1年高値695 円
1年安値175 円
出来高2,380 千株
市場マザーズ
業種医薬品
会計日本
EV/EBITDAN/A
PBR3.3 倍
PSR・会予85.0 倍
ROAN/A
ROICN/A
β0.83
決算3月末
設立日1996/6/14
上場日2008/3/5
配当・会予0 円
配当性向0.0 %
PEGレシオN/A
売上高(百万円)&収益性(%)
売上5y CAGR・予想:11.6 %
利益(百万円)
営利 CAGR・実績:N/A %
純利 CAGR・実績:N/A %
EPS(円) BPS(円)
配当(円)
健全性(%、倍)
セグメント別売上
単一セグメント、もしくはIFRS / USGAAPのため、データがありません。
セグメント別売上
単一セグメント、もしくはIFRS / USGAAPのため、データがありません。
セグメント別利益率
単一セグメント、もしくはIFRS / USGAAPのため、データがありません。
会社の詳細

3【事業の内容】

当社の主たる事業目的は、日本発のナノテクノロジーを応用したミセル化ナノ粒子をコア技術として、主にがん領域において新しい医薬品を生み出し、社会に貢献することです。

 

(1)当社設立の経緯

当社は、東京大学の片岡一則教授(現 当社取締役)、東京女子医科大学の岡野光夫教授(現 当社取締役)らが発明したミセル化ナノ粒子技術による医薬品の開発を目的に、1996年6月に設立されました。

同教授らは、医薬品を封入したミセル化ナノ粒子が静脈内投与された場合、血中に薬物が長時間循環することができ、効果が持続する薬物キャリア(*1)となり得ることと、がん組織等の病変部へ集積(標的化)することを示しました。

当社では、同技術を利用した医薬品の実用化によって、従来の薬物療法より有効性と安全性が高まれば、これまで期待する効果が得られなかったがん等の難治性疾患の薬物療法をより有効にすることができると考えており、今後もミセル化ナノ粒子(高分子ミセル)(*2)技術のパイオニアとして同技術のポテンシャルを最大限に活かした製品開発を目指すとともに、当面は社会的ニーズと貢献度の高い抗がん剤事業に特化したグローバル展開を行っております。

 

(2)当社技術の特長

当社のコア技術であるミセル化ナノ粒子は、水に溶けやすい性質を示すポリエチレングリコール(PEG)からなる親水性ポリマーと水に溶けにくい性質を示すポリアミノ酸からなる疎水性ポリマーを分子レベルで結合させたブロックコポリマー(*3)から構成されます。

ブロックコポリマーを水中で拡散すると、外側が親水性で内側が疎水性という明確な二層構造を有する20~100ナノメートル(nm)(*4)サイズの球状の集合体であるミセルを形成します。このミセルの疎水性内核部分に薬物や生理活性物質を封入することができます。アミノ酸の種類や構造を化学的に変化させることで様々な化合物に対応が可能です。表面をPEGが覆うことで血液中での安定性を確保します。

ミセル化ナノ粒子を応用した医薬品開発の新薬開発上のメリットとしては、ミセル化ナノ粒子内からの薬物放出をコントロールすることで、副作用を引き起こす濃度以下に調整し安全性を高めるアプローチや、投与後の消失の速い薬物などの血中持続性を高めるアプローチ、腫瘍などへの薬物の移行量を増やすことで効果を高めるアプローチなどが期待できます。

ミセル化ナノ粒子を利用した抗がん剤開発の患者に期待されるメリットとしては、患者の生存期間の延長やがん関連症状の緩和へつながる治療効果の増大、安全性の向上(=副作用の軽減)、簡便な投与で通院治療が可能になるなどの負担軽減、日帰り治療の可能性などから医療費削減など、患者のQOL(*5)の向上を目指します。

 

<ミセル化ナノ粒子のサイズ>(当社作成)

 

(画像は省略されました)

 

<ミセル化ナノ粒子の一例>

 

(画像は省略されました)

 

(3)当社の事業展開

① ビジネスモデルとその収益について

当社は、ミセル化ナノ粒子技術を特許等の知的財産として所有しており、ナノテクノロジーを応用した製造技術を基盤に創薬の研究開発を進め、事業化を行っております。当社では、有用性(有効性、安全性)を向上させた、医療ニーズに応える新規医薬品の開発、提供を目指しており、パイプラインの研究・開発を進めて製品化に到達するために、事業段階に応じた展開を図っております。

当社の現状のビジネスモデルは、ミセル化ナノ粒子技術を基盤とした(ⅰ)自社開発、(ⅱ)共同研究開発、(ⅲ)ライセンスアウトに加え、他社からの(ⅳ)ライセンスインの4つの形態をとっております。それぞれの内容は以下のとおりです。

(ⅰ)自社開発

開発医薬品の上市又は臨床開発後期段階まで自社開発を推進することにより、製品付加価値が上がり、より大きな収入を確保することができます。しかしながら、これには多額の費用と人員を要することから、下述(ⅱ)の共同研究開発、(ⅲ)のライセンスアウトへ移行することも選択肢となります。

 

(ⅱ)共同研究開発

当社のミセル化ナノ粒子技術に興味を示した提携先とミセル製剤化に関する共同研究契約を締結する場合もあります。

この場合、提携先が所有する活性成分又は開発可能な活性成分を当社のミセル化ナノ粒子技術に応用し、新規医薬品として開発を進めます。フィージビリティスタディ段階からさらに先に進め、共同研究開発契約やライセンスアウトに進展することを目指しております。

 

(ⅲ)ライセンスアウト

(ⅰ)の自社開発又は(ⅱ)の共同研究開発の事業形態においては、研究開発の経過段階で、ライセンスアウトを行います。この場合は、ライセンス契約時点までの知的財産権を含む研究開発成果及び製造権の実施許諾に対する契約一時金(アップフロント)、所定の開発段階に到達したときに支払われるマイルストーン収入、医薬品上市後の販売高に対するロイヤリティ収入や製剤供給収入等が計上されることになります。

ライセンス契約による提携は、当社が保有する特許権及びノウハウについての実施許諾、さらに当社が独占的な実施権を有する特許権の再実施許諾がベースになります。ライセンス契約後の研究開発等の経費は提携先が負担することになり、当社の開発コスト及び開発リスクが軽減されます。

 

(ⅳ)ライセンスイン

(ⅲ)のライセンスアウトとは逆に、ミセル化ナノ粒子技術以外の他社が保有する有望な技術やパイプラインを導入し、当社が開発を行います。この場合は、当社が医薬品の承認・販売まで行うことで多額の販売収入を計上することになりますが、ライセンス元に対して当社がアップフロント、マイルストーン、販売高に対するロイヤリティや製剤供給費用を支払うことになります。よって、一定の開発段階や承認後の販売段階で(ⅲ)のライセンスアウトに移行することも選択肢となります。

ライセンスインについては、開発後期段階の有望な医薬品候補を導入するため一定の費用が発生しますが、初期段階から開発を行うよりも短期間での上市が期待できるため、当社の収益の安定化に寄与するものと考えております。

 

各ビジネスモデルの収益については、医薬品の上市まで自社開発を行い、自社販売を行った場合、当該製品の販売による収入が計上されることとなりますが、当社においてはその段階まで進んでいるパイプラインはありません。

共同研究開発の場合には、提携先からの研究開発に対する製剤技術及びノウハウの開示による対価並びにミセル原薬及び製剤の供給収入が計上されることとなり、当社においては複数のパイプラインで当該収入を得てまいりました。

他社にライセンスアウトをする場合は、ライセンス契約時点までの研究開発成果に対する対価及び製剤の供給に対して提携時の契約一時金、所定の開発段階に到達したときに支払われるマイルストーン収入、開発医薬品上市後の医薬品販売高に対するロイヤリティ等の収入が計上されることになり、当社においては契約一時金や臨床試験開始に伴うマイルストーン収入を得ているパイプラインがあります。

当社では、開発医薬品の上市前に上述のような他社からの契約一時金収入、マイルストーン収入及び研究開発用の製剤供給に対する対価を得ることにより、開発医薬品上市前の研究開発費の負担を軽減し、財務面のリスクの極小化を図っております。

 

② 抗がん剤への特化について

抗がん剤の発見と開発の分野は製薬業界の研究開発の中でも最も活発な分野のひとつであり、近年開発が進められている新薬のなかでも、抗がん剤の占める割合は高いものの、未だ製品の改良や新規開発領域の残された分野でもあります。抗がん剤の中には、世界中の医療現場で汎用されながらも、薬物自体及び製剤化のために添加されている溶解剤による副作用が問題となっているものが多数あります。その中から当社は、タキサン系、白金系及びアントラサイクリン系の抗がん剤を選び、ミセル化ナノ粒子医薬品の開発を行っております。また、がん組織への選択性を高めるために、がん標的性のある抗体(*6)などをミセル化ナノ粒子の表面に結合させ、がん細胞への特異的な集積(アクティブターゲティング)(*7)を狙った次世代の抗がん剤を研究・開発しております。

 

③ その他領域における開発と販売について

ミセル化ナノ粒子技術を応用した化粧品開発を行い、株式会社アルビオンとの共同開発に基づき、同社より販売中の化粧品原料を供給するとともに、同社との共同開発品であるスカルプトータルケア製品事業を共同で推進しております。

抗がん剤以外での早期収益化に向けた他技術の取り込みによる後期ステージパイプラインの拡充にも注力しており、セオリアファーマ株式会社との間で耳鼻咽喉科領域における医薬品の共同開発を行っております。

 

④ 研究機関及び提携企業との連携について

当社は、大学発の研究成果(シーズ)を医薬品として実用化するために、大学又は研究機関から知的財産権のライセンスイン(独占的実施許諾権の獲得)及びこれら研究機関との共同研究を行っております。一方、上記のライセンスインをした知的財産権や共同研究の成果を提携企業に対してライセンスアウトする場合があります。また、これらの知的財産権や成果に基づき提携企業と共同開発を実施する場合もあります。それらの提携関係は下図のとおりです。

 

(画像は省略されました)

(当社作成)

 

⑤ 製造について

当社は自社開発医薬品、提携企業との共同開発医薬品にかかわらず、原則として自社が所有又は独占的実施権を有する特許やノウハウを利用して製品(ミセル原薬及びその中間体又は最終製剤)の製造を自社で行うことを目標としております。しかしながら、自社工場を所有することはその投資の大きさ、固定費の増加等から現状では現実的ではないと考えており、既に設備を保有し、GMP(*8)基準を満たしている医薬品製造受託企業との間で製品の製造委託契約を交わし、製品製造を委託しております。但し、委託製造といっても、全面的な委託ではなく、当社による原料供給、技術提供及び製造管理を行っており、原材料の受け入れから最終製品の品質保証まで当社が行っております。

 

⑥ 医薬品開発の流れ

医薬品を研究・開発する標準的な段階は以下のとおりであり、日本製薬工業協会資料を参考に表示しております。この開発段階は日米欧でほぼ共通となっております。

 

<医薬品開発の流れ>

 

(画像は省略されました)

 

<各事業ステージの内容>

ステージ

内容

基礎試験

合成

目標とするミセル化ナノ粒子を形成するポリマーの合成、ミセル化ナノ粒子の製造及び製剤化

評価試験

in vitro・in vivo

製剤の有効性及び安全性を試験管内などの人工的な条件下で確認する試験(in vitro試験)

製剤の有効性及び毒性を動物を用いて予備的に確認する試験(in vivo試験)

非臨床・臨床試験

非臨床試験

実験動物を用いて、有効性及び安全性を確認する試験

臨床試験

以下の各相があります。

第Ⅰ相臨床試験(PⅠ):

少数健康成人(但しがんの場合は患者)を対象にして、安全性及び薬物動態を確認する試験

第Ⅱ相臨床試験(PⅡ):

少数の患者を対象にして、有効性、安全性及び用法・用量を確認する試験

第Ⅲ相臨床試験(PⅢ):

多数の患者を対象にして、標準治療との比較により有効性及び安全性を確認する試験

製造販売承認の申請・承認

新薬承認

各国の審査機関による新薬の審査・承認

 

⑦ 当社の主要パイプラインについて

本書提出日現在、当社が研究開発を進めている主要パイプラインは以下のとおりです。

(ⅰ)シスプラチンミセル(NC-6004)

シスプラチンは、その有効性により各領域のがん化学療法の中心的薬剤となっています。その一方でシスプラチンの腎機能障害、神経障害や催吐作用が極めて強いため、がん患者にとって苦痛度が高く、さらに投与の際には長時間にわたる大量の輸液が必要なことから、患者の生活の質(QOL)を著しく低下させています。

当社は、シスプラチンが持つこれらの副作用を軽減し、かつ抗腫瘍効果の増強も期待できる新薬を目指し、ミセル化ナノ粒子を応用した新規化合物シスプラチンミセル(NC-6004)を開発しています。

 

(ⅱ)エピルビシンミセル(NC-6300)

エピルビシンは、乳がん、卵巣がん、胃がんなどの適応症で世界的に普及しているアントラサイクリン系抗がん剤ですが、投与を重ねると心臓疾患を引き起こすので、その使用が制限されています。

当社は、その副作用を軽減するために細胞内のpH変化に応答して薬物を効果的に放出するシステムを開発しています。細胞内に薬物が結合したミセル化ナノ粒子素材(ブロックコポリマー)が取り込まれる際に、エンドソームと呼ばれる細胞膜が陥没して形成される小胞に取り込まれると考えられています。エンドソーム内のpHは酸性であることが知られており、このpHの低下により薬物とブロックコポリマーの結合が外れて、薬物が放出される作用機序を利用し、時限的かつ急激に薬物をがん細胞内に放出する効果が期待されます。

 

(ⅲ)VB-111

Vascular Biogenics Ltd.(イスラエル)からライセンスを受けた遺伝子治療製品です。当社のミセル化ナノ粒子製剤は、腫瘍細胞を標的にした治療薬を目指しているのに対し、VB-111は腫瘍血管を標的としてがんを兵糧攻めにするとともに、腫瘍免疫を惹起する効果が期待されます。ミセル化ナノ粒子とは異なるメカニズムによる治療製品をパイプラインに持つことで、がん領域における当社の選択肢が拡がり、当社の将来的な経営基盤強化に資するものと考えております。

 

(ⅳ)ENT103

セオリアファーマ株式会社との共同開発パイプラインです。同社が有する中耳炎を対象疾患とした抗菌点耳薬であり、抗菌活性物質濃度は従来品の10倍程度あり、高い有効性が期待されるとともに、短期間で製造販売承認を取得することも期待されます。

 

(ⅴ)パクリタキセルミセル(NK105)

パクリタキセル(タキソール®)は乳がん、卵巣がん、肺がん、胃がんなどの適応症で世界的に普及している抗がん剤ですが、水に溶けにくいため、製剤には特殊な溶媒が使用されております。その溶媒による副作用が生じることがあり、投与時に副作用軽減のための補助薬剤(ステロイド剤、抗ヒスタミン剤及び抗潰瘍剤)を投与するなど医療現場での使いにくさがあります。当社はミセル化ナノ粒子技術を応用することにより、パクリタキセルを封入したミセル化ナノ粒子を開発しました。

現在、ライセンスアウト先である日本化薬株式会社において開発が進められております。

 

⑧ 次世代パイプライン候補について

上述の臨床開発段階又は臨床試験計画中の主要パイプラインに続く次世代のパイプライン候補として、以下の研究開発を推進しております。

ADCM(センサー結合型ミセル)

ADCM(Antibody/Drug-Conjugated Micelle)は、アクティブターゲティングを可能とする次世代型プラットフォーム技術で、世界的に開発が活発化している抗体医薬ADC(Antibody Drug Conjugate:抗体薬物複合体)の課題を補う次世代型DDS技術です。標的細胞を狙ったターゲティング療法であるADCMは、がん細胞に現れる特異的な抗原を認識する抗体をミセル化ナノ粒子表面に結合し、標的細胞への選択性を高めることができます。抗体と薬物が結合した従来のミサイル療法より多くの薬物を標的細胞に届けることができるため、高い効果と副作用の軽減が期待されております。

 

用語解説

(*1) 薬物キャリア

薬物を封入するなどして、組織へ送達するためのシステムであり、薬物運搬体とも呼ばれます。当社のミセル化ナノ粒子や、リポソームなどが含まれます。

(*2) 高分子ミセル

高分子ミセルとは、水に溶けやすい部分と水に溶けにくい部分を持つブロックコポリマーから形成される球状構造体のことです。水にも油にも溶ける両親媒性ブロックコポリマーを水に溶かすと、ある濃度範囲で外側に水に溶けやすい部分、また内側に水に溶けにくい部分を向けて自己会合し、明確な内核と外殻の二重構造を持つ球状構造体を形成します。この球状構造体を高分子ミセルといいます。

(*3) ポリマー

ポリマーとは、1種類の単位化合物の分子が重合して、分子量が1万程度以上の化合物のことです。代表的なポリマーとしてはプラスチック類が挙げられます。医薬品として使われるポリマーは、生体内で分解される性質を有するものが多く存在します。

ブロックコポリマーとは、2種類以上の異なるポリマーが結合したものであり、当社のポリマーは、水に溶けやすい親水性部分がポリエチレングリコール、水に溶けにくい疎水性部分がポリアミノ酸からなるブロックコポリマーです。

(*4) ナノメートル(nm)

1ナノメートルは10億分の1メートルに相当します。

(*5) QOL

Quality Of Lifeの略語で、主に患者の「生活の質、人生の質」を意味する言葉です。医療提供者が患者への治療効果を判定する際に、患者の人生の充実感や満足度から評価しようという考え方のことを言います。

(*6) 抗体

抗体は、細菌やウイルスなどの抗原(免疫を誘発する物質)の刺激の結果、免疫反応によって生体内に誘導されるタンパク質で、抗原と特異的に結合する活性を持つものの総称です。

(*7) アクティブターゲティング

アクティブターゲティングとは、例えば、がん細胞と選択的に結合するセンサーのような働きをする物質をミセル化ナノ粒子の表面に付けることで効率よく、積極的にがん細胞へ薬物を入れたミセル化ナノ粒子を送り届けることをいいます。センサーのような働きをする物質には抗体のような物質を使うことができます。

(*8) GMP

ICH(日・米・EUの3極間で、新医薬品の製造承認に際して要求される資料を共通化することによって、医薬品開発の迅速化・効率化を目指す会議)によって協議・合意決定された取り決め事項を「ICHガイドライン」と呼び、日米EUでの医薬品開発におけるガイドラインとしての役目を果たします。ICHガイドラインは以下のような構成となっており、GMPはその一部です。

GLP

(Good Laboratory Practice)

非臨床試験の実施基準

医薬品の製造販売承認申請などのために行われる安全性に関する非臨床試験データについて、信頼性を高めるための試験実施上の基準。

GCP

(Good Clinical Practice)

臨床試験の実施基準

人を対象とした臨床試験(治験)が倫理的な配慮のもとに適正かつ科学的に実施されることを目的として定められた基準。

GMP

(Good Manufacturing Practice)

製造管理及び品質管理の基準

製造所の構造設備や製造管理及び品質管理の全般にわたって、医薬品の製造を行う者が守るべき要件を定めた基準。

GPMSP

(Good Post Marketing Surveillance Practice)

市販後の調査基準

市販後調査の適切な実施と調査資料の信頼性の確保を図り、医薬品の適正使用の確保を目的として定められた基準。

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(業績等の概要)

(1)業績

当事業年度における我が国経済は、企業収益や雇用環境の改善が継続し、景気は緩やかな回復基調で推移しておりましたが、米中貿易摩擦や英国のEU離脱問題等に加え、新型コロナウイルス感染症の世界的な感染拡大により経済活動の停滞長期化が懸念され、国内外ともに先行き不透明で予断を許さない状況になっております。

このような経済環境のもと、当社は主要パイプラインの開発推進、新規パイプラインの探索、提携先の開拓などに積極的に取り組んでまいりました。

なお、新型コロナウイルス感染症の当事業年度における業績への影響につきましては、感染拡大に伴う株式市場の低迷等により、当社の保有する株式の時価が著しく下落したため減損処理を行い、投資有価証券評価損を計上しました。当社の主たる事業は医薬品等の研究開発であり、上市された製品もないため、その他の影響につきましては軽微であったと判断しております。

 

(主要パイプラインの進捗状況)

主要パイプラインの進捗状況は下記のとおりです。

シスプラチンミセル(NC-6004)につきましては、ライセンス先であるOrient Europharma Co., Ltd.(台湾、以下「OEP」といいます。)と共同でグローバルに臨床試験を推進しております。欧米地域における頭頸部がんを対象としたNC-6004及び免疫チェックポイント阻害剤「キイトルーダ®」との併用による第Ⅱ相臨床試験は、2019年7月より投与を開始し、推進中であります。一方、日本を含むアジア地域における膵がんを対象とした第Ⅲ相臨床試験は、近年の膵がん治療の進歩により、併用薬であるゲムシタビンによる単独療法が第一選択ではなくなったことを鑑み、2019年12月、日本国内において本試験に基づく製造販売承認申請は行わないことを決定いたしました。なお、国内データでは、NC-6004併用による生存期間の延長が示唆されており、将来的な国内開発の可能性について引き続き検討してまいります。

エピルビシンミセル(NC-6300)につきましては、米国で軟部肉腫を対象に第Ⅰ/Ⅱ相臨床試験を実施中です。対象疾患として第Ⅰ相パート試験で有効性が示唆された軟部肉腫の一種である血管肉腫にターゲットを絞り、有効性及び安全性を確認する追加試験の実施を決定し、2019年10月に投与を開始しております。なお、本剤は米国食品医薬品局(FDA)より本適応に対するオーファンドラッグの指定※1を受けております。

パクリタキセルミセル(NK105)につきましては、日本を含むアジア地域を対象としたライセンス先である日本化薬株式会社から、乳がんを対象に第Ⅱ相臨床試験を実施中の旨発表されております。

 

※1 オーファンドラッグ指定(希少疾病用医薬品指定)

米国における患者数20万人以下の希少疾病に対する新薬開発を促進するために米国FDAが与えるもので、オーファンドラッグの指定を受けると、7年間の排他的先発販売権が与えられます。また、米国政府からの補助金の獲得、臨床研究費用の税額控除、FDA申請における医薬品審査手数料の免責、治験実施計画書の審査に対しての優遇措置が受けられます。

 

(導入パイプラインの進捗状況)

導入パイプラインの進捗状況は下記のとおりです。

Vascular Biogenics Ltd.(イスラエル、以下「VBL」といいます。)から国内の開発及び販売権に関するライセンスを取得した遺伝子治療製品「VB-111」につきましては、現在、同社が米国を中心にプラチナ抵抗性卵巣がんを対象に国際共同第Ⅲ相臨床試験(OVAL試験)を実施しております。当社は、2019年11月、同パイプラインの国内開発に関し、遺伝子組換え生物等の使用等の規制による生物の多様性の確保に関する法律(カルタヘナ法※2)に基づく第一種使用規程の厚生労働大臣・環境大臣連名による承認を取得いたしました。さらに、2020年3月、VBLが実施中のOVAL試験に関し、第三者委員会による中間解析において試験の継続が推奨された旨、同社から発表されました。これを踏まえ、当社はOVAL試験に日本から参画する方針を決定し、国内治験開始に向けた各種準備を進めております。

セオリアファーマ株式会社との間で共同開発を行っている耳鼻咽喉科領域における開発候補品(ENT103)につきましては、国内において中耳炎を対象とした第Ⅲ相臨床試験を実施しており、2019年5月に登録を開始しております。本剤は抗がん剤の開発と比べ短期間で製造販売承認を取得することが期待できることから、患者のQOL向上に役立つ医薬品として早期にお届けすることを目指しておりますが、対象患者が例年より少なかったことや新型コロナウイルスの影響等により患者登録が当初の想定を下回っていることから、試験期間の延長を見込んでおります。

2019年4月、株式会社エイオンインターナショナルから「Acti-PRP(血球細胞分離機)」の国内販売権を取得しました。多血小板血漿(PRP)は細胞の成長を促す成長因子を豊富に含み、局所に注入することで組織の修復などを促します。PRPを用いた治療は整形外科領域などで行われておりますが、当社は婦人科領域における不妊治療への応用として、産婦人科PRP研究会の会員施設に対し「Acti-PRP」を販売し、あわせて臨床研究を実施しております。患者のQOL向上という当社理念に基づき、再生医療分野へも進出し、国内初の新規事業として展開しております。

 

※2 カルタヘナ法

生物の多様性を保全及び持続可能な利用に悪影響を及ぼす可能性のあるもの(人の健康に対する危険も考慮したもの)の安全な移送、取扱い及び利用の分野において十分な水準の保護を確保することに寄与することを目的として2003年に国際発効したカルタヘナ議定書を日本で実施するための法律です。遺伝子組換え生物等を用いた遺伝子治療臨床試験は、カルタヘナ法における拡散防止措置を執らずに行う使用等(第一種使用等)に該当します。遺伝子治療用製品の治験の実施にあたっては、第一種使用規程を定め、生物多様性影響評価書を提出して大臣承認を受ける義務があります。

 

(新規開発パイプラインの進捗状況)

新規開発パイプラインにつきましては、当社独自の先進基盤技術である抗体/薬物結合型ミセル「ADCM(Antibody/Drug-Conjugated Micelle)」を次世代型DDS医薬品技術として開発しております。センサーとなる抗体などを結合したActive型ミセル化ナノ粒子は、標的とする組織、細胞へのターゲティング性能を高めることが期待されます。技術進化として、センサー機能の拡大に向けた共同研究などを実施しており、JCRファーマ株式会社との間では、脳内デリバリー創薬に関する共同研究契約を締結し、当社のADCM技術や、同社が有する脳内に薬剤を届けるための独自技術であるJ-Brain Cargo®(血液脳関門通過技術)など、両社が持つ技術や知見を融合し、革新的な脳内デリバリー医薬品の実現を目指した共同研究を推進しております。

 

(事業開発の状況)

事業開発活動につきましては、2019年5月、主要パイプラインであるNC-6004の推進において、OEPとのより強固な協力体制を確保し業務提携内容の拡充を図るために、同社の100%子会社であるCyntec Co., Ltd.へ当社普通株式705,800株を割り当てる第三者割当増資を行っております。また、2019年4月、株式会社エイオンインターナショナルとの間で同社の「Acti-PRP」の国内販売代理店契約を締結し、販売を開始しております。

 

(化粧品事業の状況)

化粧品事業につきましては、株式会社アルビオンが販売する美容液エクラフチュール及び薬用美白美容液エクシアALホワイトニングイマキュレートエッセンスIDD用の原材料を供給しております。また、同社との共同開発製品であるスカルプトータルケア製品「Depth(デプス)」事業を共同で推進しております。

さらに、化粧品開発における皮膚浸透性の研究を基に、皮膚科領域における医薬品開発の可能性を見いだしており、今後、皮膚科領域での医薬品にも応用展開を目指してまいります。

 

以上の結果、当事業年度は、開発マイルストーン収入、化粧品材料供給収入、化粧品売上、PRP事業に係る医療機器売上等により売上高は552,973千円(前事業年度売上高496,732千円)、営業損失は1,105,796千円(前事業年度営業損失1,802,313千円)、経常損失は1,144,436千円(前事業年度経常損失1,774,496千円)、当期純損失は2,009,676千円(前事業年度当期純損失1,808,510千円)となりました。なお、当事業年度におきまして、以下の営業外費用、特別利益及び特別損失を計上しております。

・外国為替相場の変動による為替差損9,231千円を営業外費用に計上しております。これは主に、当社の保有する外貨建預金の評価替えにより発生したものであります。

・第17回行使価額修正条項付新株予約権及び第18回新株予約権の発行に伴い、新株予約権発行費9,267千円を営業外費用に計上しております。

・行使価額修正条項付第4回無担保転換社債型新株予約権付社債の発行に伴い、社債発行費4,570千円を営業外費用に計上しております。

・行使価額修正条項付第4回無担保転換社債型新株予約権付社債及び第17回行使価額修正条項付新株予約権の発行に係る払込みについては、金銭による払込みに代えて、第3回無担保転換社債型新株予約権付社債が出資されたため、その差額92,368千円を社債償還益として特別利益に計上しております。

・投資有価証券の一部を売却したことによって、投資有価証券売却損259,533千円を特別損失に計上しております。

・投資有価証券のうち、取得価額に比べ時価が著しく下落し、その回復可能性があると認められないものについて減損処理を行ったことによって、投資有価証券評価損692,000千円を特別損失に計上しております。

・営業キャッシュ・フローが継続してマイナスとなり、割引前将来キャッシュ・フローの総額が帳簿価額を下回ることが見込まれるため、当社が保有する固定資産について、帳簿価額を回収可能価額まで減額したことによって、減損損失4,214千円を特別損失に計上しております。

 

当事業年度末における財政状態につきましては、2019年4月25日開催の取締役会において、株式会社ウィズ・パートナーズが業務執行組合員を務めるウィズ・ヘルスケア日本2.0投資事業有限責任組合及びTHEケンコウFUTURE投資事業有限責任組合を割当予定先とする第三者割当の方法による行使価額修正条項付第4回無担保転換社債型新株予約権付社債並びに第17回行使価額修正条項付新株予約権及び第18回新株予約権の募集を行うことを決議し、2019年5月13日付で割当を実施いたしました。なお、行使価額修正条項付第4回無担保転換社債型新株予約権付社債及び第17回行使価額修正条項付新株予約権の発行に係る払込みについては、金銭による払込みに代えて、当社が2015年10月8日に発行した第3回無担保転換社債型新株予約権付社債の、2019年4月25日時点で残存する全部が出資されたため、実質的には第3回無担保転換社債型新株予約権付社債の条件変更(リファイナンス)としての効果を有しております。

また、2019年4月25日開催の取締役会において、当社との間で資本業務提携を行っているOEPの100%子会社であるCyntec Co., Ltd.に対する第三者割当による新株式の発行を決議し、2019年5月13日付で割当を実施いたしました。

以上の結果、資産は、前事業年度末に比べ376,384千円増加し、8,944,563千円となりました。負債は、主に上記リファイナンス及びその後の転換社債型新株予約権付社債の転換により、前事業年度末に比べ2,513,016千円減少し、175,596千円となりました。純資産は、主に当期純損失の計上並びに第三者割当増資、新株予約権の行使及び転換社債型新株予約権付社債の転換による株式の発行等により、前事業年度末に比べ2,889,400千円増加し、8,768,967千円となりました。

 

(2)キャッシュ・フローの状況

当事業年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」といいます。)は、前事業年度末に比べ905,309千円増加し3,970,643千円となりました。当事業年度のキャッシュ・フローの概況は以下のとおりです。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動によるキャッシュ・フローは、研究開発の推進に伴う研究開発費の支出等による税引前当期純損失2,006,046千円に、社債償還益92,368千円、投資有価証券売却損259,533千円、投資有価証券評価損692,000千円、売上債権の減少額69,414千円、前渡金の増加額71,006千円等の調整がされた結果、1,138,665千円の支出(前事業年度は2,037,259千円の支出)となりました。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動によるキャッシュ・フローは、112,337千円の支出(前事業年度は992,275千円の支出)となりました。定期預金の預入による支出1,705,989千円、定期預金の払戻による収入2,702,149千円、有価証券の取得による支出7,500,000千円、有価証券の償還による収入6,500,000千円、投資有価証券の取得による支出108,285千円等によるものです。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動によるキャッシュ・フローは、2,161,503千円の収入(前事業年度は3,384,637千円の収入)となりました。第三者割当による株式の発行による収入295,399千円、新株予約権の行使による株式の発行による収入1,872,886千円等によるものです。

 

(生産、受注及び販売の状況)

(1)生産実績

当社は研究開発を主体としており、生産実績を定義することが困難であるため、生産実績の記載はしておりません。

 

(2)受注実績

当社は受注生産を行っておりませんので、受注実績の記載はしておりません。

 

(3)販売実績

当事業年度における販売実績を示すと、次のとおりであります。

当事業年度

(自 2019年4月1日 至 2020年3月31日)

販売高(千円)

前年同期比(%)

552,973

111.3

(注)1.主要な輸出先並びに輸出販売高及び割合は、次のとおりであります。

なお、( )内は総販売実績に対する輸出販売高の割合であります

輸出先

前事業年度

(自 2018年4月1日

至 2019年3月31日)

当事業年度

(自 2019年4月1日

至 2020年3月31日)

販売高(千円)

割合(%)

販売高(千円)

割合(%)

アジア

259,576

100.0

317,696

100.0

合計

259,576

(52.3%)

100.0

317,696

(57.5%)

100.0

2.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。

相手先

前事業年度

(自 2018年4月1日

至 2019年3月31日)

当事業年度

(自 2019年4月1日

至 2020年3月31日)

販売高(千円)

割合(%)

販売高(千円)

割合(%)

Orient Europharma Co., Ltd.

259,576

52.3

317,696

57.5

株式会社アルビオン

169,250

34.1

132,750

24.0

3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

(経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容)

当事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の概要並びに経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において判断したものであります。

 

(1)財政状態

(流動資産)

当事業年度末における流動資産の残高は7,919,858千円(前事業年度末は6,985,895千円)となり、933,963千円増加しました。これは主に、当期純損失の計上があったものの、新株予約権の行使請求等による収入が上回ったことによるものです。

 

(固定資産)

当事業年度末における固定資産の残高は1,024,704千円(前事業年度末は1,582,283千円)となり、557,578千円減少しました。これは主に、投資有価証券の一部売却及び投資有価証券評価損の計上によるものです。

 

(流動負債)

当事業年度末における流動負債の残高は148,410千円(前事業年度末は178,356千円)となり、29,946千円減少しました。

 

(固定負債)

当事業年度末における固定負債の残高は27,186千円(前事業年度末は2,510,256千円)となり、2,483,070千円減少しました。これは主に、リファイナンスにより発行した行使価額修正条項付第4回無担保転換社債型新株予約権付社債が全て転換されたことによるものです。

 

(純資産)

当事業年度末における純資産の残高は8,768,967千円(前事業年度末は5,879,566千円)となり、2,889,400千円増加しました。

 

(2)経営成績

当事業年度における経営成績については、「(業績等の概要) (1)業績」をご参照ください。

 

(3)キャッシュ・フロー

当社は現在、主たる定例的な営業収益がありませんので、研究開発の推進に伴う研究開発費の支出を、主に株式の発行による収入で賄っております。当事業年度末日現在の資金残高は3,970,643千円ですが、一時的な余剰資金については預金又は元本維持を原則とした安全かつ流動性の高い金融商品等に限定して運用しており、それら預金や金融商品まで合わせますと7,578,929千円となります。

一方支出側としましては、当事業年度の経常損失は1,144,436千円、進行期であります第25期の予想経常損失が1,496百万円でありますので、当面の研究開発資金の確保、また事業の進捗によるライセンスインやM&A等の支出にも対応できる資金の確保までできていると判断しております。

なお、新型コロナウイルス感染症に関しましては、以上のとおり、当面の資金の確保ができておりますので、現時点において、当社キャッシュ・フローへの影響は軽微と考えております。

 

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

(1)経営方針

当社は、「ナノテクノロジーを用いて新しい医薬品を創出し、人々の健康とQOLの向上に貢献する」ことをミッションとし、「がん領域のイノベーションファーマとして、世の中に必要とされる『ファーストワン』を目指す」ことをビジョンに掲げ、事業を推進しております。

 

(2)目標とする経営指標

当社は医薬品等の研究開発を主たる事業として展開しておりますが、新薬の開発には長期にわたり多額の研究開発投資を要するため、現時点では継続的な事業利益を計上する段階には至っておりません。

当社のビジネスモデルは、①自社開発、②共同研究開発、③ライセンスアウト、④ライセンスインの4つの形態をとっており、既存のパイプラインについては、その進捗状況、提携先の開拓状況、資金等を勘案したうえで、①自社開発から②共同研究開発又は③ライセンスアウトへ、②共同研究開発から③ライセンスアウトへ移行することや、④ライセンスインにより新規のパイプラインを獲得すること、また、化粧品事業等他分野へ進出すること等により、事業進捗の加速化、研究開発費の負担軽減、安定収入の確保等に努めております。

当社は、このような事業活動の推進により、早期に継続的な黒字化を実現することを中長期的な目標としております。

 

(3)経営環境及び対処すべき課題

当社は、既存事業であるミセル化ナノ粒子技術をコア技術とした医薬品開発を推進しつつ、引き続き提携等により、事業領域の拡大や新規事業分野への進出を効率的かつスピーディーに実施することで、さらなる成長を目指すことが必須と考えており、以下を優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題と認識しております。

 

① 選択と集中による効率的なプロジェクト運営

当社独自のミセル化ナノ粒子技術を利用した臨床開発パイプラインであるシスプラチンミセル(NC-6004)及びエピルビシンミセル(NC-6300)については、最優先プロジェクトとして早期の承認・上市を実現することにより、当社の企業価値を最大限に高めるという認識のもと、これらの臨床開発を引き続き推進してまいります。また、導入パイプラインであるVB-111についても、国際共同治験へ日本から参画することにより、早期の承認取得を目指します。

 

② 経営基盤の充実及び事業開発活動の推進

当社は、医薬品事業の経営基盤構築及び関連事業、周辺事業の拡大を加速させるためには、当社の内部経営資源を最大限に活用するとともに、M&A等を通じた外部経営資源の活用や外部成長の取り込みを図っていくことが有力な選択肢になると考えており、引き続き検討を進めてまいります。また、事業開発活動によりライセンスアウトや共同開発を行うことができる提携先の探索を推進するとともに、オープンイノベーションの推進による新規技術の獲得やパイプランの拡充を目指します。

 

③ 技術深化と他領域への応用範囲の拡大

医薬品以外の分野にも研究開発の応用範囲を広げ、特に化粧品事業の分野において既存製品の販売拡大と新製品開発を実現することにより、より安定した収入源の確保を目指します。

 

④ コーポレート・ガバナンスの充実

当社のビジョン実現のため、経営の効率性を高めつつ、株主及び投資家、患者、地域社会、取引先、従業員等の各ステークホルダーとの間の良好な関係を保ち、企業としての社会的責任を果たすため、コーポレート・ガバナンスの充実に努めます。

 

⑤ 財務安定性の確保

当社は継続的に研究開発投資を行っており、今後も多額の投資が見込まれます。投資資金につきましては、当事業年度に実施した第三者割当による新株予約権の発行等により調達した資金及び事業活動から稼得される収益から確保すべく最大限の努力を行う方針ですが、今後も必要に応じて効率的かつ効果的な手法による資金調達を検討し、財務安定性を確保してまいります。

 

なお、新型コロナウイルス感染症に関しましては、現時点において、主に以下の事象の発生を予想しております。

・臨床開発段階のパイプラインにおける患者登録の遅れに伴う試験期間の延長

・百貨店等における化粧品の店頭販売の低迷等に伴う当社化粧品材料供給収入の減少

当社の主たる事業は医薬品等の研究開発であり、上市された製品もないため、当社への影響は限定的と考えております。

 

2【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が提出会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。

 

1.パイプラインに関するリスク

(1)既存のパイプラインの進捗に関するリスク(特に重要なリスク)

当社は、新規医薬品を創出することを目的に複数のパイプラインの研究及び開発を進めておりますが、当社のすべてのパイプラインは研究開発途中であり、臨床試験段階における有害事象の発生等により、開発中止や遅延等の可能性が常に存在します。また、当社が意図しない提携解消の可能性、臨床開発が一定の段階まで進捗した際にライセンスアウトできない可能性、ライセンスアウトできたとしても当社の望む契約条件とならない可能性等もあります。

これらが顕在化した場合、研究開発の遅延、研究開発コストの増加、将来の売上高の減少等により、投下資金の回収が困難又は遅延することとなり、株価の低迷や他のパイプラインへの悪影響等も想定され、研究開発計画及び経営成績等に重大な影響を及ぼすおそれがあります。

当社は後述のとおり小規模組織であるため、選択と集中によるパイプラインの優先順位付けと絞り込みを行い、経営資源の効率的な投入、プロジェクト管理の徹底及び強化、医療ニーズや開発トレンドに応じた開発方針の変更、提携先の探索、新規パイプラインの拡充等により本リスクの低減に努めております。

 

(2)新規パイプラインの拡充に関するリスク

当社は、現時点においては既存のパイプラインの進捗を最優先として推進しているものの、経営基盤強化のためには、新たなパイプラインを増やしていく必要があると考えており、研究段階プロジェクトの臨床段階へのステージアップ、提携やM&A等による他社の技術やパイプラインの導入も並行して検討を進めております。しかしながら、研究段階プロジェクトが想定通りに臨床段階へステージアップできない可能性、他社の技術やパイプラインの導入ができない可能性、導入できたとしても製造販売承認を取得できない可能性等があります。

これらが顕在化した場合、中長期的な事業計画、事業目標の達成が困難となるおそれがあります。また新規パイプラインの拡充は、既存のパイプラインのバックアップにもなりうるため、「(1)既存のパイプラインの進捗に関するリスク」が顕在化した場合のリスクヘッジ機能が低下するおそれもあります。

このため、研究段階プロジェクトのステージアップについては、優先順位付けと絞り込みを行い、経営資源を効率的に投入しております。また、他社の技術やパイプラインの導入については、対象となる企業、技術、パイプライン等に関する詳細なデューデリジェンスを行うなど、意思決定に必要十分な情報を収集し、企業価値、事業価値、シナジー等について慎重に評価検討することとしております。

 

2.研究開発資金の確保に関するリスク(特に重要なリスク)

当社はいち早く新薬の製造販売承認を取得すべく研究開発に邁進しておりますが、新薬の開発には長期にわたり多額の研究開発投資を要するため、営業キャッシュ・フローがマイナスの状態が続いております。当社において研究開発資金の確保は重要課題の1つでありますが、これまでに実施したファイナンス等により当面の研究開発資金の確保、またライセンスインやM&A等の支出にも対応できる資金の確保までできていると判断しております。しかしながら、研究開発が計画通りに進捗する保証はないため、研究開発の遅延等が生じ、研究開発資金に不足が予想された場合には新たな資金調達が必要となります。適切なタイミングで十分な資金調達ができなかった場合には事業存続に重大な影響を及ぼすおそれがあります。

このため、選択と集中によるパイプラインや研究段階プロジェクトの優先順位付けと絞り込みを行い、経営資源の効率的な投入、プロジェクト管理の徹底及び強化、その他コスト削減策の実施等により支出を抑えております。また、資金調達が必要となった場合に備え、効果的かつ効率的な資金調達手段を検討しております。さらに、医療ニーズや開発トレンドに応じた開発方針の変更、提携先の探索等、多角的に本リスクの低減に努めております。

 

3.小規模組織であることに関するリスク

(1)人材の確保及び特定人材への依存に関するリスク

当事業年度末現在、当社は従業員数29名の小規模組織であります。限られた人的資源に依存しているため、従業員に業務遂行上の支障が生じた場合や大量に退職した場合には、各種業務に影響を及ぼすおそれがあります。また、事業ステージにあわせた採用計画を立案、実施しておりますが、想定したタイミングで適切な人材を採用できなかった場合も、各種業務に影響を及ぼすおそれがあります。

このため、教育訓練の実施、業務の文書化等、内部統制のフレームワークを活用した属人化の解消策等により、人材のバックアップ体制を拡充しております。また株式報酬制度の導入検討(本有価証券報告書提出日現在において決定)等による従業員へのインセンティブの付与や成果主義に基づく人事制度の導入等により従業員のモチベーション向上にも努めております。

 

(2)第三者への依存に関するリスク

現在当社は、医薬品開発企業として必要な機能のすべては有していないため、それらの業務については外部へ委託しており、主には、臨床試験については開発業務受託機関に、治験薬の製造については医薬品製造受託機関等にそれぞれ委託しております。これら受託機関等の倒産、契約の解消、当社が望む条件で契約締結又は更新できない等の可能性があり、当社は第三者への依存度が高い状況にあるため、これらリスクが顕在化した場合、代替機関の選定や移管のためのコスト増、臨床試験の遅延等が生じ、事業継続に重大な影響を及ぼすおそれがあります。

委託先とは相互利益の考えのもとに契約を締結しており、今後もこの考えを継続することで現契約の維持につながると考えております。また、定期的な連絡会議や担当者レベルでの日常的なコミュニケーション等により、関係の強化や認識の共有等にも努めております。万が一の事態に備え、代替候補先の探索検討を行うことでも、本リスクの低減を図っております。

 

(3)M&Aに関するリスク

当社は、医薬品事業の経営基盤構築及び関連事業や周辺事業の拡大のためには、提携やM&A等を通じた外部経営資源の活用や外部成長の取り込みを図っていくことが有力な選択肢になると考えており、適宜、探索や検討を進めております。また並行して、外部からのパイプラインの導入、製薬やバイオ企業への投資又は買収等も検討しておりますが、かかる導入、投資又は買収等が成功する保証はなく、想定した時期に提携やM&A等が成立する保証もなく、また、成立しても想定したシナジー効果が得られない可能性もあり、中長期的な事業目標が達成できないおそれがあります。

このため、提携やM&A等の検討にあたっては、対象となる企業に関する詳細なデューデリジェンスを行うなど、意思決定に必要十分な情報を収集し、企業価値、事業価値とシナジー等について慎重な評価検討を行うこととしております。

 

4.その他のリスク

(1)競合に関するリスク

当社はミセル化ナノ粒子技術をコアとして、現時点では主に抗がん剤領域の医薬品開発を実施しております。抗がん剤を含めた新規医薬品の市場は国内外を問わないことから、常に日本国内のみならず世界中の同業他社と競合状態にあります。当社としては、いち早く新薬の製造販売承認を取得すべく研究開発に邁進しておりますが、他社がより優位性のある製品を開発した場合、当社技術を利用した医薬品開発の成功確率が低下する可能性があり、事業継続に重大な影響を及ぼすおそれがあります。また将来当社が製造販売承認を取得した後に他社がより優れた製品の製造販売承認を取得した場合、将来の売上高の減少等により、経営成績等に重大な影響を及ぼすおそれがあります。

このため、技術の改良や深化に努めて当社技術の優位性を確保し続けるとともに、他分野への進出や他社の技術の導入等により本リスクの低減を図っております。

 

(2)知的財産に関するリスク

当社が現在臨床開発を推進しているパイプラインは、当社が保有又は当社が他者からライセンスインをしている特許権若しくは特許出願を基礎とするものであり、これらの特許は医薬品市場の大きい米国、ヨーロッパ及び日本を含むアジアを中心に出願されております。

しかしながら、現在出願中の特許が全て成立するとは限らず、また、当社が事業活動を行う全ての地域又は競合相手が存在する全ての地域において特許を出願しているわけではありません。また、特許が成立しても、当社の研究開発を超える優れた研究開発により当社の特許に含まれる技術が淘汰される可能性は常に存在します。これらが顕在化した場合、当社パイプラインの開発継続が困難になるなど、事業継続や経営成績等に重大な影響を及ぼすおそれがあります。さらに、当社の今後の事業展開の中でライセンスインする必要のある特許が生じ、そのライセンスインができなかった場合や、多額の実施料の支払いが必要になった場合には、研究開発コストの増加など、事業計画や経営成績等に影響を及ぼすおそれがあります。

なお、当事業年度末現在において、当社の開発に関連した特許権等の知的財産権について、第三者との間で訴訟やクレームが発生した事実はありませんが、他者が当社と同様の研究開発を行っていないという保証はなく、今後も当社が他者の特許に抵触するような問題が発生しないという保証はありません。このような問題を未然に防止するため、当社及び特許事務所等を通じた特許調査を実施しており、現時点において当社技術が他者の特許に抵触しているという事実は認識しておりません。しかし、当社のような研究開発型企業にとって、このような知的財産権の侵害に関する問題の発生を完全に回避することは困難であり、第三者との間で特許権に関する紛争が生じた場合又は当社が共同研究開発の相手方と第三者の紛争に巻き込まれた場合には、事業戦略や経営成績等に重大な影響を及ぼすおそれがあります。

 

(3)製造物責任に関するリスク

医薬品の開発及び製造には、製造物責任のリスクが内在します。将来、当社が開発し製品として販売された医薬品が健康障害を引き起こした場合若しくは臨床試験、製造、営業又は販売において不適当な点が発見された場合、当社は製造物責任を負うこととなり、売上高の減少や損害賠償費用等、経営成績等に重大な影響を及ぼすおそれがあります。また、たとえ当社に対する損害賠償の請求等が認められなかったとしても、損害賠償請求が与えるネガティブなイメージにより、当社及び当社が開発した医薬品に対する信頼性に悪影響を及ぼし、事業継続に影響を及ぼすおそれがあります。

現時点において当社の医薬品事業は研究開発段階であるため、本リスクの可能性は製造業務、つまり委託先に内在すると考えており、製造委託機関への監査等を実施することで、品質管理とその維持に努めております。(化粧品事業については、「(4)化粧品事業に関するリスク」を参照)

 

(4)化粧品事業に関するリスク

当社はミセル化ナノ粒子技術の応用範囲を広げ、株式会社アルビオンとの共同開発により、化粧品事業を展開しております。当社は主に、同社に対し化粧品の材料供給を行っております。

化粧品業界は、参入障壁が低いこともあり、激しい企業間競争にさらされておりますが、当社は同社とともに既存の製品にない画期的な製品を開発し、また同社の持つブランド力、マーケティング力及び販売力を活用することにより、現時点において化粧品事業は堅調に進捗しております。しかしながら、他社がより優位性のある製品を発売した場合や、顧客のニーズの移り変わりなど、市場から受け入れられなくなるリスクは常に存在し、これらのリスクが顕在化した場合、化粧品材料供給収入の減少等、経営成績等に影響を及ぼすおそれがあります。このため、消費者ニーズのタイムリーな把握による製品の改良、新製品の開発等により本リスクの低減に努めております。

また、化粧品事業は株式会社アルビオンに対する依存度が高く、契約の解消や当社の望む条件で契約更新できなかった場合等、化粧品事業の継続に重大な影響を及ぼすおそれがあります。同社とは相互利益の考えのもとに契約を締結しており、今後もこの考えを継続することで現契約の維持につながると考えております。また、定期的な連絡会議や担当者レベルでの日常的なコミュニケーション等により、関係の強化や認識の共有等にも努めております。

さらに、当社の供給する原材料等の品質管理には検査の徹底等により万全を期しておりますが、品質や安全性について疑義が生じた場合は、化粧品材料供給収入の減少等により経営成績等に影響を及ぼすおそれがあり、また結果的に当社の製品及び原材料に品質欠陥や安全性に関する問題が生じなかった場合においても、風評被害等により、同様の影響を受けるおそれがあります。このため、製造委託機関による品質適合検査の実施及び当社による検査結果の確認等により、品質管理とその維持に努めております。

 

5.新型コロナウイルス感染症に関するリスク

今般の新型コロナウイルス感染症の感染拡大により、世界各国の経済活動に影響が及んでおります。当社の主たる事業は医薬品等の研究開発であり、上市された製品もないため、当社への影響は限定的と考えておりますが、①臨床開発段階のパイプラインにおける患者登録の遅れに伴う試験期間の延長、②百貨店等における化粧品の店頭販売の低迷等に伴う当社化粧品材料供給収入の減少等の可能性があり、本リスクは今後、新型コロナウイルス感染症の収束後数ヵ月乃至数年程度存在すると予想しております。①については、治験登録施設の追加等を実施しておりますが、臨床開発の遅延による開発コストの増加、将来の売上高の計上時期の遅れ等の可能性があり、②については、対策が困難であるため、化粧品材料供給収入の減少等の可能性が高く、いずれも経営成績等や事業展開に影響を及ぼすおそれがあります。

 

2【沿革】

年月

事項

1996年6月

ナノテクノロジーを利用したミセル化ナノ粒子を医薬品開発に応用・実用化することを目的として、ナノキャリア株式会社を東京都世田谷区に設立

1999年10月

千葉県柏市の東葛テクノプラザ内に本社を移転し、研究所を開設

2001年1月

株式会社先端科学技術インキュベーションセンター(現 株式会社東京大学TLO)と「シスプラチン内包高分子ミセル」に関する実施許諾契約書を締結

2002年6月

日本化薬株式会社とパクリタキセルミセルに関する実施許諾基本契約を締結

2003年7月

東京都中央区に東京オフィスを開設

2004年8月

千葉県柏市の東大柏ベンチャープラザ内に本社及び研究所を移転・拡充

2008年3月

東京証券取引所マザーズに株式を上場

2008年9月

台湾のOrient Europharma Co.,Ltd.とシスプラチンミセル(NC-6004)のアジア地域におけるライセンス及び共同開発契約締結

2012年7月

株式会社アルビオンと新化粧品素材の共同開発及び化粧品の商業化に関する共同開発契約を締結

2012年10月

Orient Europharma Co., Ltd.とシスプラチンミセル(NC-6004)のアジア地域を対象とする開発及び販売権に加え、全世界を対象とする製造権を付与する新たなライセンス契約を締結

2014年2月

Orient Europharma Co., Ltd.との共同開発によるシスプラチンミセル(NC-6004)のアジア地域における第Ⅲ相臨床試験開始

2014年6月

千葉県柏市若柴に本社及び研究所並びに東京オフィスを移転・統合

2014年6月

エーザイ株式会社との間で同社所有の新規医薬品候補品に関するライセンス契約を締結

2015年3月

東京都中央区に新東京オフィスを開設

2015年6月

シスプラチンミセル(NC-6004)のアジア地域における第Ⅲ相臨床試験の日本からの参画開始

2015年7月

神奈川県川崎市川崎区にiCONMラボ(川崎サテライト研究所)を開設

2016年3月

株式会社アルビオンとの共同開発新製品であるスカルプトータルケア製品「Depth」販売開始

2016年12月

エピルビシンミセル(NC-6300)の米国における第Ⅰ相臨床試験開始

2017年8月

米国子会社NanoCarrier USのオフィス開設

2017年11月

イスラエルのVascular Biogenics Ltd.と遺伝子治療製品VB-111の日本国における開発及び商業化に関するライセンス契約を締結

2018年2月

日本化薬株式会社がパクリタキセルミセル(NK105)の第Ⅱ相臨床試験(進行・再発乳がん)開始

2018年6月

セオリアファーマ株式会社と耳鼻咽喉科領域及びがん領域の新医薬品等の開発候補品に関する共同開発契約を締結、耳鼻咽喉科領域における開発候補品(ENT103)の開発に着手

2018年7月

Orient Europharma Co., Ltd.とシスプラチンミセル(NC-6004)の頭頸部がんを対象とした欧米を含む地域の共同開発に関するライセンス契約を締結

2019年5月

セオリアファーマ株式会社との共同開発による耳鼻咽喉科領域における開発候補品(ENT103)の第Ⅲ相臨床試験開始

2019年7月

シスプラチンミセル(NC-6004)の欧米地域における免疫チェックポイント阻害剤との併用による第Ⅱ相臨床試験開始

2019年10月

エピルビシンミセル(NC-6300)の米国第Ⅰ相臨床試験の血管肉腫を対象とした追加試験開始

2020年3月

遺伝子治療製品VB-111の国際共同第Ⅲ相臨床試験への日本からの参画を決定

(5)【所有者別状況】

 

 

 

 

 

 

 

2020年3月31日現在

区分

株式の状況(1単元の株式数100株)

単元未満

株式の状況

(株)

政府及び

地方公共

団体

金融機関

金融商品

取引業者

その他の

法人

外国法人等

個人

その他

個人以外

個人

株主数(人)

7

39

148

41

79

35,419

35,733

所有株式数(単元)

1,767

39,625

53,909

49,354

1,875

513,964

660,494

8,001

所有株式数の割合(%)

0.27

6.00

8.16

7.47

0.28

77.82

100.00

(注)自己株式26株は、「単元未満株式の状況」に含めて記載しております。

 

3【配当政策】

当社は創業以来、当期純損失を計上しており、利益配当は実施しておりません。

当社の医薬品事業については引き続き研究開発活動を実施していく必要があるため、研究開発活動の継続的な実施に備えた資金の確保を優先する方針です。株主への利益還元については重要な経営課題と認識しておりますが、利益が計上された段階において経営成績及び財政状態を勘案し、方針を検討する所存であります。剰余金の配当を行う場合は、年1回期末での配当を考えております。配当の決定機関は株主総会であります。また、当社は会社法第454条第5項の中間配当を取締役会決議で行うことができる旨、定款に定めております。

 

(2)【役員の状況】

① 役員一覧

男性 8名 女性 1名 (役員のうち女性の比率11.1%)

役職名

氏名

生年月日

略歴

任期

所有株式数

(株)

代表取締役社長

CEO

松山 哲人

1962年7月3日

 

1986年4月

三菱商事㈱入社

2003年5月

㈱メディカル・プロテオスコープ取締役COO兼CFO、代表取締役社長歴任

2007年10月

㈱CSK-IS執行役員

2010年5月

㈱ローソン事業開発本部長、執行役員海外事業グループCOO等歴任

2012年11月

日東紡績㈱参与、同理事、ニットーボーメディカル㈱専務取締役等歴任

2014年12月

当社顧問

2015年6月

当社取締役CFO兼社長室長

2018年6月

㈱イントラスト取締役(現任)

2018年7月

当社取締役CSFO兼社長室長

2019年11月

当社代表取締役社長CEO(現任)

 

(注)3

1,200

取締役

コーポレート本部長

藤本 浩治

1972年11月20日

 

1996年4月

日産建設㈱(現 りんかい日産建設㈱)入社

2002年11月

当社入社

2005年7月

当社管理部総務人事課長

2015年5月

当社管理部次長

2017年4月

当社総務人事部長

2019年12月

当社コーポレート本部長兼総務人事部長

2020年6月

当社取締役コーポレート本部長(現任)

 

(注)3

4,300

取締役

岡野 光夫

1949年3月21日

 

1994年1月

東京女子医科大学医用工学研究施設教授

1994年1月

米国ユタ大学薬学部併任教授(現任)

1996年6月

当社取締役(現任)

2001年4月

東京女子医科大学先端生命医科学研究所所長・教授

2001年5月

㈱セルシード取締役

2014年4月

東京女子医科大学名誉教授・特任教授(現任)

2016年9月

米国ユタ大学薬学部細胞シート再生医療センター長(現任)

2020年4月

東京女子医科大学先端生命医科学センター長(現任)

 

(注)3

315,200

取締役

片岡 一則

1950年11月27日

 

1979年4月

東京女子医科大学医用工学研究施設助手、講師、助教授歴任

1989年4月

東京理科大学基礎工学部助教授、教授歴任

1998年4月

東京大学大学院工学系研究科教授

2004年7月

東京大学大学院医学系研究科教授(併任)

2015年7月

公益財団法人川崎市産業振興財団ナノ医療イノベーションセンター センター長(現任)

2016年4月

東京大学特任教授(現任)

2016年6月

東京大学名誉教授(現任)

2016年7月

公益財団法人川崎市産業振興財団副理事長(現任)

2020年6月

日産化学㈱取締役(現任)

2020年6月

当社取締役(現任)

 

(注)3

147,000

 

 

役職名

氏名

生年月日

略歴

任期

所有株式数

(株)

取締役

秋永 士朗

1956年11月28日

 

1981年4月

協和発酵工業㈱(現 協和キリン㈱)入社

1994年4月

同社医薬研究所主任研究員

2001年4月

同社創薬研究本部がん領域マネジャー

2004年4月

同社研究開発本部臨床開発一部次長

2006年4月

同社研究開発本部国際開発部長、臨床開発第一部長歴任

2008年10月

協和発酵キリン㈱(現 協和キリン㈱)開発本部臨床開発第一部長

2011年3月

同社執行役員国際開発統括

2013年3月

同社フェロー

2017年3月

アキュルナ㈱取締役CSO

2018年11月

同社代表取締役社長(現任)

2020年6月

当社取締役(現任)

 

(注)3

取締役

ミシュラ

マニッシュ

1967年7月21日

 

1991年6月

インドP.C. Point Computers Corporation代表取締役CEO

1996年4月

インドENIX Corporation代表取締役CEO

2001年1月

APAX GLOBIS PARTNERS(現 ㈱グロービス・キャピタル・パートナーズ)ファンドマネージャー

2004年3月

当社取締役COO兼CFO

2008年4月

日本マイクロソフト㈱執行役員

2012年3月

㈱Bridge & Sun代表取締役社長(現任)

2019年6月

当社取締役(現任)

 

(注)3

45,000

監査役

(常勤)

野口 勘四郎

1947年5月25日

 

1970年4月

日本ケミファ㈱入社

1997年4月

同社営業本部営業管理部長

1999年12月

㈱化合物安全性研究所取締役総務部長

2002年5月

同社常務取締役総務部長

2008年2月

JFCスポーツバンガード㈱常勤監査役

2009年2月

東京ボード工業㈱経営管理部総務担当部長代理

2009年4月

同社総務部長

2009年6月

当社監査役(現任)

 

(注)4

3,600

監査役

森嶋 正

1948年1月23日

 

1972年4月

アーサーアンダーセン会計事務所入所

1988年9月

アーサーアンダーセン(現 有限責任 あずさ監査法人)パートナー

1993年11月

森嶋公認会計士事務所代表(現任)

1999年10月

当社監査役(現任)

 

(注)4

31,000

監査役

中山 美惠子

1962年9月5日

 

1985年4月

アメリカンファミリー生命保険会社入社

2002年4月

司法研修所入所

2003年10月

弁護士登録(第一東京弁護士会所属)

2003年10月

真法律会計事務所入所

2010年4月

悠綜合法律事務所パートナー弁護士(現任)

2017年6月

当社監査役(現任)

 

(注)4

800

548,100

(注)1.取締役 岡野光夫、片岡一則、秋永士朗及びミシュラマニッシュは社外取締役であります。

2.監査役 野口勘四郎、森嶋正及び中山美惠子は社外監査役であります。

3.2020年6月26日開催の定時株主総会終結の時から2021年3月期に係る定時株主総会終結の時まで

4.2019年6月26日開催の定時株主総会終結の時から2023年3月期に係る定時株主総会終結の時まで

 

② 社外役員の状況

当社の社外取締役は4名、社外監査役は3名であり、各取締役及び各監査役と当社との間には、以下を除き、特別の利害関係はありません。

・取締役秋永士朗は、アキュルナ株式会社の代表取締役社長を兼務しております。当社は同社と実施許諾契約を締結しており、契約収入を計上しております。

なお、取締役片岡一則は公益財団法人川崎市産業振興財団の副理事長を兼務しております。当社は同財団から川崎サテライト研究所を賃借しており、また同財団との共同研究及びそれに付随する取引がありますが、いずれの取引も金額は僅少かつ他の一般的取引と同程度の条件で行われており、社外取締役個人が直接利害関係を有するものではありません。

また、社外取締役岡野光夫は当社株式415,200株(うち潜在株式100,000株)、社外取締役片岡一則は当社株232,000株(うち潜在株式85,000株)、社外取締役ミシュラマニッシュは当社株式45,000株、社外監査役野口勘四郎は当社株式23,600株(うち潜在株式20,000株)、社外監査役森嶋正は当社株式41,000株(うち潜在株式10,000株)、監査役中山美惠子は当社株式800株をそれぞれ保有しております。

当社においては、社外取締役又は社外監査役を選任するための会社からの独立性に関する基準又は方針を定めていないものの、今後の社外役員選任においても、当社にとって有益な人材かつ、当社と重大な利害関係のない独立性の高い人材を選任し、経営監視機能強化及びその維持を図る方針です。

 

③ 社外取締役又は社外監査役による監督又は監査と内部監査、監査役監査及び会計監査との相互連携並びに内部統制部門との関係

社外取締役は当社テクノロジー、医薬事業及び企業経営に精通した人材を登用しております。取締役会に出席し、当社取締役の職務執行の監督を行っております。

社外監査役は財務及び会計、企業経営及び法令、コンプライアンスに精通した人材を登用しております。監査役会において定めた監査方針・監査計画に基づき監査を行い、月に1回監査役会を開催し、常勤監査役からの会社の状況に関する報告及び監査役相互による意見交換を行っております。また、取締役会及び重要な会議に出席し、業務執行が適切に行われていることを確認することで監査業務の有効性の確保を図っております。この他、会計監査人及び当社内部監査室との情報交換並びに常勤取締役と定期的な面談を行っております。

内部監査部門は内部監査計画に基づき、当社全部門の内部監査を実施し、各部門の監査結果を代表取締役社長及び常勤監査役に対し報告を行っております。

 

4【関係会社の状況】

当社は非連結子会社1社を有しておりますが、重要性が乏しいため記載を省略しております。

 

売上原価明細書

 

 

前事業年度

(自 2018年4月1日

至 2019年3月31日)

当事業年度

(自 2019年4月1日

至 2020年3月31日)

区分

注記

番号

金額(千円)

構成比

(%)

金額(千円)

構成比

(%)

Ⅰ 材料費

 

2,123

5.8

1,168

3.7

Ⅱ 経費

34,638

94.2

30,085

96.3

当期総製造費用

 

36,762

100.0

31,254

100.0

期首商品たな卸高

 

25,663

 

26,734

 

当期商品仕入高

 

44,186

 

19,972

 

期末商品たな卸高

 

26,734

 

 

商品売上原価

 

43,115

 

46,707

 

当期売上原価

 

79,877

 

77,961

 

 

 

 

 

 

 

 

前事業年度

(自 2018年4月1日

至 2019年3月31日)

当事業年度

(自 2019年4月1日

至 2020年3月31日)

※ 経費の内訳は、次のとおりであります。

外注費   34,638千円

当社の原価計算は実際原価による個別原価計算であります。

※ 経費の内訳は、次のとおりであります。

外注費   30,085千円

当社の原価計算は実際原価による個別原価計算であります。

※1 販売費及び一般管理費のうち主要な費目及び金額並びにおおよその割合は、次のとおりであります。

 

前事業年度

(自 2018年4月1日

  至 2019年3月31日)

当事業年度

(自 2019年4月1日

  至 2020年3月31日)

給与手当・役員報酬

123,593千円

119,039千円

研究開発費

1,793,022千円

1,152,750千円

支払手数料

89,677千円

51,186千円

租税公課

63,935千円

117,406千円

顧問料

33,452千円

29,968千円

減価償却費

14千円

17千円

 

おおよその割合

販売費

2.9%

3.4%

一般管理費

97.1%

96.6%

1【設備投資等の概要】

当事業年度において実施しました設備投資の総額は219千円であり、この内訳は本社研究所の医薬品製造機器等によるものです。

 

株価(1年)
期間を変更
PER(1年/会予)
期間を変更

その他企業情報

企業価値24,264 百万円
純有利子負債-4,471 百万円
EBITDA・会予N/A
株数(自己株控除後)66,057,375 株
設備投資額0 百万円
減価償却費1 百万円
のれん償却費N/A
研究開発費1,153 百万円
代表者代表取締役社長CEO  松山 哲人
資本金4,136 百万円
住所東京都中央区京橋一丁目4番10号
会社HPhttp://www.nanocarrier.co.jp/

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