カイオム・バイオサイエンス【4583】

直近本決算の有報
株価:10月22日時点

1年高値444 円
1年安値151 円
出来高752 千株
市場マザーズ
業種医薬品
会計日本
EV/EBITDAN/A
PBR3.1 倍
PSR・会予N/A
ROAN/A
ROICN/A
β1.36
決算12月末
設立日2005/2/8
上場日2011/12/20
配当・会予0 円
配当性向0.0 %
PEGレシオN/A
売上高(百万円)&収益性(%)
売上5y CAGR・実績:12.4 %
利益(百万円)
営利 CAGR・実績:N/A %
純利 CAGR・実績:N/A %
EPS(円) BPS(円)
配当(円)
健全性(%、倍)
セグメント別売上
セグメント別営業利益
セグメント別利益率
会社の詳細

3【事業の内容】

1.事業環境

(1)抗体医薬品とは

 ヒトには、体内に侵入した細菌やウイルス等のタンパク質を異物(抗原)として認識し、その異物を攻撃、排除するために、体内で抗体というタンパク質を作る能力(抗原抗体反応)が備わっています。これは免疫と言われる身体を守る防御システムの一つです。こうして体内で作られた抗体は、特定の抗原にのみ結合する性質を持っており、正常な細胞とがん細胞を見分けたり、病気の原因となるタンパク質の機能を抑えたりすることができます。この抗体というタンパク質を医薬品として体の外から投与するものが抗体医薬品です。従来の抗がん剤等では、正常な細胞にも作用することで副作用を引き起こすこともありますが、抗体医薬品は、疾患に関連する細胞だけが持っている抗原をピンポイントで狙い撃ちするため、高い治療効果と安全性が期待されております。

 

<抗原抗体反応>

(画像は省略されました)

 

 現在、世界で承認されている抗体医薬は70品目を超えており、がんや自己免疫疾患の領域では目覚ましい治療効果をもたらしたものもあります。しかしながら、膵臓がん、肺がん、アルツハイマー病、糖尿病合併症、筋萎縮性側索硬化症(ALS)等、未だに治療満足度、薬剤貢献度が低い疾患が残されており、また、既存の抗体治療薬よりも優れた抗体に対するニーズも存在します。当社は、自社の技術プラットフォームを初めとする抗体・タンパク質周辺技術を最大限に活用して、そのようなアンメットニーズ(*)の高い分野に対する抗体創薬に取り組んでおります。

 

(2)抗体医薬品市場

 2019年に米国FDAによって承認された抗体医薬は7品目あり、この内3品目ががん領域、4品目がその他の領域でした。このように、抗体医薬品は、がんや自己免疫疾患等を中心に医療の現場で処方されており、近年の全世界医療用医薬品の市場においては売上高上位10位のうちの半数を占めるまでになっております。オプジーボ(一般名ニボルマブ)等に代表される免疫チェックポイント阻害剤(*)は、抗体によるがんの治療法に大きな影響を与えました。また、抗体薬物複合体(ADC)やバイスペシフィック抗体(*)に代表される多価抗体などの次世代型抗体については、従来よりも有用性を高めた医薬品としての開発を目指して現在多くの臨床試験(*)が行われており、今後も抗体医薬品市場の一層の拡大が期待されております。

 

 Evaluate Pharma®の「Evaluate World Preview 2019,Outlook to 2024」によりますと、抗体医薬を含むバイオ医薬品の売上高は2020年には医薬品総売上高に占める割合の30%に達すると予測されており、バイオ医薬品の売上の増加は今後もしばらく継続するものと見込まれております。

<世界の医薬品総売上高とバイオ医薬品の占有率>(出典:Evaluate World Preview 2019のデータを基に当社で作成)

(画像は省略されました)

 

2.当社のビジネスモデル

(1)経営理念

 当社は、「医療のアンメットニーズに創薬の光を」というミッションのもと、「アンメットニーズに対する抗体医薬の開発候補品を生み出すNo.1ベンチャー企業を目指す」という経営ビジョンを掲げ、アンメットニーズの高い疾患領域に対する抗体創薬と創薬支援を事業の基本として、成長性と安定性を兼備した経営を目指しております。

 

(2)ビジネスモデル

 当社は、独自の抗体作製技術(ADLib®システム)をはじめとする複数の抗体作製技術を用いて治療薬や診断薬等の抗体医薬品候補を開発する「創薬事業」および「創薬支援事業」を展開しております。「創薬事業」では、抗体医薬品の基礎・探索研究(*)、前臨床段階を主な事業領域として、アンメットニーズの高い疾患領域における抗体創薬開発を行い、開発した医薬候補品を製薬企業等に導出(*)します。一部のパイプライン(*)については初期臨床試験を実施したのちに導出を行います。また、「創薬支援事業」では製薬企業や診断薬企業、大学等の研究機関で実施される創薬研究を支援するため、抗体などのタンパク質の発現・精製等のサービスや、当社の保有するADLib®システムやB cell cloning(*)といった抗体作製技術を用いた抗体作製サービスの提供、ADLib®システムを用いた抗体の親和性向上業務の提供を行います。このように、当社は拡大する抗体医薬品市場において製薬企業等に製品やサービスの提供を行うことを主たる事業としており、これにより当社は、契約一時金、マイルストーン(*)、ロイヤルティ(*)、受託サービス料等の対価を企業等から受け取り収益を獲得します。

 なお、上記の事業は「第5 経理の状況 1財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項」に掲げるセグメントの区分と同一であります。

 

 

<当社の収益モデル・事業系統図>

(画像は省略されました)

 

<事業系統図(創薬事業)>

(画像は省略されました)

 

<事業系統図(創薬支援事業)>

(画像は省略されました)

 

 

(3)当社の基本戦略

 当社は保有する複数の抗体作製技術(ADLib®システム、ハイブリドーマ法(*)、マウスやニワトリを用いたB cell cloning、TC社のヒト抗体産生マウス/ラットを利用した作製法など)を用いて標的抗原に対する多様な抗体を作製し、リード抗体(*)を取得することで、有効な治療法がない重篤な疾患や、薬剤による治療満足度が低い疾患を中心とした、アンメットニーズの高い疾患に対する抗体医薬の開発候補品を生み出す、No.1ベンチャー企業を目指します。

 

(4)当社の基本戦略を遂行するための3つの強み

複数の抗体作製技術を統合的に運用して創薬事業を展開していること

抗原・タンパク質調製や抗体精製、動物試験、抗体エンジニアリング等の創薬基盤技術および創薬支援機能を有していること

専門性の高い人材が持つネットワークを通じて外部からの創薬ターゲット(抗原)を獲得できること

 

(画像は省略されました)

 

3.事業内容

(1)創薬事業

 創薬事業は、アンメットニーズの高い疾患領域における抗体創薬研究と開発(共同開発を含む)を行い、その研究成果物であるリード抗体等の知的財産を製薬企業等に実施許諾し、契約一時金収入、マイルストーンおよびロイヤルティ、並びに共同研究等に係る収入等を獲得する事業です。

 医薬品の開発には、一般的に基礎・探索研究、前臨床開発、臨床開発、申請・承認、製造・販売のプロセスがありますが、当社の創薬事業においては、基礎・探索研究段階から前臨床開発および初期臨床開発段階までの抗体医薬品開発の上流工程を主な事業領域としております。本事業においては、自社で開発候補抗体(ヒト化抗体(*)、ヒト抗体)の前臨床データパッケージまでを作成し、早期導出を図ることを基本戦略としますが、特定のプログラムにおいては抗体の価値を高め、収益性の向上が期待できる自社での初期臨床開発も行ってまいります。

 また、当該事業領域におけるパイプラインは、自社の抗体作製技術等を用いた創薬研究活動や外部からの新規パイプラインの導入(*)によって、拡充を図ってまいります。

 当社が保有しているパイプラインは下記のとおりです。

 

(画像は省略されました)

 ADCT-701は、がん細胞の表面に発現しているDLK-1というタンパク質に結合するヒト化モノクローナル抗体(*)に細胞毒性のある化合物を結合した薬物複合体であり、がん細胞の増殖を抑制することが動物モデルを用いた試験により確認されています。DLK-1は、幹細胞(*)や前駆細胞(*)のような未熟な細胞の増殖・分化を制御することが明らかにされていましたが、肝臓がんをはじめとする複数のがん細胞表面においてもDLK-1が発現しており、その増殖に関与していることが明らかにされています。そのためDLK-1はがん治療における新たな標的分子としての可能性が期待されています。

 

 

 

 

CBA-1205

(ADCC活性(*)増強型 ヒト化抗DLK-1モノクローナル抗体)

 

CBA-1535

(ヒト化抗5T4・抗CD3二重特異性抗体)

ターゲット

DLK-1

5T4、CD3

想定適応疾患

難治性の癌種である肝細胞がん、肺がん等

悪性中皮腫、小細胞肺がん、非小細胞肺がん、乳がん等

期待

DLK-1は幹細胞や前駆細胞のような未熟な細胞の増殖・分化を制御し、これまでに肝臓がんをはじめとする複数のがん細胞表面においても発現し、その増殖に関与していることが明らかとなった新しいがん治療の標的になる可能性がある分子。ファースト・イン・クラス(*)候補抗体。

臨床での安全性が確認されているがん抗原に対する抗体と、ヒト化抗CD3抗体をTribody(*)プラットフォームに載せて多価抗体とすることで、薬効・安全性を高めた医薬としての開発が期待される。

 

 

LIV-2008/2008b

(ヒト化抗TROP-2モノクローナル抗体)

BMAA(*)

(ヒト化抗セマフォリン3Aモノクローナル抗体)

ターゲット

TROP-2

セマフォリン3A

想定適応疾患

乳がん、大腸がん、膵がん、前立腺がん等

糖尿病黄斑浮腫(DME)

期待

TROP-2は、正常組織に比べ、乳がん、大腸がんのほか、膵がん、前立腺がん、肺がん等の複数の固形がんにおいて発現が増大しており、がんの悪性度に関連していることが複数報告されている分子。

Naked抗体(*)に加えてADC等の強い薬効を期待した開発を狙う。

免疫系疾患、中枢疾患等、セマフォリン3Aとの関連が知られている幅広い疾患領域での適応が期待される。

 

 また、当社では、自社単独または共同開発により新規のターゲットに対する複数の抗体創薬プロジェクトを推進しております。新規創薬プロジェクトの発足においては、大学・研究機関等から、従来の技術では抗体作製が困難な抗原情報を入手するなど、ターゲット(抗原)の獲得も積極的に行っております。それらの抗原に対する抗体が、疾患モデル動物などを用いた評価により、治療効果を有する事を確認した場合、当社はその発明について共同出願を行い事業化の権利を確保した上で研究活動を推進いたします。

また当社の創薬力を向上するため、基礎的かつ高度な専門性を要求される分野において大学・研究機関等と共同研究を行い、当社が保有する抗体作製技術の改良や、創薬基盤技術における課題解決を図るなど技術革新にも取り組んでおります。

 

 

(2)創薬支援事業

 製薬企業や診断薬企業、大学等の研究機関で実施される創薬研究を支援するため、抗体などのタンパク質の発現・精製等のサービスや、当社の保有するADLib®システムやB cell cloningといった抗体作製技術を用いた抗体作製サービス、ADLib®システムを用いた抗体の親和性向上業務を提供することによってサービス料等の収入を獲得する事業です。

<主なサービスの内容>

サービス項目

内  容

タンパク質・抗原調製、抗体の発現精製

抗体作製に必要な組換えタンパク質(抗原)や、研究開発用途の抗体などを細胞に発現させ、精製を行います。種類に応じた発現・精製方法を選び、純度や物性の分析を行います。

安定発現細胞株作製

安定的に組換えタンパク質(抗原や抗体)を供給できるように、遺伝子組換え技術を用いて、組換えタンパク質を効率よく発現する細胞株を作製します。

ADLib®システムやB cell cloningによる抗体作製

ADLib®システムやB cell cloningといった抗体作製技術を用い、創薬研究に用いるモノクローナル抗体作製を行います。当社の抗体創薬の知識・ノウハウを活かし、顧客のニーズに合わせた抗体作製プランを提案いたします。

ADLib®システムを用いた抗体の親和性向上業務

当社で培ったADLib®システムの技術・ノウハウを活かし抗体の結合力(抗体親和性)を向上させることで、より薬効の高い抗体医薬の精製が期待できます。

 

4.当社の抗体作製技術

(1) 抗体作製技術

 当社は独自技術のADLib®システムのほか、ハイブリドーマ法、マウスやニワトリを用いたB cell cloning、TC社のヒト抗体産生マウス/ラットを利用した抗体作製、Tribody作製技術など、複数の抗体作製技術を保有しています。また、それぞれの技術の特性を活かして統合的に運用することにより抗体作製力を最大化してまいります。

 

<抗体作製技術とその特徴>

抗体作製技術

技術の特性

ADLib®システム

・ 抗原があれば10日前後と短期間でヒトIgG抗体が獲れる

・ ヒト化が不要

・ 抗体ライブラリ(*)の多様性を自律的に高めることができる

・ 動物免疫(*)と異なり、自己抗原への免疫寛容(*)の影響を受けないため、理論的にはあらゆる配列のタンパク質を認識する抗体が取得できる可能性がある

 

ハイブリドーマ法

・ 動物免疫による抗体作製法で、最もよく用いられる

・ 手法が確立されており、医薬品化された実績も多い

・ ヒト抗体産生動物を用いた場合、ヒト化の工程を経ずにヒト抗体を取得することができる

 

B cell cloning

・ 動物免疫を行った後、ハイブリドーマを作製せずに抗体の配列を決定するため、ハイブリドーマ法より短期間で目的の抗体を得ることができる

・ 抗原特異的なB細胞(*)の検出率がハイブリドーマ法よりも高く、取りこぼしが少ない

・ ヒト抗体産生動物を用いた場合、ヒト化の工程を経ずにヒト抗体を取得することができる

 

Tribody

・2つ以上の異なる抗原結合部位を持つ抗体であるTribodyおよびその発展型多重特異性抗体のデザイン・エンジニアリング・創薬開発を可能にする技術プラットフォームをいう

・腫瘍局所へのT細胞誘導活性を有する抗体を作製することができる

・2018年12月にBiotecnol社より取得

 

 

 

(2) 当社独自の抗体作製技術ADLib®システム

① ADLib®システムの仕組み

 ニワトリのB細胞由来のDT40細胞(*)は、様々な種類の抗体を生み出すメカニズムを持っています。当社では、このメカニズムをトリコスタチンA(以下「TSA」といいます)(*)という薬剤により人為的に活性化させて、試験管内において短期間で多種多様なモノクローナル抗体を産生する細胞集団(ライブラリ)を作り出しています。そのライブラリの中からターゲットである抗原に特異的に結合する抗体を取得します。この方法を当社では、ADLib®システム(トリ免疫細胞を用いたモノクローナル抗体作製システム:Autonomously Diversifying Library、総称してADLib®)と呼んでおります。

 

<ADLib®システムによる抗体作製のイメージ図>

(画像は省略されました)

 

② ヒトADLib®システムについて

 ヒトADLib®システムは、遺伝子組換え技術によりDT40細胞のトリ抗体遺伝子がヒト抗体遺伝子に置き換えられており、ヒト化の工程を経ることなく、ヒト抗体を取得することができます。

 

<ヒトADLib®システムの概略>

(画像は省略されました)

 

③ 従来の抗体作製技術との主な違い

 ADLib®システムは、従来の抗体作製技術とは異なるテクノロジーとして、次のような技術的特徴を有しております。

a.従来の免疫法では困難な抗原に対する抗体取得

 ヒトを含む動物は、体内に入ってきた異物に対しては免疫反応(*)が起きて抗体を作りますが、がんの様に、自分を構成している成分が何かのきっかけにより過剰に体内で増えて病気を引き起こすような場合には、そもそもが自身の体の成分なので異物とはみなされず、免疫寛容とよばれる仕組みにより抗体を作ることができません。進化の過程においてマウスとヒトの間でもほとんど変化することなく種を超えて受け継がれてきたタンパク質は非常に類似していることがあり、ヒトを構成する成分であってもマウスで抗体を取得することは容易ではありません。しかし、試験管内で抗体が得られるADLib®システムは、生体外で抗体を作製するシステムなので、免疫寛容による制限を受けることはありません。

b.迅速な抗体取得

 ADLib®システムでは、抗体セレクションの全工程を試験管内で実現したことにより、10日程度でターゲット特異的な抗体を判定することが可能で、他の技術と比較して抗体取得の判定期間が短い点が大きな特徴です。

 

 

5.特許ポートフォリオ

(1)基盤技術に係る主要特許

関連

発明の名称

出願人

登録状況

ADLib®システム

基盤特許

体細胞相同組換え(*)の促進方法及び特異的抗体(*)の作製方法

(国)理化学研究所、当社

日本、米国、欧州、中国で成立。

体細胞相同組換えの誘発方法

(国)理化学研究所、当社

日本、米国、欧州、中国で成立。

ヒトADLib®システム

ヒト抗体を産生する細胞

当社

日本、米国、欧州、中国で出願中。

 

(2)リード抗体に係る主要特許

関連

発明の名称

出願人

登録状況

CBA-1205

in vivoで抗腫瘍活性を有する抗ヒトDlk-1抗体

当社

(株)リブテックから承継)

日本、米国、欧州、中国を含む5カ国で成立。

他の海外諸国で出願中。

LIV-2008

in vivoで抗腫瘍活性を有する抗ヒトTROP-2抗体(ヒト化)

当社

(株)リブテックから承継)

日本、米国、欧州、中国を含む8ヵ国で成立。

他の海外諸国で出願中。

in vivoで抗腫瘍活性を有する抗ヒトTROP-2抗体(マウス)

当社

(株)リブテックから承継)

日本、米国、欧州を含む12ヵ国で成立。

他の海外諸国で出願中。

BMAA

抗セマフォリン3A抗体、並びにこれを用いたアルツハイマー病及び免疫・炎症性疾患の治療

(公)横浜市立大学、

当社

 

日本、米国、欧州で成立。

 

 

 

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

 当事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

①財政状態及び経営成績の状況

 当事業年度における売上高につきましては主として創薬支援事業における研究受託取引の拡大により、447,576千円(前期比234,725千円増加)となりました。営業損失につきましては、自社で開発中のCBA-1205における臨床試験開始に向けた準備費用を中心に研究開発費が増加したことにより、1,401,939千円(前事業年度は1,539,121千円の営業損失)となりました。また、経常損失は1,410,314千円(前事業年度は1,533,952千円の経常損失)、当期純損失は1,403,821千円(前事業年度は1,533,502千円の当期純損失)となりました。当事業年度における当社の事業活動の状況といたしましては、概況は次のとおりです。

 

 当社は、医療のアンメットニーズの高い領域における抗体医薬品を創出する創薬事業と、製薬企業等に抗体創薬にかかわる技術サービスを提供する創薬支援事業の二つの事業を展開しております。

 創薬事業においては、自社開発中のファースト・イン・クラス抗体であるCBA-1205は治験薬製造と治験届に必要なGLP下での毒性試験等の前臨床開発が進捗し、2020年3月24日に日本国内での治験届提出をいたしました。多重特異性抗体であるCBA-1535は、CMC開発に着手いたしました。探索段階にある創薬プロジェクトでは、がん領域のプロジェクトにおいて新規に特許出願を行い、その他のプロジェクトでもリード抗体の創出、および知財化に向けた研究開発に取り組んでまいりました。また、新たな創薬プロジェクト発足にむけた創薬企業やアカデミアとの共同研究を開始するなど、今後の開発パイプラインの質・量の拡充に向けた取り組みを進めてまいりました。

 ・開発パイプライン

 2017年9月にスイスのADC Therapeutics社にADC用途に限定して導出したADCT-701については、IND申請準備に必要な毒性試験が終了したことによるマイルストーンを達成しました。

 CBA-1205については、2020年内の第1相試験の開始を見込んでおります。

 CBA-1535については、治験薬製造を委託するCMOの選定が完了し、製造準備を進めております。2021年後半以降の英国での臨床試験許認可(CTA)申請を目標とし、取り組んでまいります。

 LIV-2008については、複数の海外製薬企業において導入評価試験等が実施されております。

 BMAAについては、2018年3月にカナダのSemaThera社(以下、ST社)と共同開発ライセンス及び独占的オプション契約を締結しておりますが、当事業年度において評価2年目のオプション期間に対応するオプション料を受領しており、現在もST社が評価を継続して実施しております。

 ・創薬プロジェクト

 その他、探索段階にある6つの創薬プロジェクトが進行しており、さらなるパイプライン拡充に向け研究開発に取り組んでおります。なお、創薬プロジェクトのうち、がんの標的分子(非開示)をターゲットとするプロジェクトにおいて新規特許出願を完了し、現在はADC領域でのフィージビリティー・スタディーを実施しております。今後は外部企業等との連携に取り組んでまいります。

 以上の結果、創薬事業における当事業年度の業績は、売上高29,913千円(前期比27,633千円増加)、研究開発費1,299,069千円(前期比68,732千円増加)、セグメント損失は1,270,358千円(前事業年度は1,234,364千円のセグメント損失)となりました。

 

 

 創薬支援事業は、当社の安定的な収益確保に資する事業であり、当社の独自の抗体作製手法であるADLib®システムやB cell cloning法等の抗体技術プラットフォームを活かした抗体作製業務のほか、タンパク質調製業務、

ADLib®システムを用いた抗体の親和性向上業務を受託し、製薬企業等の研究支援を展開しております。引き続き高い品質のサービス提供を目指し、継続的な新規案件の受託拡大に向けた取り組みを進めてまいります。

当事業年度においては、富士レビオ株式会社(以下「富士レビオ」)における当社のADLib®システムを使用して開発したモノクローナル抗体を含む診断薬キット(以下「本製品」)の製品化(2品目となります)に伴い、当社は富士レビオと本製品に係る知的財産の実施に関する契約を新たに締結いたしました。本契約により、本製品の販売後には、当社は売上に応じたロイヤルティを受け取ることになります。

 また、従来、当社は協和キリン株式会社(以下、「協和キリン」)と個別契約による研究支援業務を受託してまいりましたが、当社の技術・サービスに評価を得た結果、2019年7月に委受託基本契約の締結にいたりました。これにより、今後は迅速な抗体作製等の業務支援及び継続的な取引を行っていくことが可能となります。

 創薬支援事業における当事業年度の業績は、中外製薬グループや小野薬品との取引を中心として拡大した結果、売上高417,663千円(前期比207,092千円増加)となり、セグメント利益は255,936千円(前期比140,632千円増加)となりました。

 

 

②キャッシュ・フローの状況

 当事業年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」)の残高は2,105,976千円となり、前事業年度末と比べ222,537千円減少いたしました。各キャッシュ・フローの状況とその主な要因は以下のとおりです。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 営業活動の結果使用した資金は1,537,360千円となりました。主な内訳は、税引前当期純損失の計上や、たな卸資産の増加です。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 投資活動の結果使用した資金は26,423千円となりました。これは敷金及び保証金の増加による支出によるものであります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 財務活動の結果取得した資金は1,341,245千円となりました。これは主に新株予約権の行使による株式の発行によるものであります。

 

③生産、受注及び販売の実績

a.生産実績

 当社は研究開発を主体としており、生産実績を定義することが困難であるため、生産実績の記載はしておりません。

b.受注実績

 当社は研究開発を主体としており、受注実績を定義することが困難であるため、受注実績の記載はしておりません。

c.販売実績

 当事業年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当事業年度

(自 2019年1月1日

至 2019年12月31日)

販売高(千円)

前年同期比(%)

創薬事業

29,913

1,311.9

創薬支援事業

417,663

198.3

合計

447,576

210.3

(注)1.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合

相手先

前事業年度

(自 2018年1月1日

至 2018年12月31日)

当事業年度

(自 2019年1月1日

至 2019年12月31日)

販売高

(千円)

割合(%)

販売高

(千円)

割合(%)

中外製薬グループ

137,480

64.5

183,328

40.9

小野薬品

14,912

7.0

169,432

37.8

2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識および分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。

a.経営成績等の状況に関する認識および分析・検討内容

当社の事業は創薬事業と創薬支援事業により構成されており、当事業年度の当社業績は、447,576千円と前事業年度と比較し234,725千円の増収となりました。これは主に、創薬支援事業の取引拡大によるもので、同事業の売上高は417,663千円と前期比198.3%となりました。当社の強みである高い業務品質と柔軟な対応力を発揮するため、国内の大手抗体医薬企業との取引を重点的に深化させた結果であり、今後も拡大基調となることを見込んでおります。

 コスト面においては、販売費及び一般管理費は1,686,586千円と前期比36,188千円の増加となり、特にCBA-1205やCBA-1535のCMC開発等の研究開発費の増加が主な要因となっております。

 創薬事業は当社の成長をけん引する事業であり、アンメットニーズに光を当てるための医薬品の研究開発を推進しております。通常、医薬品の研究開発においては、研究資金の先行投資と成功時には大きなリターン、サイエンスの不確実性による開発遅延・中止リスク等と向き合うことになるため、継続的な成長のためには複数の開発パイプラインを確保するなどの手立てを打つことが重要であります。当事業年度においては、CBA-1205のCMC開発やGLP下での毒性試験、CBA-1535ではCMC開発、と2本の開発候補品の臨床開発に向けた取り組みが進んでおります。現時点で、当社が同事業において同時期に扱える臨床開発品目数は2本から3本と想定しており、予定通り臨床開発に向けた取り組みに至っております。なお、2020年3月24日に治験届を提出したCBA-1205は2020年内の第1相試験の開始を見込んでおります。これらの初期臨床開発実施後の導出を目指すことで、前臨床段階の導出と比較し、より大きな経済条件の獲得できることを目指しております。

 また、探索段階にある創薬プロジェクトの絞り込みとステージアップ、新規の創薬プロジェクト発足にむけた共同研究の開始など、開発パイプラインの拡充にむけた取り組みが着実に進展しており、技術開発や創薬のための共同研究は10件実施しております。以上の結果、当事業年度における創薬事業の売上高は29,913千円、セグメント損失は1,270,358千円となりました。

 

 

 創薬支援事業は、当社の安定的な収益確保に資する事業であり、当社の抗体の技術プラットフォームを活かして日本の製薬企業やアカデミアの研究支援を実施しております。タンパク質調製業務や抗体作製など個々の業務を担う競合他社が多数ありますが、製薬企業を中心とした当社顧客に対して、高い品質や柔軟な対応を行うサテライトラボとして高付加価値型サービスを提供することを目指し、他の競合企業との差別化を図っております。なお、高付加価値型ビジネスを遂行する上での目標として、セグメント利益を50%以上維持することとしております。当事業年度においては、日本国内の抗体医薬大手企業との取引の深耕化に重点を置いた結果、創薬支援事業の売上高は当初の業績予想額320,000千円(修正後400,000千円)を超過し417,663千円、達成率130.5%となりました。また、セグメント利益率は61.3%、セグメント利益は255,936千円(前年比140,632千円増)を確保しております。

 両事業において、当社の強みである抗体作製にかかるコア技術をフル活用することにより、新たなビジネスの成果が芽生えつつある状況になってまいりました。短期的には初期臨床開発にかかる研究開発コストが増大することになりますが、創薬支援事業の拡大により当社が捻出できる研究開発資金を増大させるような取り組みを継続してまいります。

 なお、経営成績に重要な影響を与える要因については、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおりとなっております。

b.資本の財源及び資金の流動性についての分析

 当社は研究開発型ベンチャー企業であり、研究開発のための先行投資が必要となっております。資本の財源となる収益については、これまで主として提携先製薬企業等から委受託業務による収益を獲得しており、加えて、保有する創薬パイプラインの導出により契約一時金、マイルストーン収入等を計上しております。将来において、当社が保有する創薬パイプラインが新たに導出に至った場合には、契約一時金、マイルストーン収入の増加が見込まれ、また、医薬品が上市された場合には販売ロイヤルティを受領することとなります。導出に至るまでの先行投資期間においては研究開発費の支出等から営業活動によるキャッシュ・フローはマイナスを計上する計画であり、当事業年度においては、CBA-1205やCBA-1535のCMC開発の進展などにより前事業年度よりも研究開発費が68,732千円増加、営業活動によるキャッシュ・フローは1,537,360千円の支出となりました。

 なお、上記先行投資期間における営業活動によるキャッシュ・フローのマイナスについて、現在既に収益を得ている創薬支援事業における1社ごとの取引量や新たに取引先を拡大することで営業キャッシュ・フローの改善に努めております。また、財務活動によるキャッシュ・フローについては、助成金の獲得や必要に応じた資金調達等により補填を行っております。資金調達においては、新株予約権の発行によるエクイティファイナンスに加え、有利子負債の調達も含めて実施しており、調達上の安定性の確保の観点や財務レバレッジにも留意しております。

 資金の流動性につきましては、当事業年度の営業活動によるキャッシュ・フローが1,537,360千円の支出、財務活動によるキャッシュ・フローが1,341,245千円の支出となり、現金及び現金同等物の期末残高は2,105,976千円となりました。

 

 

<用語解説>(50音、アルファベット順)

用語

意味・内容

アンメットニーズ

現状の医療では満たされていない(未充足)ニーズのことです。具体的には、有効な治療法や薬剤がない場合、薬剤があっても使い勝手が悪い、または副作用が強い、一時的に症状を抑えても再発する、時間とともに悪化するような場合、あるいは治療費が非常に高額になるような場合等にアンメットニーズが存在するといいます。

幹細胞

幹細胞は未分化な細胞で、色々な細胞に分化できる能力と、いつまでも同じ状態で増殖を維持できる能力を持つ特殊な細胞です。

シーズ

事業化・製品化の可能性はあるものの、まだ“種または芽(シーズ)”の状態であり、現時点では大きな売上や価値を生み出さないものの、将来の可能性を秘めたモノ、技術やノウハウのことを指します。企業やアカデミアが見出したものの活用していないような技術や特許等も含まれ、当社の場合、研究初期段階のターゲット抗原やその候補、抗体等が有力な候補となります。

上市

承認された新薬の市場販売が開始されることをいいます。

前駆細胞

幹細胞から特定の体細胞や生殖細胞に分化する途中の段階にある細胞のことで、幹細胞よりも分化できる能力が限られています。

前臨床試験

医薬品の研究開発において、ヒトを対象とする臨床試験の前に行う試験のことです。動物を用いて、医薬品候補化合物等の有効性や安全性を評価します。非臨床試験ともいいます。

相同組換え

相同組換え(相同的組換え)は、遺伝子配列がよく似た部位(相同部位)の間で起こる遺伝子の組換えメカニズムのことをいいます。ニワトリDT40細胞における抗体遺伝子における相同組換えは、抗体遺伝子の多様性を作り出すための仕組みとして機能しています。

探索研究

創薬研究の最初の段階として、医薬品の元となる生理活性を持つ物質を探索する研究段階があります。この研究を一般的に探索研究と呼びます。抗体医薬品の研究開発では、ターゲットである抗原について調べたり、様々な方法で抗体を作製したり、リード抗体を選別するための方法を確立したり、抗体の効果を試験管内の実験や予備的な動物実験により確かめたりする初期段階を探索研究と呼んでいます。

導出(ライセンスアウト)

特許権やノウハウ等を他者に売却したり、実施許諾することをいいます。

導入(ライセンスイン)

他者が持つ特許権やノウハウ等を買い取ったり実施許諾を受けたりすることをいいます。

動物免疫

動物に抗体を作らせる方法のことです。抗原タンパク質や抗原タンパク質を発現する細胞などを注射すると、その動物の免疫反応により体内に抗原に対する抗体が作り出されます。

特異的抗体

ある特定の抗原に結合する抗体です。

毒性試験

前臨床試験として、医薬候補品をマウス・サルなどの動物に投与して毒性を評価します。「医薬品の安全性に関する非臨床試験の実施基準」に基づき試験が実施され、GLP-Tox(good laboratory practice toxicities)試験ともいいます。毒性試験で得られたデータは、審査当局への承認申請に用いられます。

トリコスタチンA(TSA)

ニワトリDT40細胞にクロマチン弛緩を誘導するために利用する薬剤で、ヒストン脱アセチル化酵素という種類の酵素の働きを阻害する作用があります。ADLib®システムにおいて、ニワトリDT40細胞の抗体遺伝子組換えを活性化することによって、抗体タンパク質の多様性を増大させる役割を担う薬剤です。

バイスペシフィック抗体

通常、抗体は抗原を認識する部位を2つ持っており、それらは同じ抗原を認識します。それに対し、2つの抗原認識部位がそれぞれ別のターゲット(抗原)を認識するものをバイスペシフィック抗体といいます。

 

 

用語

意味・内容

パイプライン

新薬として開発している医薬品候補化合物等のことを「パイプライン」といいます。創薬研究から臨床開発を経て関係当局の承認を受けるまでの活動を「創薬」と呼び、「創薬パイプライン」とは創薬のいずれかの段階にあるパイプラインのことをいいます。また、創薬パイプラインのうち開発段階に入ったパイプラインのことを、特に「開発パイプライン」ということがあります。

ハイブリドーマ法

抗原を免疫した動物から抗体を作り出すB細胞を取り出し、増殖し続ける能力を持った特殊な細胞(ミエローマ細胞)と融合させて、抗体を作り続ける細胞(ハイブリドーマ)を作製する方法です。

ヒト化抗体

遺伝子工学の技術により、マウス等の抗体分子の抗原結合部位をヒトの抗体分子に移植した抗体。マウス等由来のアミノ酸配列は全体の5%ほどで、残り95%はヒト由来のアミノ酸配列となるため、ヒトに投与した場合に異物として認識される可能性が軽減されます。

ファースト・イン・クラス

一般的には、その作用機序の医薬品の中で市場に最初に登場した医薬品を指します。類似薬がないことから高い薬価と高い売上が期待できます。抗体の場合は、あるタンパク質(抗原)をターゲットとする初めての抗体医薬をファースト・イン・クラス抗体と呼びます。ファースト・イン・クラス抗体のターゲット抗原の候補は、潜在的なものも含めてアカデミアを中心とした様々な疾患研究の中に多く存在していると考えられます。当社ではそうした抗原をターゲットとすることで、これまでにない医薬品候補抗体の開発を目指し、治療充足度が十分でない疾患の治療に貢献します。

マイルストーン

導出後の臨床試験等の進捗に伴い、その節目(マイルストーン)ごとに受領する収入のことをいいます。

免疫寛容

特定の抗原(例えば、自身の体の構成成分やそれに似ているもの)に対して免疫反応が起こらない状態をいいます。

免疫チェックポイント阻害剤

いわゆる免疫療法の一種です。最近話題になっているこの治療薬は、これまでの免疫療法では免疫細胞の攻撃力を高める、アクセルを踏む働きが中心であったのに対し、例えばがん細胞によって免疫細胞にかけられたブレーキを外す働きをもっています。従来の治療法では効果が十分見られなかった患者様にも治療効果をあげることに成功しています。

免疫反応

生体に侵入してきた異物を排除する生体反応のことをいいます。

モノクローナル抗体

単一の抗体産生細胞から得られた抗体のことをいいます。モノクローナル抗体は1つの抗原にのみ結合し、また結合する場所が決まっているため、均一で再現性の高い抗体になります。そのため、抗体医薬品の多くは、モノクローナル抗体が使われています。当社では、ADLib®システム、ハイブリドーマ法、B cell cloning法によりモノクローナル抗体を取得することができます。

ライブラリ

ADLib®システムでは、多種多様な抗体を産生する細胞集団のことをライブラリと呼びます。ライブラリに含まれる細胞が産生する抗体の種類が多いほど、目的に合った抗体を取得できる確率が高くなります。当社では、トリライブラリ、マウスキメラライブラリ、ヒトライブラリを所有しており、顧客ニーズに合わせてライブラリを選択し、抗体作製を行っています。

リード抗体

ADLib®システム、ハイブリドーマ法、B cell cloning法、ファージディスプレイ法などの様々な手法で作成した抗体の中から、親和性、特異性、生物活性、安定性などのスクリーニングによって見出された医薬品になる可能性を有する抗体群をリード候補抗体と呼び、これらのリード候補抗体群のうち、医薬品としてその後の最適化などのステップに進めるための抗体をリード抗体と呼びます。

 

 

用語

意味・内容

臨床試験

臨床試験には、次の3段階があります。

第1相試験(フェーズ1):少数の治験参加者(*)を対象に、治験薬の安全性と治験薬が体内に入ってどのような動きをするのかを確認する試験

第2相試験(フェーズ2):第1相試験で安全性が確認された用量の範囲で、比較的少数の患者さんを対象に、治験薬の有効性(効果)、安全性、用法(投与の仕方:投与回数、投与期間、投与間隔など)・用量(最も効果的な投与量)を確認する試験

第3相試験(フェーズ3):第2相試験で確認された用法・用量で、多数の患者さんに治験薬を対象に、有効性と安全性を検証する試験

初期臨床試験は主に第1相試験および初期の第2相試験のことを指し、治験薬の安全性を主に、有効性の兆しを観察します。

(*)おおまかには、がん治療薬の第1相試験の場合には治験参加者は患者さんであり、がん以外の領域の治療薬の第1相試験の場合には治験参加者は健康なボランティアの方です。

ロイヤルティ

製品が販売(上市)された後に、その販売額の一定比率を受領する収入のことをいいます。

ADC

抗体薬物複合体(Antibody drug conjugate)のことを指します。例えば、悪性腫瘍の細胞表面だけに存在するタンパク質(抗原)に特異的に結合する抗体に毒性の高い薬剤を結合させると、そのADCは悪性腫瘍だけを死滅させることができます。このため、比較的副作用が少なく効き目の強い薬剤となる可能性があります。

ADCC活性

抗体依存性細胞傷害活性(Antibody Dependent Cellular Cytotoxicity)のことです。抗体薬には、がん細胞の表面に発現する標的抗原(標的分子)に結合し抗腫瘍効果を示す直接的な作用のほかに、患者さん自身の免疫細胞(マクロファージやNK細胞等)を介して抗腫瘍効果を発揮する作用があります。そのため、標的抗原の発現量だけでなく、患者さん自身の免疫状態、特に抗体薬が生体内の免疫細胞をがん周囲に呼び寄せ、集まった免疫細胞を活性化することで大きな治療効果を期待できることがあります。このような作用をADCC活性といいます。

ADLib®(アドリブ)システム

ライブラリから特定の抗原を固定した磁気ビーズを用いて目的の抗原に結合する抗体産生細胞を取り出す仕組みです。ADLib®システムで用いるライブラリは、ニワトリのBリンパ細胞由来のDT40細胞の持つ抗体遺伝子の相同組換えを活性化することによって、抗体タンパク質の多様性が増大しております。国立研究開発法人理化学研究所で開発された技術で、当社はその独占的な実施権を保有しております。既存の方法に比べ、迅速性に優れていることおよび従来困難であった抗体取得が可能になる場合があること等の点に特徴があると考えております。

B細胞

リンパ球の1種で骨髄由来の細胞です。抗原の侵入に応答して増殖し、抗体(免疫グロブリン)を生産する細胞へと分化して抗体を産生します。

B cell cloning法

目的の抗原への結合性抗体を産生する単一のBリンパ細胞を選択し、抗体遺伝子をクローニングする手法のことです。抗原をトリやマウスなどの実験動物に免疫した後、その動物からBリンパ細胞を含む脾臓やリンパ節を取り出して行います。ハイブリドーマ法と異なり、増殖し続ける能力を持った特殊な細胞(ミエローマ細胞)と融合させる工程を省くことができます。

 

 

用語

意味・内容

BMAA(抗セマフォリン3A抗体)

セマフォリン3Aは神経の先端の伸長を制御する因子として発見されました。これまでの研究により、セマフォリン3Aを阻害することにより神経再生が起こること、また炎症・免疫反応やがん、骨の形成、アルツハイマー病、糖尿病合併症等とも関連していることが報告されております。抗セマフォリン3A抗体は、この因子の働きを抑えることによりアンメットニーズの高い各種疾患の治療薬開発に結びつくことが期待される抗体です。本抗体は、当社独自の抗体作製技術であるADLib®システムで取得されました。

CMC

Chemistry, Manufacturing and Controlの略で、医薬品の原薬・製剤の化学・製造およびその品質管理を指します。

GLP

Good Laboratory Practiceの略称で、医薬品の安全性に関する前臨床試験の実施の基準を指します。安全性評価試験の信頼性を確保するため、試験施設が備えるべき設備、機器、組織、試験の手順等について基準を定めたものです。

CMO

Contract Manufacturing Organizationの略称で、製薬会社から医薬品(治験薬・市販薬を含 む)の製造を受託する企業を指します。医薬品を製造するためには、GMP(医薬品等の製造管理 および品質管理に関する基準)をクリアする必要があり、CMOはGMPに対応できる技術力と、開発ライン・製造ラインの設備を備えています。

CRO

製薬企業が行う臨床試験を支援する組織(Contract Research Organization)のことです。質の高い臨床試験が実施できるように試験計画などのコンサルティングなどを行い、臨床試験のスピード化、質の向上、人件費の最小化などの役割を担っています。

DT40細胞

ニワトリのファブリキウス嚢(鳥類に特有な一次免疫器官)から取り出され、がん遺伝子の導入により不死化されたB細胞の1つです。このDT40細胞株では抗体遺伝子の相同組換えが高頻度で起きることが知られており、当社ではさらに薬剤により抗体遺伝子組換えを人為的に誘導して、多様な抗体を産生する細胞集団(ライブラリ)を作り出しています。これがADLib®システムの技術の基になっています。

Naked抗体

ADC抗体とは異なり、特別な修飾など加工をしていない(飾りつけていない)抗体をいいます。

Tribody

英国のBiotecnol社が開発した多重特異性抗体を作製する技術であるTrisoma®で作製された抗体の総称です。バイスペシフィック抗体と同様に複数の標的(抗原)に結合することができますが、Tribodyは抗原結合部位が3ヶ所あるので最大3種類の抗原に結合することができます。さらに、通常のバイスペシフィック抗体よりも分子量が大きいので腎代謝を受けにくい特徴があります。

 

 

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

 文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社が判断したものであります。

(1)会社の経営の基本方針

 当社は創業以来、当社独自の抗体作製技術であるADLib®システムの研究開発や技術導出に向けた取り組みを行ってまいりました。

 現在、当社では当社独自技術のADLib®システムをはじめ複数の抗体作製技術を保有し、これまでの製薬企業等との協業を通じて培ってきた抗体創薬に関わる周辺の技術も蓄積しております。これらの技術を活かし、アンメットニーズの高い疾患に対する抗体創薬および開発に注力する経営を進めております。

 複数の抗体作製技術を用いることでリード抗体取得の可能性を高め、有効な治療法がない重篤な疾患や、薬剤による治療満足度が低い疾患を中心に「医療のアンメットニーズに創薬の光を」あてる研究開発を強く推進し、人類の健康に貢献をしてまいります。

 

(2)経営環境

 「第1 企業の概況 3 事業の内容 1.事業環境」に記載しております。

 

(3)目標とする経営指標

 創薬事業においては、医療用医薬品の開発候補品となるリード抗体の創出とリード抗体を製薬企業に導出することで収益を得るビジネスに取り組んでおります。当社が保有する開発候補品の収益性向上や導出確度の向上を鑑み、前臨床試験(*)段階、または、初期臨床試験を実施した後の導出を目指しております。一般的には臨床開発を行い、医療用医薬品として承認に至る可能性が高まることによって、導出時に得られる収益性が高くなります。しかしながら、臨床開発段階で承認に至るまでの抗体医薬品の開発成功確率は一般的に10~20%程度と言われているため、1つの開発品目だけに当社の事業や将来の収益の可能性を依存することは経営上の様々なリスクが大きくなります。従いまして、当社は研究開発の各段階において、複数の開発品目を保有することで事業全体の成功確度を高めることを目標に掲げております。なお、当社では臨床段階のプログラムにつきましては、研究開発費と導出によって得られる収益の状況を鑑みて、同時期に扱う品目数を2~3本と想定しており、現在、当社ではCBA-1205とCBA-1535の二つの開発品目を有しております。

 また、探索研究段階にある創薬プロジェクトではリード抗体獲得に向けて、抗体作製や動物試験等の研究開発を推進しております。リード抗体獲得の成功確率を向上させるために、社内での技術改良に加え、社外の技術導入や共同研究等のアライアンスも積極的に推進することで、創薬力を高める取り組みを行っております。リード抗体獲得に資する共同研究は常時10件程度取り扱うことを目安にしており、現在国内のアカデミアや企業を中心に10件の共同研究が進んでおります。なお、当社の開発・導出候補品で構成される開発パイプラインの拡充に向けては、有望なシーズ(*)の導入も視野に入れております。

 創薬支援事業においては、複数の安定顧客に質の高い抗体作製およびタンパク質・抗体の発現精製等の委受託業務を継続的に提供することで、収益基盤の安定化と本事業で獲得した収益を創薬事業での研究開発投資に充当しております。本事業では収益性を高めるために、当社の抗体研究領域における高い業務品質と柔軟な業務遂行を通した高付加価値型のビジネスの遂行により、セグメントの利益率50%確保を目指しております。また、付加価値の高い業務品質や柔軟な業務遂行力を維持することが本事業における目標達成にとって重要な要素であり、収益性を高めるために現在は国内の大手抗体医薬企業との取引に注力をしております。

 

(4)中長期的な会社の経営戦略

 当社の中長期的な事業シナリオは次のとおりです。

 

① 治療用抗体の臨床開発

 ファースト・イン・クラス抗体であるCBA-1205および、多重特異性抗体であるCBA-1535の臨床開発を進め、Phase 1終了後の導出を目指します。これまでにGLP(*)下での毒性試験(*)、治験薬の製造が終了し、治験届を提出したCBA-1205は2020年内の第1相試験の開始、現在臨床開発に向けた原薬製造を行っているCBA-1535は2021年後半以降の治験届の提出を目指して、研究開発を進めております。

 

② 治療用リード抗体の継続的な創出

 アカデミアやバイオベンチャー等との共同研究を軸に、当社の抗体作製技術を用いてアンメットニーズに対するリード抗体を継続的に創出し、製薬企業等へ早期に導出することを目指します。

 

③ 開発候補品の継続的な保持

 当社が手掛けるような医薬品の研究開発事業は通常、開発期間が長く相当程度の開発中止リスクが伴うため、安定的な成長にはステージの異なる複数のパイプラインの確保が必要となります。当社では自社の創薬開発によってリード抗体を継続的に創出し、新たなパイプラインに加えるだけでなく、外部からのパイプラインの導入も行うことにより、開発ポートフォリオを充足させ開発候補品を断続的に保持することを目指します。また、CBA-1205やCBA-1535に続く自社で手掛ける臨床開発については、CBA-1535のCMC(*)開発の目途がついたのち、2022年頃に新たな臨床開発候補品のCMC開発に着手すべく、当社の創薬プロジェクトの研究活動を積極的に推進するなど、臨床開発候補品の確保にむけた取り組みを進めてまいります。

 

④ 創薬開発と事業開発の連動

 新規の創薬開発においては、将来の提携や早期の導出が実現できるよう、業界での開発動向や既存薬剤による医療ニーズの充足度等を調査、検討の上、最適な創薬ターゲットの選定と出口戦略の策定が重要です。そのため、当社では自社での評価の他に、製薬企業等との情報交換による需要の発掘やアカデミアとの連携などを通じて、ターゲットの選定が適切に行われるよう努めてまいります。その上で提供可能なパイプラインがクライアントのニーズに即していた場合には、早期にライセンス契約へと繋げていくことを目指します。

 

⑤ 収益最大化を目指した初期臨床開発の実施

 医療用医薬品の導出において、一般的には開発後期になるほど医薬品開発の成功確率があがり、それにより導出時の経済条件は有利になります。当社は、一部のパイプラインにおいては前臨床段階での導出のみならず初期臨床開発を実施した上で導出することで、当社の収益性が最大化するような取り組みを進めてまいります。

 

(5)対処すべき課題

 当社が認識する対処すべき課題については以下のように考えております。

 

① 抗体作製力の維持向上とパイプライン拡充

 当社は、抗体医薬の開発候補品を継続的に創出して、革新的な医薬品を待ち望む患者さんに貢献することを目指しておりますが、保有するパイプラインが様々な理由で開発の遅延や中断、中止等になるリスクがあります。それらの開発上のリスクに対応するためには、開発パイプラインを拡充することにより、開発中止等によって生じる経営上の様々なリスクを分散する必要があると考えております。そのためには抗体作製技術の継続的な改良を行い自社での抗体作製力の向上を図りパイプラインを創出することにより、様々な開発ステージでバランス良く構成された複数のパイプラインを保有してまいります。また、大学や企業等の外部の有望な抗体医薬の候補品の導入も含め、開発パイプラインの拡充を進めてまいります。

 

② 初期臨床開発の着実なる遂行

 当社は、医薬品の開発段階の中でも比較的早期の導出を目指しておりますが、初期臨床開発によって得られたデータにより医療用医薬品として承認される可能性を高め、導出時の収益性の向上させることも重要であると考え、自社での初期臨床開発の取り組みも進めております。現在、当社が保有するパイプラインのうちがん治療用抗体のCBA-1205とCBA-1535については、価値最大化を目指して臨床試験実施に向けて社外専門家との提携しながら、CMO(*)やCRO(*)を活用しCMC開発及び試験計画の策定や臨床試験を進めてまいります。

 

2【事業等のリスク】

 当社の事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のあるリスク事項を以下に記載しております。あわせて、必ずしもそのようなリスクに該当しない事項についても、投資者の判断にとって重要であると考えられる事項については、積極的な情報開示の観点から記載しております。なお、本項の記載内容は当社株式の投資に関する全てのリスクを網羅しているものではありません。当社は、これらのリスク発生の可能性を認識した上で、発生の回避および発生した場合の迅速な対応に努める方針でありますが、当社株式に関する投資判断は、本項および本項以外の記載内容もあわせて慎重に検討した上で行われる必要があると考えております。

 なお、本項記載の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社が判断したものであります。

 

1.事業環境に関する項目

(1) 抗体医薬品市場の成長性に関するリスク

 現在、世界では70以上の抗体医薬品が上市(*)されており、今後も抗体医薬品市場は安定的に成長するものと見込んでおります。しかしながら、各種疾患のメカニズムや病態の解明により、疾患特異的に作用する分子標的薬の開発、低分子特有の副作用を軽減するために疾患部位に薬を送り届けるデリバリーシステムの開発等との競合や、再生医療による治療の普及等により想定どおりに市場が拡大しない場合には、当社の事業活動に影響を及ぼす可能性があります。

(2) 医薬品開発における医薬品医療機器等法その他の規制に関するリスク

 当社が参画する医薬品業界は、研究、開発、製造および販売のそれぞれの事業活動において、各国の薬事法、薬事行政指導およびその他関連法規等により、様々な規制を受けております。当社は医薬品医療機器等法をはじめとする現行の法的規制および医療保険制度、それらに基づく医薬品の価格設定動向等を前提として、当社の開発候補品が導出先の製薬企業において上市された場合を想定し事業計画を策定しています。当社の抗体が医薬品として上市されるまでの間、これらの規制や制度・価格設定動向等が変更される可能性があり、これらに大きな変更が発生した場合には、当社の事業計画に影響を及ぼす可能性があります。

(3) 医薬品開発に関するリスク

 一般に医薬品の開発には多額の研究開発投資と長い時間を要するだけでなく、その成功確率も他産業に比して著しく低い状況にあります。研究開発の初期段階において有望だと思われる化合物や抗体であっても、前臨床試験や臨床開発の過程で有用な効果を発見できないこと等により研究開発が予定どおりに進行せず、開発の延長や中止を行うことがあります。このように、各開発品の研究開発には多くの不確実性が伴い、当社の現在および将来における開発品についても同様に不確実性のリスクが内在しております。当社は、研究開発段階から収益が得られるビジネスモデルを構築することにより、各開発品の研究開発リスクの分散を図っておりますが、期待どおりの収益が得られる契約が締結できる保証はありません。このような場合には、当社の事業計画や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

(4) 臨床開発に関するリスク

 当社は、基礎・探索研究、前臨床試験の事業領域として、開発候補抗体の前臨床データパッケージまでを作成したパイプラインの早期での導出を基本戦略としておりますが、一部のパイプラインについては、収益性や導出可能性を検討した上で、初期臨床開発を実施いたします。臨床開発は長期、高額、かつ不確実なプロセスであり、遅延または更なる必要事項が生じうるものであり、試験の全ての段階において失敗が生じえます。また、臨床試験の中間結果は、その最終結果を予想させるものではなく、開発の初期段階においては有望であるように見える製品候補であっても、失敗する可能性があります。さらに、臨床試験を完了するために十分な被験者を適時に確保できないために、遅延または申請拒否が生じる可能性もあります。このように、パイプラインの試験を完了するためには数年を要し、試験において遅延が生じた場合、当社パイプラインの開発費用は増加します。大幅な臨床試験の遅延は、当社がパイプラインを導出する能力を害する可能性があります。当社がパイプラインに関し、開発、規制上の承認の取得を成功裡に行うことができず、または導出による収益を認識できない場合、当社の事業および業績に影響を及ぼす可能性があります。

(5) 他社との競合について

 競合他社が同じターゲットで優れた機能を持つリード化合物を創出した場合は、導出候補先である製薬企業等への導出活動が容易でなくなる可能性があります。また、複数の同業他社の参入に伴いアライアンス活動の競争が激化し当社事業の優位性に影響を及ぼす可能性があります。

 

(6) 為替レートの変動に関するリスク

 当社は、社外との提携関係の構築をグローバルに展開していることから、海外の取引先との間で外貨建取引を行っております。これまでは、当社の外貨建取引の多くが支払サイトも短いことから、多額の為替差損益を計上することはありませんでしたが、今後の研究開発活動の拡大に伴い、外貨建取引の規模が大きくなった場合や支払サイトの長い外貨建取引を行う場合には、為替レートの変動により当社の経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

2.事業内容に関する項目

(1) 収益計上に関するリスク

 創薬事業において、医薬品の基礎研究開始から上市に至るまでには長い年月を要することから、研究開発の成果が事業収益として計上されるまでには長期間を要します。また、医薬品開発の成功確率は近年ますます低くなっており、上市に至らないケースも多いため、最終的に事業収益が計上されない可能性もあります。当社の事業モデルは、前臨床試験段階もしくは臨床試験の初期段階での導出により収益を獲得する事業モデルであるため、導出候補先の製薬企業がその後の開発を実施することになります。このため、臨床試験は導出候補先の製薬企業に依存し、当該導出候補先において順調に臨床試験が進まない場合や経営環境の変化や経営方針の変更など、当社が制御しえない要因が発生した場合には、当該医薬品の開発が遅延あるいは中止となる可能性があります。一方、研究開発が順調に進捗して上市に至った場合であっても、当該医薬品が市場において評価されず、当初契約していた販売マイルストーンなどの収益を計上できない可能性があります。当社は、ステージの異なる複数のパイプラインを確保することで抗体医薬の開発候補品を継続的に創出し、医薬企業への導出を目指しておりますが、契約の締結時期、医薬品開発の進捗状況、医薬品販売開始時期等の遅れによる収益上の期ずれ、また何らかの事由により医薬品開発、販売が中止となる場合には、当社の事業計画および経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

(2) 特定の取引先に依存するリスク

 当社は、中外製薬株式会社及びChugai Pharmabody Research Pte. Ltd.(以下、「中外製薬グループ」)や小野薬品工業株式会社(以下、「小野薬品」)との間で抗体医薬品開発にかかる委託研究取引基本契約を締結しており、当事業年度における当社の売上高に占める両社の割合は高い水準となっております。当社では、委託研究における付加価値を向上させることで、その他製薬企業等から収益を獲得しながら、各クライアントとの良好な取引関係を維持・継続していく方針であります。しかしながら、中外製薬グループや小野薬品の経営方針の変更による委託業務量の減少や契約条件の変更、本契約の解除等が生じた場合には、当社の事業等に影響を及ぼす可能性があります。

(3) 知的財産権について

 当社は、研究開発活動等において当社が所有しまたは使用許諾を受けた様々な知的財産権を使用しています。当社が創製した技術等について、当社の知的財産権を侵害されるリスクまたは当社が他社の知的財産権を侵害してしまうリスクがあります。こうしたリスクに対応するために、積極的かつ速やかに特許出願等を行うことで排他性の確保を図るとともに、特許情報データベース等を活用して情報収集を行い、当社特許権の侵害および他社関連特許権の早期発見・対応に努めております。すでに基盤技術特許は国内外で成立し、現時点において当社は知的財産侵害に関する訴訟や第三者による請求について認識していませんが、第三者の特許の存在により特許侵害訴訟を提起された場合には多額の訴訟費用を発生させることとなり、当社の事業等に影響を及ぼす可能性があります。

(4) 新規パイプラインに関するリスク

 当社が保有するパイプラインの開発上のリスクに対し、当社は、アカデミアやバイオテックとの提携や当社の優秀な人材が持つネットワークを通じてターゲットを獲得し、アンメットニーズに対する医薬品開発に有用な抗体を作製することにより、新規パイプラインの探索および創出を図っており、シーズの導入にも努めております。しかしながら、これらの活動により、新規パイプラインの探索および創出が確実にできる保証はありません。このため、何らかの理由により新規パイプラインの探索および創出活動に支障が生じた場合には、当社の事業戦略および経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(5) 技術に関するリスク

 当社は、医療におけるアンメットニーズを解決しうるターゲットについて、抗体を用いて医薬品を創出することを目指した研究開発を行っており、基礎・探索研究から前臨床試験までの抗体創薬開発を行い、創製した医薬候補品を製薬企業等に導出するために必要な技術やノウハウを有しております。当社の強みは、ADLib®システムをはじめとした複数の抗体作製技術を用いて作製された抗体を動物試験で評価し臨床開発に向けたデータパッケージを作ることにあり、このうちADLib®システムについては当社が特許を所有しています。しかしながら、当社の強みである抗体創薬研究に関わる技術やノウハウが、他の革新的な技術や安価な技術等で代替できる場合や特許期間が満了した場合等により、その競合優位性が保持できない場合、当社の事業等に影響を及ぼす可能性があります。

(6) 複数の製薬企業との関係に関するリスク

 当社が製薬企業と共同研究契約を締結する場合、当該契約が定めるターゲットに重複が生じないよう配慮しておりますが、研究内容によっては、部分的に重なりが発生する可能性も考えられます。その結果、当社がどちらか一方の企業との共同研究の機会を喪失することで当社の事業等に影響を及ぼす可能性があります。

(7) 提携先に影響されるリスク

 共同研究先の技術および研究開発の進捗に大きな差が生じた場合、また経営不振や経営方針の変更があった場合には、当社の事業等に影響を及ぼす可能性があります。

 

3.業績に関するリスク

(1) マイナスの繰越利益剰余金の計上について

 当社は安定的な利益計上による強固な財務基盤の確立を目指しておりますが、事業が計画どおりに進展せず、当期純利益を計上できない場合には、マイナスの繰越利益剰余金が計画どおりに解消できない可能性があります。

(2) 資金調達について

 当社では、研究開発費が収益に先行して計上され、継続的な営業損失が生じております。今後も事業運転資金や研究開発投資および設備投資等の資金需要が予想されます。製薬企業等とのアライアンスによる収益や新株予約権の権利行使等によるキャッシュインおよび人件費や研究開発活動にかかる投資活動等のキャッシュアウトを見込んだ資金計画を策定しておりますが、十分な事業活動資金を確保できない場合には、当社の事業継続に影響を及ぼす可能性があります。

(3) 減損会計について

 当社は事業用の固定資産を保有しておりますが、経営環境や事業の著しい変化などにより事業計画が想定どおり進まない場合や価値の低下があった場合、減損会計の適用により当社の財政状態および経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

4.その他のリスク

(1) 小規模組織であること

 当社は小規模な組織であるため、研究開発体制および社内管理体制もこの規模に応じたものとなっております。このような限られた人材の中で、業務遂行上、取締役および幹部社員が持つ専門知識・技術・経験に負う部分が大きいため、当社の業容の拡大に応じた人員の増強や社内管理体制の充実等を図っております。しかしながら、一部の取締役および幹部社員の退職により事業活動に不備が生じた場合には、当社の事業等に影響を及ぼす可能性があります。

(2) 特定の人物への依存について

 当社の事業活動は、現在の経営陣、事業を推進する各部門の責任者や構成員に強く依存しています。そのため、常に優秀な人材の確保と育成に努めていますが、このような人材確保または育成が計画通りにいかない場合は、当社の財政状態および経営成績に重大な影響が及ぶ可能性があります。

(3) 新株式の発行による株式価値の希薄化について

 当社は資金調達を目的とした増資や新株予約権行使による新株式の発行を機動的に実施していく可能性があります。新株式の発行は当社の事業計画を達成する上で合理的な資金調達手段であると判断しておりますが、発行済株式総数が増加することにより、当社株式の1株当たりの株式価値が希薄化する可能性があります。

(4) 営業機密の漏洩について

 当社における事業では、当社は顧客である製薬企業等からの情報を預かる立場にあります。従いまして、当社は役職員との間において顧客情報を含む機密情報に係る契約を締結しており、さらに退職時にも個別に同様の契約を締結し顧客情報を含む機密情報の漏洩の未然防止に努めております。また、抗原名をプロジェクトコード化した社内共通言語を用いた顧客情報管理を実施するとともに、顧客情報へのアクセス制限も行っております。しかしながら、万一顧客の情報が外部に漏洩した場合は、当社の信用低下等により当社の事業等に影響を及ぼす可能性があります。

(5) 自然災害等の発生について

 当社は、東京都渋谷区および川崎市宮前区に研究所を設置しており、事業活動や研究開発活動に関わる設備および人員が各研究所に集中しております。そのため、各研究所の周辺地域において、地震等の自然災害、大規模な事故、火災、テロ、パンデミック等が発生し、当社が保有する抗体ライブラリの滅失、データの消失、研究所設備の損壊、各種インフラの供給制限等の不測の事態、或いは社員の感染等の事態が発生した場合、当社の事業等に影響を及ぼす可能性があります。

 

2【沿革】

 

年 月

事 項

2005年2月

国立研究開発法人理化学研究所(以下、「理研」)および財団法人埼玉県産業振興公社との共同研究により開発された抗体作製技術であるADLib®システム(*)の実用化を目的として、東京都文京区にて株式会社カイオム・バイオサイエンス(資本金10,000千円)を設立

2005年4月

理研とADLib®システムの実用化を目的として共同研究契約を締結し、研究活動を開始

2005年7月

理研よりADLib®システムに関する発明の第三者へのサブライセンス権付き通常実施許諾権を取得

2009年10月

東京都新宿区に本社移転

2010年8月

国立研究開発法人科学技術振興機構、理研とADLib®システムの産業財産権に係わる特許権等譲渡契約締結

2011年12月

東京証券取引所マザーズに株式を上場

2013年5月

東京都渋谷区に本社移転

2013年12月

株式会社リブテック(以下「リブテック」)の発行済株式を過半数取得することにより子会社化

2015年7月

リブテックを吸収合併

2015年10月

株式会社イーベックへの資本参画

2017年2月

株式会社Trans Chromosomics(以下「TC社」)への出資

2017年9月

ADC Therapeutics社(本社、イパリンジェス、スイス)とがん治療用抗体LIV-1205のADC(*)開発用途における開発、製造および販売に関するライセンス契約締結

(注)用語解説については、「第2 事業の状況  3  経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」の末尾に記載しております。

 

(5)【所有者別状況】

 

 

 

 

 

 

 

2019年12月31日現在

区分

株式の状況(1単元の株式数100株)

単元未満株式の状況

(株)

政府及び地方公共団体

金融機関

金融商品取引業者

その他の法人

外国法人等

個人

その他

個人以外

個人

株主数

(人)

3

34

83

24

45

18,485

18,674

所有株式数

(単元)

3,049

38,571

3,934

10,599

1,172

275,447

332,772

6,300

所有株式数の割合(%)

0.91

11.59

1.18

3.18

0.35

82.77

100.00

(注)自己株式146株は、「個人その他」に1単元及び「単元未満株式の状況」に46株を含めて記載しております。

 

3【配当政策】

 当社は設立以来、当期純損失を計上しており、利益配当を実施しておりません。また、各研究分野における研究開発活動を今後も引き続き実施していく必要があることから、資金の確保を優先する方針であり、当面は配当を予定しておりません。

 しかし、株主への利益還元は重要な経営課題であると認識しており、将来において安定的な収益の獲得が可能となる場合には、財政状態及び経営成績を考慮した上で、利益配当についても検討してまいります。

 なお、剰余金の配当を行う場合は、年1回期末での配当を考えており、配当の決定機関は株主総会であります。また、当社は、取締役会の決議により、毎年6月30日を基準日として中間配当を行うことができる旨を定めております。

 

(2)【役員の状況】

① 役員一覧

男性7名 女性名 (役員のうち女性の比率%)

役職名

氏名

生年月日

略歴

任期

所有株式数

(株)

代表取締役

社長

小林 茂

1953年12月5日

 

1978年4月

協和発酵工業㈱(現 協和キリン㈱) 入社

2003年11月

Kyowa Hakko UK Ltd. 社長

2005年4月

Kyowa Pharmaceutical, Inc.(現 Kyowa Hakko Kirin Pharma, Inc.) 社長

2008年5月

協和発酵工業㈱ 医薬研究開発本部 部長

2009年4月

当社入社 事業開発部シニアディレクター

2010年7月

当社 取締役 事業戦略室シニアディレクター

2011年1月

当社 取締役 事業本部シニアディレクター

2016年1月

当社 取締役

2017年2月

当社 代表取締役社長(現任)

 

(注)3

174,000

取締役

経営企画室長

美女平 在彦

1978年6月5日

 

2000年3月

㈱産業育成研究所 入社

2003年8月

ファイザー㈱ 入社 医薬営業部門

2007年10月

大鵬薬品㈱ 入社 経理・海外事業部門

2013年1月

当社入社 研究開発本部研究企画推進課マネージャー

2014年4月

当社 コーポレートプランニング部ディレクター

2015年5月

当社 経営企画部長

2016年1月

当社 執行役員コーポレート本部長

2017年3月

当社 取締役 就任 経営企画室長(現任)

 

(注)3

10,100

取締役

降矢 朗行

1945年1月29日

 

1968年4月

第一製薬㈱(現 第一三共㈱) 入社

1999年4月

同社 医薬開発統括部 部長

1999年6月

同社 理事

2001年6月

同社 取締役

2003年6月

㈱第一ラジオアイソトープ(現 富士フィルムRIファーマ㈱)代表取締役社長

2007年6月

同社 相談役

2007年12月

㈱ペルセウスプロテオミクス 代表取締役社長

2016年7月

同社 相談役

2017年3月

当社 取締役 就任(現任)

 

(注)3

取締役

久保田 晴久

1950年1月22日

 

1976年4月

1997年4月

 

1999年4月

2001年10月

 

2005年7月

2009年4月

2011年4月

2013年4月

 

2015年4月

2015年4月

 

2019年3月

厚生省(現 厚生労働省)入省

医薬品機構(現 独立行政法人医薬品医療機器総合機構(PMDA)) 信頼性保証部長

㈶医療機器センター 調査部長

第一製薬㈱(現 第一三共㈱) 入社 開発統括担当部長

同社 執行役員 薬事部長

同社 執行役員 安全性情報部長

同社 常務執行役員 信頼性保証本部長

北里第一三共ワクチン㈱ 取締役副社長 開発研究本部長

同社 顧問

国立国際医療研究センター 品質保証統括責任者(現任)

当社 取締役 就任(現任)

 

(注)3

 

 

役職名

氏名

生年月日

略歴

任期

所有株式数

(株)

常勤監査役

斉藤 健一郎

1948年2月24日

 

1970年4月

 

1982年8月

1991年11月

1994年8月

1999年4月

 

2003年6月

2007年8月

2008年9月

2016年4月

2017年3月

山之内製薬㈱(現 アステラス製薬㈱) 入社

山之内インターナショナルヨーロッパ部

山之内U.K. オランダ事業所長

山之内ヨーロッパB.V GRB部長

山之内製薬㈱(現 アステラス製薬㈱) 法務部長

同社 常勤監査役

㈱照隈ファルマ 常勤監査役

㈱エム・シー・アイ 常勤監査役

宏輝㈱ 法務担当

当社 常勤監査役 就任(現任)

 

(注)4

監査役

逵 保宏

1947年8月13日

 

1976年4月

1978年4月

1978年10月

日本学術振興会奨励研究員

東北大学電気通信研究所文部教官助手

中外製薬㈱ 入社

1991年2月

同社 診断科学研究所長

2002年10月

同社 プロジェクト推進部長

2004年10月

同社 執行役員 製品戦略部長

2006年3月

同社 執行役員
㈱中外臨床研究センター 代表取締役社長

2009年3月

中外製薬㈱ 常勤監査役

2013年6月

2017年3月

当社 常勤監査役

当社 監査役 就任(現任)

 

(注)5

6,000

監査役

山川 善之

1962年8月21日

 

1986年4月

1995年9月

2001年9月

 

2003年10月

2004年10月

2006年12月

 

2007年6月

2008年6月

2014年2月

2014年3月

 

2019年3月

日本生命保険相互会社 入社

イノテック㈱ 企画室長

㈱そーせい(現 そーせいグループ㈱) 経営企画部長

同社 取締役副社長CFO

同社 代表取締役副社長CFO

響きパートナーズ㈱設立 代表取締役社長(現任)

㈱ユナイテッドアローズ 社外取締役

㈱リプロセル 社外取締役(現任)

㈱アドベンチャー 社外監査役(現任)

㈱デ・ウエスタン・セラピテクス研究所社外取締役(現任)

当社 監査役 就任(現任)

 

(注)6

190,100

(注)1.取締役降矢朗行氏及び取締役久保田晴久氏は、社外取締役であります。

2.監査役斉藤健一郎氏、監査役逵保宏氏及び監査役山川善之氏は、社外監査役であります。

3.2019年3月28日開催の定時株主総会の時から2020年12月期に係る定時株主総会終結の時までであります。

4.2017年3月29日開催の定時株主総会の時から2020年12月期に係る定時株主総会終結の時までであります。

5.2020年3月27日開催の定時株主総会の時から2023年12月期に係る定時株主総会終結の時までであります。

6.2019年3月28日開催の定時株主総会の時から2022年12月期に係る定時株主総会終結の時までであります。

7.所有株式数は、2019年12月31日現在の株式数であります。

8.当社では、2018年3月26日付で執行役員制度を廃止しております。

 

② 社外役員の状況

 当社では、社外取締役2名及び社外監査役3名を選任しております。

 社外取締役及び社外監査役を選任するための独立性に関しては、東京証券取引所の定める独立役員に係る上場ルールを基準としており、社外取締役の降矢朗行氏及び久保田晴久氏、社外監査役の斉藤健一郎氏及び山川善之氏は、一般株主と利益相反の生じるおそれがないと判断し、同取引所に独立役員として届け出ております。

 社外監査役の逵保宏氏は、提出日現在、当社の株式を所有しております。

 当社と社外取締役の降矢朗行氏及び久保田晴久氏との間には、特別な利害関係はありません。

 当社と社外監査役の斉藤健一郎氏及び山川善之氏との間には、特別な利害関係はありません。

 社外監査役である逵保宏氏は、過去に中外製薬株式会社の業務執行者でありました。当社は、同社との間に業務委受託契約等の取引関係があります。また当社株式を保有しておりますが、その他当社と本人との間に人的関係、資本的関係又は取引関係その他の利害関係はありません。

 社外取締役及び社外監査役は、専門的知識、幅広い見識及び知見に基づき、社外の立場から経営に助言を行うとともに、経営の適合性に対する客観的かつ適切な監視等により、当社の企業統治の有効性を高める機能及び役割を果たしております。

 社外取締役降矢朗行氏は、大手製薬企業及びバイオベンチャー企業に経営者として従事した経験から、経営及び創薬全般に関する相当程度の知見を有しており、その有効な助言は当社の経営に資するものであります。

 社外取締役久保田晴久氏は、厚生省(現厚生労働省)、医薬品機構(現 独立行政法人医療品医療機器総合機構(PMDA))及び(財)医療機器センターにおいて薬事業務に携わり、大手製薬企業においても薬制薬事にかかる部門の長を歴任するなど、薬制薬事に係る豊富な経験と幅広い見識を有しており、その有効な助言は当社の経営に資するものであります。

 社外監査役斉藤健一郎氏は、大手製薬企業および医薬ベンチャー企業に常勤監査役として従事した経験から、その有効な助言は当社の経営に資するものであります。

 社外監査役逵保宏氏は、大手製薬企業等に役員として従事した経験から、創薬全般並びに抗体医薬に関する相当程度の知見を有しており、その有効な助言は、特に研究開発関連の監査の重要性が高い当社の経営に資するものであります。

 社外監査役山川善之氏は、会社経営に関する幅広い見識とバイオベンチャー企業の投資や経営等の豊富な経験を有することから、その有効な助言は当社の経営に資するものであります。

 

③ 社外取締役又は社外監査役による監督又は監査と内部監査、監査役監査及び会計監査との相互連携並びに内部統制部門との関係

 社外取締役及び社外監査役は、取締役会等重要な会議に出席し意見を述べることにより、取締役の業務執行状況を監督し経営の監視機能を果たすとともに、コーポレート・ガバナンスの強化を図り、コンプライアンスの徹底等に努めております。また、必要に応じて内部統制部門に対する質疑等を行っております。

 内部監査、監査役監査及び会計監査との相互連携については、主として監査役が担っており、その概要は「(3)監査の状況」に記載のとおりです。

 

 

4【関係会社の状況】

 該当事項はありません。

売上原価明細書

 

 

前事業年度

(自 2018年1月1日

至 2018年12月31日)

当事業年度

(自 2019年1月1日

至 2019年12月31日)

区分

注記

番号

金額(千円)

構成比

(%)

金額(千円)

構成比

(%)

Ⅰ 材料費

 

39,468

38.4

83,258

46.6

Ⅱ 労務費

 

27,760

27.0

55,883

31.3

Ⅲ 経費

35,530

34.6

39,601

22.1

当期総製造費用

 

102,759

100.0

178,743

100

期首仕掛品たな卸高

 

1,741

 

2,926

 

合計

 

104,501

 

181,669

 

期末仕掛品たな卸高

 

2,926

 

18,740

 

当期売上原価

 

101,574

 

162,929

 

 

 

 

 

 

 

原価計算の方法は、プロジェクト別個別原価計算であります。

 

※主な内訳は次のとおりであります。

 

前事業年度

(自  2018年1月1日

至  2018年12月31日)

当事業年度

(自  2019年1月1日

至  2019年12月31日)

支払ロイヤルティ(千円)

2,501

1,700

外注費(千円)

2,401

2,041

その他経費(千円)

30,627

35,860

1【設備投資等の概要】

 当事業年度においては、特記すべき設備投資を行っておりません。

 

株価(1年)
期間を変更
PER(1年/会予)
期間を変更

その他企業情報

企業価値5,594 百万円
純有利子負債-2,273 百万円
EBITDA・会予N/A
株数(自己株控除後)35,281,654 株
設備投資額0 百万円
減価償却費5 百万円
のれん償却費N/A
研究開発費N/A
代表者代表取締役社長 小林 茂
資本金846 百万円
住所東京都渋谷区本町三丁目12番1号
会社HPhttp://www.chiome.co.jp/

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