カルナバイオサイエンス【4572】

直近本決算の有報
株価:9月25日時点

1年高値2,429 円
1年安値1,009 円
出来高70 千株
市場東証JQG
業種医薬品
会計日本
EV/EBITDAN/A
PBR4.2 倍
PSR・会予18.2 倍
ROA15.5 %
ROIC17.4 %
β1.97
決算12月末
設立日2003/4/10
上場日2008/3/25
配当・会予0 円
配当性向0.0 %
PEGレシオN/A
売上高(百万円)&収益性(%)
売上5y CAGR・予想:6.3 %
利益(百万円)
営利 CAGR・実績:N/A %
純利 CAGR・実績:N/A %
EPS(円) BPS(円)
配当(円)
健全性(%、倍)
セグメント別売上
セグメント別営業利益
セグメント別利益率
会社の詳細

 

3 【事業の内容】

(1) 事業の背景

①キナーゼへの着目

がん疾患、リウマチなどの免疫炎症疾患、アルツハイマー病などの神経変性疾患では、生体恒常性機能に異常をきたしており、生体内では異常なシグナル伝達が起こっていることが知られています。この原因と考えられている分子のひとつに、細胞内外の情報伝達をつかさどるキナーゼ(*)と呼ばれる酵素があります。このキナーゼが遺伝子変異やストレスなどによって異常な働きになった場合には、シグナル伝達機能に支障をきたし病気につながることが知られています。当社は、このキナーゼに焦点をあてて、画期的な新薬の創製を目指し研究開発を行っております。

 

②キナーゼ阻害薬の活躍

がん、炎症、リウマチなどの疾患では、細胞のなかに存在する特定のキナーゼ(*)が遺伝子変異やストレスなどによって異常な働きになり、それが原因となって生体恒常性機能に異常を引き起こしていることが徐々に明らかになってきました。しかしながら、キナーゼ(*)は生体内に500種類近く存在し、生命機能において大変重要な働きを担っているため、近年になるまで、キナーゼ(*)を阻害する薬の開発は副作用懸念のために進んでいませんでした。

その流れを変えたのが、2001年に米国で販売が開始されたBCR-ABLチロシンキナーゼを選択的に阻害する慢性骨髄性白血病治療薬のグリベック® (一般名:イマチニブ、製造販売元:Novartis AG)の成功です。この成功により、特定のキナーゼ(*)の働きのみを選択的に抑制する、安全で有効な分子標的薬(*)の研究が製薬企業で活発に進められるようになり、その後、様々ながんの治療薬として次々に大型のキナーゼ阻害薬(*)が誕生し、多くのがん患者に届けられています。また、免疫炎症疾患を対象としたゼルヤンツ®(一般名:トファシチニブ、製造発売元:Pfizer Inc. )が、米国FDA(U.S. Food and Drug Administration)により承認されると、キナーゼ(*)は、がん疾患のみならず、様々な疾患の創薬標的として認知され、その研究開発が拡がりをみせています。さらに最近では、欧米の製薬企業だけでなく、わが国の製薬企業が開発した低分子のキナーゼ阻害剤が相次いで上市されるなど、今後もブロックバスターと呼ばれる大型新薬を目指した製薬企業によるキナーゼ阻害薬(*)の開発は発展していくものと予想されます。

さらに、がん治療分野における画期的な進展として、ヒト型抗ヒトPD-1モノクローナル抗体であるオプジーボ®(一般名:ニボルマブ、製造発売元:小野薬品工業株式会社等)に代表されるがん免疫療法に基づくバイオ医薬品の相次ぐ承認が挙げられます。一部の患者では治療により寛解する等、これまでにない成果を挙げておりますが、多くの患者に効果が出るよう、こうしたがん免疫療法薬の効果をさらに高めることが重要な課題となっています。その代表的なアプローチとして、がん免疫療法薬と他の低分子医薬品との併用療法が注目されており、そのような薬剤の一つとしてキナーゼ阻害薬(*)がその成果を挙げつつあります。特に、エーザイ株式会社が開発したレンビマ®は、抗PD-1抗体であるキイトルーダ®(一般名:ペムブロリズマブ、製造販売元:Merck & Co., Inc.)との併用で高い抗腫瘍効果を示したことから、大型提携に発展しています。このように、キナーゼ阻害薬(*)は、単剤としての効果のみならず、これら併用療法において治療効果を高める薬剤としても大いに期待されます。

上記のような分子標的薬(*)は、特定の疾患において特異的に発現している標的分子を選択的に阻害するため、効果的でかつ副作用が少ないという特徴をもっており、加えてコンパニオン診断による投薬前の事前検査を行うことで、治療効果が高いと判定された患者への投薬が可能となり、より高い安全性と治療効果をもたらし、個別化医療の実現に着実に近づくことが期待されます。現在、50を超えるキナーゼ阻害薬(*)が米国FDAにおいて承認されているとともに、世界中の製薬企業やバイオベンチャーでさらに新薬候補品が研究開発され、臨床試験段階に入っております。

 

 

(画像は省略されました)


(注)図中のATP(*)については、「第4 提出会社の状況 4 コーポレート・ガバナンスの状況等」の末尾の用語解説をご参照願います。

 

③低分子経口薬(分子標的薬)の社会的価値

細胞内にあるキナーゼ(*)という酵素をターゲットとするキナーゼ阻害薬(*)は、従来の治療薬と比較して治療効果が高く、副作用が少ないと考えられることから、近年、新たな分子標的薬(*)の分類として、世界各国の大手製薬企業や研究機関、バイオベンチャー等で活発な研究開発が進められています。
   現在、医薬品として認可され、上市(*)されている薬剤は、大きく分けて2種類あります。ひとつは、注射により患者に投与される抗体などの高分子(バイオ)医薬品であり、もうひとつは、当社が研究開発(*)を行っている経口投与可能な低分子医薬品です。近年、抗体がバイオ医薬品として注目を集めておりますが、主に細胞で培養し製造されるため複雑な製造工程を有していることから、比較的薬価が高いものが多く、医療経済を圧迫する一因ともなっています。また、注射剤であることから、患者は投与を受けるために通院を要し、肉体的な負担が比較的大きい薬といえます。他方、当社が研究開発(*)を行っている低分子のキナーゼ阻害薬は経口投与可能であり、医師による処方により患者自身が自宅等で服用できることから身体的負担が少なく、さらに化学合成により比較的安価に製造されるため薬価を低く抑えることができ、医療経済上においても優しいものであることから、開発途上国などを含む世界中の患者に広く提供可能な薬といえます。

また、抗体は高分子薬であることから細胞膜を透過することができず、細胞外の分子のみが標的となりますが、キナーゼ阻害薬等の低分子阻害薬は細胞膜を透過することが可能なことから、細胞内の分子を標的とすることができ、抗体で治療できない疾患の治療薬の開発が可能となります。

 

(2) 事業内容

当社グループは、当社(カルナバイオサイエンス株式会社)及び連結子会社(CarnaBio USA, Inc.)により構成されており、「創薬事業」及び「創薬支援事業」という2つの事業を、主たる事業として手掛けております。
 当社グループの事業内容及び当社と子会社の当該事業における位置づけは次のとおりであります。

 

 

区分

事業内容

主要な会社

創薬事業

当社の創薬研究(*)の成果物である医薬品の特許をはじめとする知的財産権のライセンスを製薬企業等に導出し、契約一時金収入、マイルストーン収入及びロイヤリティ収入等を獲得する事業です。自社単独及び他社・他機関と共同でキナーゼ阻害薬(*)等の基礎研究、創薬研究及び開発(*)を行っております。

当社

創薬支援事業

製薬企業やバイオベンチャー、大学等の研究機関で実施される創薬研究(*)を支援するための製品・サービスを販売、提供することによって収入を獲得する事業です。具体的には、製品として、キナーゼ阻害薬(*)の研究において試薬として用いられるキナーゼタンパク質(*)とキナーゼ(*)の阻害活性を評価するアッセイ(*)キットを販売しております。さらに、受託サービスとして、製薬企業等が創り出した化合物のキナーゼに係るプロファイリング(*)及びスクリーニング(*)等の実施、キナーゼに係るアッセイ開発、並びに当社及び当社の協力会社が開発したセルベースアッセイ(*)サービスの提供等を行っております。

当社、
CarnaBio USA,
Inc.

 

(注) セグメントは事業の区分と同一であります。

 

新薬の創薬ターゲットを同定し、その標的に有効な医薬品候補化合物を創製して、さらにその有効性・安全性を確かめ医薬品としてわが国の厚生労働省や米国FDA等の規制当局に承認申請を行い、承認を得るまでの過程を「創薬」といいます。当社グループは、この「創薬」の中でも、特にキナーゼ阻害薬(*)を創製するための基盤となる技術、いわゆる「創薬基盤技術」をベースに、「創薬事業」及び「創薬支援事業」を展開していることが特徴です。

 

当社グループの事業内容の系統図は以下の通りです。

 

(画像は省略されました)


 

①創薬事業

  当社グループの創薬事業は、キナーゼ阻害薬(*)等の創薬研究(*)を行い、そこから生み出された新薬候補化合物の前臨床試験ならびに臨床試験を行うとともに、創薬に係る研究開発成果を製薬企業等へ導出(ライセンスアウト)し、その対価として収益を獲得するというビジネスモデルに基づいて事業を行っております。この対価には、製薬企業等へ医薬品候補化合物を導出した時点で獲得する契約一時金、その後の研究開発の進展に伴い目標を達成した時点で獲得するマイルストーン収入、さらに新薬の上市後の売上の一定割合を獲得するロイヤリティ収入があります。米国の創薬型バイオベンチャー企業が多く採用しているこのタイプのビジネスモデルは、創薬全体の研究開発コストを1社において負担するリスクを回避するとともに、創薬研究段階ないしは開発(*)の初期ステージにおいて、画期的な医薬品候補化合物を製薬企業等へ導出することで、創薬研究のオープンイノベーションを先導するものであります。

 

a.キナーゼ阻害薬等の研究開発

  当社グループは、創薬事業において、新規性が高くこれまでにない画期的なキナーゼ阻害薬(*)等の創製に係る研究開発を行っております。研究開発テーマは、特にアンメット・メディカル・ニーズの高い、いまだ十分な治療方法が確立していない疾患を中心に選定しており、特にがん、免疫炎症疾患を重点疾患領域として、画期的な新薬の創製を目指し研究開発を行っております。研究開発の体制は、自社単独で行う研究開発プロジェクトを実施するとともに、製薬企業、大学及び公的研究機関等と共同で新薬の研究開発を行っております。

 さらに、当社グループの創薬事業においては、初期の開発ステージ、いわば臨床試験の前期第2相(フェーズⅡa)までの研究開発を行うことを基本方針としており、コスト負担の大きい後期第2相(フェーズⅡb)以降の開発(*)は手掛けず、それ以前のいずれかの段階で製薬企業等へ導出(ライセンスアウト)するビジネスモデルを基本としています。当社グループは、自社及び共同研究で手掛けた医薬品候補化合物の知的財産権に基づく開発・商業化の権利を製薬企業等に供与することによって、ライセンス契約締結時における契約一時金、前臨床試験や臨床試験等の各ステージを開始/完了した時、承認申請時、承認取得時等の目標達成に伴うマイルストーン収入、並びに新薬の上市(*)後にその売上高等に対する一定の割合をロイヤリティー収入として受け取る収益モデルを想定しております。

  なお、2019年12月末現在で、2テーマを製薬企業等に導出済みであり、2テーマが前臨床試験段階にあり、その他複数の研究テーマについても非臨床段階の研究開発を行っております。また、1テーマについて製薬企業と共同研究契約を締結しております。

 

b.新薬の研究開発プロセスについて

<新薬の研究開発プロセス及び一般的な期間>

(画像は省略されました)


 

※ 当社グループの創薬事業は、上表の実線部分までのステージを手掛けることを基本方針としております。点線部以降の各ステージは、導出先の製薬企業等が手がけることになります。

 

 

(a) 創薬研究

  創薬研究(*)の初期段階では、疾患に関連すると想定される遺伝子やタンパク質を標的(ターゲット)として、その標的が創薬の対象として妥当であるか、また可能性があるかを検討します。基礎研究段階で創薬のターゲットとなりうることが確認されると、そのターゲットに対するハイスループットスクリーニング(HTS)(*)を実施し、一定の基準を満たしたヒット化合物(*)の選出を行います。そのヒット化合物の中からさらに医薬品になる可能性のある構造を持ったリード化合物(*)の創出研究を行います。見出されたリード化合物は、試験管内でのターゲットに対する作用や疾患モデル動物での治療効果を評価する薬理試験や毒性試験を通して、候補化合物の化学構造を最適化していきます。このとき、経口吸収性、体内での安定性、蓄積性などを評価する薬物動態試験も実施し、ターゲットへの作用だけでなく薬としての特性も同時に明らかにしていきます。そして、前臨床試験段階に進めるべき化合物を決定します。

 

(b) 前臨床試験

  医薬品の臨床試験実施及び製造販売承認申請に必要な前臨床試験は、薬効試験、薬物動態試験、安全性試験の3種類に大別されます。その際、動物福祉を配慮して科学的に前臨床試験を実施します。そして試験内容により厚生労働省の省令GLP「医薬品の安全性に関する非臨床試験の実施基準」やガイドラインに準拠して実施します。そしてそれらの結果を厳格に評価して、臨床試験に進めるべき候補化合物か否かを決定します。

 

(c) 臨床試験(治験)

  前臨床試験で薬効、安全性と薬物動態が確認された候補化合物(治験薬)は、実際にヒトに慎重に投与され、主作用と副作用が検討・評価されます。その際には、倫理面での十分な配慮の下、科学的に適正に実施されることが厳密に要求されます。また、治験に参加するすべてのボランティア(健常成人あるいは患者の方)から、十分な説明に基づいて、文書により参加の同意を取得することも厳密に要求されます。治験全体にわたってはGCPという基準(国内では厚生労働省の省令「医薬品の臨床試験の実施に関する基準」)に従って実施されます。

 そして治験は以下の三つの段階で実施されます。

  第1相試験(フェーズⅠ)では、原則として同意を得た少数の健康な成人に治験薬を投与し、安全性や体内動態を確認します。

 第2相試験(フェーズⅡ)は、前期(フェーズⅡa)及び後期(フェーズⅡb)に分かれ、前期では少数の患者に治験薬を投与し、目標とする病気や病態に効果があるか、さらに安全性や薬物動態についても調べます。当社ではここまでのいずれかの段階までの研究開発を行い、製薬企業等へ導出する方針です。後期では、少数の患者に治験薬を投与し、投与量や投与方法の違いによる効果や安全性の比較検討も行います。

  第3相試験(フェーズⅢ)では、数百人から数千人の患者に治験薬を投与し、必要により既存薬と比較して治験薬の有効性、安全性と薬物動態を詳細に検討し、医薬品としての可能性を様々な要素から厳密に評価します。

 

②創薬支援事業

当社グループは、製薬企業やバイオベンチャー、大学等の各種研究機関を顧客として、これらの研究者に対してキナーゼ阻害薬(*)の創薬研究(*)において基盤となる技術、いわゆる「創薬基盤技術」に基づく製品及びサービスを提供し、これら顧客の創薬活動を支援する創薬支援事業を展開しております。特に、創薬における研究プロセスの初期段階であるヒット化合物(*)の抽出から前臨床試験の手前までの研究段階(新薬候補となる新規化合物の創製及び絞り込み)に焦点を当てて、キナーゼ阻害薬の研究開発における品質及び信頼性向上ならびにコスト圧縮や期間短縮などの効率化に寄与することを通じて、製薬企業等における新薬の創製に貢献するとともに、当社の自社創薬に係る研究開発資金を自ら捻出し、創薬事業に融通しています。

 

  キナーゼ阻害薬(*)等の新薬の研究開発を行うプロセスは、1)創薬ターゲットの同定、2)スクリーニング(*)及びリード化合物(*)の創出、3)リード化合物の最適化(*)といった段階を経て、前臨床試験ならびにその後の臨床試験へと進みますが、当社グループの創薬支援事業においては、これら1)、2)、3)の段階において必須となる以下の製品及びサービスを提供しております。

a.キナーゼタンパク質(*)

b.アッセイ(*)開発

c.プロファイリング(*)・スクリーニング(*)サービス

d.セルベースアッセイ(*)サービス

e.その他関連サービス

 

  製薬企業や創薬ベンチャー企業が他社との創薬競争を勝ち抜くためには、他社に先駆けて新薬を開発(*)し、医薬品として規制当局の承認を経て上市(*)する必要があります。このような製薬企業等における創薬のスピードアップを図るためには積極的に外部のリソースを活用することが重要であるといわれており、アッセイ(*)系構築、プロファイリング(*)・スクリーニング(*)、X線結晶構造解析(*)並びにセルベースアッセイ(*)等をアウトソースする製薬企業等は引き続き増加するものと思われ、また、創薬研究(*)の担い手が創薬ベンチャー企業中心となるなかで、潤沢な社内の研究リソースを有しない創薬ベンチャー企業を中心にこれらサービスの需要は拡大基調にあると予想しており、また創薬研究プロセスの効率化の観点から、これまでに存在しなかったアッセイ系やより高度化されたサービスの需要が高まっているといえます。当社は創薬基盤技術を駆使し、顧客ニーズに合致した付加価値の高い製品・サービスを開発してきましたが、今後も積極的に開発に取り組み、売上の拡大に取り組んでまいります。

<創薬研究プロセス及び当社グループ創薬支援事業の事業領域>

 

(画像は省略されました)


 

a.キナーゼタンパク質

  当社グループは、2019年12月末時点で360種類442製品のキナーゼタンパク質(*)(活性ミュータントキナーゼ、非活性キナーゼ及び非活性ミュータントキナーゼを除く)を主に製薬企業向けに販売しております。具体的には、スクリーニング(*)用グレード及び結晶化用の高純度グレードキナーゼタンパク質を取り揃えており、少量(5㎍)から大量(mgレベル)まで幅広く供給できる体制を整えています。さらに、表面プラズモン共鳴 (SPR)(*)やバイオレイヤー干渉法 (BLI)(*)といった物質間の相互作用を評価する系(解析機器)で利用可能なビオチン化キナーゼタンパク質(*)についても107製品を販売しております。

 2019年12月末現在、78種類134製品のチロシンキナーゼ(うち54製品は活性ミュータントキナーゼ等)、266種類277製品のセリン/スレオニンキナーゼ(うち7製品は活性ミュータントキナーゼ)及び16種類の脂質(リピッド)キナーゼ(*)、並びに8種類の非活性キナーゼ及び7種類の非活性ミュータントキナーゼについて、キナーゼタンパク質(*)の販売を行っております。

 当社グループは、顧客ニーズに合致した高品質のキナーゼタンパク質(*)を製造・販売し、売上の拡大を図っております。

 

b.アッセイ開発・アッセイキット

  当社グループは、遺伝子クローニング(*)の技術、活性のある/ないキナーゼ(*)を発現し抽出する技術、基質(*)探索及びアッセイ(*)系構築に関する各種の知見ならびに技術を蓄積しています。2003年にヒトゲノムが解読され、これによって簡単にヒトの遺伝子を取得できるようになりましたが、高い活性を有するキナーゼを取得するには、組み換え(リコンビナント)タンパク質(*)の構造、発現細胞の選択及びその培養方法、キナーゼの高純度精製技術などのノウハウが必要です。キナーゼの活性を測るために必要な基質(*)についても、当社が保有する基質ライブラリーを用い、個々のキナーゼに対応する基質を探索したデータが蓄積されています。

  これらにより2019年12月末時点で353製品のキナーゼ(*)のアッセイキットの開発に成功し、当社で製造したキナーゼタンパク質(*)、それに適合した基質(*)、アッセイバッファー(希釈液)及びプロトコル(手順書)を一式にしたキナーゼ活性測定キットとして販売をおこなっております。その他のキナーゼについても顧客より要望があれば、カスタムでアッセイ(*)系の開発を行うサービスを提供しています。このアッセイキットにおいても、開発に注力してきた脂質キナーゼ(*)製品で9種類を提供しており、変化する顧客ニーズを的確に把握し、売上の拡大を目指してまいります。

 

c-1.プロファイリングサービス

  リード化合物(*)の最適化の段階では、副作用の少ない新規医薬品候補化合物を創製するために、毒性試験等を実施し、標的とする特定のキナーゼ(*)のみを選択的に阻害し、阻害すべきでないキナーゼは阻害しない化合物(*)を見つけ出すことが重要となります。そのための、より多くのキナーゼに対し網羅的かつ迅速に阻害すべきキナーゼと阻害すべきでないキナーゼを見極める測定方法として、プロファイリング(*)が最適な方法と考えられます。

  当社グループは、2019年12月末時点で332製品のキナーゼ(*)についてプロファイリング(*)が可能です。そのうち192製品のキナーゼについては、より生体内に近いATP(*)濃度である1mMでのプロファイリングが可能です。これにより、顧客である製薬企業等は特定のキナーゼのみを阻害する選択性の高い化合物(*)を見つけることが可能となります。顧客がどのキナーゼを選んだらよいか手間であるという場合に備え、当社グループはQuickScout®パネル(MAPキナーゼ(*)カスケードのキナーゼ31種類をあらかじめ選択したプロファイリングパネル等4種類のプロファイリングパネル)を用意しています。顧客から化合物(*)をお預かりし、キナーゼに対する阻害率の測定、50%阻害濃度(IC50値)の測定を行い、結果を報告するサービス等を展開しております。当社グループのサービスを利用することで、顧客は網羅的なプロファイリングが可能となり、副作用の少ない新薬開発のための時間とコストを削減することが可能です。

  さらに、強い阻害効果を示すキナーゼ阻害剤(*)の中には、キナーゼ(*)への結合が遅いもの(slow binder)もあることが知られています。このような化合物を評価する際、アッセイ(*)時のキナーゼ反応の前に化合物と対象キナーゼとのプレインキュベーション(事前にキナーゼと化合物を反応させること)(*)を実施することにより、本来の化合物の阻害活性を算出することが可能となります。顧客からの要望に基づき、Mobility Shift Assay(*)で室温でのキナーゼ活性の安定性が確認されたキナーゼ171製品について、本サービスを提供しています。通常の測定では適正な評価が難しいslow binderの評価に有益なサービスです。

  当社グループは、プロファイリング(*)及び後述のスクリーニング(*)を行うために、PerkinElmer,  Inc.(米国、以下「パーキンエルマー社」という)のアッセイ(*)機器(LabChip® EZ Reader)を使用しており、この測定機器を用いて自動化を図り、効率的なアッセイを行っております。

 

c-2.スクリーニングサービス

  スクリーニング(*)とは、顧客から化合物(*)をお預かりし、当社が構築したアッセイ(*)系を用いて、特定のキナーゼ(*)に対して、阻害活性があるかどうかなど特定の性質を有するかについて一度に大量に評価し、結果を報告するサービスです。特に、数十万化合物の中からヒット化合物(*)を探索する過程で用いられる大規模アッセイ(ハイスループットスクリーニング(HTS)(*))を効率的に実施するためには、試薬を混ぜるだけで反応が検出できるホモジニアス(*)なアッセイ系構築のノウハウが必要です。

  当社グループは、上記c-1.に記載の通り、2019年12月末時点で、332製品のキナーゼ(*)のアッセイ(*)系の構築に成功しており、これらアッセイ系を用いて顧客からお預かりした化合物(*)のなかで、特定のキナーゼに対して阻害活性があるものを選び出し、結果を報告するスクリーニングサービスを提供しております。また、当社のアッセイ系は環境への負荷を考慮して、ホモジニアス(*)で且つ放射性同位体(*)を使わないアッセイ系を複数のプラットフォーム(*)(Mobility shift assay法(*)、TR-FRET法(*)、IMAP®(*)等)で構築し、スクリーニングを実施しております。

 

d.セルベースアッセイサービス

  上記のプロファイリング(*)・スクリーニング(*)サービスは、バイオテクノロジー技術を駆使して、細胞内から抽出したキナーゼ(*)という酵素の活性(リン酸化(*))について、キナーゼ阻害薬(*)がどのくらい阻害するかしないかを試験管の中で確認するためのものでありますが、セルベースアッセイ(*)サービスは、細胞レベルでのアッセイ(*)であり、細胞内に存在するキナーゼが、キナーゼ阻害薬によりどれくらい阻害される/されないか等を確認する評価系であります。より実際の生体内の環境に近いレベルで薬剤の効果を確認することができます。

  当社グループは、2019年12月末現在で、下記の自社提供ならびに協力会社の販売代理店となり、下表のサービスを提供しております。

サービス提供会社名

主なサービスの内容

当社

Promega Corporation(以下、プロメガ社)が提供するNanoBRET™テクノロジーを用いて細胞内でのキナーゼ阻害剤の作用を評価する受託試験サービス

当社

相補型スプリットルシフェラーゼアッセイ技術(*)を用いたGPCR(*)阻害薬研究やタンパク質間相互作用(*)の評価に有効な安定発現細胞株の製造販売ならびにタンパク質間相互作用(*)の評価に利用可能な安定発現細胞株の提供及び受託開発

Advanced Cellular Dynamics
(米国、ACD社)

セルベースチロシンキナーゼアッセイパネルを用いたプロファイリング(*)サービス受託及びセルライン販売

Cell Assay Innovations
(米国、CAI社)

抗リン酸化抗体を用いて細胞内の特異的なリン酸化(*)の状態を確認することができるセルベースアッセイ(*)サービスであるClariCELL™ の提供

Netherlands Translational Research Center B.V.(オランダ、NTRC社)

同社が開発したがん細胞パネルを用いた薬剤評価サービスであるOncolines™ や同サービスの結果に基づく薬剤併用効果を解析するサービスであるSynergyFinder™ 等の提供

 

  これら当社グループのオンリーワン技術に基づいたセルベースアッセイ(*)サービスは、キナーゼ阻害薬(*)の研究が深化するにともなって需要が高まっており、より安価に、より迅速に、細胞レベルにおいてリン酸化(*)シグナルの状態を解析することを望む顧客において、広く利用されております。

 

e.その他関連サービス

  当社グループは2016年8月にSARomics Biostructures AB(スウェーデン、サロミクス社)及びIniXium(カナダ、イニキシウム社)と販売代理店契約を締結し、サロミクス社が提供するX線結晶構造解析(*)サービス並びにイニキシウム社が提供する結晶化グレードタンパク質の販売等を行い、当社グループを通じ顧客に提供しております。

 

③同一の創薬基盤技術で顧客の創薬研究の支援と自社の創薬研究を行うことについて

当社グループの創薬支援事業は、当社の創薬研究(*)により見出されたキナーゼ阻害薬(*)の創製に係るさまざまな技術、知見、ノウハウの集大成である「創薬基盤技術」を駆使して事業を行っています。この「創薬基盤技術」は、世界最大クラスのキナーゼコレクション、数万種類のキナーゼフォーカス化合物ライブラリー、高品質な各種アッセイ(*)プラットフォーム(*)及びキナーゼプロファイリングパネル等、キナーゼ(*)に係る創薬技術により構成されており、長年の創薬研究において培われた当社の重要な財産であります。

この「創薬基盤技術」を当社の創薬研究(*)のみならず、世界の製薬企業、バイオベンチャー及び研究機関に対して提供することにより、画期的な新薬をより早く世に送り届ける一翼を担いたいとの認識から、新薬の創製を自ら行なう創薬事業と同時に他社をサポートする創薬支援事業を行っています。同時に、創薬支援事業で獲得した資金を創薬事業に融通することにより、創薬事業における創薬研究のスピード化を図ることもその目的としております。

しかしながら、一つの会社の中に自社の知的財産を創造する機能と、他社の知的財産の創造を支援する機能が共存していることは、顧客に対して顧客情報の秘匿性の確保についての懸念を与えかねません。

当社グループはプロファイリング(*)・スクリーニング(*)サービスの委託契約において、顧客からの委託を受けて行ったプロファイリング・スクリーニングの結果を用いた顧客の研究成果について、全て顧客に帰属する旨の契約を締結すると共に、顧客データへのアクセス権を厳密に設定、管理し、それらへのアクセスログをすべて記録する等、社内において全ての顧客情報の秘匿性に万全を期しており、情報セキュリティ及び管理体制の向上にも常に取り組んでいます。

 

(注) *を付している専門用語については、「第4 提出会社の状況 4 コーポレート・ガバナンスの状況等」の末尾に用語解説を設け、説明しております。

 

 

3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

(1) 重要な会計方針及び見積り

当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して作成されております。この連結財務諸表の作成において、損益または資産の状況に影響を与える見積りの判断は、一定の会計基準の範囲内において過去の実績やその時点での入手可能な情報に基づき合理的に行っておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性が存在するため、これらの見積りと異なる場合があります。なお、当社グループの連結財務諸表の作成にあたり採用した会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載のとおりであります。

 

(2) 経営成績

① 経営成績の状況及び分析

当社は、創薬事業においては、アンメット・メディカル・ニーズの高い未だ有効な治療方法が確立されていない疾患を中心に、特にがん、免疫炎症疾患を重点領域として画期的な新薬の開発を目指して研究開発に取り組み、また、創薬支援事業においては、新たなキナーゼ阻害薬創製のための製品・サービスを製薬企業等へ提供するため、営業活動に取り組んでおります。

2019年12月期の成果といたしましては、2019年6月に米国のギリアド・サイエンシズ社(以下、ギリアド社)と、当社が研究開発した新規がん免疫療法の創薬プログラムの開発・商業化にかかる全世界における独占的な権利を供与する契約を締結し、その対価である契約一時金20百万ドルを第2四半期連結会計期間に売上計上いたしました。当社は今後、開発状況や上市などの進捗に応じて追加的に最大で450百万ドルを受け取ることになり、さらに、本プログラムにより開発された医薬品の上市後の売上高に応じたロイヤリティを受け取ります。また、当社は、上記ライセンス契約とは別に、ギリアド社による当該プログラムの開発をサポートするために、当社が開発した脂質キナーゼ阻害剤に関する創薬基盤技術を有償で、ギリアド社に一定期間、独占的に供与します。

当社が開発し、シエラ・オンコロジー社(以下、シエラ社)に導出した、がんを標的とするCDC7阻害剤AS-141 (シエラ社の開発コード:SRA141)につきましては、米国においてIND申請(新薬臨床試験開始届)が完了しており、シエラ社は大腸がんを対象とした治験開始(フェーズ1/2)に向けた準備を進めています。当該フェーズ1試験においてSRA141が最初の患者に投与されたときに、マイルストーンとして4百万ドルが当社に支払われる契約となっています。シエラ社は、SRA141の開発を引き続き前進させるため、様々な選択肢を戦略的に検討中と発表しており、当社はSRA141の治験が早期に開始されることを期待しております。

当社の2つのBTK阻害剤ポートフォリオのうち、炎症性免疫疾患を対象として開発を進めているBTK阻害剤AS-0871については、2019年12月にオランダ当局にCTA(Clinical Trial Application, 臨床試験許認可申請)を提出いたしました。2020年2月にオランダ当局及び倫理委員会による承認を受けており、欧州での臨床試験の開始が可能となりました。本試験は当社初の自社臨床試験であり、現地での試験準備が整い次第、健康成人を対象として臨床試験(フェーズ1試験)を開始する予定です。一方、イブルチニブ耐性の血液がんを治療標的とした次世代BTK阻害剤AS-1763についても、前臨床試験を実施中であり、2020年中のIND申請、その後の自社臨床試験開始に向けて、鋭意準備を進めております。

当社のもう一つの事業の柱である創薬支援事業においては、2019年12月期の売上高は1,079,423千円となり、年間売上高を10億円以上とする目標を達成いたしました。米国では新興バイオベンチャー向けを中心に、キナーゼタンパク質、アッセイキット、プロファイリング受託など自社開発製品・サービスの売上が拡大し、また、中国でもキナーゼタンパク質の販売が好調に推移しました。さらに、創薬事業における上記ギリアド社とのライセンス契約に関連し、同社による当該プログラムの開発をサポートするため、当社の脂質キナーゼ阻害剤に関する創薬基盤技術を一定期間、独占的に同社に供与することとなり、2019年12月期の売上には、これに関連した売上も含まれています。

以上の結果、2019年12月期の売上高は3,207,423千円(前連結会計年度比325.0%増)となりました。地域別の売上は、連結ベースで国内売上高が259,249千円(前連結会計年度比23.4%減)、海外売上高は2,948,174千円(前連結会計年度比608.5%増)となりました。損益面につきましては、営業利益が977,778千円(前連結会計年度は1,144,519千円の営業損失)、経常利益は957,161千円(前連結会計年度は1,159,223千円の経常損失)、親会社株主に帰属する当期純利益は828,289千円(前連結会計年度は1,210,573千円の親会社株主に帰属する当期純損失)となりました。 

 

各セグメントの状況は次の通りです。

1) 創薬事業

当社独自の研究開発から見出された化合物を含む新規がん免疫療法の創薬プログラムに関して、ギリアド社と、当該プログラムの開発・商業化にかかる全世界における独占的な権利を供与する契約を締結し、その対価として契約一時金20百万ドル(2,128,000千円)を第2四半期連結会計期間に売上計上しております。また、前臨床研究段階にある創薬プログラムを中心に研究開発に積極的に先行投資を行い、当事業の研究開発費は1,187,160千円(前連結会計年度は1,084,685千円)となりました。その結果、売上高は2,128,000千円(前連結会計年度は50,000千円)、営業利益は577,230千円(前連結会計年度は1,261,987千円の営業損失)となりました。

 

2) 創薬支援事業

キナーゼタンパク質の販売、アッセイ開発、プロファイリング・スクリーニングサービス及びセルベースアッセイサービスの提供等により、創薬支援事業の売上高は、1,079,423千円(前連結会計年度比53.2%増)と過去最高の売上高を達成し、営業利益は400,547千円(前連結会計年度比241.0%増)となりました。売上高の内訳は、国内が259,249千円(前連結会計年度比10.2%減)、北米地域は634,205千円(前連結会計年度比154.0%増)、欧州地域は86,898千円(前連結会計年度比8.3%減)、その他地域が99,070千円(前連結会計年度比38.3%増)であります。

 

② 経営方針・経営戦略または経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

「第2 事業の状況 1経営方針、経営環境及び対処すべき課題等(2)目標とする経営指標」に記載のとおり、創薬支援事業については、安定的に収益を獲得する基盤事業として、継続的な事業成長と収益基盤の拡大を図るため、売上高伸び率、売上総利益率及び営業利益を重要な経営指標としております。

当連結会計年度の創薬支援事業は、売上高が前連結会計年度比53.2%と大幅に伸長いたしました。売上総利益率も、自社開発製品・サービスの販売が好調だったため、前連結会計年度比で改善しております。また、営業利益は400,547千円となり、前連結会計年度から241.0%増、283,079千円増加いたしました。

 

③ 当社グループの損益構造について

当社グループは、キナーゼ阻害薬(*)等を創製するための研究開発ならびにその基盤となる技術である「創薬基盤技術」を強化するための研究開発へ積極的に先行投資し、将来の飛躍的な成長を目指しております。そのための研究開発に係る費用は、創薬支援事業が生み出すキャッシュ・フロー及び創薬事業における導出契約やマイルストーン達成に基づく一時金収入、ならびに資本市場等から調達した資金等により充当しております。

創薬支援事業の業績は黒字を継続し安定的に推移しているものの、創薬事業からの収益は、導出契約の成否、導出先製薬企業等における開発(*)の進捗、導出活動の進捗及び当社の研究開発の進捗等により影響を受け安定的でないことから、当社グループの短期的な損益については赤字となる傾向があります。

しかしながら、当社グループは、中長期的な経営方針に基づき、さらなる成長軌道に乗せ、当社の企業価値を高めるために、積極的に当社創薬事業に先行投資を行い、研究開発を推し進めてまいります。そのための資金を獲得するために、創薬支援事業からの収益力をさらに高めるとともに、当社にとって最適な資金調達方法を検討し、研究開発資金の確保に努めてまいります。

 

 

第14期、第15期、第16期及び第17期のセグメントごとの売上、研究開発費及び営業損益は、以下の通りです。

(単位:千円)

回次

第14期(連結)

第15期(連結)

第16期(連結)

第17期(連結)

決算年月

2016年12月期

2017年12月期

2018年12月期

2019年12月期

売上高

811,598

657,516

754,691

3,207,423

 創薬支援事業

712,670

657,516

704,691

1,079,423

 創薬事業

98,928

50,000

2,128,000

研究開発費

513,430

670,861

1,140,841

1,281,980

 創薬支援事業

2,703

24,826

56,155

94,820

 創薬事業

510,727

646,035

1,084,685

1,187,160

営業利益(△損失)

△423,977

△699,060

△1,144,519

977,778

 創薬支援事業

192,059

142,804

117,468

400,547

 創薬事業

△616,036

△841,864

△1,261,987

577,230

 

 

④ 生産、受注及び販売の実績

1) 生産実績

当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

生産高(千円)

前年同期比(%)

創薬支援事業

1,010,684

148.3

 

(注) 1.金額は、販売価格によっております。

2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

3.創薬事業については、生産を行っていないため記載しておりません。

 

2) 商品仕入実績

当連結会計年度における商品仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

仕入高(千円)

前年同期比(%)

創薬支援事業

80,267

86.0

 

(注) 1.金額は、仕入価格によっております。

2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

3.創薬事業については、商品仕入を行っていないため記載しておりません。

 

3) 受注実績

当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

受注高
(千円)

前年同期比
(%)

受注残高
(千円)

前年同期比
(%)

創薬支援事業

1,437,610

206.8

397,902

1,001.9

創薬事業

2,128,000

4,256.0

合計

3,565,610

478.4

397,902

1,001.9

 

(注) 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

 

4) 販売実績

当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

販売高(千円)

前年同期比(%)

創薬支援事業

1,079,423

153.18

創薬事業

2,128,000

4,256.00

合計

3,207,423

425.00

 

(注) 1.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。

相手先

前連結会計年度

(自 2018年1月1日

至 2018年12月31日)

当連結会計年度

(自 2019年1月1日

至 2019年12月31日)

販売高(千円)

割合(%)

販売高(千円)

割合(%)

小野薬品工業株式会社

90,294

12.0

A社

2,435,230

75.9

 

(注) 1. 当連結会計年度における小野薬品工業株式会社の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は、100分の10未満であるため、記載を省略しております。

     2. 前連結会計年度におけるA社の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は、100分の10未満であるため、記載を省略しております。

2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

3.当社顧客との各種契約においては秘密保持条項が存在するため、一部の社名の公表は控えさせて頂きます。

 

(3) 財政状態

当社グループの連結の財政状態の概要につきましては、以下のとおりであります。

当連結会計年度末における総資産は、5,376,610千円となり、前連結会計年度末に比べて3,606,520千円増加となりました。その内訳は、現金及び預金の増加3,559,801千円等であります。

負債は1,523,088千円となり、前連結会計年度末と比べて640,451千円増加となりました。その内訳は、未払金の増加141,131千円、前受収益の増加310,706千円、未払法人税等の増加101,423千円等であります。

純資産は3,853,522千円となり、前連結会計年度末と比べて2,966,069千円増加となりました。その内訳は、株式の発行による資本金及び資本剰余金の増加2,131,795千円、親会社株主に帰属する当期純利益828,289千円の計上による利益剰余金の増加等によるものであります。

また、自己資本比率は71.5%(前連結会計年度49.7%)となりました。

 

(4) キャッシュ・フロー

当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前連結会計年度末に比べ3,559,801千円増加し、4,915,056千円となりました。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動により増加した資金は1,477,773千円(前年は1,128,026千円の減少)となりました。これは主に税金等調整前当期純利益913,059千円、未払金の増加125,437千円、前受収益の増加310,706千円、減価償却費9,394千円及び減損損失44,101千円の計上の差し引きによるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動により減少した資金は40,945千円(前年は58,314千円の減少)となりました。これは主に有形固定資産の取得による支出41,881千円によるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動により増加した資金は2,121,748千円(前年は687,522千円の増加)となりました。これは主に新株予約権の行使による株式の発行による収入2,071,741千円によるものであります。

 

(注) *を付している専門用語については、「第4 提出会社の状況 4 コーポレート・ガバナンスの状況等」の末尾に用語解説を設け、説明しております。

(セグメント情報等)

【セグメント情報】

1  報告セグメントの概要

当社グループの報告セグメントは、当社グループの構成単位のうち分離された財務情報が入手可能であり、取締役会が経営資源の配分の決定及び業績を評価するために、定期的に検討を行う対象となっているものであります。
  当社グループでは、創薬基盤技術をベースに「創薬支援事業」及び「創薬事業」を展開しており、この2つの事業を報告セグメントとしております。
  「創薬支援事業」では、キナーゼタンパク質の販売、アッセイ開発、プロファイリング・スクリーニングサービス等を行っております。「創薬事業」では、キナーゼ阻害薬等の研究開発を行っております。

2  報告セグメントごとの売上高、利益又は損失、資産、負債その他の項目の金額の算定方法

報告されている事業セグメントの会計処理の方法は、「連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」における記載と概ね一致しております。
 報告セグメントの利益又は損失は、営業損益ベースの数値であります。

 

3  報告セグメントごとの売上高、利益又は損失、資産、負債その他の項目の金額に関する情報

前連結会計年度(自  2018年1月1日  至  2018年12月31日)

 

 

 

 

(単位:千円)

 

報告セグメント

調整額
(注)1

連結財務諸表
計上額
(注)2

創薬支援事業

創薬事業

売上高

 

 

 

 

 

  外部顧客への売上高

704,691

50,000

754,691

754,691

  セグメント間の内部
  売上高又は振替高

704,691

50,000

754,691

754,691

セグメント利益又は損失(△)

117,468

△1,261,987

△1,144,519

△1,144,519

セグメント資産

286,190

116,976

403,167

1,366,922

1,770,090

その他の項目

 

 

 

 

 

  減価償却費

7,992

4,724

12,716

12,716

  有形固定資産及び
  無形固定資産の増加額

7,323

51,101

58,425

58,425

 

(注) 1.セグメント資産の調整額1,366,922千円は、各報告セグメントに配分していない全社資産であります。その主なものは、提出会社の余資運用資産(現金及び預金)等であります。

2.セグメント利益又は損失の金額は、連結損益計算書の営業損失と一致しており差額はありません。

 

当連結会計年度(自  2019年1月1日  至  2019年12月31日)

 

 

 

 

(単位:千円)

 

報告セグメント

調整額
(注)1

連結財務諸表
計上額
(注)2

創薬支援事業

創薬事業

売上高

 

 

 

 

 

  外部顧客への売上高

1,079,423

2,128,000

3,207,423

3,207,423

  セグメント間の内部
  売上高又は振替高

1,079,423

2,128,000

3,207,423

3,207,423

セグメント利益

400,547

577,230

977,778

977,778

セグメント資産

457,749

110,565

568,314

4,808,295

5,376,610

その他の項目

 

 

 

 

 

  減価償却費

6,566

2,828

9,394

9,394

  有形固定資産及び
  無形固定資産の増加額

12,561

53,712

66,274

66,274

 

(注) 1.セグメント資産の調整額4,808,295千円は、各報告セグメントに配分していない全社資産であります。その主なものは、提出会社の余資運用資産(現金及び預金)等であります。

2.セグメント利益の金額は、連結損益計算書の営業利益と一致しており差額はありません。

 

 

【関連情報】

前連結会計年度(自  2018年1月1日  至  2018年12月31日)

1  製品及びサービスごとの情報

 

 

 

 

 

 

(単位:千円)

 

創薬支援事業

創薬事業

合計

 

キナーゼ
タンパク質

アッセイ開発

プロファイリング・スクリーニングサービス

その他

外部顧客への
売上高

314,671

 27,308

227,156

135,555

 50,000

754,691

 

 

2  地域ごとの情報

(1) 売上高

 

 

 

 

(単位:千円)

日本

北米

欧州

その他

合計

338,559

249,722

94,800

71,609

754,691

 

(注) 売上高は顧客の所在地を基礎とし、国又は地域に分類しております。

 

(2) 有形固定資産

本邦に所在している有形固定資産の金額が連結貸借対照表の有形固定資産の金額の90%を超えるため、記載を省略しております。

 

3  主要な顧客ごとの情報

 

 

(単位:千円)

顧客の名称又は氏名

売上高

関連するセグメント名

小野薬品工業株式会社

90,294

創薬支援事業

 

 

当連結会計年度(自  2019年1月1日  至  2019年12月31日)

1  製品及びサービスごとの情報

 

 

 

 

 

 

(単位:千円)

 

創薬支援事業

創薬事業

合計

 

キナーゼ
タンパク質

アッセイ開発

プロファイリング・スクリーニングサービス

その他

外部顧客への
売上高

385,401

310,667

252,980

130,374

2,128,000

3,207,423

 

 

2  地域ごとの情報

(1) 売上高

 

 

 

 

(単位:千円)

日本

北米

欧州

その他

合計

259,249

2,762,205

86,898

99,070

3,207,423

 

(注) 売上高は顧客の所在地を基礎とし、国又は地域に分類しております。

 

(2) 有形固定資産

本邦に所在している有形固定資産の金額が連結貸借対照表の有形固定資産の金額の90%を超えるため、記載を省略しております。

 

 

3  主要な顧客ごとの情報

 

 

(単位:千円)

顧客の名称又は氏名

売上高

関連するセグメント名

A社

2,435,230

創薬支援事業

及び創薬事業

 

(注) 当社顧客との各種契約においては秘密保持条項が存在するため、社名の公表は控えさせて頂きます。

 

【報告セグメントごとの固定資産の減損損失に関する情報】

前連結会計年度(自  2018年1月1日  至  2018年12月31日)

 

 

 

 

 

(単位:千円)

 

報告セグメント

その他

全社・消去

合計

創薬支援事業

創薬事業

減損損失

47,575

47,575

47,575

 

 

当連結会計年度(自  2019年1月1日  至  2019年12月31日)

 

 

 

 

 

(単位:千円)

 

報告セグメント

その他

全社・消去

合計

創薬支援事業

創薬事業

減損損失

44,101

44,101

44,101

 

 

【報告セグメントごとののれんの償却額及び未償却残高に関する情報】

該当事項はありません。

 

【報告セグメントごとの負ののれん発生益に関する情報】

該当事項はありません。

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

以下の記載のうち将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。

 

(1)会社経営の基本方針

当社グループは、経営の基本理念である「人々の生命を守り、健康に貢献することを目指します。」を基に、人々の生命を守り、そして人々の健康に資する「創薬」に貢献することを経営の基本方針としております。

また、「創薬」に貢献することにより、ステークホルダーとの深い信頼関係のもと、企業価値向上に努めてまいります。

 

(2)目標とする経営指標

創薬支援事業については、安定的に収益を獲得する基盤事業として、継続的な事業成長と収益基盤の拡大を図るため、売上高伸び率、売上総利益率及び営業利益を重要な経営指標としております。

創薬事業については、医薬品候補化合物の導出後の安定的な収益を獲得するまでに相応の期間を要するため、短期的な経営指標で業績評価を行うことは適切でありません。当社が導出した創薬パイプラインの医薬品候補化合物が規制当局により承認を受け患者のもとに届けられるまでの今後の見通しが公表できる段階で、株主資本の効率的活用を重視する観点から、ROE(株主資本利益率)などを経営指標として用いて、事業計画、経営成績ならびに企業価値の周知に努めてまいります。

 

(3)中長期の経営戦略及び財務戦略について

当社グループは、創薬事業において創製した医薬品候補化合物が、導出先の製薬企業等による製造販売承認を経て医薬品として上市(*)され、その売上に係るロイヤリティ収入により安定的な財務基盤を構築し、画期的な医薬品を永続的に世に送り出すことを通して人々の健康に貢献することを目指しております。

そのために当社は、現在前臨床段階にあるパイプラインを早期に臨床試験段階へステージアップを図り、自社臨床試験を実施することにより当社創薬パイプラインの価値を最大化し、複数の臨床試験段階のパイプラインを有する創薬ベンチャーとなることで、当社の企業価値を高めてまいります。当社は、自社で臨床試験を実施し創薬パイプラインの価値を最大限に高めたうえで導出することを中期的な経営の基本方針として掲げています。それと並行して、医薬品開発の競合状況や導出先製薬企業とのタイミングを見計らいながら、当社にとって最大価値を生み出せるよう戦略的かつ臨機応変に導出交渉に取り組んでまいります。

当社の財務戦略は、長期にわたる研究開発を行うための強固な財務基盤を保つために、手元資金については高い流動性と厚めの資金量を確保及び維持することを基本方針としております。先行投資が必要な創薬事業の研究開発資金に、創薬支援事業で獲得したキャッシュ・フローおよび創薬事業で獲得した契約一時金、マイルストーン収入およびロイヤリティ収入を充当し、当社創薬パイプラインの拡充および着実な進展を図り、事業価値を高めていくという経営方針に基づいて財務戦略を策定しております。また、現在実施している新株予約権を用いた資金調達を行使期限までに完了させるとともに、必要に応じて新たな資金調達や金融機関等からの借入を実施し、当社の企業価値を高めるための先行投資として実施する研究開発の資金確保に努めてまいります。

 

(4)経営環境及び対処すべき課題

①当社グループとしての課題

当社は創薬ベンチャーとして、画期的な新薬を一日も早く世に送り出すことを目指して事業を行っております。中長期的に研究開発費を先行投資するビジネスモデルとなっており、迅速かつ効率的に研究開発を進めるためには、必要な資金を計画的に確保することが必要です。当社の創薬パイプラインを早期に臨床試験段階へステージアップを図り、自社臨床試験を実施して、複数の臨床試験段階のパイプラインを有する創薬ベンチャーとなることで、当社の企業価値を高めてまいります。

 

 

②創薬事業

創薬事業においては、BTK阻害剤AS-0871(炎症性免疫疾患)の欧州におけるCTA(臨床試験許認可申請)が完了し、臨床試験を準備中であり、BTK阻害剤AS-1763(血液がん)は米国での治験開始を目指して、前臨床試験を実施中です。これらは、当社として行う初めての海外臨床試験であることから、実績と信頼のある外部委託先及び治験実施医療機関を慎重に選定し、早期の臨床試験開始を目指します。また、2018年7月に新設した臨床開発部を中心に、自社臨床試験を確実に実施する体制の強化に取り組んでまいります。

さらに、創薬パイプラインの拡充に向けて、創薬基盤技術のさらなる強化に取り組むなかで、次世代の研究ターゲットを確立してまいります。導出活動については、各創薬パイプラインごとに最適な戦略を立てたうえで、当社創薬パイプラインの価値を最大化できるよう取り組んでまいります。

 

③創薬支援事業

創薬支援事業においては、キナーゼタンパク質(*)ならびにキナーゼ阻害薬(*)の創製研究に関する創薬基盤技術から生み出した製品・サービスを、国内外の製薬企業等に提供しております。今後、売上シェアや顧客層のさらなる拡大を図るためには、顧客ニーズに基づいた独自性の高い製品・サービスメニューの拡充が重要であると認識しております。そのために、当社グループがこれまで蓄積してきたキナーゼタンパク質の製造方法やキナーゼ活性の測定方法(アッセイ(*)条件)などの技術的ノウハウを活用して、オンリーワンの新規キナーゼ製品の開発ならびに新たな評価系の確立に取り組んでまいります。さらに、キナーゼに関する専門知識に基づく学術営業を通じた顧客ニーズの的確な把握に努め、顧客特注案件への対応を強化してまいります。加えて、作業工程の改善を図り生産性の向上に努め、収益力を強化してまいります。

また、売上拡大のための販売戦略として、地域的には北米の市場規模が大きいことから、米国子会社であるCarnaBio USAにおける販売体制の強化を図り、売上拡大に注力します。さらに当社グループの顧客はがん疾患の研究グループの比重が高く、免疫炎症、中枢神経等、他の疾患領域の研究者に対しても拡販を図ることが課題です。当社グループのオンリーワン製品を中心に、積極的に顧客への提案を行い、売上拡大に取り組むことで、安定的な売上確保を目指してまいります。

 

(注) *を付している専門用語については、「第4 提出会社の状況 4 コーポレート・ガバナンスの状況等」の末尾に用語解説を設け、説明しております。

 

 

2 【事業等のリスク】

以下において、当社グループの事業展開その他に関して、リスク要因となる可能性があると考えられる主な事項を記載しています。当社グループとして必ずしも事業上のリスクとは考えていない事項についても、投資家の投資判断上、重要であると考えられる事項については、投資家に対する積極的な情報開示の観点から記載しています。なお当社グループは、これらのリスク発生の可能性を認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対応に努める方針ですが、当社株式に関する投資判断は、以下の事業等のリスク及び本項以外の記載事項を慎重に検討した上で行われる必要があると考えます。

なお、以下の記載のうち将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであり、不確実性を内在しているため、実際の結果と異なる可能性があります。

 

(1)当社グループの事業に関するリスクについて

①創薬事業

a.キナーゼ阻害薬の医薬品候補化合物の導出に関するリスク

予定よりも早い段階でキナーゼ阻害薬(*)の医薬品候補化合物を製薬企業等へ導出する場合(例えば前期第2相臨床試験(フェーズⅡa)での導出を計画していたが、前臨床段階や第1相臨床試験(フェーズⅠ)での導出を行った場合等)は、契約締結時に当社グループが受領する契約一時金の金額やマイルストーン収入総額が比較的小さくなることが考えられます。また、このような医薬品候補化合物の導出には、導出先の製薬企業等と諸条件について詳細に取り決めた上で契約を締結する必要があるため、双方の条件に隔たりがあり、当社グループの想定どおりに契約が締結できない場合は、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

b.創薬事業の導出スケジュール等に関するリスク

製薬企業等に対する当社グループが創製した医薬品候補化合物の導出交渉において、交渉相手先企業等における経営方針、研究開発方針の変更等により導出スケジュールが遅れたり、中止を含め変更される可能性があります。また、導出交渉を行っている医薬品候補化合物に対する相手先の評価が想定を下回る場合は、導出スケジュール及び導出交渉の成否に影響を及ぼす可能性があります。 

 

c.創薬支援事業と創薬事業を同時に手掛ける事業展開に関するリスク

当社グループは創薬支援事業と創薬事業を同時に手がける事業展開により、創薬支援事業で売上による収入を計上しながら、研究開発投資の先行する創薬事業を同時に推進しておりますが、創薬支援事業における収益の確保が計画通りに行えない場合は、創薬事業に関する事業方針の変更を余儀なくされ、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

d.導出した創薬パイプラインの開発に関するリスク

当社が製薬企業等に導出した創薬パイプラインは、主に導出先企業において導出後の医薬品開発を実施し、その開発(*)の進捗に応じて、導出先企業よりマイルストーンを受領することで売上を計上するとともに、上市後は当該医薬品の売上高に応じたロイヤリティ収入を計上します。しかしながら、導出先企業における開発スケジュールが変更になった場合、また、当該医薬品開発が中断された場合は、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

②創薬支援事業

a.キナーゼ阻害薬に係る製品・サービスに特化するリスク

当社グループの創薬支援事業は、主としてキナーゼタンパク質(*)に関する製品、サービスを提供しているため、キナーゼ阻害薬(*)の研究開発を進める製薬企業等の減少により、当社グループの事業方針の変更を余儀なくされる可能性、又は当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。また、当社グループの予想どおり製薬企業等によるキナーゼ阻害薬の研究開発に関連したアウトソースの市場が拡大しない場合は、当社グループの業績等に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

b.競合リスク

 競合他社が提供するキナーゼタンパク質(*)の種類の増加により、当社グループのみが販売している製品の数が減少またはなくなる可能性があります。また、同業他社の参入等に伴い価格競争が激しくなる可能性があります。さらに、競合他社が画期的な技術で先行した場合、当社グループの優位性が低下する可能性があります。これらの競争により、当社グループの業績等に影響を及ぼす可能性があります。

 

c.パートナー及びサプライヤー等に影響されるリスク

当社グループの提携先とのシナジー効果を創出するには、技術面での補完関係を前提としますが、双方の技術開発の進捗に大きな差が生じた場合、当社グループの製品・サービスの開発が遅れ、当社業績に影響を及ぼす可能性があります。また、パーキンエルマー社の経営方針の変更等により、当社グループがプロファイリング(*)・スクリーニング(*)サービスを提供するにあたり使用する同社製造の測定機器であるLabChip® EZ Readerの安定稼動ならびに使用するチップの購入に支障が生じる場合、さらにプロメガ社の経営方針の変更等により、当社がNanoBRET™テクノロジーを用いた細胞内でのキナーゼ阻害剤の作用を評価する受託試験サービスを提供するにあたり使用する同社製造のアッセイキットの購入に支障が生じる場合などは、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

d.製薬企業の研究部門を顧客とするリスク

当社グループは製薬企業の研究部門を主要な顧客としております。製薬企業の創薬研究(*)は、秘匿性が高く、その進捗により研究テーマ自体の変更が起こり得るなど不確定要素が多いため、当該進捗状況により、予定通り当社グループに対しての発注が行われない場合は、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。特に欧米の製薬企業は、日本の製薬企業と比較して研究テーマが多いことから、市場規模が大きい反面、個々の製薬企業において大きな変化が生じる可能性があり、その場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

e.海外での事業展開に関するリスク

当社グループは、海外での事業展開において、北米では米国の子会社による販売を行っておりますが、その他の地域においては主に代理店契約および販売代理人契約に基づく販売体制を構築しております。しかしながら、海外での代理店等による販売体制が機能しない場合は、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

f.提携先の製品・サービスに依存するリスク

当社グループは、提携先である海外のACD社、CAI社、NTRC社、SARomics社、IniXium社及びAssayQuant社の製品・サービスを代理店として特定地域に提供しておりますが、提携先の事情及び当社グループとの関係の変化等により取り扱うことができなくなった場合は、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(2)研究開発活動について

研究開発の進捗リスク及び大学、公的研究機関、企業等との共同研究リスク

当社グループの創薬事業及び創薬支援事業における研究開発が予定通り進捗しない場合、また、当社グループが大学、公的研究機関及び製薬企業等と実施している共同研究開発において、共同研究先の研究及び開発の進捗が想定通りに進捗しない場合、または共同研究開発契約が何らかの事情により中断もしくは終了した場合は、当社グループの事業方針、業績等に影響を及ぼす可能性があります。

 

(3)社内体制について

①小規模であることの人材リスク

限られた人材により業務執行を行っておりますが、取締役及び従業員が持つ専門知識・技術・経験に負う部分があることから、当該者の退職等により当社グループの業務に影響を及ぼす可能性があります。

 

②事業拡大に伴う人材確保のリスク

今後、当社グループが事業を積極的に展開する上で、優秀な人材を確保することが重要でありますが、人材の採用が順調に進まない場合、計画している事業拡大に支障をきたす恐れがあります。

 

(4)為替変動リスクについて

当社グループの総売上高に対する海外売上高の割合は2018年12月期で55.1%、2019年12月期で91.9%と高くなっております。当社グループは、国内だけではなく北米及び欧州等の製薬企業等を顧客とするグローバルな販売及び導出活動を展開しております。これに伴い、米ドルやユーロ等の外貨で売上が計上されることになりますが、大幅な為替相場の変動があった場合は、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(5)知的財産権について

①創薬事業における知財リスク

当社グループが創製した医薬品候補化合物について、第三者によってすでに特許出願されている等の理由により当社グループの想定どおりに特許が取得できない場合、又は第三者より特許侵害があるとして訴訟を提起された場合は、当社グループの事業方針及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

②創薬支援事業における知財リスク

当社グループの保有する多くの技術的ノウハウが、技術革新等により陳腐化した場合、また、第三者によって技術的ノウハウが先行的に特許出願され、権利化された場合は、当社グループが保有する技術の優位性が損なわれ、創薬支援事業の業績に影響が生じる可能性があります。

 

③特許に関わる訴訟リスク

創薬支援事業に関し、当社グループが販売したキナーゼタンパク質(*)、アッセイ(*)用キット等の製品、もしくは、当社グループが提供したプロファイリング(*)・スクリーニング(*)サービス及びセルベースアッセイ(*)サービス等の中に、第三者が特許を保有するキナーゼ(*)や技術等があった場合、特許侵害訴訟を提起され、当該製品の販売差止や当該サービスの提供禁止のほか、多額の賠償金の支払いを求められる可能性があります。

 

(6)業界(バイオテクノロジー)

技術革新リスクについて

急激な技術革新等により、新技術への対応に遅れが生じた場合は、当社グループが保有する技術・ノウハウが陳腐化する可能性があります。また、必要な技術進歩を常に追求するためには、多額の研究開発費用と時間を要すること等により、当社グループの業績が影響を受ける可能性があります。

 

(7)法的規制について

遺伝子組換え生物等規制法について

2004年2月に「遺伝子組換え生物等の使用等の規制による生物の多様性の確保に関する法律」(遺伝子組換え生物等規制法)が施行されています。当社グループのキナーゼタンパク質(*)は遺伝子組み換え(リコンビナント)タンパク質(*)であり、当社グループの施設の一部は当該法律が適用されています。今後、法改正等により規制が強化された場合には、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

 

(8)資金調達について

①損失計上の見通しと資金の確保について

 当社はこれまでにない画期的な新薬を創製する創薬ベンチャーとして、非臨床・臨床試験費用をはじめとする多額の研究開発資金を、中長期的に先行投資するビジネスモデルとなっております。そのため、当面、損失の計上が継続する可能性があり、資金の確保が課題であります。当社は各事業におけるキャッシュ・フロー獲得のみならず、公募増資、新株および新株予約権の第三者割当等によって資金調達を行ってまいりました。今後も、資金調達についてその最適な方法やタイミング等を適宜検討してまいりますが、必要な資金調達を円滑に実施できない場合には、当社グループの事業が計画通りに進捗しない、あるいは事業継続が困難となる可能性があります。

 

 

②新株予約権の行使による株式価値の希薄化について

  当社グループは、当社グループの役員、従業員等に対して、業績向上に対する意欲や士気を高めるため、そして、当社グループの中長期的な企業価値の向上を図るために、新株予約権を付与しております。さらに、資金調達のため、メリルリンチ日本証券株式会社に対して行使価額修正条項付き第18回新株予約権を第三者割当てしており、今後、既存の新株予約権や将来付与する新株予約権が権利行使された場合には、当社株式の1株当たりの株式価値が希薄化する可能性があります。なお、2019年12月31日現在、発行済みの新株予約権の目的である株式数は1,236,200株であり、同日現在の発行済株式総数11,654,500株の10.61%に相当します。

 

(9)その他のリスク

①特定の仕入先への依存について

  当社は協力会社であるACD社、CAI社、NTRC社等の代理店として特定地域でこれら企業からの仕入商品として各種サービス等を提供しております。これらの企業とは、取引開始以来、良好な関係を継続しており、今後も仕入取引を継続していく方針でありますが、自然災害や不測の事態、又は当該企業の経営方針が変更となった場合等により、安定的な商品供給が受けられなくなり、かつ、速やかに代替先を確保することができなかった場合は、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

②事業所の一極集中について

  当社グループは、本社機能及び研究開発機能を神戸市のポートアイランドにある神戸バイオメディカルセンター(BMA)内に構えております。BMAは1995年の阪神淡路大震災の教訓をもとに2004年に建設された十分な耐震性、防火体制、自家発電機能を備えたビルディングで、24時間の警備体制が取られています。当社グループのビジネスの鍵になるキナーゼ(*)遺伝子すべてについては、それらが失われることがないよう、BMA内の異なる部屋で二重に保管されているとともに、一部の重要な生物資源については別地方の保管サービスを利用し、バックアップ体制を整えております。また、ビジネスに必要な機器及び装置等については、損害保険がかけられております。さらに、緊急時に被害を最小限にすべく対応できるように緊急時の社内連絡体制を整えています。しかしながら、大規模な地震、台風や風水害その他の自然災害等の発生により、本社機能及び研究開発機能が同時に災害等の甚大な被害を受けた場合は、当社グループの研究開発設備等の損壊あるいは事業活動の停滞によって、当社グループの経営成績及び財政状態に重大な影響を及ぼす可能性があります。

 

③当社グループの設備に関わる長時間の停電等による業務遅滞及び製品への影響について

  当社グループが創薬支援事業の営業・物流拠点及び研究開発機能を有する神戸市において、長時間の停電等によりキナーゼタンパク質(*)の製造及び保管ならびに化合物(*)の評価設備の稼動等を中断する事象が発生した場合は、キナーゼタンパク質を保管している冷凍庫が停止し、これに伴うキナーゼタンパク質の失活(活性を失う)等により製品として出荷できないことが考えられます。さらに長時間の停電は、化合物の評価設備(測定機器、分注機器等)の稼動を止めることから、顧客へのサービス提供の遅延を招く恐れがあります。このような事態が発生した場合は、当社グループの事業に影響を及ぼす可能性があります。

 

④当社グループの技術の情報漏洩について

  当社グループが保有するキナーゼタンパク質(*)の製造技術やアッセイ(*)開発に関する技術等は、何らかの理由により人材の流出が起こった場合は技術情報等が流出する可能性があり、製品開発や製造に影響を及ぼす可能性があります。また、人材の流出により、社外へノウハウが流出した場合は、当社グループの製品等の模倣製品が出現する可能性も考えられます。これらのことにより、万一当社グループの技術的な優位性が維持できなくなった場合は、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑤営業機密の漏洩について

  当社グループが行う創薬支援事業におけるプロファイリング(*)・スクリーニング(*)サービスおよびセルベースアッセイ(*)サービスは、顧客である製薬企業等から化合物(*)の情報をお預かりする立場にあります。従って、当社グループは、すべての従業員との間において顧客情報を含む機密情報に係る秘密保持契約を締結しており、さらに退職後も個別に同契約を締結して、顧客情報を含む機密情報の漏洩の未然防止に努めております。しかしながら、万一顧客の情報等が外部に漏洩した場合は、信用低下を招き、当社グループの経営に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

⑥創薬研究と創薬支援事業を同時に行うことで制約を受ける可能性について

  当社グループのプロファイリング(*)・スクリーニング(*)サービスおよびセルベースアッセイ(*)サービスの提供を望む顧客(製薬企業等)が当該サービスに係る契約を締結する際、当社グループが自ら創薬研究(*)を行っていることが、顧客にとって顧客情報の秘匿性確保についての懸念材料となる可能性があります。その場合、顧客との契約条件に制約事項が増え、その結果、当該サービスの採算性の悪化、又は事業別に分社せざるを得ない等の影響を受ける可能性が考えられます。その場合、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(注) *を付している専門用語については、「第4 提出会社の状況 4 コーポレート・ガバナンスの状況等」の末尾に用語解説を設け、説明しております。

 

 

2 【沿革】

(1) 当社設立の経緯

1999年4月にオランダの製薬企業 Organon N.V.(以下「N.V.オルガノン」という)は、鐘紡株式会社より新薬事業の営業譲渡を受け、この中の研究部門が母体となり、同社の日本法人である日本オルガノン株式会社(以下「日本オルガノン」という)内に医薬研究所が開設されました。当該研究所は、2001年よりキナーゼ(*)に特化して、新規キナーゼ探索、遺伝子クローニング(*)、キナーゼの発現、キナーゼのアッセイ(*)系構築を行ってきました。ところがその後、N.V.オルガノンは、主力製品の特許切れにより業績に陰りが見えたため、全世界的なリストラを開始し、その結果、2002年11月には日本オルガノンの医薬研究所の存続が不透明となりました。そこで、当時の日本オルガノンの医薬研究所の幹部である当社創業メンバーは、医薬品のターゲットとしてキナーゼが高い注目を集めていることから、キナーゼ関連の創薬及び創薬支援事業には大きなビジネスチャンスがあると判断し、日本オルガノンから分離・独立してバイオベンチャーを設立することを日本オルガノン及びN.V.オルガノンに打診、話し合いの結果、2003年4月にカルナバイオサイエンス株式会社を設立しました。

 

(2) 当社社名の由来

当社の社名である「カルナ(Carna)」はローマ神話の「人間の健康を守る女神」です。また「身体の諸器官を働かせる女神」、「人間生活の保護女神」などとも言われています。

当社は生命科学「バイオサイエンス(Bioscience)」を探究することで「人々の生命を守り、健康に貢献することを目指す。」ことを基本理念としています。当社はまさに「カルナ(Carna)=人間の健康を守る女神」でありたいと考えています。

 

年月

概要

 

 

 

2003年

4月

日本オルガノン株式会社をスピンオフし、兵庫県神戸市にキナーゼ(*)に特化した創薬支援事業及び創薬事業の展開を目的として、カルナバイオサイエンス株式会社(資本金10百万円)を設立

2003年

10月

神戸国際ビジネスセンター(KIBC)にて業務を開始

2004年

8月

神戸バイオメディカル創造センター(BMA)に研究室を新規開設し、低分子化合物の初期評価を行うための動物実験を開始

2007年

10月

創薬研究(*)のさらなる加速を目的として、神戸健康産業開発センター(HI-DEC)に化学実験施設を新規開設

2008年

3月

ジャスダック証券取引所NEOに株式を上場

2008年

4月

CarnaBio USA, Inc.をアメリカ合衆国マサチューセッツ州に設立(現 連結子会社)

2008年

12月

神戸バイオメディカル創造センターに本社及び研究所(以下「本社」、「BMAラボ」という)を移転集約

2010年

4月

ジャスダック証券取引所と大阪証券取引所との合併に伴い、大阪証券取引所(NEO市場)に株式を上場

2010年

10月

大阪証券取引所ヘラクレス市場、同取引所JASDAQ市場及び同取引所NEO市場の各市場の統合に伴い、大阪証券取引所JASDAQ(グロース)に株式を上場

2013年

7月

大阪証券取引所及び東京証券取引所の現物市場の統合に伴い、東京証券取引所JASDAQ(グロース)に株式を上場

 

 

(注) *を付している専門用語については、「第4 提出会社の状況 4 コーポレート・ガバナンスの状況等」の末尾に用語解説を設け、説明しております。

 

 

(5) 【所有者別状況】

2019年12月31日現在

区分

株式の状況(1単元の株式数100株)

単元未満
株式の状況
(株)

政府及び
地方公共
団体

金融機関

金融商品
取引業者

その他の
法人

外国法人等

個人
その他

個人以外

個人

株主数(人)

6

42

67

35

19

8,641

8,810

所有株式数
(単元)

7,537

12,075

11,867

10,859

80

74,088

116,506

3,900

所有株式数
の割合(%)

6.46

10.36

10.18

9.32

0.06

63.59

100.00

 

 

3 【配当政策】

配当に関しては年1回の期末配当並びに業績に応じて中間配当を行うことを基本方針としておりますが、現時点においては繰越利益剰余金がマイナスであるため、創業以来利益配当は実施しておりません。

当社は、創薬及び創薬基盤技術の拡充のための先行投資として、研究開発費への積極的な資金投入を行ってまいりましたが、今後も引き続き研究開発活動へ積極的に資金を投入し、経営基盤の強化や収益力の向上を図る方針です。従って、当面は資金を研究開発活動に充当する方針ですが、株主への利益還元も、重要な経営課題と認識しており、今後の経営成績及び財政状態を勘案し、利益配当についても検討してまいります。

剰余金の配当は、毎年12月31日の期末配当並びに6月30日の中間配当を定款に定めております。これらの剰余金の配当の決定機関は、期末配当については株主総会、中間配当については取締役会であります。

 

 

(2) 【役員の状況】

1)役員一覧

男性7名 女性1名 (役員のうち女性の比率12.5%)

役職名

氏名

生年月日

略歴

任期

所有株式数
(株)
(注)5

代表取締役社長

吉野 公一郎

1949年3月25日

1999年4月

日本オルガノン株式会社入社
医薬研究所長

2003年4月

当社代表取締役社長(現任)

2011年3月

CarnaBio USA, Inc. President & CEO

2011年12月

当社営業部長

2013年10月

株式会社ProbeX代表取締役社長

2015年3月

当社経営管理本部長

2018年12月

株式会社メディネット社外取締役(現任)

2018年12月

クリングルファーマ株式会社社外取締役(現任)

(注)3

300,100

取締役
創薬支援事業本部長 兼
知的財産・法務部長

相川 法男

1948年10月23日

1999年4月

日本オルガノン株式会社入社
特許・商標室長

2003年4月

当社監査役

2004年3月

当社取締役知的財産・法務部長

2007年9月

当社取締役知的財産・法務、経営企画部長

2008年7月

当社取締役知的財産・法務部長

2009年6月

当社取締役経営管理本部長兼知的財産・法務部長兼総務部長

2011年9月

当社取締役経営管理本部長兼知的財産・法務部長

2015年3月

当社取締役創薬支援事業本部長兼営業部長 兼 知的財産・法務部長

2016年3月

当社取締役創薬支援事業本部長 兼知的財産・法務部長(現任)

(注)3

77,300

取締役
研究開発本部長

澤 匡明

1970年12月7日

2001年9月

大日本製薬株式会社(現大日本住友製薬株式会社)入社

2007年1月

当社入社

2007年5月

当社研究技術本部化学研究部長

2010年4月

当社創薬研究部長

2015年3月

当社取締役研究開発本部長(現任)

(注)3

53,700

取締役
経営管理本部長兼経理部長兼
人事総務部長 兼 CarnaBio
USA, Inc. President

山本 詠美

1970年6月11日

1995年11月

CSKベンチャーキャピタル株式会社入社

2004年1月

当社入社

2004年3月

公認会計士登録

2009年6月

当社経営管理本部経理部長

2015年3月

当社経営管理本部経理部長兼総務部長

2015年9月

当社経営管理本部副本部長兼経理部長

2016年3月

当社取締役経営管理本部副本部長兼経理部長

2017年3月

当社取締役経営管理本部長兼経理部長

2018年10月

当社取締役経営管理本部長兼経理部長兼人事総務部長(現任)

2019年2月

CarnaBio USA, Inc. President(現任)

(注)3

15,200

取締役
(監査等委員)(注)2

有田 篤雄

1943年7月15日

1966年4月

鐘紡株式会社入社

1996年7月

同社 事業統括室長

2000年7月

カネボウ厚生年金基金常務理事

2004年3月

当社監査役

2020年3月

当社社外取締役(現任)

(注)4

8,000

取締役
(監査等委員)(注)2

小笠原 嗣朗

1939年7月23日

1963年4月

東レ株式会社入社

1990年10月

同社 国際部長兼経営企画室主幹

1995年6月

東洋プラスチック精工株式会社
取締役管理本部長

1996年3月

中外製薬株式会社入社

1996年6月

同社 取締役国際事業部長

2002年6月

同社 常勤監査役

2005年3月

当社監査役

2020年3月

当社社外取締役(現任)

(注)4

3,500

 

 

役職名

氏名

生年月日

略歴

任期

所有株式数
(株)
(注)5

取締役
(監査等委員)(注)2

髙柳 輝夫

1946年10月4日

1975年4月

第一製薬株式会社(現第一三共株式会社)入社

2001年6月

同社取締役研究企画部長兼蛋白質研究所長

2004年10月

同社取締役研究開発業務部長

2006年4月

同社取締役研究開発戦略部長

2007年6月

第一三共株式会社常勤監査役

2011年6月

同社顧問

2011年7月

公益社団法人日本薬学会常任理事

財団法人ヒュ-マンサイエンス振興財団理事長

2013年4月

公益財団法人ヒュ-マンサイエンス振興財団理事長(現任)

2015年3月

当社社外取締役(現任)

(注)4

1,100

取締役
(監査等委員)(注)2

松井 隆雄

1956年4月8日

1982年10月

監査法人朝日会計社(現有限責任あずさ監査法人)入社

2010年7月

有限責任あずさ監査法人 パートナー

2014年9月

同法人 監事

2018年4月

関西大学会計専門職大学院 特任教授(現任)

2019年3月

当社監査役

2020年3月

当社社外取締役(現任)

(注)4

458,900

 

(注) 1.2020年3月26日開催の定時株主総会において定款の変更が決議されたことにより、当社は同日付をもって監査等委員会設置会社へ移行しました。

2.取締役有田篤雄、小笠原嗣朗、髙柳輝夫及び松井隆雄は、社外取締役であります。

3.取締役の任期は、2020年3月26日開催の定時株主総会終結の時から1年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時株主総会終結の時までとなっております。

4.取締役(監査等委員)の任期は、2020年3月26日開催の定時株主総会終結の時から2年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時株主総会終結の時までとなっております。

5.所有株式数には、役員持株会における各自の持分を含めておりません。

 

2) 社外役員の状況

① 社外取締役の員数

当社の社外取締役は4名であります。

 

② 当社との人的関係、資本的関係または取引関係その他の利害関係

社外取締役が所有する当社株式については、「第4 提出会社の状況 4 コーポレート・ガバナンスの状況等 (2)役員の状況」の所有株式数欄に記載のとおりであります。その他、社外取締役と当社の間に人的関係、資本的関係及び取引関係その他の特別な利害関係はありません。

 

③ 社外取締役が企業統治において果たす機能・役割及び選任状況に関する考え方

取締役有田篤雄は、主に事業管理を長年にわたり経験する等、経営に関する豊富な経験に基づき、さらに財務部、関係会社監査役の経験により、財務会計の専門的な見地から、取締役会の意思決定の妥当性及び適正性を確保するための積極的な助言・提言を行うこととしております。取締役小笠原嗣朗は、主にグローバルな企業経営者としての豊富な経験に基づき、取締役会の意思決定の妥当性及び適正性を確保するための積極的な助言・提言を行うこととしております。取締役髙柳輝夫は、主に製薬企業における企業経営者としての豊富な経験と幅広い見識をもとに、取締役会の意思決定の妥当性及び適正性を確保するための助言・提言を行っております。取締役松井隆雄は、主に公認会計士としての豊富な経験に基づき、取締役会の意思決定の妥当性及び適正性を確保するための積極的な助言・提言を行うこととしております。

 

④ 当社からの独立性に関する基準又は方針

社外取締役を選任するための独立性に関する基準または方針は定めておりませんが、東京証券取引所が定める独立性に関する判断基準を参考にしております。

 

⑤ 社外取締役と内部監査、監査等委員会監査及び会計監査の相互連携ならびに内部統制部門との関係

社外取締役4名は全員が監査等委員であり、監査報告会へ出席するほか、定期的に会計監査人及び内部監査部門と情報及び意見交換を行っております。また、常勤の監査等委員が内部監査部門または会計監査人と共有・交換した情報についても監査等委員会等を通じて共有を行うことにより、連携強化に努めております。

 

 

4 【関係会社の状況】

名称

住所

資本金

主要な事業の内容

議決権の
所有割合

関係内容

(連結子会社)
CarnaBio 
USA, Inc.

米国
マサチューセッツ州

1,400千米ドル

創薬支援事業

創薬事業

100%

当社の製品・サービスの販売

臨床開発業務の委託

役員の兼任4名

 

(注) 1.「主要な事業の内容」欄には、セグメントの名称を記載しております。

2.CarnaBio USA, Inc. は特定子会社であります。

3.有価証券届出書又は有価証券報告書を提出している会社はありません。

4.CarnaBio USA, Inc. は、売上高(連結会社相互間の内部売上高を除く)の連結売上高に占める割合が10%を超えております。

主要な損益情報等

① 売上高

412,084千円

 

② 経常利益

84,546千円

 

③ 当期純利益

84,443千円

 

④ 純資産額

124,213千円

 

⑤ 総資産額

260,749千円

 

 

※ 販売費及び一般管理費のうち主要な費目及び金額は、次のとおりであります。

 

前第2四半期連結累計期間
(自 2019年1月1日
  至 2019年6月30日

当第2四半期連結累計期間
(自 2020年1月1日
  至 2020年6月30日

研究開発費

504,005

千円

615,596

千円

 

なお、研究開発費はすべて一般管理費に計上しており、上記の金額は研究開発費の総額であります。

 

1 【設備投資等の概要】

当連結会計年度における設備投資の総額は、66,274千円であり、セグメントごとの内訳は次のとおりであります。

(1) 創薬支援事業

 生産能力の向上・強化推進等のため、7,194千円の設備投資を行いました。

 なお、重要な設備の除却又は売却はありません。

(2) 創薬事業

 創薬研究の強化・効率化等のため、45,661千円の設備投資を行いました。

 なお、重要な設備の除却又は売却はありません。

(3) 共通

 設備の更新等のため、13,417千円の設備投資を行いました。

 なお、重要な設備の除却又は売却はありません。

 

【借入金等明細表】

 

区分

当期首残高
(千円)

当期末残高
(千円)

平均利率
(%)

返済期限

1年以内に返済予定の長期借入金

204,814

270,972

1.56

1年以内に返済予定のリース債務

長期借入金(1年以内に返済予定のものを除く。)

337,755

341,784

1.44

2021年~2026年

リース債務(1年以内に返済予定のものを除く。)

その他有利子負債

合計

542,569

612,756

 

(注) 1.「平均利率」については、借入金等の期末残高に対する加重平均利率を記載しております。

2.長期借入金(1年以内に返済予定のものを除く)の返済予定額は以下のとおりであります。

区分

1年超
2年以内
(千円)

2年超
3年以内
(千円)

3年超
4年以内
(千円)

4年超
5年以内
(千円)

5年超
(千円)

長期借入金

161,897

111,501

19,992

19,992

28,402

 

 

【社債明細表】

 

会社名

銘柄

発行年月日

当期首残高
(千円)

当期末残高
(千円)

利率
(%)

担保

償還期限

カルナバイオサイエンス㈱

第1回無担保社債

2016年
7月11日

144,000

116,000

(28,000)

0.23

無担保社債

2023年
7月11日

合計

144,000

116,000

(28,000)

 

(注) 1.「当期末残高」欄の(内書)は、1年内償還予定の金額であります。

2.連結決算日後5年内における1年ごとの償還予定額の総額

1年以内
(千円)

1年超2年以内
(千円)

2年超3年以内
(千円)

3年超4年以内
(千円)

4年超5年以内
(千円)

28,000

28,000

28,000

32,000

 

 

株価(1年)
期間を変更
PER(1年/会予)
期間を変更

その他企業情報

企業価値14,534 百万円
純有利子負債-4,341 百万円
EBITDA・会予N/A
株数(自己株控除後)12,401,976 株
設備投資額66 百万円
減価償却費9 百万円
のれん償却費N/A
研究開発費1,282 百万円
代表者代表取締役社長 吉野公一郎
資本金559 百万円
住所神戸市中央区港島南町一丁目5番5号
会社HPhttps://www.carnabio.com/

類似企業比較