影響が他のたばこと比べて小さいことを意味するものではない旨を明らかにする文言は、それらの用語を使用しているたばこの包装の「主要な面」の表面に表示しなければならないとの規定が設けられております。また、たばこの包装へのニコチン・タール量の表示について、消費者にこれらの表示が健康に及ぼす悪影響の軽重を示しているとの誤解を生じさせないため、ニコチン・タールの摂取量は、吸い方により包装に表示された値とは異なる旨、たばこの包装に表示しなければならないとの規定が設けられております。これらの注意文言の表示は、加熱式たばこ及び一定の販売本数以上(2018年4月から2019年3月の販売本数が1億本以上)の紙巻たばこ製品については2020年4月1日、それ以外の銘柄については2020年7月1日以降に出荷される製品に表示することが義務付けられております。

5.2019年6月、「製造たばこに係る広告を行う際の指針」が改正され、たばこ製品の広告を行うことができる場所及び郵送等による場合を除いた見本たばこ、チラシ、カタログ及びパンフレット等の配布ができる場所を「たばこの販売場所」、「喫煙所」及び「成人のみが利用する場所」とされております。その他、たばこ広告に記載される注意文言の表示及び内容に関する事項、並びに加熱式たばこを加熱するための機器に関する事項を含んでおります。

 ⅱ日本たばこ産業株式会社法(昭和59年8月10日法律第69号)

 

内容

1.会社の目的

 日本たばこ産業株式会社は、たばこ事業法第1条に規定する目的を達成するため、製造たばこの製造、販売及び輸入に関する事業を経営することを目的とする株式会社とする。(第1条)

2.株式

 政府は、常時、日本たばこ産業株式会社(以下「会社」という。)が発行している株式(株主総会において決議することができる事項の全部について議決権を行使することができないものと定められた種類の株式を除く。以下この項において同じ。)の総数の三分の一を超える株式を保有していなければならない。(第2条第1項)

 会社が発行する株式若しくは新株予約権を引き受ける者の募集をしようとする場合、又は株式交換に際して株式(自己株式を除く。)、新株予約権(自己新株予約権を除く。)若しくは新株予約権付社債(自己新株予約権付社債を除く。)を交付しようとする場合には、財務大臣の認可を受けなければならない。(第2条第2項)

 政府の保有する会社の株式の処分は、その年度の予算をもって国会の議決を経た限度数の範囲内でなければならない。(第3条)

3.事業の範囲

 会社は、上記1に記載の目的を達成するため、次の事業を営むものとする。

 

(1)製造たばこの製造、販売及び輸入の事業

 

(2)前号の事業に附帯する事業

 

(3)前2号に掲げるもののほか、会社の目的を達成するために必要な事業

 

 なお、会社は上記(3)に掲げる事業を営もうとするときは、財務大臣の認可を受けなければならない。(第5条)

4.監督

(1)会社の取締役、執行役及び監査役の選任及び解任の決議は、財務大臣の認可を受けなければその効力を生じない。(第7条)

 

(2)会社の定款の変更、剰余金の処分(損失の処理を除く。)、合併、分割又は解散の決議は、財務大臣の認可を受けなければその効力を生じない。(第8条)

 

(3)会社は、毎事業年度の開始前に事業計画を定め、財務大臣の認可を受けなければならない。これを変更しようとするときも同様とする。(第9条)

 

(4)会社は、毎事業年度終了後3月以内に、貸借対照表、損益計算書及び事業報告書を財務大臣に提出しなければならない。(第10条)

 

(5)会社は、製造工場及びこれに準ずる重要な財産を譲渡しようとする等のときは、財務大臣の認可を受けなければならない。(第11条)

 

(6)財務大臣は、この法律及びたばこ事業法の定めるところに従い会社を監督するものとし、これらの法律を施行するため、必要な措置をとることができる。(第12条及び第13条)

 

 ⅲたばこ税に係る法律(たばこ特別税を含む)

 

 

内容

 

 

国たばこ税

たばこ特別税

地方たばこ税

1.税目(注)1

たばこ税

たばこ特別税

道府県たばこ税

(都に準用)

市町村たばこ税

(特別区に準用)

2.納税義務者(注)2

製造たばこの製造者又は製造たばこを保税地域から引き取る者

製造たばこを小売販売業者に売り渡す製造たばこの製造者、特定販売業者又は卸売販売業者

3.課税標準(注)3

製造たばこの製造場から移出し、又は保税地域から引き取る製造たばこの本数(紙巻たばこ以外は所定の本数換算)

小売業者への売渡しに係る製造たばこの本数(紙巻たばこ以外は所定の本数換算)

4.税率(注)4 5 6

千本につき5,802円

千本につき820円

千本につき930円

千本につき5,692円

 

2020年10月1日以降

千本につき6,302円

千本につき820円

千本につき1,000円

千本につき6,122円

 

2021年10月1日以降

千本につき6,802円

千本につき820円

千本につき1,070円

千本につき6,552円

5.申告納付(注)7

製造たばこの製造者については毎月分を移出した月の翌月末日までに申告納付し、保税地域から引き取る者については引き取る時までに申告納付

道府県の区域内に所在する小売販売業者の営業所に係る売渡しについて、毎月分を当該売渡しを行なった月の翌月末日までに当該道府県に申告納付

市町村の区域内に所在する小売販売業者の営業所に係る売渡しについて、毎月分を当該売渡しを行なった月の翌月末日までに当該市町村に申告納付

(注)1.たばこ税法第3条、一般会計における債務の承継等に伴い必要な財源の確保に係る特別措置に関する法律第4条並びに地方税法第1条第2項、第4条及び第5条

2.たばこ税法第4条、一般会計における債務の承継等に伴い必要な財源の確保に係る特別措置に関する法律第5条並びに地方税法第74条の2第1項及び第465条第1項

3.たばこ税法第10条、一般会計における債務の承継等に伴い必要な財源の確保に係る特別措置に関する法律第7条並びに地方税法第74条の4及び第467条

4.たばこ税法第11条第1項、一般会計における債務の承継等に伴い必要な財源の確保に係る特別措置に関する法律第8条第1項、地方税法第74条の5及び第468条

5.「4.税率」に関して

2018年度税制改正に伴い、同年10月1日より、国及び地方のたばこ税の税率について、新たな税率が適用されております。2020年10月1日及び2021年10月1日以降、更なる税率の変更が予定されております。

6.「旧3級品の税率」に関して

旧3級品とは、1985年4月1日に廃止された製造たばこ定価法に規定する紙巻たばこ三級品であった製造たばこで、同法廃止のときにおける品目と同一のものをいいます。所得税法等の一部を改正する法律(平成27年3月31日法律第9号)及び地方税法等の一部を改正する法律(平成27年3月31日法律第2号)により2019年10月1日に旧3級品の特例税率は廃止されています。

7.たばこ税法第17条~第20条、一般会計における債務の承継等に伴い必要な財源の確保に係る特別措置に関する法律第12条並びに地方税法第74条の10及び第473条

8.高負担の個別物品税が課せられているたばこに係る税制については、一般的には、各年度の政府の税制改正の一環として検討が行なわれ、税制の改正を行おうとする場合には、税制調査会等の審議を通じて政府としての方針決定後、立法府での審議・議決を経て決定されることとなります。なお、政府としての方針が決定されるに当たっては、税制改正大綱が閣議決定された上で、法律案の閣議決定を経て確定されます。
 

 ⅳ紙巻たばこ以外の製造たばこに適用される課税方法について

 たばこ税の課税標準は、紙巻たばこの本数によるものとされていますが、紙巻たばこ以外の製造たばこについては本数で捉えられないこと等を踏まえ、次の製造たばこの区分に応じて、それぞれの区分の重量をもって紙巻たばこ1本に換算することとされています。

 

区分

課税標準

換算方法

喫煙用の製造たばこ

 

 

 

パイプたばこ

重量から換算した紙巻たばこの本数

重量1gをもって紙巻たばこ1本に換算する

 

葉巻たばこ

 

刻みたばこ

重量2gをもって紙巻たばこ1本に換算する

 

加熱式たばこ

別途(下掲参照)

かみ用の製造たばこ

重量から換算した紙巻たばこの本数

重量2gをもって紙巻たばこ1本に換算する

かぎ用の製造たばこ

 

 加熱式たばこについては、2018年度税制改正前においては、「パイプたばこ」に区分され、重量1グラムを紙巻きたばこ1本に換算した上で当該本数に対し紙巻たばこの税率が適用されておりましたが、改正後は、同年10月1日より加熱式たばこの課税区分が新設され、該当する製造たばこは新しく定められた以下の換算方法により紙巻たばこの本数に換算することとなりました。なお、当該加熱式たばこに係る課税方式の見直しについては、2018年10月1日から2022年10月1日までの期間において、段階的に実施する旨の経過措置が講じられています。

 

加熱式たばこの課税標準

 

換算方法

改正前の換算方法

重量から換算した紙巻たばこの本数

(A)

加熱式たばこの重量1gをもって紙巻たばこ1本に換算する

改正後の換算方法

重量及び価格から換算した紙巻たばこの本数

(B)

加熱式たばこの所定の重量(注1) 0.4gをもって紙巻たばこ0.5本に換算する

(C)

紙巻たばこ1本当たりの平均小売価格(注2)をもって加熱式たばこの小売価格(除く消費税相当額)を紙巻たばこの0.5本に換算する

(注1)フィルター、その他の一定の物品の重量を含まない重量

(注2)紙巻たばこ1本当たりの国及び地方のたばこ税並びにたばこ特別税に相当する金額の合計額を100分の60で除して計算した金額

 

経過措置期間中における換算本数(課税標準)

2018年9月30日以前

(A)×1.0

改正

2018年10月

(A)×0.8 +{(B)+(C)}×0.2

2019年10月

(A)×0.6 +{(B)+(C)}×0.4

2020年10月

(A)×0.4 +{(B)+(C)}×0.6

2021年10月

(A)×0.2 +{(B)+(C)}×0.8

2022年10月

{(B)+(C)}×1.0

 

[たばこ税制をめぐる主な動きと当社の対応]

年月

項目

内容

当社の対応

1986年5月

1986年度税制改正

1,000本当たり900円に相当する増税が行われました。

増税額相当分の定価改定を行いました。

1989年4月

1989年度税制改正

消費税導入に伴い、たばこ消費税の名称をたばこ税に改めるとともに、課税方式が従量税に一本化されました。

基本的に定価改定の必要はありませんでした。

1997年4月

1997年度税制改正

[地方税法改正]

地方たばこ税について道府県たばこ税から市町村たばこ税への税源移譲が行われました。

定価改定の必要はありませんでした。

 

 

[消費税法改正]

消費税率が3%から5%へ改定されました。

全体として消費税率改定分に相当する定価改定となるよう、一部銘柄について1箱10円の値上げを行いました。

1998年12月

1998年度税制改正

一般会計における債務の承継等に伴い必要な財源の確保に係る特別措置に関する法律が制定され、1,000本当たり820円のたばこ特別税が導入されました。

基本的に1本1円の値上げを行いました。

1999年5月

1999年度税制改正

[租税特別措置法及び地方税法改正]

たばこ税から道府県たばこ税、市町村たばこ税への税源移譲が行われました。

定価改定の必要はありませんでした。

2003年7月

2003年度税制改正

所得税法等の一部を改正する法律及び地方税法等の一部を改正する法律が制定され、1,000本当たり820円の増税が行われました。

概ね1本1円程度の値上げを行いました。

2006年7月

2006年度税制改正

所得税法等の一部を改正する等の法律及び地方税法等の一部を改正する法律が制定され、1,000本当たり852円の増税が行われました。

全銘柄について増税額相当分を価格転嫁するとともに、一部銘柄については、増税額相当分以上の値上げを行いました。

2010年10月

2010年度税制改正

所得税法等の一部を改正する法律及び地方税法等の一部を改正する法律が制定され、1,000本当たり3,500円の増税が行われました。

一部銘柄を除き、増税額相当分以上の値上げを行いました。

2014年4月

2014年度税制改正

[消費税法改正]

消費税率が5%から8%へ改定されました。

全体として消費税率改定分に相当する定価改定となるよう、一部銘柄を除き、1箱10円又は20円の値上げを行いました。

2016年4月

2015年度税制改正

所得税法等の一部を改正する法律及び地方税法等の一部を改正する法律が制定され、旧3級品につき、1,000本当たり1,000円の税額引き上げが行われました。

旧3級品につき、1箱30円から50円の値上げを行いました。

2017年4月

2015年度税制改正

2015年度税制改正に基づき、旧3級品につき、1,000本当たり1,000円の税額引き上げが行われました。

旧3級品につき、1箱30円の値上げを行いました。

2018年4月

2015年度税制改正

2015年度税制改正に基づき、旧3級品につき、1,000本当たり1,500円の税額引き上げが行われました。

旧3級品につき、1箱40円の値上げを行いました。

2018年10月

2018年度税制改正

2018年度税制改正に基づき、税額の引き上げが行われました。(注)1

一部銘柄を除き、増税額相当分以上の値上げを行いました。

2019年10月

2015年度税制改正

2015年度税制改正に基づき、旧3級品につき、1,000本当たり3,932円の税額引き上げが行われました。

旧3級品につき、1箱90円の値上げを行いました。

 

2018年度税制改正

2018年度税制改正に基づき、税額の引き上げが行われました。(注)1

一部銘柄を除き、増税額相当分未満の値上げを行いました。

 

2019年度税制改正

[消費税法改正]

消費税率が8%から10%へ改定されました。

全体として消費税率改定分に相当する定価改定となるよう、一部銘柄について1箱10円の値上げを行いました。

(注)1.2018年度税制改正に伴うたばこ税の見直しとして、国及び地方のたばこ税の税率について1,000本当たり3,000円の引き上げ、及び加熱式たばこについて課税区分を新設した上で、その製品特性を踏まえた課税方式への見直しが実施されました。これらの見直しは、激変緩和等の観点から、前者については、2018年10月より2021年10月にかけて1,000本当たり1,000円ずつ3段階に分けて実施(2019年10月は税率引上げなし)、後者については、2018年10月より2022年10月にかけて5段階に分けて実施するという段階的な経過措置が、それぞれ講じられております。

(注)2.2019年12月20日に閣議決定された「令和2年度税制改正の大綱」において、たばこ税の見直しとして、軽量な葉巻たばこ(1本当たりの重量が1g未満の葉巻たばこをいう。)の課税標準について、葉巻たばこ1本を紙巻たばこ1本に換算する方法とする旨の記載がなされております。この見直しは、2020年10月1日から実施されますが、激変緩和等の観点から、同日から2021年9月30日までの間について、改正の対象を1本当たりの重量が0.7g未満の葉巻たばこに限ることとし、その場合の換算方法を葉巻たばこ1本を紙巻たばこ0.7本に換算する方法とする経過措置を講じられることとなっております。

2【沿革】

(1)株式会社移行の経緯

 当社の前身となる日本専売公社(以下「公社」という)は、「国の専売事業の健全にして能率的な実施に当たることを目的」として、1949年6月1日に設立され、たばこ専売制度等の実施主体として、たばこの安定的提供と財政収入の確保に貢献する等の役割を果たしてまいりました。

 しかし、1970年代に入り、成年人口の伸び率の鈍化、喫煙と健康問題の高まり等のため、需要の伸びが鈍化し、販売数量はほぼ横這いで推移するに至り、このような傾向は更に続くものと予想され、需要の構造的変化としてとらえざるを得ない状況と考えられました。また、外国たばこ企業に対する実質的な市場開放が進展し、国内市場における内外製品間の競争が展開される中で、たばこ専売制度の枠内では対応困難な諸外国からの市場開放要請の強まり、更に、国内における公社制度に対する改革動向の中で、1981年3月臨時行政調査会が発足し、同調査会の第3次答申(1982年7月30日)において、専売制度、公社制度に対する抜本的な改革が提言されました。

これを受けて政府は、制度全体の見直しを進め、

・たばこの輸入自由化を図るためたばこ専売法を廃止するとともに、新たにたばこ事業に関し所要の調整を図るためのたばこ事業法の制定

・たばこの輸入自由化の下、国内市場において外国たばこ企業と対等に競争していく必要があることから、日本専売公社法を廃止するとともに、公社を合理的企業経営が最大限可能な株式会社に改組し、必要最小限の公的規制を規定する日本たばこ産業株式会社法の制定

を中心とするいわゆる専売改革関連法として法案化し、これら法律案は、第101回国会において、1984年8月3日成立し、同年8月10日に公布されました。

 

(2)当社設立後の状況

当社は、日本たばこ産業株式会社法(昭和59年8月10日法律第69号)(以下「JT法」という)に基づき、1985年4月1日に公社財産の全額出資により設立されました。当社は設立に際し、公社の一切の権利義務を承継しました。

 当社設立後の主な変遷は次のとおりです。

 

 

年月

変遷の内容

1985年4月

日本たばこ産業株式会社設立

1985年4月

新規事業の積極的展開を図るため事業開発本部を設置

その後、1990年7月までの間に各事業の推進体制強化のため、同本部を改組し、医薬、食品等の事業部を設置

1986年3月

たばこ製造の近代化、効率化のため福岡・鳥栖両工場を廃止し、北九州工場を設置

その後、1996年6月までの間にたばこ製造体制の合理化のため9たばこ工場を廃止

1988年10月

コミュニケーション・ネーム「JT」を導入

1991年7月

新本社ビル建設のため、本社を東京都港区から東京都品川区に移転

1993年9月

医薬事業研究開発体制の充実・強化を図るため、医薬総合研究所を設置

1994年10月

政府保有株式の第一次売出し(394,276株)

東京、大阪、名古屋の各証券取引所市場第一部に株式を上場

1994年11月

京都、広島、福岡、新潟、札幌の各証券取引所に株式を上場

1995年5月

本社を東京都品川区から東京都港区に移転

1996年6月

政府保有株式の第二次売出し(272,390株)

1997年4月

塩専売制度廃止に伴い、当社の塩専売事業が終了

たばこ共済年金を厚生年金に統合

1998年4月

㈱ユニマットコーポレーションと清涼飲料事業での業務提携に関する契約を締結

その後、同社の発行済株式の過半数を取得

1998年12月

鳥居薬品㈱の発行済株式の過半数を、公開買付により取得

1999年5月

米国のRJRナビスコ社から米国外のたばこ事業を取得

1999年7月

旭フーズ㈱など子会社8社を含む旭化成工業㈱の食品事業を取得

1999年10月

鳥居薬品㈱との業務提携により、医療用医薬品事業における研究開発機能を当社に集中し、プロモーション機能を鳥居薬品㈱に統合

2003年3月

国内たばこ事業の将来に亘る利益成長基盤を確立するため、仙台・名古屋・橋本工場を閉鎖

2004年3月

国内たばこ事業の将来に亘る利益成長基盤を確立するため、広島・府中・松山・那覇工場を閉鎖

2004年6月

政府保有株式の第三次売出し(289,334株)

2005年3月

国内たばこ事業の将来に亘る利益成長基盤を確立するため、上田・函館・高崎・高松・徳島・臼杵・鹿児島・都城工場を閉鎖

2005年4月

マールボロ製品の日本国内における製造及び販売、商標を独占的に使用するライセンス契約の終了

2007年4月

英国法上の買収手続きであるスキーム・オブ・アレンジメントに基づき、英国の Gallaher
Group Plc の発行済株式を取得

2008年1月

㈱加ト吉株式を公開買付により取得

2009年3月

国内たばこ事業における競争力ある事業構造を構築するため、金沢工場を閉鎖

2010年3月

国内たばこ事業における競争力ある事業構造を構築するため、盛岡・米子工場を閉鎖

2011年3月

国内たばこ事業における競争力ある事業構造を構築するため、小田原工場を閉鎖

2012年3月

国内たばこ事業における競争力ある事業構造を構築するため、防府工場を閉鎖

2013年2月

日本国内でマイルドセブンのブランドをメビウスへ刷新

2013年3月

政府保有株式の第四次売出し(253,261,800株)

2015年3月

国内たばこ事業の更なる競争力強化のため、郡山・浜松・岡山印刷工場を閉鎖

2015年7月

 

 

2016年3月

2018年6月

㈱ジャパンビバレッジホールディングス及びジェイティエースター㈱等の当社保有株式並びにJT飲料ブランド「Roots」「桃の天然水」を譲渡

その後、2015年9月にJT飲料製品の製造販売事業から撤退、2015年12月に飲料事業部を廃止

国内たばこ事業の更なる競争力強化のため、平塚工場を閉鎖

加熱式たばこを全国発売開始

(注)2006年4月1日をもって1株につき5株の割合で、また、2012年7月1日をもって1株につき200株の割合で株式分割を行っております。

(5)【所有者別状況】

 

 

 

 

 

 

 

(2019年12月31日現在)

区分

株式の状況(1単元の株式数 100株)

単元未満株式の状況

(株)

政府及び地方公共団体

金融機関

金融商品取引業者

その他の法人

外国法人等

個人その他

個人以外

個人

株主数(人)

1

263

61

2,860

749

388

501,288

505,610

所有株式数(単元)

6,669,262

3,637,574

813,705

249,622

3,123,835

1,816

5,502,438

19,998,252

174,800

所有株式数の割合(%)

33.35

18.19

4.07

1.25

15.62

0.01

27.51

100.00

(注)1.自己株式2,261,965単元は、「個人その他」に含まれております。

2.「その他の法人」の欄には、証券保管振替機構名義の株式が336単元含まれております。

 

3【配当政策】

 株主還元方針については、積極的な事業投資を継続しながらも、起こり得る環境変化にも対応できる強固な財務基盤を維持しつつ、中長期の利益成長に応じた株主還元の向上を図ってまいります。

 具体的には、1株当たり配当金の安定的・継続的な成長を目指してまいります。自己株式取得は、事業環境や財務状況の中期的な見通し等を踏まえて、実施の是非を検討することといたします。

 なお、引き続きグローバルFMCGの還元動向をモニタリングしてまいります。

当社は、中間配当と期末配当の年2回の剰余金の配当を行うことを基本方針としており、これらの剰余金の配当の決定機関は、期末配当については株主総会、中間配当については取締役会です。なお、当社は、取締役会の決議によって、毎年6月30日を基準日として、中間配当を行うことができる旨を定款に定めております。

当期の期末配当につきましては、当期の業績を踏まえ、1株当たり77円といたしました。したがいまして、年間では中間配当77円を含め、1株当たり154円となります。

また、内部留保資金につきましては、その使途として、足許及び将来の事業投資、外部資源の獲得、自己株式の取得等に備えることとしております。

なお、第35期の剰余金の配当は以下のとおりです。

 

決議年月日

配当金の総額(百万円)

1株当たり配当額(円)

2019年7月31日

136,579

77.00

取締役会決議

2020年3月19日

136,583

77.00

定時株主総会決議

 

 

(2)【役員の状況】

① 役員一覧

男性11名 女性3名 (役員のうち女性の比率21.4%)

役職名

氏名

生年月日

略歴

任期

所有株式数

(株)

取締役会長

丹呉 泰健

1951年3月21日

 

1974年4月 大蔵省入省

2006年10月 財務省理財局長

2007年7月 同省大臣官房長

2008年7月 同省主計局長

2009年7月 同省財務事務次官

2010年12月 株式会社読売新聞グループ本社監査役

2012年12月 内閣官房参与

2014年6月 当社取締役会長(現任)

2015年6月 株式会社大垣共立銀行社外取締役(現任)

(重要な兼職の状況)

株式会社大垣共立銀行社外取締役

 

2020年3月から2年

13,800

取締役副会長

岩井 睦雄

1960年10月29日

 

1983年4月 日本専売公社入社

2003年6月 当社経営企画部長

2004年7月 当社経営戦略部長

2005年6月 当社執行役員 食品事業本部 食品事業部長

2006年6月 当社取締役 常務執行役員 食品事業本部長

2008年6月 当社常務執行役員 企画責任者

2010年6月 当社取締役 常務執行役員 企画責任者 兼 食品事業担当

2011年6月 当社取締役 JT International S.A. Executive Vice President

2013年6月 当社専務執行役員 企画責任者

2016年1月 当社専務執行役員 たばこ事業本部長

2016年3月 当社代表取締役副社長

2020年1月 当社取締役

2020年3月 当社取締役副会長(現任)

 

2020年3月から2年

27,000

代表取締役社長

寺畠 正道

1965年11月26日

1989年4月 当社入社

2005年7月 当社秘書室長

2008年7月 当社経営企画部長

2011年6月 当社執行役員 企画責任者 兼 食品事業担当

2012年6月 当社執行役員 企画責任者

2013年6月 当社取締役 

      JT International S.A. Executive Vice President

2018年1月 当社執行役員社長

2018年3月 当社代表取締役社長(現任)

(重要な兼職の状況)

JT International Group Holding B.V.

Managing Director

2020年3月から2年

21,400

 

 

役職名

氏名

生年月日

略歴

任期

所有株式数

(株)

代表取締役副社長

見浪 直博

1964年1月21日

 

1986年4月 当社入社

2005年12月 当社経理部長

2010年7月 当社財務副責任者 兼 経理部長

2012年6月 当社執行役員 財務責任者 兼 経理部長

2012年7月 当社執行役員 財務責任者

2018年1月 当社執行役員副社長

2018年3月 当社代表取締役副社長 (現任)

(重要な兼職の状況)

JT International Holding B.V. Supervisory Board member

 

2020年3月から2年

14,800

代表取締役副社長

廣渡 清栄

1965年11月11日

1989年4月 当社入社

2010年7月 当社法務部長

2012年6月 当社執行役員 法務責任者 兼 法務部長

2014年7月 当社執行役員 法務責任者

2015年1月 当社執行役員 たばこ事業本部 事業企画室長

2017年1月 当社執行役員 人事担当

2018年1月 当社執行役員副社長

2018年3月 当社代表取締役副社長 (現任)

2020年3月から2年

9,200

取締役

山下 和人

1963年2月4日

1986年4月 当社入社

2007年5月 当社たばこ事業本部 渉外企画部長

2009年7月 当社たばこ事業本部 社会環境推進部長

2010年6月 当社執行役員 たばこ事業本部 渉外責任者

2015年1月 当社常務執行役員 たばこ事業本部 中国事業部長

2019年1月 当社専務執行役員 コンプライアンス・サステナビリティマネジメント・総務担当

2019年3月 当社取締役専務執行役員(現任)

2020年3月から2年

7,200

取締役

幸田 真音

1951年4月25日

 

1995年9月 作家として独立(現在)

2003年1月 財務省財政制度等審議会委員

2004年4月 滋賀大学経済学部客員教授

2005年3月 国土交通省交通政策審議会委員

2006年11月 政府税制調査会委員

2010年6月 日本放送協会経営委員

2012年6月 当社社外取締役(現任)

2013年6月 株式会社LIXILグループ社外取締役

2016年6月 株式会社日本取引所グループ社外取締役(現任)

2018年6月 三菱自動車工業株式会社社外取締役(現任)

(重要な兼職の状況)

作家

株式会社日本取引所グループ社外取締役

三菱自動車工業株式会社社外取締役

 

2020年3月から2年

0

 

 

役職名

氏名

生年月日

略歴

任期

所有株式数

(株)

取締役

渡邉 光一郎

1953年4月16日

 

1976年4月 第一生命保険相互会社入社

2001年7月 同社取締役

2004年4月 同社常務取締役

2004年7月 同社常務執行役員

2007年7月 同社取締役常務執行役員

2008年4月 同社取締役専務執行役員

2010年4月 第一生命保険株式会社代表取締役社長

2016年10月 第一生命ホールディングス株式会社代表取締役社長

2017年4月 同社代表取締役会長(現任)

第一生命保険株式会社代表取締役会長(現任)

2018年3月 当社社外取締役(現任)

2019年5月 一般社団法人日本経済団体連合会副会長・理事(現任)

(重要な兼職の状況)

第一生命ホールディングス株式会社代表取締役会長

第一生命保険株式会社代表取締役会長

一般社団法人日本経済団体連合会副会長・理事

 

2020年3月から2年

0

取締役

長嶋 由紀子

1961年4月4日

 

1985年4月 株式会社リクルート(現株式会社リクルートホールディングス)入社

2006年4月 同社執行役員

2008年1月 株式会社リクルートスタッフィング代表取締役社長

2012年10月 株式会社リクルートホールディングス執行役員

2016年6月 同社常勤監査役(現任)

2018年4月 株式会社リクルート常勤監査役(現任)

2019年3月 当社社外取締役(現任)

(重要な兼職の状況)

株式会社リクルートホールディングス常勤監査役

株式会社リクルート常勤監査役

 

2020年3月から2年

0

常勤監査役

永田 亮子

1963年7月14日

1987年4月 当社入社

2001年4月 当社食品事業本部 食品事業部 商品統括部長

2008年6月 当社執行役員 食品事業本部 飲料事業部長 兼食品事業部 商品統括部長

2008年7月 当社執行役員 食品事業本部 飲料事業部長

2010年7月 当社執行役員 飲料事業部長

2013年6月 当社執行役員 CSR担当

2018年1月 当社執行役員 社長付

2018年3月 当社常勤監査役(現任)

2019年3月から4年

12,400

常勤監査役

山本 博

1963年11月29日

1987年4月 当社入社

2008年7月 当社たばこ事業本部 資材部長

2012年6月 当社監査部長

2019年3月 当社常勤監査役(現任)

2019年3月から4年

2,600

 

 

役職名

氏名

生年月日

略歴

任期

所有株式数

(株)

常勤監査役

三村 亨

1955年12月26日

 

1979年4月 大蔵省入省

2010年7月 金融庁総務企画局審議官兼 公認会計士・監査審査会事務局長

2011年7月 財務省近畿財務局長

2012年1月 防衛省大臣官房審議官

2012年9月 同省人事教育局長

2013年7月 同省防衛研究所長

2014年7月 同省経理装備局長

2015年10月 同省防衛審議官

2016年9月 損保ジャパン日本興亜総合研究所株式会社理事長

2017年10月 株式会社エルテス取締役

2018年3月 弁護士登録

2019年3月 当社常勤社外監査役(現任)

(重要な兼職の状況)

芝綜合法律事務所弁護士

 

2019年3月から4年

0

監査役

大林 宏

1947年6月17日

 

1970年4月 司法修習生

1972年4月 検事任官

2001年5月 法務省保護局長

2002年1月 同省大臣官房長

2004年6月 同省刑事局長

2006年6月 同省法務事務次官

2007年7月 札幌高等検察庁検事長

2008年7月 東京高等検察庁検事長

2010年6月 検事総長

2011年3月 弁護士登録

2011年4月 大和証券株式会社社外監査役(現任)

2013年6月 三菱電機株式会社社外取締役(現任)

2014年6月 新日鐵住金株式会社(現日本製鉄株式会社)社外監査役(現任)

2015年3月 当社社外監査役(現任)

(重要な兼職の状況)

大林法律事務所弁護士

大和証券株式会社社外監査役

三菱電機株式会社社外取締役

日本製鉄株式会社社外監査役

 

2019年3月から4年

0

監査役

吉國 浩二

1952年9月7日

1975年4月 日本放送協会入社

2003年6月 同協会報道局経済部長

2005年6月 同協会横浜放送局長

2007年6月 同協会経営委員会事務局長

2010年2月 同協会理事

2012年4月 同協会専務理事

2017年4月 事業構想大学院大学副学長・教授

      学校法人法政大学監事(現任)

2019年3月 当社社外監査役(現任)

2019年4月 社会情報大学院大学学長(現任)

2019年3月から4年

0

108,400

(注)1.取締役 幸田 真音、渡邉 光一郎及び長嶋 由紀子は、社外取締役です。

2.常勤監査役 三村 亨、監査役 大林 宏及び吉國 浩二は、社外監査役です。

3.「役職名」欄中、※を付している者は、執行役員を兼務しております。

4.当社では、迅速かつ高品質の意思決定・業務執行を実現するため、2001年6月に執行役員制度を導入しております。2020年3月19日現在で以下25名が選任されております。

役名

氏名

職名

社長

寺畠 正道

最高経営責任者

副社長

見浪 直博

最高財務責任者、コミュニケーション担当

副社長

廣渡 清栄

コーポレート・医薬事業・食品事業担当

専務執行役員

山下 和人

コンプライアンス・サステナビリティマネジメント・総務担当

専務執行役員

福地 淳一

たばこ事業本部 国内たばこ事業CEO、事業企画担当

常務執行役員

前田 勇気

たばこ事業本部 国内たばこ事業CFO

常務執行役員

清川 栄一

たばこ事業本部 セールス担当

執行役員

小倉 健資

たばこ事業本部 渉外担当

執行役員

小川 千種

たばこ事業本部 原料担当

執行役員

中島 康裕

たばこ事業本部 RRPジャパンオフィスヘッド

執行役員

廣末 秀一

たばこ事業本部 マーケティング担当

執行役員

三木 啓介

たばこ事業本部 R&D担当

執行役員

小柳 明弘

たばこ事業本部 製造担当

執行役員

小口 徹

たばこ事業本部 中国事業部長

執行役員

土方 徹

たばこ事業本部 品質保証担当

執行役員

藤本 宗明

医薬事業部長

執行役員

大川 滋紀

医薬事業部 医薬総合研究所長

執行役員

古川 博政

食品事業担当

執行役員

中野 恵

企画担当

執行役員

柴山 武久

デジタライゼーション担当

執行役員

菊池 孝徳

総務担当

執行役員

森 功一

人事担当

執行役員

福田 浩之

コミュニケーション担当

執行役員

廣瀬 修

法務担当

執行役員

妹川 久人

サステナビリティマネジメント担当

 

② 社外役員の状況について

・社外取締役及び社外監査役の員数並びに人的関係、資本的関係及び取引関係その他の利害関係

当社の社外取締役は3名、社外監査役は3名です。

社外取締役幸田 真音氏は、過去に日本放送協会の経営委員を務め、現在は株式会社日本取引所グループの社外取締役です。当社は、双方との間に支払関係がありますが、その支払金額はいずれも当社の2019年度の連結売上収益の0.001%未満です。なお、日本放送協会との支払関係は受信料のみであり、放送法に基づく交渉余地のないものであることから、事業取引に該当しないものです。これらの関係は、特別の利害関係を生じさせるおそれがないと判断しております。

社外取締役渡邉 光一郎氏は、第一生命保険株式会社及び第一生命ホールディングス株式会社の代表取締役会長です。第一生命保険株式会社は当社株式を保有していますが、その持株比率は1%未満です。当社と第一生命保険株式会社との間には年金の運用等の取引関係がありますが、その取引金額は当社の2019年度の連結売上収益の0.002%未満です。また、第一生命ホールディングス株式会社において、2019年6月より、過去に当社の取締役を務めた新貝 康司氏が同社社外取締役に就任しておりますが、当社取締役を退任した2018年3月以降、当社の経営、業務執行への関与はありません。加えて、渡邉 光一郎氏は一般社団法人日本経済団体連合会において副会長・理事を務めており、当社は、一般社団法人日本経済団体連合会との間に支払関係がありますが、その支払金額は当社の2019年度の連結売上収益の0.001%未満です。これらの関係は、特別の利害関係を生じさせるおそれがないと判断しております。

社外取締役長嶋 由紀子氏は、株式会社リクルートホールディングス及び株式会社リクルートの常勤監査役です。当社は、双方と採用等の取引関係がありますが、その取引金額は当社の2019年度の連結売上収益の0.02%未満であり、特別の利害関係を生じさせるおそれがないと判断しております。

社外監査役三村 亨氏は、過去に株式会社エルテスの取締役を務めておりました。当社は、株式会社エルテスとの間にウェブ調査等の取引関係がありますが、その取引金額は当社の2019年度の連結売上収益の0.001%未満であり、特別の利害関係を生じさせるおそれがないと判断しております。

社外監査役大林 宏氏は、三菱電機株式会社の社外取締役を務めております。当社は、三菱電機株式会社との間に取引関係がありますが、その取引金額は当社の2019年度の連結売上収益の0.001%未満であり、特別の利害関係を生じさせるおそれがないと判断しております。

社外監査役吉國 浩二氏は日本放送協会の出身者です。日本放送協会との支払関係は上述のとおりであり、特別な利害関係を生じさせるおそれがないと判断しております。

上記以外に、社外取締役及び社外監査役と当社に特記すべき人的関係、資本的関係及び取引関係その他の利害関係はありません。

 

・社外取締役の選任状況及び社外取締役が提出会社の企業統治において果たす機能及び役割

社外取締役幸田 真音氏は国際金融に関する高い識見及び政府等の審議会委員等を歴任された幅広い経験、並びに作家活動にて発揮されている深い洞察力及び客観的な視点を、社外取締役渡邉 光一郎氏は財務の健全性及び高い収益性を両立させる事業運営を長年に亘り牽引されてきた企業経営の経験、ガバナンス体制強化に関する豊富な経験及び資本市場を熟知した投資家視点からの幅広い知見を、社外取締役長嶋 由紀子氏は事業創発や企業経営に深く携わってきた経験及び監査役としての経験に加え、経営と監査双方の立場により培われた高い識見を、取締役会における積極的な提言及び助言を通じて当社の経営に反映していただくことを期待するとともに、独立・公正な立場からの業務執行の監督機能を期待し、社外取締役に選任しております。

 

・社外監査役の選任状況及び社外監査役が提出会社の企業統治において果たす機能及び役割

社外監査役三村 亨氏は長年に亘る各省庁における幅広い領域での要職及び研究所理事長等としての豊富な経験を通じた金融、グローバルなリスクマネジメント、地政学、企業法務等の幅広い知見を、社外監査役大林 宏氏は法曹界における豊富な経験及び幅広い業界での社外役員としての経験に基づく高い識見を、社外監査役吉國 浩二氏は日本放送協会において報道局経済部長、経営委員会事務局長、専務理事等を歴任し、長年に亘るジャーナリズムで培われた政治・経済等の知見と、事業部門・間接部門全般に精通した経営の経験に基づく幅広い知見を、独立・公正な立場からの監査の実施等による客観性及び中立性を確保した経営の監視機能に反映していただくことを期待し、社外監査役に選任しております。

 

・社外取締役及び社外監査役の独立性について

当社は、2012年4月26日の取締役会において「社外役員の独立性基準」を制定いたしました。当該独立性基準においては、当社の独立社外役員は、以下に掲げる事項に該当しない者とすることを定めております。

1 当社及び当社の関連会社並びに当社の兄弟会社に所属する者又は所属していた者

2 当社が主要株主である法人等の団体に所属する者

3 当社の主要株主又は当社の主要株主である法人等の団体に所属する者

4 当社の主要な取引先及び当社を主要な取引先とする者(法人等の団体である場合は、当該団体に所属する者)

5 当社の主要な借入先その他の大口債権者(法人等の団体である場合は、当該団体に所属する者)

6 当社の会計監査人又は会計参与である公認会計士もしくは監査法人に所属する者

7 当社に対し、法律、財務、税務等に関する専門的なサービスもしくはコンサルティング業務を提供して多額の報酬を得ている者(法人等の団体である場合は、当該団体に所属する者)

8 当社から多額の寄付を受け取っている者(法人等の団体である場合は、当該団体に所属する者)

9 最近において上記2から8のいずれかに該当していた者

10 以下の各号に掲げる者の近親者

①上記2から8に掲げる者(法人等の団体である場合は、当該団体において、重要な業務を執行する者)

②当社及び当社の関連会社並びに当社の兄弟会社の取締役、監査役、会計参与、執行役、執行役員又は従業員

③最近において①又は②に該当していた者

 

上記の独立性の判断基準に照らし、社外取締役幸田 真音氏、渡邉 光一郎氏及び長嶋 由紀子氏、並びに社外監査役大林 宏氏及び吉國 浩二について、金融商品取引所が定める独立役員に指定しております。社外監査役三村 亨氏は、金融商品取引所が定める独立役員の要件を満たしておりますが、過去に財務省での勤務経験があることから、上記の独立性基準に照らし、独立役員には指定しておりません。なお、同氏は、財務省の要職を退任してから、8年以上経っております。

 

なお、社外取締役又は社外監査役による監督又は監査と内部監査、監査役監査及び会計監査との間においては、監督及び監査結果について相互に情報共有する等、適切な監督及び監査を行うため連携強化に努めております。また、社外取締役又は社外監査役による監督又は監査と当社内部統制部門との間においては、必要に応じて情報交換を行う等、適正な業務執行の確保のため連携をとっております。

 

 

16.投資不動産

(1)増減表

 各年度の「投資不動産」の帳簿価額の増減は、以下のとおりです。

 

 

 前年度

(自 2018年1月1日

 至 2018年12月31日)

 

 当年度

(自 2019年1月1日

 至 2019年12月31日)

 

百万円

 

百万円

 

 

 

 

期首残高

16,700

 

17,558

取得後支出

338

 

182

有形固定資産からの振替

3,215

 

1,116

企業結合による取得

139

 

売却目的非流動資産への振替

(1,171)

 

(403)

有形固定資産への振替

(35)

 

(370)

減価償却

(573)

 

(533)

減損損失

(754)

 

(917)

売却又は処分

(303)

 

(34)

在外営業活動体の換算差額

(6)

 

(10)

その他の増減

7

 

期末残高

17,558

 

16,588

 

 

 

 

取得価額 (期首残高)

45,768

 

38,355

減価償却累計額及び減損損失累計額 (期首残高)

29,068

 

20,797

 

 

 

 

取得価額 (期末残高)

38,355

 

40,262

減価償却累計額及び減損損失累計額 (期末残高)

20,797

 

23,674

 

 

 

 

 

(2)公正価値

 投資不動産の公正価値については、社外の不動産鑑定士による不動産鑑定評価等に基づく金額です。その評価は、当該不動産の所在する国の評価基準にしたがい、類似資産の取引価格等を反映した市場証拠に基づいております。

 

 投資不動産の公正価値ヒエラルキーは、レベル1からレベル3までを以下のように分類しております。

 

  レベル1: 活発な市場における公表価格により測定された公正価値

  レベル2: レベル1以外の、観察可能な価格を直接又は間接的に使用して算出された公正価値

  レベル3: 観察可能な市場データに基づかないインプットを含む、評価技法から算出された公正価値

 

 なお、各年度末における投資不動産の公正価値ヒエラルキーは、以下のとおりです。

 

前年度(2018年12月31日)

 

レベル1

 

レベル2

 

レベル3

 

合計

 

百万円

 

百万円

 

百万円

 

百万円

 

 

 

 

 

 

 

 

投資不動産

 

34,678

 

2,485

 

37,164

 

当年度(2019年12月31日)

 

レベル1

 

レベル2

 

レベル3

 

合計

 

百万円

 

百万円

 

百万円

 

百万円

 

 

 

 

 

 

 

 

投資不動産

 

34,788

 

1,416

 

36,204

 

 

(3) 減損損失

 投資不動産は、概ね独立したキャッシュ・インフローを生み出す最小の資金生成単位でグルーピングを行っております。ただし、遊休資産等については、個別にグルーピングを行っております。

 

 当社グループは、前年度754百万円、当年度917百万円の減損損失を計上しており、連結損益計算書の「販売費及び一般管理費等」に計上しております。

 

 前年度において認識した減損損失は、個別に取壊の意思決定がなされたこと等により、遊休資産の土地及び建物等について、当該資産の帳簿価額を回収可能価額まで減額したものです。なお、当該資産の回収可能価額は、建物等で取壊の意思決定がなされたため減額したものについては使用価値(零)により、それ以外については処分コスト控除後の公正価値により算定しております。
 

 当年度において認識した減損損失は、個別に取壊の意思決定がなされたこと等により、遊休資産の建物等について、当該資産の帳簿価額を回収可能価額まで減額したものです。なお、当該資産の回収可能価額は主に使用価値により算定しており、その価値を零としております。

 

 

4【関係会社の状況】

(2019年12月31日現在)

名称

住所

資本金

(百万円)

事業

内容

議決権に

対する

所有割合

(%)

関係内容

役員の兼任等

資金

援助

営業上の取引

設備の

賃貸借

当社

役員

当社

従業員

(連結子会社)231社

 

 

 

 

 

 

 

 

 

TSネットワーク㈱

※1

東京都

台東区

460

国内

たばこ

85.3

製造たばこの配送業務等の委託

ジェイティ物流㈱

東京都

中央区

207

国内

たばこ

100.0

製造たばこ、原材料の運送委託

日本フィルター工業㈱

※1

東京都

墨田区

461

国内

たばこ

88.9

製造たばこ用フィルターの購入

富士フレーバー㈱

東京都

羽村市

196

国内

たばこ

100.0

製造たばこ用香料の購入

ジェイティエンジニアリング㈱

※1

東京都

墨田区

200

国内

たばこ

100.0

機械設備の購入等

㈱トゥルースピリットタバコカンパニー

東京都

港区

45

国内

たばこ

100.0

ナチュラル・アメリカン・スピリット製品に係る業務委託

JT International Group Holding B.V.

※1

オランダ

千USD

1,800,372

海外

たばこ

100.0

JT International Holding B.V.

※1

オランダ

千USD

1,800,372

海外

たばこ

100.0

(100.0)

JT International S.A.

※1

スイス

千CHF

923,723

海外

たばこ

100.0

(100.0)

ライセンス供与、製造たばこの販売等

LLC JTI Russia

ロシア

千RUB

108,700

海外

たばこ

100.0

(100.0)

Gallaher Ltd.

※1

イギリス

千GBP

172,495

海外

たばこ

100.0

(100.0)

JTI Polska Sp. z o. o.

ポーランド

千PLN

200,000

海外

たばこ

100.0

(100.0)

LLC Petro

ロシア

千RUB

328,439

海外

たばこ

100.0

(100.0)

JT International Germany GmbH

ドイツ

千EUR

37,394

海外

たばこ

100.0

(100.0)

JTI Tütün Ürünleri Sanayi A.Ş.

トルコ

千TRY

148,825

海外

たばこ

100.0

(100.0)

鳥居薬品㈱

※2

東京都

中央区

5,190

医薬

54.9

製品の製造委託、販売等

Akros Pharma Inc.

アメリカ

千USD

1

医薬

100.0

(100.0)

海外臨床開発・調査業務委託

テーブルマーク㈱

※1

東京都

中央区

22,500

加工

食品

100.0

その他213社

※1

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(持分法適用会社)13社

 

 

 

 

 

 

 

 

 

Megapolis Distribution B.V.

オランダ

EUR

15

海外

たばこ

23.0

(23.0)

その他12社

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(注)1.「事業内容」には、セグメントの名称を記載しております。

2.「議決権に対する所有割合」の( )内は、間接所有割合を表示(内書)しております。

3.「役員の兼任等」には、当社との兼任及び当社からの出向を含んでおります。

4.※1:特定子会社に該当しております。なお、その他に含まれる会社のうち特定子会社に該当する会社は次のとおりです。

JTI-Macdonald Corp.、JTI Tütün Ürünleri Pazarlama A.Ş.、JT Canada LLC Inc.、JT International (Philippines) Inc.、JTI Processadora de Tabaco do Brasil Ltda.、Japan Tobacco International Manufacturing Co., Ltd.、JT International Distribuidora de Cigarros Ltda.、PT Karyadibya Mahardhika、Japan Tobacco (Bangladesh) Limited、JT International Asia Manufacturing Corp.、JTI (UK) Management Ltd.、Gallaher Group Ltd.、Benson & Hedges Ltd.、Gallaher Overseas (Holdings) Ltd.、Austria Tabak GmbH

5.※2:有価証券報告書を提出しております。

6.連結子会社である㈱グリーンフーズは債務超過会社であり、債務超過額は10,822百万円です。なお、㈱グリーンフーズは2012年12月をもって事業を停止しております。

7.前事業年度において連結子会社であったテーブルマークホールディングス㈱は、2018年10月31日の当社取締役会において決議した加工食品事業の組織再編に伴い、当年度より連結の範囲から除外しており、2019年12月26日に清算結了しております。

1【設備投資等の概要】

 当年度において、当社グループでは、全体で1,314億円の設備投資を実施しました。

国内たばこ事業につきましては、製造工程の維持更新及び生産性の向上、新製品対応並びに製品スペック改善等に伴う投資を中心に348億円の設備投資を行いました。海外たばこ事業につきましては、製品スペック改善及び規制対応に伴う投資を中心に783億円の設備投資を行いました。医薬事業につきましては、研究開発体制等の整備・強化に70億円の設備投資を行いました。加工食品事業につきましては、生産能力増強、維持更新に61億円の設備投資を行いました。

※ 設備投資には、企業結合により取得した資産を除く、工場その他の設備の生産性向上、競争力強化、様々な事業分野における事業遂行に必要となる、土地、建物及び構築物、機械装置及び運搬具、その他の有形固定資産、並びにのれん、商標権、ソフトウエア、その他の無形資産を含みます。

 

 

株価(1年)
期間を変更
PER(1年/会予)
期間を変更

その他企業情報

企業価値4,186,783 百万円
純有利子負債673,782 百万円
EBITDA・会予605,852 百万円
株数(自己株控除後)1,774,242,751 株
設備投資額131,400 百万円
減価償却費183,852 百万円
のれん償却費N/A
研究開発費64,100 百万円
代表者代表取締役社長  寺畠 正道
資本金100,000 百万円
住所東京都港区虎ノ門二丁目2番1号
会社HPhttps://www.jti.co.jp/

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