1年高値1,743 円
1年安値633 円
出来高20 千株
市場東証1
業種卸売業
会計日本
EV/EBITDA12.8 倍
PBR4.0 倍
PSR・会予2.0 倍
ROA8.1 %
ROIC17.4 %
βN/A
決算3月末
設立日2002/4/5
上場日2017/3/9
配当・会予0 円
配当性向20.1 %
PEGレシオ-3.1 倍
売上高(百万円)&収益性(%)
売上5y CAGR・予想:4.4 %
利益(百万円)
営利5y CAGR・予想:2.1 %
純利5y CAGR・予想:2.4 %
EPS(円) BPS(円)
配当(円)
健全性(%、倍)
セグメント別売上
単一セグメント、もしくはIFRS / USGAAPのため、データがありません。
セグメント別売上
単一セグメント、もしくはIFRS / USGAAPのため、データがありません。
セグメント別利益率
単一セグメント、もしくはIFRS / USGAAPのため、データがありません。
会社の詳細

3【事業の内容】

 当社は、「開発環境をイノベーションする」という経営スローガンの下、電子機器産業のエンジニアの開発における課題を解決するために、ハードウェア製作のための基礎環境として利便性の高いサービスを提供する「GUGENプラットフォーム」の運営を行っております。事業の中軸である製造・製品化のマーケットプレイス「P板.com(ピーバンドットコム)」では、電子機器の基幹部品であるプリント基板を、Eコマース(インターネットを基盤とした流通)を利用した通信販売によって、国内の産業用機器、および民生機器開発メーカー等の顧客に対して販売しております。
 プリント基板は、自動車、テレビ、スマートフォン、医療機器など、あらゆる“電子機器”に使われる基幹部品です。既存のエレクトロニクス産業の需要に加え、近年はIoT(インターネットオブシングス)や宇宙関連開発、EV、ロボット産業等の広がりや、国内でも本格化する5G(第五世代移動通信)による新規サービス、デバイスの出現により、プリント基板の需要は拡大していくものと思われます。
 創業時は、製品開発の工程の一部にあたるプリント基板製造の市場からビジネス展開を始め、現在では、基板を製造するためのデータの設計や、完成した基板への部品の実装、電子機器などを収めるケース(筐体:きょうたい)の製造等、基板製造の前後の工程においてもサービスを展開しております。これまでの実績と対応でお客様からの信頼を得られたことで、大手・中堅企業との取引が拡大し、現在では取引実績社数は2万社を越えました。
 これまでの実績に加え、2017年3月に東証マザーズ、2019年12月に東証一部に株式上場を果たしたことによる社会的信用度の向上により、注文単価の高い量産の注文が増加しております。さらに、プリント基板の設計・製造・実装を一括で利用するワンストップ・ソリューション(※)の利用頻度が高まり、併せて注文単価の増加に繋がっております。
 段階では「P板.com」が収益の柱となっておりますが、「@ele(アットマーク・エレ)」や「GUGEN(ぐげん)コンテスト」、「GUGEN Crowd」の拡大や、経営スローガンである「開発環境のイノベーションする」に基づく新たなサービス、事業を画策致します。また、他社との連携を含めた事業成長策も検討し、製品開発に対する一連のサポート体制である「GUGENプラットフォーム」を引き続き強化してまいります。

(画像は省略されました)

 

GUGENプラットフォーム、3つの成長エンジン
①:基板設計~部品実装までワンストップ利用促進による収益拡大
②:筐体やハーネスなど基板周辺部品のラインナップを充実し、顧客層を拡大
③:他社との提携を含め、事業領域を拡大する

 

 なお、当社はプリント基板のEコマース事業の単一セグメントのため、セグメント別の記載を省略しております。当社の展開する事業概要は以下のとおりになります。

 

※ワンストップ・ソリューション:必要になる作業を一度の手続きで全て完了することが出来るサービスを意味します。当社のサービスは、プリント基板の設計、製造、部品実装までウェブ上で簡単に一括で注文手続きを行うことができます。

 

(1)事業の概要

① プリント基板のEコマース「P板.com」

 当社は、プリント基板のEコマースである「P板.com」の運営を行っております。

 「P板.com」では、顧客が当社Webサイト上で選択した基板の仕様に合わせ、国内又は海外の提携仕入先の中から最適な価格・納期・品質で製造できる工場を自動選定し、4つの納期のコースに合わせた見積金額を提示します。顧客は提示された見積・納期の中から選択し、設計図をアップロードするだけでプリント基板を手軽に注文することができます。当社では、顧客から提示された基板の設計図をカスタマーサポート部にて確認した後、ただちに、提携仕入先へ自社システム上より発注を行う仕組みとなっております。工場では、通常2、3日以内に製造が完了し、顧客の手元に届けられます。

 事業のサービス別分類は、下記のとおりであります。

サービス分類

説明

設計

顧客から支給される「電気信号の流れを表した回路図」に基づき、基板を製造するためのデータを、CADソフトによって設計します。

製造

顧客から支給される基板製造用データ又は当社の設計サービスにより設計した基板製造用データに基づき、基板を製造します。事業の主力部分です。

実装

製造した基板に、電子部品を配置し、はんだで接続します。電子部品を当社側で調達を行うオプションの利用が増加しております。

その他

基板へ電子部品を実装する際に必要となる専用治具「メタルマスク」の製造、筐体の製造、部品実装済み基板や外部装置などを接続する電線(ハーネス)を加工するサービス等があります。

 

② エンジニアに向けた技術情報サイト「@ele」の運営

 プリント基板を扱う技術者のすそ野を広げるためのインフラ整備にも力を注いでおります。IoTの広がりに伴い、IT・エレクトロニクス業界のみならず、異業種からの電子機器の開発需要が増加する中、エンジニアに向けた技術情報サイト「@ele(アットマーク・エレ)」をリリースし、主に若手エンジニアの育成の後押しを行っております。プリント基板に関する専門情報を配信することで、当社への技術的信頼度を向上させるともに、当社サービスの広報活動も平行して行い、ユーザーの獲得、「P板.com」の利用拡大へと繋げております。

 

③ エンジニアの登竜門「GUGENコンテスト」の運営

 電子機器産業の持続的な発展のためには、電気・電子エンジニアの人口拡大が不可欠と考えております。そのために、当社は2009年よりエンジニアにスポット当てる「電子工作コンテスト」を開催し、自身が作成した電子工作の作品を、一般客やメディアに披露できる場を提供してまいりました。以降、毎年開催しており、2013年に「GUGEN(ぐげん)」に名称を変更し、「社会における課題を解決するデバイス」と審査基準を改め、世の中に必要とされる作品の開発を業界のエンジニアに促した結果、今までの累計で1,500作品を超える作品が誕生しております。審査員やスポンサーは業界の著名人やスタートアップ(急成長を目指す新規の立ち上げ企業)への支援企業の方等を中心に招聘し、いまではエンジニアの登竜門の場として定着しました。当社のこのような活動は、2019年の開催で11年目となり、「P板.com」の広報としての要素も兼ねた活動となっております。

 

(2)プリント基板のEコマース「P板.com」の特徴

① 試作開発に特化した新しい料金体系の提示

 新製品の開発には試作(プロトタイプの作成)が必要不可欠ですが、それに要するプリント基板の作製には高額なイニシャル費用(初期費用)が発生します。試作は1回だけでなく、2回3回と繰り返しながら製品に磨きを掛けるのが一般的であり、その都度イニシャル費用が発生することは、限られた開発コストを圧迫することになり、エンジニアの悩みの一つでした。

 そこで当社は、「異種面付工法」(※)により、イニシャル費用を大幅に効率化した上で、基板製造費用に全てを含めた料金体系を提示し、当時の一般的なプリント基板製造の相場から大幅に安く提供を行うことで、実績を拡大してまいりました。

※ 異種面付工法:定格サイズ(4~5m四方)の材料で一種類の基板のみを製造する従来の方法に対し、複数種類の基板を共に製造する工法。材料を余すこと無く使用でき、試作等で少量の基板が必要な場合に有用。

 

② 効率的な受発注管理の仕組み化

 当社のプリント基板のEコマース事業では、受発注管理を効率化し、顧客から注文を受けて製造・仕入・出荷まで、すべて自社システム内で完結させることで迅速な対応を実現しております。電子機器の根幹を支える「プリント基板」は一点ごとに意匠の異なるオーダーメイド製品ですが、基板を構成する部品は規格化されたものであることから、当社では基板仕様を汎用標準化して顧客が希望するプリント基板をインターネット上で直販する仕組みを構築し、仕入・発送まで大幅にスピードアップして、商品を迅速にエンドユーザーにお届けしております。商品の仕入・販売に関しては、店舗・営業所を保有せず、顧客からの受注機能、仕入商品の発注機能、商品の入出荷管理機能及び電話による顧客サポート機能を本社に集約しており、受発注管理のほぼ全てを自社システム内で完結し、効率化しております。

 

③ 利便性の高い見積・注文システムの構築

 スピード感を重視し製品の開発・研究を営む企業において、購買に時間をかけることなく商品を仕入れることは重要視されます。オーダーメイド品であるプリント基板は、製造を依頼するプロセスに基板製造業者との対面でのやりとりが不可欠であったため、見積取得や価格交渉に時間を割く必要がありました。当社は、その課題を解決するために、インターネット環境があれば、いつでもどこでも瞬時に見積が取得出来る「1-Click見積」システムを当社WEBサイト上に設置し、電気・電子エンジニアが製品開発時に感じる見積取得の煩わしさを解消いたしました。

 

④ 広範に渡る顧客層

 Eコマースを利用した販売形態を採用することにより、従来の対面販売型と比べ基板発注の敷居が下がり、顧客層を広げることができました。その結果、大学・高専/研究機関など公的機関、国内大手セットメーカーやそれを支える電子部品の中堅・中小企業などの法人、さらに個人事業主に至るまで試作開発案件を取り込み、累計取引者数は2万社を超え、幅広い顧客層から支持を得ております。品質への要求に対しては、ISO9001:2015規格の認証を取得し、よりよい製品やサービスの提供にコミットしております。また「納期遵守の徹底」により10年連続納期遵守率99%超え達成したこと等により当社への信頼度が向上し、大手企業・中堅企業との取引が拡大しております。

 

⑤ ファブレスによる優良な仕入先との関係構築

 当社は、自社工場を持たない、いわゆるファブレスでの運営を行っております。仕入先については、一社に依存することなく、国内外の複数の仕入先と提携することで、安定した製品の供給と、顧客の要求に沿った、より競争力のある商品を提供しております。

 仕入先とは、信頼と実績に基づき、低価格で高品質の商品を納期通りに提供して頂けるように長期にわたり安定した取引関係を築くことを基本としています。当社では、プリント基板の市場価格や需要の変動、求められる品質基準の向上、納期の短縮化を常に意識し、改善を心掛けており、当社の培ったノウハウを仕入先にも共有し、より競争力ある商品を提供いただくことも当社の役割と心得ております。

 

⑥ 取扱う商材の拡大

 プリント基板の中でも、取扱いやすさから様々な製品に採用されているリジッド基板(※1)を主軸として、フレキシブル基板(※2)、アルミ基板(※3)、リジット・フレキシブル基板(※4)などの商材を取り扱っております。近年では、LED照明等に使われるアルミ基板、EV・ロボットなど大電流制御の用途で使われる厚銅基板(※5)の需要拡大に合わせ、充実を図っております。また、プリント基板の周辺商材として、メタルマスク、筐体、ハーネス等の取扱もしております。

※1 リジッド基板:柔軟性のない硬質な材料をベースとした基板、電化製品に主として使用されている。

※2 フレキシブル基板:薄く柔軟性のある材料をベースとした基板、ウエアラブル機器やスマートフォン等に使用されている。

※3 アルミ基板:リジッド基板にアルミ材を合わせ放熱特性を高めた基板、照明機器などによく使用されている。

※4 リジッド・フレキシブル基板:硬質な材料と薄く柔軟性のある材料とを複合した基板。

※5 厚銅基板:基板上の銅箔部分が厚く大電流を流せる基板。

 

[事業系統図]

(画像は省略されました)

 

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

① 財政状態及び経営成績の状況

当事業年度(2019年4月1日~2020年3月31日)における国内の電子工業は、企業の生産性・安全性向上を背景としたパソコンやソリューションサービス等の国内需要の増加や、IoT(インターネットオブシングス)など新規成長産業関連の伸長がみられました。一方、米中通商問題の長期化などによる先行き不透明感から、幅広い業界において設備投資抑制の傾向が続き、電子部品全体では前期比で需要減少となりました。さらに年度終盤には新型コロナウイルス感染症の流行拡大による世界経済の停滞による影響が重なり、全体としては、総じて厳しい環境で推移しました。
 このような事業環境の下、当社は、新規成長産業と既存産業の両軸での売上拡大を目指し施策を進めました。当期は、全国各地のハードウェア関連の展示会への出展を強化し、新規ユーザーの獲得を推し進めるとともに、オンラインでは「インターネット広告(リスティング広告)」の最適化に取り組みました。こうした活動で、当事業年度は、4,684名(前年同期比116.3%)の新規ユーザー登録を獲得しました。
 サービス展開においては、受発注業務・製造工程の効率化により、多層基板製造と部品実装サービスの納期短縮を実現、さらに部品調達サービスAI見積(β版)をリリースし、ワンストップ・ソリューションの利用促進を図りました。また、5G(第五世代移動通信システム)の実用化に向け、通信量増大に伴う高放熱の要求にも対応したメタル放熱基板や高多層基板等、取り扱い商材のラインナップを拡大しました。さらに、IoTに特化したEMS(電子機器の一括受託生産)事業を開始、長年にわたり培ったファブレスの強みを生かし、国内外から最適な部材調達を可能とすることで、当社サービスの利用価値を高める施策を実施してまいりました。
 以上の結果、当事業年度の売上高は2,133,338千円(前年同期比1.3%増)となりました。
 利益面においては、事務所移転による一時的な賃料重複やシステム開発力強化のための人員補強などが影響し、販売費及び一般管理費は477,658千円(前年同期比9.0%増)、営業利益は247,106千円(前年同期比17.0%減)となりました。
 経常利益につきましては、東証一部への市場変更に伴う費用が発生したことにより232,023千円(前年同期比22.7%減)となりました。
 当期は、今後の売上成長を加速させるための投資フェーズと位置付け、スイス法人のシステム開発企業Swissmic SAとの資本業務提携により、受発注システム効率化に向けた共同開発を進めておりましたが、同社が世界経済減速の煽りを受け、開発継続困難な状況に陥る可能性が高まったことから、システム投資の96,048千円を減損損失として特別損失に計上いたしました。それにより、当期純利益は111,859千円(前年同期比52.6%減)となりました。

 

 当社はプリント基板のEコマース事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。なお、2020年3月期においては、新型コロナウイルス感染症の拡大が当社の経常的な営業活動に与える影響は、軽微に留まっております。

 

② キャッシュ・フローの状況

 当事業年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前事業年度末に比べ170,906千円増加し、987,707千円となりました。キャッシュ・フローの状況とその要因は以下のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 当事業年度における営業活動による資金の増加は227,008千円となりました。これは、税引前当期純利益168,904千円の計上、減価償却費の計上13,942千円、減損損失96,048千円の計上、保険解約損益△32,929千円の計上、市場変更費用19,660千円の計上、売上債権の減少60,638千円、たな卸資産の減少13,014千円、仕入債務の減少△14,634千円、法人税等の支払額△112,157千円等によります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 当事業年度における投資活動による資金の減少は14,777千円となりました。これは、有形固定資産の取得による支出△10,586千円、無形固定資産の取得による支出△28,124千円、保険解約による収入32,929千円、保険積立金の積立による支出△10,663千円等によります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 当事業年度における財務活動による資金の減少は41,323千円となりました。これは、市場変更費用の支出△19,660千円、配当金の支払△22,379千円等によります。

 

③ 生産、受注及び販売の実績

a.生産実績

 当社は、生産活動を行っていないため、生産実績は記載しておりません。

 

b.商品仕入実績

 当社はプリント基板のEコマース事業の単一セグメントであり、当事業年度における仕入実績は次のとおりであります。

当事業年度

(自 2019年4月1日

至 2020年3月31日)

金額(千円)

前年同期比(%)

1,395,559

100.6

(注)1.金額は仕入価格によっております。

2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

c.受注状況

 当社は受注から販売までの期間が短く、販売実績と近似するため記載を省略いたします。

 

d.販売実績

 当社はプリント基板のEコマース事業の単一セグメントであり、当事業年度における販売実績は次のとおりであります。

当事業年度

(自 2019年4月1日

至 2020年3月31日)

金額(千円)

前年同期比(%)

2,133,338

101.3

(注)1.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

2.主要な仕入先については、総販売実績に対する割合が100分の10以上の相手先がいないため、記載を省略いたします。

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

 当事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社が判断したものであり、将来において発生の可能性があるすべてのリスクを網羅するものではありません。

 なお、当社はプリント基板のEコマース事業の単一セグメントのため、セグメント別の記載を省略しております。

① 重要な会計方針及び見積り

 当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この財務諸表の作成にあたっての会計方針は、「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項 重要な会計方針」に記載のとおりです。なお、この財務諸表の作成にあたっては、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要としております。経営者は、これらの見積りについて、過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積りによる不確実性のため、これらの見積りと異なる場合があります。

 

② 財政状態の分析

a.資産の部

 当事業年度末における総資産は1,444,632千円となり、前事業年度末と比較して66,397千円の増加となりました。これは主に、現金及び預金170,906千円、ソフトウエア14,756千円、保険積立金10,663千円、繰延税金資産29,457千円が増加した一方、売掛金62,752千円、長期前払費用99,046千円が減少したこと等によります。

b.負債の部

 当事業年度末における負債合計は318,137千円となり、前事業年度末と比較して32,503千円の減少となりました。これは主に、未払金10,212千円が増加した一方、買掛金14,634千円、未払法人税等26,388千円が減少したこと等によります。

c.純資産の部

 当事業年度末における純資産合計は1,126,495千円となり、前事業年度末と比較して98,900千円増加となりました。これは、当期純利益111,859千円および剰余金の配当22,381千円等により利益剰余金が89,478千円、特定譲渡制限付株式の発行によりなどにより資本金が4,750千円、資本準備金が4,750千円増加したこと等によります。

 

 資金の運用は安全性の高い商品による運用方針としており、現状は現金及び預金が総資産の中心です。当期末時点の自己資本比率78.0%、また流動比率425.0%と、安全性の高い財務体質を目指しております。

 

③ 経営成績の分析

a.売上高

 当事業年度の売上高は、2,133,338千円と前事業年度と比べ26,383円(1.3%)の増収となりました。主な要因は、新規会員登録の獲得による会員数の増加及び既存顧客の顧客単価の増加と大口量産案件の受注などによるものです。

 詳細は、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ① 財政状態及び経営成績の状況」をご参照ください。

b.売上原価

 当事業年度の売上原価は、1,408,573千円と前事業年度と比べ37,514千円(2.7%)の増加となりました。主な要因としては、国内外の仕入先多様化による仕入原価の適正化によるものです。

c.販売費及び一般管理費

 当事業年度の販売費及び一般管理費は、477,658千円と前事業年度と比べ39,335千円(9.0%)の増加となりました。主な要因としては、広告宣伝費、本店移転に伴う支払家賃、株主優待費用の増加等によるものです。

d.営業外収益、営業外費用

 当事業年度の営業外収益は、4,795千円と前事業年度と比べ1,151千円(31.6%)の増加となりました。主な要因としては、協賛金収入や為替差益の増加等によるものであります。

 当事業年度の営業外費用は、19,878千円と前事業年度と比べ18,881千円(1892.8%)の増加となりました。主な要因としては、市場変更費用19,660千円の増加等によるものです。

e.特別損益

 当事業年度の特別損益は、63,119千円の損失と前事業年度と比べ100,480千円損失が増加となりました。主な要因としては、減損損失96,048千円の計上等によるものであります。

 

 これらの結果により、当事業年度の営業利益は247,106千円、経常利益は232,023千円、当期純利益は111,859千円となりました。

 

④ キャッシュ・フローの分析

 当事業年度のキャッシュ・フローの分析につきましては、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりです。

 当社の資本の財源および資金の流動性については、次のとおりであります。

 当社の運転資金需要のうち主なものは、提携仕入先への仕入原価のほか、人件費をはじめとする販売費及び一般管理費であります。なお、これらの資金需要に対しては、内部資金によりまかなっており、有利子負債による資金調達は行っておりません。

 

⑤ 経営成績に重要な影響を与える要因について

 経営成績に重要な影響を与える要因については、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載しております。

 

⑥ 経営戦略の現状と見通し

 当社は、「開発環境をイノベーションする」という経営スローガンの下、電気・電子エンジニアの開発における課題を解決するサービスを提供しております。IoTや5Gといった市場が今後本格化していき、様々な業界の新規参入が見込まれております。当社が展開しているEコマース事業の形態は、新規参入の企業にとって利用しやすい形態であり、市場の成長と共に当社の事業も拡大していくものと見込んでおります。

 このような変動する市場環境に対して、市場のニーズを満たすサービスを継続的に運用出来るように、既存サービスの拡大も積極的に取り組んでいくことで、エンジニアが抱える課題を一つでも多く解決出来るように努めてまいります。

 

⑦ 経営者の問題意識と今後の方針について

 当社が今後の事業を拡大し、継続的な成長を行うために、経営者は「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載しております課題に対処していくことが必要であると認識しております。また、IoTによる市場拡大のニーズを取り込むためには、当社の、オーダーメイドの商材をインターネット上で直販出来る仕組の利便性向上が不可欠であり、今後も強化を行っていく方針であります。

 

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

 文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社が判断したものです。

(1)経営方針

 当社は、「開発環境をイノベーションする」という経営スローガンを実践するために、以下の三つを経営理念としております。

① 新しいアイディアを行動力で形にし、ユーザーをわくわくさせ、自分たちもわくわくする

② 世の中にないシンプルでわかりやすい仕組みを構築し、ユーザー(社会)のより良い開発環境提供に貢献する

③ お互いを信頼し、同じ志の仲間と共に成長しながら、持てる能力を最大限に生かして活躍し、物心両面の幸せを追求する

 

(2)経営戦略

 当社サービスが中長期に渡り安定的な成長を続けていく為には、当社サービスを認知していただくことから、購入への誘導、さらに購入に至るまでの各フェーズに対して時流に沿ったニーズを察知し、適切な営業アプローチを「仕組み」として継続展開していくことが重要であると考えております。購入に至るまでの各フェーズに合わせた、当社の経営戦略は以下となります。

○認知  :P板.comを知っていただき、会員登録していただく

○育成  :P板.comを利用したいと思っていただく

○購入  :P板.comを利用いただく

○ファン化:P板.comのファンになっていただき、リピーターになっていただく

 

 戦略体系毎の、具体的な施策は以下となります。

① 認知

 潜在顧客にP板.comというサービスの存在を知っていただく為、GoogleやYahoo!などの検索エンジンにおいて、当社のウェブサイトが上位に表されるようにする「検索エンジン最適化(SEO対策)」の取り組みや、同検索エンジンが販売する「インターネット広告(リスティング広告)」への出稿を主軸として、その他、業界専門誌への定期的な広告出稿、電子機器産業業界の展示会への出展を行い、オンラインでの情報取得者・オフラインでの情報取得者、双方へリーチし、当社サービスの無料会員登録への誘導を同時に行っていきます。

 

② 育成

 会員登録をいただいた顧客(リード顧客)に対し、P板.comを有効活用する為の無料のサービス導入セミナーや、プリント基板の製造依頼に必要となるデータの作成ソフト(基板設計CAD)の無料講習会の実施、インターネットでの注文に不安を抱いている顧客に対しては、対面窓口の「基板コンシェル」を設けております。また、リード顧客の希望に応じ企業訪問型のサービス導入セミナーを実施し、企業内での当社サービスの利用拡大を促しております。

 

③ 購入

 一般に、プリント基板はオーダーメイドで、一点一点の仕様や意匠が異なる精密部品であり、見積りから注文、納品に至るまでのプロセスにおいては、専門知識を有する基板製造業者の営業担当との打合せが必要不可欠とされてきました。

 当社は、基板仕様を汎用標準化し、初心者でも簡単に仕様の選択ができるよう分かりやすく視覚的に表示し、瞬時に見積り回答される「1-Click見積システム」を構築いたしました。見積りから注文、納品までインターネットで完結できる仕組みで、プリント基板注文の利便性を追求しております

 

④ ファン化

 当社は、プリント基板に関する専門知識の啓蒙を目的とし、設計・製造・実装のノウハウを解説する技術セミナーの無料開催や、基板のQ&Aを動画でお届けする「目からウロコ!のQ&A便」の配信、WEBサイトでは、プリント基板製作に役立つテクニカルガイドラインの公開などを行っております。ものづくりにおける現場独自のノウハウは財産であるという考えで外部に公開しないメーカーが多い中、当社は情報を可能な限りオープンにすることで、顧客との接点拡大でファン化を図り、既存顧客の継続購入促進に繋げております。

 

(3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

 当社は、事業活動の成果を示す①売上高、②当社サービス利用の既存顧客数、③当社サービス利用の新規顧客数を重要な経営指標としております。

 

(4)経営環境及び財務上の対処すべき課題等

 当社を取り巻く環境では、新型コロナウイルス感染拡大により国内電子業界への影響が懸念される一方で、新規成長産業分野の拡大による需要増加が期待されております。当社は、従業員並びに協力関係にある皆様の安全性を確保しながら、事業活動を展開してまいります。新しい生活様式への移行で、企業間取引においてもこれまで以上にEコマースの利用が進むことが期待されますが、各企業において在宅ワークが浸透する中、電子機器開発の環境変化への対応状況が懸念されます。当社では、受注活動は従来どおりEコマースで対応し、仕入においては国内外30社程の工場との提携でリスク分散されており、当社の経常的な営業活動における影響は軽微に留まるものと想定しております。
 このような状況の中、今後もさらに成長を持続するために、以下の課題に取り組んでまいります。

① 新規顧客の獲得

 売上の持続的成長には新規顧客の獲得が不可欠です。プリント基板の国内生産額は約6千5百億円で、市場規模などを勘案すると、未だ当社サービスをご利用いただいていない潜在顧客は多く、新規顧客の獲得余地は多分にあります。近年では、とくに大手・中堅企業層の新規取引が増加しております。さらに、これからは5Gの浸透により、遠隔医療、無人配送、警備ドローン、ロボットなどのIoT関連デバイスの需要増加が見込まれます。当社の成長には、これらの顧客層をさらに開拓していくことが重要と考えております。
 新型コロナウイルス感染拡大により新しい生活様式への対応が進む中、企業の資材調達においてもEコマースの利用が進むことが想定され、当社サービスも市場獲得の商機と捉え、従業員及び協力関係のある皆様の安全性を確保しながら積極的にアプローチをしていく方針です。
 当社では、早期事業参入による先行メリットを生かしながら、検索エンジン最適化(SEO)により顧客へのアプローチを継続するとともに、これまで主に首都圏で開催していたサービス導入セミナーをWEB形式に切り替え、全国の潜在ユーザーへ展開してまいります。
 また、当社サービスの優位性である、Eコマースを利用した明朗かつ効率的に受発注できるサービスの利便性に加え、品質管理の強化と、納期遵守を徹底することで、お客様にご満足いただけるサービス作りを引き続き行ってまいります。

 

② 既存顧客への当社サービスの拡販

 事業基盤の拡大のためには、既存顧客により幅広く当社サービスをご利用いただくことが重要です。当社の独自性のひとつである、プリント基板の設計・製造・部品調達・実装等のサービスを一括でご利用いただく「ワンストップ・ソリューション」の利便性を掲げ、利用の拡大を促しております。
 また、収益源の多様化を進めるため、引き続き基板関連サービスの拡充を進め、積極的に新サービスないし新規事業に取り組んでいく考えです。当社では、新規事業として電子機器を一括で受託生産を行うEMS事業の拡大を図り、顧客の注文の特徴に合わせた技術提案を組み合わせることで、幅広くサービスをご利用いただけるよう努めてまいります。

 

③ 人材育成と業務効率化の推進

 当社は、見積作成対応から、受注・仕入先への発注、出荷まで一連の工程をシステム化することにより受発注業務の効率化を図り、少人数体制の事業運営を実現しております。また、充実した福利厚生と働きやすい環境作りを目指した結果、従業員の定着率が向上し、各個人の専門知識の習熟度が高まっております。当社では、今後の需要拡大にも安定した受発注を効率的に実行し得るシステムの構築を推進し、専門性を発揮しながら、少人数での事業運営を継続していく方針です。
 事業規模の拡大及び業務内容の多様化に対応するためには、各部門において優秀な人材の確保と育成は重要な課題であり、必要に応じて外部人材を採用しながら、内部人材の育成強化と登用に努めてまいります。

 

 

2【事業等のリスク】

 有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が提出会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。当社は、これらリスクの発生の可能性を認識して事業活動を行っておりますが、当社の株式に関する投資判断は、本項及び本書中の他の記載事項も併せて慎重に検討した上で行われる必要があると考えております。

 なお、本文中における将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであり、将来において発生の可能性があるすべてのリスクを網羅するものではありません。

 

(1)当社の事業について

① 価格競争激化の可能性について

 インターネットを通じた商品の販売は、流通構造の簡素化、販売コストや事務コスト削減などの効果を販売者にもたらします。従って取引コストの合理化に伴う商品価格の低下を招く可能性があると考えられます。また、購入者にとっても、価格比較サイトによって事業者間の価格比較が容易となったため、複数の事業者がインターネット上で価格情報を公表している場合、価格競争は激化しやすいと考えられます。当社の取扱商品について、他社がインターネット上で販売する商品が増加した場合には、当社取扱商品の一部が価格競争に陥ることにより収益力が低下し、当社の財政状態や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

② 競合について

 当社のプリント基板の通信販売事業では、競合会社が存在しております。また販売商材は異なるものの、工場用間接資材の販売では、さらに多数の競合会社が存在します。これら両方を兼ね備えた競合会社は、現在のところ多くは存在しませんが、今後、既存の通信販売事業者が、当社の取扱う商品に領域を広げたり、また工場用間接資材の通信販売事業者が基板のようなカスタム商品の販売も対象とするようになると、それら事業者との競争の激化が予想されます。

 当社は先行メリットを活かしながら顧客ニーズに合致した商品の取扱い拡大や価格面等において、競合他社との差別化を図ってまいりますが、他に優れたビジネスモデルの競合会社が現れた場合、当社の提供するサービスが陳腐化し、既存事業者や新規参入事業者を含めた競争の激化により、当社の財政状態や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

③ 新規事業について

 当社は、事業規模の拡大と収益源の多様化を進めるため、今後も引き続き、基板関連サービスの拡充など積極的に新サービスないし新規事業に取り組んでいく考えです。これによりシステム投資、広告宣伝費等の追加的な支出が発生し、利益率が低下する可能性があります。また、新サービス、新規事業を開始した際には、そのサービス、事業固有のリスク要因が加わると共に、予測とは異なる状況が発生する等により新サービス、新規事業の展開が計画どおりに進まない場合、投資を回収できず、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(2)インターネット利用のリスクについて

① インターネットを利用した営業形態への依存について

 当社は、当社の運営するインターネットサイト「P板.com」にて注文を受付け、発注管理もインターネットを利用しております。また販売促進活動も、インターネットを通じた広告掲載、電子メールによるダイレクトメール送付などを顧客への主要なアプローチ手法としております。このように主にインターネットを使用した営業形態をとっているため、インターネットを通じた商取引の信頼性が失われた場合、もしくはインターネットを通じた商取引の利便性が顧客に十分に受け入れられない場合は、当社の財政状態や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

② システム、インターネットの障害について

 当社の運営するインターネットサイト「P板.com」は、自然災害、事故及び外部からの不正アクセス等のために、インターネットによるサービスが停止する恐れがあります。

 当社では、システムトラブルの可能性を低減するために、万一の事故に備え、システム強化やバックアップ体制、ネットワークセキュリティの強化を行うなど、細心の注意を払っており、システムトラブルが発生した場合でも早期に復旧できる体制を整えております。

 しかし、大規模な自然災害や社内外の人的要因によるものを含む事故等の発生や、想定を上回るアクセスの集中等による基幹システム及びネットワークの障害等を完全に回避することは困難であり、万が一障害等が発生し、開発業務やシステムに重大な被害が生じた場合には、当社の財政状態や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

③ 検索エンジン最適化(SEO)への対応について

 GoogleやYahoo!等の検索エンジンにおいて、プリント基板に関連するキーワードをインターネット検索した際に、検索結果で当社のウェブサイトがどの程度上位に表示されるかは、マーケティングの観点から非常に重要であります。当社の運営するインターネットサイト「P板.com」の顧客の多くは、特定の検索エンジンの検索結果から誘導されてきており、当該検索エンジンからの集客数を確保するため、今後におきましてもSEO対策を実施していく予定であります。しかし、当社が適時適切にSEO対策を実施しなかった場合、または検索エンジンにおける検索アルゴリズム変更等により、これまでのSEO対策が有効に機能しなかった場合、当社への顧客流入数が想定数を下回り、当社の財政状態や経営成績に多大な影響を及ぼす可能性があります。

④ インターネットによる風評被害

 ソーシャルメディアの急激な普及に伴い、インターネット上の掲示板への書き込みや、それを要因とするマスコミ報道等による風評被害が発生・拡散した場合、その内容の正確性にかかわらず、当社の経営にとってマイナスの影響が生じ、当社の事業展開、財政状態や経営成績に影響を及ぼす恐れがあります。

 

(3)仕入・物流関係のリスク

① 仕入先への業務の委託

 当社は、主に基板に関わるサービスである設計、製造、実装やそれらに付随する業務の全部又は一部について、他社に委託しています。当社の仕入先・業務委託先は業歴も長く、当社との取引歴の長い先が中心で、安定した取引関係を維持してきましたが、何らかの事由により委託先が当社の期待通りに業務を行うことができない場合、当社の事業展開に影響を及ぼす可能性があります。

② 物流拠点の集中・依存について

 当社の国外仕入先からの、商品の納入から取引先への出荷までの一連の業務を関東地区の物流倉庫に委託しており、業務機能の集中によるリスクが存在します。リスク発生時における国外から国内への仕入先の切り替え、物流拠点の地方分散の検討など対応体制の整備は常に行っておりますが、万が一対応能力を超えるような大災害が発生した場合は、当社の財政状態や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

③ 委託配送料の値上げリスク

 商品の出荷配送を依頼している運送業者から、原油高騰等が生じた場合、委託配送料の値上げ要請を受ける可能性があり、その場合は、当社の財政状態や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(4)外部要因について

① 為替レートの変動について

 当社の輸入商品の仕入れに占める割合は約50%であり、今後も為替レートの変動を見て増減を図っていく方針であります。当該輸入の決済代金は、為替相場変動リスク回避のため、円建が中心ですが、為替相場の変動により仕入れ値が変動する可能性があります。為替レートが大幅に円安に推移した場合には、商品調達コストを押し上げる等、為替レートの変動が当社の財政状態や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

② 生産国のカントリーリスクについて

 当社の国外仕入先からの商品は、韓国・台湾・中国などアジア各国からの輸入によるものです。このためアジア各国等の政治情勢、経済環境、自然災害等により製造が滞った場合、又は輸送が困難となった場合には、当社の業績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

③ 国内の景気動向の影響について

 当社の登録会員は拡大傾向にあり、特定の顧客・業界への依存度が低いことから、当社の業績は相対的に景気変動の影響は受け難い傾向にあると思われます。しかし、国内における景気動向の変化に伴い、当社の主要な顧客の業績が急速に悪化する時期に当社が迅速かつ十分に対応できない場合、当社の財政状態や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(5)法的規制について

① 法的規制について

 当社の事業は、「不当景品類及び不当表示防止法(景品表示法)」、「特定商品取引法」、「製造物責任法」及び「不正競争防止法」等による法的規制を受けております。そのため、従業員教育の徹底、コンプライアンス体制の整備など管理体制の構築等により法令遵守の体制を整備しております。しかし、将来にわたり、販売した商品及びその広告表現等において安全上の問題や表示表現等の問題が発生する可能性があります。これらの問題が発生した場合、多額のコストや当社のイメージ低下による売上の減少等が想定され、当社の財政状態や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

② 個人情報や機密情報の保護管理について

 当社の運営するインターネットサイト「P板.com」では、利用者本人を識別できる顧客情報を保有しております。当社は、顧客情報の保護について、信頼性の高い外部サーバで当該個人情報や機密情報を保護するとともに、社内規程の策定、従業員教育等を通じ、情報の流出防止に万全を期しております。しかし、当社や委託先の関係者の故意・過失、悪意を持った第三者の攻撃又は不測の事態により、個人情報の漏洩その他不適切な処理が行われた場合、当社の社会的信用度が低下し、損害賠償を含む法的責任を追及される可能性があるほか、当社の運営する「P板.com」の信頼性等が毀損し、セキュリティシステム改修の為の多額の費用が発生する可能性があります。その結果、競争力が低下し、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

③ 知的財産権について

 当社は、第三者の知的財産権を侵害しないよう、十分な注意を払っておりますが、当社の事業分野で当社の認識していない知的財産権が既に成立している可能性又は新たに当社の事業分野で第三者による知的財産権等が成立する可能性があります。かかる場合は、第三者の知的財産権等を侵害することによる損害賠償請求や差止請求等又は当社に対するロイヤリティの支払い要求等を受けることにより、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

④ 訴訟について

 当社事業に関しては、常に顧問弁護士と相談しながら推進しております。しかし当社の事業分野のすべてにおける法的現況を把握することは困難であり、当社が把握できないところで法律を侵害している可能性は、完全には否定できません。損害賠償又は商品の販売差止等の請求を受ける場合は、当社の財政状態や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

⑤ 法令面の社員教育

 当社では、社員教育の徹底、コンプライアンス体制の整備、販売管理体制の構築、また、適宜、顧問弁護士のアドバイスを受ける等、法的規制を遵守する管理体制の整備に努めております。しかし、クレーム・トラブル等が生じた場合や、法令に違反する行為がなされた場合、及び法令改正や新たな法令制定が行われた場合には、当社の事業活動、財政状態や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(6)組織体制について

① 有能な人材の確保や育成について

 当社では、事業規模の拡大及び業務内容の多様化に対応するため、各部門にて優秀な人材の確保と育成は課題であり、必要に応じて外部人材を採用しながら、内部人材の育成強化と登用に努めております。しかし、当社の事業規模の拡大に応じた人材育成や採用等が計画通り進まないまま競争が激化する場合、また競合他社との人材獲得競争により人材が流出する場合は、適正な人材配置が困難となり、競争力低下や業容拡大の制約要因となって、当社の財政状態や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

② 自然災害、感染症流行、事故、有事等の災害復旧対策等について

 当社は、従業員の生命・安全の確保と共に被災に耐える環境の整備に努めており、地方での在宅ワーク人員の確保を行うなど、リスク分散を図っております。本社機能と事業活動、人的資源は首都圏に集中しており、地震等の自然災害や、新型コロナウイルス感染拡大など、他の事業活動継続に支障をきたす事件やテロ・紛争等が発生した場合、想定外の被災や有事の影響による業務中断や業務不能の事態、被災からの復旧遅れ等により、当社の財政状態や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

 

2【沿革】

年月

概要

2002年4月

株式会社インフローを東京都新宿区矢来町に設立(資本金1,200万円)

2002年10月

第三者割当により増資(資本金3,400万円)

2003年4月

プリント基板ネット通販サイト「P板.com(ピーバンドットコム)」本格運営開始

2004年5月

無料パターン設計CAD「CADLUS X」ダウンロード開始

2004年10月

本社を東京都新宿区二十騎町に移転

2004年11月

設計サービス開始

2005年12月

実装サービス開始

2006年5月

本社を東京都新宿区市谷田町に移転

2006年8月

無料パターン設計CAD「CADLUS XⅡ」ダウンロード開始

2009年12月

ISO9001認証取得

2010年3月

本社を東京都千代田区五番町14番地 国際中正会館に移転

2012年6月

株式会社ピーバンドットコムに社名変更

2013年7月

電子工作コンテスト後継イベント『GUGEN(ぐげん)』開催(年次開催)

2014年10月

筐体・パーツ製造サービス開始

2015年6月

対面相談サービス「基板コンシェル」開始

2015年10月

東京分室(セミナールーム)を開設

2016年5月

ハーネス加工サービス開始

2016年5月

プリント基板関連の技術啓蒙サイト「@ele(アットマーク・エレ)」開設

2017年3月

東京証券取引所市場マザーズに株式を上場(資本金14,785万円)

2018年2月

ISO9001:2015年版規格への移行認証を取得

2018年6月

監査役会設置会社から監査等委員会設置会社へ移行

2018年12月

Swissmic SA(本社:スイス)とシステム開発における業務提携を締結

2019年5月

本社を東京都千代田区五番町14番地 五番町光ビルに移転

2019年12月

東京証券取引所市場第一部へ市場変更

(5)【所有者別状況】

 

 

 

 

 

 

 

2020年3月31日現在

区分

株式の状況(1単元の株式数100株)

単元未満株式の状況

(株)

政府及び地方公共団体

金融機関

金融商品取引業者

その他の法人

外国法人等

個人その他

個人以外

個人

株主数(人)

12

28

39

26

14

6,133

6,252

所有株式数(単元)

4,515

1,791

16,449

2,110

27

20,095

44,987

1,706

所有株式数の割合(%)

10.04

3.98

36.56

4.69

0.06

44.67

100

(注)自己株式102株は、「個人その他」に1単元、「単元未満株式の状況」に2株含まれております。

3【配当政策】

 当社は、株主の皆様に対する利益還元を重要な経営課題のひとつと認識しており、業績や財務体質強化のための内部留保等を総合的に勘案しながら、安定的かつ継続的に業績の成長に見合った成果を配当していくことを基本方針としております。

 内部留保資金につきましては、事業の効率化や、将来の新規事業や既存事業拡大のための資源投入に充当するなど、一層の業績向上と競争力を高める施策に有効的に活用することで、強固な経営基盤の構築を目指してまいります。

 当社の剰余金の配当は、会社法第459条第1項の規定に基づき、取締役会の決議をもって剰余金の配当等を行うことができる旨を定款に定めておりますが、株主総会で決議することを排除するものではありません。

 当事業年度の配当につきましては、上記方針に基づき、当期の業績及び当期末における当社の財務状況を総合的に勘案し、1株当たり5円として配当(中間配当は実施しておりません。)を実施することに決定いたしました。この結果、当事業年度の配当性向は20.0%となりました。

 なお、当社は中間配当について、「取締役会の決議によって、毎年9月30日を基準日として中間配当することができる」旨を定款に定めております。

(注) 基準日が当事業年度に属する剰余金の配当は、以下のとおりであります。

決議年月日

配当金の総額

(千円)

1株当たり配当額

(円)

2020年6月25日

22,502

5

株主総会決議

(2)【役員の状況】

① 役員一覧

男性 6名 女性 -名 (役員のうち女性の比率-%)

役職名

氏名

生年月日

略歴

任期

所有株式数

(株)

代表取締役

田坂 正樹

1971年6月13日

1995年4月 株式会社ミスミ(現:株式会社ミスミグループ本社)入社

2000年4月 株式会社ブレイク・フィールド社取締役就任

2002年4月 当社設立代表取締役就任(現任)

2011年7月 gcストーリー株式会社取締役就任

(注)2

1,781,176

(注)5

取締役 COO

営業事業部長

後藤 康進

1977年2月11日

2004年11月 当社入社

2011年4月 COO(事業統括)就任

2015年6月 取締役COO就任 マーケティング・営業部長

2018年4月 取締役COO 営業事業部長(現任)

(注)2

44,142

取締役 CFO

管理部長

上田 直也

1982年5月22日

2007年7月 有限会社クリフト入社

2011年3月 当社入社

2015年6月 取締役CFO就任 管理部長(現任)

(注)2

12,948

取締役

(常勤監査等委員)

赤崎 鉄郎

1955年10月6日

1978年4月 日立製作所株式会社入社

2003年4月 日立プリンティングソリューションズ株式会社執行役員就任

2008年10月 リコープリンティングシステムズ株式会社執行役員就任

2011年4月 同社取締役常務執行役員就任

2012年4月 同社取締役専務執行役員就任

2014年4月 リコーインダストリー株式会社執行役員就任

2017年7月 同社監査役就任

2019年6月 当社取締役(常勤監査等委員)就任(現任)

(注)3

取締役

(監査等委員)

櫟木 一男

1949年5月25日

1973年4月 株式会社日本興業銀行(現:株式会社みずほ銀行)入行

2003年5月 新光証券株式会社(現:みずほ証券株式会社)常務執行役員就任

2005年4月 同社取締役専務執行役員就任

2009年5月 みずほ証券株式会社常務執行役員就任

2010年6月 日本冶金工業株式会社常勤監査役就任

2015年10月 当社監査役就任

2017年1月 株式会社アズーム取締役就任(現任)

2018年6月 当社取締役(監査等委員)就任(現任)

(注)4

2,152

 

 

役職名

氏名

生年月日

略歴

任期

所有株式数

(株)

取締役

(監査等委員)

鶴 英将

1975年11月26日

1998年4月 国際証券株式会社(現三菱UFJモルガンスタンレー証券株式会社)入社

2011年1月 株式会社AMBITION入社

2013年9月 同社取締役就任 管理部長

2013年9月 株式会社アンビション・ルームピア監査役就任

2015年10月 当社監査役就任

2017年8月 株式会社リアルエステートテクノロジーズ(現株式会社ReMatch)取締役就任

2018年6月 当社取締役(監査等委員)就任(現任)

2019年6月 パシフィックポーター株式会社取締役就任(現任)

(注)4

2,152

1,842,570

(注)1.赤崎鉄郎、櫟木一男、鶴英将は、社外取締役であります。

2.2020年3月期に係る定時株主総会終結の時から1年間

3.2019年3月期に係る定時株主総会終結の時から2年間

4.2020年3月期に係る定時株主総会終結の時から2年間

5.代表取締役田坂正樹の所有株式数は、同氏の資産管理会社である株式会社インフローが所有する株式数を含めて表示しております。

6.監査等委員会の体制は、次のとおりであります。

  委員長 赤崎鉄郎 委員 櫟木一男 委員 鶴英将

 

 

② 社外役員の状況

 当社の社外取締役は3名であり、いずれも監査等委員である取締役であります。

 監査等委員である取締役3名には、取締役会での議決権が付与され、独立した客観的な立場からの監督責任の実効性を確保することで、取締役会の牽制及び監査機能を強化しております。

 社外取締役赤崎鉄郎は、上場企業グループ会社の取締役、常勤監査役としての経験と高い見識に基づき、経営の妥当性の監督とチェック機能の強化を図ることができるものと考え、選任しております。

 社外取締役櫟木一男は、金融機関における長年の経験、また要職を歴任後、上場企業の監査役として得た豊富な知見を有しており、多様かつ客観的視点で経営の監督ができるものと考え、選任しております。

 社外取締役鶴英将は、上場企業の取締役最高財務責任者としての経験から、財務経理及び経営管理の豊富な知識を有しており、経営全般のチェック機能として当社のガバナンスが強化されるものと考え、選任しております。

 いずれの社外取締役も、当社との人的関係、取引関係及びその他利害関係はなく、独立性は確保されております。

 社外取締役を選任するための独立性に関する基準又は方針として明確に定めたものはありませんが、選任にあたっては、経歴や当社との関係を踏まえて、当社経営陣から独立した立場での社外役員としての職務を遂行できる十分な独立性が確保できることを前提に判断しております。

 コーポレート・ガバナンスにおいて、外部からの客観的、中立の経営監視の機能が重要と考えており、社外取締役3名による監査が実施されることにより、外部からの経営監視機能が十分に連携する体制が整っていると考えておりますが、引き続き更なるコーポレート・ガバナンス体制の整備・強化に努めてまいります。

 

③ 社外取締役による監督又は監査と内部監査、監査等委員会監査及び会計監査との相互連携並びに内部統制部門との関係

 当社では、三様監査の実効性確保のため、監査等委員会、会計監査人及び内部監査室と緊密な連携を保ちながら、適正な監査の実施に努めております。

 社外取締役は、監査等委員会において、内部監査室から会計監査及び内部統制監査の実施状況の報告を受け、必要に応じて説明を求める他、監査等委員会の視点から積極的に意見表明を行う等、経営監視機能の充実に努めております。常勤の監査等委員である社外取締役は、社内重要会議への出席や決裁書類の閲覧、必要に応じて担当役員・担当部門へ説明を求めた結果に関して監査調書を作成し、他の監査等委員である取締役、会計監査人、内部監査室への情報共有を行っております。また、会計監査人からは、会計監査に関する監査計画及び原則四半期ごとに監査実施状況の報告を受けております。

 

4【関係会社の状況】

 該当事項はありません。

 

売上原価明細書

 

注記

番号

前事業年度

(自 2018年4月1日

至 2019年3月31日)

当事業年度

(自 2019年4月1日

至 2020年3月31日)

区分

 

金額(千円)

構成比

(%)

金額(千円)

構成比

(%)

期首商品たな卸高

 

16,996

1.2

33,812

2.4

当期仕入高

 

1,371,488

97.6

1,379,952

96.5

輸入運賃

 

16,387

1.2

15,606

1.1

合計

 

1,404,871

100.0

1,429,372

100

期末商品たな卸高

 

33,823

 

20,798

 

商品評価損

 

11

 

 

売上原価合計

 

1,371,058

 

1,408,573

 

※1 販売費に属する費用のおおよその割合は前事業年度20%、当事業年度20%、一般管理費に属する費用のおおよその割合は前事業年度80%、当事業年度80%であります。

 販売費及び一般管理費のうち主要な費目及び金額は次のとおりであります。

 

 前事業年度

(自 2018年4月1日

  至 2019年3月31日)

 当事業年度

(自 2019年4月1日

  至 2020年3月31日)

役員報酬

61,420千円

61,295千円

給料手当

123,170

126,373

退職給付費用

4,814

5,179

賞与引当金繰入額

1,833

2,035

広告宣伝費

23,056

29,848

減価償却費

10,772

13,942

貸倒引当金繰入額

331

655

1【設備投資等の概要】

 当事業年度において重要な設備投資はありません。

 当事業年度において、減損損失96,048千円を計上しております。減損損失の内容につきましては、「第5 経理の状況 1財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項(損益計算書関係)※3減損損失」に記載のとおりであります。

 また、当事業年度において重要な設備の除却、売却はありません。

 

株価(1年)
期間を変更
PER(1年/会予)
期間を変更

その他企業情報

企業価値3,391 百万円
純有利子負債-961 百万円
EBITDA・会予264 百万円
株数(自己株控除後)4,463,704 株
設備投資額N/A
減価償却費14 百万円
のれん償却費N/A
研究開発費N/A
代表者代表取締役  田坂 正樹
資本金161 百万円
住所東京都千代田区五番町14番地 五番町光ビル4F
会社HPhttps://www.p-ban.com/

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