1年高値791 円
1年安値264 円
出来高491 千株
市場東証JQG
業種医薬品
会計日本
EV/EBITDAN/A
PBR2.4 倍
PSR・会予4.1 倍
ROAN/A
ROICN/A
β0.99
決算12月末
設立日2005/3/25
上場日2011/10/20
配当・会予0 円
配当性向0.0 %
PEGレシオN/A
売上高(百万円)&収益性(%)
売上5y CAGR・予想:6.5 %
利益(百万円)
営利 CAGR・実績:N/A %
純利 CAGR・実績:N/A %
EPS(円) BPS(円)
配当(円)
健全性(%、倍)
セグメント別売上
単一セグメント、もしくはIFRS / USGAAPのため、データがありません。
セグメント別売上
単一セグメント、もしくはIFRS / USGAAPのため、データがありません。
セグメント別利益率
単一セグメント、もしくはIFRS / USGAAPのため、データがありません。
会社の詳細

 

3 【事業の内容】

1.当社の事業概要について

(1) 当社の概要

当社は、元米国アムジェン社(注1)本社副社長で、同社の日本法人であるアムジェン株式会社(現在は武田薬品工業株式会社が全事業を譲受)の創業期から約12年間社長を務めた吉田文紀が、2005年3月に設立した医薬品企業です。

経営理念は「共創・共生」(共に創り、共に生きる)で表され、患者さんを中心として医師、科学者、行政、資本提供者を「共創・共生」の経営理念で結び、アンメット・メディカル・ニーズ(Unmet Medical Needs)(注2)に応えていくことにより、社会的責任及び経営責任を果たすことを事業目的としています。

なお、当社の事業は、医薬品等の研究開発及び製造販売並びにこれらの付随業務の単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しています。

 

(注1) バイオ医薬品業界最大手。1980年、米国カリフォルニア州サウザンド・オークスにおいて、AMGen(Applied
Molecular Genetics)として設立。日本においては、1993年5月1日にアムジェン株式会社として業務を開始しました。なお、2008年2月に武田薬品工業株式会社がアムジェン株式会社の株式を100%取得後、現在は武田薬品工業株式会社が全事業を譲受しています。

(注2)アンメット・メディカル・ニーズ(Unmet Medical Needs)とは、未だ満たされない医療上の必要性を意味し、患者さんや医師から強く望まれているにもかかわらず有効な既存薬や治療がない状態を指します。

 

(2) 当社の事業の特徴

がん及び血液領域における希少疾病分野(注3)の研究開発の多くは、欧米を中心に、大手製薬企業よりもむしろ、多くの大学・研究所、バイオベンチャー企業により創薬研究・新薬開発が活発に行われ、海外では既に数々の有用な新薬が医療の現場に提供されています。しかし、これらの分野は開発に高度の専門性が求められることから、開発の難度も高く、また大手の製薬企業が事業効率の面、採算面で着手しにくいため日本を初めとするアジア諸国においては手掛けられていない空白の治療領域となっています。当社は、極めて医療上のニーズは高いものの、新薬の開発が遅れている空白の治療領域をビジネスチャンスと捉え、特に、高い専門性が求められ難度が高いために参入障壁の高いがん及び血液領域を中心とした日本初のスペシャリティ・ファーマ(注4)です。当社は、大型新薬(いわゆる売上高が1,000億円を超える「ブロックバスター」)の追求ではなく、マーケットは相対的に小規模でも医療ニーズの高い希少疾病分野を中心とした新薬開発に取り組み、これらの医薬品及び新薬候補品を数多く保有することにより、強固なパイプライン・ポートフォリオを構築し、高付加価値で高収益を達成し、持続性のある事業展開を行います。

当社は、このような空白の治療領域を埋めるための新薬の開発・提供を行うことを企業使命として設立されました。新薬が開発されないことで治療上の問題を抱えている患者さんに対して、短期間で開発をし、迅速に治療薬をお届けすることを最優先に考え、医療への貢献、そして医薬品業界の健全な発展に寄与することにより、持続的成長と安定への道を進んでまいります。

 

(注3) 希少疾病分野とは、患者数が少ない疾病分野のことで、この分野に対する医薬品は希少疾病用医薬品(Orphan Drug:オーファンドラッグ)と呼ばれます。厚生労働省はオーファンドラッグ制度を設定し、我が国において患者数が5万人未満の重篤な疾病であること、医療上特にその必要性が高いこと等をその指定の基準としています。当該指定を受けると、申請から承認までの期間が短縮され、再審査期間が最長10年になる等の優遇措置があります。

(注4) スペシャリティ・ファーマとは、得意分野において国際的にも一定の評価を得る研究開発力を有する新薬開発企業をいいます(2007年「新医薬品産業ビジョン」(厚生労働省)の定義による)。

 

(3) 当社の事業モデルについて

創薬系事業の特徴として、新薬の開発は長期間にわたり膨大な先行投資を強いられるものの、その研究開発の成功確率は極めて低いことが知られています。一般に、研究所において何らかの生物・生理活性(注5)が認められた化合物が新薬として承認にいたる確率は、2万分の1~2万5千分の1と言われています。また、承認を取得した新薬のうち、上市・販売後において採算が取れるのはそのうちの15~20%以下と言われています。当社は、このような創薬系事業の難しさを踏まえた事業モデルを構築しています。
 当社では、開発にかかる様々なリスクと費用を軽減するとともに、開発候補品の臨床試験を迅速・確実に進め、開始から承認取得までの期間を短縮するために、主として既にヒトでPOC(Proof Of Concept)(注6)が確立され、前臨床試験データと臨床試験データがある化合物を対象としております。これらの化合物の探索は当社独自の探索ネットワークと評価ノウハウを活用して、社内の経験を有した専門スタッフによる第1次スクリーニングにより絞り込みを最初に行います。その後、科学的諮問委員会(Scientific Advisory Board:以下「SAB」といいます)(注7)において、第一線で関連分野における治療の研究に携わる経験豊かな社外専門家の厳密な評価を受けた上で、当社において最終的な導入候補品を決定いたします。

社内外の専門家による、こうした“目利き”のプロセスを経て、当社はがん及び血液領域を中心として、製薬企業、バイオベンチャー企業等から主にヒトでPOCが確立された開発品の日本並びにアジア諸国、さらには欧米を含むグローバルの開発・製造・販売権を継続的に確保することにより、持続性のある事業を展開しています。そのような、開発の成功確率が高く、事業性のある、魅力的な開発候補品を導入するためには、この“目利き”の力に加え、がん及び血液という開発の難度が高い治療領域における当社の開発力について、開発候補品の提供者であるライセンサーから高い評価を得ることも導入の成否を決める重要なポイントとなります。そのためには、①適切な治験計画の策定、②治療対象となる適切な治験患者の選定、③その領域における医学専門家と公正な関係を維持・構築できる、専門性の高い優秀な開発スタッフが必要となります。これらの総和が開発力となり、開発を着実に、かつ迅速に実行することが可能となります。がん及び血液分野で実績のある大手製薬企業の開発部門で経験を積んだ人材を中心に構築された当社の開発チームが導入から承認申請までを僅か4年間という短期間でなし得た、抗がん剤 SyB L-0501での実績は、ライセンサー、パートナー企業、導入候補先企業から高い評価を得ています。

なお、開発につきましては、基本的な開発戦略の中枢となる臨床試験のデザイン、海外の試験との連携、医学専門家との調整等は当社が主体となって手掛け、定型的な開発業務は、外部資源であるCRO(Contract Research Organization 受託臨床試験実施機関)(注8)へ業務委託し、製造についてはライセンス供給元あるいは信頼できる国内外の製薬企業へ業務委託を行います。

販売につきましては、2008年8月に締結した事業提携契約に基づき、エーザイ株式会社(以下「エーザイ」という)を通じて国内販売を行っておりますが、2020年12月の契約満了以降は自社販売体制へ移行することを決定しております。2021年からの自社販売体制への移行に向けて、がん及び血液領域に精通した自社MR(Medical Representative)(注9)を中核とした全国営業体制の構築と流通及び物流機能の整備を推進すると同時に営業戦略・企画の策定及び市場調査を行うマーケティング体制の強化に努めるとともに関係治療領域におけるKOL(Key Opinion Leader)(注10)との良好な関係構築、的確な医療ニーズの把握と市場調査を行い、各種データ、ノウハウの蓄積を図ってまいります。

 

これらの事業モデルを図示すると以下のようになります。

 

(画像は省略されました)


 

 

(注5) 生理活性とは、化学物質が生体の特定の生理的調節機能に対して作用する性質のことです。この生理活性の作用を持つ化学物質を疾病治療に応用したものが医薬品となります。

(注6) POC(Proof of Concept)とは、新薬候補物質の有効性や安全性を臨床で確認し、そのコンセプトの妥当性を検証することを意味します。

(注7) 科学的諮問委員会(SAB:Scientific Advisory Board)とは、世界中から集まる膨大な新薬候補を元に、医療ニーズの高さや収益性などリスクバランスのとれたポートフォリオを、それぞれの専門の立場から意見や提言を交え徹底的に議論した上で、パイプライン戦略を構築する、当社の重要な評価機関です。当社では、SABを年2~3回開催し、世界中から優れた実績と経験をもつ臨床医・基礎科学者の方々に、当社の創薬研究及び新薬開発のアドバイザーとして参画いただいています。

(注8) CRO(Contract Research Organization)とは、製薬企業が、自社で実施する開発業務を遅滞なく進めるために、一部の業務について委託を行う機関です。委託業務の内容としては、治験が実施計画書どおりに遂行されているかをモニタリングするモニター業務や、臨床データを管理するデータ管理業務などがあります。

(注9) MR(Medical Representative)とは、自社医薬品に関する情報の専門家として医療機関を訪問し、医療関係者と面談することにより、医薬品の品質・有効性・安全性等に関する情報の提供・収集・伝達を主な業務とする医療情報担当者をいいます。

(注10)KOL (Key Opinion Leader)とは、担当領域の治療において他の医師に影響力を持つ医師のことをいいます。

 

(4) 当社の事業戦略

当社は、上記の事業を成功させるために、主に以下の5つの事業戦略を展開しています。

(a) ポストPOC戦略による開発リスクの軽減

当社の導入候補品(注11)は、主として既にヒトでPOCが確認されていることを原則としています。従って、臨床開発ステージが比較的後期段階にある候補品か、既に海外で上市されている製品が対象となります。これらの導入候補品は既に海外で先行して開発が行われており、新薬としてヒトでの有効性・安全性が確認されていることから、開発リスクを軽減でき、また、先行している海外の治験データを活用することにより日本を含めアジアにおける開発期間を短縮するとともに開発コストを低減し、成功確率を高めることが可能となります。

 

(注11)導入候補品とは、当社の開発候補品として他社より開発権等の権利取得を検討している化合物を指します。

 

(画像は省略されました)


 

(注12)ブリッジングスタディとは、外国での臨床データを活用するために国内で行われる試験のことをいいます。この国内試験の結果を外国のデータと比較し、同様の傾向があることを確認します。

 

(b) 高度な探索及び評価能力による、優れたパイプラインの構築

当社の新薬サーチエンジンは、製薬企業及びバイオベンチャー企業等との多様なネットワークによって構築され、膨大な化合物の中から、社内の専門家による厳正な評価を経て、有望な導入候補品が抽出されます。これらの導入候補品は更に、第一線で研究に携わる経験豊かな専門家により構成されるSABに諮られ、そのアドバイスと評価を受けた上で導入候補品を決定しています。この開発品導入決定までの高度なスクリーニングプロセスは、既に海外において有効性・安全性が確認された開発品を導入するポストPOC戦略と相まって開発リスクの軽減と開発期間の短縮につながることになり、また、候補品が医療の現場において求められるものかどうかの医療ニーズの充足度に対する理解、及び上市後の収益予測の精度向上に貢献しています。

 

 

<当社の開発品導入プロセス>

 

(画像は省略されました)


(注13)CDAとは、Confidential Disclosure Agreementの略で、秘密保持契約書のことを意味します。

 

(c) ラボレス・ファブレス戦略による固定費抑制

当社は、一切の研究設備や生産設備を保有していません。研究設備・生産設備はともに固定費発生源の代表格ですが、当社はこれらを一切保有せずに、開発候補品の探索及び導入後は、開発品の開発戦略策定と実行等の付加価値の高い業務に専念し、そのほかに必要とされる定型的な開発業務は外注しています。これにより低コストの医薬品開発を実現するとともに、財務戦略の機動性を確保しています。

 

(d) ブルーオーシャン戦略(注14)による高い事業効率の実現

海外で標準治療薬として使用されている製品が日本では使用できない、あるいは海外で新薬として承認された製品が5年近くも遅れて日本で承認される、いわゆるドラッグ・ラグの問題が深刻化しており、がん患者の難民という言葉も生まれています。このドラッグ・ラグは、当社の戦略的開発領域である難治性のがん及び血液疾患領域で特に目立っています。特に抗がん剤の市場自体は大きく、また高齢化に伴い現在も拡大傾向にあるものの、抗がん剤の対象疾患は多岐にわたり、がん腫により細分化されているため、各々のがん腫でみると対象患者数がそう多くはない治療領域が数多く存在します。これらの領域での新薬の開発には、極めて高い専門性が求められ、開発の難度が高い半面、大手の製薬企業では採算性などの問題から開発に着手しにくいことがその理由のひとつといわれています。しかし、ひとたび、そうした領域において新薬の承認を取得し上市できれば、競合が少ないため、これらの領域で適応拡大・新製品上市を着実に積み上げていくことで、高成長・高収益を実現できるものと考えています。

 

(注14)ブルーオーシャン戦略とは、競合との熾烈な競争により限られたパイを奪い合う市場(レッドオーシャン)を避け、市場を再定義し、競合のいない未開拓な市場(ブルーオーシャン)を創造することで、顧客に高付加価値を与えつつ利潤の最大化を目指す戦略です。

 

(e) アジアからグローバル展開へ

当社はこれまで日本を中心としたアジア各国を対象に事業を展開してまいりました。しかしながら、日本の医療を取り巻く環境が大きく変わっていくなか、アジアに留まっていては大きな発展は望めません。今後はグローバルな展開を視野に入れた開発候補品の探索及び評価を実施してまいります。2019年9月30日にはキメリックス・インク社(本社:米国ノースカロライナ州)との間で抗ウイルス感染症治療薬ブリンシドフォビルに関しての独占的グローバルライセンス契約を締結し、当社は天然痘疾患を除くすべての疾患を対象とした世界全域における開発・販売に加えて製造を含む独占的権利を取得しました。

 

 

2.当社のパイプラインについて

当社は現在開発中のパイプラインとして、SyB L-0501、SyB L-1101、SyB C-1101、SyB L-1701及びSyB L-1702、SyB V-1901を有しています。今後も開発候補品を継続的に導入することにより、パイプラインのより一層の拡充及びリスク・リターンのバランスのとれたパイプライン・ポートフォリオを構築してまいります。

 

<当社パイプラインの進捗状況>

(画像は省略されました)


(1) [抗がん剤 SyB L-0501(凍結乾燥注射剤) / SyB L-1701(RTD製剤) / SyB L-1702(RI製剤))(一般名:ベンダムスチン塩酸塩、製品名:トレアキシン®)]

SyB L-0501の主成分であるベンダムスチン塩酸塩(一般名)は、ドイツにおいて非ホジキンリンパ腫(注15)、多発性骨髄腫及び慢性リンパ性白血病の治療薬(商品名「リボムスチン®」)として長年使用されている抗がん剤です。この製品の導入の背景としては、再発・難治性の低悪性度非ホジキンリンパ腫及びマントル細胞リンパ腫の患者さんには、この分野には優れた薬剤がなく、まさしく当社の企業使命である、空白の治療領域を対象とした薬剤であること、また当社の強みである分野(血液がん)であることが導入の決め手となりました。この製品の世界のライセンスの供給元はアステラス製薬株式会社のドイツ子会社であるアステラス ドイッチランド GmbH社であり、北米においてはテバ社(イスラエル)の米国子会社であるセファロン社(本社:米国ペンシルベニア州、以下「セファロン社」)が同社よりライセンス供与を受け、2008年3月に慢性リンパ性白血病の治療薬として、同年10月には再発性B細胞性非ホジキンリンパ腫の治療薬として、米国食品医薬品局(FDA)より承認を受けています。更に欧州においてはムンディファーマ社(英国)が、その他の地域においてはヤンセン・シラグ社(英国)が、それぞれライセンス供与を受け、独占的開発及び独占的販売権を保有しています。

一方、当社はアステラス ドイッチランド GmbH社より日本、中国、韓国、シンガポール及び台湾における独占的開発及び独占的販売権の供与を受けています。日本においては、2010年10月27日に再発・難治性の低悪性度非ホジキンリンパ腫及びマントル細胞リンパ腫を適応症として製造販売承認され、同年12月10日に発売されました(製品名はトレアキシン®)。また、その追加適応として、未治療(初回治療)の低悪性度非ホジキンリンパ腫及びマントル細胞リンパ腫、慢性リンパ性白血病を目標効能とした国内製造販売承認申請を2015年12月に行い、慢性リンパ性白血病については2016年8月に、未治療(初回治療)の低悪性度非ホジキンリンパ腫及びマントル細胞リンパ腫については同年12月に製造販売承認を取得しております。再発・難治性のびまん性大細胞型B細胞リンパ腫(r/r DLBCL)については第Ⅲ相臨床試験において主要評価項目を達成し、現在承認申請に向けた準備を行っています。今後、更に製品ライフサイクル・マネジメントを推進することにより、トレアキシン®の事業価値の最大化を図るべく、2017年9月にイーグル・ファーマシューティカルズ社(本社:米国ニュージャージー州)との間でトレアキシン®液剤(RTD製剤及びRI製剤)の日本における独占的ライセンス契約を締結しました。RTD製剤は2019年9月に承認申請を行い、RI製剤については安全性の確認を主目的とした治験を進めております。

 

なお、日本市場においては、トレアキシン®についてエーザイと共同開発権・独占的販売権を供与する契約を締結しており、エーザイが本薬剤を販売しています。

次に、当社が権利を有するアジア諸国においては、2009年12月に香港において、低悪性度非ホジキンリンパ腫及び慢性リンパ性白血病の適応症で承認されました。香港においては、独占的開発権・独占的販売権を供与しているセファロン社が販売しています。また、シンガポールにおいては、2010年1月に低悪性度非ホジキンリンパ腫及び慢性リンパ性白血病の適応症で承認されました。韓国においては、2011年5月に慢性リンパ性白血病及び多発性骨髄腫の適応症、2014年6月に再発・難治性の低悪性度非ホジキンリンパ腫の適応症、そして2017年8月に未治療(初回治療)のCD20陽性の濾胞性リンパ腫の適応症で、それぞれ承認されました。

韓国とシンガポールにおいては、エーザイと独占的開発権・独占的販売権を供与する契約を締結しています。シンガポールにおいては2010年9月より、韓国においては2011年10月より、それぞれエーザイ子会社が本薬剤を販売しています。

その他、中国においては、提携先であるセファロン社が2018年12月にリツキシマブ治療後の再発性B細胞性非ホジキンリンパ腫を適応症の適応症で承認を取得しました。台湾では、提携先であるイノファーマックス社(台湾)が2011年10月に低悪性度非ホジキンリンパ腫及び慢性リンパ性白血病の適応症で承認を取得して2012年2月より販売を開始し、2017年11月に初回治療の低悪性度非ホジキンリンパ腫及びマントル細胞リンパ腫の承認を取得しています。

 

(注15)非ホジキンリンパ腫とは、白血球の中のリンパ球ががん化した悪性腫瘍である悪性リンパ腫のうち、ホジキンリンパ腫以外の総称です。日本人の悪性リンパ腫では、大半を非ホジキンリンパ腫が占めています。

 

(2) [抗がん剤 SyB L-1101(注射剤) / SyB C-1101(経口剤)(一般名:Rigosertib Sodium<リゴセルチブナトリウム>)]

リゴセルチブは、ユニークなマルチキナーゼ阻害作用(注16)を有する抗がん剤で、現在、オンコノバ社により米国及び欧州等において骨髄異形成症候群(MDS)を目標効能として開発が進められています。MDSは、近年患者数が増加している血液細胞の悪性腫瘍化の前病態であり、高齢者に多く発病し、白血病に移行する可能性が高い難治性疾患です。

 特に再発・難治性のMDSに有効な薬剤はないため、未充足の治療領域となっています。当社は、オンコノバ社との間で、本剤の日本及び韓国における独占的開発権及び独占的販売権を取得するライセンス契約を2011年7月に締結し、現在、注射剤で再発・難治性の高リスクMDSを目標効能として、更に、経口剤で初回治療の高リスクMDS(アザシチジン併用)を目標効能として、それぞれ開発を進めています。

リゴセルチブ注射剤については現在の標準治療である低メチル化剤による治療において効果が得られない、治療後に再発した、または低メチル化剤に不耐容性を示した高リスク骨髄異形成症候群(高リスクMDS)を対象とし、全世界から20ヶ国以上が参加する国際共同第Ⅲ相臨床試験を実施しています。当社は、本国際共同第Ⅲ相臨床試験に日本から参加し、臨床試験を実施しています。

また、リゴセルチブ経口剤については、オンコノバ社が輸血依存性の低リスクMDSを目標効能とする第Ⅱ相臨床試験、及び初回治療の高リスクMDS(アザシチジン併用)を目標効能とした臨床試験を進めています。

当社は、リゴセルチブ経口剤単剤による低リスクMDSを目標効能とした国内第Ⅰ相臨床試験を既に終了しており、引き続き初回治療の高リスクMDSを目標効能として、単剤により高用量の安全性を確認するための国内第Ⅰ相臨床試験を実施しています。第Ⅰ相臨床試験終了後は国際共同臨床試験への参加を検討しています。なお、輸血依存性の低リスクMDSを目標効能とした開発についてはオンコノバ社の開発状況を見据えながら検討してまいります。

今後当社はMDS以外の適応についても、オンコノバ社における開発の進捗を見据えながら開発を検討してまいります。本剤の注射剤、経口剤の開発を適応に応じて使い分けることにより、患者さんにより使いやすい、そしてコンプライアンスを考えた治療方法の開発を進めてまいります。

 

(注16)マルチキナーゼ阻害作用とは、がん細胞の増殖、浸潤及び転移に関与する複数のキナーゼを阻害することによりがん細胞を死に至らしめる作用をいいます。

 

(3) [抗ウイルス薬 SyB V-1901(一般名:Brincidofovir<ブリンシドフォビル>)]

当社は2019年9月30日にキメリックス社との間で抗ウイルス薬ブリンシドフォビル(BCV)に関しての独占的グローバルライセンス契約を締結しました。当社は天然痘疾患を除くすべての疾患を対象としたBCVの世界全域における開発・販売に加えて製造を含む独占的権利をキメリックス社から取得したことにより、高品質の医薬品供給のための一貫体制を備えたグローバル市場を対象として事業展開をするスペシャリティファーマへの転換を進めてまいります。

開発については、「空白の治療領域」となっている医療ニーズの高い造血幹細胞移植後のウイルス性出血性膀胱炎(vHC)を最初の疾患ターゲットとし、本剤を必要とする患者さんに一日も早く提供できるよう、世界に先駆けてまず国内で臨床開発を進め承認を得ると同時に、欧米を含めた国際共同臨床試験を実施しグローバル展開を図ってまいります。また、腎臓移植後のウイルス感染症に対する臨床開発も計画しており、臓器移植の市場規模が大きい欧米市場及び中国市場を含めたアジア地域での事業展開を睨み、対象疾患の地域特性を生かしたパートナーシップも視野に入れて検討中です。2016年5月に設立した100%出資の米国子会社 SymBio Pharma USA, Inc.の戦略的活用も含めて事業価値最大化の可能性を追求してまいります。

 

(参考) 医薬品研究開発の一般的な進行について

医薬品研究開発のプロセスは以下のとおりであり、通常、(a)から(f)までに10年から17年程度かかるといわれています。

 

(医薬品研究開発のプロセス)

(a) 基礎研究

(b) 前臨床試験(非臨床試験)

(c) 臨床試験(治験)

(d) 申請及び承認

(e) 薬価申請・収載

(f) 上市販売

(g) 製造販売後調査

 

(a) 基礎研究

新薬のもとになる候補物質を探し出すプロセスです。化学物質、微生物、遺伝子などの研究から、将来薬となる可能性がある新しい物質(成分)を発見したり、化学的に作り出したりするための研究であり、一般的には研究所などで実施されます。

 

(b) 前臨床試験(非臨床試験)

(a)で特定された薬剤候補化合物を対象に、生物学的試験として、動物や培養細胞を用いて安全性や有効性について調べる、いわゆる動物に対して実施する試験です。また、化学的試験として、製造方法、原薬及び製剤の規格・安定性を調べるなどの試験があります。

 

(c) 臨床試験(治験)

前臨床試験の結果、有効性及び安全性の観点から有用な医薬品になり得る可能性が認められた場合、十分な検討の上で、実際にヒトを対象とした有効性及び安全性の検証を行う、臨床試験(治験)が行われます。治験はさらに3段階にわかれ、それぞれ参加者の同意を得た上で行われますが、その内容は以下のとおりです。

①  第Ⅰ相臨床試験

第Ⅰ相は、治療効果を見ることを目的とせず、比較的少数の健康な志願者を対象に主に副作用と安全性を確認する試験です。

②  第Ⅱ相臨床試験

第Ⅱ相は、通常、患者さんにおける治療効果の探索を主な目的とする試験を開始する段階です。少数の患者さんを対象に、有効性と安全な投薬量や投薬方法を確認する試験です。

③  第Ⅲ相臨床試験

第Ⅲ相は、第Ⅱ相よりも投与患者数をさらに増やし、治療効果の既存薬剤との比較データ、副作用のデータ等を収集することによって、有効性と安全性について検証し、新薬として承認されるための適切な根拠となるデータを得ることを目的とした試験です。

 

(d) 申請及び承認

治験で有効性や安全性などが証明された治験薬について、新薬承認申請書類を作成し、厚生労働省に製造販売承認の申請を行います。数段階の審査を受け、承認されて初めて「薬」として市場に出ることになります。ちなみに基礎研究段階で新薬候補とされた物質(成分)の内、製造販売承認を得ることができるものはわずか2万分の1から2万5千分の1といわれております。

 

(e) 薬価申請・収載

新薬の価格(以下「薬価」といいます)を厚生労働省へ申請し、開発コスト、類似薬や諸外国の価格を参考に価格の承認を受けます。これを薬価収載といいます。

 

(f) 上市販売

薬価収載が完了し、実際に薬を販売できる状況になることを上市といい、この段階から販売が可能になります。

 

(g) 製造販売後調査

販売を開始した後に、病院などの医療機関でさらに多くの患者さんに投与された結果を元に、臨床開発段階では発見できなかった副作用や適正使用情報などの収集が行われ、厚生労働省に報告を行います。

 

3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 当事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析の検討内容は次のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において判断したものであります。

 

(業績等の概要)

(1)事業の進捗の状況

①  国内事業

[製品の不良品問題について]

当社は、2019年8月7日に公表した業績予想修正の理由に記載しましたように、トレアキシン®の国内販売においてアステラス製薬株式会社の連結子会社であるアステラス ドイッチランド社(以下「アステラスドイツ」という)から輸入した凍結乾燥注射剤において異物の混入及び外観不良などが両者間で締結した供給契約で定めた品質基準を著しく超えた割合で認められたことを受けて、当社から販売委託先のエーザイ株式会社へのトレアキシン®100mg製剤の出荷時期が当初の予定よりも遅延しました。この影響により当事業年度の売上高は、2,837,753千円となり、当初計画比36.4%の減少、営業損失は4,301,615千円(当初計画は営業損失3,587百万円)となりました。

今後同様の品質問題を繰り返さないようアステラスドイツに対して厳重に抗議するとともに代替バッチの製造と迅速な出荷を強く要求した結果、現在代替バッチの供給を受けておりますが、一部代替バッチの不安定な納期と継続する高い不良品率により、依然、トレアキシン®の在庫レベルは低い状況が続いており、当社はアステラスドイツに対して供給元としての責務を果たすよう引き続き強く要請しております。当社は、製薬企業の使命である高品質の医薬品の安定的供給の責任を果たすべく、アステラスドイツへ改善を求めることを含めて協議を継続してまいります。これに対してアステラスドイツはCAPA(改善措置・予防措置)プログラムを設置しておりますが、その有効性については現時点では確認ができておりません。

 

[自社販売体制の構築について]

当社は、販売委託先であるエーザイ株式会社(以下「エーザイ」という)との事業提携契約が2020年12月に満了となることから、2018年10月よりトレアキシン®の国内販売について自社による販売体制構築の準備を開始しました。2021年度の収益化とその後の収益の持続的拡大は当社にとっては最重要課題であり、自社販売体制への移行により今後の事業展開を盤石なものとすることを計画しています。

当事業年度においては、自社販売体制における営業組織の中核と位置づけているトレアキシンマネージャーの増員と研修を計画通りに実施した上で、2019年7月より各トレアキシンマネージャーが担当地域に根ざした情報提供活動を開始しており、2020年度上半期の全国営業組織の構築完了に向けて着実に進展しました。当第4四半期においては、全国営業組織完成に必要となるリージョナルセールスマネージャーとトレアキシンマネージャーを追加採用したことに加えて、流通及び物流機能を整備すべく医薬品卸売業者との業務提携及び物流センターの東日本地域と西日本地域の2拠点化の確立についても大きな進捗を達成しております。さらには社内のインフラ整備としてERPを含めた情報システムについても鋭意準備を進めており、これらの活動により、当社が目指すより高度の専門性と豊富な経験に基づき高い生産性に裏付けられたハイパフォーマンスの営業組織の構築は順調に進捗しました。

 

[抗がん剤 SyB L-0501(凍結乾燥注射剤) / SyB L-1701(RTD製剤) / SyB L-1702(RI製剤)(一般名:ベンダムスチン塩酸塩、製品名:トレアキシン®)]

トレアキシン®については現在、業務提携先のエーザイを通じ、国内販売をしています。未治療(初回治療)の低悪性度非ホジキンリンパ腫(低悪性度NHL)及びマントル細胞リンパ腫(MCL)(2016年12月に製造販売承認を取得)、再発・難治性の低悪性度非ホジキンリンパ腫(注1)(低悪性度NHL)及びマントル細胞リンパ腫(MCL)(2010年10月に製造販売承認を取得)、慢性リンパ性白血病(CLL)(2016年8月に製造販売承認を取得)を適応症として悪性リンパ腫領域においては幅広く使われております。2018年7月に日本血液学会が発行した造血器腫瘍診療ガイドラインにトレアキシン®とリツキシマブの併用療法(BR療法)が新たに収載され、既承認のすべての適応症において、標準的治療の選択肢として推奨されることになりました。これにより名実ともに悪性リンパ腫における標準療法としてトレアキシン®が位置づけられました。高い専門性を具備した自社販売体制に切り替えることにより欧米並みの高い市場占有率を達成することを計画しております。

本剤については、既に承認を取得した適応症に加え、4つ目の適応症である再発・難治性のびまん性大細胞型B細胞リンパ腫(r/r DLBCL)の第Ⅲ相臨床試験を実施し、2019年11月に試験成績の主要評価項目である奏効率において期待奏効率を上回る良好な結果が得られたことを発表しました。現在、2020年第2四半期に向けて承認申請を行うべく申請の準備に入っております。本適応症の追加については、優れた標準療法がないことから医療現場の切実なニーズがあり患者団体並びに関係学会からも審査当局に対してBR療法を使えるようにして欲しいという強い要望書が出ておりました。

2017年9月にイーグル・ファーマシューティカルズ社(本社:米国ニュージャージー州)との間でトレアキシン®液剤(RTD製剤及びRI製剤(注2))に関して日本における独占的ライセンス契約を締結しております。RTD製剤については医薬品医療機器総合機構との相談を経て、既に2019年9月に承認申請を完了し、2021年第1四半期を発売時期と想定しております。RI製剤につきましては2018年11月に安全性の確認を主目的とした治験を開始し、2019年4月の最初の患者登録以来、症例集積は順調に進捗しており2020年1月末時点で31症例の登録が完了しております。当治験終了後に早期に承認申請を行った上で2022年上半期の発売を目指しています。本製剤は、投与時間が、従来の凍結乾燥注射剤及びRTD製剤の60分に対して投与時間が10分間と大幅に短縮されるため患者さんと医療従事者の負担を大幅に低減することが可能となることから大きな付加価値を提供することができます。更には、液剤の製剤ライセンスによる複数の特許保護を通じてトレアキシン®の製品寿命を2031年まで延長することが可能となり開発戦略を含めて事業価値の最大化を図ってまいります。

また、2018年7月には製造販売承認事項に係わる一部変更の承認を取得したことにより、低悪性度NHLの代表的な組織型であるCD20陽性の濾胞性リンパ腫(FL)に対して、リツキシマブのみならず新規の抗CD20抗体製剤との併用が可能となり、新たな治療選択肢として2018年8月に販売開始されたオビヌツズマブ(注3)との併用療法が患者さんに提供されております。また、2019年3月に腫瘍特異性T細胞輸注療法(注4)の前処置に関する一部変更の承認を取得したことにより、2019年5月に薬価収載された国内初のキメラ抗原受容体T細胞(CAR-T)療法(注5)「キムリア®点滴静注」(注6)の前処置としてトレアキシン®の使用が可能となりました。再生医療等製品の前処置としての使用方法の広がりによって悪性リンパ腫における標準療法としてのトレアキシン®の位置づけがより強固なものとなりつつあります。

なお、トレアキシン®の更なる可能性を探求するため実施していた進行性固形がんを対象とした第Ⅰ相臨床試験および全身性エリテマトーデス(SLE)に対する治療効果の確認を目的とした前臨床試験については完了し当初の試験目的は達したものの開発は中止を決定しました。限られた経営資源を最大限に活用することを鑑み、事業戦略的な判断により新規にライセンスを取得した後述の抗ウイルス薬ブリンシドフォビルの国内及び海外における開発を優先させることにしました。

 

(注1) 非ホジキンリンパ腫とは、白血球の中のリンパ球ががん化した悪性腫瘍である悪性リンパ腫のうち、ホジキンリンパ腫以外の総称です。日本人の悪性リンパ腫では、大半を非ホジキンリンパ腫が占めています。

 

(注2) RTD製剤及びRI製剤は、従来の凍結乾燥注射剤(FD)とは異なり既に液化された製剤です。RTD製剤(Ready To Dilute)は調剤作業を大幅に低減し、さらに急速静注であるRI製剤(Rapid Infusion)により点滴時間を従来の60分間から10分間に短縮することにより、FD製剤に比べ患者さんの負担を大幅に軽減し、さらには医療従事者に大きな付加価値を提供することが可能になります。

 

(注3) オビヌツズマブ(ガザイバ®:販売元 中外製薬株式会社):非ホジキンリンパ腫の治療薬として国内外の治療ガイドラインで推奨されているリツキシマブと同様、幹細胞や形質細胞以外のB細胞上に発現するタンパク質であるCD20に結合する、糖鎖改変型タイプⅡ抗CD20モノクローナル抗体で、標的となるB細胞を直接、および体内の免疫系とともに攻撃し、破壊するようデザインされています。

 

(注4) 腫瘍特異性T細胞輸注療法とは、がん患者さん自身の腫瘍特異的T細胞(がん細胞を特異的に認識するT細胞)に、体外で人工的にがん特異性を付与し、細胞を増幅した後に患者さんに投与する療法です。

 

(注5) キメラ抗原受容体T細胞(CAR-T)療法は、腫瘍特異性T細胞輸注療法の中でも、腫瘍細胞上の膜抗原を認識する抗体の抗原結合部位とT細胞受容体の細胞内ドメインを組み合わせたキメラ抗原受容体(chimeric antigen receptor; CAR)をコードする遺伝子をT細胞に導入して増幅・輸注する療法です。CARの標的としてB細胞上に発現するCD19を用いた臨床試験では、B細胞性腫瘍患者にCD19指向性CAR導入T細胞が投与され、著明な臨床効果が得られています。

 

(注6) キムリア®点滴静注(一般名 チサゲンレクルユーセル:販売元 ノバルティスファーマ株式会社):国内で初めて承認されたキメラ抗原受容体T細胞(CAR-T)療法で、再発又は難治性のCD19陽性のB細胞性急性リンパ芽球性白血病(B-ALL)および再発又は難治性のCD19陽性のびまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)を適応症として2019年3月に製造販売承認を取得し、2019年5月に薬価収載されました。

 

[抗がん剤 SyB L-1101(注射剤) / SyB C-1101(経口剤)(一般名:Rigosertib Sodium<リゴセルチブナトリウム>)]

リゴセルチブ注射剤については、導入元であるオンコノバ・セラピューティクス社(本社:米国ペンシルベニア州、以下「オンコノバ社」という)が実施している国際共同第Ⅲ相臨床試験の日本における臨床開発を当社が担当しており、国内では2015年12月に試験が開始され、2019年12月末時点で48症例が登録されています。本試験は、現在の標準治療である低メチル化剤による治療において効果が得られない、治療後に再発した、または低メチル化剤に不耐容性を示した高リスク骨髄異形成症候群(高リスクMDS)を対象とし、全世界から20ヶ国以上が参加して実施中です。オンコノバ社の2019年12月の発表によれば、2019年11月時点で全世界における目標の360症例に対して症例集積が90%を超えており、トップライン(主要評価項目)の結果を2020年度上半期に報告するとしております。この試験の成績を基に、欧米と同時期に日本での承認申請を行うことを計画しています。

リゴセルチブ経口剤については、オンコノバ社が米国において初回治療の高リスクMDSを目標効能とする第Ⅰ/Ⅱ相臨床試験(アザシチジン(注7)併用)を完了し、リゴセルチブ経口剤とアザシチジンを併用した際の有効性および安全性が示唆されています。当社はリゴセルチブ経口剤の日本人での忍容性及び安全性を確認するために2017年6月に国内第Ⅰ相臨床試験を開始し、2017年10月の最初の患者登録以来着実に症例集積を推し進め、2019年6月に症例登録を完了しました。同試験終了後、アザシチジンとの併用の第Ⅰ相試験を速やかに実施し、リゴセルチブ経口剤についても欧米に遅れることなく日本での承認申請を行うべく、現在オンコノバ社が検討している初回治療の高リスクMDSを対象としたアザシチジンとの併用による国際共同試験に参加する予定です。本国際共同試験については2019年12月の第61回米国血液学会議(ASH: The American Society of Hematology)で発表されたデータを基に未治療高リスクMDSを対象とした第Ⅱ/Ⅲ相アダプティブ臨床試験(Phase 2/3 adaptive trial)のデザインを検討中であることをオンコノバ社は2019年12月に発表しております。

 

(注7) アザシチジン(ビダーザ®:販売元 日本新薬株式会社):2011年にMDSに対する第Ⅲ相臨床試験において、初めて生存期間の延長が認められたことから承認された低メチル化剤(注射用)で、現在、造血幹細胞移植が難しいMDS患者に対する第一選択薬として使用されています。MDSは一種の前白血病であり、その病態にはDNAの過剰なメチル化による癌抑制遺伝子の発現の低下が大きく関係していると考えられています。アザシチジンなどの低メチル化剤はDNAのメチル化を阻害する作用により癌抑制遺伝子の発現を回復させ白血病への進行を抑えると考えられています。

 

[抗ウイルス薬 SyB V-1901(一般名:Brincidofovir<ブリンシドフォビル>)]

当社は2019年9月30日にキメリックス・インク社(本社:米国ノースカロライナ州、以下「キメリックス社」という)との間で抗ウイルス薬ブリンシドフォビルの注射剤及び経口剤(SyB V-1901、以下各々「BCV IV」及び「BCV Oral」という)(注8)に関しての独占的グローバルライセンス契約を締結しました。当社は天然痘疾患を除くすべての疾患を対象としたBCVの世界全域における開発・販売に加えて製造を含む独占的権利をキメリックス社から取得したことにより、高品質の医薬品供給のための一貫体制を備えたグローバル市場を対象として事業展開をするスペシャリティファーマへの転換を進めてまいります。

開発については、国内においてはBCV IVにより「空白の治療領域」となっている医療ニーズの高い造血幹細胞移植後のウイルス性出血性膀胱炎(vHC)(注9)を最初の疾患ターゲットとし、本剤を必要とする患者さんに一日も早く提供できるよう、世界に先駆けてまず国内で臨床開発を進め承認を取得する計画でおります。また同時に、BCV IVによる欧米を含めた国際共同臨床試験を実施しグローバル展開を図ってまいります。BCV IVは造血幹細胞移植のみならず臓器移植含め移植領域全般にわたり広く使われることが考えられ、腎臓移植後のウイルス感染症に対する臨床開発も計画しております。日本市場に比べ臓器移植の市場規模が大きい欧米市場及び中国市場を含めたアジア地域での事業展開を睨み、対象疾患の地域特性を生かしたパートナーシップも視野に入れて現在検討中です。2016年5月に設立した100%出資の米国子会社 SymBio Pharma USA, Inc.(本社:米国カリフォルニア州メンローパーク)の戦略的活用も含めて事業価値最大化の可能性を追求してまいります。BCV Oralにつきましては、今後、製剤改良を含めて開発計画を検討してまいります。BCV IV及びBCV Oralの2製剤の今後のグローバル開発については、現在、海外の各専門領域の有力な研究者の方々と検討中です。本剤については既にキメリックス社による欧米における臨床試験においてBCV Oralが高活性の抗ウイルス効果を示し、また広域のスペクトラムを有することが確認されており、これらの知見を基にグローバルの臨床試験のデザインを検討してまいります。

 

(注8) ブリンシドフォビル(BCV)は、シドフォビル(CDV、欧米では既承認・販売の抗ウイルス薬、本邦は未承認)に脂肪鎖(ヘキサデシルオキシプロピル:HDP)が結合した構造となっており、速やかに脂質二重膜へ取り込まれ効率よく細胞内へ移行した後、細胞内ホスフォリパーゼによる代謝によって脂肪鎖が切り離され、生成された活性化体(CDV-PP:CDV diphosphate)が細胞内で長時間保持される結果、抗ウイルス活性が飛躍的に向上した化合物です。また、HDP結合により、OAT-1トランスポーターによる腎尿細管上皮細胞への蓄積が生じないことに加え、CDVが血中に遊離するレベルは低いため、CDVの根本的問題であった腎毒性を回避できます。

 

(注9) ウイルス性出血性膀胱炎(vHC):造血幹細胞移植後に頻発するウイルス感染症の中でも、BKウイルスおよびアデノウイルスによる出血性膀胱炎は、頻尿、腹痛、排尿痛などが患者を苛み、国内での比率が高い非血縁者ドナーおよび臍帯血移植において発症しやすく、免疫システムの再構築に要する時間的問題もあいまって治療に難渋するケースが少なくありません。重症化すると播種性の感染症を来して致死性となる例や腎不全をもたらして致死となる例も報告されています。シドフォビル(CDV)など現在治療に用いられている薬剤は未承認あるいは適応外です。

 

[自己疼痛管理用医薬品 SyB P-1501]

当社が2015年10月にザ・メディシンズ・カンパニー社(本社:米国ニュージャージー州、契約の相手先は同社完全子会社であるインクライン・セラピューティクス社)から導入したSyB P-1501については、同社の本製品の事業の継続性について当社が懸念を抱く事象が生じたため、患者さんの利益を最優先する観点から2017年4月21日より新規症例登録を一時的に中断しておりました。

その後、当社は2017年10月11日に、ザ・メディシンズ・カンパニー社によるライセンス契約の不履行に起因して生じた損害の賠償として82百万米ドル(約90億円)の支払いを求める仲裁を国際商業会議所の規定に基づき申し立て、同社が欧米市場で本製品の事業活動の中止・撤退を決定したことに伴い、ライセンス契約に基づく義務の履行について十分な保証を当社に対して提供できなかったことはライセンス契約の重大な違反である旨仲裁で主張しています。また、2017年11月30日に同社によるライセンス契約の違反が約定期間内に治癒されなかったことを受けて、ライセンス契約を解除し、本製品の開発は2018年2月9日に中止しました。

ザ・メディシンズ・カンパニー社との仲裁手続は現在も継続中です。なお、2020年1月6日にノバルティスAG社(本社:スイス)がザ・メディシンズ・カンパニー社の買収を完了したことを発表しております。

 

②  海外事業

SyB L-0501については、韓国、台湾、シンガポールにおいても販売されており、当社の製品売上は計画を上回る水準で順調に推移しました。

 

③  新規開発候補品の導入

当社は常時複数のライセンス案件を検討しており、新薬開発候補品のライセンス権利取得に向けた探索評価の継続的な実施を通じてパイプラインの拡充を行うことにより、収益性と成長性を兼ね備えたバイオ製薬企業として長期的な事業価値の創造を目指しております。

また、100%出資の米国子会社 SymBio Pharma USA, Inc.をグローバル事業の拠点として新薬候補品の全世界におけるライセンス権利を積極的に取得することにより、米国、日本、欧州をはじめとする主要市場において開発・商業化を目指して、グローバル・スペシャリティファーマへの転換を進めてまいります。

 

④  経営成績の状況

以上の結果、当事業年度の売上高は、トレアキシン®の製品販売等により、2,837,753千円となり、売上高全体で前年同期比26.0%減少となりました。

一方、販売費及び一般管理費は、新規開発品である抗ウイルス薬ブリンシドフォビルの導入にかかる契約一時金、トレアキシン®の注射剤、経口剤及びリゴセルチブの注射剤、経口剤の臨床試験費用が発生したこと等により、研究開発費として2,441,552千円(前年同期比33.2%増)を、その他の販売費及び一般管理費として2,724,814千円(前年同期比36.5%増)を計上したことから、合計で5,166,366千円(前年同期比34.9%増)となりました。

これらの結果、当事業年度の営業損失は4,301,615千円(前年同期は営業損失2,656,072千円)となりました。また、受取保険金2,736千円を主とする営業外収益4,331千円を計上した一方、為替差損54,755千円、株式交付費13,932千円、支払手数料10,457千円を主とする営業外費用79,372千円を計上したこと等により、経常損失は4,376,655千円(前年同期は経常損失2,748,730千円)、当期純損失は4,376,258千円(前年同期は当期純損失2,752,533千円)となりました。

なお、当社の事業は医薬品等の研究開発及び製造販売並びにこれらの付随業務の単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しています。

 

⑤  財政状態の状況

当事業年度末における総資産は、未収消費税等が150,469千円、売掛金が137,554千円、ソフトウエア仮勘定が125,120千円、ソフトウエアが44,028千円、建設仮勘定が21,513千円、立替金が10,644千円、前払費用が10,629千円それぞれ増加した一方、現金及び預金が910,525千円、商品及び製品が533,824千円それぞれ減少したこと等により、前事業年度末に比べ965,467千円減少し、5,273,955千円となりました。負債の部については、買掛金が605,187千円、為替予約が16,427千円それぞれ減少した一方、未払金が135,845千円、未払法人税等が16,506千円それぞれ増加したこと等により、前事業年度末に比べ463,784千円減少の873,838千円となりました。

純資産の部については、資本金が1,898,059千円、資本準備金が1,898,059千円、新株予約権が91,016千円それぞれ増加した一方、当期純損失の計上により利益剰余金が4,376,258千円減少し、自己株式が15,059千円増加したこと等により、前事業年度末に比べ501,683千円減少の4,400,116千円となりました。この結果、自己資本比率は71.7%と前事業年度末に比べ1.6ポイント増加しました。

 

⑥  キャッシュ・フローの状況

当事業年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、新株の発行等により増加したものの、税引前当期純損失の計上により、前事業年度末に比べ910,525千円減少の3,910,830千円となりました。

当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、次のとおりです。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

たな卸資産533,824千円の減少、株式報酬費用127,144千円の計上、未払金124,233千円の増加、為替差損83,370千円の計上、減価償却費38,085千円の計上、株式交付費13,932千円の計上、支払手数料10,457千円の計上等による営業活動資金の増加要因はあったものの、税引前当期純損失4,372,458千円の計上、買掛金605,187千円の減少、未収消費税等150,469千円の増加、売上債権137,554千円の増加、前払費用18,649千円の増加、立替金10,644千円の増加等より、全体では4,350,738千円の減少(前年同期は2,324,547千円の減少)となりました。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

無形固定資産の取得による支出192,013千円、有形固定資産の取得による支出24,498千円等により、全体では216,462千円の減少(前年同期は26,180千円の減少)となりました。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

自己株式の取得による支出20,871千円、株式の発行による支出11,582千円による財務活動資金の減少要因はあったものの、新株予約権の行使による株式の発行による収入3,771,476千円等により、全体では3,740,045千円の増加(前年同期は4,272,056千円の増加)となりました。

 

⑦ 生産、受注及び販売の状況

(生産実績)

当社は生産を行っていないため、該当事項はありません。

 

(商品仕入実績)

当事業年度の商品仕入実績は次のとおりであります。

 

 

当事業年度

(自  2019年1月1日

至  2019年12月31日)

商品仕入高(千円)

前年同期比(%)

商品仕入

1,684,453

56.7

合計

1,684,453

56.7

 

(注) 1.当社の事業は、医薬品等の研究開発及び製造販売並びにこれらの付随業務の単一セグメントである
 ため、セグメント別の記載を省略しております。

     2.金額は仕入価格で表示しており、消費税等は含まれておりません。

 

(受注実績)

当社は受注生産を行っていないため、該当事項はありません。

 

(販売実績)

当事業年度の販売実績は次のとおりであります。

 

 

当事業年度

(自  2019年1月1日

至  2019年12月31日)

販売高(千円)

前年同期比(%)

商品販売

2,811,272

73.8

マイルストーン収入

26,481

103.2

合計

2,837,753

74.0

 

(注) 1.当社の事業は、医薬品等の研究開発及び製造販売並びにこれらの付随業務の単一セグメントである
 ため、セグメント別の記載を省略しております。

   2.最近2事業年度における主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は
  次のとおりであります。

 

相手先

前事業年度

(自  2018年1月1日

至  2018年12月31日)

当事業年度

(自  2019年1月1日

至  2019年12月31日)

金額(千円)

割合(%)

金額(千円)

割合(%)

エーザイ株式会社

3,648,493

95.1

2,831,272

99.8

 

3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

⑧ 資本の財源及び資金の流動性について

当社は、新規開発品の導入と、その開発に対して積極的に資金を投下しておりますが、当社は創業間もないベンチャー企業であり、また開発第1号品であるSyB L-0501の販売収益がこれらの資金需要を賄うには未だ十分ではないことから、これらの資金は主に公募増資や第三者割当による新株の発行により調達しています。

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

 当社は、以下の点を主要な経営課題と捉え、取り組んでまいります。

① パイプラインの更なる充実について

製薬ベンチャー企業として企業価値を高めるためには、開発候補品を継続的に導入し、パイプラインを充実させていく必要があります。

当社では、抗がん剤 SyB L-0501、SyB L-1101、SyB C-1101、SyB L-1701、SyB L-1702及び抗ウイルス薬 SyB V-1901において開発を実施または計画しています。また、現在、新薬候補品の導入に関して複数の案件を相手先企業と協議しており、パイプラインの更なる拡充に向けて今後も新規の開発候補品の導入を積極的に進めてまいります。

 

② 既存パイプラインのライフサイクル・マネジメントの追求

企業価値を高めるためには、開発候補品の導入だけではなく、導入した新薬候補品の適応症を追加することにより、開発品目あたりの収益の最大化を図る、ライフサイクル・マネジメントを追求することが重要となります。

トレアキシン®は、再発・難治性の低悪性度非ホジキンリンパ腫及びマントル細胞リンパ腫、慢性リンパ性白血病、及び未治療(初回治療)の低悪性度非ホジキンリンパ腫及びマントル細胞リンパ腫を適応症として製造販売承認を取得しています。再発・難治性のびまん性大細胞型B細胞リンパ腫(r/r DLBCL)については、第Ⅲ相臨床試験において主要評価項目を達成し、現在承認申請に向けた準備を行っています。また、製品ライフサイクル・マネジメントを推進することにより、トレアキシン®の事業価値の最大化を図るべく、イーグル・ファーマシューティカルズ社(本社:米国ニュージャージー州)より導入したトレアキシン®液剤(RTD製剤及びRI製剤)の開発を進めております。

リゴセルチブについては、現在、骨髄異形成症候群(MDS)を対象として注射剤と経口剤で開発を進めています。MDSは優れた治療薬が少ないため医療ニーズが極めて高い治療領域のひとつです。当社は、注射剤について、再発・難治性の高リスクMDSを目標効能としてオンコノバ社が実施している国際共同第Ⅲ相試験の日本における臨床試験を実施しています。また、経口剤については、低リスクMDSを目標効能として国内第Ⅰ相臨床試験(単剤試験)を既に終了しており、引き続き初回治療の高リスクMDSを目標効能として、単剤により高用量の安全性を確認するための国内第Ⅰ相臨床試験を実施しています。第Ⅰ相臨床試験終了後は、国際共同臨床試験への参加を検討しています。なお、輸血依存性の低リスクMDSを目標効能とした開発については、オンコノバ社の開発状況を見据えながら検討してまいります。

今後、更なる適応症追加を通じてライフサイクル・マネジメントを追求することにより、トレアキシン®及びリゴセルチブの事業価値の最大化を図ってまいります。抗ウイルス薬ブリンシドフォビルについてもライフサイクル・マネジメントの追求を通じて収益の最大化を図るとともにグローバル市場を対象に事業展開をするスペシャリティファーマへの転換を進めてまいります。

 

③ 自社による販売体制構築の準備

現在当社は2008年8月に締結した事業提携契約に基づき、エーザイを販売元としてトレアキシン®の国内販売を行っています。当事業提携契約は2020年12月に満了することになっており、2021年度に向けて自社による国内販売への切り替えを計画しています。

自社で専門的な情報提供を行うことによって市場のニーズをより的確に把握しかつ迅速に応えることが可能となり、患者さんの利益に資すると共にトレアキシン®が持つ事業価値の最大化を図ります。さらに血液疾患領域に特化した専門性の高い一貫した営業体制を構築することにより、トレアキシン®に加えて現在開発中の骨髄異形成症候群(MDS)を対象としたリゴセルチブ(注射剤及び経口剤)が販売品目に加わった際にはより高い事業効率を達成し、収益の持続的拡大及び株主利益の最大化を実現することを目指してまいります。

抗ウイルス薬ブリンシドフォビルについては国内販売のみならず欧米を含む世界全域におけるグローバル事業展開の検討を進めてまいります。

 

④ 更なる成長を求めてグローバル展開へ

当社はこれまで日本のみならず、中国・韓国・台湾・シンガポールの4ヶ国を戦略地域として位置付け、アジア地域への展開を進めてまいりました。

しかしながら、日本においては高齢化とともに医療費が膨張し、それに伴う国家戦略として後発医薬品80%時代が始まり新薬メーカーにとって厳しい環境が続くことが予想されます。また、アジア各国においても同様の政策が始まることも考えられます。

こうした中、当社は更なる発展のためにグローバル展開を進めてまいります。これまでのアジア展開で培った経験を活かし、抗ウイルス薬ブリンシドフォビルに続く新規開発候補品について、グローバルの権利を取得するべく、候補品の探索・評価及び交渉を進めてまいります。

 

⑤ 人材の確保について

当社の経営資源の第一は人であると考えています。優秀な人材なくして、新薬の探索、開発及び情報提供活動、そして今後のグローバル展開において優れた成果をあげることはできません。当社は継続的に優秀な人材の採用を行っており、上場後、特に経営組織をより強固にすべく優れた人材を採用してまいりました。また、OJTや研修等による人材育成を通じて、人材の更なる強化を図ってまいります。

 

⑥ 財務上の課題について

当社は、パイプラインの開発進展、グローバル事業展開、開発候補品の増加等に伴い、研究開発費を中心とする事業活動に合わせて資金を調達する必要があります。

従って、引き続き資金調達手法の多様化を進めるとともに、予算管理の徹底を通じてコスト抑制を図ることで、財務基盤の更なる強化に努めてまいります。

 

2 【事業等のリスク】

当社の事業活動においてリスクとなる可能性があると考えられる主な事項について記載しています。また、当社として必ずしも重要なリスクとは考えていない事項についても、投資判断の上で、あるいは当社の事業活動を理解する上で重要と考えられる事項については、投資家及び株主に対する積極的な情報提供の観点から開示しています。当社は、これらのリスクが発生する可能性を認識した上で、発生の回避及び発生した場合の適切な対応に努める方針ですが、当社株式に関する投資判断は、以下の記載事項及び本書中の本項以外の記載を慎重に検討した上で行なわれる必要があると考えます。また、以下の記載は当社株式への投資に関連するリスクの全てを網羅するものではありません。なお、文中における将来に関する事項は、本書発表日現在において当社が判断したものです。

 

① 医薬品の開発事業全般に関するリスク

当社は、製薬企業、バイオベンチャー企業等が創出した新薬候補品を導入し、これらを医薬品として開発する事業を主たる業務としています。医薬品の研究開発の分野は、巨大製薬企業をはじめとする多数の強力な競合が存在し、更に当社を含むいわゆる創薬ベンチャー企業が質とスピードを競い合う業界です。また、開発から製造及び販売に至る過程には多くの規制が存在し、長期間にわたり多額の資金を投入して事業活動を推進する必要があります。その将来性は不確実性を伴うものであり、当社の現在及び将来における事業についてもこのようなリスクが付随しています。

 

ア. 医薬品開発の不確実性について

一般的に、製品上市に至る医薬品開発の過程は長期かつ多額の費用を要し、開発が成功する確率は決して高くなく、開発のいずれの段階においても中止や遅延の判断をすることは稀ではありません。医薬品開発においては、様々な開発過程を段階的に進めていく必要があり、それぞれの段階において開発続行の可否が判断されます。従って、その開発途上で中止の決定を行うことは稀なことではなく、開発が順調に進み製品化される確率は低いものとされています。また、開発に成功し、上市された後も、定期的または臨時で当該時点における医学・薬学等の学問水準に照らして、有効性及び安全性を確認するために再評価が行われ、有用性が認められないとされた場合、あるいは重篤な副作用等により健康被害が拡大する恐れがある場合(詳細は「カ.副作用に関するリスクについて」を参照)には、有用性または副作用を原因として承認が取り消されるリスクがあります。このようなリスクを低減・分散するため、当社ではパイプラインを複数保有するとともに極力ヒトでPOC(注1)が確認された開発候補品を優先して導入するよう努めていますが、当社のような小規模な製薬ベンチャー企業にとって、ひとつの開発候補品がパイプラインから脱落することの影響は大きく、その場合当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重大な影響を及ぼす可能性があります。

 

(注1) POC(Proof of Concept)とは、新薬候補物質の有効性や安全性を臨床で確認し、そのコンセプトの妥当性を検証することを意味します。

 

 

イ. 収益の不確実性について

当社が開発を進めている製品から収益を得るためには、当社単独あるいは第三者と共同で、これら新薬候補品の開発、規制当局からの承認、製造及び販売のすべての段階において成功を収める必要があります。しかしながら当社は、これらの活動において必ずしも成功しない可能性もあり、また、成功したとしても当社の事業を継続するために必要な採算性を確保できない可能性もあります。当社が現在開発を進めているパイプラインのうちトレアキシン®凍結乾燥注射剤は現在、再発・難治性のびまん性大細胞型B細胞リンパ腫(r/r DLBCL)を対象とした第Ⅲ相臨床試験を実施しています。トレアキシン®液剤(RTD製剤及びRI製剤)については、承認申請済みのRTD製剤は2021年第1四半期を発売予定時期と想定して準備中、RI製剤については安全性の確認を主目的とした治験を進めております。リゴセルチブについては、日本における臨床開発を当社が担当しており、注射剤で再発・難治性の高リスクMDSを目標効能とした国際共同第Ⅲ相試験を実施しています。経口剤においても同様に、日本における臨床開発を当社が担当し、初回治療の高リスクMDSを対象としたアザシチジンとの併用による国際共同試験に参加することを視野に準備を進めております。さらに、抗ウイルス薬ブリンシドフォビルについては、天然痘を除くすべての疾患を対象とした世界全域における開発・販売・製造に関する独占的権利を取得しており、日本及びグローバル展開において事業価値の最大化を図るべく、計画を進めてまいります。当社はこれらの開発を推進し、製品上市に至ることにより収益を獲得するべく事業活動を行っています。また、開発品によっては開発・販売に関して他の製薬企業と提携契約を締結し、早期に収益化を図ることも想定しています。しかしながら、これらのパイプラインが製品として上市するまでには相当の時間を要することが予想され、また、製品として上市される、あるいは他の製薬企業と提携契約を締結できる保証はありません。なお、当社は、現時点で想定している適応疾患の選定や提携手法・マーケティング手法等について、既承認の医薬品の市場規模やマーケティング実績等をもとに十分に将来の採算性を見込めるものと判断していますが、万一この判断が誤っていた場合、あるいはこの判断の基礎となる状況に変化が発生し当社がその変化に迅速に対応できなかった場合には、当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に大きな影響を及ぼす可能性があります。

 

ウ. 遵守すべき法的規制等及び医療保険制度等の不確実性について

当社が参画する医薬品業界は、研究、開発、製造及び販売のそれぞれの事業活動において、各国の薬事に関する法律及び薬事行政指導、その他関係法令等により様々な規制を受けており、当社は医薬品医療機器等法をはじめとする現行の法的規制及び医療保険制度、それらに基づく医薬品の価格設定動向等を前提として事業計画を策定しています。しかしながら、当社が開発を進めている製品が現実に製品として上市されるまでの間、これらの規制や制度・価格設定動向等が変更される可能性もあります。もしこれらに大きな変更が発生した場合には、当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に大きな影響を及ぼす可能性があります。

 

エ. 海外における開発・販売に関するリスクについて

当社は日本のみならず、経済成長とともに医療ニーズの拡大が予想されるアジアをはじめとしたグローバル地域についても戦略事業地域として位置付け、医薬品事業を展開しています。現在、トレアキシン®凍結乾燥注射剤は韓国、台湾、シンガポールにおいても販売されており、今後さらに抗ウイルス薬ブリンシドフォビルについてアジアのみならず欧米を含む世界全域における開発・販売・製造に関するグローバル事業展開を計画しております。海外市場においても、医薬品の開発・販売事業の展開に際し、一般的に多額の資金と事業リスクを伴うため、当社では開発品によっては海外の開発権、販売権を他の製薬企業等に導出し、投資資金及び事業リスクの低減を図っています。当社が保有する権利の導出にあたっては、慎重にデューディリジェンスを実施した上で企業選定を行い、かつ導出後も適宜モニタリングを実施していますが、導出先の経営状況や各国の規制、競争環境等の変動により、当初期待していた通りには開発、販売が進捗せず、計画通りのマイルストーン収入、ロイヤリティ収入等が得られないことにより、当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を及ぼす可能性があります。同様に、他の製薬企業等との共同開発または共同販売、或いは委受託契約等のパートナーシップの戦略的な活用も検討していますが、パートナーの経営状況や各国の規制、競争環境等の変動により、当初期待していた通りには開発、販売が進捗せず、計画通りの収益が得られないことにより、当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

オ. 医薬品業界の競合関係について

医薬品業界は、国際的な巨大企業を含む国内外の数多くの製薬企業や研究機関等により、激しい競争が繰り広げられており、その技術革新は急速に進歩している状態にあります。これらの競合相手の中には、技術力、マーケティング力、財政状態等が当社と比較して優位にある企業が多数あり、当社開発品と競合する医薬品について、有効性の高い製品を効率よく生産・販売する可能性があります。従って、これら競合相手との開発、製造及び販売のそれぞれの事業活動における競争の結果次第で、当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に大きな影響を及ぼす可能性があります。

 

カ. 副作用に関するリスクについて

医薬品は、臨床試験段階から市販後に至るまで、予期せぬ副作用が発現する可能性があります。これらのうち重篤または予期せぬ副作用が発現した場合、賠償問題の発生や、状況次第では臨床試験の遅れ、開発中止に至るリスクを伴います。更に、健康被害が拡大する恐れがある場合、承認取消・販売中止に至るリスクを伴います。賠償問題に関しては、当社は必要な損害保険に加入することにより、このような事態が発生した場合の財政的負担を最小限に留めるべく対応していますが、賠償額が当該保険により補償される範囲を超える可能性は否定できません。このような場合は、当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重大な影響を及ぼす可能性があります。

 

キ. 製造物責任について

医薬品の開発及び製造には、製造物責任賠償のリスクが伴います。当社は将来、開発したいずれかの医薬品が健康被害を引き起こした場合、または臨床試験、製造、営業若しくは販売において不適当な事項が発見された場合には、製造物責任を負い、当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重大な影響を及ぼす可能性があります。また、製造物責任賠償請求がなされることによるイメージ低下により、当社及び当社の医薬品に対する信頼が損なわれ、当社の事業に影響を及ぼす可能性があります。

 

ク. 製造並びに安定供給に関するリスクについて

当社は、開発品の上市後、製品を安定供給することが必要となりますが、製造委託先の技術上もしくは法規制上の問題、又は火災その他の災害による操業停止等により、製品の供給が休止もしくは著しく停滞した場合、当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重大な影響を及ぼす可能性があります。

 

 

② 当社の事業遂行上のリスク

ア. 当社のビジネスモデルについて

当社は自社で研究設備・製造設備は保有せず、がん及び血液領域を中心とした希少疾病分野(注2)を中心に、主にヒトでPOCが確立された開発候補品を製薬企業、バイオベンチャー企業等より導入し、これらを日本並びにアジア諸国(中国、韓国、台湾及びシンガポール等)、更にはグローバルで医薬品として開発・販売することにより収益化を図るビジネスモデルを採用してきました。それに加えて今後は、抗ウイルス薬ブリンシドフォビル(BCV)に関しての独占的グローバルライセンス契約をキメリックス社と締結し、天然痘疾患を除くすべての疾患を対象としたBCVの世界全域における開発・販売に加えて製造を含む独占的権利を取得したことにより、高品質の医薬品供給のための一貫体制を備えたグローバル市場を対象として事業展開をするスペシャリティファーマへの転換を進めてまいります。

パイプラインの開発・販売においては、製薬企業と提携することも計画していますが、これらの条件を満たす開発候補品を継続的に導入し、また、これらの提携先企業を確保できる保証はありません。また、導入候補品(注3)については主に希少疾病分野を対象としていることから、当社が期待する売上高が確保できない可能性もあります。更に、導入元の企業における開発が遅延または失敗した場合、日本における開発に影響が出る可能性があります。グローバル展開に関しては開発・販売・製造の自社及びパートナー企業による計画の推進において、当社がコントロールし得ない何らかの事情により、当初の計画通り事業が進捗しない可能性があります。これらのような場合、当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を及ぼす可能性があります。上記に加えて、医薬品業界の競争環境や、当社の財政状態等の変化に伴い、今後、当社のビジネスモデルの変更を余儀なくされる可能性があります。その場合、当社の事業に大きな影響を及ぼす可能性があります。

 

 (注2) 希少疾病分野とは、患者数が少ない疾病分野のことで、この分野に対する医薬品は希少疾病用医薬品(Orphan Drug:オーファンドラッグ)と呼ばれます。厚生労働省はオーファンドラッグ制度を設定し、我が国において患者数が5万人未満の重篤な疾病であること、医療上特にその必要性が高いことをその指定の基準としています。当該指定を受けると、申請から承認までの期間が短縮され、再審査期間が10年になる等の優遇措置があります。

 

 (注3) 導入候補品とは、当社の開発候補品として他社より開発権等の権利取得を検討している化合物または製品を指します。

 

イ. 特定の取引先への依存度について

当社は、抗ウイルス薬ブリンシドフォビルについて天然痘疾患を除くすべての疾患を対象とした世界全域における製造の独占的権利を所有しているものの、現時点では生産設備を持たない製薬ベンチャー企業であるため、開発品の臨床試験並びに上市後の販売においては他社より製品の供給を受けることとなります。この場合、製品供給元の財政状態、生産状況などによっては、当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に大きな影響を及ぼす可能性があります。また、パイプラインの開発・販売については、2021年度より自社で販売を開始する計画はあるものの、現時点では製薬企業との提携に重点を置いた事業計画を有しています。しかしながら、相手先企業の経営環境の極端な悪化や経営方針の変更など、当社がコントロールし得ない何らかの事情により、当初の計画通り事業が進捗しない可能性があります。また、契約書に定められた契約解除事項に抵触した場合等には、期間満了前に終了する可能性もあります。その場合には当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重大な影響を及ぼす可能性があります。また、一般に当社のような製薬ベンチャー企業の提携においては、製品上市前の収益として、「契約一時金」「開発協力金」「マイルストーン」を見込むものとなりますが、このうちマイルストーンは所定の成果達成に基づく収益であることから極めて不安定で予測の困難な収益であり、開発の進捗に遅延等が発生した場合には当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に大きな影響を及ぼす可能性があります。

 

ウ.知的財産権に関するリスクについて

当社は医薬品の開発活動において様々な知的所有権を使用していますが、これらは基本的に製薬企業、バイオベンチャー企業等より使用許諾を受けた権利です。しかしながら、当社が導入する開発候補品について、導入元企業における出願中の特許が登録に至らない可能性があります。また、当社が使用許諾を受けた知的所有権に優位する知的財産権が第三者によって生み出される可能性を完全に回避することは困難であり、こうした結果、当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重大な影響を及ぼす可能性があります。なお、本書提出日現在において、当社の開発に関連した特許権等の知的財産権について、第三者との間で訴訟が発生した事実はありません。当社は、今後も知的財産権に関する問題を未然に防止するため、開発候補品の導入にあたっては、弁護士との相談や特許事務所を通じた特許調査を適宜実施していきますが、第三者の知的所有権の侵害に基づく将来の係争を完全に回避することは困難であり、当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重大な影響を及ぼす可能性があります。なお、当社が導入する開発候補品は、必ずしも特許で保護されているとは限りません。もっとも、当社の開発候補品が特許を有していない場合であっても、当該開発候補品が規制当局より製造販売承認の際に再審査の指定を受けた場合には、再審査期間は後発医薬品の参入が実質的に制限されるため、一定期間市場独占的な保護を受けることとなります。

 

エ.情報管理について

当社パイプラインの開発並びにその他事業遂行等に関する重要な機密情報が流出するリスクを低減するために当社は、役職員、科学的諮問委員会(SAB)メンバー、外注委託先、取引先等との間で、守秘義務等を定めた契約を締結するなど、厳重な情報管理に努めています。しかしながら、役職員、SABメンバー、外注委託先、取引先等によりこれが遵守されなかった場合等には、重要な機密情報が漏洩する可能性があり、このような場合には当社の事業や財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

オ.重要な契約に関する事項

当社の事業展開上重要と考えられる契約につき、将来、期間満了、解除、その他何らかの理由により契約の終了が生じた場合、当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重大な影響を及ぼす可能性があります。

 

③ 組織に関するリスク

ア.社歴が浅いことについて

当社は、2005年3月に設立された、社歴の浅い企業です。また当社は、創業時より開発候補品の導入活動を開始し、ゼロベースから医薬品開発事業を立ち上げ、2010年8月に、創業以来初となる製品売上による収益を計上しました。今後、未だ経験していない事業上のトラブルが発生する可能性はありますが、当社の業績に影響を及ぼすような外部環境の変化を厳密に予想することは現状においては困難が伴います。従って、今後当社が成長を続けられるか等を予測する客観的な判断材料として過年度の経営成績だけでは、不十分な面があると考えられます。

 

イ.小規模組織であることについて

当社の研究開発活動については、業務受託企業(CRO(注4)等)を活用することにより、比較的少人数による開発体制を敷いていますが、今後のグローバル展開を含む既存パイプラインの開発推進及び新規開発候補品のパイプライン化に伴い、更なる研究開発人員の増加を必要とする可能性があります。しかしながら、何らかの理由により業務受託企業との関係が解消された場合や、計画通りの人員の確保ができない場合、あるいは既存人員の流出が生じた場合には、当社の事業活動に支障が生じ、当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

(注4) CRO(Contract Research Organization)とは、製薬企業が、自社で実施する開発業務を遅滞なく進めるために、一部の業務について委託を行う機関です。委託業務の内容としては、治験が実施計画書どおりに遂行されているかをモニタリングするモニター業務や、臨床データを管理するデータ管理業務などがあります。

 

ウ.特定人物への依存度について

当社の代表取締役社長の吉田文紀は、当社創業者として創業当時より経営全般にわたる事業の推進者として中心的な役割を担ってまいりました。従って、何らかの理由により同氏の業務の遂行が困難となった場合には、当社の事業運営に重大な影響を及ぼす可能性があります。

 

エ. 科学的諮問委員会(SAB)について

当社は、新規開発候補品の導入評価に関する社長の諮問機関として、科学的諮問委員会(SAB)を組成し、優れた実績と経験を有すると判断される臨床医や基礎科学者を招聘しています。SABは毎年2~3回開催され、世界中から集まる膨大な導入候補品について、医療ニーズの高さや収益性などの観点も踏まえ、リスクバランスのとれたポートフォリオを構築するために、それぞれの専門の立場から活発に意見交換や議論を行っています。当社は、今後も優秀なSABメンバーの確保に努めてまいりますが、現在のメンバーとの間の契約が解除、期間満了、更新拒絶、その他の理由で終了するなど、何らかの理由によりメンバーの確保が困難となった場合や、メンバーの流出が生じた場合には、当社の開発候補品導入の推進に影響を及ぼす可能性があります。

 

④  経営成績の推移について

ア.過年度における業績推移について

当社の主要な経営指標等の推移は以下のとおりです。

回次

第11期

第12期

第13期

第14期

第15期

決算年月

2015年12月

2016年12月

2017年12月

2018年12月

2019年12月

売上高(千円)

1,933,241

2,368,112

3,444,206

3,835,530

2,837,753

営業損失(△)
(千円)

△2,551,662

△2,127,049

△3,947,061

△2,656,072

△4,301,615

経常損失(△)
(千円)

△2,630,386

△2,316,806

△3,976,784

△2,748,730

△4,376,655

 

当社は、現在まで、第4期を除き、研究開発費やその他一般管理費の合計が収益を上回り、営業損失、経常損失、当期純損失を計上しています。このため、過年度の財務経営指標は期間業績比較を行うための材料としては不十分であると考えられ、今後の当社業績を予測する材料としては不十分な面があります。

 

イ.研究開発費の増加予測について

当社の過去5期間の研究開発費の推移は以下のとおりです。

回次

第11期

第12期

第13期

第14期

第15期

決算年月

2015年12月

2016年12月

2017年12月

2018年12月

2019年12月

研究開発費
(千円)

2,034,714

1,667,098

3,017,812

1,832,746

2,441,552

 

当社は、今後更に研究開発活動を推進する計画であり、累積損失は増加傾向にあります。2021年度には自社販売体制の下、トレアキシン®の適応拡大による製品販売収入の拡大等により黒字化(収益化)を達成することを経営目標に掲げておりますが、各種変動要因により目標の達成が妨げられる可能性があります。2021年度以降についても、リゴセルチブの注射剤及び経口剤または抗ウイルス薬ブリンシドフォビルの早期の承認取得に伴う製品販売収入の確保、並びに製薬企業等との提携に基づき発生する収入等により、研究開発投資の早期回収及び経営成績の継続的な改善を図ってまいりますが、当社の想定どおりに早期回収及び継続的な改善が実現する保証はありません。

 

ウ.マイナスの繰越利益剰余金を計上していることについて

当社は、製薬ベンチャー企業であり、臨床段階にある開発品が上市し、製品販売収入並びにロイヤリティ収入等の安定した収益を継続して計上できる体制となるまでは、多額の研究開発費用が先行して計上されることとなります。そのため、創業以来第4期を除き当期純損失を計上しており、第15期事業年度末には△25,919,496千円の繰越利益剰余金を計上しています。当社は、パイプラインの開発を計画通り、迅速、効率的かつ着実に推進することと自社販売体制への移行により、早期の利益確保を目指していますが、将来において計画通りに当期純利益を計上できない可能性もあります。また、当社の事業が計画通りに進展せず、当期純利益を獲得できない場合には、マイナスの繰越利益剰余金がプラスとなる時期が遅れる可能性があります。

 

エ.資金繰りについて

当社はグローバル市場を対象として事業展開をするスペシャリティファーマへの転換を目指す製薬ベンチャー企業として研究開発費用をはじめとする多額の事業展開資金を必要とします。事業計画が計画通りに進展しない等の理由から資金不足が生じた場合には、戦略提携内容の変更、新規提携契約の獲得、新株発行等の方法による資金確保に努めますが、必要なタイミングで資金を確保できなかった場合には、当社事業の継続に重大な懸念が生じる可能性があります。

 

オ.税務上の繰越欠損金について

当社には現在、税務上の繰越欠損金が存在しています。そのため、現在は通常の税率に基づく法人税、住民税及び事業税が課せられておらず、今後も数年間はこの状態が続くものと想定しています。しかしながら、現在の繰越欠損金の控除制度が改正されるなどの理由により、想定よりも早期に繰越欠損金が解消され、これによる課税所得の控除が受けられなくなった場合には、通常の税率に基づく法人税、住民税及び事業税が課せられることとなり、現在想定している当期純利益若しくは当期純損失及びキャッシュ・フローの計画に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑤  その他のリスク

ア.株主還元政策について

当社は創業以来配当を実施していません。当社の現時点における事業ステージは、医薬品開発とグローバル展開を含む商業化及び自社販売体制の下での持続的成長に向けた先行投資の段階にあるため、今後も当面は資金を財務体質の強化及び研究開発活動の継続的な実施と新規開発候補品の導入に優先的に充当し、配当は行わない方針です。しかしながら、当社では株主への利益還元を経営の重要な課題と認識しており、今後の経営成績及び財政状態を勘案し、利益配当についても検討してまいります。

 

イ.資金調達について

新規開発候補品の導入等による事業規模の拡大や予期せぬ外部環境の変化に伴う必要経費の増加または想定収益の変動により、次期見通し及び中長期事業計画の想定を大幅に超えた資金需要の増加が生じた場合、株式発行等による追加の資金調達を実施していく可能性があります。その場合には、当社の発行済株式数が増加することにより、1株当たりの株式価値は希薄化する可能性があります。

 

ウ.潜在株式の行使による当社株式価値の希薄化について

当社は、当社取締役、従業員等の業績向上に対する意欲や士気を高め、また優秀な人材を確保する観点から、ストック・オプション制度を導入しており、旧商法第280条ノ19、旧商法第280条ノ20及び旧商法第280条ノ21、並びに、会社法第236条、第238条、第239条及び第240条の規定に基づき、新株予約権を取締役、従業員に対して付与しています。

また、当社は、2016年4月6日に開催した取締役会において、第三者割当の方法による第3回無担保転換社債型新株予約権付社債(発行価額の総額30億円)並びに第39回新株予約権(発行価額の総額9,776千円、新株予約権の行使により株式を発行する場合の株式の発行価額の総額943,592千円)の発行決議をそれぞれ行い、2017年8月9日に開催した取締役会において、第三者割当の方法による第42回新株予約権(発行価額の総額32,560千円、新株予約権の行使により株式を発行する場合の株式の発行価額の総額1,892,000千円)の発行決議を行いました。そして、2018年4月9日に開催した取締役会において、第三者割当の方法による第45回乃至第47回新株予約権(発行価額の総額23,100千円、新株予約権の行使により株式を発行する場合の株式の発行価額の総額10,440,000千円)の発行決議を行いました。これらのうち、2019年12月末現在において、第47回新株予約権の目的となる株式数1,675,000株が残っています。

2019年12月末現在における上記新株予約権の目的となる株式(以下「潜在株式」という)数は合計1,675,000株となり、発行済株式総数の6.3%を占めております。今後、これらの潜在株式の行使が行われた場合には、当社の1株当たりの株式価値は希薄化する可能性があります。また、当社は今後も優秀な人材確保のために、同様のインセンティブプランを継続して実施する可能性があります。従って、今後付与する新株予約権の行使が行われた場合には、当社の1株当たりの株式価値は希薄化する可能性があります。

 

エ.ベンチャーキャピタルによる株式保有について

一般的に、ベンチャーキャピタル及び投資事業組合による株式の所有目的は、株式上場後に株式を売却してキャピタルゲインを得ることにあるため、当社株主であるこれらのベンチャーキャピタル及び投資事業組合が、所有する株式の全部または一部を売却した場合には、当社株式の市場価格に影響を及ぼす可能性があります。

 

オ.外国為替損失の発生に関するリスクについて

当社は現時点では生産設備を持たずに他社より製品の供給を受けており、またパイプライン拡充のために新規開発候補品を導入する際に支払われる一時金を想定し、予め相当の金額を外貨預金あるいは外国為替先物予約にて手当をしています。これらの外貨建て資産は時価評価にて毎期財務諸表に表示していますが、将来の為替変動によってその評価損失が発生するリスクがあり、当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

カ.自然災害等に関するリスクについて

当社が事業展開している地域や拠点において、災害(地震、台風、火災等)・疫病等が発生し、人的・物的被害の発生、業務停止及び遅延が生じた場合、社会的信用の失墜や、補償などによって、当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

2 【沿革】

年月

概要

2005年3月

東京都港区において当社設立。

2005年12月

アステラス・ファーマ GmbH社(現  アステラス・ドイッチラント  GmbH社)と抗がん剤 SyB L-0501の日本における独占的開発権及び独占的販売権の供与を受けるライセンス契約を締結。

2006年8月

SyB L-0501の第Ⅰ相臨床試験(再発・難治性の低悪性度非ホジキンリンパ腫及びマントル細胞リンパ腫の患者を対象)を開始。

2007年3月

アステラス・ドイッチラント GmbH社とSyB L-0501の中国、韓国、台湾及びシンガポールにおける独占的開発権及び独占的販売権の供与を受けるライセンス契約を締結。

2007年9月

SyB L-0501の第Ⅰ相臨床試験(再発・難治性の低悪性度非ホジキンリンパ腫及びマントル細胞リンパ腫の患者を対象)を終了。

2007年12月

SyB L-0501の第Ⅱ相臨床試験(再発・難治性の低悪性度非ホジキンリンパ腫及びマントル細胞リンパ腫の患者を対象)を開始。

2008年3月

イノファーマックス社とSyB L-0501の台湾における独占的開発権及び独占的販売権を供与するライセンス契約を締結。

2008年8月

エーザイ株式会社とSyB L-0501の日本における共同開発権及び独占的販売権を供与するライセンス契約を締結。

2008年10月

SyB L-0501の第Ⅰ相臨床試験(再発・難治性の中高悪性度非ホジキンリンパ腫の患者を対象)を開始。

2009年3月

セファロン社とSyB L-0501の中国における独占的開発権及び独占的販売権を供与するライセンス契約を締結。

2009年3月

SyB L-0501の第Ⅱ相臨床試験(再発・難治性の低悪性度非ホジキンリンパ腫及びマントル細胞リンパ腫の患者を対象)を終了。

2009年5月

エーザイ株式会社とSyB L-0501の韓国及びシンガポールにおける独占的開発権及び独占的販売権を供与するライセンス契約を締結。

2009年10月

SyB L-0501を、再発・難治性の低悪性度非ホジキンリンパ腫及びマントル細胞リンパ腫を予定適応症として、優先審査対象品目として国内製造販売承認を申請。

2010年3月

SyB L-0501の第Ⅱ相臨床試験(再発・難治性の中高悪性度非ホジキンリンパ腫の患者を対象)を開始。

2010年10月

再発・難治性の低悪性度非ホジキンリンパ腫及びマントル細胞リンパ腫を適応症として、抗悪性腫瘍剤「トレアキシン®(開発コード:SyB L-0501 、一般名:ベンダムスチン塩酸塩)」の国内製造販売承認を取得。

2010年12月

抗悪性腫瘍剤「トレアキシン®(開発コード:SyB L-0501 、一般名:ベンダムスチン塩酸塩)」を、再発・難治性の低悪性度B細胞性非ホジキンリンパ腫及びマントル細胞リンパ腫を適応症として提携先のエーザイ株式会社を通じて国内販売を開始。

2011年7月

オンコノバ・セラピューティクス社と抗がん剤 SyB L-1101(注射剤) / C-1101(経口剤)の日本及び韓国における独占的開発権及び独占的販売権の供与を受けるライセンス契約を締結。

2011年10月

大阪証券取引所JASDAQ(グロース)(現 東京証券取引所JASDAQ(グロース))に株式を上場。

2011年11月

SyB L-0501の第Ⅱ相臨床試験(未治療(初回治療)の低悪性度非ホジキンリンパ腫及びマントル細胞リンパ腫の患者を対象)を開始。

2011年12月

SyB L-0501の第Ⅱ相臨床試験(再発・難治性の多発性骨髄腫の患者を対象)を開始。

2012年6月

SyB L-1101の第Ⅰ相臨床試験(再発・難治性の骨髄異形成症候群(MDS)の患者を対象)を開始。

2013年3月

SyB C-1101の第Ⅰ相臨床試験(初回治療の骨髄異形成症候群(MDS)の患者を対象)を開始。

2013年5月

SyB L-0501の第Ⅱ相臨床試験(慢性リンパ性白血病の患者を対象)を開始。

2013年11月

SyB L-0501の第Ⅱ相臨床試験(再発・難治性の多発性骨髄腫の患者を対象)を中止。

 

 

年月

事項

2015年1月

スポンサー付きADR(米国預託証券)プログラムを設立。

2015年10月

ザ・メディシンズ・カンパニー社と手術後の自己疼痛管理用医薬品 SyB P-1501の日本における独占的開発権及び独占的販売権の供与を受けるライセンス契約を締結。

2015年10月

SyB L-1101の国際共同第Ⅲ相臨床試験(再発・難治性の骨髄異形成症候群(MDS)の患者を対象)に参加。

2016年5月

米国カリフォルニア州メンローパークに子会社、シンバイオファーマUSA(現非連結子会社)を設立。

2016年6月

SyB P-1501の第Ⅲ相臨床試験(入院期間中の短期術後急性疼痛管理を対象)を開始。

2016年8月

SyB L-0501の慢性リンパ性白血病に対する効能追加の承認を取得。

2016年12月

SyB L-0501の未治療(初回治療)の低悪性度非ホジキンリンパ腫及びマントル細胞リンパ腫に対する効能追加の承認を取得。

2017年8月

SyB L-0501の第Ⅲ相臨床試験(再発・難治性びまん性大細胞型B細胞リンパ腫の患者を対象)を開始。

2017年9月

イーグル・ファーマシューティカルズ社との間でトレアキシン®液剤 SyB L-1701(RTD製剤) / L-1702(RI製剤)の日本における独占的開発権及び独占的販売権の供与を受けるライセンス契約を締結。

2017年11月

ザ・メディシンズ・カンパニー社とのSyB P-1501のライセンス契約を解除。

2018年1月

SyB C-0501の第Ⅰ相臨床試験(進行性固形がんの患者を対象)を開始。

2018年2月

SyB P-1501の開発を中止。

2018年5月

SyB C-0501の前臨床試験(全身性エリテマトーデス(SLE)を対象)を開始。

2018年10月

トレアキシン®の国内販売について自社による販売体制構築の準備を開始。

2018年11月

SyB L-1702(RI液剤)の臨床試験を開始。

2019年9月

キメリックス社との間で抗ウイルス薬ブリンシドフォビル(brincidofovir:BCV)の世界全域における開発・販売・製造を含めた独占的権利の供与を受けるライセンス契約を締結。

 

(5) 【所有者別状況】

2019年12月31日現在

区分

株式の状況(1単元の株式数100株)

単元未満
株式の状況(株)

政府及び
地方公共
団体

金融機関

金融商品
取引業者

その他の
法人

外国法人等

個人
その他

個人以外

個人

株主数
(人)

1

40

122

29

55

22,032

22,279

所有株式数
(単元)

1,839

18,250

7,329

12,838

580

215,354

256,190

818,681

所有株式数
の割合(%)

0.72

7.12

2.86

5.01

0.23

84.06

100.00

 

(注)  自己株式22,593株は、「個人その他」に225単元、「単元未満株式の状況」に93株含まれております。

 

 

3 【配当政策】

当社は創業以来配当を実施していません。

当社の現時点における事業ステージは、開発第1号品であるトレアキシン®の製品売上が計上されているものの、他のパイプラインが先行投資の段階にあるため、今後も当面は資金を財務体質の強化及び研究開発活動の継続的な実施に優先的に充当し、配当は行わない方針です。しかしながら、当社では株主への利益還元を経営の重要な課題と認識しており、今後の経営成績及び財政状態を勘案し、利益配当についても検討してまいります。

なお、当社は、「取締役会の決議によって、毎年6月30日を基準日として中間配当を行うことができる。」旨を定款に定めています。また、期末配当・中間配当のほか、「基準日を定めて剰余金の配当を行うことができる。」旨を定款に定めています。配当の決定機関は、中間配当は取締役会、期末配当は株主総会となっています。

 

 

(2) 【役員の状況】

①  役員一覧

男性8名 女性0名 (役員のうち女性の比率0%)

役職名

氏名

生年月日

略歴

任期

所有株式数
(株)

代表取締役
社長執行役員(CEO)

吉  田  文  紀

1949年1月19日生

1980年1月

日本バイオ・ラッドラボラトリーズ株式会社  代表取締役社長

1991年7月

日本シンテックス株式会社

代表取締役社長

1993年5月

アムジェン株式会社 代表取締役社長

米国アムジェン社  副社長

2005年3月

当社設立  代表取締役社長兼CEO(現任)

(注)
1

862,750

取締役
専務執行役員日本事業本部長

木 村 重 雄

1963年6月26日生

1986年4月

スクイプ株式会社入社

2007年1月

同社オンコロジー事業部門マーケティング・ディレクター

2011年5月

同社BMSカナダ ニュープロダクト・プランニング・ディレクター

2012年4月

同社循環器・代謝・免疫事業部門九州・中国営業部長

2013年1月

同社循環器・代謝・免疫事業部営業統括部長

2015年1月

同社血液・肝臓領域血液マーケティングフランチャイズリード

2016年1月

同社執行役員コマーシャルオペレーション部門長

2017年2月

同社執行役員オンコロジー事業部門長

2019年6月

当社入社社長補佐

2019年7月

当社常務執行役員兼CCO兼日本事業本部長

2020年3月

当社取締役専務執行役員兼日本事業本部長(現任)

(注)
1

取締役

松 本 茂外志

1949年8月12日生

1972年4月

中外製薬株式会社入社

2002年4月

同社 監査室長

2007年3月

同社 常勤監査役

2011年4月

同社 顧問

2011年10月

アポプラスステーション株式会社顧問

2015年6月

プロティビティLCC シニアアドバイザー

2015年10月

公益社団法人日本監査役協会 監査実務相談員

2017年3月

当社  社外監査役

2018年3月

当社  社外取締役(現任)

(注)
1

 

 

役職名

氏名

生年月日

略歴

任期

所有株式数
(株)

取締役

ブルース・
デビッド・
 チェソン

1946年4月6日生

1971年7月

ヴァージニア大学病院 内科インターン

1973年7月

同院 内科上級アシスタント研修医

1974年7月

ニューイングランド・メディカルセンター病院 血液学臨床研究員

1977年7月

ユタ大学病院 血液学/腫瘍学 医学部助教授

1984年10月

国立がん研究所 がん治療評価プログラム主任研究員

2001年6月

リンパ腫研究財団 科学諮問委員会(現任)

2002年7月

ジョージタウン大学病院ロンバルディ総合がんセンター 血液腫瘍科 血液腫瘍科副主任

2013年3月

同院 血液腫瘍学フェローシッププログラムディレクター

2016年8月

モーフォシス社 社外取締役(現任)

2018年12月

フランク・M. アーウィング財団 血液腫瘍学委員長

2019年3月

当社  社外取締役(現任)

(注)
1

取締役

ロックフォード・
ダグラス・
  ノービー

1935年6月28日生

1979年9月

シンテックス・コーポレーション社 シニアバイスプレジデント兼CFO

1985年2月

ルーカスフィルム社 社長兼COO

1996年12月

LSI ロジック・コーポレーション社 取締役副社長

1999年9月

アレクシオン社 独立取締役、監査委員会委員長

2010年3月

マグナチップ・セミコンダクタ社取締役会長

2017年11月

クリスタル・バイオテック社 社外取締役(現任)

2019年3月

当社  社外取締役(現任)

(注)
1

常勤監査役

渡 部   潔

1951年5月16日生

1974年4月

株式会社日本興業銀行(現株式会社みずほ銀行)入行

1998年6月

同行 審査部米州企業審査室長(ニューヨーク駐在)

2003年6月

協和発酵工業株式会社 経営企画室長

2005年4月

同社 医薬企画部長

2008年10月

協和発酵バイオ株式会社 企画管理部長

2011年2月

川口化学工業株式会社 常勤社外監査役

2015年6月

東邦アセチレン株式会社 社外監査役

2017年3月

当社 常勤社外監査役(現任)

(注)
2

 

 

役職名

氏名

生年月日

略歴

任期

所有株式数
(株)

監査役

遠 藤 今朝夫

1951年11月28日生

1983年9月

公認会計士登録

1984年3月

プライスウォーターハウスコンサルタント株式会社入社

1986年3月

デロイトアンドトウシュ会計士事務所ロスアンゼルス及びニューヨーク事務所入所

1991年2月

米国公認会計士登録

2000年4月

霞が関監査法人(現太陽有限責任監査法人)代表社員

2006年6月

曙ブレーキ工業株式会社 社外監査役

2012年7月

三優監査法人 代表社員

2015年10月

遠藤公認会計士事務所 代表(現任)

2016年5月

キャリアリンク株式会社 社外取締役(現任)

2016年11月

ABS監査法人 代表社員(現任)

2018年3月

当社  社外監査役(現任)

(注)
2

監査役

海老沼 英 次

1957年7月3日生

1980年4月

株式会社日本興業銀行(現株式会社みずほ銀行)入行

2002年4月

株式会社みずほ銀行人事部企画チーム次長

2003年4月

株式会社オリンピック社長室長兼総合企画室長

2008年12月

弁護士登録

虎ノ門総合法律事務所入所

2013年1月

田辺総合法律事務所パートナー

2014年6月

株式会社ミライト・ホールディングス社外取締役(現任)

2016年6月

楽天銀行株式会社社外取締役(現任)

2019年3月

当社 社外監査役(現任)

2019年6月

東光電気工事株式会社社外監査役(現任)

(注)
2

862,750

 

(注) 1.取締役の任期は、2020年3月26日開催の定時株主総会終結の時から1年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時株主総会終結の時までであります。

2.監査役の任期は、2019年3月28日開催の定時株主総会終結の時から4年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時株主総会終結の時までであります。

3.取締役のうち松本茂外志、ブルース・デビッド・チェソン及びロックフォード・ダグラス・ノービーは、社外取締役であります。

4.監査役渡部潔、遠藤今朝夫及び海老沼英次は、社外監査役であります。

5.当社では、取締役会の一層の活性化を促し、取締役会の意思決定・業務執行の監督機能と、各部門に於ける業務執行機能を区分し、経営効率の向上を図るために執行役員制度を導入しております。執行役員は4名で、取締役を兼務しない執行役員は次の2名であります。

執行役員       福島 隆章

執行役員       石田 信生

 

②  社外取締役及び社外監査役

当社は、社外取締役または社外監査役を選任するための独立性に関する基準または方針として明確に定めたものはありませんが、その選任に際しては、経歴や当社との関係を踏まえて、当社経営陣から独立した立場で社外役員としての職務を遂行できる十分な独立性が確保できることを個別に判断しております。また、それぞれの職務での豊富な経験・知識に基づく視点を生かし、客観的・中立的な立場から経営の監視と助言を行うことができる人材を選任しております。

社外取締役は、製薬業界等での豊富な経験で培われた知識を企業経営全般に活かし、取締役会の透明性の向上及び監督機能の強化のため、独立性をもって経営の監視と助言を行うことが期待できるものと考えております。

また、社外監査役は、独立した立場からそれぞれの豊富な経験・知見を生かし、取締役会において積極的に発言することで経営の監視機能を果たしており、他の監査役、内部監査部門、会計監査人等と連携し、経営監視機能の充実に努めております。

 

③  社外取締役及び社外監査役と当社との人的関係、資本的関係または取引関係その他の利害関係

当社は、取締役 松本茂外志に新株予約権500個、取締役 ブルース・デビッド・チェソンに新株予約権250個、取締役 ロックフォード・ダグラス・ノービーに新株予約権250個を付与しております。この他は、当社と社外取締役及び社外監査役との間に、人的関係、資本的関係または取引関係その他の利害関係に該当する重要な事項はありません。

 

4 【関係会社の状況】

 当社は非連結子会社1社を有しておりますが、重要性が乏しいため記載を省略しております。

 

※2  販売費及び一般管理費のうち主要な費目及び金額は次のとおりであります。

 

 

前第2四半期累計期間

(自  2019年1月1日

至  2019年6月30日)

当第2四半期累計期間

(自  2020年1月1日

至  2020年6月30日)

販売促進費

393,019

千円

558,068

千円

役員報酬

101,503

 

57,149

 

給与手当

146,232

 

215,882

 

退職給付費用

276

 

437

 

研究開発費

962,598

 

833,697

 

支払報酬

542,163

 

35,306

 

 

 

1 【設備投資等の概要】

当事業年度中に実施いたしました当社の設備投資等の総額は、225,773千円で、その主なものは、事務所設備・什器、ネットワーク機器及び業務用ソフトウエアの購入等であります。

なお、当社の事業は医薬品等の研究開発及び製造販売並びにこれらの付随業務の単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しています。

 

株価(1年)
期間を変更
PER(1年/会予)
期間を変更

その他企業情報

企業価値7,106 百万円
純有利子負債-5,410 百万円
EBITDA・会予N/A
株数(自己株控除後)35,156,388 株
設備投資額226 百万円
減価償却費38 百万円
のれん償却費N/A
研究開発費2,442 百万円
代表者代表取締役社長兼CEO  吉田  文紀
資本金16,519 百万円
住所東京都港区虎ノ門三丁目2番2号
会社HPhttp://www.symbiopharma.com/

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