1年高値 | 5,350 円 |
1年安値 | 2,140 円 |
出来高 | 33 千株 |
市場 | マザーズ |
業種 | 情報・通信業 |
会計 | 日本 |
EV/EBITDA | 13.7 倍 |
PBR | 3.3 倍 |
PSR・会予 | 2.2 倍 |
ROA | 14.2 % |
ROIC | 17.6 % |
営利率 | 18.0 % |
決算 | 7月末 |
設立日 | 2001/7 |
上場日 | 2016/2/24 |
配当・会予 | 0.0 円 |
配当性向 | 0.0 % |
PEGレシオ | -5.1 倍 |
当社は『「知る」「つながる」「表現する」で新しい体験を提供し、人の生活を豊かにする』をミッションに掲げ、「技術で支えられているサービスを提供する会社」として技術を磨き、インターネット領域において様々なサービス提供を行っております。
21世紀に入り、インターネットによって人々の生活や企業の行動は大きく変化してまいりました。そしてこの進化はますますそのスピードを上げ、社会に大きな影響を与え続けるものと考えられます。当社はこうした変化を積極的に捉え、提供サービスの創造・進化を通じて、生活者の利便性や豊かさの向上、企業の付加価値創造活動の支援に貢献していくことを目指しております。
当社は利用者同士で質問・回答を寄せ合うウェブサイト「人力検索サイトはてな」を皮切りに、「はてなブログ」や「はてなブックマーク」といったUGC(User Generated Content)サービス(注1)を自社開発し運営しております。
当社の事業の中核となるUGCサービス「はてな」は、当社の運営するインターネットサービス上で会員登録を行ったユーザーとなる個人(以下「登録ユーザー」といいます。)が投稿した文章や画像、映像などのコンテンツを登録ユーザー以外のユーザーも閲覧することができるサービス群です。興味・関心を共にするユーザーが集まるコミュニティを形成することで、他のSNS(注2)との差別化が図られております。
主要なUGCサービス一覧は下記のとおりであります。
サービス名称 |
サービス機能 |
機能の概要 |
はてなブックマーク |
総務省「情報通信白書」で代表例に挙げられた、ソーシャルブックマークサービス |
任意のウェブページを登録できるオンラインブックマークサービス。他の登録ユーザーとブックマークを共有することで有益な情報源とすることができる。 |
はてなブログ |
無料で開設可能、有料で広告を非表示にできるブログサービス |
ブラウザやスマートフォンアプリから投稿・編集ができるブログサービス。2003年に提供開始した国産ブログサービス「はてなダイアリー」の後継。 |
はてなフォトライフ |
写真・動画共有サービス |
一定容量まで無料で利用可能な写真・動画共有サービス。はてなブログの記事に利用する画像のストックとしてもスムーズに連携して使用できる。 |
人力検索はてな |
利用者同士で質問・回答を寄せ合うQ&Aサービス |
登録ユーザーが投稿した質問に対して他の登録ユーザーが回答を投稿できるサービス。回答は全てのユーザーが閲覧できる。 |
当社は投稿や閲覧のための便利な機能の提供や、登録ユーザー間で交流が促進するようなコミュニティ機能の提供等により、サイトの活性化、登録ユーザー数及びユニークブラウザ数(注3)の増加を図っております。
直近3年間の、UGCサービスの登録ユーザー数並びに主要サービスの月間ユニークブラウザ数推移は下記のとおりです。
年月 |
2017年7月 |
2018年7月 |
2019年7月 |
登録ユーザー数 [万人] |
617 |
719 |
875 |
月間ユニークブラウザ数 [万人] |
22,456 |
22,546 |
19,600 |
当社の事業は「UGCサービス事業」の単一セグメントでありますが、狭義のUGCである「コンテンツプラットフォームサービス」の他に、企業向けに「コンテンツマーケティングサービス」及び「テクノロジーソリューションサービス」を展開しています。当社はコンテンツプラットフォームサービスのシステムや利用ユーザー、保有技術や10年以上に渡る運営ノウハウなどを他のサービスに活用することで、シナジー効果を得ています。
各サービスの内容は以下のとおりであります。
(画像は省略されました)
(1)コンテンツマーケティングサービス
コンテンツマーケティングとは、顧客の新規獲得や関係性維持のために、メディアやコンテンツを作成したり共有したりするマーケティング手法のことです。インターネット上におけるコンテンツマーケティングは主に、動画・画像・テキストなどのコンテンツを提供したり活用したりするマーケティング手法のことを指します。インターネット及びソーシャルメディア(注4)の普及によって、テレビCMや新聞・雑誌広告を通じて情報を得る時代から、ソーシャルメディアやUGCサービスでの話題に注目したり、気になったモノを検索したりして情報を得ることも並行して行われる時代に変化しています。広告主にとっては「見つけて貰う」ためのマーケティング活動が非常に重要になってきております。具体的には、顧客との関係を構築するために企業が自らウェブサイトを所有し(「オウンドメディア」と呼ばれます)、コンテンツを発信し、検索で発見されたりソーシャルメディアで拡散されたりするための活動です。
当社は、UGCサービス開発・運用及びユーザー行動に関する深い知見を活かし、コンテンツマーケティングサービスとして、クライアント企業がオウンドメディアを構築・運用する際に、コンテンツを管理するシステムの提供やコンテンツ自体の企画・制作、読者の誘導を支援しております。サービス内容としては、下記のとおりであります。
a. 「はてなブログMedia」サービス
「はてなブログMedia」サービスとは、オウンドメディアを所有したい企業向けに記事コンテンツの管理やSEO対策(検索エンジン最適化対策)が手軽にできるCMS(Content Management System:コンテンツ管理システム)です。具体的には、当社の「はてなブログ」や写真共有サービス「はてなフォトライフ」のシステムを利用して、当社にてクライアント企業のコンテンツデータをホスティング(注5)して管理するものであります。「はてなブログ」システムを利用したSaaS(注6)型提供であるため、アクセス負荷対策や脆弱性対策といったシステム管理に頭を悩ませることなく、コンテンツ作りに専念できると好評です。当社は、ホスティングする各クライアントのオウンドメディアに対してコンテンツ企画・編成支援なども実施しており、「はてなブログ」を利用するブロガーに寄稿を斡旋するなど、独自性の高いサービスも提供しております。当社は、「はてなブログMedia」ライセンスフィー・運用料、カスタマイズ開発料及びコンテンツ企画・支援料等を受け取っております。
b. 広告サービス
当社は、「はてなブログMedia」サービス利用顧客や他のクライアント企業(広告主)のコンテンツや商品等を当社UGCサービスのユーザー向けに告知するための、広告サービスを提供しております。広告代理店やメディアレップ(注7)による間接販売にて提供することもあります。広告サービスは以下のような構成で売上高に計上しております。
① ネイティブ広告
クライアント企業(広告主)が自社サイトのコンテンツや記事を持っておりその読者を増やしたい場合、当社UGCサービスと親和性の高いページから、ページ内コンテンツと同じデザインの誘導枠を利用して告知することができる広告商品です。広告であることを明示しながらも、媒体になじんだ適切な情報配置を行うことができる(ネイティブ)ことが特徴で、ネイティブ広告と分類されております。当社は、広告掲載期間やインプレッション数(注8)、広告掲載サイズなどに応じて、広告掲載料を受け取っております。
② タイアップ広告
クライアント企業(広告主)が告知したい商品やサービスを取材して記事コンテンツを制作します。登録ユーザーに効果的に伝達しUGCサービスを介して適切にソーシャルメディアに情報拡散されるよう、独自企画を用意するプレミアムな商品であります。当社は、広告掲載期間や制作費用等に応じて、広告掲載料を受け取っております。
③ 純広告
バナー広告・テキスト広告を中心とした広告商品です。ウェブサイト上の画像やテキストにリンクを貼ることにより、画像やテキストをクリックするとクライアント企業(広告主)のウェブサイト等を表示するものであります。当社は、広告掲載場所、インプレッション数、広告掲載サイズ等に応じて、広告掲載料を受け取っております。
(2)コンテンツプラットフォームサービス
コンテンツプラットフォームサービスとは、当社が企画・開発・運営するUGCサービスであり、ユーザーが文章や画像などのコンテンツを発信・拡散することができるプラットフォームとして見立てたものであります。当社は、スマートフォンなどのデバイスの普及や進化に対応して、より便利で使いやすくコンテンツを発信しやすいような機能を開発して提供していくことで、登録ユーザーがより魅力的なコンテンツを発信・拡散することでより多くの読者を惹きつけ、それがさらに登録ユーザーにとってコンテンツ発信のモチベーションとなるように努めております。
当社は機能開発を進めて、登録ユーザーに、UGCサービス内で無料で使える機能の他に、利便性の高い機能を備えたサービス利用プランを有料で提供しております。また、クライアント企業(広告主)がUGCサービスの読者に商品やサービスを告知することができるようにしております。当社は以下のような構成で収入として売上高に計上しております。
a. 課金収入
当社で提供するUGCサービスは全て無料で利用できますが、各サービスにおいて登録ユーザー向けに、より利便性の高い上位プランを有料で提供しております。例えば、はてなブログでは有料プランのはてなブログProに加入すると、独自ドメインを利用したり当社指定のヘッダ・フッタ表示を外してページデザインの自由度を上げたりすることができます。
b. アフィリエイト広告収入
当社はUGCサービスを広告媒体として、アフィリエイト広告を提供しております。具体的には、読者がUGCサービス上に掲載するバナーをクリックすることで、ECサイト(注9)等に誘導し、商品購入に至った場合に当該ECサイト等より手数料収入を得る、成果報酬型の広告商品であります。
(3)テクノロジーソリューションサービス
当社は、テクノロジーソリューションサービスとして、UGCサービス企画・開発・運営にて培ってきたサービス開発力やITインフラ構築力、保有する大規模データとその分析力を活かして、クライアント企業のビジネスを支援するためにユーザーによるコンテンツ投稿を促すネットサービスの企画・開発・運用を受託したり、UGCサービスに蓄積してきた膨大なコンテンツに関する分析データを用いたりして、クライアント企業にソリューションを提供しております。サービス内容としては、下記のとおりであります。
a. 受託サービス
クライアント企業の要望に応じて、オウンドメディア構築のためのコンテンツマーケティングサービスとは別に、独自のネットサービスの企画・開発・運用を受託するサービスであります。当社は主にゲーム業界、出版業界などコンテンツ産業に属する企業にそのユーザー同士が文章や画像を投稿してゲームについてコミュニケーションしたり、自作の小説やマンガを投稿して他のユーザーや読者に見て貰ったりするようなネットサービスを企画・開発・運用するサービスを提供しております。
当社は、ユーザーによる投稿や閲覧行動をクライアント企業のビジネスに活かすサービスを構想し、実装に落とし込めるものとする企画力、拡張性のある設計を素早く実装できる開発力を有しております。また、サービスの規模が拡大しても表示速度を低下させず、かつ設備を無駄に使わずローコストな状態を保てるITインフラの設計・構築・運営力に強みを持っております。当社は、クライアント企業より受託開発料及び保守・運用料等を受け取っております。
b. ビッグデータサービス
ビッグデータサービスとは、当社が保有する大量のデータ、所謂ビッグデータを処理・分析し、クライアント企業に有用な情報を提供したり、データ量の推移を可視化できるツールを提供したりすることで、クライアント企業へソリューションをもたらすSaaS型のサービスです。当社が保有する大量のデータとは、UGCサービスに投稿されるコンテンツやその閲覧データ、またそれらUGCサービスを提供する中で収集する、サーバーなどの各種ハードウエア機器やアプリケーションソフトウエアの性能(パフォーマンス)データです。
クラウド支援サービス
ウェブサイトを運用するインフラとして、従来のデータセンターサービスに加えて、Amazon Web Servicesなどのクラウドサービスがこの数年で急速に普及しております。初期費用を抑えられ、またアクセスの負荷状況にあわせて容量を短期間で増設できることを利点と捉え、特にウェブ業界においてクラウドサービスを採用する会社が増えてきています。当社は、このクラウドサービスにて稼働するサーバーやアプリケーションサービスをSaaS型で監視する「Mackerel(マカレル)」をクラウド支援サービスとして、2014年より提供しております。「Mackerel(マカレル)」では、サーバーやアプリケーションサービスの稼働状況を、異なるクラウドサービスやデータセンターサービスであっても統一的に監視することができます。また、大規模サービスであるUGCサービスの監視・運用経験を踏まえ、監視専用に多機能かつ洗練された見やすい管理画面を備えており、監視業務品質の向上に役立てることができます。一定の条件下(例えば、対象とするサーバー数の制限)では無料で利用可能なようにしてあり、ウェブサイト管理者が試しやすく使い始めやすいようなサービス形態としております。
当社は、ウェブサイト管理者より、主にサーバー数に応じた利用料、カスタマイズ導入料等を受け取っております。
以上より、当社の収入についてまとめると下記のとおりとなります。
事業 |
サービス |
収入 |
対象 |
収入概要 |
UGCサービス事業 |
コンテンツマーケティングサービス |
受託収入 |
法人 |
「はてなブログMedia」ライセンスフィー・運用料、カスタマイズ開発料及びコンテンツ企画・支援料等
|
広告収入 |
法人 (広告主) |
広告商品(ネイティブ広告、タイアップ広告、純広告)の広告掲載料 |
||
コンテンツプラットフォームサービス |
課金収入 |
個人 (ユーザー) |
有料プラン(利便性の高い上位プラン)の月額利用料 |
|
アフィリエイト広告収入 |
法人 (広告主) |
アフィリエイト広告商品の広告掲載料等 |
||
テクノロジーソリューションサービス |
受託収入 |
法人 |
受託開発料及び保守・運用料等 |
|
ビッグデータサービス収入 |
法人 (ウェブサイト管理者) |
サーバーやアプリケーションサービスを監視・管理できるサービス「Mackerel」の利用料(サーバー数に応じた利用料、カスタマイズ導入料等) |
文中における用語の説明は(注)1~9のとおりであります。
(注)1. UGC(User Generated Content)サービス
インターネット上で利用者自身がテキストや画像、映像などのコンテンツを発信することができる場を提供するサービスであります。ブログサービスの他、クチコミサイトやSNS、動画共有サービスなどがあります。
2. SNS
ソーシャルネットワーキングサービスの略称であり、インターネット上において、人と人とのつながりを促進・サポートする、コミュニティ型のウェブサイトのことであります。
3.ユニークブラウザ数
ある一定期間内にWEBサイトにアクセスした、重複のないブラウザ数のことであります。
4. ソーシャルメディア
インターネット上において誰もが参加でき、情報発信が出来るメディアであります。UGCサービスの中でも他の人との交流に重きを置いており、交流を通じて広がっていくように設計されています。
5. ホスティング
インターネットサービス提供者が、自社で管理する設備に設置された情報発信用のコンピュータ(サーバー)及びそのアプリケーションソフトウエアの機能を、遠隔から顧客に利用させるサービスのことであります。
6. SaaS
Software as a Serviceの略称で、必要な機能を必要な分だけサービスとして利用できるようにしたソフトウエア(主にアプリケーションソフトウエア)もしくはその提供形態のことであります。
7. メディアレップ
インターネット広告の一次代理店。広告代理店を二次代理店として媒体社の広告商品を販売する事業者であります。
8. インプレッション数
ウェブサイト等に掲載された広告が表示された回数のことであります。
9. ECサイト
電子商取引(eコマース)を行うウェブサイトのことであります。
[事業系統図]
以上述べた事項を事業系統図によって示すと次のとおりであります。
(画像は省略されました)
文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において、当社が判断したものであります。
(1)会社の経営の基本方針
当社は、インターネットを活用して『「知る」「つながる」「表現する」で新しい体験を提供し、人の生活を豊かにする』ことをミッションに掲げ、一般の利用者がコンテンツを発信するコンテンツプラットフォームサービス「はてな」を、技術の力を梃子に一貫して提供し続けてまいりました。
現在、上記サービスの他にコンテンツマーケティングサービスやテクノロジーソリューションサービスを新たな事業領域として、事業拡大に努めております。
コンテンツマーケティングサービスは、顧客が自らウェブサイトを所有し(オウンドメディアと呼ばれます)、コンテンツを発信、ソーシャルメディアにおいて拡散する際に、オウンドメディアを構築・運用支援するサービス「はてなブログMedia」、アフィリエイト広告等を提供しております。
テクノロジーソリューションサービスは、創業以来培ってきたサービス開発力やITインフラ構築力、保有する大規模データとその分析力を活かし、顧客にソリューションサービス(受託開発・運用サービス、サーバー監視サービス「Mackerel(マカレル)」)を提供しております。
上記の3サービスを基軸として、更なる良質なサービスや価値を創造し、発信・提供していくことで企業価値・株主価値の向上を目指しております。
(2)目標とする経営指標
当社が重視している経営指標は、売上高、営業利益及び経常利益であります。売上高、営業利益及び経常利益を継続的に成長させることにより、事業の安定的な成長による企業価値の向上、株主価値の向上を目指して参ります。
(3)中長期的な会社の経営戦略
当社は自社コンテンツプラットフォームの開発・運営を通して新規顧客を開拓しつつ、そこで獲得した資産、知見を最大限に活用して「はてなブログMedia」「Mackerel(マカレル)」などの法人顧客向けサービスを提供するハイブリッド戦略を採用しております。当該戦略を通して、読者・利用者誘導や開発ノウハウなど強みを更に強化し、自社コンテンツプラットフォームへの還元によるシナジー効果を図ってまいります。当社の主要な3サービスに関する経営戦略は以下のとおりであります。
コンテンツプラットフォームサービスにおいては、「はてなブログ」「はてなブックマーク」を始めとしたUGCサービスの利用は、スマートフォンの普及とともに、ユーザーがコンテンツを発信、拡散するサービスとして伸張しており、登録ユーザー数やユニークブラウザ数は、今後も拡大する見通しであります。より競争優位性を確保するため、継続した機能開発を継続してまいります。
コンテンツマーケティングサービスにおいては、BtoB向けストック型ビジネスである「はてなブログMedia」を成長事業として位置づけております。企業がインターネットを活用して動画、画像、テキストを提供し、潜在顧客の認知や興味関心を獲得する重要性がますます増加する見通しであります。デジタルマーケティング戦略や人材採用戦略において、オウンドメディアの活用がなされるマーケット傾向にあることから、潜在顧客に対しても、鋭意アプローチしてまいります。コンテンツ制作支援とともに、ネイティブ広告等の広告展開を実施することで、より収益獲得機会の拡大に努めてまいります。
テクノロジーソリューションサービスにおいては、受託サービスとして受託開発・運営サービスの継続的な事業展開のみならず、BtoB向けストック型ビジネスである「Mackerel(マカレル)」を成長事業と位置づけております。サーバーの監視ツールは、顧客が企業内で内製化していることが多いため、より品質の高い追加機能を継続開発のうえで、潜在顧客に対しても、鋭意アプローチしてまいります。
(4)会社の経営環境並びに対処すべき課題
① UGCサービス「はてな」の魅力の拡充
当社の事業はスマートフォンやタブレットに代表されるスマートデバイスの普及・拡大によるインターネットアクセス手段の多様化や、他のソーシャルメディアサービスの台頭など、技術や競合サービスの進化に大きく影響を受ける環境にあります。
当社は、UGCサービスの新規機能やコンテンツの提供を行うことで、サービスの魅力を増大させて登録ユーザー数並びにユニークブラウザ数を増加させていきたいと考えております。
② 新規取引先の拡大と事業基盤の強化
当社は、対前年比で売上が拡大いたしましたが、依然として既存顧客基盤への依存度が高く、当社の業績が売上高上位企業の投資動向に左右される経営環境が続いております。UGCサービス自体のアクセス増大に取り組むほか、積極的な他社への営業活動を継続的に行い、新規顧客の拡大に努めます。また、個人向け・法人向けを問わず、UGCサービスに集積した情報資産や利用者基盤を活用してテクノロジーソリューションサービスの拡大に取り組みます。
③ 広告商品の拡充、整備
インターネット広告市場は今後も更なる発展が見込まれ、広告商品の多様化が進んでおります。このような中、他社との競合優位性の確立のためには広告商品の拡充が不可欠であります。また、ユーザー保護及び広告掲載面の品質向上のため、適正な広告掲載基準を継続的に整備する必要があります。このような認識の下、当社では、広告掲載基準の継続的な見直しとともに、既存事業における新たな広告商品の開発・販売拡充を図ってまいります。
④ 組織体制及び内部管理体制の強化
当社は、積極的に企業価値を拡大していくためには、優れたサービスを構築することができる専門的技術、知識を有した優秀な人材の採用を行うとともに、最大限に能力を発揮すことができる組織体制の強化が重要な課題であると認識しております。従業員が新規サービスのアイデアを自発的に具現化する施策を行うなど、従業員のモチベーションを喚起し、イノベーションを創り出す組織文化を追及してまいります。
また、より一層の事業拡大に応じた内部管理体制の構築を図るとともに、より一層のコーポレート・ガバナンスの充実に取り組んでまいります。さらに、当社の成長速度に見合った人材の確保及び育成が重要な課題と認識しており、継続的な採用活動を行ってまいります。
⑤ 知名度の向上
当社は、UGCサービスにおいて15年以上の提供実績を持ち、個人に対しては一定の認知度を有している経営環境下にあると考えております。一方で、法人顧客に対してはその認知度が十分ではないと考えております。セミナー開催や技術カンファレンスにおける登壇などを通じて、積極的な広報活動や宣伝活動を実施し、更なる認知度の向上に取り組みます。
本書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。なお、文中における将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。
(1)当社の事業環境及び固有の法的規制に係わるリスクについて
① UGCサービス事業に関する一般的なリスク
当社は、『「知る」「つながる」「表現する」で新しい体験を提供し、人の生活を豊かにする』をミッションとしており、UGCサービスの提供を強みとしております。サービスのユニークブラウザ数は増加トレンドであり、今後も成長は継続していくと考える一方、スマートデバイスの技術革新によるユーザーニーズの変化等、今後の市場動向に不透明な面があります。そのような中、十分な機能の拡充ができず、ユニークブラウザ数を成長させられない可能性があります。また、ユーザーの嗜好は常に変化するため、他社サービスに急激に流れる可能性もあります。この場合、当社の業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
② 自然災害、不測の事故等について
当社が提供する各種サービスは、インターネットを始めとした通信ネットワーク及びコンピュータシステムにより提供されております。サービスの継続稼働のため、セキュリティ対策、設備投資、自然災害等を想定したデータセンターでのシステム運用を行っておりますが、不正手段による当社システムへの侵入、想定を上回るサービスへのアクセスに伴うシステム障害、地震・津波等の自然災害及び火災・事故・停電等の予期せぬ事象の発生によりサーバーがダウンした場合等には、当社の社会的信用やブランドイメージの低下、発生した損害の賠償金の支払等により、当社の業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
③ 個人情報保護について
当社は、UGCサービスにて登録ユーザーとなる際にユーザーのメールアドレス、生年月日の記入を、また有料プランを利用いただく際に氏名、性別、郵便番号の記入を義務づけております。よって、「個人情報の保護に関する法律」が定める個人情報取扱事業者としての義務を課されております。また、2017年5月に改正同法が施行され、今後益々個人情報管理の徹底が必要となっております。当社は、ユーザーから取得した個人情報の保護に最大限の注意を払い、個人情報の外部漏洩の防止はもちろん、不適切な利用、改ざん等の防止のため、個人情報の管理を事業運営上の重要事項と捉え、保護管理体制の確立に努めております。なお、当社は一般社団法人日本プライバシー認証機構のTRUSTeマーク(注)を取得しております。
しかしながら、当社が保有する個人情報等につき、漏洩、改ざん、不正使用等が生じる可能性が完全に排除されているとは言えません。従いまして、これらの事態が起こった場合、当社の社会的信用やブランドイメージの低下、適切な対応を行うための相当なコストの負担、発生した損害の賠償金の支払等により、当社の業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(注)TRUSTeマーク:日本プライバシー認証機構によって、個人情報をTRUSTeが策定した基準に適合して取扱っていると認証された際に発行される認証マークのこと。
④ その他の法的規制等について
当社事業を規制する主な法規制として、(ア)「電気通信事業法」、(イ)「特定電気通信役務提供者の損害賠償責任の制限及び発信者情報の開示に関する法律」(以下、「プロバイダ責任制限法」という。)、(ウ)「不正アクセス行為の禁止等に関する法律」(以下、「不正アクセス禁止法」という。)、(エ)「資金決済に関する法律」があります。
(ア)電気通信事業法により、通信の秘密の保護等の義務が課されております。当社がこの関連法令に抵触した場合、業務停止命令や登録取消し等の行政処分を受けることも想定され、このような場合には当社の業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(イ)プロバイダ責任制限法により、当社は「特定電気通信役務提供者」に該当し、不特定の者によって受信されることを目的とする電気通信による情報の流通において他人の権利の侵害があった場合に、権利を侵害された者に対して、権利を侵害した情報を発信した者に関する情報の開示義務を課されております。また、権利を侵害した情報を当社が媒介したことを理由として、民法の不法行為に基づく損害賠償請求を受ける可能性もあり、これらの点に関し訴訟等の紛争が発生した場合には当社の業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(ウ)不正アクセス禁止法により、当社は不正アクセス禁止法における「アクセス管理者」として、努力義務ながら不正アクセス行為からの一定の防御措置を講ずる義務が課されております。罰則はありませんが、この義務を遵守できない場合には当社の社会的信用やブランドイメージの低下等により、当社の業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(エ)当社は「はてなポイント」を利用して有料プランの購入を可能としているため、資金決済に関する法律の「自家型発行者」として登録を受けており、同法、関連政令、府令等の関連法令を遵守し業務を行っております。しかしながら、当社がこれらの関連法令に抵触した場合、業務停止命令や登録取消し等の行政処分を受けることも想定され、このような場合には当社の業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
⑤ 知的財産権について
当社は、第三者の特許権、商標権等の知的財産権に関して、外部の弁理士などを通じて調査する等、その権利を侵害しないよう留意するとともに、必要に応じて当社の知的財産権の登録等について申請することで、当該リスクの回避を検討しております。しかしながら、当社の認識していない知的財産権が既に成立している可能性や当社の事業分野で第三者による知的財産権が成立する可能性があること等から、当社による第三者の知的財産権の侵害が生じる可能性は否定できず、仮に当社が第三者の知的財産権を侵害した場合には、当該第三者より、損害賠償請求、使用差し止め請求、ロイヤルティの支払い要求などが発生する可能性があり、その場合には、当社の業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
また、当社はインターネットサービスを提供するにあたって独自にプログラムを開発しております。このプログラム(ソースコード)が不正アクセスやコピーによって外部に流出し、競合となるサービスに利用される場合には、当社の業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
⑥ 訴訟を受けるリスクについて
当社は、ブログなど、一般のユーザーが情報をウェブ上に公開することができるプラットフォームを提供しております。ユーザーによる情報発信は即時に公開できるため、ユーザーによる情報発信によって名誉毀損を受けたとして、第三者から当社が訴訟などを受ける可能性があります。当社は、名誉毀損などの指摘については、プロバイダ責任制限法等を参照しつつ利用規約やガイドラインに基づき対応することとしています。しかしながら、第三者から当社が訴訟などを受ける場合には、当社の社会的信用やブランドイメージの低下など、当社の業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(2)経営成績及び財政状態に影響を及ぼすリスク要因について
① 特定の得意先への依存について
当社は、売上高上位企業の投資動向に左右される場合があります。また、当社が運営するコンテンツプラットフォームサービスでは、サイト内検索エンジンや広告枠運用、解析ツールなど多くのツールにおいて、特定既存顧客の製品を利用しております。UGCサービスの集客の過半数についても特定既存顧客の検索エンジンに頼っております。
今後、検索エンジンからの集客を強化すべく検索エンジン対策を行う他に、コンテンツマーケティングサービス及びテクノロジーソリューションサービスにおいて新規得意先の開拓を行うなど、特定顧客基盤に依存しない収益体制を構築すべく努めてまいります。
しかしながら、何らかの理由により特定既存顧客との関係に変化が生じた場合、当社の業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
② インターネット広告市場について
近年、インターネット広告市場は拡大傾向にありますが、企業の広告宣伝活動が景気動向の影響を受けやすいこと、ユーザーの利用するデバイス環境に変化が生じる可能性があること、季節要因による変動があること、広告販売に活用している広告代理店やメディアレップの営業戦略や営業力などの影響を受けること、今後も他の広告媒体との競合が継続していくと考えられることから、今後においてこれらの状況に変化が生じた場合、当社の業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
③ 競合について
当社UGCサービスは興味・関心を共にするユーザーが集まるコミュニティの繋がりにより他のSNSとの差別化が図られております。またテクノロジーソリューションサービスにおいては、そのUGCサービスを自社で企画構想から開発すること及びサービスを大規模に運用することを一貫して実行できることが、当社の強みであると認識しております。
しかしながら、今後資本力、マーケティング力、より高い知名度や専門性を有する企業等の参入及びその拡大が生じる可能性があり、競争の激化やその対策のためのコスト負担などにより、当社の業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
④ 事業拡大に伴う継続的な設備投資について
当社のUGCサービス事業は、サーバーなどインフラ機器を介してサービスを提供するため、これらの機器を置くデータセンターへの継続的な投資が欠かせません。当社は昨今で拡大しているクラウドサービスには国内で提供された初期段階から利用するなど、少ない投資で効率的にインフラを運営するノウハウを獲得しております。しかしながら、今後データセンター事業者やクラウドサービス事業者同士の競争状況の鈍化や新技術の浸透低下などにより、投資額が膨らみ、効率的なインフラ運営ができなくなった場合、当社の業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
⑤ ソフトウエア資産の減損について
当社はアプリケーション、データベースを開発し、それらを活用して他社向けに主にテクノロジーソリューションサービスとして提供しております。それらの開発に係わるコストについて、資産性のあるものについては自社サービス用のソフトウエアとして無形固定資産に計上し、費用化すべきものについては各事業年度において販売費及び一般管理費として費用化しております。自社サービス用ソフトウエアの開発においては、プロジェクト推進体制を整備し、慎重な計画の立案・遂行に努めております。しかしながら、当該開発が市場のニーズに合わないことにより利用価値が低下する場合や、重大なバグ(不良箇所)等の発生によりソフトウエアとして機能しなくなる場合には、これらを減損処理する可能性があります。その場合、一時に多額の費用が発生するため、当社の業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
⑥ 不適切な広告配信に対する監視体制の強化について
当社は、顧客に対する価値を担保するために、不正な広告表示、錯誤を誘発する広告表示及び違法コンテンツを掲載するインターネットメディアへの広告配信の監視、また、成人向け広告の取り扱いに関する社内方針を定め、該当する広告取引の減少に努めております。しかしながら、万一、予期せぬ要因により、これらの対応に不備が生じた場合、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
⑦ サービス運営の健全性について
当社が提供する一部のサービスでは、ユーザーがコメント等を投稿することが可能となっており、健全性を欠くコメントが投稿される可能性や、他のユーザーを誹謗中傷するコメントが投稿される可能性があります。当社では、サイト運営に関して利用規約をサイト上に明示し、サービスの適切な利用を促すように努めるとともに人的・機械的の両面で恒常的に監視し、利用規約に違反する不適切な投稿やユーザーについては削除することによって健全なサイト運営を維持しております。しかしながら、不適切な投稿に対して当社が十分な対応ができない場合には、当社がサービス運営者としての信頼を失い、当社の事業展開、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
⑧ 利用ユーザーの継続率について
当社のサービスにとって、利用ユーザーの継続率は重要な要素であり、ユーザーの利便性の向上やサービスの拡充等の施策を通じて、継続率の維持向上を図っております。しかしながら、施策の見誤り等により継続率が想定を大きく下回る事態が続いた場合、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
⑨ 情報管理体制について
当社では、当社が提供するサービスの利用者を識別できる情報や顧客が保有する個人情報を知り得る場合があります。当社ではこれらの個人情報を取り扱う際の個人情報保護規程を制定するとともに、社内教育を徹底する等、個人情報の保護に積極的に取り組んでおります。しかしながら、外部からの不正アクセスや人為的ミス等により知り得た情報が漏洩した場合には、当社の社会的信用の失墜等により、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(3)当社の事業運営体制に係わるリスクについて
① 人材の確保及び育成について
当社は、事業の拡大と合わせ、今後、積極的に優秀な人材、特にエンジニアスキル及びマネジメントスキルの高い人材を確保及び育成していき、組織体制をより安定させることに努めてまいりますが、計画通りに人材の確保及び育成が出来ない場合や、事業の中核をなす社員に不測の事態が生じた場合、当社の業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
② 小規模組織ついて
当社は、当事業年度末において、取締役(社外取締役を含む)4名、監査役(社外監査役を含む)3名、従業員150名未満と小規模な組織であり、内部管理体制もこれに応じたものとなっております。当社では企業価値の持続的な増大を図るにはコーポレート・ガバナンスが有効に機能することが不可欠であるとの認識のもと、業務の適正性及び財務報告の信頼性の確保、更に健全な倫理感に基づく法令遵守の徹底が必要と認識しており、今後の事業規模の拡大に応じて内部管理体制の一層の充実を図っていく方針であります。しかしながら、これらの施策が適時適切に進行しなかった場合には、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
③ 株式価値の希薄化について
当社は役員及び従業員に対し、当社の業績向上への意欲や士気を一層高めることを目的として、新株予約権付与によるストック・オプション制度を採用した実績があります。また、今後においてもストック・オプション制度を活用していくことを検討することがあります。
また今後、新株予約権発行のほか、新株、新株予約権付社債等を発行する可能性があり、これらの発行及び行使により当社の1株当たりの株式価値に希薄化が生じる可能性があります。また、これらの行使による需給の変化が当社株式の株価形成に影響を及ぼす可能性があります。
④ 配当政策について
当社は設立以来、配当を実施した実績はありませんが、株主に対する利益還元を重要な経営課題であると認識しており、事業基盤の整備状況、業績や財政状態などを総合的に勘案のうえ、配当をしていきたいと考えております。
ただし、当面は、事業基盤の整備を優先することが株主価値の最大化に資するとの考えから、その原資となる内部留保の充実を基本方針とさせていただく所存であります。
年月 |
事項 |
2001年7月 |
インターネットによる情報提供サービスを事業目的として、京都府京都市下京区にて有限会社はてな(資本金3,000千円)設立。 |
2001年7月 |
質問やアンケートを投稿して疑問や悩みを解決するQ&Aサイト「人力検索サイトはてな」 サービス開始。 |
2003年3月 |
ブログサービス「はてなダイアリー」 サービス開始。 |
2004年2月 |
株式会社はてなに改組。 |
2004年4月 |
東京都渋谷区に本店移転。 |
2005年1月 |
写真・動画共有サービス「はてなフォトライフ」 サービス開始。 |
2005年2月 |
リスティング広告((注)1.) 営業開始。 |
2005年8月 |
新しい情報体験を提供する、ソーシャルブックマークサービス((注)2.) 「はてなブックマーク」 サービス開始。 |
2005年12月 |
タイアップ広告を販売開始。 |
2006年7月 |
Google Ireland LTDとのアフィリエイト広告におけるプレミアム契約((注)3.)開始。 |
2007年7月 |
ブログにワンクリックで☆((注)4.)が付けられるサービス「はてなスター」 サービス開始。 |
2007年12月 |
ミニブログサービス((注)5.)「はてなハイク」 サービス開始。 |
2008年5月 |
東京都目黒区に本店移転。 |
2009年3月 |
カラースターショップ((注)6.)にて販売されている、はてなスターの色違いバージョン「カラースター」 サービス開始。 |
2012年10月 |
東京都港区に本店移転。 |
2012年11月 |
当社で企画・構築支援を行った任天堂株式会社のネットワークサービス「Miiverse(ミーバース)((注)7.)」が公開・運用開始。 |
2013年1月 |
「はてなダイアリー」をフルリニューアルしたブログサービス「はてなブログ」 サービス開始。 |
2013年1月 |
はてなユーザーとTwitterユーザーが利用できるコミュニティサービス「はてなスペース」 サービス開始。 |
2014年3月 |
企業向けオウンドメディア((注)8.)支援サービス「はてなブログ Media」 サービス開始。 |
2014年8月 |
アドベリフィケーション((注)9.)機能「BrandSafe はてな」 サービス開始。 |
2014年9月 |
クラウド支援サービス((注)10.)「Mackerel」 サービス開始。 |
2016年2月 |
東京証券取引所マザーズ市場に株式を上場。 |
2016年6月 |
ソニー株式会社との共同事業開始。 |
2017年7月 |
任天堂株式会社とのゲーム連動サービス「イカリング2」共同開発・運用開始。 |
2019年4月 |
任天堂株式会社とのゲーム連動サービス「スマプラス」共同開発・運用開始。 |
2019年6月 |
「Mackerel」が東日本電信電話株式会社の「クラウド導入・運用サービス」で採用。 |
(注)1.ユーザーが検索エンジンでキーワードを入力し、検索した結果に連動して表示される広告。
2.インターネット上にブックマークを保存し、複数のパソコン等からブックマークを共有する仕組み。
3.Google Ireland LTDが一律に提供する約款に基づく契約ではなく、当社との個別契約を締結したこと。
4.「ちょっといいな」と思った気持ちを既存のブログにワンクリックで☆がつけられる仕組み。
5.まとまった文章を投稿するのではなく、数十から百文字程度の短文を投稿するようにデザインされているブログサービス。
6.はてなポイントやクレジットカード等の決済方法でカラースターを購入できるインターネット上のショップ。
7.任天堂のゲーム機「Wii U」と「ニンテンドー3DS」に内蔵されているネットワークサービス。
8.ユーザーとの深い関係性を目的として企業やメディアが自ら構築・運営するサイトのこと。
9.広告主が意図していない不適切なサイトへの広告配信を防ぐ仕組み。
10.クラウドとはクラウドコンピューティングの略語で、ネットワーク、特にインターネットをベースとしたコンピュータ資源の利用形態。当社のクラウド支援管理サービスは、クラウドサービスにて稼働するサーバーやアプリケーションサービスの稼働状況を監視することができるサービスのこと。
当社は、株主に対する利益還元を経営上の重要課題と認識しており、財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状態や今後の事業計画等を十分に勘案し、利益還元策を決定していく所存であります。
当事業年度は配当を実施しておりませんが、これは当社は現在成長過程にあるため、内部留保の充実を図り、企業体質の強化、事業の効率化と事業拡大のための投資等に充当し、なお一層の事業拡大を目指すことが、株主に対する最大の利益還元に繋がると考えているためであります。
剰余金の配当を行う場合には、年1回の期末配当を考えており、配当の決定機関は株主総会であります。
また、当社は中間配当を取締役会決議で行うことができる旨を定款に定めております。
① 役員一覧
男性6名、女性1名(役員のうち女性の比率14.3%)
役職名 |
氏名 |
生年月日 |
略歴 |
任期 |
所有株式数 (株) |
代表取締役 社長 |
栗栖 義臣 |
1978年3月6日生 |
2002年4月 TIS株式会社入社 2008年10月 当社入社 2012年7月 当社 第4グループプロデューサー 2013年8月 当社 第2サービス開発本部長 2014年2月 当社 サービス開発本部長 2014年7月 当社 取締役 2014年8月 当社 代表取締役社長(現任) |
(注)3 |
65,000 |
取締役 ビジネス開発本部長 |
毛利 裕二 |
1968年8月24日生 |
1996年3月 株式会社ユー・エス・エデュケーション・ネットワーク(現:株式会社アビタス)入社 1998年4月 同社 取締役 2000年1月 株式会社キャリアアクセス 取締役 2001年11月 株式会社オプティマ 取締役 2007年4月 株式会社アイレップ 執行役員 2007年10月 株式会社あいけあ 取締役 2010年10月 当社入社 2010年11月 当社 取締役 ビジネス開発本部長 2011年2月 当社 取締役副社長 ビジネス開発本部長 2014年8月 当社 取締役 ビジネス開発本部長(現任) |
(注)3 |
27,900 |
取締役 |
近藤 淳也 |
1975年11月2日生 |
2001年7月 有限会社はてな(現:当社)設立 2004年2月 当社 代表取締役社長 2014年8月 当社 代表取締役会長 2017年10月 株式会社OND 代表取締役社長(現任) 2017年10月 当社 非常勤取締役(現任) |
(注)3 |
1,073,274 |
取締役 |
リチャード チェン |
1969年6月1日生 |
1992年1月 Barclays Global Investors マーケティング・ストラテジスト 1999年7月 オプトメール株式会社 代表取締役社長 2002年8月 Google Inc.シニアビジネスプロダクト マネージャー 2007年5月 カリフォルニア大学バークレー校財団 理事 2010年6月 AngelPad メンター 2011年7月 当社 取締役(現任) |
(注)3 |
6,900 |
役職名 |
氏名 |
生年月日 |
略歴 |
任期 |
所有株式数 (株) |
監査役 (常勤) |
柴崎 真一 |
1957年6月6日生 |
1983年12月 株式会社野村総合研究所入社 1992年6月 同社 主任研究員 2002年6月 株式会社やさしい手 顧問 2003年10月 同社 常勤監査役 2009年5月 株式会社シャルレ 顧問 2009年6月 同社 常勤監査役 2013年7月 当社 顧問 2013年10月 当社 常勤監査役(現任) |
(注)4 |
- |
監査役 |
中村 勝典 |
1956年6月4日生 |
1983年12月 監査法人サンワ東京丸の内事務所(現:有限責任監査法人トーマツ)入所 1987年4月 中村勝典税理士事務所設立 所長(現任) 2003年2月 中村勝典公認会計士事務所設立 所長 2003年5月 株式会社ティエスエスリンク 社外監査役 2004年8月 シティア公認会計士共同事務所設立 共同代表(現任) 2012年6月 株式会社マースエンジニアリング(現:株式会社マースグループホールディングス) 社外監査役 2012年10月 当社 監査役(現任) 2015年6月 株式会社マースエンジニアリング(現:株式会社マースグループホールディングス) 社外取締役(現任) 2016年5月 株式会社アズ企画設計 社外監査役(現任) 2017年5月 株式会社三弘社 社外監査役(現任) 2017年5月 株式会社ケー・ティー・アローズ 社外監査役(現任) 2017年6月 株式会社ジェノメンブレン社外監査役(現任) |
(注)4 |
- |
役職名 |
氏名 |
生年月日 |
略歴 |
任期 |
所有株式数 (株) |
監査役 |
砂田 有紀 (旧姓 佐藤) |
1977年5月27日生 |
2005年10月 山本綜合法律事務所(現:山本・柴崎法律事務所)入所 2006年5月 ホワイト&ケース法律事務所入所 2013年10月 弁護士法人苗村法律事務所(現:弁護士法人虎門中央法律事務所) 社員 2014年9月 学校法人立教学院立教大学 兼任講師 2014年11月 株式会社T&Cコンサルティング 取締役 2015年3月 公益社団法人セーブ・ザ・チルドレン・ジャパン 監事 2015年5月 当社監査役(現任) 2016年6月 株式会社ZUU 社外監査役(現任) 2016年6月 一般財団法人如水会 監事(現任) 2016年9月 株式会社ディー・エル・イー 社外監査役(現任) 2016年12月 King & Wood Mallesons法律事務所・外国法共同事業パートナー 2018年9月 一般財団法人社会変革推進機構 監事(現任) 2018年10月 株式会社ネットプロテクションズホールディングス 社外取締役(監査等委員)(現任) 2019年1月 創・佐藤法律事務所 パートナー(現任) |
(注)4 |
- |
計 |
1,173,074 |
(注)1.取締役 リチャード・チェンは、社外取締役であります。
2.監査役 中村勝典及び砂田有紀は、社外監査役であります。
3.取締役の任期は2019年10月24日の定時株主総会終結の時から2020年7月期に係る定時株主総会終結の時までであります。
4.監査役の任期は2019年10月24日の定時株主総会終結の時から2023年7月期に係る定時株主総会終結の時までであります。
5.当社では、意思決定・監督と執行の分離による取締役会の活性化のため、執行役員制度を導入しております。執行役員は、コーポレート本部長田中慎樹、サービス・システム開発本部長大西康裕の2名であります。
6.当社は、法令に定める監査役の員数を欠くことになる場合に備え、会社法第329条第3項に定める補欠監査役1名を選任しております。補欠監査役の略歴は次のとおりであります。
補欠監査役の任期は、就任したときから退任した監査役の任期の満了の時までであります。
氏名 |
生年月日 |
略歴 |
所有株式数 (株) |
片岡 圭太 |
1963年8月2日生 |
1994年4月 弁護士登録(第一東京弁護士会) 川崎友夫法律事務所入所 2004年4月 インテグラル法律事務所設立 2011年8月 涼風法律事務所パートナー(現任) 2017年1月 株式会社ブライセン 社外監査役(現任) |
- |
② 社外役員の状況
当社の社外取締役は1名、社外監査役は2名であります。
社外取締役のリチャード・チェン氏は、主要な取引先の出身者等ではなく独立性が高いこと、一般株主と利益相反のおそれがないこと、並びに、長年にわたり従事するIT業界の豊富な経験と幅広い見識を有しており、また、当社のUGCサービスに対しても深い知見と実績を有しており、それらを当社の経営に反映していただくことを目的として、社外取締役(独立役員)に選任しております。なお、同氏は当社株式を6,900株保有しておりますが、その保有株式数は僅少であり、同氏との間には、人的関係、資本的関係または取引関係等、特別の利害関係はありません。
社外監査役である中村勝典氏は、主要な取引先の出身者等ではなく独立性が高いこと、一般株主と利益相反のおそれがないこと、並びに、公認会計士の資格を有しており、当社の事業・財務・組織等に関する十分な知識を有され、長年の公認会計士業務にて培われた専門知識とご経験が、当社のコーポレート・ガバナンス体制のさらなる強化に貢献いただけるものと考え、社外監査役(独立役員)として適任であると判断し、選任しております。なお、同氏との間には、人的関係、資本的関係または取引関係等、特別の利害関係はありません。
社外監査役である砂田有紀氏は、主要な取引先の出身者等ではなく独立性が高いこと、一般株主と利益相反のおそれがないこと、並びに、弁護士の資格を有しており、弁護士としての実務を通じて培われた専門知識とご経験、並びに社外の立場より、新たな観点で当社のコーポレート・ガバナンス体制を監視、監査いただけるものと考え、社外監査役(独立役員)として適任であると判断し、選任しております。なお、同氏との間には、人的関係、資本的関係または取引関係等、特別の利害関係はありません。
現在、当社の社外取締役及び社外監査役の独立性に関する基準は制定しておりませんが、選任にあたっては、候補者の経歴、資本的関係、取引関係、当社との人的関係、その他の利害関係の有無等を考慮した上で、東京証券取引所が「上場管理等に関するガイドライン」において、一般株主と利益相反の生じるおそれがあると判断する場合の判定要素の規定を十分精査したうえで、当社の企業統治において、社外取締役及び社外監査役が果たすべき機能及び役割を確保することができる方々を招聘することを基本としております。
③ 社外取締役又は社外監査役による監督又は監査と内部監査、監査役監査及び会計監査との相互連携並びに内部統制担当者との関係
当社は、社外取締役による業務執行者から独立した監視・監督機能及び監査役・監査役会による当該機能の両輪を核としたガバナンス体制が適切であると判断しております。
当社監査役と内部監査担当者は、定期的に連絡会を開催し、内部監査と監査役監査の監査結果を共有し、相互補完することにより、実効的かつ効率的な監査を行っています。
当社監査役と内部統制担当者は、会計監査人との情報及び意見交換を行い、密接な連携を保ち、法令等の遵守及びリスク管理等に関する内部統制システムの有効性を確認するとともに、監査の実効性と効率性を確保しております。
内部監査担当者、監査役及び会計監査人は、三様監査の一環として、監査結果等の情報・意見交換や協議を適宜行う等、相互連携を図っています。会計監査人も必要に応じて、直接的に内部監査担当者に対してヒアリングを行い、それぞれ実効性のある監査を実施しています。また、社外取締役への情報提供を強化するため、社外取締役との意見交換を適宜行い、監査活動を通じて得られた情報の提供を行っています。
関連会社1社を有しておりますが、持分法非適用の関連会社であるため、記載しておりません。
【売上原価明細書】
|
|
前事業年度 (自 2017年8月1日 至 2018年7月31日) |
当事業年度 (自 2018年8月1日 至 2019年7月31日) |
||
区分 |
注記 番号 |
金額(千円) |
構成比 (%) |
金額(千円) |
構成比 (%) |
1 システム開発原価 |
|
|
|
|
|
Ⅰ 労務費 |
|
131,956 |
70.3 |
158,672 |
69.5 |
Ⅱ 経費 |
※ |
26,610 |
14.2 |
32,102 |
14.0 |
Ⅲ 外注費 |
|
29,189 |
15.5 |
37,751 |
16.5 |
当期総製造費用 |
|
187,755 |
100.0 |
228,527 |
100.0 |
仕掛品期首たな卸高 |
|
9,248 |
|
29,206 |
|
合計 |
|
197,004 |
|
257,733 |
|
仕掛品期末たな卸高 |
|
29,206 |
|
34,347 |
|
ソフトウエア振替高 |
|
80,084 |
|
96,457 |
|
当期製造原価 |
|
87,713 |
|
126,929 |
|
2 ソフトウエア償却費 |
|
23,134 |
|
36,555 |
|
3 その他原価 |
|
62,224 |
|
68,241 |
|
売上原価合計 |
|
173,072 |
|
231,726 |
|
(注)※主な内訳は次のとおりであります。
(単位:千円)
項目 |
前事業年度 (自 2017年8月1日 至 2018年7月31日) |
当事業年度 (自 2018年8月1日 至 2019年7月31日) |
賃借料 |
14,588 |
18,982 |
減価償却費 |
5,786 |
5,801 |
消耗品費 |
2,260 |
2,614 |
(原価計算の方法)
当社の原価計算は、プロジェクト別の個別原価計算によっております。
当事業年度に実施いたしました設備投資の総額は、118,598千円であり、その主な内容は、業務用パソコン等の工具、器具備品の取得等21,346千円及び自社利用目的のソフトウエアの構築等97,252千円であります。
なお、当事業年度において重要な設備の除却、売却等はありません。
また、当社は単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。
企業価値 | 4,949 百万円 |
純有利子負債 | -1,282 百万円 |
EBITDA・会予 | 362 百万円 |
株数(自己株控除後) | 2,910,099 株 |
設備投資額 | - 百万円 |
減価償却費 | 75 百万円 |
のれん償却費 | - 百万円 |
研究開発費 | - 百万円 |
代表者 | 代表取締役社長 栗栖 義臣 |
資本金 | 214 百万円 |
住所 | 東京都港区南青山六丁目5番55号 |
電話番号 | 03-6434-1286(代表) |