1年高値5,740 円
1年安値3,265 円
出来高450 千株
市場東証1
業種医薬品
会計日本
EV/EBITDA381.4 倍
PBR31.6 倍
PSR・会予178.2 倍
ROAN/A
ROICN/A
β0.46
決算6月末
設立日2006/7
上場日2013/6/11
配当・会予0 円
配当性向0.0 %
PEGレシオN/A
売上高(百万円)&収益性(%)
売上5y CAGR・予想:-10.7 %
利益(百万円)
営利5y CAGR・予想:-17.1 %
純利 CAGR・実績:N/A %
EPS(円) BPS(円)
配当(円)
健全性(%、倍)
セグメント別売上
単一セグメント、もしくはIFRS / USGAAPのため、データがありません。
セグメント別売上
単一セグメント、もしくはIFRS / USGAAPのため、データがありません。
セグメント別利益率
単一セグメント、もしくはIFRS / USGAAPのため、データがありません。
会社の詳細

 

3 【事業の内容】

(1) 事業の概要

当社は、当社独自の創薬開発プラットフォームシステム(*1)であるPDPS(Peptide Discovery Platform System)を活用して、国内外の製薬企業との共同研究開発のもと、新しい医薬品候補物質の研究開発を行っています。

当社の事業の系統図は、次のとおりです。なお、当社のセグメントはアライアンス事業のみの単一セグメントであります。

 

        <事業系統図>

(画像は省略されました)


(注)  当社の各種売上金の詳細については後述「(4) 当社のビジネスモデルについて」に記載のとおりであります。

 

当社は、特殊ペプチドを基にした医薬品開発を中核とした事業を展開しております。「特殊ペプチド」とは、当社窪田(現当社取締役会長)の造語ですが、生体内タンパク質を構成する20種類のL体のアミノ酸だけではなく、特殊アミノ酸と呼ばれるD体のアミノ酸やNメチルアミノ酸等を含んだ特殊なペプチドをいいます。当社では、後述のとおり創薬に適していると考えられるこの特殊ペプチドから医薬品候補物質を創製することを主たる事業としております。

特殊ペプチドによって創薬開発を行うことを可能にするため、当社は創業以来、創薬開発基盤システムを創り上げることに注力してまいりました。その成果が、当社独自の創薬開発プラットフォームシステム(PDPS)です。当社は、このPDPSにより、多様性を持った特殊ペプチドのライブラリーを作製し、標的分子(ターゲットタンパク)に対して適した特殊ペプチドを短期間でスクリーニングすることができるようになりました。

当社の事業の概要は、次のとおりであります。(A)創薬共同研究開発:当社と製薬企業との間で創薬共同研究開発契約を締結すると、当社は、製薬企業から契約一時金、研究開発支援金等の売上金及び標的分子(ターゲットタンパク)を受領します。その後、当社では、PDPSを活用して多様性のある特殊ペプチドのライブラリーを作製し、標的分子に対してアフィニティ(他の分子との特異的な親和性)のある特殊ペプチドをPDPSにより高速でスクリーニングして製薬企業に提供します。提供された特殊ペプチドは、その後、製薬企業において創薬開発が進められることになりますが、製薬企業の創薬開発が成功裡に進めば、当社は創薬開発の進捗段階に応じて、当該特殊ペプチドに係る製品の上市に至るまで及び上市後においても契約に基づき種々の対価を受領することができます。(B)PDPS技術貸与(PDPS技術ライセンス):当社との創薬共同研究開発を通じて、製薬企業は当社のPDPSが持つ能力に関心を抱くようになり、製薬企業からPDPSを当該製薬企業内で使いたいとの要望が出てくるようになりました。これを受けて、当社では研究開発コラボレーションの一環として、共同研究開発先に対してPDPS技術の非独占的な実施許諾(技術ライセンス契約 、技術貸与)を行っています。(C)戦略的提携による自社パイプラインの拡充(戦略的提携/自社創薬):当社は、自社の医薬品候補化合物(パイプライン)を複数本有しており、これらの医薬品候補物質を医薬品にするため、自社内で研究開発を進めています。また、世界中の特別な技術を有する製薬企業やバイオベンチャー企業、アカデミア等の研究機関と戦略的提携を組むことで、自社のパイプラインの拡充を図っています。

 

 

(2) 創薬の歴史と(特殊)ペプチドの位置付け

 創薬開発の歴史的スタートは、1897年にバイエル社の研究者によって開発されたアスピリン(*2)が市販された1899年だとされております。それから100年以上にわたり低分子医薬品(*3)が創薬の中心的なポジションを占めてきました。

1980年代には抗体(*4)を医薬品に利用するべく研究がすすめられましたが抗原性の問題(*5)等により、実用には至りませんでした。その後も、欧米の製薬企業が長期にわたり研究開発を進めた結果、1997年頃から抗体医薬(*6)が発売され、2000年代は抗体医薬が創薬開発の中心になっております。しかし、低分子医薬、抗体医薬とも医薬品として素晴らしい特性はあるものの、一方でそれぞれいくつかのウイークポイントも持っております。(下表<低分子医薬と抗体医薬の特徴>参照)

そのため現在、世界の多くの大手製薬企業は低分子医薬・抗体医薬に続く次世代の創薬開発を目指し、積極的な活動を行っております。

 <低分子医薬と抗体医薬の特徴> ※当社見解に基づく/当社作成

(画像は省略されました)


 

<用語解説>

*1

創薬開発プラットフォームシステム

創薬開発においてもととなる医薬品候補物質(プレリード化合物)を創出するための基盤となる技術。

なお、リード化合物とは、医薬品の原料となりうる生理活性を持つ化合物のことであり、新薬の開発は、リード化合物を創製することから始まる。

*2

アスピリン

代表的な消炎鎮痛剤。消炎・解熱・鎮痛作用を持つ。

*3

低分子医薬

分子と分子の結びつきが短い、分子の大きさ(分子量)が1,000未満の化学的に合成された化合物による創薬の総称。

*4

抗体

体内に侵入した異物に対して生体が作り出すタンパク質の総称。

*5

抗原性の問題

本来、薬として利用されるべき抗体を生体が異物としてとらえてしまい副作用が生じたり、排除されてしまう問題。

*6

抗体医薬

医薬品として抗体を活用した創薬の総称。

*7

免疫排除

生体内において異物ととらえられてしまうことにより排除されてしまう機能。抗体医薬の場合、薬効が低下したり、効かなくなる現象。

*8

生体内毒性

本来反応すべきでない分子に対して反応してしまうことによって起きる毒性(弊害)。

*9

蛋白・蛋白相互作用

複数の異なるタンパク質分子が特異的結合する現象。それにより、生体内において各種の生理作用が生じる。

 

 

一般的にいわれるペプチド(*10)は、2個以上の天然型アミノ酸(*11)が結合して作られた化合物の総称であり、生体内においては、ホルモンや各種伝達物質として働く生体にとって不可欠なものです。ペプチドは生体内で重要な働きを担っていることから、古くから創薬の候補物質として注目されていました。しかしながら、少数の事例を除き、いくつかの問題点により創薬に結びつくまでには至っていませんでした。これに対し、当社が創出する新しい医薬品候補物質、すなわち特殊ペプチド(*12)は、下表<一般的なペプチドと特殊ペプチドの違い>(当社作成)のとおり、今までの一般的なペプチドの(医薬品候補物質としての)問題点の多くを解決することにより、医薬品候補物質としてよりふさわしい特徴を持つことができる可能性があると期待されています。

 

 

<一般的なペプチドと特殊ペプチドの違い> ※当社見解に基づく/当社作成

 

一般的なペプチド

特殊ペプチド

組成及び構造

20種類の(天然型)アミノ酸によって構成されており、多くは線状。

通常のアミノ酸以外に、特殊なアミノ酸が組み込まれており、多くは環状。

構造安定性(*13)

柔軟であるが、構造をとりにくい。

柔軟であり、構造が安定している。

生体内安定性(*14)

生体内では短時間で分解されてしまう。

生体内でも安定している。

細胞膜透過性(*15)

多くの場合、細胞膜は透過できない。

高い確率で細胞膜を透過できる。

 

 

これまでの医薬品の中心である低分子医薬と抗体医薬は、医薬品としての優位点と共に問題点も併せ持っております。たとえば、低分子医薬は、下表<低分子医薬・特殊ペプチド医薬・抗体医薬の分子量比較>(当社作成)のとおり、分子量(*16)が相対的に小さく様々な種類のターゲット(標的分子)に対応できること(ターゲットの多様性)が優位点です。その一方で、ターゲットに対する結合力や特異性が劣り、標的とするターゲットに結合せずに結合すべきでない分子に結合してしまうことなどにより、多くの副作用を引き起こしてしまう(生体内毒性が低くない)リスクが相対的に高いことが問題点となります。

一方、抗体医薬は、低分子医薬に比べてその分子量が非常に大きいため、ターゲットの多様性は低いものの、ターゲットに対する結合力や特異性に優れていることが優位点になります。しかし、その大きさゆえに細胞内のターゲットに対応できず経口投与ができないことや、生体内で免疫反応を惹起してしまう(生体が異物と判断してしまう)リスクが相対的に高いことなどの問題点も数多く存在します。

低分子医薬や抗体医薬に比べて、特殊ペプチドは、分子量で評価すると低分子医薬よりやや大きい程度であることや、前述の物質的な特性から、下表<低分子医薬・抗体医薬・特殊ペプチド医薬の特性(能力)比較>(当社作成)のとおり、従来の低分子医薬や抗体医薬の問題点を低減しながら、同時に双方の優位点を実現できる可能性があります。

 

<低分子医薬・特殊ペプチド医薬・抗体医薬の分子量比較> ※当社作成

 

低分子医薬

特殊ペプチド医薬

抗体医薬

分子量(Da)

50 ~ 1,000

500 ~ 2,000

50,000 ~ 150,000

 

 

<低分子医薬・抗体医薬・特殊ペプチド医薬の特性(能力)比較> ※当社見解に基づく/当社作成

相対的な特徴

低分子医薬

抗体医薬

特殊ペプチド医薬

迅速な研究開発が可能

×

ターゲットに対する強い結合力

×

ターゲットに対する強い特異性

×

生体内毒性が低い

×

タンパク・タンパク阻害反応

×

高い生体内安定性

×

ターゲットの多様性の多さ

×

細胞内のターゲットに対応

×

経口投与が可能

×

大量製造の容易さ

×

低い生体内免疫反応性

×

 

(注) 「○」は備える又は優れると思われる能力   / 「△」は備えると期待される能力

「×」は備えていない又は劣ると思われる能力

 

 

次に、このような特殊ペプチドのターゲットに対する強い結合力を視覚的に説明するために特殊ペプチドが創薬のターゲットとなるタンパク質に結合している状況を分析したデータに基づくイメージ画像(タンパク質X線結晶構造解析(*17))を掲示します。

医薬品は、創薬のターゲットとなるタンパクに結合し働くこと(生理活性)により、薬としての機能を発揮します。つまり、創薬のターゲットタンパクに強く特異的に結合することが重要になります。次の図は、その特殊ペプチドの特徴をよく表しております。

 

<特殊ペプチドの結合:複数点による結合> ※共同研究開発に伴う当社データ

 

 

(画像は省略されました)


 左図のらせん状の帯の部分が創薬のターゲットとなるタンパクです。そのうえのマッチ棒の様な集まりが特殊ペプチドです。特殊ペプチドはターゲットタンパクに対して複数のポイント(ここでは3か所・点線丸)において結合しております。
 低分子医薬の場合はこの結合ポイントが1か所であるため、結合力に限界があります。また、1か所の結合ポイントだと他のタンパクとの違いを見出すことも困難になります。これは、1ケタの暗号数字では特異性(選択性)が低いということと同じ理屈にたとえられます。

 

 

特殊ペプチドのターゲットタンパクに対する結合の一様式は複数のアンカーを複数のポイントに対して打ち込んだ形であり、低分子医薬のようにターゲットに対して多くの多様性を持っているうえ、低分子医薬よりもはるかに強固な結合力を保持しております。そのことが、特異性の高さにも結び付いております。

<特殊ペプチドの結合:標的分子の表面に絡みついて結合している様子>

(画像は省略されました)


                            ※Suga & Nureki Lab.データ

 

 

抗体医薬は、創薬のターゲットとなるタンパクの表面にしっかりと張り付く形で結合しております。低分子医薬が点(ポイント)で創薬ターゲットタンパクを捉えているのに対して、抗体医薬は面で創薬ターゲットタンパクを捉えていることになります。

前頁の図<特殊ペプチドの結合:標的分子の表面に絡みついて結合している様子>は特殊ペプチド(六角形の集まり)がターゲットタンパク(らせん状のリボン)に結合しているX線結晶構造解析結果です。抗体医薬と同じようにターゲットタンパクの表面にしっかりと絡みついて結合しています。

このことから、特殊ペプチドはまさにサイズの小さい抗体医薬といえます。小さいサイズながら抗体医薬とそん色のない特性を持っている理由はこのような結合の形によるものです。

 

<特殊ペプチドの結合:標的分子の内側に潜り込んで絡みついて結合している様子>

(画像は省略されました)


                            ※Suga & Nureki Lab.データ

 

上図は先ほどの<特殊ペプチドの結合:標的分子の表面に絡みついて結合している様子>の図とは異なるターゲットタンパクに対する特殊ペプチドのX線結晶構造解析結果です。特殊ペプチドはターゲットタンパクの表面ではなく内側に潜り込み絡み付くように結合しているのがわかります。抗体医薬ではその大きさの問題からこのようにターゲットタンパクの内側に対する結合様式を持つことはできません。

特殊ペプチドは、創薬ターゲットタンパクの特徴に合わせて、特異性の高い強固な複数の結合形態をとることができる多様性を持った医薬品候補物質と言うことができます。

これまで説明してきたように、特殊ペプチドが結合したターゲットタンパクのX線結晶構造解析により、どのように特殊ペプチドが働いているのかを詳細に理解することができます。これらの情報をもとに、最先端の創薬技術を活用することで、近年では特殊ペプチドとターゲットタンパクとの結合のしかたを再現するような低分子医薬をデザインすることが可能となってきました。現在当社では特殊ペプチドのような結合力や特異性を有した低分子医薬の開発を進めております。

また、特殊ペプチドそのものを医薬品として利用するのではなく、結合力や特異性などの特徴を利用し、生体内の特定の部位や臓器に別の薬剤を送達するキャリアー(運び屋)として利用するPDC(*18)の開発をすることも可能であり、当社では自社パイプライン(*19)の一環としてPDCの研究開発を進めております。

 

 

<用語解説>

*10

ペプチド

アミノ酸が2つ以上結合してできた化合物。大きさによりペプチド⇒ポリペプチドと呼ばれ、さらに大きくなったものがタンパク質と呼称される。

*11

天然型アミノ酸

タンパク質・ペプチドを作っている最小の成分。 地球上のあらゆる生命、植物も動物もアミノ酸により作り出される(合成される)タンパク質からできており、アミノ酸はすべての生命の源(素)。通常、合成に利用されるアミノ酸は20種類であり、天然型アミノ酸と呼ばれている。

*12

特殊ペプチド

20種類の天然型アミノ酸から合成された通常の(一般的な)ペプチドに対して非天然型アミノ酸と呼ばれる20種類以外のアミノ酸が組込まれたペプチドの総称。古くからその存在は知られていたが、人工的に合成することが困難であった。

*13

構造安定性

立体構造等、形状が安定した構造のこと。通常のペプチドはアミノ酸が線状につながった構造をしており、柔軟な構造であるが故に形状が安定していない例が多い。

*14

生体内安定性

生体内にはペプチダーゼという酵素が有り、通常のペプチドはペプチダーゼにより容易に分解されてしまう。

*15

細胞膜透過性

通常のペプチドの多くは細胞の外側構造、細胞膜を透過することができない。細胞内には多くの創薬ターゲットが存在する。

*16

分子量

各原子(水素や酸素など)の原子量(水素は1、酸素は16)の和のこと。たとえば、水分子(H2O)は水素2つと酸素1つで合計18となる。

*17

タンパク質X線結晶構造解析

X線の特徴を利用してタンパク質の三次元構造を立体的に解析する分析方法。タンパク質の実態構造の解析に不可欠な技術。

*18

PDC

ペプチド薬物複合体(Peptide Drug Conjugate)のことであり、ペプチドと他の薬剤を化学的に結合させた複合体。

*19

パイプライン

医薬品の開発に当たり、その初期の段階から開発・販売に至るまでの一連の計画のこと。

 

 

 

(3) 事業の特徴について

① 創薬開発プラットフォームシステム:PDPS(Peptide Discovery Platform System)について

特殊ペプチドを医薬品候補物質として活用するためには、多くのハードルを越えなければなりませんでした。これまで、特殊ペプチドの特徴である特殊アミノ酸(*20)を組み込んで医薬品候補物質として活用するためには、多くの時間や労力を要し、容易ではありませんでした。

また、生体(細胞)がペプチドを作るときに組み込めるアミノ酸の種類は20種類の天然型アミノ酸に限られているため、無細胞翻訳系(*21)によっても合成することができませんでした。

当社は、それらの問題点を解決し、特殊ペプチドを大規模な創薬ライブラリー(*22)として構築できる技術・システムを開発しました。それが、フレキシザイム(Flexizyme)技術であり、FITシステム(Flexible In-vitro Translation system)であります。

 

ア. フレキシザイム(Flexizyme)について

フレキシザイムは、当社の創立者の一人である菅裕明・東京大学教授が、長期にわたる研究の結果、完成させた「多目的tRNA(*23)アシル化(*24)RNA触媒(*25)」です。

ペプチドが翻訳合成(*26)されるときアミノ酸ごとに1種類の特定のtRNAが結合します。これがアミノアシル結合と呼ばれる現象です。

アミノ酸とtRNAは特定の対の関係になっており、その対の組合せを基にアミノ酸とtRNAをアミノアシル結合させるのがARS(アミノアシルtRNAシンセテース)と呼ばれる酵素(*27)です。

ARSもアミノ酸とtRNAの対の組合せと同じように特定の対の関係があります。アミノ酸・tRNA・ARSの組合せは明確に特定されており、それは生物のルールであると考えられていました。さらにそれぞれのARSは20種類の天然型アミノ酸にのみ対応しており、特殊アミノ酸に対応するARSは存在しませんでした。

ところが、フレキシザイムは単体でARSに代わりすべてのアミノ酸(非天然型アミノ酸を含む)とtRNAを自由に組合せ結合することができるスーパー触媒ともいうべき特徴を持っております。

それにより、アミノ酸とtRNAの組合せは無限大に近くなりました。

当社のフレキシザイム技術は、今まで無細胞翻訳系により組み込むことが困難であった特殊なアミノ酸を簡単に、そして迅速にペプチド合成の中に組み込むことを可能にした独自の技術です。

特殊なアミノ酸を組み込んだペプチドを創製することが容易になったことで特殊ペプチドは生体内における安定性が増し、分解されにくいという特質を活かして医薬品としての作用を発揮する素地の一つを整えることになりました。そのほか、細胞膜の透過性を持つ特殊ペプチドも採れており、細胞内の標的をターゲットにすることもできるようになりました。

イ. FIT(Flexible In-vitro Translation)システムについて

次にFITシステムですが、フレキシザイム技術で創製できるようになった特殊ペプチドを下表<医薬品候補物質の多様性の比較>(当社作成)のとおり、FITシステムにより多様性(数や種類)を持ったライブラリーとして構築することができるようになりました。

低分子医薬のライブラリーの多様性を1としたとき、おおよその値として、抗体医薬はその1万倍程度の多様性を持ち、特殊ペプチドは低分子医薬の1億倍程度の多様性を持っております。ライブラリーの多様性は、医薬品としての候補物質を含んでいる可能性を高めるため、多様性が大きくなればなるほど、医薬品候補物質発見の可能性も高くなります。この多様性の比較からも、当社の特殊ペプチドライブラリーは、まだ見ぬ医薬品候補物質を生み出す大きな可能性を持っているものと考えております。(現在、当社ではさらなる改良を加えて独自の翻訳合成系として活用しています。)

 

<医薬品候補物質の多様性の比較> ※当社作成

ライブラリーの種類

多様性

多様性の比較

低分子医薬

104 ~ 105

1

抗体医薬

108 ~ 1010

10,000

特殊ペプチド医薬

1012 ~ 1014

100,000,000

 

(注) 「多様性の比較」は左記「多様性」における下端の値をとっております。

 

ウ. RAPID(RAndom Peptide Integrated Discovery)ディスプレイシステムについて

RAPIDディスプレイシステムは、特殊ペプチドを短期間でスクリーニング(*28)できる高速のスクリーニングシステムです。

従来のライブラリーに比べて格段の多様性を持っている特殊ペプチドライブラリーを活用するためには、数千億から兆単位の数の特殊ペプチドを効率的かつ高速、正確にスクリーニングする必要があります。

当社は、FITシステムの特徴を最大限に生かし活用するために、独自にRAPIDディスプレイシステムを開発しました。RAPIDディスプレイシステムは、無細胞翻訳系において合成された特殊ペプチドの特徴を生かして、ターゲットタンパクに対して結合力・特異性・選択性の秀でた特殊ペプチドを短期間でスクリーニングできる高速のスクリーニングシステムです。(現在、当社ではさらなる改良を加えて独自のディスプレイシステムとして活用しています。)

エ. PDPS(Peptide Discovery Platform System)について

当社は、フレキシザイム技術とFITシステムを組合せ、多様性を持つ特殊ペプチドライブラリーを構築することができるシステム:PDTS(Peptide Discovery Translation System)を作り上げ、さらに特殊ペプチドライブラリーを高速スクリーニングすることを目的として開発したRAPIDディスプレイシステムをPDDS(Peptide Discovery Display System)と位置付け、この3つの独自技術・システムを組み合わせた独自の創薬開発プラットフォームシステム:PDPS(Peptide Discovery Platform System)を構築しました。

 

<用語解説>

*20

特殊アミノ酸

20種類の天然型アミノ酸以外のアミノ酸。非天然型アミノ酸とか異常アミノ酸等とも呼ばれる。

*21

無細胞翻訳系

遺伝情報(遺伝子情報)から細胞内でペプチドやタンパクが合成されるメカニズムが翻訳系(合成)と呼ばれている。この細胞内でペプチド・タンパクが合成されるメカニズムを、細胞を使わずに試験管内で再現した実験方法。

*22

創薬ライブラリー

創薬ターゲットタンパクに対して結合する医薬品候補物質(低分子や抗体や特殊ペプチド等)を検索するときに利用する医薬品候補物質が大量に集められた母集団。

*23

tRNA

運搬RNAと呼ばれており、遺伝情報(遺伝子情報)からペプチドやタンパクがリボソームで合成されるときに、アミノ酸を運搬する機能を持ったRNA(リボ核酸)。

*24

アシル化

アミノアシル結合を実行するためにアミノ酸のアミノ基等の水素を置換する働き。

*25

触媒

自身は変化しないまま、接触する周りの物質の化学反応を促進あるいは抑制する物質。

*26

翻訳合成

mRNAの情報に基づいてタンパク質を合成する反応のこと。

*27

酵素

生体でおこる化学反応に対して触媒として機能する分子。

*28

スクリーニング

設定された基準に対して達成されているか否かを判断するために実施される検査。

 

 

 

② 知的財産権(特許等)について

当社は先端研究開発型製薬企業であり、知的財産権の開発・維持・発展は重要な経営ポイントになります。

次の図は、当社の特許ポートフォリオの概念図です。この図のように当社の特許ポートフォリオは、③(及び①・②)の特許をコアにして、周囲を取り囲むように関連する複数の特許・発明(④・⑤・⑥・⑦)で固めることにより、特許(技術)が単独のものとして孤立することなく、当社の創薬開発プラットフォームシステム(PDPS)が「システム」として機能するように設計しております。

 

<当社の特許ポートフォリオの概念図>

 

(画像は省略されました)


 

(注) 上図の「特許」には特許登録されているものと出願中のものがあります。

 

さらに、この創薬開発プラットフォームシステム(PDPS)の特許・発明群を各種ライブラリーの発明が取り囲む形にすることにより、特許ポートフォリオを同心円状に強化することが可能になりました。

コアとなる7つの特許・発明の詳細は次の表のとおりです。①と②はニューヨーク州立大学が出願人であり、③・④・⑤・⑦は国立大学法人東京大学が出願人であり、⑥は当社が出願人であります。その他にライブラリー特許(発明)、ノウハウ特許(発明)、物質特許(発明)があり、それらについても随時権利化(出願)を進めております。

なお、当社は、ニューヨーク州立大学及び国立大学法人東京大学の上記特許について、第三者サブライセンス権(*29)付き独占実施・許諾権(*30)を取得しております。

 

 

<当社の特許ポートフォリオ(*31)>

発明の名称

出願人

出願国

出願・特許番号

①Catalytic RNAs with Aminoacylation Activity

ニューヨーク州立大学

米国(登録)

カナダ(登録)

欧州(登録)

日本(登録)

US Patent 7,001,723 B1

CA Patent 2391433

EP Patent 1232285 B1
特許第4745577号

②Ribozymes with Broad tRNA Aminoacylation Activity

ニューヨーク州立大学

米国(登録)

カナダ(登録)

欧州(登録)

日本(登録)

US Patent 7,622,248 B2

CA Patent 2476425

EP Patent 1483282 B1
特許第4464684号

③多目的アシル化触媒とその用途

国立大学法人東京大学

米国(登録)

欧州(登録)

日本(登録)

US Patent 8,188,260 B2

EP Patent 1964916

特許第5119444号

④N末端に非天然骨格をもつポリペプチドの翻訳合成とその応用

国立大学法人東京大学

米国(登録)

欧州(登録)

日本(登録)

US Patent 8,557,542 B2

EP Patent 2088202 B1

特許第5200241号

⑤環状ペプチド化合物の合成方法

国立大学法人東京大学

米国(登録)

欧州(登録)

日本(登録)

US Patent 9,090,668 B2 EP Patent 2141175 B1
EP Patent 2990411 B1
EP Patent 3012265 B1
特許第5605602号

⑥ペプチド翻訳合成におけるRAPIDディスプレイ法

当社

米国(出願中)

欧州(登録)

日本(登録)

US 2012208720 A1

EP Patent 2492344 B1

特許第5174971号

⑦新規人工翻訳合成系(FIT システム)

国立大学法人東京大学

米国(登録)

欧州(出願中)

日本(登録)

中国(登録)

US Patent 9,701,993 B2

EP 2610348 A4

特許第5725467号

CN Patent 103189522 B

 

 

①と②はフレキシザイム(Flexizyme)技術開発に関わる基本特許です。③はフレキシザイムそのものに関する特許であり、PDTS(Peptide Discovery Translation System)の中心となる特許であります。

⑥は特殊ペプチドライブラリーを高速スクリーニングすることができるRAPIDディスプレイシステムの特許であり、PDDS(Peptide Discovery Display System)の中心となる特許であります。(現在、当社ではさらなる改良を加えて独自のディスプレイシステムとして活用しています。)

⑦は翻訳合成系にて特殊ペプチドをライブラリー化するFITシステムの発明であり、PDTSの中心となる発明であります。(現在、当社ではさらなる改良を加えて独自の翻訳合成系として活用しています。)

④はペプチド、タンパクが翻訳合成されるとき、Met(メチオニン)というアミノ酸から合成が開始されるという生命の基本的なルールを書き換えることを可能にした技術特許です。この技術特許によりMet(メチオニン)以外のあらゆるアミノ酸から合成を開始することができるようになりました。当社は、この技術により、合成するペプチドの形状を自由に変えることができるようになり、特殊ペプチドに対し従来では考えられなかった多様性を持たせることが可能になりました。

⑤はペプチドを特殊な環状化構造(*32)にする発明です。この技術により特殊ペプチドが生体内での安定性や構造の安定性を確保することができるようになりました。

以上、①から⑦までの特許によって当社独自の創薬開発プラットフォームシステム:PDPS(Peptide Discovery Platform System)が構成されております。

さらに、概念図中「ライブラリー特許」とあるのは、各種、特殊ペプチドライブラリーを作成する技術であり、これらにより特殊ペプチドの可能性を拡大するとともにポートフォリオを強化することができます。ライブラリーの発明は、今後、研究開発の進展によりさらに増加させていくことが可能と考えております。

概念図中「ノウハウ特許」とあるのは、特定の機能を持った特殊ペプチドをスクリーニングする技術であり、各種機能を持ちうる特殊ペプチドを特定の機能に絞り込み、スクリーニングの段階で選別することが可能になりました。

概念図中「物質特許」とあるのは、研究途上で発見された特殊ペプチドの物質特許(発明)であります。当社の通常の共同研究活動では、特殊ペプチドの物質特許(発明)は、創薬開発権利金の支払いと引き換えに、クライアントに対し提供されますが、この発明はクライアントとは関係なく発生したものであります。

 

 

<用語解説>

*29

第三者サブライセンス権

特許をライセンスするときには、特許権者(ライセンサー)と実施権者(ライセンシー)の関係が生じます。ライセンシーは自己の特許権を強化するために第三者に対する再実施権(サブライセンス)を獲得することが好まれます。

*30

独占実施・許諾権

特許の実施権は独占と非独占があり、独占実施権はより強い効力を持っており、加えて第三者に対する許諾権(再実施権=サブライセンス権)を持つことにより、最も強固な特許契約となります。

*31

特許ポートフォリオ

特許権侵害などの危険性を回避し、自社の特許権を強固なものにするために自社特許権の強み弱点を分析し、複数の特許群で対外的な守りを作り上げること。

*32

特殊な環状化構造

生体内で壊れやすいペプチドの特徴を改善するために開発された環状化構造。通常の環状化構造がジスフィルド環状化結合と呼ばれるのに対して、この構造はチオエーテル環状化構造と呼ばれる。

 

 

(4) 当社のビジネスモデルについて

当社の基本的な共同研究開発契約は、クライアントから標的分子(ターゲットタンパク)を受領し、その標的分子ごとにプロジェクトを設定し、順調に研究開発が進めば一連の複数カテゴリーの売上が立つように設計されております。

次の図(<当社における一般的な共同研究開発契約の内容と流れ>)は、当社がクライアント企業と共同研究開発契約を締結する場合の一般的な当社の売上カテゴリーの流れを示したものです。

当社では、当社の創薬開発プラットフォームシステム:PDPSを使うことに対する対価(テクノロジカルアクセスフィー)としてまず「契約一時金(A)」を受領することを原則としております。さらにその後の研究開発にかかる対価として標的分子ごとに「研究開発支援金(B)」を原則として前受にて受領しております。また、追加業務が発生する場合の対価として「追加研究開発支援金(C)」を標的分子ごとに設定しており、プロジェクトによっては(C)の売上が発生します。当社は、これらの金額を初期のディスカバリーステップ時に受領しているため、事業展開の早期から売上を生み出すことができます。

その後、クライアントでの評価により医薬品候補物質が特定され、クライアントが前臨床試験、臨床試験の段階に進む場合には、当該特殊ペプチドを当社がクライアントにライセンスアウトすることの対価として「創薬開発権利金(D)」が発生します。当社がクライアントに対し、あらかじめ定められた一定の条件をクリアした特殊ペプチドを提供した後(すなわち(B)・(C)より後のフェーズ)は、医薬品候補物質に係る開発の進捗はクライアントに委ねられており、当社でのコントロール及び売上予測は極めて困難になるという特徴があります。

 

 

<当社における一般的な共同研究開発契約の内容と流れ>

(画像は省略されました)


 

(D)以降も引き続き開発が進みクライアントでの評価ステップを経て、臨床試験等の段階に移行すれば、その段階に応じて、各「目標達成報奨金(E)」「売上ロイヤルティ(E)」を当社は受領することになります。「売上ロイヤルティ」では、最終的に上市された医薬品としての売上金額に対して、一定の料率を乗じて得られる額を「売上ロイヤルティ」として当社が受領します。加えて、上市された医薬品の売上高が所定の金額に達した場合には「売上達成報奨金(E)」も受領します。

 

当社の共同研究開発契約の特徴としては、このように初期のディスカバリーステップから、売上が発生する取り決めとなっていることのほかに、最初の契約締結時において契約一時金から売上ロイヤルティまでのすべての売上カテゴリー(P)に関して、それらの金額又は金額の計算方法が原則として確定的に規定されていることが挙げられます。

これまでのビジネスモデルでは、初期のディスカバリーステップは「フィージビリティースタディ」(*33)と評価され、売上が発生しないケースが多かったと認識しておりますが、当社のビジネスモデルでは、早期に売上を生み出すために上記の契約内容で契約を締結することに注力しております。

当社の事業セグメントは、上記のとおり製薬企業との共同研究開発契約をもとにした「アライアンス事業」1本です。共同研究開発の取り組みを通じて、共同研究開発先からの要望により、共同研究開発先との間で当社の創薬開発プラットフォームシステム:PDPS技術を貸与する(技術ライセンス契約の締結)ことがあります。当該契約を締結した場合、当社はその契約内容に応じて種々のライセンスフィーを共同研究開発先から受領します。

 

<用語解説>

*33

フィージビリティースタディ

計画された事業やプロジェクト、技術等が実現可能か否か、利用することに意義や妥当性があるかを多角的に検討すること。

 

 

 

3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 当事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社が判断したものであります。

 

(1) 経営成績

当事業年度において、当社独自の創薬開発プラットフォームシステムであるPDPS(Peptide Discovery Platform System)を活用した3つの事業戦略:①創薬共同研究開発契約、②PDPSの技術ライセンス、③戦略的提携による自社パイプラインの拡充を進めてまいりました。

1つ目の事業戦略であるPDPSを活用した国内外の製薬企業との創薬共同研究開発契約については、2019年12月31日現在、19社(国内製薬企業7社、海外製薬企業12社)との間で契約を締結しております。

2019年11月27日には、当社はMerck & Co. Kenilworth, NJ, U.S.A(以下 米国メルク社)との間で、2015年4月に開始した創薬共同研究開発プログラムにおいて、6つ目のプログラムがあらかじめ設定していたクライテリア(共同研究開発先と合意している生物活性及び物性等の基準の総称)を達成し、マイルストーンフィーを受領することを発表しました。2019年12月16日には、当社は米国ジョンソン・エンド・ジョンソンの医薬品部門である米国ヤンセンファーマ社との間で、2017年4月に開始した創薬共同研究開発プログラムにおいて、1つ目のプログラムがあらかじめ設定していたクライテリアを達成し、マイルストーンフィーを受領することを発表しました。2019年12月19日には、当社は参天製薬株式会社(以下 参天製薬)との間で、2018年9月に開始した創薬共同研究開発プログラムにおいて、1つ目のプログラムがあらかじめ設定していたクライテリアを達成し、マイルストーンフィーを受領することを発表しました。

当事業年度においても、創薬共同研究開発のパートナー企業から複数のプログラムに対して研究開発支援金を継続的に受領しております。

2つ目の事業戦略であるPDPSの技術ライセンスについては、2019年12月31日現在、7社との間で非独占的なライセンス許諾契約を締結しております。当社は、PDPSの非独占的ライセンス許諾に関心をもつ複数の企業との交渉を継続的に進めております。

3つ目の事業戦略である世界中の高い技術を有する創薬企業・バイオベンチャー企業及びアカデミア等の研究機関と戦略的提携を組むことによる自社の医薬品候補化合物(パイプライン)の拡充については、これまで7社との戦略的提携を発表しております。

JSR株式会社(以下 JSR)とは、2019年9月20日に抗体医薬品などのバイオ医薬品の精製過程で用いられるアフィニティクロマトグラフィーに適用可能な特殊ペプチドの共同研究を開始しております。特殊ペプチドを用いた新たなクロマトグラフィー担体の開発・商業化は、バイオ医薬品精製プロセスの簡便化・低コスト化に貢献します。

ビル&メリンダ・ゲイツ財団(以下 ゲイツ財団)とは、2019年11月1日にゲイツ財団から結核に対する新規治療薬開発に関して第2回目の研究支援金を受領することを発表いたしました。2017年11月に受領した初回の研究支援金による取り組みの結果、複数の有望なヒット候補化合物が特定され、次なる開発ステップに向けた検討を進めてまいりました。今回の新たな支援金は、結核治療薬として最も有望なヒット化合物を、前臨床試験を視野に入れて最適化を行い、リード化合物として開発することに充当されます。

以上の結果、当事業年度における売上高は1,037,337千円、営業損失887,168千円、経常損失706,537千円、当期純損失488,464千円となりました。

2019年8月に発表した業績予想に対して、売上高、営業利益、経常利益、当期純利益のすべての項目において業績予想通りの結果となりました。当事業年度は営業損失となりましたが、当事業年度が決算期変更の経過期間となるため従前決算期の前半6ヶ月分のみが対象期間となったことや、クリオとの戦略的共同研究開発が想定以上のスピードで順調に進んだことから、2020年の臨床開発に向けたIND準備試験の費用及び申請費用として約4億円を研究開発費に計上したことが主な要因であり、赤字決算は一時的なものであると考えております。

なお、当社の事業は単一のセグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。

 

(注)当期は決算期変更の経過期間となることから、2019年7月1日から2019年12月31日までの6ヶ月間を対象とした決算となっております。このため、前期比増減については記載しておりません。

 

生産、受注及び販売の実績は、次のとおりであります。

① 生産実績

当社は生産を行っておりませんので、記載を省略しております。

② 受注実績

当社のアライアンス事業による共同研究は受注形態をとっておりませんので、記載を省略しております。

③ 販売実績

当事業年度における販売実績は、次のとおりであります。 

セグメントの名称

当事業年度

(自  2019年7月1日

至  2019年12月31日)

販売高(千円)

前年同期比(%)

アライアンス事業

1,037,337

合計

1,037,337

 

(注) 1.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

2.当期は決算期変更の経過期間となることから、2019年7月1日から2019年12月31日までの6ヶ月間を対象とした決算となっております。このため、前期比増減については記載しておりません。

3.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合

相手先

前事業年度

(自  2018年7月1日

至  2019年6月30日)

販売高

(千円)

割合

(%)

イ社

2,638,921

36.6

ロ社

1,883,333

26.1

ハ社

1,619,090

22.4

 

 

相手先

当事業年度

(自  2019年7月1日

至  2019年12月31日)

販売高

(千円)

割合

(%)

A社

345,833

33.3

B社

186,666

18.0

 

 (注)当社顧客との共同研究開発契約においては秘密保持条項が存在するため、

   社名の公表は控えさせて頂きます。

 

(2) 財政状態

当事業年度末における総資産は前事業年度末に比べ、2,222,864千円減少し、17,817,340千円となりました。この主な要因は、繰延税金資産が215,166千円増加したものの、売掛金の減少2,664,735千円等によるものであります。

負債は前事業年度末に比べ、1,752,099千円減少し、839,050千円となりました。この主な要因は、未払法人税等の減少774,622千円、前受金の減少353,889千円、未払費用の減少332,832千円等によるものであります。

純資産は前事業年度末に比べ、470,764千円減少し、16,978,289千円となりました。この主な要因は、利益剰余金の減少488,464千円によるものであります。

 

 

(3) キャッシュ・フローの状況

当事業年度における現金及び現金同等物の残高は、前事業年度末に比べ133,571千円増加し、6,986,722千円となりました。

当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、次のとおりであります。

営業活動によるキャッシュ・フローは、法人税等の支払額732,402千円、税引前当期純損失の計上706,537千円などがあったものの、売上債権の減少額2,664,735千円、減価償却費の計上246,141千円等により、241,982千円の収入となりました。

投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産の取得による支出120,508千円、無形固定資産の取得による支出17,743千円により、138,251千円の支出となりました。

財務活動によるキャッシュ・フローはありませんでした。

なお、当期は決算期変更の経過期間となることから、2019年7月1日から2019年12月31日までの6ヶ月間を対象とした決算となっております。このため、前期比増減については記載しておりません。

 

(4) 資本の財源及び資金の流動性

財務政策につきましては、当社の事業活動の維持拡大に必要な資金は、手許資金で賄っております。

主な資金需要につきましては、運転資金として製造原価、研究開発費を含む販売費及び一般管理費等があります。また、設備資金として、研究開発のための設備投資等があります。

有価証券報告書提出日現在において支出が予定されている重要な資本的支出はありません。

 

(5) 重要な会計方針及び見積り

当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して作成しております。その作成には経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債や収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要とします。経営者は、これらの見積りについて、過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる可能性があります。

当社の財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 2財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項(重要な会計方針)」に記載しております。

 

(6) 経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等につきましては、「第2 事業の状況1.経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標」に記載のとおりであります。

当事業年度においては、売上高1,000,000千円以上、営業損失900,000千円以上を目標としておりましたが、売上高1,037,337千円、営業損失887,168千円となり、目標を上回る結果となりました。なお、前期は目標としておりました売上高営業利益率については、営業損失の目標であることから当期は目標としておりません。引き続きこれらの指標について、向上できるよう努めてまいります。

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

(1) 経営方針

当社は、独自の創薬プラットフォームシステムPDPS(Peptide Discovery Platform System)を活用し、特殊ペプチドによる創薬を完成させることにより、アンメット・メディカル・ニーズ(未だ有効な治療方法がない医療ニーズ)に応え、世界中にいる疾病で苦しむ方々に貢献することを目的とし、「低分子医薬」、「抗体医薬」に次ぐ第三の「特殊ペプチド医薬」市場の創成に寄与し、世界の医療の進歩に貢献してまいります。

 

(2) 経営戦略等

当社独自の創薬開発プラットフォームシステムであるPDPSを活用した3つの事業戦略:①創薬共同研究開発契約、②PDPSの技術ライセンス、③戦略的提携による自社パイプラインの拡充を進めてまいりました。現在は、前臨床ステージにおける自社ケイパビリティ拡張によって、自社パイプラインの開発を加速させるとともに、より一層、パートナー企業の多様なニーズに応えることができる体制を構築しております。また、医薬品やPDC(Peptide Drug Conjugate: ペプチド-薬物複合体)領域での有望な自社独自ターゲットを含めて、自社の強みを活かせる領域において戦略的、選択的に面の拡大を進めてまいります。特殊ペプチドの可能性については、従来の医薬品や診断薬の領域のみならず、広くヘルスケア領域全般で期待が寄せられており、当社ビジネスモデルとフィットの観点から優先順位を付けつつ、その可能性を最大化してまいります。

 

(3) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標

当社は、収益性の向上を目指しており、経営指標として売上高、営業利益及び営業利益率を重視しております。2020年12月期は売上高10,000百万円以上、営業利益5,300百万円以上、売上高営業利益率53.0%を目標としております。

 

(4) 会社の対処すべき課題

当社は、独自の創薬開発プラットフォームシステム:PDPS(Peptide Discovery Platform System)を活用して、国内外の製薬企業と共同研究開発契約を締結し、特殊ペプチドを活用した創薬を進めております。

当社では、当社が継続企業(ゴーイングコンサーン)として成長し続けるために対処しなければならない課題を以下のように考えております。

 

(営業活動における課題)

当社は、国内外の製薬企業と友好的かつ経済的な相互関係(共同研究開発体制)を築いており、今後さらなる共同研究開発契約も見込まれています。滞りのない共同研究開発体制を維持・拡大するために研究開発体制の整備・充実と連動した戦略的な営業活動が重要だと考えております。

 

(研究開発活動における課題)

当社は、創薬開発プラットフォームシステム:PDPS(Peptide Discovery Platform System)を保有・活用しており、現時点においては大きな技術的優位性があると考えております。また、PDPSより創出される特殊ペプチドの活用は大きな可能性を秘めております。現在、当社では特殊ペプチド医薬とともに、特殊ペプチドを基にしたPDC(Peptide Drug Conjugate: ペプチド-薬物複合体)や低分子医薬の開発を進めております。当社は、自社技術の優位性を確保し続けるため、国内外の製薬企業及び研究機関等との共同研究を推進しつつ、今後も自社内における研究開発及びその体制の強化を進めてまいります。

 

(内部管理・統制における課題)

当社は、継続企業(ゴーイングコンサーン)としての企業体質を構築するためには、コーポレート・ガバナンスの強化が重要な課題の一つであると認識しております。経営の効率化を図り、経営の健全性、透明性を高め、長期的、安定的かつ継続的に株式価値を向上させることが、株主の皆様をはじめ、すべてのステークホルダーの皆様から信頼をいただく条件であると考え、俊敏さも兼ね備えた全社的に効率化された組織についても配慮しながらも業務執行の妥当性、管理機能の効率性・有効性を心がけ、改善に努めてまいります。

 

2 【事業等のリスク】

当社の事業展開その他に関するリスク要因となる可能性があると考えられる主な事項を以下に記載しております。また、当社として必ずしも重要なリスクと考えていない事項及び具体化する可能性が必ずしも高くないと想定される事項についても、投資判断の上で又は当社の事業活動を理解する上で重要と考えられる事項については、投資家に対する積極的な情報開示の観点から開示しております。当社は、これらのリスク発生の可能性を認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対応に努める方針でありますが、リスクの発生をすべて回避できる保証はございません。また、以下の記載内容は当社のリスクすべてを網羅するものではございませんのでご留意ください。

なお、本項記載の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社が判断したものであり、不確実性を内包しているため、実際の結果とは異なる可能性もございます。

 

(1) 事業環境に由来するリスク

① 特殊ペプチドの医薬品としての可能性について

当社の特殊ペプチドは、タンパク質の合成に利用される20種類のL体のアミノ酸のみならず、特殊アミノ酸と呼ばれるD体のアミノ酸やNメチルアミノ酸等を含んでいます。この性質により、当社は多様性のある特殊ペプチドのライブラリーを作製することができ、その中からターゲットタンパクに対して強い結合力・特異性を有し、高い生体内安定性を保ち、細胞膜透過性をも有する特殊ペプチドを創製することができます。

このような特質から、当社の特殊ペプチドは、新たな医薬品候補物質として期待されており、製薬会社との契約に結びついております。

当社の創薬開発プラットフォームシステム(PDPS)が稼働を開始したのは、2010年であります。医薬品は基礎研究から製造販売承認等を取得するまでに、通常、多大な開発費用と10年以上の長い年月を必要とします。当社の特殊ペプチド創薬開発技術は、まだ生まれて日が浅いため、当社の特殊ペプチドからこれまでに新薬が承認された実績はございません。(ただし、自然界に存在する特殊アミノ酸を組み込んだ有機化合物から新薬が承認された実績があります。たとえば、1983年にスイスのSandoz(サンド)社から発売された免疫抑制剤「Sandimmun(サンディミュン)」は、ノルウェー南部のハルダンゲル高原の土壌から発見された真菌が産生していた特殊な構造のペプチド(シクロスポリン)から作られています。)

将来において、当社の特殊ペプチドによる新薬開発実績が生み出せなかった場合や当社の特殊ペプチド創薬技術がクライアントの医薬品開発に貢献できない事態が生じた場合には、当社の事業戦略及び経営成績に影響を及ぼす可能性がございます。

 

② 技術革新について

当社の創薬開発プラットフォームシステム(PDPS)は、特殊ペプチドを医薬品候補物質として運用するために必要となる一連の技術((A)特殊ペプチドを創製し、(B)低分子医薬及び抗体医薬を超える多様性を持ったライブラリーを構築し、(C)高速でスクリーニングを行う技術。)を組み込んでおり、この(A)から(C)のいずれの技術をとってみても、同じくペプチドを医薬品候補物質として扱っている他社の技術と比べ、優位性を保っているものと考えております。

しかしながら、技術は日々進歩するものであり、当社の特許技術に抵触しない技術をもって当社PDPSを上回る技術が開発されることも考えられます。

当社としては、PDPSを継続的に発展させるため、研究開発を積極的に実施し、PDPSに必要な知的財産権の確保に努めていく方針でありますが、当社PDPSを上回る技術が開発された場合には、当社の競争優位性が低下する結果、当社の希望する条件でクライアントとの間で契約を締結することができなくなる可能性が増加するなど、当社の事業戦略及び経営成績に影響を及ぼす可能性がございます。

 

 

(2) 事業内容に由来するリスク

① 特殊ペプチド医薬をベースにした事業であることについて

当社は、従来、特殊ペプチド医薬に特化して事業を展開しておりました。そのため、当社の創薬開発プラットフォームシステム(PDPS)により創製される特殊ペプチドは、新規性・進歩性を有するオリジナリティの高いものであり、容易に代替技術が生まれて当社の存在価値が危ぶまれるような事態になることは想定し難いと考えておりますが、特殊ペプチドに対する製薬企業の評価が変化した場合や当社の特殊ペプチド創薬技術がクライアントの医薬品開発に貢献できない事態が生じた場合には、当社の事業戦略及び経営成績に影響を及ぼす可能性がございます。

近時は特殊ペプチドを探索マーカーとして活用することによって、低分子医薬の開発につなげることができることがわかっており、PDPSの応用範囲が以前に比べて大幅に拡がっております。そのため、特殊ペプチドに特化していた事業内容が変わりつつあり、特殊ペプチドをベースとしてPDPSを創薬研究開発の基盤として当業界に広めていき、特殊ペプチドのみならず低分子医薬の開発にも活用していこうという展開を試みています。こうした、低分子医薬の開発に貢献できない事態が生じた場合には、当社の事業戦略及び経営成績に影響を及ぼす可能性がございます。

 

② 複数の製薬企業との共同研究開発を実施していることについて

本書提出日現在、当社の共同研究開発契約先は19社(国内7社、海外12社)ございます。それぞれの製薬会社は、独自の創薬開発ターゲットを保有しており、当社はその研究開発について提案を受けて推進していくことになりますが、まれに各製薬企業間で創薬開発ターゲットが競合してしまうことがございます。競合が生じた際は、当社が各製薬企業との間に立って差配することによって、トラブルを未然に防止しており、現在までにトラブルが生じた事例はございません。

しかし、今後、その調整が困難になる事態が生じた場合、当社は新たな共同研究開発契約や新たなターゲットタンパクが獲得できないなど、当社の事業戦略及び経営成績に影響を及ぼす可能性がございます。

 

③ 収益計上について

当社の共同研究開発契約に係る売上カテゴリーは、原則として(A)契約一時金(テクノロジカルアクセスフィー)に始まり順次、(B)研究開発支援金、(C)追加研究開発支援金、(D)創薬開発権利金、(E)各種目標達成報奨金(マイルストーンフィー)、(F)売上ロイヤルティー、(G)売上達成報奨金で構成されております。

(A)契約一時金(テクノロジカルアクセスフィー)、(B)研究開発支援金及び(C)追加研究開発支援金は当社の事業活動に依拠する部分が大きいものの、特に(B)及び(C)について、クライアントの方針転換等の影響を受けてプロジェクトが終了し、それ以降の収益が計上できないことがございます。また、(A)は、相対的に(B)及び(C)よりも額が大きく、一度に売上が計上されるため、当社の経営成績は(A)の計上に少なからず影響を受けることになります。

(D)創薬開発権利金や(E)各種目標達成報奨金に至っては、クライアントにおける業務の進行状況に大きく依存するものであり、当社でのコントロールは極めて困難な売上カテゴリーです。

そのため、当社の計画に対してクライアントにおける研究開発の進捗が遅れた場合やクライアントの研究開発方針に変更等があった場合、当社の事業戦略及び経営成績に影響を及ぼす可能性がございます。

 

④ 法的な紛争の可能性について

当社は、事業を展開する上で、第三者の権利若しくは利益を侵害した場合又は侵害していない場合でも相手側が侵害したと考える場合には、損害賠償等の訴訟を提起されるなど法的な紛争が生じる可能性がございます。

本書提出日現在、法的な紛争は生じておりませんが、海外のバイオベンチャー企業1社から当社の事業が同社の特許権に抵触する旨の主張がなされていたこともあり、将来的には同社と法的な紛争に至る可能性があります。また、当社の側から、同社の特許の無効化を図るために先制的に法的な手続きをとる可能性も否定できません。今後、当社と第三者との間に法的な紛争が生じた場合、紛争の解決に労力、時間及び費用を要するほか、法的紛争に伴うレピュテーションリスクにさらされる可能性があり、その場合、当社の事業戦略及び経営成績に影響を及ぼす可能性がございます。

また、将来的な事業展開においては、他社が保有する特許権等への抵触により、事業上の制約を受けるなど、当社の事業戦略及び経営成績に影響を及ぼす可能性がございます。

さらに、これまでのところ当社が製薬企業と共同研究開発した特殊ペプチド医薬品が上市にまで至った事例は未だございませんが、今後、万一、当社が共同研究開発に携わった医薬品において健康被害が引き起こされた場合には、そのネガティブなイメージにより、当社及び当社の創薬開発プラットフォームシステム(PDPS)に対する信頼性に悪影響が生じ、当社の事業戦略及び経営成績に影響を及ぼす可能性がございます。

 

⑤ 経営上の重要な契約について

当社の事業展開上、重要と思われる契約が、当該契約が解除又はその他の事由に基づき終了した場合又は契約の相手方の経営方針が変更された場合には、当社の事業戦略及び経営成績に影響を及ぼす可能性がございます。

なお、共同研究開発契約に係る金員(当社から見たときは売上に該当)は、原則として当社が前金として受領しており、これらの金員について当社は契約が中途終了する場合でも返還義務を負っておりません。その反面、共同研究開発契約先は、契約の解除について任意(自由)に実行することができる契約内容となっております。

 

⑥ 共同研究開発契約先への依存について

当社アライアンス事業における収益は、ほとんどが共同研究開発契約先(クライアント)からのものでありますが、今後、これらのクライアントとの間で新たな標的分子に係る共同研究開発が開始されない場合や、共同研究開発の結果がクライアントの要求水準を満たせない場合には、当社の事業戦略及び経営成績に影響を及ぼす可能性がございます。

また、当社がライセンスアウトしたリード化合物は、クライアントが主体となって臨床試験及び承認申請を行うことになりますが、その進捗と結果が当社の事業戦略及び経営成績に大きな影響を及ぼします。当社は、ライセンスアウト後もクライアントをサポートいたしますが、臨床試験及び承認申請はクライアントが主体となって実施するものであり、当社でコントロールすることはできません。したがって、臨床試験及び承認申請の進捗が当社の予期しない事由により遅滞することや、臨床試験及び承認申請が断念される等の可能性がございます。

さらに、製造販売承認後の販売計画はクライアントに依存しており、クライアントの経営方針や販売計画の変更、経営環境の悪化等により販売計画を達成できない等の可能性がございます。

そのほか、医薬品の研究開発には多額の資金が必要となることから、当業界においては組織再編やM&Aが盛んであり、クライアントにおいて組織再編が実施されることや、競合他社を買収する(競合他社から買収される)ことなど、業界における競争の構図が短期間に塗り替えられる可能性がございます。こうした大規模な企業組織再編が当社のクライアントに生じた場合、当社の事業戦略及び経営成績に影響を及ぼす可能性がございます。

 

⑦ 自社パイプライン(自社創薬)について

当社では、特殊ペプチドの特性を活かした自社パイプライン(自社創薬)の研究開発を進めております。

現在のところ、開発の方向性としては、特殊ペプチドを医薬品として活用するアプローチと特殊ペプチドの持つ優れた選択性を活かして他の薬剤を誘導するPDC(Peptide Drug Conjugate)薬剤を開発するアプローチをとっております。また、特殊ペプチドを探索マーカーとして活用することによって、低分子医薬の開発につなげることができることから、自社パイプラインにおいても低分子医薬品の開発に着手しております。

特殊ペプチドを医薬品として活用する取り組みの成果として2014年4月に新しい抗インフルエンザ剤に係る取り組みについて公表し、2015年2月にはその進捗状況について公表いたしました。その後、2016年6月に従前の特殊環状ペプチドの薬剤活性と体内動態を飛躍的に改良した開発ナンバー「PD-001」を新たな開発候補特殊環状ペプチドと定め、GLPに準拠した原体の入手に伴ってGLP準拠の前臨床試験を行う旨公表しております。

PDCについては、2016年6月期から本格的に着手し、すでに複数の製薬企業と共同研究を進めております。

自社パイプラインについては、研究開発が順調に進展し、臨床試験まで当社の負担で実施する場合には、多額の開発費用を要する状態になる可能性がございます。また、自社パイプラインの研究開発が順調に進展しない場合には、将来の事業化のオプションを一部失う可能性がございます。

 

 

⑧ 他社との戦略的提携・企業買収等の成否について

当社は、競争力の強化及び事業分野の拡大等のため、他社の事業部門の譲受け、他社の買収、他社との業務提携、合弁会社の設立、他社への投資等の戦略的提携など(以下「戦略的提携等」といいます。)を行うことがございます。こうした戦略的提携等については、パートナー企業との思惑に相違が生じて提携・統合が円滑に進まない可能性や当初期待していた効果が得られない可能性、投資した金額の全部又は一部が回収できない可能性等がございます。また、パートナー企業が当社の利益に反する決定を行う可能性があり、パートナー企業が事業戦略を変更した場合など、当社は戦略的提携等の関係を維持することが困難になる可能性もあり、当社の事業戦略及び経営成績に影響を及ぼす可能性がございます。

 

(3) 知的財産権について

① 特許の取得・出願状況について

当社は事業において様々な発明及び特許権を実施しておりますが、これらは当社、国立大学法人東京大学又はニューヨーク州立大学により登録済みになっているものと審査中のものがございます。

しかしながら、出願中の発明すべてについて特許査定がなされるとは限りません。また、特許権を設定登録した場合でも、特許異議申立制度により請求項が無効化される可能性がございます。また、特許権侵害訴訟の提起や特許無効審判が請求されるなど特許権に係る法的な紛争が生じ、当社が実施する権利に何らかの悪影響が生じる可能性がございます。また、当社が実施する特許権を上回る優れた技術の出現により、当社が有する特許権に含まれる技術が陳腐化する可能性がございます。こうした事態が生じた場合には、当社の事業戦略及び経営成績に影響を及ぼす可能性がございます。

その他、当社は、国立大学法人東京大学又はニューヨーク州立大学が出願人である発明又は特許権に関して、契約により第三者サブライセンス権付き独占実施・許諾権を獲得しておりますが、当該契約の内容が変更される場合や、期間満了や解除等により契約が終了した場合等にも、当社の事業戦略及び経営成績に影響を及ぼす可能性がございます。

 

② 職務発明に対する社内対応について

当社の役職員等が創出した職務発明について特許を受ける権利を取得したときは、当社は、当該職務発明の発明者である役職員等に対し、特許法に定める「相当の利益」を支払うことになります。当社では、その取扱いについて社内規則等でルールを定めており、役職員等への周知及び運用を強化しております。しかしながら、職務発明の取扱いにつき、相当の利益の支払請求等の問題が生じた場合には、当社の事業戦略及び経営成績に影響を及ぼす可能性がございます。

 

(4) 医薬品の研究開発事業一般に関するリスク

① 医薬品開発の不確実性について

一般に医薬品の開発には多額の研究開発投資と長い時間を要するだけでなく、その成功確率も他産業に比して著しく低い状況にあります。研究開発の初期段階において有望だと思われる化合物であっても、前臨床試験や臨床試験の過程で有用な効果を発見できないこと等により研究開発が予定通りに進行せず、開発の延長や中止の判断をされることがございます。開発を延長した場合には、追加の資金投入が必要になるほか、特許権の存続期間満了までの期間が短くなり、投資した資金の回収に影響を及ぼします。また、開発を中止した場合には、それまでに投じた研究開発資金が回収できなくなることになります。

 

② 副作用発現に関するリスクについて

医薬品は、臨床試験段階から上市後に至るまで、予期せぬ副作用が発現する可能性がございます。これら予期せぬ副作用が発現した場合、信用力の失墜、訴訟の提起等により、当社の事業戦略及び経営成績に影響を及ぼす可能性がございます。

 

 

③ 薬事法その他の薬事に関する規制について

医薬品業界は、研究、開発、製造及び販売のそれぞれの事業活動において、各国の薬事法(わが国においては「医薬品医療機器等法」)及びその他の関連法規等により、様々な規制を受けております。

現在のところ、当社のパイプラインは研究開発段階にあり、わが国の厚生労働省、アメリカ食品医薬品局(FDA)、欧州医薬品庁(EMA)等から上市のための認可は受けておりませんが、今後、各国の薬事法等の諸規制に基づいて医薬品の製造販売承認申請を行い、承認を取得することを目指しております。

そのため、自社のパイプラインについて上記の規制をクリアするための体制整備が求められることになります。また、各国の薬事法及びその他の関連法規等は随時改定がなされるものであり、これらの変化が当社の生み出す特殊ペプチドにとって有利又は不利に働くことや、さらなる体制の整備・変更を求められる可能性が考えられます。

こうした規制への対応が当社の事業戦略及び経営成績に影響を及ぼすことになります。

 

④ 製造物責任について

医薬品の開発及び製造には、製造物責任のリスクが内在しています。将来、開発したいずれかの医薬品が健康障害を引き起こし、又は臨床試験、製造、営業若しくは販売において不適当な事象が発見された場合、当社は製造物責任を負うこととなり、当社の事業戦略及び経営成績に影響を及ぼす可能性がございます。

また、製造物責任賠償請求がなされることによるネガティブなイメージにより、当社及び当社の医薬品に対する信頼に悪影響が生じ、当社の事業戦略及び経営成績に影響を及ぼす可能性がございます。

 

⑤ 医薬品行政について

医療用医薬品の販売価格は、日本及びその他各国政府の薬価に関する規制の影響を受けます。当社では、これまでのところ自社で臨床試験を実施したことがなく、早期に開発候補化合物をクライアントに導出する方針を採用しております。そのため、当社は薬価戦略についてはクライアントに依存しており、日本及びその他各国政府の薬価政策の影響を間接的に受ける立場にあります。当社の開発候補化合物が上市された場合において、当該医薬品にとってネガティブな薬価改定やその他の医療保険制度の改定があった場合は、当社の事業戦略及び経営成績に影響を及ぼす可能性がございます。

 

(5) 人材及び組織に由来するリスク

当社は、創薬基盤技術の深化、創薬研究開発の進展を図るには、研究開発分野における専門的な知識・技能をもった優秀な人材の確保が必要であると考えております。

当社の想定した人材の確保に支障が生じた場合、又は優秀な人材の社外流出が生じた場合には、当社の事業戦略及び経営成績に影響を及ぼす可能性がございます。

 

(6) その他に由来するリスク

① 新株予約権の行使による株式価値の希薄化について

当社は、役員、従業員及び取引先等に対し新株予約権を付与しております。これらの新株予約権が権利行使された場合、当社株式が新たに発行され、既存の株主が有する株式の価値及び議決権割合が希薄化する可能性がございます。本書提出日現在、権利行使が可能な状態にある新株予約権による潜在株式数は4,100,000株であり、発行済株式数及び潜在株式数の合計の3.15%に相当しております。

 

② 配当政策について

当社は配当による株主様への利益還元も重要な経営課題だと認識しております。

当社は、将来においても安定的な収益の獲得が可能であり、かつ、研究開発資金を賄うに十分な利益が確保できる場合には、将来の研究開発活動等に備えるための内部留保充実の必要性等を総合的に勘案した上で、利益配当についても検討してまいります。

 

 

③ 情報管理について

当社の事業は、クライアントである製薬企業からターゲットタンパクの情報を預かる立場にあります。そのため、当社は、当社の従業員との間において顧客情報を含む会社の情報に係る誓約書を徴求し、会社情報の漏えいの未然防止に努めております。

しかしながら、万一顧客の情報を含む会社の情報が外部に漏えいした場合は、当社の信用低下を招き、当社の事業等に影響を及ぼす可能性がございます。

 

④ 外国為替相場の変動について

当社のクライアントには海外の製薬企業が多いことから、売上高の多くが外国通貨建て(主に米ドル建て)となっており、為替変動の影響を受けます。したがって、為替相場が変動した場合には、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼすことになります。

 

⑤ 気候変動による自然災害等の発生について

当社は、神奈川県川崎市川崎区殿町に本社・研究所を設置しており、事業活動や研究開発活動に関する設備及び人員が現所在地に集中しております。周辺には多摩川が流れており、気候変動に伴う洪水や津波などの水害等の自然災害が発生し、当社設備の損壊、各種インフラの供給制限等の不測の事態が発生した場合には、当社の事業戦略及び経営成績に影響を及ぼす可能性がございます。

 

感染症等の発生について

当社は、事業活動や研究開発活動に必要な設備及び機能が本社・研究所に集中しており、在宅勤務等へのシフトによって本社研究所以外の場所で継続できる業務が一部のオフィス業務に限定されます。従って、指定感染症等が発生し、本社・研究所の一時閉鎖等の不測の事態が発生した場合には、当社の事業活動及び経営成績に影響を及ぼす可能性がございます。

 

⑦ CDMO(Contract Development and Manufacturing Organization:医薬品製造受託機関)への出資について

当社は、2017年9月に塩野義製薬株式会社・積水化学工業株式会社とともに合弁会社としてCDMO(商号:「ペプチスター株式会社 」。以下「ペプチスター」といいます。)を大阪府摂津市に設立いたしました。

現在、特殊ペプチド医薬品の研究開発が国内外の製薬企業において進められていますが、高品質な特殊ペプチド原薬を低コストで安定供給できるCDMOが世界的に見ても存在しておりません。こうした状況のもと、特殊ペプチド医薬品について専門的な技術を持つCDMOを設立することは、当社の事業の推進に、ひいては特殊ペプチド医薬品市場の拡大に貢献できるものと考えております。合弁事業に参画する各国内企業が持つ最先端技術をこのペプチスターに戦略的に結集することで、特殊ペプチド医薬品の開発・販売に係るボトルネックの解消を目指してまいります。

当社は、ペプチスターに対し19億円の出資をしており、ペプチスターへの出資比率は当社、塩野義製薬、積水化学工業の3社ともに17.3%となります。また、当社はペプチスターの債務に対して債務保証をしていることから、ペプチスターは当社の関連会社となります。そのため、当社が投資時点において想定したとおりにペプチスターが事業を展開できない場合、株式の減損処理が発生するなど、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性がございます。

 

⑧ 保有投資有価証券について

当社では、共同研究開発を加速させる目的で投資有価証券を保有しております。投資有価証券の評価は、株式発行会社の財政状態・経営成績等の状況によって判断されるため、実質価額の低下により減損処理を行うこととなった場合には、投資有価証券評価損の計上により当社の経営成績に影響を及ぼす可能性がございます。

 

 

⑨ 風説・風評の発生

当社や当社の関係者、当社の取引先等に対する否定的な風説や風評が、マスコミ報道、アナリストレポートやインターネット上の書き込み等により発生・流布した場合、それが正確な事実に基づいたものであるか否かにかかわらず、当社の社会的信用に影響を与える可能性がございます。当社や当社の関係者、当社の取引先等に対して否定的な風説・風評が流布した場合には、そのネガティブなイメージにより、当社に対する信頼性に悪影響が生じ、当社の事業戦略及び経営成績に影響を及ぼす可能性がございます。

 

 

2 【沿革】

2005年7月に、株式会社東京大学エッジキャピタル(UTEC)及び株式会社東京大学TLO(CASTI)の紹介にて、菅裕明(当社のコア技術・フレキシザイムの開発者であり、当社元社外取締役)と窪田規一(現当社取締役会長)が出会いました。技術的には伍していても、事業としては欧米の後塵を拝し、閉塞感のある日本のバイオ業界の現状に対し、新しい創薬の方向について語り合い、お互いに一つの夢を共有するに至りました。「日本発・世界初の新薬を創出し社会に貢献したい」という共通の夢から、バイオ創薬における独創的な製薬メーカーに成長することを標榜し、2006年7月に東京大学先端科学技術研究センターの国際・産学共同研究センターにて当社は設立されました。そして、「フレキシザイム技術」に始まる独自の知的財産の強みを最大限に生かしたビジネスモデルを構築することができました。
 当社は、当社のモットーである"Our Dreams can come TRUE !"に沿って「日本発・世界初の新薬を創出し社会に貢献したい」という夢に向かって着実に歩んでおります。
 当社設立以後の変遷は、以下のとおりであります。

 

年月

概要

2006年7月

東京都千代田区において当社設立(ラボは東京大学先端科学技術研究センター内)

2006年12月

国立大学法人東京大学とフレキシザイムを中心とした包括的な第三者へのサブライセンス権付き独占実施・許諾権を取得

2007年5月

ニューヨーク州立大学とフレキシザイム開発に係る基本特許に関して第三者へのサブライセンス権付き独占実施・許諾権を取得

2007年5月

英国・Cambridge Antibody Technology Ltd.(現MedImmune Ltd.)と基礎技術に関する基礎研究契約を締結(第一次契約)

2009年3月

英国・MedImmune Ltd.と技術に関する共同研究開発契約を締結(第二次契約)

2009年3月

本社を東京都目黒区(東京大学先端科学技術研究センター内)に移転

2010年4月

本社及びラボ機能を東京都目黒区(東京大学駒場リサーチキャンパスKOL内)に移転

2010年10月

Bristol-Myers Squibb Company(米国ブリストル・マイヤーズ スクイブ社)と創薬開発に関する共同研究開発契約を締結

2010年11月

AMGEN Inc.(米国アムジェン社)と創薬開発に関する共同研究開発契約を締結

2010年12月

田辺三菱製薬㈱と創薬開発に関する共同研究開発契約を締結

2011年9月

内閣府及び各省等主催の第10回「産学官連携推進会議」において産学官連携功労者として「日本学術会議会長賞」を受賞

2012年7月

第一三共㈱と創薬開発に関する共同研究開発契約を締結

2012年9月

AstraZeneca Plc.(英国アストラゼネカ社)と創薬開発に関する共同研究開発契約を締結(第三次契約:MedImmune Ltd.からの継承)

2012年9月

GlaxoSmithKline Plc.(英国グラクソ・スミスクライン社)と創薬開発に関する共同研究開発契約を締結

2012年11月

Novartis Pharma AG(スイスノバルティス社)と創薬開発に関する共同研究開発契約を締結

2013年1月

フジサンケイビジネスアイ(日本工業新聞社)主催の第8回「日本バイオベンチャー大賞」(後援:経済産業省、文部科学省、関西経済連合会等)において「大賞」を受賞

2013年3月

IPSEN,S.A.S(仏国イプセン社)と創薬研究に関する共同研究契約を締結

2013年4月

公益財団法人東京都医学総合研究所と受託研究契約を締結

2013年6月

株式会社東京証券取引所マザーズ市場に上場

2013年9月

Bristol-Myers Squibb Company(米国ブリストル・マイヤーズ スクイブ社)とPDPS技術ライセンス契約を締結(技術貸与の実施)

2013年12月

Eli Lilly and Company(米国イーライリリー・アンド・カンパニー社)と創薬開発に関する共同研究開発契約を締結

2014年3月

特定非営利活動法人ビジネスモデル学会において第2回「ビジネスモデル大賞」を受賞

2015年1月

一般社団法人日本経済団体連合会に入会

2015年4月

Novartis Pharma AG(スイスノバルティス社)とPDPS技術ライセンス契約を合意(技術貸与の実施)

2015年4月

Merck Sharp and Dohme(米国メルク・アンド・カンパニー社)と創薬開発に関する共同研究開発契約を締結

 

 

年月

概要

2015年9月

Sanofi S.A.(仏国サノフィ社)と創薬開発に関する共同研究開発契約を締結

2015年9月

帝人ファーマ㈱と創薬開発に関する共同研究開発契約を締結

2015年11月

杏林製薬㈱と創薬開発に関する共同研究開発契約を締結

2015年12月

東京証券取引所市場第一部に市場変更

2015年12月

Genentech, Inc.(米国ジェネンテック社)と創薬研究開発に関する共同研究開発契約を締結

2016年2月

塩野義製薬㈱と創薬開発に関する共同研究開発契約を締結

2016年2月

ベンチャー創造協議会・経済産業省・日本ニュービジネス協議会連合会・東京ニュービジネス協議会(Connect!)主催の第2回「日本ベンチャー大賞」において「内閣総理大臣賞」を受賞

2016年3月

Eli Lilly and Company(米国イーライリリー・アンド・カンパニー社)とPDPS技術ライセンス契約を締結(技術貸与の実施)

2016年3月

旭化成ファーマ㈱と創薬開発に関する共同研究開発契約を締結

2016年7月

Genentech, Inc. (米国ジェネンテック社)とPDPS技術ライセンス契約を締結(技術貸与の実施)

2017年4月

Janssen Pharmaceuticals, inc. (米国ヤンセン社)と創薬開発に関する共同研究開発契約を締結

2017年6月

塩野義製薬㈱とPDPS技術ライセンス契約を締結(技術貸与の実施)

2017年7月

本社・研究所を東京都目黒区(東京大学先端科学研究センター内)から神奈川県川崎市に移転

2017年9月

塩野義製薬㈱及び積水化学㈱と合弁でペプチスター株式会社を設立

2017年11月

Bayer AG(独バイエルAG社)と創薬開発に関する共同研究開発契約を締結

2018年6月

Genentech, Inc.(米国ジェネンテック社)との創薬開発に関する共同研究開発契約の拡大契約を締結

2018年6月

Merck & Co., Inc., Kenilworth, N.J., U.S.A.(米国メルク・アンド・カンパニー社)とPDPS技術ライセンス契約を締結(技術貸与の実施)

2018年9月

参天製薬㈱と創薬開発に関する包括的創薬共同研究開発契約を締結

2019年1月

塩野義製薬㈱とPDCに関する共同研究契約を締結

2019年3月

ポーラ化成工業㈱と化粧品、医薬部外品および医薬品の共同研究、共同開発および商業化に関する覚書を締結

2019年6月

Novartis AG (スイスノバルティス社)とPDCに関する共同研究開発契約を締結

 

 

 

(5) 【所有者別状況】

2019年12月31日現在

区分

株式の状況(1単元の株式数 100株)

単元未満
株式の状況
(株)

政府及び
地方公共
団体

金融機関

金融商品
取引業者

その他の
法人

外国法人等

個人
その他

個人以外

個人

株主数
(人)

40

44

145

523

18

15,902

16,672

所有株式数
(単元)

247,441

12,278

9,941

494,648

43,105

445,469

1,252,882

22,200

所有株式数
の割合(%)

19.749

0.979

0.793

39.480

3.440

35.555

100.000

 

 

3 【配当政策】

一般には、バイオベンチャー企業の場合は研究開発活動のために剰余金は内部留保に充当すべきとの考え方も存在します。しかしながら、当社においては配当による株主様への利益還元も重要な経営課題だと認識しております。

当社は、将来においても安定的な収益の獲得が可能であり、かつ、研究開発資金を賄うに十分な利益が確保できる場合には、将来の研究開発活動等に備えるための内部留保充実の必要性等を総合的に勘案した上で、利益配当についても検討してまいります。

なお、当社は「剰余金の配当等会社法第459条第1項各号に定める事項については、法令に別段の定めがある場合を除き、取締役会の決議により定めることができる」旨を定款に定めております。

また、当社は「会社法第454条第5項の規定に基づき、取締役会の決議をもって中間配当を行うことができる」旨定款に定めております。

 

 

 

(2) 【役員の状況】

① 役員一覧

男性 7名 女性 -名 (役員のうち女性の比率 -%)

役職名

氏名

生年月日

略歴

任期

所有株式数

(株)

取締役会長

窪田 規一

1953年4月10日

1976年4月

日産自動車㈱ 入社

1978年7月

㈱スペシアルレファレンスラボラトリー(現㈱エスアールエル) 入社

2000年11月

㈱JGS設立 専務取締役

2001年4月

同社 代表取締役社長

2006年7月

当社設立

代表取締役社長

2017年9月

ペプチスター株式会社設立

代表取締役社長

2017年9月

当社 代表取締役会長

2019年9月

当社 取締役会長(現任)

(注)2

14,106,400

代表取締役社長

リード・
パトリック

1975年1月14日

2003年8月

Dartmouth Medical School

NRSA Post-doctoral Fellow

2004年4月
 

国立大学法人東京大学先端科学技術研究センター 特任助教授

2005年1月

国立大学法人東京大学国際産学共同研究センター 客員助教授

2006年4月

国立大学法人東京大学国際産学共同研究センター 特任助教授

2007年1月

当社 入社

2008年8月

当社 取締役

2012年5月

当社 取締役研究開発部長

2012年9月

当社 常務取締役研究開発部長

2014年7月

当社 常務取締役研究開発部担当

2017年9月

当社 代表取締役社長(現任)

(注)2

4,300,000

取締役副社長

舛屋 圭一

1969年4月2日

1998年4月

三菱化学株式会社 入社

2001年9月

ノバルティス ファーマ株式会社 入社

2006年4月

Novartis International AG 入社

2008年11月

同社 Head of PPI Drug Discovery and Novartis Leading Scientist

2014年7月

当社 入社 研究開発部長

2015年9月

当社 取締役研究開発部長

2018年3月

当社 取締役エグゼクティブ・ヴァイスプレジデント

2018年10月

当社 取締役副社長(現任)

(注)2

取締役副社長

金城 聖文

1977年8月16日

2003年4月

日本学術振興会特別研究員(DC)

2005年4月

国立大学法人東京大学国際産学共同研究センター研究員

2006年4月

株式会社ボストン・コンサルティング・グループ(BCG) 入社

2016年1月

同社 パートナー&マネージングディレクター

2018年1月

当社 入社 エグゼクティブ・ヴァイスプレジデント

2018年10月

当社 取締役副社長(現任)

(注)2

 

 

役職名

氏名

生年月日

略歴

任期

所有株式数

(株)

取締役
(常勤監査等委員)

笹岡 三千雄

1949年7月16日

1978年9月

Massachusetts Institute of
Technology
Postdoctoral Research Associate

1980年10月

大塚化学㈱ 入社

1988年1月

同社 合成研究室長

2003年11月

同社 探索研究所所長

2007年3月

同社 常務執行役員

2009年8月

同社 顧問

2012年5月

当社 監査役

2015年9月

当社 取締役(監査等委員)(現任)

(注)3

200,000

取締役
(監査等委員)

長江 敏男

1943年12月2日

1967年4月

塩野義製薬株式会社 入社

1970年10月

アイ・シー・アイファーマ株式会社(現 アストラゼネカ株式会社)入社

1981年6月

シェリング・プラウ株式会社 入社

1997年5月

ローヌ・プーランローラー株式会社(現サノフィ株式会社) 入社

2000年1月

アベンティスファーマ株式会社 執行役員(現サノフィ株式会社)

2003年5月

株式会社シミックエムピーエスエス(現シミック・アッシュフィールド株式会社) 代表取締役社長

2003年6月

株式会社PCN 代表取締役社長兼任(現株式会社ヘルスクリック)

2005年10月

ヨーク・ファーマ株式会社 代表取締役社長

2010年1月

Pharma Business Consultant 設立 代表(現任)

2014年4月

岐阜薬科大学 客員教授(現任)

2015年9月

当社 取締役(監査等委員)(現任)

2017年6月

ヒューマン・メタボローム・テクノロジーズ株式会社取締役(監査等委員)(現任)

(注)3

7,600

取締役
(監査等委員)

花房 幸範

1975年5月10日

1998年4月

青山監査法人 入所

2001年7月

公認会計士登録

2009年8月

アカウンティングワークス株式会社設立代表取締役(現任)

2014年6月

鳥取ガス株式会社監査役(現任)

2014年9月

学校法人鳥取学園監事(現任)

2015年3月

アークランドサービス株式会社監査役

2016年3月

アークランドサービス株式会社取締役(監査等委員)(現任)

2017年9月

当社 取締役(監査等委員)(現任)

2018年5月

株式会社ギフト監査役(現任)

(注)3

18,614,000

 

(注) 1.取締役 笹岡三千雄氏、長江敏男氏、花房幸範氏の3名は、社外取締役であります。

2.取締役の任期は、2020年3月27日開催の定時株主総会終結の時から1年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時株主総会の終結の時までであります。

3.取締役である監査等委員の任期は、2019年9月26日開催の定時株主総会終結の時から2年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時株主総会の終結の時までであります。

4.監査等委員会の体制は、次のとおりであります。

  委員長 笹岡三千雄氏 委員 長江敏男氏 委員 花房幸範氏

 

 

② 社外役員の状況

ア 員数

当社の社外取締役は3名であり、うち3名が監査等委員であります。

イ 当社との人的関係、資本的関係又は取引関係その他の利害関係

社外取締役(監査等委員)である笹岡三千雄氏は、当社株式200,000株を所有しております。

社外取締役(監査等委員)である長江敏男氏は、ヒューマン・メタボローム・テクノロジーズ株式会社取締役(監査等委員)を兼務しております。当社とヒューマン・メタボローム・テクノロジーズ株式会社との間には特別な利害関係はありません。また、同氏は、当社株式7,600株を所有しております。

社外取締役(監査等委員)である花房幸範氏は、アカウンティングワークス株式会社代表取締役、鳥取ガス株式会社監査役、学校法人鳥取学園監事、アークランドサービス株式会社取締役(監査等委員)及び株式会社ギフト取締役(監査等委員)を兼務しております。当社とアカウンティングワークス株式会社、鳥取ガス株式会社、学校法人鳥取学園、アークランドサービス株式会社及び株式会社ギフトとの間には特別な利害関係はありません。

ウ 企業統治において果たす機能及び役割並びに独立性に関する基準又は方針の内容及び選任状況に関する考え方

各監査等委員である社外取締役は、経営、創薬、財務・会計に関する相当程度の知見を有しており、実効性の高い監督・監査機能を果たすことが期待できるものと考えております。

当社は、社外取締役を選任するための独立性に関する基準又は方針として明確に定めたものはありませんが、東京証券取引所の定める独立役員制度を参考にしており、笹岡三千雄氏、長江敏男氏及び花房幸範氏を同取引所に独立役員として届け出ております。

 

③ 社外取締役による監督並びに内部統制部門との関係、監査等委員である社外取締役と内部監査、監査等委員会監査及び会計監査との相互連携

社外取締役は、取締役会に出席し意見を述べることにより、取締役の業務執行状況を監督し経営の監視機能を果たすとともに、適宜内部統制部門に対する質疑等を行っております。また、監査等委員である社外取締役については、監査等委員会監査基準に基づき監査を実施しております。

内部監査、監査等委員会監査及び会計監査との相互連携については、「(3)監査の状況 ① 監査等委員会の状況」に記載のとおりです。

 

 

4 【関係会社の状況】

 

名称

住所

資本金

又は

出資金
(千円)

主要な事業
の内容

議決権の所有(又は被所有)
割合(%)

関係内容

(関連会社)

 

 

 

 

 

ペプチスター株式会社

大阪府摂津市

5,485,000

特殊ペプチド原薬の研究開発、製造及び販売

直接
17.3

債務保証あり

 

(注) 有価証券届出書又は有価証券報告書を提出している会社はありません。

 

【売上原価明細書】

 

 

 

前事業年度

(自 2018年7月1日

至 2019年6月30日)

当事業年度

(自 2019年7月1日

至 2019年12月31日)

区分

注記
番号

金額(千円)

構成比
(%)

金額(千円)

構成比
(%)

Ⅰ  材料費

264,137

16.0

180,815

26.9

Ⅱ  労務費

 

565,758

34.3

206,007

30.7

Ⅲ  経費

 

821,357

49.7

284,531

42.4

   (うち、減価償却費)

 

(253,114)

 

(122,491)

 

    当期売上原価

 

1,651,254

100.0

671,355

100.0

 

 (注)※ 材料費には主要材料の他、貯蔵品の当期消費分を含んでおります。

※1 販売費及び一般管理費の主要な費目及び金額は、次のとおりであります。

 

当第2四半期累計期間
(自 2020年1月1日
  至 2020年6月30日)

役員報酬

103,800

千円

研究開発費

649,032

千円

 

 

1 【設備投資等の概要】

当事業年度の設備投資については、研究開発の充実・強化などを目的として総額140,642千円の設備投資を実施いたしました。

 

株価(1年)
期間を変更
PER(1年/会予)
期間を変更

その他企業情報

企業価値546,458 百万円
純有利子負債-7,324 百万円
EBITDA・会予1,433 百万円
株数(自己株控除後)125,716,748 株
設備投資額141 百万円
減価償却費246 百万円
のれん償却費10 百万円
研究開発費893 百万円
代表者代表取締役社長      リード・パトリック
資本金3,934 百万円
住所神奈川県川崎市川崎区殿町三丁目25番23号
会社HPhttps://www.peptidream.com/

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