1年高値4,160 円
1年安値880 円
出来高13 千株
市場マザーズ
業種情報・通信業
会計日本
EV/EBITDA118.5 倍
PBR9.7 倍
PSR・会予12.8 倍
ROAN/A
ROIC0.6 %
βN/A
決算12月末
設立日2011/9/20
上場日2019/3/29
配当・会予0 円
配当性向0.0 %
PEGレシオ-5.7 倍
売上高(百万円)&収益性(%)
売上3y CAGR・予想:22.7 %
利益(百万円)
営利3y CAGR・予想:-15.3 %
純利3y CAGR・予想:-33.4 %
EPS(円) BPS(円)
配当(円)
健全性(%、倍)
セグメント別売上
単一セグメント、もしくはIFRS / USGAAPのため、データがありません。
セグメント別売上
単一セグメント、もしくはIFRS / USGAAPのため、データがありません。
セグメント別利益率
単一セグメント、もしくはIFRS / USGAAPのため、データがありません。
会社の詳細

 

3 【事業の内容】

当社は、「Empower the Patients」を事業ミッションに掲げ、糖尿病・高血圧症などの生活習慣病をはじめとする様々な疾患の治療分野において患者の自己管理をサポートするPHR※(Personal Health Record)プラットフォームサービス※を展開しております。

※「PHR」とは、個人によって電子的に管理される自らの健康・医療情報のことを指します。また、個人のスマートフォン経由で記録された血圧、体重、血糖値等の数値情報や生活情報、医療機関と連携して取得された検査数値、薬剤処方記録など、システム上で収集された健康情報も含めたうえで、これを広義のPHRと表現することも近年では一般的となっており、当社はこの考え方を援用し「PHR」を定義しています。

※「プラットフォーム」とは、当社が構築・運営する各疾患別のアプリを経由して、患者から提供された症状その他の医療情報等の記録、医療情報のデータベースへの保存・管理、Webサービスを利用した医療情報の医療機関等との共有などを可能にする、当社が運営する一連サービスのこと。

 

当社が構築・運営する各疾患別のアプリを、主に医療者もしくは医療機関が患者に対してパンフレットを通じて当社のサービスであることを紹介し、患者が自らの意思により、アプリストア等から該当アプリをダウンロードして頂き、当社の利用規約等に同意した上で、自らの健康・医療情報等を当社のプラットフォームに保存して頂いております。当該プロセスにおいて、患者が不明点等生じる場合は、パンフレットに記載の当社カスタマーサポート部門にて、電話もしくはメールにてサポートしています。

 

医療者と患者がPHRプラットフォーム上で患者の健康・医療情報等を共有することで、本PHRプラットフォームサービスは疾病管理ツールとして機能します。具体的には、患者がアプリに記録したデータを医療者が定期的に確認し、またアプリを通じて、医療者が患者へメッセージ送信を行なうことができるなど、双方向のコミュニケーションをもって患者の治療継続の支援と行動変容を促進することで、治療による臨床上の効果を高めることが可能となります。

当社が提供するPHRプラットフォームは、患者の「治療継続の支援」や「自己健康管理の促進」にフォーカスしたものであり、医療者によるアプリの推奨のほか、医療機器メーカーや医薬品卸事業者との提携、製薬企業との連携、ウェブマーケティングの実施等、様々なチャネルを活用して拡大施策を講じており、2019年12月末時点で、各アプリの合計ダウンロード数は、68万回に達しております。

 

当社は、医療分野におけるPHRプラットフォームの構築を目的とする事業並びにこれに付随する業務の単一セグメントであるため、セグメント情報は記載せず、個別サービスについて記載しております。

 

① 疾患ソリューションサービス

製薬企業からの依頼によるPHRプラットフォームの開発等であります。具体的には、当社は、生活習慣病領域、がん及び特定慢性疾患領域において、製薬企業からの依頼を受けて、主に新薬の上市に伴う医薬品の適正使用促進と疾患啓発のために、当該疾患に関わる医療従事者や患者からの意見を頂きながら、当該疾患領域の患者及び医療従事者向けに、疾患治療における自己管理や治療継続を支援、また医療機関や臨床研究との連携を促進するためのPHRプラットフォームサービスを開発・運営しております。製薬企業にとっては当該プラットフォームサービスを活用した活動を通じて、自社医薬品の医療従事者間における知名度の向上と、患者の治療継続へのサポートによる医薬品の売上増加等の効果が期待されます。

PHRプラットフォームサービスの構築に際しては、当社は当該分野の患者及び医療従事者の実臨床上の意見を頂きながら開発・運営しており、製薬企業よりプラットフォームのサービス構築費用(開発費用)及び利用料を頂いております。また、開発されたPHRプラットフォームは主に製薬企業のブランド名で患者及び医療従事者に提供されることとなりますが、プラットフォームサービスの運営については当社で担いサービスの保守、運用、カスタマーサポートなどを実施しております。

疾患ソリューションサービスの売上高は製薬企業からのサービス構築費用を中心に、当社売上高の約7割強を占める状況となっており、プラットフォームサービスの導入製薬企業数、疾患数等と連動して、収益が変動する仕組みとなっております。

また、当社は疾患ソリューションサービスの各PHRプラットフォームサービスを通じて蓄積した患者のPROデータ※については、患者と医療従事者間の臨床上の情報共有のため当該患者の個別同意を前提に医療従事者へ提供しております。

製薬企業向けには、共同開発した対象サービスの利用患者数等の統計情報をマーケティング目的で提供しております。

当社は患者及び医療従事者からの信頼を第一と考え、匿名加工情報等の利活用を含めた、患者PROデータの患者同意を得ない形での第三者提供は計画しておりません。

 

※ 「PRO」(Patient Reported Outcome)とは、医師による評価ではなく、患者自らが生活・健康状態・治療について、主に自記式質問票により、患者又は被験者から直接得られる情報を指します。

なお、当社が提供する主なPHRプラットフォームサービスは以下のとおりです。

 

(生活習慣病領域)

サービス名

概要

Welby血糖値ノート

主に1型糖尿病患者の治療への取り組みをサポートするアプリケーションです。血糖値のほか、インスリン注射量、ブドウ糖の摂取量等1型糖尿病治療に関連する各データの記録管理をサポートします。

わたしケア

糖尿病患者の治療への取り組みをサポートするアプリケーションです。タイプ判定によりご自身の糖尿病治療への向き合い方を知り、学習機能により糖尿病や治療法について理解を深めることができます。また、体重や血圧、食事や運動など毎日の取り組みの記録や、病院で測定した検査値を記録できます。

まいさぽ

 

2型糖尿病や高血圧症などの生活習慣病患者を対象としたスマートフォンアプリケーションです。からだの情報や服薬状況、日々の食事、運動を簡単に記録できます。株式会社タニタの体組成計と連携することで、毎日の体重を自動的に記録させることも可能です。これらの記録をアプリが学習し、食事、運動、治療記録管理をサポートします。

らくらく血圧日記

 

高血圧症患者を対象としたスマートフォンアプリケーションです。日常の家庭血圧の測定や服薬状況を簡単に記録できます。通信機能をもつ血圧計との連携のほか、一部の機種については、カメラによる測定数値の読み込みも可能です。また、登録医療機関とデータを共有し、医師はより的確な治療にあたることができます。

 

 

(がん領域)

サービス名

概要

腺ノート

前立腺がん患者と医療者のコミュニケーションをサポートするアプリケーションです。患者は、お薬の服用状況、日々の体調、前立腺特異抗原等の検査・測定数値、日記などをアプリケーションに記録し、医師とのコミュニケーションに活用することができます。記録方法は、それぞれのライフスタイルに合わせて、パソコンまたはスマートフォンアプリケーションのいずれかを選択することができます。

つたえるアプリ

がん治療中の身体とこころに生じる様々な「つらさ」について、患者がその情報をアプリケーションに記録し、医師に適切に伝えることをサポートするアプリケーションです。治療中における、痛み、だるさ、吐き気、気分の落ち込み、皮膚症状、しびれなど様々な「つらさ」の状態を医師と共有し、限られた診察時間内で効率的に患者の状況を把握し、医師はより的確な治療にあたることができます。

WelbyマイカルテONC

がん患者向け治療支援プラットフォームです。通院時の医師からの説明のメモ、レントゲンやCTの画像記録、症状や食事、運動の記録とその振り返り、がんに関する疾患啓発情報の提供などを通して、医師と患者の情報ギャップの緩和、コミュニケーションを向上させ、がん診療及び治療体験の改善を図ります。

NIVO-G 臨床研究

ePROシステム

胃癌のニボルマブ単剤療法を行う患者を対象とした有害事象と生活の質に関する前向き観察研究に用いられるePROシステムです。

 

 

(特定慢性疾患領域)

サービス名

概要

リウマチダイアリー

関節リウマチ患者のための症状チェック、服薬管理、診察をサポートするアプリケーションです。服薬の習慣化や症状・体調の管理、診察時における医師とのコミュニケーションなどに役立てることができます。

AOZORA

成人期の注意欠陥・多動性障害(ADHD)当事者のためのスマートフォンアプリケーションです。日々の服薬サポート、通院などのスケジュールの管理、仕事や対人関係、日常生活をセルフチェックするなどの機能を備え、注意欠如・多動性障害等の症状による悩みをサポートします。

いたみ連絡帳

慢性的な肩・腰・膝の日々の痛みの状況をご自身でチェックし、治療や服薬をサポートするサービスです。痛みがあっても目標を設定、その活動状況を記録、データを見える化・レポート化して、病院で医師に見せて体調を共有できます。

こころケア

「こころケア」は、日々の服薬をサポートする機能と、睡眠状況や統合失調症の再発に関わる症状の自己管理をサポートする機能で、当事者のみなさんのリカバリーをサポートするスマートフォンアプリケーションです。

 

 

サービス名

概要

IBDサプリ

潰瘍性大腸炎やクローン病などの炎症性腸疾患(IBD)患者のためのスマートフォンアプリケーションです。排便状況などの症状を見える化し、在宅時の状態・経過を、アプリケーションを介して医療従事者に伝えることで、医師=患者間の適切なコミュニケーションを促すことが期待されます。

PAHケアノート

肺動脈性肺高血圧症(PAH)の患者が、日々の症状(息切れ、だるさ、痛み、むくみ、めまい等)や服薬状況の記録・振り返りに、また診察時に治療医とのコミュニケーションツールとしてご活用頂けるアプリケーションです。服薬アドヒアランス向上や問診の効率化などに役立てることができます。

SMAiLEE

脊髄性筋萎縮症(SMA)患者のご家族が自宅で撮影した動画を医師の診察時に役立てて頂くためのアプリケーションで、自宅での患者の運動動画を簡単に撮影・編集することができる機能を持ちます。本アプリケーションの登録会員には地域の病院やクリニックに受診する際の相談や、地域の社会保障制度やバリアフリー情報の調査を代行するサービス等も提供します。

リハビリ日誌

パーキンソン病患者のリハビリテーションの継続や、日常の気になる症状を記録できる、パーキンソン病の治療をサポートするアプリケーションです。患者がご自身の症状に合わせたリハビリ活動の計画や進捗管理、ウォーキングの歩数管理等をアプリケーションに通じて行うことができ、また気になる症状の記録や振り返り、服薬記録と通院管理もできます。

Enダイアリー

関節リウマチ患者の内、「エンブレル®※」を使用されている方向けのアプリケーションです。注射記録日時の通知とリマインド機能、腫れや痛みなどの症状記録機能及び振り返り機能等通じて、患者の自己管理をサポートします。

※「エンブレル®」とは、リウマチ治療に使用されている生物学的製剤で、既存治療で効果不十分な関節リウマチ患者の標準治療薬です。

HAEノート

遺伝性血管性浮腫(HAE)患者の症状の記録及び撮影サービスを提供するアプリケーションで、患者ご自分の症状をより具体的に把握できるようになり、受診しなかった時の症状を医療者に見せることで、医療者は患者の症状を的確に把握することができ、円滑なコミュニケーションにつながります。また、未診断を減らし、患者のご家族・ご親族を守ることを意図した「HAEを伝える」、「ファミリーツリーを作成する」の機能があります。

ニキビログ

ニキビ患者の治療継続をサポートするスマートフォン用のアプリです。ニキビに関するアドバイス、写真やおくすり使用状況などの記録により治療の継続をサポートします。

アトピーノート

アトピー患者の治療継続をサポートするスマートフォン用アプリです。かゆみ度合いの記録と患部の写真記録、グラフでの振り返り、患者向け疾患啓発ウェブサイトとの連動あんどにより患者のスキンケアをサポートし、アトピー治療の質を向上します。

クローン病臨床研究

ePROシステム

クローン病患者の発端コホートレジストリ研究においてPRO収集を行う目的で提供しているePROシステムです。

LupusPRO

全身性エリテマトーデス(SLE)の評価を目的としたPRO問診票の収集が可能な患者向けシステムとそれを診療の中で閲覧可能な医療者向けシステムをあわせて提供しています。

 

 

② Welbyマイカルテサービス

Welbyマイカルテサービスは、糖尿病や高血圧症等生活習慣病全般、及び生活習慣病予備軍の患者の自己管理をサポートする当社自社構築・運営のクラウドサービスです。通信機能を持つ血圧計、血糖測定器、及びウェアラブル機器等とのデータ連携により、血糖値・血圧・体重などの測定値や、食事、運動、睡眠やIHB(不規則脈波)などの疾患治療に必要なデータの記録を簡単にできます。また、患者が記録したデータを、ご自身の家族や、登録医療機関とデータを共有し、医師による治療サポートを受けることも可能です。

Welbyマイカルテサービスの売上高は、自治体の住民や一般企業の従業員の生活習慣病重症化予防ツールとしての利用料課金、機器メーカー、検査会社等医療周辺企業への月額利用料課金、及び有料利用医療機関へ月額利用料の課金によって構成されています。有料利用の企業数、医療機関数等と連動して、収益が変動する仕組みとなっており、当社売上高の約3割弱を占める状況となっています。

自治体及び一般企業向けには、近年、生活習慣病重症化予防におけるICT化の推進と各自治体、企業の地域住民及び従業員等への健康維持に対する意識の向上により、運動・血圧・食事・体重等記録データの自己モニタリング及び管理栄養士、保健師等の指導による生活習慣病の重症化予防サービス、及び重症化した場合に患者と医療機関をデータ連携して治療を受けるサービスを提供しており、自治体及び一般企業にとっては、対象者の生活習慣病重症化予防から治療まで一気通貫のサービスを住民及び従業員等へ提供することができます。

機器メーカー、検査会社等医療周辺企業向けには、当該企業がWelbyマイカルテのプラットフォームを利用することで、マーケティング上において、広告等を通じて医療機関や患者へ生活習慣病の治療に役立つ情報の提供、及び当該企業の計測機器と検査データ等をWelbyマイカルテに通じて、医療機関及び患者と連携することで、自社製品の利便性を向上しております。

医療機関向けには、大学病院や一般内科クリニックを中心に、「患者の継続治療への支援」、「患者治療アウトカム※の改善」、及び「診療業務の効率化」を主要な目的として導入を進めており、Welbyマイカルテを活用した治療事例が「日本糖尿病学会」や「日本高血圧学会」等の国内主要学会で紹介されております。また、徳島大学や福島県喜多方医師会等においては、地方公共団体及び医師会と共同して、市民を対象とした患者に血圧計を貸出し、糖尿病や高血圧症等の生活習慣病の自己管理、及びWelbyマイカルテを通じて担当医師に共有する地域連携のツールとしても導入されております。

※ 「治療アウトカム」とは、治療や予防などの医学的介入から得られるすべての結末のことを指します。臨床研究においては、介入効果によって得られる判定項目をアウトカムといいます。

 

上記、自治体・一般企業、医療周辺企業、及び医療機関への導入が進むことにより、Welbyマイカルテのユーザーが登録したかかりつけ医療機関は約11,900施設(無料利用施設を含み、重複を除く)を超えており、Welby各アプリの合計ダウンロード数は約68万回となっております。

 

Welbyアプリの普及状況

項目

2016年12月

2017年12月

2018年12月

2019年12月

Welbyアプリダウンロード数

(千回)

141

366

526

679

 

 

Welbyマイカルテを通じて蓄積した各種患者PROデータについては、患者と医療従事者間の臨床上の情報共有のために当該患者の個別同意を前提に医療従事者へ提供しているほか、自治体・一般企業向けには生活習慣病重症化予防の効果検証としての利用患者数、記録データ(血圧、体重の平均値等)の統計情報の提供、及び患者の個別同意を取得した上で、学術利用目的に限定して学会、大学病院、医療機関、研究機関等向けに情報を提供しております。

また、当社は学会、大学病院、医療機関、研究機関等からの依頼を受けて、学術利用目的に限定した臨床研究専用のPHRプラットフォームを構築・運営しており、患者の個別同意を取得した上で、患者PROデータを学会、大学病院、医療機関、研究機関等向けに情報を提供しております。

当社は、患者及び医療従事者からの信頼を第一と考え、匿名加工情報等の利活用を含めた、患者PROデータの患者同意を得ない形での第三者提供は計画しておりません。

当社の事業系統図は、次のとおりであります。

(画像は省略されました)


1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

当社の「経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」は以下のとおりです。また、将来に関する事項については別段の記載のない限り、本書提出日現在において判断したものです。

 

(1) 経営方針

当社は、「Empower the Patients」を事業ミッションとして掲げております。この事業ミッションに基づき、患者、医師をはじめとする医療従事者、医療業界を取り巻くプレーヤー(製薬企業、医療機器メーカー、自治体等)の方々とともに共同でサービスの開発・運営を行っており、今後も同分野における新規事業の開発等に積極的に取り組んでいく方針であります。

 

(2) 経営戦略等

当社は、PHRプラットフォームサービス事業に引き続き経営資源を集中してまいります。

創業以来取り組んでいるPHRプラットフォームサービスは、各疾患領域でのサービスメニューを拡充しており、臨床現場におけるユーザー(患者)の行動変容による様々な効果が報告されつつあります。患者の行動変容が起こりやすい傾向がある疾患領域は多く存在しており、当社が未だアプローチできていない領域については、より効果的な提案活動を推進するための施策を講じております。

また、当社はPHRプラットフォームを他社のサービス等と連携させることで、双方のサービスの相乗効果を高め、医療者や患者により利便性の高いサービスを提供していく方針であります。各医療関連事業者との共同プラットフォーム開発など、各方面におけるサービス基盤の構築を引き続き進めてまいります。

これらの取り組みにより、「医療×デジタル」の価値を高め、持続的な成長と安定的な収益を実現してまいります。

 

(3) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

当社は、高い成長性及び生産性をもって収益に結びつけ、継続的に成長していくことを経営上の目標としております。収益性及び成長性などの各経営指標のバランスを重視し、外部環境やトレンドに左右されることのない財務基盤を構築することで、企業価値の向上を図ってまいります。具体的には、売上高、営業利益、経常利益を重要な指標と考えております。

 

(4) 経営環境

経営環境につきましては、「第2 事業の状況 3.経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績」に記載しております。

 

(5) 事業上及び財務上の対処すべき課題

当社は、「Empower the Patients」を事業ミッションに掲げ、PHRプラットフォームサービスを提供しております。経営安定化及び業容拡大を図っていくうえで、以下の課題に積極的に取り組む方針であります。文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社が判断したものであります。

 

① サービス強化

患者及び医療者が治療プロセスの中で、より良いサービスを使用して頂くために、当社は、患者及び医療者のニーズに基づく、機能改修、UX※/UI※の改修、疾患領域のカバレッジの拡大、データ連携計測機器の追加、及び検査値・薬剤処方データ等各種医療データとの連携について、強化し続けていきたいと考えております。

※「UX」とは、ユーザーエクスペリエンス(User Experience)の略で、「 ユーザーが製品・サービスを通じて得られる体験」を指します。

※「UI」とは、ユーザーインターフェイス(User Interface)の略で、「ユーザーの目に触れる部分又は使用する部分」を指します。

 

 

② サービスの普及

当社の提供する各サービスの利用拡大と継続的な企業価値の向上を実現していくためには、ユーザー(医療者及び患者)にとって魅力あるサービスを継続的に提供することに加え、各サービスの知名度や当社のコーポレートブランド価値、顧客ベースを持つ企業との連携などによるサービス普及が不可欠であると考えております。そのために各主要学会でのクリニカル・エビデンスの発表、広報、広告宣伝、医療機器メーカー、検査会社等との営業連携、サービス連携の推進などを通じてサービス普及活動に積極的に取り組んでまいります。

 

③ データの適正な取り扱い

当社が提供する患者向けPHRプラットフォームサービスにおいては、患者の様々なPROデータが蓄積されておりますが、要配慮情報を含む医療情報であるため、事業推進に当たっては適正な利用を図る必要があります。
 疾患ソリューションサービスにおいては、患者のPROデータは、患者と医療従事者間の臨床上の情報共有のため当該患者の個別同意を前提に医療従事者へ提供しております。製薬企業向けには、共同開発した対象サービスの利用患者数等の統計情報をマーケティング目的で提供しており、同意を得ない各患者個別データ(個人情報含む)については提供しておりません。

Welbyマイカルテサービスにおいては、患者と医療従事者間の臨床上の情報共有のために当該患者の個別同意を前提に医療従事者へ提供しているほか、自治体・一般企業向けには生活習慣病重症化予防の効果検証としての利用患者数、記録データ(血圧、体重の平均値等)の統計情報の提供をしています。学術利用目的のために学会、大学病院、医療機関、研究機関等向けに情報を提供する際には、患者の個別同意を取得した上で実施しています。

学術利用目的に限定した臨床研究専用のPHRプラットフォームサービスにおいては、患者の個別同意を取得した上で、患者PROデータを学会、大学病院、医療機関、研究機関等向けに情報を提供しております。

上記のように要配慮情報含む個人情報の適正利用を担保することにより患者及び医療従事者からの信頼を維持すると同時に、情報セキュリティの観点から安心してプラットフォームを活用いただけるよう、個人情報保護法、「3省3ガイドライン※」、アメリカの「HIPAA法※」等により求められるデータセキュリティ課題にも引き続き対応してまいります。

※ 「3省3ガイドライン」とは、医療機関や医療情報を取り扱う情報処理事業者等が準拠すべき総務省、厚生労働省、経済産業省各省が策定したガイドラインの総称を指します。

※ 「HIPAA法」(Health Insurance Portabilityand Accountability Act of 1996)とは、アメリカにおける医療保険の相互運用性と説明責任に関する法律。医療情報の電子化の推進とそれに関係するプライバシー保護やセキュリティ確保について定めた法律を指します。 

 

④ 優秀な人材の確保及び育成

当社の業容拡大のためには、優秀な人材の確保及び当社の成長フェーズに応じた組織体制の強化が不可欠であると認識しております。社内外を問わず人材リソースの確保のため、採用チャネルの多様化、エージェント企業との協力関係の構築などを積極的に進める方針であります。人材育成については、各人の担当業務に関するOJTを実施し、且つ各種研修機会の提供を通じて自己の成長を推進するとともに、リーダー層においてはマネジメントスキル向上のための施策を講じてまいります。

 

⑤ コーポレート・ガバナンスの強化

当社が持続的成長を維持していくためには、内部管理体制の強化を通じた業務の標準化と効率化が重要であると考えております。それらの実効性を高めるための環境を整備し、組織的な統制・管理活動を通じてリスク管理の徹底とともに、業務の標準化と効率化を目指しております。また、コーポレートガバナンス・コードの基本原則に従い、株主の皆様をはじめとする全てのステークホルダーからの社会的信頼に応えていくことを企業経営の基本的使命とし、コンプライアンス体制の強化、迅速かつ正確な情報開示の充実に努め、コーポレート・ガバナンスの強化に取り組んでまいります。

 

 

2 【事業等のリスク】

当社は、事業展開上のリスクになる可能性があると考えられる主な要因として、以下の記載事項を認識しております。これらのリスク発生の可能性を認識した上で、その発生の回避と予防に取り組んでおります。また、これらのリスク項目は、提出日現在において、当社が判断したものであり、発生の可能性のあるリスクの全てを網羅するものではありませんのでご留意願います。

なお、文中に記載している将来に関する事項は、本書提出日現在において入手可能な情報に基づき当社が判断したものであり、実際の結果と異なる可能性があります。

 

(事業環境に関するリスク)

① 医療及びヘルスケア市場について

当社の売上高の多くが、医療・ヘルスケア関連分野からのものとなっています。同業界は今後も市場の成長が見込まれますが、何らかの理由により、市場の成長が停滞し、あるいは市場が縮小するなどした場合や、新たな市場動向に当社が対応できない場合には、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。また、当社の主要顧客である製薬企業においては、グローバルなレベルでの企業間競争及び再編の動きが続いており、これは当社が提供するプラットフォームサービス展開を加速させる可能性がある一方、製薬企業の戦略方針の変更又は再編された既存顧客による契約見直しを要求されることも考えられます。その契約内容により、当社の業績に影響を与える可能性があります。

 

② 競合について

当社は、「患者・家族が自己管理をする」ための支援サービス提供を主な事業としております。提供アプリの最適なUI/UXを追求した機能設計、特色あるサービスの提供、取引の安全性の確保やカスタマーサポート充実への取り組みなどにより、競争力の向上を図っております。しかし、当社が継続的に優位性を高め、エンドユーザーの利用価値の維持向上を図ることの可否については不確実な面があります。今後、高い知名度、幅広い顧客基盤を有する先行同業他社による模倣や、資本力、マーケティング力、専門性を有する企業等の参入によって、当社の競争優位性が低下または競争が激化する等の状況が発生した場合、当社の事業及び業績に影響を与える可能性があります。

 

③ 新規サービス展開に伴うリスクについて

医療業界においては、PHRプラットフォームの標準サービスがなく、当社は、事業ミッションに基づき、患者、医師をはじめとする医療従事者、医療業界を取り巻くプレーヤー(製薬企業、医療機器メーカー、自治体等)の方々とともに共同開発・運営を行っており、今後も同分野における新規事業の開発等に積極的に取り組んでおります。新規事業の開発にかかる人材、システム、広告等に対する追加的な支出の発生及び事業が安定して収益を生み出すまでにはある程度の時間がかかることから、これにより当社の利益が一時的に低下する可能性があります。また、当社が想定するプラットフォームの標準化の立ち上がりスピード及び当該新規事業が想定どおりに推移しない場合は当社の業績に影響を与える可能性があります。

 

④ M&Aや業務提携について

当社は、自社で行う事業開発に加えて、M&Aおよび他社との業務提携を通じて、新規事業の展開を推進しています。M&A・業務提携にあたっては、当社戦略との整合性やシナジーを勘案して対象企業の選定を行い、当該企業の財務内容、契約関係、事業の状況等についてデューデリジェンスを実施した上で、取締役会・経営会議において細心の注意を払って判断を行っています。

しかしながら、これらのM&Aや業務提携が期待通りの効果を生まず戦略目的が達成できない場合や、投資後に未認識の債務が判明した場合等には、当社の業績及び財務状態に影響を与える可能性があります。

 

 

(事業運営に関するリスク)

① 収益の季節変動性について

当社の収益は主要顧客である大手製薬会社の決算期に納品・検収のタイミングが影響される傾向にあり、特に近年は外資系製薬企業の決算が集中する第4四半期会計期間における納品・検収が顕著に大きくなる傾向があるため、売上高及び利益がそれらの時期に集中する傾向があります。このため、特定の四半期業績をもって当社の通期業績見通しを早期に判断することは困難な場合があります。また、当社は顧客企業の検収をもって売上を計上しておりますので、期末月に売上計上を計画する案件については、予期せぬトラブルやスケジュール変更等により期ずれが生じる可能性があり、当該要因により当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

なお、第9期事業年度における四半期別の売上高及び営業損益は、次のとおりであります。

 

第1四半期

第2四半期

第3四半期

第4四半期

通期

売上高(千円)

101,578

103,108

144,136

449,692

798,516

営業利益

又は営業損失(△)(千円)

△50,442

△51,007

△83,001

201,019

16,567

 

 

② 個人情報の取り扱いについて

当社が展開する事業において、多くの患者及び利用者からの重要な個人情報を取り扱っております。当社は、これら個人情報のセキュリティを十分に担保し、信頼性の高い情報として利用していただくことが責務であると考え、個人情報保護法を遵守するとともに、情報セキュリティマネジメントシステム(ISMS)であるISO27001の認証を取得しております。加えて、EU一般データ保護規則(GDPR)等諸外国の個人情報保護法制についても、随時外部弁護士等専門家にも確認をしながら必要な検討及び取組みを進めております。しかしながら、個人情報取扱いに関する内外の法令の変化により、当社の事業運営に支障をきたす可能性があります。また、個人情報流出等の不測の事態が生じて患者個人のプライバシーが侵害され、当社が企業としての信用を失墜することにより業績の悪化や財務状況に影響が及ぶ可能性があります。

 

③ 知的財産権について

当社は、第三者の特許権その他の知的財産権を侵害することのないよう万全を期しておりますが、万が一侵害があった場合には、相手方より相応の損害賠償を請求される可能性があります。また、現在のインターネットの基盤技術はその権利帰属先が不明な部分があり、基盤技術の重要な一部について第三者の特許取得が認められた場合あるいは将来特許取得が認められた他社の技術がインターネットの基盤技術の重要な一部を構成することとなった場合には、当該ライセンサーに対しライセンス料を負担する必要が生じる可能性があります。このような損害賠償及びライセンス料の負担が生じた場合には、当社の経営成績及び財政状況に影響を及ぼす可能性があります。

また、当社は知的財産権について適切な保護管理策を講じておりますが、第三者が当社の知的財産権を侵害する可能性を完全に排除することは困難でもあり、当社の重要な知的財産権が第三者に不当に侵害された場合には、当社の経営成績及び財政状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

④ 情報セキュリティについて

当社は、顧客の新製品開発計画や営業上の機密情報等に接する機会があり、当然ながら守秘義務を負うこととなるため、顧客及び社外の専門スタッフとの取引時には機密情報の守秘義務契約を締結しております。またデータの授受にはセキュアなクラウド上のファイルサーバー等を利用するなどセキュリティ対策を講じております。過去に機密情報漏洩などの事象は発生しておりませんが、何らかの理由によりそれら機密情報等が漏洩し、顧客に重大な損害を与えた場合には、損害賠償請求や信用失墜等により当社の業績に影響を与える可能性があります。

 

 

⑤ 外注先企業の選定管理および確保について

当社は、システム開発の一部を外部の開発パートナー会社に委託しております。開発業務のスピード向上やコスト削減のためには、一定レベルのスキルを持った優秀な外部委託先を安定的に確保することが必須となります。そのため既存の外部委託先のみならず、新規の候補先については技術力などについて厳しく審査を行ない、信頼できる会社を選定することとしておりますが、万が一の外注先の責による納入遅延や瑕疵などのリスクを完全に排除できるものではなく、適切な外部委託先を安定的に確保することができない場合、開発スケジュールに支障をきたし、当社の事業展開及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑥ インターネットビジネスについて

当社のビジネスは、プラットフォームサービスに関する事業であるため、ブロードバンド環境の安定普及により今後も拡大していくことが事業展開の基本条件であると考えております。しかし、インターネットの利用に関する新たな規制、通信環境やセキュリティ対策等の技術進歩が市場のニーズに追いつかなくなるなど技術革新の遅れ、利用料金の改訂を含む通信事業者の動向など、予期せぬ要因によりインターネットの利便性が阻害される場合には、当社の事業展開及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。また、今後、医療分野におけるインターネット普及の障壁、利用に関する新たな規制やインターネットビジネス関連事業者を対象とする法的規制等の導入、その他予期せぬ要因によって、インターネット利用の順調な発展が阻害された場合、当社の事業及び業績に影響を与える可能性があります。

 

⑦ システム障害について

当社の事業は、インターネット環境を利用したサービス提供が中心であり、コンピューターウイルス対策や情報管理の徹底に努めておりますが、たとえば許容量を超えるアクセスの急増、自然災害等による電力供給の停止、外部からの不正な手段によるコンピューターへの侵入、ソフトウエアの不具合等、予測を超える事態が生じることでサービスの提供が困難となった場合、事業活動に支障をきたし、当社の業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

⑧ サービスに関する不具合、クレームについて

当社は、エンドユーザー(患者)からの意見やクレームに対応するセクションとしてカスタマーサポート窓口を設置しております。クレームに即時に対応することや、様々な意見などを関連部門にフィードバックすることで、サービス改善等に繋げる役割を果たしております。当社が今後もエンドユーザーに信頼され、支持される企業として発展していくためには、満足度の向上が必要不可欠であり、かつクレームへの対応が重要と認識したうえで、さらに迅速な対応が出来る体制の強化を図ってまいります。しかしながら、結果的に当社のサービスをめぐる重大なクレーム等が発生した場合は、当社の財政状態及び経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑨ 技術革新への対応について

当社の事業はICT(情報通信技術)を事業基盤としており、提供する各サービスの価値向上のために有効であると思われる新たな技術やノウハウを積極的に取り入れ、サービス機能の拡充及び強化を進めております。しかしながら、技術革新や他社による新たな高付加価値サービスの提供等の理由により、当社が提供するサービス及び保有ノウハウが陳腐化した場合や、変化への対応が困難になった場合、各サービスのユーザー及びクライアントの満足度が低下し、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

(組織体制に関するリスク)

① 人材の確保及び育成について

当社は、業容拡大に向けた優秀な人材の確保及び育成が極めて重要な課題であると考えております。スタッフの業務スキルの底上げを図ると共に、新たな人材確保のための採用活動を強化し、さらに外部パートナーの開拓や育成、他業種との業務提携なども順次行なっております。しかし、適切な人材を十分に確保できず、あるいは在職中の従業員が退職するなどして、十分な人材リソースを確保することができない場合には、当社の業績又は将来的な事業計画に影響を及ぼす可能性があります。

 

② 小規模組織であることについて

当社の業務執行体制及び経営管理組織は、事業規模に応じた比較的小規模なものとなっております。現時点において最適と考えられる各体制を構築するとともに、今後の事業拡大に伴い積極的に人員の増強、内部管理体制の一層の充実を図る方針ですが、当初計画を超えた規模以上に事業が成長し体制構築が追い付かない場合や、新たな人材の採用及び育成が順調に進まなかった場合には、組織的対応が有効に機能しないことが考えられ、これにより新規事業開発や営業活動、サービスの安定運用が阻害されるなど、当社の業績に影響を与える可能性があります。

 

③ 特定役員への依存について

当社の創業者であり代表取締役である比木武は、経営責任者として経営方針や経営戦略の決定等、当社の事業活動上の重要な役割を果たしております。また本書提出日現在において比木武は筆頭株主であり、持株比率は41.9%となっております。取締役会等において役員及び社員への情報共有や権限移譲を進めるなど組織体制の強化を図りながら、同氏に過度に依存しない経営体制の整備を進めております。しかしながら、現時点において、同氏が何らかの理由により経営者として業務を遂行できなくなった場合には、当社の業務推進及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(その他のリスク)

① 社歴が浅いことについて

当社は、2011年9月に設立された社歴の浅い会社であり、財務状態や経営成績の期間比較の情報が限られております。今後のIR活動などを通じて経営状態を積極的に開示してまいりますが、経営成績等の期間比較をするための情報には時間の経過が不可欠であり、現時点において今後当社が成長を継続していけるか否かを予測する客観的な判断材料として過年度の経営成績のみでは不十分な可能性があります。

 

② 新株予約権の行使による株式価値の希薄化について

当社は、役員及び従業員の経営参画意識高揚のために会社法第236条、第238条及び第240条の規定に従って、2018年8月20日開催の取締役会決議に基づく新株予約権(以下、「ストック・オプション」という。)を付与しております。今後に関しましてもストック・オプションの付与を行う可能性があります。これらストック・オプションの権利行使がなされた場合には、新株式が発行され当社株式価値の希薄化が生じる可能性があります。なお、本書提出日現在でのストック・オプションによる潜在株式数は512,000株(発行済株式総数に対して6.6%)となっております。

 

③ 配当政策について

当社は、株主に対する利益還元を経営上の重要課題と認識しております。利益還元策の決定にあたっては、財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状態や今後の事業計画等を十分に勘案し実施していく所存であります。しかし、現段階においては、当社の成長を加速させるとともに、財務面での健全性を強化し、経営における成長性と安全性の均衡を図ることこそが株主の利益に資するとの判断に基づき、内部留保資金の確保を優先し、剰余金の配当は行わないことを基本的な方針としており、今後の配当の実施及びその時期については未定であります。

 

 

④ 税務上の繰越欠損金について

当社は、税務上の繰越欠損金を有しております。これは将来の法人税負担の軽減効果があり、今後も当該欠損金の繰越期間の使用制限範囲内において、納税額の減少によりキャッシュ・フロー改善に貢献することとなりますが、当社の業績が順調に推移することで繰越欠損金を上回る課税所得が発生した場合には、所定の税率に基づく法人税等の納税負担が発生するため、当社の当期純利益及びキャッシュ・フローに影響を与える可能性があります。

 

⑤ 各種規制について

当社が提供するPHRプラットフォームサービスは、現時点は薬機法規制対象である「医療機器プログラム」に該当しないことを管轄官庁の厚生労働省に確認しております。しかし、今後プラットフォームサービスにおける診断サポート機能の追加や医薬品とのセットでの提供(いわゆる「コンパニオンアプリ」)により、「医療機器プログラム」に認定され、当社がこれに対応できない場合は、当社の事業及び業績に影響を与える可能性があります。

また、法的規制以外では、日本製薬工業協会が定める「製薬協コード・オブ・プラクティス」が存在します。製薬協コード・オブ・プラクティスとは、製薬企業が薬機法・独禁法等の関係法規と公正競争規約等の自主規制を遵守し、医薬情報を適正な手段で提供・収集・伝達するために定めている薬業界の自主ルールであり、当社では当該コードの遵守に努めております。

しかしながら、業界では各種規制の見直しが進んでおり、関連法令や業界団体による規制等の改廃、新設が行われた際に、当社が何らかの対応を余儀なくされた場合や、これらに対応できない場合には、当社の事業及び業績に影響を与える可能性があります。

 

 

2 【沿革】

 

年月

事項

2011年9月

東京都渋谷区に株式会社ウェルビー設立(資本金3,400千円)

2014年8月

東京都千代田区に本社移転

2015年6月

徳島大学と共同で、2型糖尿病患者のためのセルフモニタリングシステムを開発

2015年8月

医療機器製造販売業第二種免許取得

2015年8月

Welbyデータマネジメントツールを臨床試験に提供開始

2016年4月

情報セキュリティマネジメントシステム(ISMS)認証取得

2016年9月

シニア層向けスマートフォン端末に「Welbyマイカルテ」プリインストール提供開始

2017年2月

東京都中央区日本橋本町三丁目に本社移転

2017年10月

株式会社エスアールエルと業務提携

2017年12月

株式会社デジタルガレージ、日本郵政グループへ第三者割当増資及び業務提携

2018年3月

株式会社エスアールエルと検査結果をPHRプラットフォームサービスに連携するサービスを提供開始

2018年5月

臨床研究向け新サービス「Welby RWEソリューション」提供開始

2018年10月

株式会社エスアールエルとの合弁で、株式会社MSWを設立

2018年10月

社名を株式会社ウェルビーから株式会社Welbyへ変更

2019年3月

東京証券取引所マザーズに株式を上場

2019年7月

当社ePROシステムを利用した聖マリアンナ医科大学の胃がん領域の臨床研究が開始

2019年9月

日本結節性硬化症学会と共同で 結節性硬化症患者のための「レジストリJTSRIM」の構築開始

2019年10月

株式会社ベネフィット・ワンと企業・健保向け健康管理サービスで業務提携

2019年11月

東京都中央区日本橋本町二丁目に本社移転

2019年11月

株式会社スズケンと医療機関へのPHR普及等を目的に資本業務提携

2019年12月

がん向けPHRプラットフォーム「WelbyマイカルテONC」リリース

 

 

(5) 【所有者別状況】

2019年12月31日現在

区分

株式の状況(1単元の株式数100株)

単元未満
株式の状況
(株)

政府及び
地方公共
団体

金融機関

金融商品
取引業者

その他の
法人

外国法人等

個人
その他

個人以外

個人

株主数
(人)

7

19

18

16

2

776

838

所有株式数
(単元)

3,915

1,332

29,086

294

2,423

40,787

77,837

1,100

所有株式数
の割合(%)

5.0

1.7

37.4

0.4

3.1

52.4

100.0

 

 

3 【配当政策】

当社は、株主に対する利益還元を経営上の重要課題と認識しております。利益還元策の決定にあたっては、財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状態や今後の事業計画等を十分に勘案し実施していく所存であります。当事業年度は配当を実施しておりませんが、これは当社が現在成長過程にあるため、内部留保の充実を図り、企業体質の強化、事業の効率化と事業拡大のための投資等に充当し、なお一層の事業拡大を目指すことが、株主に対する最大の利益還元に繋がると考えているためであります。

剰余金の配当を行う場合には、年1回の期末配当を基本としており、その決定機関は株主総会であります。また、取締役会の決議によって毎年6月30日を基準日として中間配当をすることができる旨を定款に定めております。

 

 

(2) 【役員の状況】

① 役員一覧

男性6名 女性―名(役員のうち女性の比率―%)

役職名

氏名

生年月日

略歴

任期

所有株式数
(株)

代表取締役

比木 武

1973年8月19日

1996年4月

住友商事株式会社 入社

2007年9月

楽天株式会社 入社

2009年1月

株式会社メドピア入社 取締役COO

2011年9月

当社設立 代表取締役就任(現任)

(注)2

3,264,000

取締役

神谷 学

1974年10月4日

1997年4月

文部省(現文部科学省) 入省

2001年10月

株式会社アドバンテッジリスクマネジメント 入社

2011年6月

同社 取締役

(2018年6月退任)

2019年2月

当社 入社

2019年4月

当社 執行役員管理部長

2020年1月

当社 上級執行役員CFO兼管理部長

2020年3月

当社 取締役CFO(現任)

(注)2

取締役

長島 伸光

1969年2月12日

1988年8月

株式会社アオイシステム 入社

1998年8月

株式会社インフォシティ 入社

2015年1月

当社 入社 開発部長

2016年8月

当社 執行役員開発部長

 2017年11月

当社 執行役員プロダクト開発

2019年3月

当社 取締役就任(現任)

(注)2

取締役
(監査等委員・常勤)

石橋 太郎

1959年1月29日

1983年4月

鳥居薬品株式会社入社

1985年7月

 

ファルマシア株式会社(現ファイザー株式会社)入社

2001年1月

株式会社ヴィクス入社

2001年10月

 

TMマーケティング株式会社(現 株式会社アンテリオ)入社

2008年1月

 

オフィス・ティー・アンド・エム合同会社設立 代表社員 就任(現任)

2018年3月

当社取締役(監査等委員)就任(現任)

(注)3

取締役
(監査等委員)

中島 正和

1974年1月2日

1996年4月

伊藤忠商事株式会社 入社

2000年4月

株式会社サイバーエージェント 入社

2001年8月

 

Schroder Ventures KK(現MKSパートナーズ)入社

2006年10月

マッコーリーキャピタル 入社

2010年10月

 

株式会社ブライトリンクパートナーズ設立 代表取締役就任(現任)

2011年9月

当社設立 当社取締役就任

2016年4月

 

ネクスジェン株式会社設立
代表取締役就任(現任)

2016年8月

当社取締役(監査等委員)就任(現任)

(注)3

480,000

取締役
(監査等委員)

松本 直也

1974年6月18日

2000年10月

 

朝日監査法人(現有限責任 あずさ監査法人)入所

2008年1月

東陽監査法人 入所(現任)

2015年3月

当社監査役就任

2016年8月

当社取締役(監査等委員)就任(現任)

(注)3

3,744,000

 

(注) 1.当社の監査等委員会については次のとおりであり、石橋太郎及び松本直也の2氏は、社外役員(会社法施行規則第2条第3項第5号)に該当する社外取締役(会社法第2条第15号)であります。

議長 石橋太郎氏、委員 中島正和氏、委員 松本直也氏

2.任期は、2020年3月26日開催の第9回定時株主総会の終結の時から1年以内に終了する最終の事業年度に関する定時株主総会終結の時までであります。

3.任期は、2020年3月26日開催の第9回定時株主総会の終結の時から2年以内に終了する最終の事業年度に関する定時株主総会終結の時までであります。

4.情報収集の充実を図り、内部監査担当者等との十分な連携を通じて監査の実効性を高め、監査・監督機能を強化するために、取締役(監査等委員)石橋太郎氏を常勤の監査等委員として選定しております。

5.取締役 中島正和氏の所有株式数は、株式会社ブライトリンクパートナーズが保有する株式数を含めた実質所有株式数で記載しております。

6.当社は、取締役会の意思決定・業務執行の監督機能と、各部の業務執行機能を明確に区分し、経営効率の向上を図るために、執行役員制度を導入しております。執行役員の氏名及び担当は以下のとおりであります。

 

 

氏名

役職名

池田  宗高

上級執行役員CPO 兼 プロダクト開発部長

永田  正人

上級執行役員CMO 兼 マーケティング統括部長

森田  耕平

上級執行役員COO 兼 疾患ソリューション事業部 事業長

姚   志鵬

執行役員 社長室長

五百川 彰仁

執行役員 疾患ソリューション事業部 副事業長

坂田  真我

執行役員 マイカルテ事業部 副事業長

樫山  公佑

執行役員 経営企画室長

 

 

② 社外役員の状況

当社は、監査等委員である取締役3名のうち、社外取締役2名を選任しております。社外取締役は、毎月の定例取締役会及び必要に応じて開催する臨時取締役会に出席し、経営に対する監視・助言等を行っております。また、監査等委員として監査等委員会等にて、社内情報の収集に努めるとともに、独立性・実効性の高い監査を行っております。加えて、内部監査担当者及び会計監査人と、相互に連携を取りながら効果的かつ効率的な監査の実施を図るため、情報共有及び意見交換を行っております。

当社の社外取締役は、石橋太郎氏、松本直也氏の2名であります。

石橋太郎氏は、当社の取締役就任前より当社の事業展開、顧客紹介並びに管理体制強化をアドバイスする業務委託契約を締結しておりましたが、当社の取締役選任にあたり、2018年3月に業務委託契約を解消しております。それ以外の当社及び当社の取締役との人的関係、資本的関係又は取引関係その他の利害関係はありません。松本直也氏は、当社及び当社の取締役との人的関係、資本的関係又は取引関係その他の利害関係はありません。

当社の社外取締役は、それぞれ専門的な観点及び第三者としての観点から客観的・中立的に経営全般を監査・監督しており、当社経営陣への監督機能・牽制機能として重要な役割を果たしております。

なお、当社は社外取締役を選任するための独立性に関する基本方針は定めておりませんが、選任にあたっては株式会社東京証券取引所が指定を義務付ける一般株主との利益相反が生じるおそれのない独立役員の独立性に関する判断基準を参考とし、検討を行っております。

 

③ 社外取締役による監督又は監査と内部監査、監査等委員会監査及び会計監査との相互連携並びに内部統制部門との関係

監査等委員会、会計監査人及び内部監査担当者は、随時連携のうえ監査を実施しており、業務執行に関する何らかの問題点等を発見した場合は、お互いに連携を密にし、問題の解決にあたっております。また、監査等委員会は会計監査人と定期的な情報・意見交換を行うとともに、監査結果の報告を受けるなど緊密な連携をとっております。

監査等委員会、内部監査担当者及び会計監査人は、内部統制の監査および評価の実施に際して、内部監査担当者に対して業務の内容並びに業務のリスク及びそれに対する統制活動等に関して説明や資料を求めるとともに、内部監査担当者は、監査等委員会、会計監査人による指摘等を踏まえ、内部統制の整備及び運用に関して継続的に改善活動を実施しております。

 

 

4 【関係会社の状況】

当社は、関連会社を1社所有しておりますが重要性が乏しいため、記載しておりません。

 

 

【売上原価明細書】

 

 

 

前事業年度
(自  2018年1月1日
 至  2018年12月31日)

当事業年度
(自  2019年1月1日
 至  2019年12月31日)

区分

注記
番号

金額(千円)

構成比
(%)

金額(千円)

構成比
(%)

Ⅰ 労務費

 

48,268

20.2

35,124

19.6

Ⅱ 経費

191,107

79.8

143,666

80.4

当期総製造費用

 

 239,375

100.0

178,790

100.0

仕掛品期首たな卸高

 

1,768

 

312

 

合計

 

241,144

 

179,103

 

仕掛品期末たな卸高

 

312

 

296

 

 

240,831

 

178,806

 

期首商品たな卸高

 

 

 

商品仕入高

 

15,136

 

805

 

 

15,136

 

805

 

期末商品たな卸高

 

 

 

売上原価

 

255,967

 

179,612

 

 

(注)※  主な内訳は、次のとおりであります。

項目

前事業年度(千円)

当事業年度(千円)

外注費

186,134

139,582

水道光熱費

282

175

地代家賃

3,541

2,825

減価償却費

1,149

984

 

 

(原価計算の方法)

当社の原価計算は、実際原価による個別原価計算であります。

 

※1 販売費に属する費用のおおよその割合は前事業年度1.6%、当事業年度2.7%、一般管理費に属する費用のおおよその割合は前事業年度98.4%、当事業年度97.3%であります。

販売費及び一般管理費のうち主要な費用及び金額は次のとおりであります。

 

 

前事業年度
(自  2018年1月1日
 至  2018年12月31日)

当事業年度
(自  2019年1月1日
 至  2019年12月31日)

役員報酬

35,480

千円

47,250

千円

給料手当

197,973

 

261,955

 

業務委託費

49,127

 

130,056

 

支払手数料

25,147

 

28,752

 

 

 

1 【設備投資等の概要】

当事業年度における設備投資の総額は65,852千円となりました。このうち、主要なものは、本社移転に伴う内装工事によるもの及びオンコロジープラットフォームの開発によるソフトウェアの取得であります。

なお、当事業年度における重要な設備の除却、売却等はありません。

 

株価(1年)
期間を変更
PER(1年/会予)
期間を変更

その他企業情報

企業価値14,217 百万円
純有利子負債-1,314 百万円
EBITDA・会予120 百万円
発行済株数7,792,800 株
設備投資額66 百万円
減価償却費8 百万円
のれん償却費N/A
研究開発費N/A
代表者代表取締役  比木 武
資本金904 百万円
住所東京都中央区日本橋本町二丁目7番1号
会社HPhttps://welby.jp/