プロパティエージェント【3464】

直近本決算の有報
株価:7月7日時点

1年高値1,219 円
1年安値672 円
出来高3,500 株
市場東証1
業種不動産業
会計日本
EV/EBITDAN/A
PBR1.2 倍
PSR・会予N/A
ROA3.9 %
ROIC6.0 %
βN/A
決算3月末
設立日2004/2/6
上場日2015/12/22
配当・会予25 円
配当性向18.8 %
PEGレシオN/A
売上高(百万円)&収益性(%)
売上 CAGR・実績:N/A %
利益(百万円)
営利5y CAGR・実績:21.1 %
純利5y CAGR・実績:22.0 %
EPS(円) BPS(円)
配当(円)
健全性(%、倍)
セグメント別売上
セグメント別営業利益
セグメント別利益率
会社の詳細

 

3 【事業の内容】

当社は、「不動産と不動産サービスの価値を創造、向上し、社会を進化させ、人の未来を育み最高の喜びを創出する」という企業理念のもと、主に収益マンション(資産運用型投資用マンション)、居住用コンパクトマンション及び都市型アパートの開発、販売を行う「不動産開発販売事業」及び賃貸管理サービス、賃貸仲介サービス及び建物管理サービスを提供する「プロパティマネジメント事業」を中心に事業活動を展開しております。

当社の事業における当社の位置付け及びセグメントとの関連は、次のとおりであります。なお、以下に示す区分は、セグメントと同一の区分であります。

 

(不動産開発販売事業)

不動産開発販売事業では、主に収益マンション(資産運用型投資用マンション)、居住用コンパクトマンション及び都市型アパートの開発ならびに完成物件の仕入を行い、不動産投資家(以下「投資目的顧客」という)、居住を目的とするユーザー(以下「居住目的顧客」という)及び資産運用タイプ及びコンパクトタイプの居住用不動産の販売機能をもつ業者(以下「販売業者」という)に販売する事業を行なっており、資産運用型投資用マンションの販売収益が主な収益となります。

不動産の物件開発にあたっては、投資、居住いずれの目的においても、将来の売却や賃貸において、多様性を発揮するよう、資産性の高い不動産を提供するため、当社独自の幅広い土地仲介事業者等との情報ネットワークと物件開発にかかる専門的知識、当社独自の50項目以上にも及ぶ評点を行なう「スコアリング」に基づいた定量的データなどをもとに用地の仕入を行い、商品企画と設計及び施工の管理までを一括して実施しております。物件の開発エリアは主に東京23区の都心エリアを対象としており、2019年3月期及び2020年3月期の主な竣工済開発物件は以下の通りとなります。

開発物件名

地域

戸数

竣工時期

クレイシア・ヴァースクレイシア北馬込

東京都大田区

57

2018年7月

クレイシア・ヴァースクレイシア秋葉原EAST

東京都台東区

44

2018年8月

クレイシア・ヴァースクレイシア両国ルクール

東京都墨田区

53

2018年9月

クレイシア・ヴァースクレイシア両国レジェール

東京都墨田区

33

2018年9月

クレイシア・ヴァースクレイシア入谷

東京都台東区

78

2018年9月

ヴァースクレイシア芦花公園EAST・WEST

東京都杉並区

41

2018年11月

クレイシア・ヴァースクレイシア目黒都立大学

東京都目黒区

34

2018年12月

クレイシア日本橋水天宮前

東京都中央区

34

2018年12月

クレイシア・ヴァースクレイシア菊川ステーションサイト

東京都墨田区

25

2019年2月

クレイシア秋葉原ラクゼスウィート

東京都千代田区

66

2019年3月

クレイシア八丁畷ステーションサイト

神奈川県川崎市

45

2019年3月

クレイシア板橋志村

東京都板橋区

44

2019年3月

クレイシア亀戸サウスコート

東京都江東区

62

2019年5月

クレイシア三軒茶屋

東京都世田谷区

48

2019年9月

クレイシア・ヴァースクレイシア江戸川橋レーヴ

東京都文京区

33

2019年12月

クレイシア池尻大橋

東京都目黒区

41

2019年12月

クレイシア月島

東京都中央区

21

2020年3月

クレイシア・ヴァースクレイシア赤羽

東京都北区

47

2020年3月

クレイシア板橋蓮沼

東京都板橋区

33

2020年3月

クレイシア西横浜グランビュア

神奈川県横浜市

31

2020年3月

クレイシア新宿中落合

東京都新宿区

31

2020年3月

クレイシア都立大学クラッセ

東京都目黒区

23

2020年3月

クレイシア新宿ノース

東京都新宿区

31

2020年3月

 

 

物件開発のはじめとなる用地の仕入では、信託銀行、一般地主等との相対取引や不動産仲介業者が実施する入札取引への参加、裁判所が実施する不動産競売への参加など、より多くのルートから仕入れられるようにし、仕入の安定化を図っております。用地仕入後の設計及び施工はそれぞれ設計事務所や建設会社といった外注先に委託しておりますが、当社にて一級建築士である施工管理者を配置し、設計及び施工の管理をしております。当社では、物件開発地域の賃貸仲介業者にその地域の居住者属性を調査する「モデリング」という独自の手法を取り入れ、居住者を想定するというマーケットインの考え方によって商品企画を行っており、その建築地域の特性の取り込みと社内一級建築士によるデザイン、仕様等の決定を行なっております。これにより、資産性の高い、居住者に長く支持される住環境を設計することができると考えており、マンションはモノづくりであるという考えのもと、開発を実施しております。

資産運用型投資用マンションの販売にあたっては、上記にて当社が開発を行ったプロジェクトの物件を、主に個人の投資目的顧客や販売業者、海外の投資目的顧客に対して販売しております。個人の投資目的顧客に対しては、各人の資産背景を基に不動産による資産運用を用いたライフプランを設計し、税金や年金、保険等の対策も合わせた資産形成のコンサルティングを実施しております。また、2020年2月にサービスを開始した不動産クラウドファンディングサービス「Rimple」において、資産運用型投資用マンションを小口化投資商品にして、国内の個人投資目的顧客に提供しております。

居住用コンパクトマンションについては、当社の開発ノウハウや賃貸関連事業を保有しているという当社ならではの特徴と強みを活かして、単独世帯及び二人世帯を中心にライフスタイルの変化、多様性に対応できる住まいとして、「住んで良し、貸して良し」をコンセプトに住まい方の新しい選択肢を提案する形で居住目的顧客に販売しております。

都市型アパートについては、鉄骨造による丈夫な構造がもたらす確かな資産価値と利回りの高さを競争力の一つとして、富裕層の顧客を多く抱える大手仲介会社や信託銀行等を介して販売しております。

 

 

(プロパティマネジメント事業)

プロパティマネジメント事業では、賃貸管理サービス、賃貸仲介サービス及び建物管理サービスの提供をしております。

賃貸管理サービスは、当社物件を購入した投資目的顧客(以下「オーナー」という)に対して販売した資産運用型投資用マンションにおける入居者管理及び賃貸借契約管理を専門にサービスを提供しております。主なサービスとして、「集金代行サービス」及び「家賃保証サービス」を提供しております。「集金代行サービス」では、入居者とオーナーとの間で締結する賃貸借契約の管理、入居者からの家賃の集金代行、入居者が家賃滞納した場合に家賃を保証し当社が滞納請求を行なう滞納保証を行なっており、オーナーからの手数料収入が主な収益となります。「家賃保証サービス」では、当社がオーナーとサブリース契約を締結することによりオーナーから部屋を借り上げ、当社が入居者に部屋を貸し出しており、入居者からの家賃収入が主な収益となります。また、その他にもクレーム対応やメンテナンス対応等の手配も行っております。賃貸管理では、顧客に対して販売した資産運用型投資用マンションが常に高い収益を上げるように、入居率向上のための積極的なサポートを実施しております

 

(画像は省略されました)


 

賃貸仲介サービスは、当社賃貸管理物件の入居者募集及び他社管理物件の賃貸仲介を専門に取り扱う賃貸専門の店舗「ORANGE ROOM」を開設し、首都圏を中心に事業を行っており、他社管理物件の賃貸仲介による仲介手数料収入が主な収益となります。

建物管理サービスは、マンションにおける共用部分を管理組合に代わって管理するサービスを提供しております。建物管理には、専門性を要する点検・調査業務や解決が難しい管理費の督促業務があり、管理組合だけで全てを管理するのは難しいため、当社が建物管理のプロフェッショナルとして、マンションの管理を受託しております。具体的には、管理組合の運営、会計、管理員、マンションの維持または修繕に関する企画または実施の調整等の業務を行っており、管理組合からの管理受託手数料収入が主な収益となります。

 

 

(事業系統図)

 

(画像は省略されました)


 

 

3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績等の状況の概要

当事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

① 財政状態及び経営成績の状況

当事業年度におけるわが国経済は、米中貿易問題や中国景気への懸念から世界的に経済の減速感、先行き不透明感が続く状況の中、新型コロナウイルスが発生、世界的な流行へと拡大し、世界経済はリーマンショックを超える大幅な落ち込みとなり、国内においても、新型コロナウイルスの感染拡大防止が最重要事項となり、企業収益悪化、個人消費及びインバウンド消費低迷などあらゆる面で景気後退局面へ突入いたしました。これに対し、日銀は2020年3月の金融政策決定会合を前倒して、企業金融支援のための措置やETF・J-REIT買入の増額などを決定し、また、2020年4月には経済の下支えのため、国債の買い入れ上限をなくし、積極的に購入する方針を決定する追加緩和策をとるなど、政策を総動員する状況となっております。

不動産業界のうちマンション業界におきましては、首都圏の2019年度(2019年4月~2020年3月)のマンション供給戸数は前年度比22.0%減の28,563戸と1992年以来の3万戸割れとなりました。ただし、都区部のそれは、15.0%減の13,131戸となっており、首都圏エリア内においては、減少率が一番小さい状況となっております。供給面に対し販売価格の面においては、首都圏エリアの平均価格は2.2%上昇の6,055万円、㎡単価も3.0%上昇の90.1万円と平均価格は3年連続、㎡単価は8年連続のアップという結果になったものの、都区部は平均価格1.1%増の7,400万円、㎡単価は0.9%減の115.1万円と高止まっている状況となっております(㈱不動産経済研究所調べ)。

資産運用を目的とする投資用不動産につきましては、アセットクラスによって明暗が出始めているものの、住居である投資用ワンルームマンションなどは引き続き、低金利の恩恵や景気の先行き不透明な中での実物投資としての投資商品認知度の拡大、賃料の堅調さなどを背景に好調を維持しており、これに必要な投資用ローンの攻勢も変わらない状況となっております。特に賃料は、株式会社東京カンテイが集計を開始して以来、初めて首都圏の分譲マンション賃料が㎡単価3,000円を突破し、その中でも都区部の伸びが著しい状況となっております。

このような経済環境の下、当社は引き続き、立地を厳選した事業活動を継続しており、開発物件の立地優位性、堅調な賃料、投資商品としての認知度拡大などから販売価格が伸長しつつも順調に販売量を維持することができました。加えて、前事業年度からの事業方針(“足踏みダイエット”及び“登頂ダイエット”)に沿った事業活動により、全社員のコスト意識改革に成功し、これにDX(デジタル・トランスフォーメーション)プロジェクトも貢献し、売上高を伸ばしながらも、販管費削減を実現することができました。

この結果、売上高は22,674,834千円と前事業年度と比べ1,140,480千円(5.3%)の増収、営業利益は1,903,682千円と前事業年度と比べ172,879千円(10.0%)の増益、経常利益は1,545,015千円と前事業年度と比べ159,194千円(11.5%)の増益、当期純利益は954,637千円と前事業年度と比べ82,617千円(9.5%)の増益となりました。

 

 

セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。

(不動産開発販売事業)

不動産開発販売事業は、業界全体として用地価格の高騰などの影響により新築供給数は減少傾向にあるものの、当社においては仕入れ情報力と開発力を最大限に活かし、より立地にこだわった用地及び完成物件の仕入れを行い、18物件の開発用地及び完成物件を取得し、自社開発物件13物件が竣工いたしました。資産運用型投資用マンションの販売においては、当社の開発物件の立地優位性、堅調な賃料、投資商品としての認知度拡大などから想定よりも販売価格が伸長できており、販売量も順調に維持してまいりました。また、電子契約の導入やIT重説の社会実験への参画、オンライン商談の開始など、販売活動におけるDXを強く推進し、加えて全社員のコスト意識改革などが成功したことにより、販管費の削減が実現し、利益の最大化を図ることができました。さらに、自社ブランド中心の買取再販を強化したことにより、販売収益、ストック収益の拡大を図ることができ、これが財務体質の強化と市況変動リスクへの耐性強化に大きく貢献している状況にあります。そして、都市型アパートについては、早々に年間想定販売棟数の引渡しが完了し、今後の事業拡大に向けた仕入れに取組んでおります。

これらの結果、投資用マンションブランド「クレイシア」シリーズ等は441戸、居住用コンパクトマンションブランド「ヴァースクレイシア」シリーズは77戸、都市型アパートブランド「ソルナクレイシア」シリーズは7棟、その他で133戸を販売し、売上高21,975,037千円(前事業年度比5.3%増)、営業利益1,694,510千円(前事業年度比8.5%増)となりました。

 

(プロパティマネジメント事業)

プロパティマネジメント事業は、自社開発物件販売後の確実な管理契約の獲得と早期賃貸付けによる賃貸関連コストの圧縮、自社管理物件の買取再販強化による管理戸数の維持などに取組み、当事業年度末の賃貸管理戸数は2,936戸、建物管理戸数は3,379戸(82棟、80組合)となりました。

これらの結果、売上高は699,797千円(前事業年度比3.8%増)、営業利益209,171千円(前事業年度比24.1%増)となりました。

 

 

当事業年度末における財政状態は、次のとおりであります。

   (資産)

当事業年度末における流動資産は24,111,828千円となり、前事業年度末に比べ1,722,919千円増加いたしました。これは主に物件が竣工したことにより仕掛販売用不動産が1,262,125千円減少した一方、物件の竣工に加え、完成物件の購入を行ったことにより販売用不動産が2,229,200千円、物件開発のための資金及び機動的な用地獲得のための資金を調達、確保し、加えて販売による回収資金を確実に積み上げたことにより現金及び預金が863,231千円それぞれ増加したことによるものであります。固定資産は613,151千円となり、前事業年度末に比べ167,521千円増加いたしました。これは主に「SBI AI&Blockchainファンド」等への出資により投資有価証券が125,577千円増加したことによるものであります。

この結果、総資産は24,724,979千円となり、前事業年度末に比べ1,890,441千円増加いたしました。

 

   (負債)

当事業年度末における流動負債は10,798,359千円となり、前事業年度末に比べ2,098,664千円増加いたしました。これは主に自社開発物件を順調に引渡したことによる建築費の支払により買掛金が119,694千円、社債の償還が進んだことにより1年内返済予定の社債が115,000千円それぞれ減少した一方、物件開発のための資金及び機動的な用地獲得のための資金の調達を借入にて実施したことにより短期借入金が2,143,591千円増加したことによるものであります。固定負債は7,866,168千円となり前事業年度末に比べ1,104,006千円減少いたしました。これは主に物件開発のための資金及び機動的な用地獲得のための資金を社債の発行にて実施したことにより社債が385,000千円増加した一方、自社開発物件を順調に引渡したことによる借入金の返済により長期借入金が1,499,198千円減少したことによるものであります。

この結果、負債合計は18,664,528千円となり、前事業年度末と比べ994,657千円増加いたしました。

 

   (純資産)

当事業年度末における純資産は6,060,451千円となり、前事業年度末に比べ895,783千円増加いたしました。これは主に配当を148,689千円実施した一方、当期純利益954,637千円を計上したことにより繰越利益剰余金が791,308千円増加したことによるものであります。

この結果、自己資本比率は24.5%(前事業年度末22.6%)となりました。

 

 

② キャッシュ・フローの状況

当事業年度末における現金及び現金同等物は4,700,299千円と前事業年度末と比べ863,231千円(22.5%)の増加となりました。

営業活動によるキャッシュ・フローは、主に利息や法人税等の支払があったものの、たな卸資産の増加幅を抑えたことにより、販売による資金回収がこの増加幅を上回り、当事業年度は160,101千円の収入となりました。

投資活動によるキャッシュ・フローは「SBI AI&Blockchainファンド」等への出資に伴う支出により△175,845千円と、前事業年度と比べ支出が67,553千円増加いたしました。

財務活動によるキャッシュ・フローは、長期借入金の返済による支出があるものの、これを上回る短期借入金の純増減額及び長期借入れによる収入があったことにより878,975千円の収入となりましたが、営業活動によるキャッシュ・フローの支出を財務活動によるキャッシュ・フローで補っていた前事業年度と比べ、当事業年度は営業活動によるキャッシュ・フローが収入に転じているため、財務活動によるキャッシュ・フローが前事業年度ほど必要ではなかったため、収入が3,350,623千円減少いたしました。

 

③ 生産、受注及び販売の状況

a. 生産実績

該当事項はありません。

 

b. 受注実績

該当事項はありません。

 

c. 販売実績

販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

販売戸数
(戸)

 

金額
(千円)

 

前年同期比
(%)

前年同期比
(%)

不動産開発販売事業

651

88.0

21,975,037

105.3

プロパティマネジメント事業

699,797

103.8

合計

651

88.0

22,674,834

105.3

 

(注) 1.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

2.不動産開発販売事業において都市型アパート7棟を販売しておりますが、上記「販売戸数(戸)」には含まれておりません。

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において判断したものであります。

 

① 重要な会計方針及び見積り

当社の財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この財務諸表を作成するために重要となる当社の会計方針は、「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1) 財務諸表 注記事項 重要な会計方針」に記載のとおりであります。この財務諸表の作成にあたっては、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要としており、経営者は、これらの見積りについて、過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積りによる不確実性のため、これらの見積りと異なる場合があります。

なお、当社の資産の多くを占める販売用不動産及び仕掛販売用不動産の評価が当社の財務諸表に重要な影響を及ぼす事項となりますが、この評価は、対象不動産ごとの賃料の実勢、長期金利の動向、路線価の変動及び個別発生事象等に依っており、必要に応じて鑑定レポートを取るなど、より客観的に評価できるよう努めておりますが、これらの要素が予期せぬ変動をした場合には、事業年度末時点の評価と異なる結果となる場合があります。

 

② 当事業年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

当社の当事業年度の経営成績等は、期初において金融環境の悪化を懸念したことから、既存事業において”足踏みダイエット”という事業方針を立て、無理な成長をせず、コストとバランスシートのダイエットに集中するということに注力いたしましたが、結果として、想定していたほどの金融環境の悪化は起きず、東京23区の堅調な賃料と低金利の恩恵を受け、販売価格を伸長しつつも、投資商品としての認知度拡大と当社営業部門の強化による販売量維持により、前事業年度より5%増収する結果となりました。また、ダイエットという方針にのっとり、売上高を拡大しつつも販管費を削減することに成功し、当社が注視している営業利益と経常利益の拡大もともに10%超拡大することに成功いたしました。これに貢献した大きな施策の一つにDX(デジタルトランスフォーメーション)の推進があり、これによって業務の効率化(約1,800時間の工数削減)、コストの削減(約0.2億円)のみならず、社員のコスト意識改革を図ることができ、全社的改善につなげられたと考えております。

今後は、新型コロナウイルスの感染拡大により不透明な経済環境が続くと想定されるものの、不確実性があるからこその実物資産としての安定収益として、当社の取り扱う商品の需要は高まることが想定され、購入需要に影響を及ぼす長期金利も低位安定が想定されることから、この側面においては追い風の面があると考えております。しかしながら、購入者のマインドに影響する景況感や購入する際に利用する投資用ローンに影響する金融環境などは、新型コロナウイルスの影響により先行きが定まらない状況であると考えております。このような外部環境に対し、当社では引き続き成長を見据えつつも、現状においては、組織や働き方といったヒト、資産性の高い物件といったモノ、十分な資金水準と資金調達力といったカネ、DXによるダイエット及び情報活用力といった情報など、各経営資源を強化していくことが重要であると考えており、2020年3月期は、DXの推進を中心にこの土台となる部分を構築できた事業年度であると判断しております。

 

当社の資本の財源及び資金の流動性については、バランスシートのダイエットという方針のもと、自己資本比率とDERを注視指標としておき、自社ブランドを中心とした中古物件の買取再販による販売在庫の調整や他社開発物件の仕入、内部留保による資本の増強やクラウドファンディングによる資金の確保などにより財務体質の改善と資金の流動性確保に努めてまいりました。不確実性が増している昨今においては、資金の流動性が重要であると考え、高い資金水準の維持と有利子負債による資金調達のバランスを考慮した財務戦略をとっております。今後につきましても、扱う物件数が増加していることや物件の竣工に偏重があることなどから、資金の流動性をより確保することが必要であるため、適切な資金計画のもと、いつでも販売可能な中古物件の確保とそこから得られるストック収益の確保、金融機関からの機動的な運転資金の確保に向けた取引金融機関数の増加や主要取引銀行とのコミットメントラインの維持・新設などを行うことを考えております。

 

セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容は、上記と同様の内容となるため、記載を省略しております。

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。

 

当社の主力事業である収益不動産の販売において、その価格形成に大きな影響を与えるのは、賃料と金利になり、そのうち金利については、長期金利が一つの指標となっております。長期金利は、2020年3月に現金需要の高まりなどから、国債が売り優勢となったことを受け、高水準まで上昇したものの、景気悪化懸念を受け、再び低下し、この先は、新型コロナウイルスの収束次第ではあるものの、主要中央銀行の金融緩和姿勢の維持とそれを受けた各国長期金利の低位安定を背景に当面は現在の水準が続く見通しとなっております。また、不動産市況を左右する購入者マインドは景況感に左右されますが、国内が景気回復に転じるのは、新型コロナウイルスの流行状況に左右され、政府の感染拡大対策が効果を発揮し、早期に収束すれば回復軌道に復帰する見通しも立ちますが、早期に回復軌道に転じても、インバウンド需要や貿易活動が元の水準に戻るには、時間を要する見込みであり、個人消費も所得環境の悪化が重石となり、緩やかな回復ペースになるのではないかと見通しております。このような外部環境から、当社では引き続き、業界トップへの登頂を諦めず“登頂ダイエット”という事業方針のまま事業を継続する方針ではありますが、今は、ヒト(組織や働き方)、モノ(資産性の高い物件の調達)、カネ(資金水準と資金調達力)、情報(DXによる情報活用力)の強化を図るときと位置付けております。

業界全体としては、用地価格の高騰などの影響により新築供給数は減少傾向にあり、中古の取引が活発になっていたものの、不動産業への警戒感や一昨年来の不動産投資における一部の金融機関や不動産業者の不適切融資問題に加え、新型コロナウイルスの影響で、業者の選別は厳しくなっており、中古の買取能力にも優劣がついてきている状況と考えております。当社としては、仕入れ情報力と開発力を最大限に活かした新築物件の開発及び販売増加と資金力を活かした中古物件の買取及び販売増加の両輪で、引き続き、業界トップを目指しつつコストとバランスシートのダイエットを行う“登頂ダイエット”という事業方針を続けてまいります。しかしながら、新型コロナウイルスによる不確かな状況のため、立地とその開発費の低減を重要事項と捉え、新築、中古問わず、立地と買値の見極めだけは厳しくしていく方針であります。また、新型コロナウイルスの収束を見据えつつ、緊急事態宣言を契機に始まった働き方の変化を機会ととらえ、更なる働き方改革に取組み、より効率よく、生産性を落とすことのない働き方改革を行っていくことを予定しており、加えて、当事業年度より推進しているDXもさらに推進していくことから、この領域での一定の投資を予定しております。

当社は、このような経営環境、事業環境の中、更なる成長を成しえるために、「収益不動産総合商社のリーディングカンパニー」、「利益創造力の最大化」、「進化・変革とサステナビリティの共存」という中期ビジョン達成を目指し、環境の変化に敏感に対応するとともに、以下の経営課題に取り組んでまいります。

 

(1) DX(デジタルトランスフォーメーション)の推進(DX2.0への進化)

不動産業は古い業態のため、DXの余地が多くあり、ここに利益創造力の最大化のチャンスが多く存在していると考えておりました。そのため、当社では2019年度よりDX(デジタルトランスフォーメーション)の推進に本格的に取り組み、自動化・省力化による人的工数の削減やコストの削減を実現してまいりました。今後は、工数・コスト削減という視点のみならず、生産性向上というアップサイドの付加価値創造領域におけるDXを強く推進し、更なる利益創造力の最大化を図ってまいります。

 

(2) 物件開発力と市況変動リスクへの耐性の強化

主力事業における将来のパイプライン確保のためには、開発用地をはじめとする物件の調達力が非常に重要になってまいります。そのため、この領域における人材獲得をはじめとする投資の強化や関係業者とのリレーションの更なる強化などにより、圧倒的情報力を持つとともに、収益不動産デベロッパーとしてのノウハウによる強みや機動的な資金による強みを最大限に活用し、物件開発力を強化してまいります。また、新型コロナウイルスの影響により、不確実性が高まる情勢となってきていることから、物件開発力の強化と同時に、立地と買値の厳選による市況変動リスクへの耐性強化も実施してまいります。

 

(3) 財務体質の強化

新型コロナウイルスによる不確実性の高まりにより、金融機関の融資姿勢の後退の可能性は否定できない状況となっております。仮に後退局面に入ったとしても安定した資金調達を実現するため、自己資本の確保やキャッシュ・ポジションの維持・向上、優良資産の確保、ストック収入の確保などに取組み、財務体質の強化を図ってまいります。

 

(4) マーケティング力の強化及び知名度の向上

当社では、「不動産投資Times」をはじめとする各種オウンドメディアやウェブ広告を中心とするウェブマーケティングにより新規顧客の拡大を推進しております。また、2019年度には、不動産投資型クラウドファンディングのサービスサイト「Rimple」をオープンし、新しい顧客層の獲得に成功しつつあります。一方で、商品コンセプトの認知やブランド名拡散のため、投資用マンションについては「クレイシア」、コンパクトマンションについては「ヴァースクレイシア」、都市型アパートについては「ソルナクレイシア」というブランド展開をしております。今後も、これらを軸としたマーケティングに注力し、ブランドPR、コーポレートPRによる知名度向上も図りながら、更なる顧客層の拡大、新規顧客の獲得を推進し、安定した顧客基盤を構築することで、事業の安定性と発展性を向上してまいります。

 

(5) 働き方改革の推進(働き方2.0への対応)

当社では、昨今の新型コロナウイルスの影響により、急速にリモートワークが推し進められたと認識しております。現在は、ウェブ会議やメッセージツールによるコミュニケーションの実施などにより業務効率向上が図られておりますが、今後はさらに進化を遂げ、より効率よく、生産性を落とすことのない働き方2.0へと従業員の働き方も移行していく必要があると考えております。当社では、これに対し、より効率よく、より効果的な働き方となるよう、仕組、制度、システム等を検討していくこととしております。

 

(6) 組織力の強化

当社では、毎年人員規模が拡大しており、各部署の人員増加だけではなく、組織機能追加により部署数も増加しております。これに加えて、働き方改革により、場合によってはコミュニケーションが希薄になり、組織の統制と従業員のシナジー発揮に支障をきたす可能性もあると考えております。そのため、ビジョンやミッション、方針等の共有をさらに図り、役割と責任をより一層明確化し、業務の仕組化などを行うことで組織力を強化し、一貫した指揮命令系統の構築とシナジーの発揮を図ってまいります。

 

(7) 新規事業の開発

中期ビジョンにおける「進化・変革とサステナビリティの共存」という観点及び将来の成長性確保という観点において、新規事業の展開を行っていく必要があります。そのため、新規事業の展開に向けた事業開発等を積極的に検討していくことに取り組んでまいります。

 

(8) コンプライアンス経営の強化

一昨年来の一部金融機関や不動産業者の不適切融資の問題により、当社の事業領域におけるコンプライアンス体制は、より一層重要性が増しているものと認識しております。当社では、予てよりコンプライアンス経営の重要性を認識しており、重要な経営課題の1つとして、コンプライアンス体制及びコーポレート・ガバナンスの強化に努めております。その一環として、内部統制基本方針を定めており、同方針の適切な運用を行っております。また、役員・従業員におけるコンプライアンス関連規程の共有、遵守に加え、倫理観と社会的良識をもった行動により、社会から信頼される会社として認識されるよう努めてまいります。

 

 

2 【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事業上、経営上のリスク等には、以下のようなものがあります。

なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであり、将来において発生の可能性があるすべてのリスクを網羅するものではありません。

 

 (1)特に重要なリスク

  ①資産運用型投資用マンションの販売について

当社が開発・販売する不動産は、資産運用を目的として購入されるものがありますが、一般的に不動産による資産運用(不動産投資)には、入居率の悪化や家賃相場の下落による賃料収入の低下、金利上昇による借入金返済負担の増加など収支の悪化につながる様々な投資リスクが内在します。今後、一部の営業社員の説明不足等が原因で投資リスクに対する理解が不十分なまま不動産が購入されたこと等により、顧客からの訴訟等が発生した場合、当社の信頼が損なわれることにつながり、当社の業績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

また、社会情勢や経済情勢の変化により、入居率の悪化や家賃相場の大幅な下落、金融機関の融資姿勢の変化や急激な金利上昇等が発生した場合、顧客の不動産投資に支障をきたす可能性があります。特に金利の上昇は、金融機関のローンを利用する顧客も比較的多いため、借入金返済負担の増加による収支の悪化をもたらすことから、顧客の購入意欲に重要な影響を及ぼす可能性があります。その場合、顧客の不動産投資と密接な関係がある当社の業績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

加えて、当社の営業社員が代筆行為やエビデンス改竄、複数の契約書を作成するなどの不正融資に関与した場合、提携金融機関から提携及び融資を打ち切られてしまい、当社の業績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

当社はこれらのリスクに対して、定期的なコンプライアンス研修や現場での上席によるOJTによって、投資目的の顧客に十分に説明を行い、理解していただいた上で売買契約を締結するよう営業社員及びこれをサポートする社員に教育を徹底しております。また、営業社員が顧客に提示する投資シミュレーション資料などを統一、管理されたものとし、売買契約、融資斡旋を営業部門とは独立の部門が管理する体制をとるなどの体制を構築しております。加えて、賃貸相場の確認を営業部門とは独立した部門が行い、相場賃料及び金利の動向を見据えた価格設定を行い、販売後の入居者募集や集金代行などの賃貸管理から修繕等の建物管理に至るまで一貫したサービスを提供することで、顧客の長期的かつ安定的な不動産投資を全面的にサポートし、空室の発生や資産価値下落、投資収支の著しい悪化等のリスク低減に取り組んでおります。

 

 ②経済状況等の影響について

 不動産の販売は、景気動向、経済情勢、金利動向のほか、販売価格動向及び住宅税制等の影響を受け、購買者の需要動向に大きく左右される傾向があります。足許では、新型コロナウイルスの感染拡大により、景気後退局面に入っており、現時点においては、大幅な業績への影響はないものの、将来、これによって個人消費が低迷した場合、あるいはこれにより供給過剰による販売価格の大幅な下落等が発生した場合などには、購買者の購入意欲の低下や収益性の低下につながり、当社の業績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

また、当社は、東京23区の都心エリアにおいて集中して用地を仕入れ、マンションの開発における施工は外注をしております。他社との競争環境の激化により、当社が開発用地を計画通りに取得できなかった場合や不良物件を仕入れた場合、外注先の倒産などの予期せぬ事象が発生した場合には、収益性が低下し、当社の業績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

当社はこれらのリスクに対して、将来情勢を見通した仕入計画の立案や新しい販売手法の確立、適切な営業人員の確保などによる販路の維持・増加によって、過度にならない適切な成長軌道を描くよう、中長期的な計画を立てて事業運営を行うことでリスク低減を図りながら、最大限のリターンを得るよう努めております。また、開発用地に関しましても、情報ルートの多様化、増加を図るとともにこれにかかる人員を優先的に確保することで物件情報の質と量を共に維持し、施工外注先に関しては施工能力や事業継続能力などについて慎重な検討を行った上で発注し、加えて、定期的な与信管理と多数の外注先への分散発注を行うことでリスクの低減を図っております。

 

 

  ③引渡し時期による業績変動について

当社は、物件を顧客に引渡した時点で収益を認識しております。そのため、四半期ごとに当社の業績を見た場合、物件の引渡し時期に伴い、業績に偏重が生じる傾向があります。また、各物件のプロジェクトの進捗状況、販売計画、竣工時期の変更、天災やその他予想し得ない事態の発生による施工遅延、不測の事態の発生による引渡し遅延があった場合には、計画していた時期に収益が認識できず、当社の業績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

当社はこれらのリスクに対して、建設会社現場所長、設計事務所責任者、設備・電気業者責任者、当社施工管理者での月次定例会議による進捗把握で工期管理を徹底的に行い、工期に影響を及ぼす事象が発生した場合には、その代替手段も含め迅速に対応することでリスクの低減を図っております。

 

  ④契約不適合責任について

民法及び宅地建物取引業法のもと、当社は販売した物件に対して契約不適合責任を負っております。万が一、当社が販売した物件に重大な契約不適合な事象があるとされ、これを原因とする損害賠償請求が行われた場合や補修工事費用の負担が発生した場合には、当社の信用力低下とともに、当社の業績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

当社はこれらのリスクに対して、建築現場定例会議おける建築基準法の法定事項の実施確認や外注先の設計事務所による全杭打ち検査の徹底、社内一級建築士による杭打ち、鉄筋数量、コンクリート打設状況確認及び床置き前検査、上棟時検査、先行ルーム検査などによりクオリティコントロールを行うことでリスクの低減を図り、また、販売した物件において契約に不適合な事象が生じた場合に備えるため、担保責任に関する保険に加入し、建物の構造耐力上主要な部分について契約不適合に起因して耐力或いは防水性能が不十分である場合に、保険金が支払われるように対応しております。

 

  ⑤個人情報の管理について

当社は事業活動において、顧客・取引先の機密情報や個人情報を取得・保有しております。情報の取り扱いについては、細心の注意を払っておりますが、今後、不測の事態によって当社が保有する個人情報が外部流出した場合、賠償責任を課せられるリスクや当社への信用を毀損するリスク等があり、当社の業績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

当社はこれらのリスクに対して、ファイアーウォールの設定やデータアクセス権限の設定、データ通信の暗号化、セキュリティシステムの継続的な改善を行うことで情報の流出を防ぎ、リスクの低減を図っております。

 

 ⑥有利子負債への依存について

当社は、用地等の仕入資金の多くを金融機関からの借入金によって調達しております。不動産の開発は、用地の仕入から資金の回収まで2年程度と長期を要するため、必要資金の多くを長期借入金により調達しております。この資金需要により、当社の借入金残高は総資産に対し比較的高い割合となっております。このため、財務状態の健全性を保つため、手元資金とのバランスを取りながら借入額や借入時期を調整しておりますが、市場金利が上昇する局面や不動産業界または当社のリスクプレミアムが上昇した場合には、支払利息等が増加し、当社の業績に影響が及ぶ可能性があります。

また、物件の仕入資金を調達する際には、特定の金融機関に依存することなく、個別の物件毎に金融機関に融資を打診しているため、現時点では安定的に資金の調達ができておりますが、外部環境の悪化による金融機関の融資姿勢の硬直化や当社の財政状態が著しく悪化したこと等による当社の信用力低下などにより、安定的な融資が受けられなくなるなどの資金調達上の制約を受けた場合は、当社の財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

当社はこれらのリスクに対して、資金調達先の多様性を維持するため、多数の金融機関と取引を行うことで、調達減少リスクを低減するとともに、金融機関における融資上の評価に常に注視し、融資を受けるのに問題のない財務体質とするよう、自己資本比率やDCRといった財務指標を重要指標とし、これの適切な水準を維持することでリスクの低減を図っております。

 

 

 (2)重要なリスク

特に重要なリスクのほかに、当社において重要と認識しているリスクには下記のようなリスクがあります。

 ①法的規制等について

当社の属する不動産業界は、宅地建物取引業法、建築基準法、都市計画法等、不動産取引に関する多数の法的規制を受けております。当社では、事業継続のため、これら多数の法的規制に対応できる体制を構築しており、現時点において事業継続に支障をきたす事項はありませんが、今後、何らかの理由によりこれらの法的規制の大幅な変更があった場合には、販売や開発といった当社の主要な事業活動に支障をきたし、業績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

また、主に東京23区の一定の区においてワンルームマンション建築に関する条例等が制定されております。当社では、これらの条例等に沿った物件開発を行っているため、現時点においては関連する規制強化が当社の事業に影響を及ぼす可能性は少ないものと認識しております。今後、各自治体による規制強化が進められた場合には、予定していた開発が行えないなど当社の主要な事業活動に支障をきたし、業績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

法的規制について、その有効期間やその他の期限が法令等により定められているものは下表のとおりであります。

許認可等の名称

許認可番号等/有効期間

規制法令

 免許取消
条項等

宅地建物取引業者免許
 

東京都知事(4)第83227号
2019年6月12日~2024年6月11日

宅地建物取引業法

第5条、

第66条等

マンションの管理の適正化の推進に関する法律に基づく
マンション管理業者登録

国土交通大臣(3)第033619号
2015年1月14日~2020年1月13日
 

マンションの管理の適正化の推進に関する法律

第47条、
第83条等

不動産特定共同事業者許可

金融庁長官・国土交通大臣第90号

不動産特定共同事業法

第36条

 

 

 ②特定の経営者への依存について

当社設立の中心人物であり、設立以来の事業推進役である代表取締役社長中西聖は、不動産開発販売事業に関する豊富な経験と知識を有しており、経営方針や事業戦略の決定等、当社の事業活動全般にわたって重要な役割を果たしております。当社では、過度に同氏に依存しないよう、経営幹部役職員の拡充、育成及び権限委譲による業務執行体制の構築等により、経営組織の強化に取組んでおりますが、何らかの理由により同氏による当社の業務遂行が困難になった場合、当社の事業活動に影響を及ぼす可能性があります。

 

 ③人材の確保について

当社では、安定した堅実な成長を支えるため、不動産の販売、仲介、管理、用地仕入、設計・施工管理といった専門的な知識及び経験を有する優秀な人材や宅地建物取引士、建築士等の専門的な資格を有する優秀な人材を確保、育成することが重要だと考えております。このため、今後も優秀な人材の採用及び教育研修実施の機会・内容の充実により、当社の企業理念及び経営方針を理解した、当社の成長を支える社員の育成を行います。優秀な人材の確保を継続して行ってまいりますが、雇用情勢の変化等により、計画通りに人材が確保できない場合には、販売や開発といった当社の主要な事業活動に支障をきたし、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

 ④訴訟などの可能性について

当社では、コンプライアンス経営の重要性を認識しており、コーポレート・ガバナンスの強化に努めております。今後も社員に対するコンプライアンス教育を徹底するなど、コンプライアンス経営を推進してまいりますが、当社が販売した物件の瑕疵や販売時の説明不足等に起因する顧客からのクレーム等により、訴訟等が発生する可能性があります。訴訟等の内容及び結果によっては当社の業績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

 ⑤知的財産権等について

当社の事業活動において、当社の認識していない知的財産権等がすでに成立している可能性や今後、新たに第三者の知的財産権が成立する可能性があります。この場合、当社が損害賠償を含む法的責任を負う可能性があるだけではなく、当社及び当社サービスの信頼性やブランドを毀損し、当社の業績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

 ⑥新規事業について

当社は企業規模の拡大や収益の多様化を図るため、今後新規事業に積極的に取り組んでいく考えであります。この過程において、物件調達や人材投資、システム投資、広告宣伝の実施などにより追加的投資支出の発生や利益率の低下の可能性があります。また、新規事業が計画通り進捗しない場合、当社の業績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

2 【沿革】

当社は、2004年に東京都新宿区新宿において、資産運用型投資用マンションの販売及び賃貸管理等を目的として当社代表取締役社長中西聖により設立されました。

当社設立以後の経緯は、次のとおりであります。

年月

概要

2004年2月

東京都新宿区新宿に、不動産の売買、交換、流動化企画、賃貸借、仲介、代理、管理、斡旋及び鑑定・建築工事及び設備工事の企画、設計、及び施工を事業目的としたプロパティエージェント株式会社(資本金10,000千円)を設立

2004年6月

宅地建物取引業免許(東京都知事(1)第83227号)を取得

2006年5月

資本金を50,000千円に増資

2006年10月

賃貸専門の店舗「ORANGE ROOM」を豊島区池袋に開設し、賃貸仲介事業開始

2008年7月

初めての自社ブランドマンションとして「クレイシア下丸子」を販売開始

2009年1月

マンション管理業 (国土交通大臣(1)第033619号)の登録

2009年9月

本社を新宿区西新宿の新宿アイランドタワーに移転拡充

 

賃貸専門の店舗「ORANGE ROOM」を文京区小石川に移転

2011年5月

本社を新宿アイランドタワー内にて移転拡充

2012年3月

建物管理事業開始

2015年10月

自社開発不動産相場情報サイト「ふじたろう」をオープン

2015年12月

東京証券取引所JASDAQ(スタンダード)に上場

2016年4月

自社開発iOS用アプリ「ふじたろう」を提供開始

 

居住目的顧客へのコンパクトマンション直接販売開始

2016年9月

オウンドメディア「不動産投資Times」をオープン

2017年8月

ダイバーシティレジデンシャル事業における新ブランド占有第一号物件「ヴァースクレイシア銀座東」を販売開始

2017年12月

東京証券取引所市場第二部へ市場変更

2018年3月

都市型S-typeレジデンシャル事業における第一号物件「ソルナクレイシア井の頭」を販売開始

2018年7月

東京証券取引所市場第一部銘柄に指定

2018年12月

不動産特定共同事業法に基づく許可取得(金融庁長官・国土交通大臣第90号)

2020年2月

不動産クラウドファンディングサービスサイト「Rimple」をオープン

 

 

 

(5) 【所有者別状況】

2020年3月31日現在

区分

株式の状況(1単元の株式数100株)

単元未満
株式の状況
(株)

政府及び
地方公共
団体

金融機関

金融商品
取引業者

その他の
法人

外国法人等

個人
その他

個人以外

個人

株主数
(人)

15

21

53

18

12

9,666

9,785

所有株式数
(単元)

3,266

3,411

627

316

24

64,274

71,918

1,304

所有株式数の割合(%)

4.54

4.74

0.87

0.44

0.03

89.37

100.00

 

(注) 自己株式614株は、「個人その他」に6単元、「単元未満株式の状況」に14株含まれております。

3 【配当政策】

当社は、株主に対する利益還元を経営の重要な課題の一つとして認識しております。一方で、財務体質の強化と事業拡大のための内部留保の充実等を図ることも、現状においては重要な経営課題であると考えております。従いまして、今後は収益力の強化や事業基盤の整備を実施しつつ、内部留保の充実の状況、当社を取り巻く事業環境及び今後の事業展開等を勘案したうえで、株主に対して安定的かつ継続的な利益還元を実施する方針であります。なお、内部留保資金につきましては、事業拡大を目的とした中長期的な事業原資として利用していく予定であります。

また、当社は一事業年度における業績等を見極めたうえで配当することとしていることから、年1回の期末配当を基本的な方針としており、剰余金の期末配当の決定機関は株主総会であります。なお、当社は、会社法第454条第5項に規定されている中間配当をすることができる旨を定款に定めており、剰余金の中間配当の決定機関は取締役会であります。

当事業年度の剰余金の配当につきましては、上記方針のもと、1株当たり25円としております。

 

(注)基準日が当事業年度に属する剰余金の配当は、以下のとおりであります。

決議年月日

配当金の総額
(千円)

1株当たり配当額
(円)

2020年6月25日

定時株主総会決議

179,812

25.00

 

 

 

(2) 【役員の状況】

 

①役員一覧

男性8名 女性0名 (役員のうち女性の比率0%)

役職名

氏名

生年月日

略歴

任期

所有株式数

(株)

代表取締役
社長

中西 聖

1977年2月8日

1992年6月

西砂建設株式会社入社

1997年7月

大芳計画株式会社入社

1998年10月

株式会社ヴェルシステムズ入社

2004年2月

当社設立 当社代表取締役社長就任(現任)

2004年12月

株式会社ライフスペースクリエーション 取締役就任

2010年4月

日本プロパティ開発株式会社
取締役就任(現任)

(注)3

4,223,200

取締役
アセット
プランニング部部長

ダイバーシティ
レジデンシャル部部長

事業統括部部長

村田 貴志

1979年12月9日

2006年2月

当社入社

2014年10月

当社取締役就任(現任)

 

 

 

 

(注)3

35,600

取締役
経営企画部部長

財務経理部部長
 兼
 人事総務部部長

岩瀬 晃二

1983年7月21日

2006年12月

監査法人トーマツ入所

2011年10月

デロイトトーマツファイナンシャルアドバイザリー株式会社転籍

2014年10月

当社入社

2015年6月

当社取締役就任(現任)

(注)3

取締役

井河 元広 

1965年6月15日

1988年9月

株式会社富洋ハウジング入社

1993年1月

株式会社シティエステート入社

1993年11月

株式会社グリーンフロンティア入社

1996年6月 

株式会社三栄建築設計入社

1999年8月

レジデスト株式会社設立 代表取締役就任(現任)

2018年6月

当社取締役就任(現任)

(注)3

8,000

取締役

黒田 恵吾

1972年9月22日

1995年4月

シャープ株式会社入社

2000年7月

UBS証券入社

2002年6月

株式会社ローン・スター・ジャパン・アクイジッションズ入社

2007年9月

ブラックストーン・グループ・ジャパン株式会社入社

2013年10月

クロスパス・アドバイザーズ株式会社 代表取締役に就任(現任)

2020年6月

当社取締役就任(現任)

(注)4

 

 

 

役職名

氏名

生年月日

略歴

任期

所有株式数

(株)

監査役
(常勤)

長島 良一

1958年7月25日

1982年4月

三井石油開発株式会社入社

1992年12月

株式会社マップインターナショナル入社

1994年12月

同社管理本部長

2000年8月

株式会社インフォプラント入社
経営企画室長

2001年10月

同社取締役管理本部長

2005年11月

執行役員財務部門本部長

2010年10月

株式会社クロス・マーケティング入社 経営管理部長

2011年10月

株式会社クロス・コミュニケーション 監査役就任

2012年1月

株式会社ディープインパクト入社

2014年6月

当社監査役就任(現任)

(注)5

監査役
(非常勤)

髙橋 聡

1953年3月20日

1975年4月

株式会社三和銀行入社

2005年10月

オリックス不動産株式会社入社

2006年4月

オリックス不動産株式会社

執行役員

2008年4月

オリックス不動産株式会社

常務執行役員

2012年3月

オリックス不動産株式会社 

常勤監査役

2018年4月

株式会社ヨドバシホールディングス 執行役員

2019年6月

当社監査役就任(現任)

(注)5

監査役
(非常勤)

中川 紘平

1977年10月2日

2001年4月

最高裁判所司法研修所入所

2002年10月

第一東京弁護士会登録

2002年10月

TMI総合法律事務所入所

2013年1月

同事務所パートナー

2014年5月

ニューヨーク州弁護士登録

2016年4月

東京大学法科大学院客員准教授

2017年2月

NEXAGE法律事務所開設

2017年6月

当社監査役就任(現任)

2018年3月

スローガン株式会社 監査役就任(現任)

(注)5

4,266,800

 

(注) 1.取締役 井河元広、黒田恵吾は、社外取締役であります。

2.監査役 長島良一、髙橋聡、中川紘平は、社外監査役であります。

3.取締役 中西聖、村田貴志、岩瀬晃二、井河元広の任期は、2019年3月期にかかる定時株主総会の終結の時から、2021年3月期にかかる定時株主総会の終結の時までであります。

4.取締役 黒田恵吾の任期は、2020年3月期にかかる定時株主総会の終結の時から、2021年3月期にかかる定時株主総会の終結の時までであります。

5.監査役の任期は、2019年3月期にかかる定時株主総会の終結の時から、2023年3月期にかかる定時株主総会の終結の時までであります。

 

②社外役員の状況

当社の社外取締役は2名、社外監査役は3名であり、いずれの社外取締役、社外監査役とも、当社との間で人的関係、資本的関係、取引関係及びその他利害関係はなく、高い独立性を確保していると考えております。

当社は、社外取締役及び社外監査役を選任するための独立性に関する基準及び方針を明確に定めておりません。しかしながら、その選任に際しては、豊富な経験や見識、専門的な知識を備えるとともに、当社から独立した立場で客観的かつ適切な監督・監査が遂行できるかということを重視して、個別に判断しております。

また、当社は、一般株主の利益に配慮し、継続的に企業価値を高める手段のひとつとして、独立役員を届け出ております。独立役員の届出においては、一般株主と利益相反が生じるおそれのない者であるかを判断した上で、取締役会での議決権を有する社外取締役及びその他要件を満たす役員は全て指定することを基本方針としております。当社は、独立役員が他の役員との連携を密にとることにより会社情報を共有し、独立役員に期待される役割を果たすための環境を整備する方針です。
 

③社外取締役又は社外監査役による監督又は監査と内部監査、監査役監査及び会計監査との相互連携並びに内部統制部門との関係

社外取締役は、経営者から独立した第三者的立場で、取締役の職務執行が適法性や効率性含め適正に行われているかを監督する役割を担っていただくこととしております。社外取締役は、幅広い知見と豊富な経験を活かして客観的、専門的立場から当社の経営や業務全般に対して意見及び助言を行うことで、取締役会の意思決定及び業務執行の適正性を確保しており、適任であると判断しております。社外監査役は、企業経営や会計及び法律分野における豊富な経験、知識と高い見識のみならず、社外の視点をもって監査を行うことで、監査の実効性を高める役割を担っていただくこととしております。

社外監査役は内部監査担当者及び会計監査人と情報共有及び情報交換により適宜連携を図っております。社外取締役は監査役会に適宜参加することにより、内部監査担当者及び会計監査人の状況を把握し、その職務の遂行に活用しております。

 

4 【関係会社の状況】

該当事項はありません。

 

 

【売上原価明細書】

 

 

 

前事業年度

(自 2018年4月1日

至 2019年3月31日)

当事業年度

(自 2019年4月1日

至 2020年3月31日)

区分

注記
番号

金額(千円)

構成比
(%)

金額(千円)

構成比
(%)

土地売上原価

 

7,061,932

41.1

9,000,927

49.6

建物売上原価

 

9,317,970

54.3

8,389,234

46.2

転貸物件支払家賃

 

268,042

1.6

228,547

1.3

その他の原価

 

525,099

3.1

545,046

3.0

売上原価

 

17,173,045

100.0

18,163,756

100.0

 

 

※2 販売費及び一般管理費の主要な費目及び金額並びにおおよその割合は、次のとおりであります。

 

前事業年度

(自 2018年4月1日

至 2019年3月31日)

 

当事業年度

(自 2019年4月1日

至 2020年3月31日)

 

 給料及び手当

873,996

千円

865,473

千円

 賞与引当金繰入額

36,074

45,828

 役員賞与引当金繰入額

60,000

70,000

 貸倒引当金繰入額

△218

35,837

 減価償却費

17,462

28,181

 広告宣伝費

319,032

292,328

 支払手数料

208,521

272,694

 

 

 

 

 

おおよその割合

 

 

 

 

 販売費

53.7

48.4

 一般管理費

46.3

51.6

 

 

1 【設備投資等の概要】

当事業年度における設備投資の総額は18,553千円となります。その内容は、主に本社設備の更新投資等であります。

 

株価(1年)
期間を変更
PER(1年/会予)
期間を変更

その他企業情報

企業価値18,617 百万円
純有利子負債11,252 百万円
EBITDA・会予N/A
株数(自己株控除後)7,192,490 株
設備投資額19 百万円
減価償却費28 百万円
のれん償却費N/A
研究開発費N/A
代表者代表取締役社長 中西 聖
資本金596 百万円
住所東京都新宿区西新宿六丁目5番1号 新宿アイランドタワー6階
会社HPhttp://www.propertyagent.co.jp/

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