ジェイテックコーポレーション【3446】

直近本決算の有報
株価:11月25日時点

1年高値4,845 円
1年安値1,739 円
出来高34 千株
市場東証1
業種金属製品
会計日本
EV/EBITDA68.9 倍
PBR9.3 倍
PSR・会予15.1 倍
ROA0.6 %
ROICN/A
βN/A
決算6月末
設立日1993/12/21
上場日2018/2/28
配当・会予0 円
配当性向0.0 %
PEGレシオ-49.6 倍
売上高(百万円)&収益性(%)
売上5y CAGR・予想:15.9 %
利益(百万円)
営利5y CAGR・予想:6.8 %
純利5y CAGR・予想:6.0 %
EPS(円) BPS(円)
配当(円)
健全性(%、倍)
セグメント別売上
セグメント別営業利益
セグメント別利益率
会社の詳細

3【事業の内容】

当社は、「世の中にないオンリーワンの技術により製品を作り出し、広く社会に貢献する」を経営理念とし、「科学技術イノベーションの創出に貢献する製品開発を推進する」という経営方針のもと、産学連携を中心に技術開発、製品開発を推進しております。

現在「オプティカル事業」と「ライフサイエンス・機器開発事業」の2つのセグメントを有しております。

 

(1) オプティカル事業

当事業では、兵庫県にある大型放射光施設「SPring-8」<注1>やX線自由電子レーザー施設「SACLA」<注2>のような国内外の先端的放射光施設やX線自由電子レーザー施設等で使われる反射表面の形状精度が1ナノメートル(10億分の1メートル、以下nmと表記。)以下の超高精度の反射表面形状をした集光ミラー、高調波カットミラーや回折格子基板等をユーザーに合わせて設計し、カスタムメイドで製造・販売しております。

当社は、2005年に大阪大学と理化学研究所が共同開発した世界で初めて硬X線を回折限界まで集光(最小集光径36nm×48nm)したX線ナノ集光ミラーの実用化に成功しました。

本X線ミラーは大阪大学のナノ加工、ナノ計測技術により製造したミラーであり“OsakaMirror”と商標登録し、2006年より販売を開始しました。現在も世界の特に先端的な放射光施設やX線自由電子レーザー施設の研究者から高い評価を得て、数多くの研究施設に納入しております。

 

当社が販売するX線ナノ集光ミラーは国内外の先端的放射光施設やX線自由電子レーザー施設等で使われ、顧客は主に国内外の国立研究機関や大学の研究者であり、年々積極的に新しい研究が提案され、新しい光学系が構築されております。

近年放射光施設やX線自由電子レーザー施設では、物理、化学、生物などの基礎科学研究分野から、高度化医療、創薬や材料評価などの応用分野に加えて産業利用ニーズも高まりをみせ、化粧品、食料品、電池、タイヤ等身近な製品の開発にも放射光利用は年々増大しており、また最近では新型コロナウイルス感染症に関する基礎研究など積極的に推進されております。これに伴い、より小さな試料やより高い空間あるいはエネルギー分解能(放射線のエネルギー測定の精度を表す指標)でより高度な分析が求められ、光を扱う技術への高度化の需要は世界レベルで高まっており、当社の“OsakaMirror”の需要が拡大しております。

また、分析の多様化に伴った新しい次世代のX線ミラーとして、形状可変ミラー、回転楕円ミラー、ウォルターミラー等を提案・納入するなど、継続的な研究開発及び商品開発を推進しております。

 

本X線ナノ集光ミラーはカスタムメイドであり、研究者の実験条件等により、反射表面形状が異なります。当社は大阪大学、理化学研究所及び高輝度光科学研究センターとの共同研究を推進し、その研究を通してX線ミラーの光学設計のノウハウを習得しており、顧客である研究者に対して最適なX線ミラーの提案が可能となり、この点も海外の競合企業に対して強みと考えております。

販売体制としては、顧客の大半が国立研究機関や大学などであるため入札になる場合が多く、基本的に直接販売を行っております。また放射光施設のビームラインをまとめて、あるいは一部をプラント業者に発注するケースもあり、その工事受注業者からの発注になる場合もあります。

さらに、これら独自のナノ加工・計測技術を用いて、各種X線ミラーを、例えば半導体、宇宙及び医療分野等、放射光施設以外の産業分野へ製品展開を図るために各産業分野の有力企業と共同開発を積極的に進めており、試作開発を推進しております。また高精度な厚みを要求される材料への適用として次世代半導体向けのフォトマスク分野に当社独自のEEMナノ加工技術を適用するために共同開発を進めております。

 

〔事業系統図〕

以上述べた事項を事業系統図によって示すと次のとおりであります。

(画像は省略されました)

図1.オプティカル事業系統図

 

なお、2020年6月期のオプティカル事業の顧客属性別の売上高(売上高比率)については、大学が12,891千円(1.6%)、企業が71,846千円(8.6%)、公的研究機関が748,349千円(89.8%)となっております。

 

(2) ライフサイエンス・機器開発事業

当事業では、創業当初は創薬スクリーニングに関連する各種細胞培養操作の自動化を手掛け、その後再生医療に関連する細胞培養操作を自動化した各種自動細胞培養装置やiPS細胞用の各種細胞培養装置の開発・製造・販売を推進してまいりました。

当社の自動細胞培養装置は、培地と呼ばれる細胞増殖に欠かせない栄養分を交換したり、細胞を培養したり、培地を保存したりする様々な機能をオールインワンにまとめた全自動化のシステムであることが特長で、医療・バイオ分野では顧客の希望する内容が多様化しており、顧客ごとに独自の操作手順を提案し、カスタムメイドで自動化装置の製造・販売を行ってまいりました。

 

また、iPS細胞の出現により、従来の高価な大型の自動細胞培養装置に対して、安価で広く研究者に使っていただける量産汎用型を目指し、iPS細胞専用の培地交換に特化した自動細胞培養装置CellPet®の開発をしてまいりました。当事業年度は中規模クラスの汎用型自動細胞培養装置KB2000やCellPet®シリーズの後継機種である卓上サイズの自動細胞培養装置MakCell®を開発いたしました。

 

さらに、産業技術総合研究所と長年にわたり共同研究を行っていた浮遊培養(培地内を細胞が浮遊状態で増殖する培養方法)の一種である独自の3次元浮遊培養技術「CELLFLOAT®」をもとに再生医療向け3次元細胞培養システムCellMeister® 3Dの試作開発に成功し、2016年度からは国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED)の競争的資金を得ながら、横浜市立大学及び神奈川県立こども医療センターと再生医療の医師主導の治験を目指し共同研究を推進しております。

また、大阪大学医学部との共同研究を開始し、心筋細胞の培養に当社独自の3次元浮遊培養技術「CELLFLOAT®」を適用し、従来培養方法と比べ優位性が証明されました。今後臨床研究への導入を目指して共同研究を推進してまいります。

本培養技術を用いてiPS細胞等の培養への展開を図り、未分化維持培養のためのシステムである回転浮遊培養装置「CellPet 3D-iPS®」やスフェロイドを均一な小さな組織に分散する小片化装置「CellPet FT®」を開発、販売してまいりましたが、当事業年度は、さらにオルガノイド培養向けに特化した培養装置「CellPet® CUBE」や酸素透過型の培養容器など関連機器を積極的に製品開発いたしました。

 

また、当事業では、細胞培養に関連する独自製品の製造、販売だけでなく、当社X線ミラーを用いた集光装置、培養装置やナノ加工装置関連の機器開発、企業からの委託開発業務及びOEM生産等も実施しておりますが、当事業年度は従来からのOEM製品のロット生産、当社X線集光ミラー用の集光ユニットの製作及び大手メーカーからの水晶振動子ウエハ加工システムを受注しました。

当事業では、自社製品及び委託開発製品については開発・設計は自社で実施しておりますが、製造に関しては外部の協力会社に委託するファブレス化を進めております。

販売体制としては、直接販売のほか販売チャンネルとして広く販売代理店を活用しております。

 

〔事業系統図〕

以上述べた事項を事業系統図によって示すと次のとおりであります。

(画像は省略されました)

図2.ライフサイエンス・機器開発事業系統図

 

なお、2020年6月期のライフサイエンス・機器開発事業の顧客属性別の売上高(売上高比率)については、大学が9,494千円(4.9%)、企業が125,065千円(64.3%)、公的研究機関が59,832千円(30.8%)となっております。

 

注1:大型放射光施設「SPring-8」(Super Photon ring-8 GeV)

「SPring-8」とは、兵庫県の播磨科学公園都市にある世界最高性能の放射光を生み出すことができる大型放射光施設です。放射光とは、電子を光とほぼ等しい速度まで加速し、磁石によって進行方向を曲げた時に発生する、細く強力な電磁波のことです。「SPring-8」では、この放射光を用いてナノテクノロジー、バイオテクノロジーから産業利用まで幅広い研究が行われています。「SPring-8」の名前はSuper Photon ring-8 GeV(80億電子ボルト)に由来しています。

「SPring-8」は国内外の産学官の研究者等に開かれた共同利用施設であり、1997年から放射光を大学、公的研究機関や企業等のユーザーに提供しています。課題申請などの手続きを行い、採択されれば、誰でも利用することができます。

「SPring-8」の施設者は理化学研究所であり、「SPring-8」の運転・維持管理、並びに利用促進業務を高輝度光科学研究センターが行っています(図3参照)。

 

注2:X線自由電子レーザー施設「SACLA(SPring-8 Angstrom Compact Free Electron Laser)」

2006年3月に策定された第3期科学技術基本計画(2006年3月28日閣議決定)において国家基幹技術の一つとして選定されたX線自由電子レーザー施設として、2006年度から理化学研究所と「SPring-8」を運営する高輝度光科学研究センターが共同で施設の建設・整備を行い、2011年3月に完成、0.063nm(0.63Å(オングストローム:微小な長さを表すのに用いられる単位。1Å=0.1nm))の世界最短波長のX線レーザー生成に成功した施設であり、2012年3月7日より供用運転を開始しています(図3参照)。

 

(画像は省略されました)

図3 大型放射光施設「SPring-8」、X線自由電子レーザー施設「SACLA」

 

 

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 

(1) 経営成績等の状況の概要

当事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

①財政状態及び経営成績の状況

当事業年度における我が国経済は、企業収益や雇用環境の改善に伴い緩やかな回復基調で推移してまいりましたが、年明け以降、新型コロナウイルス感染症の世界的な流行拡大により、景気が急速に悪化し厳しい状況となりました。当社の主要取引先である放射光施設を有する世界各国においても、新型コロナウイルス感染症拡大の影響が大きく出ており、平常時の経済活動が出来ない状況となり、先行きが非常に不透明な状況となっております。

このような経済環境の中で当社は、オプティカル事業及びライフサイエンス・機器開発事業という独自の技術を利用した二つの事業により、営業基盤の強化と拡充に努めてまいりました。また、放射光施設用のX線ミラーの事業拡大のみならず、当社が得意とする表面加工技術や計測技術を応用し、半導体分野等その他産業分野における新事業の開拓にも注力してまいりました。

この結果、当事業年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。

 

a. 財政状態

当事業年度末における資産合計は、前事業年度末に比べ234,882千円減少し、2,636,664千円となりました。

当事業年度末における負債合計は、前事業年度末に比べ258,799千円減少し、165,099千円となりました。

当事業年度末における純資産合計は、前事業年度末に比べ23,917千円増加し、2,471,565千円となりました。

 

b. 経営成績

当事業年度の経営成績は、売上高、利益共に減少し、売上高は1,027,480千円(前期比20.1%減)、営業利益5,980千円(前期比98.6%減)、経常利益34,187千円(前期比93.1%減)、当期純利益16,356千円(前期比95.1%減)となりました。

 

セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。

オプティカル事業は、売上高は833,087千円(前期比29.8%減)、セグメント利益は324,701千円(前期比54.6%減)となりました。

ライフサイエンス・機器開発事業は、売上高は194,392千円(前期比96.3%増)、セグメント損失は24,509千円(前期はセグメント損失58,977千円)となりました。

 

②キャッシュ・フローの状況

当事業年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前事業年度末に比べ265,790千円減少し、当事業年度末には573,400千円となりました。

当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動の結果獲得した資金は67,040千円(前事業年度は61,466千円の獲得)となりました。これは主に、前受金の減少80,839千円及び法人税等の支払額214,218千円による支出があった一方で、売上債権の減少260,551千円、仕入債務の増加40,632千円及び減価償却費93,086千円の計上による収入があったことによるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動の結果使用した資金は262,250千円(前事業年度は731,557千円の使用)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出255,905千円によるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動の結果使用した資金は69,939千円(前事業年度は49,198千円の使用)となりました。これは主に、新株予約権の行使による株式の発行による収入7,733千円及び長期借入金の返済による支出77,500千円によるものであります。

 

③生産、受注及び販売の実績

a. 生産実績

当事業年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当事業年度

(自 2019年7月1日

 至 2020年6月30日)

生産高(千円)

前年同期比(%)

オプティカル事業

293,302

108.0

ライフサイエンス・機器開発事業

177,583

172.5

合計

470,885

125.8

(注)1.金額は製造原価によっております。

2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

b. 受注実績

当事業年度の受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当事業年度

(自 2019年7月1日

 至 2020年6月30日)

受注高(千円)

前年同期比(%)

受注残高(千円)

前年同期比(%)

オプティカル事業

678,359

83.7

176,307

53.3

ライフサイエンス・機器開発事業

345,395

197.1

231,856

286.8

合計

1,023,755

103.9

408,164

99.1

(注)1.金額は販売価格によっております。

2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

c. 販売実績

当事業年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当事業年度

(自 2019年7月1日

 至 2020年6月30日)

販売高(千円)

前年同期比(%)

オプティカル事業

833,087

70.2

ライフサイエンス・機器開発事業

194,392

196.3

合計

1,027,480

79.9

(注)1.最近2事業年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。

相手先

前事業年度

(自 2018年7月1日

至 2019年6月30日)

当事業年度

(自 2019年7月1日

至 2020年6月30日)

金額(千円)

割合(%)

金額(千円)

割合(%)

SLAC National Accelerator Laboratory

383,719

29.9

Shanghai Eastern Scien-Tech Machinery Import & Export Limited

229,700

17.9

National Synchrotron Radiation Research Center

130,350

10.1

PAUL SCHERRER INSTITUT

153,438

14.9

国立研究開発法人理化学研究所

147,634

14.4

(注)販売実績の総販売実績に対する割合が10%未満のものについては記載を省略しております。

 2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

    (2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において判断したものであります。

 

①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

a. 財政状態

(資産)

当事業年度末における流動資産は1,211,809千円となり、前事業年度末に比べ395,618千円減少いたしました。これは主に未収還付法人税等が78,158千円及び仕掛品が68,163千円増加した一方で、現金及び預金が265,790千円及び第4四半期の売上が伸びなかったこと等により売掛金が255,181千円減少したことによるものであります。固定資産は1,424,855千円となり、前事業年度末に比べ160,736千円増加いたしました。これは主に新社屋の稼働等により建設仮勘定が604,612千円減少した一方で建物が614,763千円増加したこと、旧本社用地の購入により土地が68,409千円増加したこと、及び機械及び装置が43,235千円増加したことによるものであります。

この結果、総資産は、2,636,664千円となり、前事業年度末に比べ234,882千円減少いたしました。

 

(負債)

当事業年度末における流動負債は163,199千円となり、前事業年度末に比べ183,314千円減少いたしました。これは主に未払金が16,005千円増加した一方で、未払法人税等が126,073千円及び前受金が80,839千円減少したことによるものであります。固定負債は1,900千円となり、前事業年度末に比べ75,485千円減少いたしました。これは主に借入金の完済により長期借入金が62,500千円減少したことによるものであります。

 

(純資産)

当事業年度末における純資産合計は2,471,565千円となり、前事業年度末に比べ23,917千円増加いたしました。これは主に当期純利益16,356千円の計上によるものであります。

 

b. 経営成績

(売上高及び営業利益)

当事業年度における売上高は、前事業年度に比べて258,079千円の減収で、1,027,480千円(前期比20.1%減)となりました。これは、ライフサイエンス・機器開発事業は増収となったものの、オプティカル事業において、放射光施設及びⅩ線自由電子レーザー施設用のⅩ線ナノ集光ミラーをはじめとする各種高精度ミラーにおける海外でのコロナ禍の影響により大幅な減収となったことによります。このことにより、売上総利益は前事業年度に比べ303,968千円減少し、637,159千円(前期比32.3%減)となりました。また、事業拡大に伴う人件費の増加、研究開発費の増加、及び新社屋の建設や引越しに関する費用等があったこと等により、当事業年度における販売費及び一般管理費は前事業年度に比べて126,558千円増加し、当事業年度における営業利益は5,980千円(前期比98.6%減)となりました。

 

(経常利益)

営業外収益では、経済産業省による戦略的基盤技術高度化支援事業(サポイン)や、中小企業庁及び独立行政法人中小企業基盤整備機構によるものづくり・商業・サービス新展開支援補助金(ものづくり補助金)における補助金収入等を計上しました。また、営業外費用では、支払利息等を計上しました。これらの結果、当事業年度における経常利益は34,187千円(前期比93.1%減)となりました。

 

(当期純利益)

特別損失では、旧本社用地取得に伴う資産除去債務の整理等による固定資産除売却損を計上しました。また、前事業年度と比べて経常利益が大幅に減少し、法人税等の計上額も大幅に減少したこと等により、当事業年度における当期純利益は16,356千円(前期比95.1%減)となりました。

 

c. セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

(オプティカル事業)

オプティカル事業においては世界各国への輸出取引を行っていることから、世界的な新型コロナウイルスの感染拡大の影響が大きく出る結果となりました。特に、第4四半期頃からその影響が大きく表れてきました。

具体的な影響としては、中国やアメリカの施設の建設や研究計画の遅れに伴い受注が遅れたことや、中国(SSRF)、ブラジル(SIRIUS)、台湾(TPS)等の施設のシャットダウンにより最終仕様の決定が遅れたこと、グレーティング工程や多層膜工程の外注加工を依頼していたドイツのメーカーのシャットダウンにより製造が遅れたこと等があります。また、イタリアのメーカーに放射光施設向けの集光装置の製造を外注していた案件が新型コロナウイルス感染症の影響により出荷が遅延するということもありました。

当社製品は受注生産のため失注になることはありませんが、これらの影響により、売上が翌期にずれることとなりました。通期の売上高が期初の見込みに比べ大きく未達となりましたが、第4四半期に見込んでいた売上が達成できなかったことが大きな要因であります。

そのような状況の中、国内(施設:SPring-8、SACLA、NewSUBARU等)向けの販売が堅調に推移しました。これら国内向け販売につきましては、大半が第3四半期末である3月までに完了することが多いという特徴があります。

海外向け販売につきましては、アジア向けや北米向けが当初見込んでいたよりも減少した一方で、欧州向けの販売が伸長しました。特にスイス(施設:SwissFEL)、フランス(施設:ESRF)、ドイツ(施設:Eu-XFEL)向けの売上が業績を牽引する結果となりました。

この結果、売上高は833,087千円(前期比29.8%減)、セグメント利益は324,701千円(前期比54.6%減)となりました。

 

(ライフサイエンス・機器開発事業)

ライフサイエンス・機器開発事業においては、第4四半期に売上を見込んでいた水晶振動子ウエハ加工システムについて、外注先国内企業にて新型コロナウイルスの影響があったことにより開発が大幅に遅れ、売上が翌期にずれることとなりました。

そのような状況の中、再生医療分野における受託研究開発に係る売上のほか、水晶振動子ウエハ製造における関連装置の委託開発、iPS細胞用自動細胞培養装置KB2000、各種ガス検知装置、グラビア印刷試験機(GP-10)のOEM販売による売上が業績を牽引しました。

短期的な戦略として、CELLFLOAT®システムを用いた汎用型機器(CellPet 3D-iPS®、CellPetr FT®)から機器開発案件へ売上構成のシフトを図ってまいりましたが、水晶振動子ウエハ加工システムの開発をはじめとして順調に進んできております。引き続き、中長期的にはCELLFLOAT®システムを用いた汎用型機器の販売を推進するとともに、機器開発事業に注力し機器開発事業における新規事業分野の開拓に注力してまいります。

この結果、売上高は194,392千円(前期比96.3%増)、セグメント損失は24,509千円(前期はセグメント損失58,977千円)となりました。

 

②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

a. キャッシュ・フローの状況

当事業年度のキャッシュ・フローの状況につきましては、「(1) 経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

 

b. 資本の財源及び資金の流動性

当社の運転資金需要のうち主なものは、製造のための材料及び部品の購入費、人件費や研究開発費のほか、借入金の返済や法人税等の支払いです。このほか、会社の成長に必要な設備投資等を含め、収入と支出のバランスを考慮して資金運用を実施することを主たる方針としています。

一方、販売には季節的要因の影響は少ないものの、販売先の決算月に納期を指定されることや製品の受注から完成までに1年前後の期間が必要であるため、受注及び販売の状況によっては一時的な売上債権、仕入債務、たな卸資産等の増減があり、営業活動によるキャッシュ・フローの増減に影響を及ぼす可能性があります。

運転資金及び設備投資資金については、原則として自己資金で賄うこととしておりますが、多額の設備投資資金が必要となった場合は、必要資金の内容に応じて金融機関からの借り入れや資本市場からの直接調達を検討する方針であります。

なお、当事業年度末の有利子負債残高は2,613千円となっております。

 

③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して作成しています。これらの財務諸表の作成においては、経営者による会計方針の選択と適用を前提とし、資産・負債及び収益・費用の報告金額に影響を与える見積りを必要とします。経営者はこれらの見積りについて過去の実績や将来における発生の可能性等を勘案し合理的に判断していますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。

財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは以下のとおりであります。

(繰延税金資産)

繰延税金資産については、将来の利益計画に基づいて課税所得を見積り、回収可能性があると判断した将来減算一時差異について計上しております。なお、当該課税所得を見積るにあたって前提とした条件や仮定に変更が生じこれが減少した場合、繰延税金資産が減額され税金費用が計上される可能性があります。また、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。

 

(受注損失引当金)

受注損失引当金については、損失発生の可能性が高く、かつ、事業年度末時点で当該損失額を合理的に見積ることができる受注製品について、翌事業年度以降の損失見込額を計上しております。損失の発生見込額については最善の見積りを行っておりますが、想定外の事象の発生等により、当初想定していなかった追加的な費用が生じることがあるため、実際の損失額は見積額と異なる可能性があります。

(固定資産の減損)

固定資産のうち減損の兆候がある資産又は資産グループについて、当該資産又は資産グループから得られる割引前将来キャッシュ・フローの総額が帳簿価額を下回る場合には、帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として計上しております。事業計画や市場環境の変化により、見積りの前提とした条件や仮定に変更が生じた場合、減損処理が必要となる可能性があります。

 

 

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社が判断したものであります。

 

(1) 経営方針

当社は、「世の中にないオンリーワンの技術により製品を作り出し、広く社会に貢献する」ことを経営理念に掲げ、各種産業分野の技術発展に寄与し、創薬や再生医療をはじめとした先端技術の研究及び実用化の促進に役立つことにより、「科学技術イノベーションの創出に貢献する製品開発を推進する」ことを経営方針に定め、『オプティカル事業』及び『ライフサイエンス・機器開発事業』を推進しております。

 

(2) 経営環境等

当事業年度における我が国経済は、企業収益や雇用環境の改善に伴い緩やかな回復基調で推移してまいりましたが、年明け以降、新型コロナウイルス感染症の世界的な流行拡大により、景気が急速に悪化し厳しい状況となりました。当社の主要取引先である放射光施設を有する世界各国においても、新型コロナウイルス感染症拡大の影響が大きく出ており、平常時の経済活動が出来ない状況となり、先行きが非常に不透明な状況となっております。

当社への影響としましては、主に国内販売を行うライフサイエンス・機器開発事業においては軽微と見込まれるものの、大半が海外販売であるオプティカル事業においては、海外への渡航制限が続いた場合や国際学会・展示会等の開催自粛が続いた場合には、営業活動に遅れが生じる可能性があります。しかしながら、研究者からの需要は依然として旺盛であり、商談におけるテレビ会議の活用が浸透しオンラインでの学会・展示会も行われてきていることから、今後は徐々に経営環境が回復してくるものと考えております。加えて、当社主力製品であるX線ナノ集光ミラーは、現地での設置はユーザーにて行うものであり納品時の渡航が必要でないことからも、営業手法の工夫や見直しにより十分対処可能であると考えております。

さらに、当社ミラーが使用される放射光施設や自由電子レーザー施設は、各国の最先端の科学技術の発展に寄与し新型コロナウイルス感染症の各種分析にも用いられるような施設であるため、ミラーの需要が減少するということは考えにくい状況であります。

現在、新しい第4世代の放射光施設の建設またはバージョンアップや、X線自由電子レーザー施設の建設が競い合って進んでいる状況にあり、特に中国において建設ラッシュが続いております。これら次世代の高度化施設の新設に伴い、今後さらに当社が得意とする高精度ミラーの需要増大が予想されます。

また、ライフサイエンス・機器開発事業においては、CELLFLOAT®システムを用いた汎用型機器から機器開発案件への売上構成のシフトが順調に進んでいることから、ライフサイエンス・機器開発事業における新規事業開拓にも注力してまいります。

 

(オプティカル事業)

世界の放射光施設やX線自由電子レーザー施設は約70か所あり、現在新設や増設等、高度化への投資が盛んに行われております。また施設内にある実験ハッチを有するビームラインの数は1施設当たり平均約30本あり、1つのビームラインでおおよそ4~10枚のX線ミラーが使用されており、これらがX線ミラーの潜在的な市場規模を構成しています。(2015年6月19日、株式会社シード・プランニングによる調査「放射光用X線ミラー市場に関する調査」による)

さらに現在の70か所のほか、新しい第4世代の放射光施設やX線自由電子レーザーなどの施設が約30施設建設中・計画中で順次完成しており、これら次世代の高度化施設の新設に伴い、当社が得意とする高精度X線ナノ集光ミラーの需要拡大が予想されています。今後それぞれの建設中の放射光施設は2~3年ごとに5~6本のビームラインが随時立ち上がる予定であることから、少なくとも新設後20年程度は需要が継続し、市場規模は拡大傾向にあると考えております。

放射光施設やX線自由電子レーザー施設は、基礎科学研究分野から、高度化医療、創薬や材料評価などの応用分野に加えて企業による産業利用にも活用されていますが、最近では新型コロナウイルス感染症に関する基礎研究が積極的に推進されております。これに伴い、より小さな試料やより高い空間あるいはエネルギー分解能による高度な分析が求められる状況が進んでおります。

重点施策としましては、国内外の放射光施設及びX線自由電子レーザー施設向けのナノ集光ミラー、高調波カットミラ-及び回折格子用ミラー等の需要に応えるために、2019年7月1日に完成した新社屋を活用し、従来と比べ生産能力の倍増を推進してまいります。また、次世代放射光施設(第4世代)のための高機能型X線集光ミラーとして開発した形状可変ミラーの拡販を進めるとともに、さらなる次世代向けの製品として、回転楕円ミラー、ウォルターミラー等の開発を推進してまいります。

 

(ライフサイエンス・機器開発事業)

ライフサイエンス・機器開発事業は、創業当初から続く当社の根幹事業であり、今後も自動細胞培養装置の事業を継続するためには、これまでのように絶え間ない自動化の技術開発と協力会社との連携による効率の良い生産体制の構築が必要であると考えております。さらに、独自の培養技術の研究開発を推進し、そのキーテクノロジーをもとにした汎用製品の開発が必要不可欠と考えております。

現在、iPS細胞の出現により再生医療や創薬の分野において新しい産業が創出されようとしておりますが、iPS細胞の産業化が進む現状で、その大量培養技術の確立が急務となっております。

そこで、産業技術総合研究所と長年にわたり共同研究を行ってきた当社独自の3次元浮遊培養技術「CELLFLOAT®」をキーテクノロジーとして「3次元培養技術に関する研究開発」を推進し、短期的には市場規模の伸びが小さいものの、中長期的に急成長が予想される再生医療向けの周辺産業に関する自動細胞培養装置や培養容器などの商品開発を積極的に展開してまいります。

重点施策としましては、中長期的には「CELLFLOAT®」をもとにした汎用型機器の販売を推進するとともに、短期的な戦略としては、水晶振動子ウエハ加工システムの開発をはじめとして順調に進んでいるライフサイエンス・機器開発事業に注力してまいります。

 

(3) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

① 事業活動に関わる課題

(オプティカル事業)

当社は、世界規模で拡大しております放射光施設並びにX線自由電子レーザー施設向けの高精度X線ミラーの需要に応えるため、生産施設の増強、生産工程の効率化、高精度化を進め、引き続き当事業での重要課題としてとらえております。

このため、独自のEEMナノ加工装置とRADSI及びMSIナノ計測装置等の生産設備の増設を積極的に進め、また海外の競合他社に対する技術的優位性を維持するため、現在のナノ加工技術の効率化、高精度化を図るための研究開発だけでなく、新しい製造技術の実用化開発を推進し、さらに前加工協力会社との技術提携等により生産工程の効率化を目指しております。

また、世界各地で第4世代の放射光施設の新設計画が進み、さらに既存の放射光施設でも第4世代へのバージョンアップにより光源の強化が図られ、それらに対応するための新しい光学系の構築が求められているため、回転楕円ミラー、形状可変ミラー、各種ウォルターミラー等の次世代放射光施設向けの新製品の開発・販売を推進しております。

なお、独自の表面創成技術であるナノ加工技術EEMとナノ計測技術RADSI及びMSIは世界に類を見ない高精度な原子レベルの自由曲面の加工を可能にするものであります。最近では次世代半導体や宇宙ビジネス、医療技術分野など成長産業分野で使われる光学素子において、従来の技術では不可能なナノメートルレベルでの高精度化が望まれており、当社の表面創成技術はこれら分野においてビジネスを展開するための技術的ポテンシャルを有しております。

そこで当社では、放射光施設以外への市場開拓を進め、各種産業分野の企業や研究機関との共同開発を積極的に進めて成果を上げつつあり、当社の第3の事業として成長を図ってまいります。

さらに、当社では現在のナノ加工技術EEM以外にも大阪大学の表面加工技術であるプラズマCVMやCARE(触媒基準エッチング法)を技術導入して実用化開発を進めており、また新しい計測技術についても大阪大学と共同開発を積極的に進めております。このように総合的な技術ポテンシャルを上げて選択肢を広げることにより、有効的に新規市場への参入、拡大を図ってまいります。特に当事業年度においてはプラズマCVM加工技術を水晶振動子ウエハの加工に適用し、その量産化システムの事業化に成功しております。

 

 

(ライフサイエンス・機器開発事業)

再生医療の拡大に伴い、その周辺産業の市場規模も拡大傾向にあり、その中で当社の対象市場となる自動細胞培養装置、培養容器(消耗品)及び再生医療・創薬用の各種細胞ソース等の市場も拡大すると予想されております。またiPS細胞による創薬への利用も研究開発が活発にされております。

当社では、設立当初より各種自動細胞培養装置のカスタム製品の製造販売を進めてまいりましたが、現在は汎用機器の製品開発に注力しており、当事業年度においては自動細胞培養装置「KB2000」をリリースいたしました。また、2013年1月に日本で初めてiPS細胞向けの自動細胞培養装置として「CellPet®」を販売いたしましたが、多様化するユーザーニーズに応えるために、後継機種として自動細胞培養装置「MakCell®」を開発いたしました。

さらに、長年にわたり産業技術総合研究所と共同開発してまいりました独自の3次元浮遊培養技術「CELLFLOAT®」を用いて再生医療の研究開発を推進し、現在では大阪大学医学部や横浜市立大学医学部と共同研究を進め、臨床研究を目指しております。あわせて、2017年1月に上市したiPS細胞用の回転浮遊培養装置「CellPet 3D-iPS®」や小片化装置「CellPet FT®」をもとに、近年急速に進歩しつつあるオルガノイド培養向け回転浮遊培養装置「CellPet®CUBE」や酸素透過型培養容器などの関連機器を積極的に製品開発し、今後は海外展開も図ってまいります。

このように、独自の製品開発を積極的に進めて顧客を獲得し、市場の拡大に備えるために優秀な技術者の確保、生産体制の強化、保守サービスの構築が重要課題であると認識しております。このため当社では優秀な技術者の確保のために積極的な中途採用活動を展開する一方で、生産体制の強化や保守サービスの構築につきましては、新たな協力会社との関係構築によって対応する方針であります。

 

② 技術開発体制の構築

当社の顧客の多くは基礎研究に取り組んでいる研究機関・大学・企業の研究者であり、この基礎研究の分野で当社が成長するためには、最先端の技術動向のキャッチアップと継続的な技術開発を可能とする開発体制を構築し、継続的に付加価値を提供することが重要であると考えております。

このような認識のもと、オプティカル事業では国際学会での企業展示だけでなく、当社の製品や最新の技術紹介等を積極的に発信してまいります。また、独自に細胞培養センターを設け、ここをオープンイノベーションの拠点として、最先端の技術開発に取り組んでいる研究機関や大学との共同研究や企業との事業連携を積極的に推進することに努めてまいります。また、その体制のもとで定期的な勉強会や講義を積極的に実施し、当社技術者の技術レベルの向上も図ってまいります。

 

③ 営業力の強化

当社の両事業において、その事業規模を拡大させるためには営業力の強化が重要であると考えております。しかしながら、当社が取り扱っている製品は、コンサルティング営業ができるような技術知識が必要となるため、即戦力となる営業人材の確保が難しく、継続的な営業人材の確保と強化が特に重要な課題であると考えております。具体的には、技術者の社内ローテーションや物理学等の基礎学力を有している人材の採用活動によって営業人材を確保し、加えて既存営業マンによる継続的な現場教育の推進によって営業力の強化に注力してまいります。

一方で、現在新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止のため世界各地で外出禁止・制限・自粛要請とソーシャル・ディスタンスの確保が求められ、展示会・学会などが世界中で中止を余儀なくされており、いつ従来どおりの開催ができるのか予測できない状況下ではありますが、オプティカル事業においては、今までの実績をもとにユーザーである世界の研究者とWEB会議などを通じて商談を進めております。また、今まで中止されていた学会においても、WEB配信での開催の検討が増えてきているため、積極的な学会発表や企業宣伝に努めてまいります。

ライフサイエンス・機器開発事業においても、オンライン商談、リモート営業などを推進しておりますが、全てをオンラインに切り替えるのではなく、新規ユーザーへの初回訪問と既存ユーザーへの提案について営業手法を分ける等、訪問とオンラインを組み合わせて有効に営業活動を進めてまいります。

 

④ 生産管理体制の強化

オプティカル事業において、需要が拡大しグローバルな競争に生き残っていくためには、生産管理の役割が大きくなってまいります。一方、ライフサイエンス・機器開発事業においては、ファブレスによる柔軟な生産体制にて事業を展開しております。

今後の量産化に向けて、それぞれの製造工程、生産管理や品質管理等における最適なチェック体制を構築し、安定した品質を維持する仕組みが必要不可欠となるため、生産管理体制を強化してまいります。

 

⑤ 内部管理体制の強化

ここ数年の当社の急速な成長に伴い、内部管理に関係する業務が多岐にわたって発生しておりますが、今後のさらなる成長のためには内部管理体制の一層の強化を図る必要があると認識しております。そのためには、内部管理の重要性に対する全社的な認識の強化を図るとともに、内部管理に精通した人材を採用し、また経理・人事・広報・法務等に精通した人材も積極的に採用することによって、業務の有効性と効率性を高めてまいります。

 

 

2【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が提出会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社が判断したものであります。当社は、これらリスク発生の可能性を認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対応に努める方針です。また、本書に記載した事項は事業等に関連するリスクを全て網羅するものではありませんので、この点ご留意下さい。

 

(1) 技術の陳腐化について

当社のオプティカル事業における製造技術は、大阪大学独自の原子数個レベルの平坦さを実現する究極のナノ加工技術(ナノ加工技術EEMとナノ計測技術RADSI及びMSI)を基にしたもので、1ナノメートルレベルの形状精度を実現しております。本書提出日の現在においてこの状況に変化はありません。

しかしながら、将来において当社の製造方法と同等の精度レベル(本技術を超える精度は物理的に不可能)を実現する新たな製造方法が確立された場合には、価格面で影響を受け、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(2) 国内外政府の施策とその影響について

当社のオプティカル事業の製品である放射光施設用のX線ナノ集光ミラー等は、放射光施設という専門性の高い施設等で使用されるもので、その施設の多くは公的研究施設、公的プロジェクトまたは大学等がビームライン(実験ハッチ)ごとに別々に研究事業を運営しております。当社製品を利用したこれら施設ではナノテクノロジー、バイオテクノロジーや産業利用まで幅広い最先端の研究がおこなわれており、今後も技術向上を図り、より優れた研究成果を創出し、継続していくものと予想されます。

また、現在国内では東北に新しい放射光施設SLiT-Jの建設計画(2023年供用開始予定)が具体化し、また海外では中国、欧州、アメリカ、ブラジルなどに第4世代の放射光施設の建設やバージョンアップの計画が進んでおり、今後少なくとも20年は世界的に需要が拡大傾向にあると判断しておりますが、将来国内外の政府の研究事業の実施方針において、放射光利用の重要度が大きく変更された場合、または制度の変更があった場合には、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(3) 日本国政府の施策とその影響について

当社のライフサイエンス・機器開発事業の製品である各種自動細胞培養装置は、再生医療等においてiPS細胞をはじめとする各種細胞を培養するものであります。これらの製品は再生医療及び創薬の研究開発用として使用され、今後もこの分野での研究開発が進み、同時に市場が拡大するものと予想しておりますが、日本国政府の施策により、関連法令等が大幅に改正された場合、または研究開発活動が法規制により制限が加えられた場合には、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(4) 外注先について

当社のオプティカル事業は、当社でのEEMによるナノ加工の前工程である粗加工仕上げ工程について、需要の拡大に対応するために内製化を進めておりますが、未だ多くを外注加工業者に委託しております。当社が外部委託先を選定するにあたっては事業の継続性を鑑み、良好な協力関係の構築・維持または高い品質管理能力を主な判断材料として慎重に選定しております。

しかしながら、今後需要が急拡大し外注先で対応しきれない場合や、また新しい外注委託先が増え、これらの管理が疎かになり、品質面及び納期面等において何らかの不具合が発生した場合には、当社の業務に支障をきたし、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(5) 製品に関する不具合、クレームについて

当社が販売・開発する製品等に関し、ユーザー等から訴訟を提起され、または損害賠償請求を受けたことはありません。また、不具合が生じたとしても早期に発見し是正するべく、サポート体制を構築しておりますが、当社が販売した製品等に予期しがたい欠陥等が発生し、製品回収や損害賠償等が発生した場合、多大な損害賠償金及び訴訟費用が必要となること等により、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(6) 製造装置について

当社のオプティカル事業は、独自に設計・製作した製造装置を使用しております。これら製造装置については、高品質な製品の製造を実現するために、停電対策や所要のメンテナンスを随時実施しておりますが、何らかの不具合が発生した場合や自然災害や突発的な事故により製造装置が稼働不能となった場合等には、当社の業務に支障をきたし、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(7) 為替リスクについて

当社は海外輸出製品が多く、為替レートの変動は外貨建ての直接取引の売上高に影響を及ぼす可能性があります。

そのため、想定を超える為替レートの変動が生じた場合には、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(8) 輸出について

輸出にあたり、仕向地ごとの政治や経済情勢、さらには文化や習慣等について調査・把握に努めておりますが、もしそれらが要因となる予期せぬ事件、事故等の事象が発生した場合には、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(9) 特定製品への依存について

当社の主力製品は、放射光施設用X線ナノ集光ミラー及びiPS細胞自動培養装置であります。このうち放射光施設用X線ナノ集光ミラーの2020年6月期における売上高は当社全体の売上高の81.1%を占めております。今後につきましても、当面の間、放射光施設用X線ナノ集光ミラーが収益源になると予測しております。ただし市場の変化等によりこの市場の維持・拡大が見込めなくなった場合には、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(10) 業績の変動について

当社の製品であるX線ナノ集光ミラーは、その製造過程でナノ加工EEMとナノ計測RADSI及びMSIについて仕様を満たすまで交互に何度か繰り返す必要があることから、製造工程は製品ごとに異なり、受注から出荷までの期間が1年程度かかります。また、研究開発の要素の高い仕様の場合、出荷予定月を過ぎることも起こり得ます。このような状況が生じた場合、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

特に、当事業年度は新型コロナウイルス感染拡大の影響により、仕様打ち合わせが中断したり、外注業者のシャットダウンにより出荷時期が予定より遅れる案件が散見されました。

なお、X線ナノ集光ミラーの平均的な単価は約2,000~3,000万円と非常に高額な製品であり、あわせて受注時期が偏る傾向にあるため、特定の四半期業績のみによって通期の業績見通しを判断することは困難であります。

 

(11) 知的財産権

当社は新たな技術や独自のノウハウを蓄積し、知的財産権として権利取得するなど法的保護に努めながら研究開発活動を推進しています。また、仮に特許侵害が試みられたとしても同様の製品が製造されないよう独自のノウハウは公開しておりません。しかし、特定地域での法的保護が得られない可能性や、当社の知的財産権が不正使用される可能性があることは否めず、さらに人材移転や悪意を前提とする情報漏洩等により技術・ノウハウが外部に流出する可能性もあります。このような状況が生じた場合、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

他方、他社が有する知的財産権についても細心の注意を払っておりますが、当社が第三者の知的財産権を侵害していると司法判断された場合、当社の生産・販売の制約や損害賠償金の支払いが発生する可能性もあります。

 

(12) 情報管理

当社では、事業経営に関わる多岐に亘る重要機密情報を有しています。その管理を徹底するため、情報管理規程及び機密情報管理基準を制定し、従業員に対する教育を徹底しています。しかし、外部からのハッキングなど不測の事態による情報漏洩により、当社の信用失墜による売上高の減少または損害賠償による費用の発生等が起こることも考えられ、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(13) 固定資産の減損

当社では、土地、建物、機械設備等多くの有形固定資産を保有しています。当該資産から得られる将来キャッシュ・フローの見積りに基づく残存価額の回収可能性を定期的に評価していますが、当該資産から得られる将来キャッシュ・フロー見込額が減少し、回収可能性が低下した場合、固定資産の減損を行う必要が生じ、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(14) 特定人物への依存について

当社の事業活動にあたり、当社代表取締役社長である津村尚史は、経営方針、経営戦略の決定及び実行においてこれまで重要な役割を果たしております。当社は現在、取締役及び主要従業員への権限移譲並びに取締役会等における情報の共有を図り、同氏に過度に依存しない組織体制の構築を進めております。

しかしながら、何らかの理由により同氏の業務遂行が困難になった場合には、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(15) 小規模組織であることについて(内部管理体制について)

本書提出日現在において、当社組織は、取締役6名(うち非常勤取締役2名)、監査役3名(うち非常勤監査役2名)、従業員42名と小規模であり、会社の規模に応じた相互牽制を中心とした内部管理体制や業務執行体制となっております。また、少人数であることから、各役職員への依存等の小規模組織特有の課題があると認識しております。

今後は事業の拡大に伴い、業務遂行体制の充実に努めてまいりますが、人的資源に限りがあるため、役職員に業務遂行上の支障が生じた場合、あるいは役職員が社外流出した場合には、当社の業務に支障をきたし、事業展開や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(16) 配当政策について

当社の配当政策につきましては、当社の利益成長とそれを支える礎となる財務体質の強化が重要との認識から、業績の状況をベースに内部留保の充実と配当性向等とのバランスを図りながら、株主に対して積極的に利益還元を行うことを基本方針としております。

ただし、当面はコスト競争力の強化や生産能力向上のための設備拡充及び急成長市場での事業展開を実現するための今以上の研究開発体制の構築のための投資が重要になると考え、その原資となる内部留保の充実を図る方針であります。これらについてある一定の目処が立てば、安定的・持続的な配当による株主への利益還元政策を行う方針であるものの、現時点において配当実施の可能性及びその実施時期等については未定であります。

 

(17) 調達資金の使途について

当社の公募増資により調達しました資金の使途は、2019年7月に完成しました新社屋及び、オプティカル事業にて使用する機械装置等への設備投資への充当を計画したものであります。しかしながら、当社を取り巻く外部環境や経営環境の変化に柔軟に対応するため、上記計画以外の使途に充当する可能性があります。また、計画通りに資金を使用したとしても、期待通りの効果を上げられない可能性があります。そのような場合、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(18) 新型コロナウイルス感染症について

2020年に入り世界的に流行している新型コロナウイルス感染症について、国内では非常事態宣言が解除されたものの、各国の経済活動が著しく制限されたことにより深刻な経済収縮が起こり、その収束時期は不透明な状況であります。日本を含む世界各国において感染症の拡大が長期化した場合は、営業活動の縮小、製造活動の遅延、製品出荷の遅延等により、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

2【沿革】

当社代表取締役社長の津村尚史は、世の中にないオンリーワンの技術により製品を作り出し、広く社会に貢献することを目指し、株式会社ジェイテック(現株式会社ジェイテックコーポレーション)を設立いたしました。設立当初は、大手企業と創薬向け自動細胞培養装置の共同開発を進め、近年には再生医療及びiPS細胞関連機器の開発、製造を推進しました。

また、同時に産学連携も積極的に推進し、現在の放射光施設用X線ナノ集光ミラーの事業化を開始いたしました。本事業では、当社の自動細胞培養装置などの機器開発のノウハウを活かし、ミラー製造に関するナノ加工・ナノ計測設備を自社にて開発し、事業の高度化・効率化を図りました。現在では、放射光施設「SPring-8(Super Photon ring-8 GeV)」(以下「Spring-8」という。)やX線自由電子レーザー施設「SACLA(Spring-8 Angstrom Compact Free Electron Laser)」(以下「SACLA」という。)に代表される国内外の先端的放射光施設やX線自由電子レーザー施設への納品を継続して行っています。

 

1993年12月

大阪コンピュータ工業株式会社との共同出資により、大阪府吹田市に資本金10,000千円で株式会社ジェイテック(現株式会社ジェイテックコーポレーション)を設立。

1994年7月

バイオ自動機器(自動細胞培養装置、薬効評価装置)を開発。
大阪中小企業投資育成株式会社より出資を受け、資本金を15,000千円に増資。

1997年7月

「完全表面創成のための高濃度スラリー精製システムの研究開発」が、科学技術振興機構(現国立研究開発法人科学技術振興機構、以下「JST」という。)の1997年度独創的研究成果育成事業に採択され、大阪大学(現国立大学法人大阪大学、以下「大阪大学」という。)と共同研究を実施。

2002年7月

「プラズマCVM法による超精密バリ除去・判定装置開発」が経済産業省の2002年度創造技術研究開発事業に採択され、大阪大学と共同研究を実施。

2004年1月

資本金を40,000千円に増資。

2004年8月

神戸市中央区に本社を移転。

2005年4月

大阪大学及び独立行政法人理化学研究所(現国立研究開発法人理化学研究所、以下「理化学研究所」という。の研究成果をもとにX線ナノ集光ミラーの事業化を開始。

2005年8月

「タンパク質結晶化技術の開発」が2005年度兵庫県COEプログラム推進事業に採択され、研究を実施。

2005年12月

兵庫県知事より経営革新計画(X線集光ミラー)の承認を取得。

2006年2月

「硬X線ナノ集光用高精度楕円ミラーの実用化」が新技術開発財団の新技術開発助成に採択され、研究を実施。

2006年3月

「硬X線ナノ集光用高精度楕円ミラーの実用化」が中小企業基盤整備機構の中小企業・ベンチャー挑戦支援事業のうち事業化支援事業に採択され、研究を実施。

2006年9月

「放射光用超高精度形状大型ミラー製造技術の開発」が兵庫県の2006年度兵庫県COEプログラム推進事業に採択され、財団法人高輝度光科学研究センター(現在の公益財団法人高輝度光科学研究センター、理化学研究所の関連団体、以下「高輝度光科学研究センター」という。)、理化学研究所、大阪大学と共同研究を実施。

2006年12月

神戸市よりKOBEドリームキャッチプロジェクトによるX-KOBEに認定(X線集光ミラー)。

2007年1月

ひょうご産業活性化ファンド第2号投資事業有限責任組合(ひょうごキャピタル第2号ファンド)より出資を受け、資本金を65,000千円に増資。

2007年2月

大阪府茨木市(彩都あさぎ)に開発センターを開設。

2007年7月

「軟骨再生医療のためのGMP対応自動回転培養システムの構築」がJSTの2007年度科学技術振興機構大学発ベンチャー創出推進に採択され、独立行政法人産業技術総合研究所(現国立研究開発法人産業技術総合研究所、以下「産業技術総合研究所」という。)と共同研究を実施。

2007年9月

「放射光用超高精度形状大型ミラー製造技術の開発」が兵庫県の新産業創出支援事業(新製品・新技術:産学連携・事業連携)に採択され、研究を実施。

2009年9月

「放射光用ミラーに関する加工技術の高精度化」が経済産業省の2009年度補正予算事業戦略的基盤技術高度化支援事業に採択され、大阪大学と共同研究を実施。

 同年同月

「形成外科用自動細胞培養装置」が経済産業省の2009年度補正予算ものづくり中小企業製品開発等支援補助金(試作開発等支援事業)に採択され、研究を実施。

2010年4月

「X線ナノ集光ミラー製造プロセスに関する技術開発」がJSTの2010年度高度研究人材活用促進事業に採択され、研究を実施。

2011年2月

「放射光用ミラーに関する加工技術の高精度化」が経済産業省の2010年度予備予算事業戦略的基盤技術高度化支援事業加速枠に採択され、大阪大学と共同研究を実施。

 

 

2011年3月

「再生医療等に用いる大型軟骨組織を高効率に形成する細胞培養システムの開発」が経済産業省の2011年度第3次補正予算戦略的基盤技術高度化支援事業に採択され、大阪大学、産業技術総合研究所と共同研究を実施。

2012年5月

「放射光用X線ミラー製造の効率化のための加工及び計測技術の開発」が経済産業省の2011年度グローバル技術連携・創業支援補助金(一般枠)に採択され、大阪大学、OptiWorks株式会社と共同研究を実施。

2013年7月

「ナノ集光用焦点距離可変型ミラーの試作開発」が経済産業省の2012年度ものづくり中小企業・小規模事業者試作開発等支援補助金に採択され、大阪大学と共同研究を実施。

 同年同月

「放射光用X線長尺KBナノ集光ミラーの製造技術に関する研究」が経済産業省の2013年度中小企業経営支援等対策費補助金に採択され、大阪大学と共同研究を実施。

 同年同月

「3次元細胞培養システムによる再生医療等に用いるヒト軟骨デバイスの開発」が京浜臨海部ライフイノベーション国際戦略総合特区の2012年度課題解決型医療機器等開発事業に採択され、公立大学法人横浜市立大学(以下「横浜市立大学」という。)、産業技術総合研究所、大阪大学と共同研究を実施。

2014年6月

「iPS細胞等の3次元大量培養技術の開発」が経済産業省の2014年度戦略的基盤技術高度化支援事業に採択され、産業技術総合研究所、大阪大学と共同研究を実施。

2014年7月

「再生医療等に用いるヒト軟骨デバイスの実用化のための3次元細胞培養システムの開発・事業化」が京浜臨海部ライフイノベーション国際戦略総合特区の2014年度、2015年度医工連携事業化推進事業に採択され、横浜市立大学、産業技術総合研究所、大阪大学と共同研究を実施。

2014年10月

大阪府茨木市彩都やまぶき2丁目4番35号に新社屋を竣工し、同所に開発センターを移転。

2015年7月

「1m級長尺放射光X線ミラー用高精度成膜装置の開発」が経済産業省の2014年度補正ものづくり・商業・サービス革新補助金に係る補助金に採択され、研究を実施。

 同年同月

細胞観察機能を有したiPS細胞用自動培養装置の開発が2015年度おおさか地域創造ファンドの重点プロジェクト事業助成金に採択され、研究を実施。

2015年9月

本社を大阪府茨木市彩都やまぶき2丁目4番35号に移転。

2015年12月

OUVC1号投資事業有限責任組合<通称:OUVC1号ファンド>(無限責任組合員:大阪大学ベンチャーキャピタル株式会社)及びバイオ・サイト・キャピタル株式会社より出資を受け、資本金を139,240千円に増資。

2016年4月

大阪大学吹田キャンパス産学連携本部B棟内に細胞培養センターを開設。

2016年5月

商号を株式会社ジェイテックコーポレーションに変更。

 同年同月

中小企業庁の「はばたく中小企業・小規模事業者300社」(わざ、生産性優良)に選定。

2016年9月

「臨床試験を目指す3次元細胞培養システムを用いた革新的ヒト弾性軟骨デバイス創出」が国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED)の産学連携医療イノベーション創出プログラム(ACT-M)に採択され、横浜市立大学、地方独立行政法人神奈川県立病院機構神奈川県立こども医療センターと共同研究を開始。

2017年8月

「iPS細胞等幹細胞の高効率な継代作業を実現した3次元大量継代培養自動化技術の実用化開発」が経済産業省の2017年度戦略的基盤技術高度化支援事業に採択され、大阪大学と共同研究を実施。(2017~2019年度)

 同年同月

「回折限界下で集光径可変な次世代高精度集光ミラーの製造技術の開発」が2017年度兵庫県最先端技術研究事業(COEプログラム)に採択され、大阪大学、理化学研究所、高輝度光科学研究センターと共同研究を実施。

2018年2月

東京証券取引所マザーズに株式を上場。

2019年7月

大阪府茨木市彩都やまぶき2丁目5番38号に新社屋を竣工し、同所に本社/開発センターを移転。

(5)【所有者別状況】

 

 

 

 

 

 

 

2020年6月30日現在

区分

株式の状況(1単元の株式数100株)

単元未満株式の状況

(株) (注)

政府及び地方公共団体

金融機関

金融商品取引業者

その他の法人

外国法人等

個人その他

個人以外

個人

株主数(人)

4

22

60

8

7

3,486

3,587

所有株式数

(単元)

3,089

2,169

4,635

289

43

48,307

58,532

1,800

所有株式数の割合(%)

5.28

3.71

7.92

0.49

0.07

82.53

100

(注)自己株式66株は、「単元未満株式の状況」に含まれております。

 

3【配当政策】

当社は、利益配分につきましては、将来の事業展開と経営体質の強化のために必要な内部留保を確保しつつ、安定した配当を継続して実施していくことを基本方針としております。

当社は、期末配当のみの年1回の剰余金の配当を行うことを基本方針としており、取締役会で決議することとしております。

当社は、会社法第454条第5項に規定する中間配当をすることができる旨及び同法第459条第1項の規定に基づき取締役会の決議をもって剰余金の配当等を行うことができる旨定款に定めております。

内部留保資金につきましては、今後予想される経営環境の変化に対応すべく、今まで以上にコスト競争力を高め、市場ニーズに応える技術・製造開発体制を強化し、さらに市場占有率を高めるために有効投資を行ってまいりたいと考えております。

なお、当事業年度の配当につきましては、当期純利益を計上いたしましたが、経営体質及び今後の事業展開、内部留保の充実を図るために、無配といたしました。当面は、コスト競争力の強化や生産能力向上のための設備拡充、及び急成長市場での事業展開を実現するために今以上の研究開発体制を構築するための投資が重要になると考え、その原資となる内部留保の充実を図る方針であります。ただし、これらにある一定の目処が立てば、安定的・持続的な配当による株主様への利益還元政策をとる方針であります。

 

(2)【役員の状況】

① 役員一覧

男性9名 女性-名 (役員のうち女性の比率-%)

役職名

氏名

生年月日

略歴

任期

所有株式数

(千株)

代表取締役社長

津村 尚史

1957年4月25日

1981年4月 倉敷紡績株式会社入社

1991年4月 株式会社片岡実業入社取締役技術部長就任

1993年12月 当社設立代表取締役社長就任(現任)

(注)3

3,272

取締役

オプティカル製造部長

岡田 浩巳

1970年1月26日

2000年4月 株式会社シリコンテクノロジー入社

2004年4月 当社入社

2014年10月 当社オプティカル研究開発部長

2014年12月 当社取締役就任(現任)

2018年7月 当社製造部長

2020年7月 当社オプティカル製造部長(現任)

(注)3

26

取締役

管理部長

平井 靖人

1976年6月19日

2003年5月 株式会社あさひ入社

2005年11月 大研医器株式会社入社

2011年11月 株式会社サンワカンパニー入社

2012年9月 同社取締役管理部長就任

2015年10月 株式会社ナサホーム入社

2016年6月 同社取締役管理本部長就任

2016年12月 当社入社上場準備室長

2017年1月 当社管理部長(現任)

2017年6月 当社取締役就任(現任)

(注)3

14

取締役

営業部長

金岡 政彦

1978年7月7日

2003年4月 株式会社ニコン入社

2017年4月 株式会社栃木ニコン出向

2019年10月 当社入社

2020年7月 当社営業部長(現任)

2020年9月 当社取締役就任(現任)

(注)3

取締役

川﨑 望

1950年7月22日

1972年4月 松下電器産業株式会社(現パナソニック株式会社)入社

1972年10月 松下電子工業株式会社(現パナソニック株式会社)半導体事業部出向

1977年8月 株式会社コンテック(現大阪コンピュータ工業株式会社)設立代表取締役就任(現任)

1979年4月 株式会社テクノ高槻入社代表取締役社長就任

1993年12月 当社取締役就任(現任)

2020年1月 株式会社テクノ高槻代表取締役会長就任(現任)

(注)3

410

(注)5

 

 

役職名

氏名

生年月日

略歴

任期

所有株式数

(千株)

取締役

松見 芳男

1946年9月1日

1969年4月 伊藤忠商事株式会社入社

1994年1月 伊藤忠インターナショナル会社Development&Venture部長

1997年4月 同社宇宙情報部門長

2000年1月 伊藤忠商事株式会社宇宙情報マルチメディアカンパニーバイスプレジデント

2004年6月 同社執行役員先端技術戦略室長

2007年7月 同社顧問伊藤忠先端技術戦略研究所長

2009年4月 同社理事(現任)

2009年4月 松見アソシエイツ合同会社代表取締役就任(現任)

2014年12月 大阪大学ベンチャーキャピタル株式会社代表取締役社長就任

2017年7月 同社相談役

2018年9月 当社取締役就任(現任)

(注)3

常勤監査役

政木 進久

1950年7月14日

1973年4月 帝人株式会社入社

1996年10月 同社テキスタイル企画管理部長

1998年6月 同社繊維企画管理部長

2001年10月 同社経営企画室企画担当部長

2003年4月 同社業務監査室長

2008年4月 同社経営監査室長

2008年6月 同社理事

2013年4月 帝人デュポンフィルム株式会社監査役就任

2017年4月 帝人株式会社顧問

2020年9月 当社監査役就任(現任)

(注)4

監査役

西田 隆郎

1949年5月20日

1974年9月 デロイトハスキンズアンドセルズ公認会計士事務所入所

1977年11月 西田博税理士事務所入所

2002年1月 税理士西田隆郎事務所設立所長就任(現任)

2014年12月 当社監査役就任(現任)

(注)4

3

監査役

野村 公平

1948年5月12日

1975年4月 弁護士登録

1977年4月 西川・野村合同法律事務所(現野村総合法律事務所)入所(現任)

1999年4月 大阪府弁護士会副会長就任

2015年9月 当社監査役就任(現任)

(注)4

5

3,730

(注)1.取締役 川﨑望、松見芳男は、社外取締役であります。

2.監査役 政木進久、西田隆郎、野村公平は、社外監査役であります。

3.2020年9月29日開催の定時株主総会終結の時から、選任後1年以内に終了する事業年度のうち、最終のものに関する定時株主総会終結の時までであります。

4.2020年9月29日開催の定時株主総会終結の時から、選任後4年以内に終了する事業年度のうち、最終のものに関する定時株主総会終結の時までであります。

5.取締役 川﨑望により総株主の議決権の過半数が所有されている会社の持分を含めた実質所有株式数を記載しております。

 

② 社外役員の状況

当社の社外取締役は2名、社外監査役は3名であります。

社外取締役の川﨑望は、同氏が経営する会社の代表取締役社長経験者としての豊富な経験と高い見識を活かして、監督・提言を行っております。

当社と同氏との関係は、同氏が代表取締役を務める大阪コンピュータ工業株式会社が当社の創業時の共同出資者であり、本書提出日現在において、同氏と同社とで当社の普通株式410,000株を保有(うち同社を通した間接保有分360,000株)しております。その他には、当社と同氏との間には、人的関係または取引関係その他の利害関係はありません。

社外取締役の松見芳男は、大手商社及び、ベンチャーキャピタルの代表取締役社長経験者としての豊富な経験と高い見識を活かして、監督・提言を行っております。

社外監査役の政木進久は、企業活動に関わる豊富な経験と幅広い見識を有するとともに、監査役及び内部監査の経験者としての専門知識・経験等を活かして、当社の監査体制の充実に努めております。

社外監査役の西田隆郎は、税理士としての専門知識・経験等を活かして、当社の監査体制の充実に努めております。

当社と同氏との関係は、同氏は2014年12月まで当社の顧問税理士でありましたが、現在は取引関係はありません。同氏は本書提出日現在において、当社の普通株式3,000株及び新株予約権2個(2,000株)を所有しておりますが、重要性はないものと判断しております。その他には、当社と同氏との間には、人的、資本的関係または取引関係その他の利害関係はありません。

社外監査役の野村公平は、弁護士としての専門知識・経験等を活かして、当社の監査体制の充実に努めております。

同氏は本書提出日現在において、当社の普通株式5,000株を所有しておりますが、重要性はないものと判断しております。その他には、当社と同氏との間には、人的または資本的関係はありません。

当社は、社外取締役または社外監査役を選任するための独立性に関する基準または方針として明確に定めたものはありませんが、選任にあたっては、東京証券取引所の独立役員の独立性に関する判断基準及び経歴や当社との関係を踏まえて、当社経営陣からの独立した立場で社外役員としての職務を遂行できる十分な独立性が確保できることを前提に判断しております。

 

③ 社外取締役又は社外監査役による監督又は監査と内部監査、監査役監査及び会計監査との相互連携並びに内部統制部門との関係

社外取締役は、取締役会に出席して必要に応じ意見を述べるほか、適宜、監査役と相互の情報連携を行う等、取締役の業務執行を監督しております。外部講師を招いての勉強会開催時に参加して最新情勢の情報収集に努めるとともに、各役員との個別の面談を行いコミュニケーションを図るなど、外部の視点から経営上の監督や助言を行っております。

社外監査役は、常勤監査役とともに取締役会の意思決定と取締役の業務執行を監督および監視しております。取締役会に出席して必要に応じ意見を述べるほか、常勤監査役が実施する取締役との面談、各部門の往査、重要決裁書類の閲覧結果を共有し、また、会計監査人による会計監査講評に同席することにより、監査に役立てております。

 

 

4【関係会社の状況】

該当事項はありません。

 

【製造原価明細書】

 

 

前事業年度

(自 2018年7月1日

至 2019年6月30日)

当事業年度

(自 2019年7月1日

至 2020年6月30日)

区分

注記

番号

金額(千円)

構成比

(%)

金額(千円)

構成比

(%)

Ⅰ材料費

 

241,129

51.5

323,357

55.9

Ⅱ労務費

 

170,790

36.5

178,209

30.8

Ⅲ経費

※1

56,000

12.0

77,019

13.3

当期総製造費用

 

467,919

100.0

578,587

100.0

期首仕掛品たな卸高

 

12,043

 

64,188

 

合計

 

479,962

 

642,775

 

期末仕掛品たな卸高

 

64,188

 

132,351

 

他勘定振替高

※2

93,479

 

107,701

 

受注損失引当金繰入額

 

5,784

 

△5,784

 

当期製品製造原価

 

328,080

 

396,938

 

原価計算の方法

  原価計算の方法は、個別原価計算であります。

  (注)※1.主な内訳は次のとおりであります。

項目

前事業年度

(自  2018年7月1日

至  2019年6月30日)

当事業年度

(自  2019年7月1日

至  2020年6月30日)

減価償却費(千円)

50,146

63,882

 

※2.他勘定振替高の内訳は次のとおりであります。

項目

前事業年度

(自  2018年7月1日

至  2019年6月30日)

当事業年度

(自  2019年7月1日

至  2020年6月30日)

研究開発費(千円)

92,890

107,700

その他(千円)

588

1

合計(千円)

93,479

107,701

※1 販売費に属する費用のおおよその割合は前事業年度19.7%、当事業年度20.0%、一般管理費に属する費用のおおよその割合は前事業年度80.3%、当事業年度80.0%であります。

販売費及び一般管理費のうち主要な費目及び金額は次のとおりであります。

 

 前事業年度

(自 2018年7月1日

  至 2019年6月30日)

 当事業年度

(自 2019年7月1日

  至 2020年6月30日)

販売手数料

千円

5,518千円

役員報酬

83,619

92,673

給料手当

57,061

72,250

賞与引当金繰入額

4,315

6,114

減価償却費

9,487

28,612

研究開発費

183,433

207,955

1【設備投資等の概要】

当事業年度の設備投資額は総額で255,906千円であり、主に新社屋の建設費及びオプティカル事業に係るX線ナノ集光ミラー製造用の加工装置や測定器の購入費用であります。

なお、当事業年度において重要な設備の除却、売却等はありません。

 

株価(1年)
期間を変更
PER(1年/会予)
期間を変更

その他企業情報

企業価値21,218 百万円
純有利子負債-592 百万円
EBITDA・会予308 百万円
株数(自己株控除後)5,854,901 株
設備投資額256 百万円
減価償却費93 百万円
のれん償却費N/A
研究開発費208 百万円
代表者代表取締役社長  津村 尚史
資本金821 百万円
住所大阪府茨木市彩都やまぶき2丁目5番38号
会社HPhttps://www.j-tec.co.jp/

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