1年高値2,138 円
1年安値1,220 円
出来高0 株
市場マザーズ
業種医薬品
会計日本
EV/EBITDAN/A
PBR6.6 倍
PSR・会予N/A
ROAN/A
ROICN/A
営利率N/A
決算12月末
設立日2011/2/24
上場日2015/6/16
配当・会予0.0 円
配当性向0.0 %
PEGレシオN/A
売上高(百万円)&収益性(%)
売上3y CAGR・実績:-47.5 %
利益(百万円)
営利 CAGR・実績:N/A %
純利 CAGR・実績:N/A %
EPS(円) BPS(円)
配当(円)
健全性(%、倍)
セグメント別売上
単一セグメント、もしくはIFRS / USGAAPのため、データがありません。
セグメント別売上
単一セグメント、もしくはIFRS / USGAAPのため、データがありません。
セグメント別利益率
単一セグメント、もしくはIFRS / USGAAPのため、データがありません。
会社の詳細

3【事業の内容】

当社は、「『生きる』を増やす。爆発的に。」というミッションの下、幹細胞技術をもって難治性疾患を罹患された方々に治癒と希望を届けるべく、体性幹細胞再生医薬品分野、及びiPS細胞に関連する技術を活用した再生医療等製品(iPSC再生医薬品)の研究・開発・製造を行うiPSC再生医薬品分野において事業を推進しております。

なお、当社の事業セグメントは、医薬品事業のみの単一セグメントであります。

 

以下の表は、当事業年度末現在の当社の開発品並びにその適応症、市場、開発段階及び進捗状況を示しております。

なお、製品の開発に際しては様々なリスクを伴うため、当社として各製品に関する製造販売承認の取得又はその時期を保証できるものではありません。当社製品の開発リスクの概要については、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」のとおりであります。

(画像は省略されました)

 

(画像は省略されました)

(注)1.「前臨床試験」、「第Ⅰ相試験」、「第Ⅱ相試験」及び「第Ⅲ相試験」とは、医薬品の製造販売承認を得るために必要となる試験の各段階を示すものであります。

2.「HLCM051」、「HLCR011」及び「HLCL041」は、薬機法で新設された早期承認制度に基づいた承認の取得を目指しております。従って、従来の医薬品のような開発の相(第Ⅰ相、第Ⅱ相、第Ⅲ相)の考え方は適用されません。

 

(1)体性幹細胞再生医薬品分野

① 概要

体性幹細胞再生医薬品は、生体のさまざまな組織にある幹細胞である「体性幹細胞」を利用して、現在有効な治療法のない疾患等に対する新たな治療法を開発することを目的とする製品です。

なお、体性幹細胞には、神経幹細胞、間葉系幹細胞、造血幹細胞など複数の種類があり、生体のさまざまな組織に存在します。限定された種類の細胞にのみ分化(細胞が特定の機能を持った細胞に成熟することをいいます。)するものや、複数の種類の細胞に分化するものもありますが、iPS細胞等との比較においては、分化する細胞の種類は一般に限られています。

 

② 体性幹細胞再生医薬品分野のパイプライン(HLCM051)

(i)日本向け脳梗塞急性期に対する治療法開発

当社は、2016年1月、新規パイプラインとしてHLCM051を導入いたしました。これは、米国Athersys, Inc.(以下、アサシス社といいます。)が特許権・特許実施許諾権を有する幹細胞製品MultiStem®を用いた脳梗塞に対する細胞治療医薬品の開発・販売に関する国内の独占的なライセンス契約を締結したことによるものです。

当該ライセンス契約に基づき、当社はアサシス社に対して、開発段階に応じた開発マイルストンとして最大で合計30百万米ドルを支払います。また、発売後は、アサシス社は当社に製品を供給し、当社はアサシス社に対して、販売額に応じたランニングロイヤルティを支払います。

同製品の販売に関しては、自社あるいはアライアンスによる販売体制の構築の検討を進めています。

 

本パイプラインの対象疾患である脳梗塞は、脳の血管が詰まることにより、その先に酸素や栄養分が届かなくなり、詰まった先の神経細胞が時間の経過とともに壊死していく病気です。日本の年間発症患者数は23万人~33万人(総務省資料及びDatamonitor等を基に当社推定)、死亡者数は年間約6万2千人(厚生労働省 人口動態統計)と推定され、発症した患者さんの中には死亡を免れても機能障害が残り、寝たきりや日常生活に介護が必要となる場合があることが知られています。

脳梗塞に対しては、脳の血管に詰まった血の塊を溶かす血栓溶解剤t-PAを用いた治療が行われていますが、血栓溶解剤の処方は発症後4時間半以内に限定されており、脳梗塞発症後に治療できる時間がより長い新薬の開発が待たれる疾患領域となっています。アサシス社が創製した幹細胞製品MultiStemは、静脈注射により投与され、脾臓に分布して炎症免疫細胞の活性化を抑制する事により炎症や免疫反応を抑えて神経細胞の損傷を抑制し、神経保護物質を産生して治療効果を発揮すると考えられています。

本製品は、すでにアサシス社によって欧米にて第Ⅱ相試験が行われており、脳梗塞発症後36時間以内の患者さんに対する治療法となりうる可能性が示されております。当社は、この欧米での試験結果を参考とし、脳梗塞発症後18時間から36時間以内の患者さんを対象とした、有効性及び安全性を検討するプラセボ対照二重盲検第Ⅱ/Ⅲ相試験(治験名称:TREASURE試験)を実施しております。2017年11月より被験者への投与が開始され、治験終了は2020年中を見込んでおります。

なお、本治験の情報について、米国国立医学図書館が管理するウェブサイト“ClinicalTrials.gov”に登録・公開をしております。(https://clinicaltrials.gov/ct2/show/NCT02961504)

 

(ⅱ) 日本向け急性呼吸窮迫症候群(ARDS)に対する治療法開発

当社は2018年5月、アサシス社とのライセンス契約拡大により、同社の創製した幹細胞製品MultiStemを用いたARDSに対する治療法の日本国内における開発・販売権を獲得し、新規に開発を開始いたしました。

当該ライセンス契約に基づき、当社はアサシス社に対して開発段階に応じた開発マイルストンとして最大30百万米ドルを支払います。また発売後は、アサシス社は当社に製品を供給し、当社はアサシス社に対して販売額に応じたランニングロイヤルティを支払います。

急性呼吸窮迫症候群(ARDS)は、単一の疾患ではなく、基礎疾患や外傷などによって好中球等の免疫系が過剰に誘発され、炎症を起こすことにより肺が傷害を受け肺水腫となり、その結果、重度の呼吸不全となる症状の総称です。日本国内での年間発症患者数は、調査手法により7千人から12千人程度(日本救急医学会雑誌2007; 18(6): 219-228及びJAMA.2016;315(8):788-800を基に当社推定)とされ、死亡率が30~58%(ARDS診療ガイドライン2016)と、予後が非常に悪い病気です。

ARDSに対する治療として、集中治療室で人工呼吸器を用いた呼吸管理を中心とする全身管理が行われます。ただし、人工呼吸器の使用が長期化すると、患者の予後が悪くなることが知られています。また薬物治療も行われますが、対症療法であり、患者の生命予後を改善する治療薬はありません。そのため、ARDSは非常にアンメットメディカルニーズが高く、新たな治療の選択肢が望まれている疾患と言えます。

当社が開発を進めるARDSに対する新規の細胞治療法は、現在実施中の脳梗塞急性期患者を対象とした臨床試験と同様に、アサシス社が創製した幹細胞製品MultiStemを、ARDSと診断された患者に一定の時間内に静脈投与するものです。MultiStemは、炎症性T細胞を中心とした炎症免疫細胞の活性化を抑制することにより、肺での過剰炎症や毛細血管内皮の損傷を抑制し、肺水腫の状態を改善することで呼吸機能を正常化する効果があると考えられています。その結果、ARDS患者における人工呼吸器の使用期間を減らす、または死亡率を低下させる可能性があると考えられます。

アサシス社は、欧米においてARDS患者に対するMultiStemの安全性と有効性を探索する第Ⅰ/Ⅱ相試験を実施しており、2019年1月には結果速報が発表されました。本試験は統計的に有意差を検出することを目的とはしていませんでしたが、ARDS患者20人に対してMultiStemを、10人に対してプラセボを投与して実施した第Ⅱ相二重盲検試験において、死亡率、投与後28日間の人工呼吸器を使用しなかった日数及び集中治療室での管理を必要としなかった日数などの指標においてMultiStem投与群では改善傾向が見られました。

当社は、2018年10月、日本国内における肺炎を原因疾患とするARDSを適応疾患とした臨床試験の実施につき治験計画届書を提出し、治験段階に入っております。本治験の情報は、米国国立医学図書館が管理するウェブサイト“ClinicalTrials.gov”に登録・公開をしております(https://clinicaltrials.gov/ct2/show/NCT03807804)

 

(2)iPSC再生医薬品分野

① 概要

iPSC再生医薬品は、iPS細胞を分化誘導(細胞を特定の機能を持った細胞、例えば神経細胞・皮膚細胞などに人為的に変化させることをいいます。)して作製した人体と近似の機能を持つ細胞を移植することによって、機能不全に陥った細胞等を置換して機能を回復することを目的とする製品であります。

iPS細胞(人工多能性幹細胞)とは、2006年に国立大学法人京都大学(以下、京都大学といいます。)の山中伸弥教授が世界で初めて作製に成功し、2012年にその功績からノーベル生理学・医学賞を受賞したことで広く知られるようになった、皮膚などの体細胞にいくつかの遺伝子(山中因子)を導入することによって作り出される、様々な組織や臓器の細胞に分化する能力(多能性)と、ほぼ無限に増殖する能力(増殖能)を持った細胞であります。

ヒトの体は約60兆個の細胞からなりますが、それらの細胞は全て元々一つの細胞であった受精卵が細胞分裂を繰り返し、それぞれ臓器・器官等を構成する細胞へと分化したものであります。受精卵が特定の細胞に分化していく流れは一方通行であり、従来の技術では一度分化した細胞を分化する前の細胞に戻すことはできませんでした。ところが、皮膚細胞などの成熟した細胞にいくつかの遺伝子を導入することにより、新たに様々な細胞に分化する能力(多能性)とほぼ無限に増殖する能力(増殖能)を持たせることに成功したものがiPS細胞であります。iPS細胞のような多能性幹細胞は、いずれも自然に特定の細胞に分化していく訳ではないため、特定の細胞に分化を誘導するためにはiPS細胞の作製とは別の技術が必要となります。

加えて、近年、細胞医薬品分野においては、罹患者自身から採取した細胞(自家細胞)由来の幹細胞を用いたもののみならず、安全性が確認された他人の細胞(他家細胞)由来の幹細胞を活用した医薬品などの研究開発が進んでおります。

 

② iPSC再生医薬品分野のパイプライン(HLCR011、HLCR012、HLCL041)

(i)日本向け他家iPS細胞由来網膜色素上皮(RPE)細胞による加齢黄斑変性の治療法開発(HLCR011)

当社は、他家iPS細胞を正常な網膜色素上皮細胞(以下、RPE細胞といいます。)に分化誘導し、純化した上で、iPS細胞由来RPE細胞懸濁液という形で罹患者に移植し、加齢黄斑変性の治療を行うiPSC再生医薬品の開発を進めております。

 

網膜は、光や色を感じる視細胞を含む感覚網膜(神経性網膜)と、RPE細胞と呼ばれる組織から構成されます。RPE細胞は、網膜の外側にある一層の細胞で、感覚網膜への栄養補給や老廃物の分解を担っています。そのため、RPE細胞の機能が低下すると視機能を担う感覚網膜の機能も低下してしまいます。

加齢黄斑変性(AMD :Age-related Macular Degeneration)は、網膜変性疾患の一種であり、網膜の中でも視力を保つために極めて重要な役割を果たす「黄斑部」に障害が生じる病気で、発症すると次第に視力が低下し、見え方に異常が生じるなどの症状が現われます。

 

加齢黄斑変性は、滲出型(ウェット型)と萎縮型(ドライ型)に大別され、その原因は、黄斑部を支えるRPE細胞が老化等の原因により感覚網膜への栄養補給や老廃物の分解ができなくなってしまうことにあるものとされております。

日本人に多いウェット型は、黄斑部を支えるRPE細胞の機能不全に伴い、RPE細胞内に貯まった老廃物を分解するために、その外周にある脈絡膜から、脈絡膜新生血管と呼ばれる異常な血管が生えてくるのが特徴であります。この血管は正常な血管とは異なり、もろくて透過性が高いため、破れて出血し、又は水がしみだしてしまうため、網膜が浮腫を起こし、黄斑部の機能が阻害され、視力の低下や視野の歪みなどを生じます。

これに対して、欧米人に多いドライ型は、RPE細胞が加齢により萎縮してしまうことにより、網膜に障害が生じて視力が徐々に低下していく病気であります。

加齢黄斑変性の詳しい発症原因は未だ解明されておらず、根本的な治療法も確立しておりません。加齢黄斑変性は、欧米のような先進国では成人の失明原因として最も多く、公益財団法人難病医学研究財団 難病情報センターのホームページの記載によると、日本での推定罹患者数は2007年時点で69万人(但し、罹患者数を正確に把握できないため、2007年に福岡県内の人口約1万人の久山町において行われた調査結果を日本の人口に換算した推定値)と推定されております。

また、米国国立眼病研究所(National Eye Institute)のホームページにおいて公開されている統計データによると、2010年時点で米国において207万人いると推定される加齢黄斑変性の罹患者は、2030年には366万人に増加すると予測されております。

 

当社は、罹患者自身ではない第三者の細胞から作製され、安全性等に関する基準を満たしたiPS細胞から作製したRPE細胞を含む懸濁液(懸濁液とは、液体中に個体粒子が分散しているものを言います。)を移植し、患部に定着させることにより感覚網膜への栄養補給や老廃物の分解機能を回復させ、視機能を改善させることを目指す、新しい治療法開発を進めております。

以下は、iPS細胞由来RPE細胞懸濁液を用いた加齢黄斑変性の治療法を示す図であります。

 

(画像は省略されました)

 

また、以下は、国内におけるiPS細胞の製造からiPSC再生医薬品として製剤化されたRPE細胞(以下、RPE細胞製品といいます。)の罹患者への投与までの流れを示す図であります。

 

(画像は省略されました)

 

この治療法の開発のため、当社は、2013年2月にiPSアカデミアジャパン株式会社との間でRPE細胞を有効成分として含有する細胞製品を対象とする全世界を許諾領域としたiPS細胞樹立基本技術に関する特許実施権許諾契約を締結して非独占的ライセンスを受けるとともに、理化学研究所との間で同年3月にiPS細胞を含む多能性幹細胞由来RPE細胞を有効成分として含有する再生医療製品を対象とする全世界を許諾領域とした特許実施許諾契約を締結して独占的ライセンスを受けております。

また、当社は、かかるRPE細胞製品を用いた加齢黄斑変性の治療法の開発を迅速かつ確実に進めるべく、2013年12月に、大日本住友製薬株式会社(以下、大日本住友製薬といいます。)との間で、日本におけるRPE細胞製品の開発を共同して行うことを合意し、同社との間で①当社の保有する知的財産権の実施許諾に関する実施許諾契約書(サブライセンス契約)、②共同開発を行う上での役割分担や費用負担を定めた共同開発契約書、並びに、③当該製品の製造や販売促進業務を受託する合弁会社の設立と同社への業務委託料等を定めた合弁契約書を締結いたしました。

これらの契約のうち、実施許諾契約においては、契約一時金5億円及び開発の進捗に伴って支払われるマイルストン収入11億円(うち2億円は受領済み)について合意されており、また、共同開発契約においては、当社がRPE細胞製品の開発に際して必要となる開発費用のうち最大52億円を大日本住友製薬が負担することが合意されております。なお、損益計算書等における研究開発費の額は、大日本住友製薬による開発費用の負担分を控除した後の金額であります。

 

※マイルストン収入とは、契約に基づき、開発の進捗によりあらかじめ定められた目標(マイルストン)の達成に応じて受領する一時的な収入をいいます。

 

RPE細胞製品の製造や販売促進業務に関しては、大日本住友製薬が過去から培ってきた医薬品製造ノウハウや医薬品の販売網等を活かす形が望ましいと判断し、大日本住友製薬との合弁契約に基づき、両社共同出資により2014年2月に株式会社サイレジェン(以下、サイレジェンといいます。)を設立、国内における製造委託及び販売促進業務を独占的に委託する事に合意しております。

HLCR011は、共同開発パートナーである大日本住友製薬とともに、薬事法の改正で新設された早期承認制度に基づいた条件及び期限付承認の取得を想定して開発を進めております。条件及び期限付承認とは、従来のように、治験によって安全性と有効性の両方の確認を行った上で製造販売承認を与えるのではなく、治験によって安全性の確認は必要ですが有効性に関しては推定された段階で条件及び期限を付した承認を与え、実際に患者さんへの投与を可能とし、市販後に有効性を検証し、再度承認申請を行って本承認を与えることにより、再生医療等製品の早期の実用化を可能とする制度であります。なお、当社は現在、治験開始に向けて準備を進めております。

 

(ⅱ) 欧米向け他家iPS細胞由来RPE細胞による加齢黄斑変性の治療法開発(HLCR012)

HLCR012は、萎縮(ドライ)型加齢黄斑変性を適応症としたiPS細胞由来RPE細胞懸濁液(又はシート)の移植による治療法であり、米国・欧州におけるiPSC再生医薬品候補であります。

当社は、米国及び欧州での治験に用いる治験薬製造の準備のため、まずは欧米での治験に使用することを想定したiPS細胞マスターセルバンクの製造を完了しております。そのiPS細胞マスターセルバンクを用いて、2018年5月より米国眼科研究所(NEI)との共同研究開発を開始いたしました。本共同研究開発の結果等を参考にしながら、当社は米国における開発戦略の検討を進めて参る予定です。

また、欧州については、米国の第Ⅰ相/第Ⅱ相試験の結果を活用して、第Ⅲ相試験から治験を実施することを検討しております。

 

(ⅲ)臓器原基を用いた3次元臓器(HLCL041)

当社は2014年10月、公立大学法人横浜市立大学(以下、横浜市立大学といいます。)と臓器のもとになる臓器原基を人為的に作製する新規の細胞培養操作技術を用いた機能的なヒト臓器の作製技術に関し、全世界における独占的な特許実施許諾契約を締結いたしました。同技術は、胎内で細胞同士が協調し合って臓器が形成される過程を模倣するという発想から開発されたもので、3種類の細胞(内胚葉細胞、血管内皮細胞、間葉系幹細胞)を一緒に培養することで臓器のもとになる立体的な臓器原基(臓器の芽)を人為的に創出する新規の細胞培養操作技術です。

この実用化に向け、当社は、肝疾患を対象とした再生医療等製品(肝臓原基)を開発するべく横浜市立大学との共同研究を進めています。肝臓は、たんぱく質など身体に必要なさまざまな物質を合成し、不要有害な物質を解毒、排泄するなど約500種類もの機能を、約2000種類以上の酵素を用いて果たしている体内の化学工場といえる臓器です。HLCL041は、肝臓へ肝臓原基を注入し機能的な肝臓に育てることで、生産できない酵素を生産できるように肝臓機能を改善させることを目的とした再生医療等製品であり、ヒトへの移植が可能なヒト肝臓原基の大量製造方法の構築、さらに作製されたヒト肝臓原基の評価方法や移植方法を検討してまいります。

現在、臓器が適切に機能しない疾患に対しては、機能を損なった臓器を健常な臓器へ置換する臓器移植が有効な治療法として実施されています。しかしながら、年々増大する臓器移植のニーズに対し、ドナー臓器の供給は絶対的に不足しており、iPS細胞等を用いて作製した臓器原基をヒトの体内に移植することによって機能的なヒト臓器を創り出すという新たな再生医療等製品(3次元臓器)は、臓器移植の代替治療としての新たな治療概念を提唱できるプラットフォーム技術として幅広い展開が期待されています。

 

③ iPSC再生医薬品分野における新しい取り組み

当社は、iPSC再生医薬品の将来の基盤技術となりうる新規技術・ノウハウをいち早く確立し、実用化を加速させるため、国内外の公的研究機関や企業等との提携のみならず自社研究開発にも積極的に取り組んでおります。

この方針の下、遺伝子編集技術を用いた、HLA型に関わりなく免疫拒絶のリスクの少ない次世代iPS細胞に関する研究活動や、iPS細胞技術と遺伝子編集技術を組み合わせた次世代がん免疫細胞の作製に向けた取り組みなどを進めております。

 

 

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。

 

(1)会社の経営の基本方針

当社は「『生きる』を増やす。爆発的に。」というミッションを掲げ、「iPSC再生医薬品を活用し、世界中の患者さんに治癒と希望を届ける。世界中に承認販売まで自社で行う体制を構築し、全ての人からRespectを受けるバイオ企業を確立する。」というビジョンに沿って、iPS細胞等の優れた幹細胞技術をもって、世界中の難治性疾患の罹患者に対して新たな治療法を届けるべく、研究開発から製造販売承認の取得、製造・販売までを自社、関係会社及び提携会社において実現する体制の確立を目指し、事業を進めております。

 

(2)目標とする経営指標

当社の体性幹細胞再生医薬品分野及びiPSC再生医薬品分野の研究開発推進には、多額の開発資金が必要となるため、当該製品が上市されるまでは研究開発費を中心に先行投資が続くものと想定しております。したがって現段階においては、共同開発先からのマイルストン収入等により財務の安定化を図りつつ、早期の製品の上市を目指し、開発計画の着実な進捗、収益見込みが早く既存のパイプラインとの相乗効果の見込まれる新規シーズの導入並びに他社との提携・M&Aなどによるパイプラインの充実に目標を置き、事業を推進してまいります。

 

(3)中長期的な会社の経営戦略

当社は上記(1)記載のミッション・ビジョンを実現するため

①短期戦略:3年程で日本国内において、承認の目途が立つ開発パイプラインであり、当社の経営基盤強化(収益体制、製造研究開発販売体制)に資する開発品

②長期戦略:世界でデファクトスタンダードの地位を築く革新的基盤技術

という事業拡大戦略に基づき、①で得られたノウハウ・収益を②へ戦略的に投資し、持続的な成長を果たすという、ハイブリッド戦略を推し進めております。

まずは、短期戦略に基づき2016年に導入した体性幹細胞再生医薬品分野におけるパイプラインHLCM051の早期承認を目指し、現在脳梗塞急性期及びARDSを対象疾患とした治験を実施中であります。

一方、長期戦略の柱であるiPSC再生医薬品の実用化にむけては、第一に国内の加齢黄斑変性に対する治療法の承認取得に向けて開発を推進します。また、当社が臓器作製の分野における「世界でデファクトスタンダードの地位を築くことのできる革新的な基盤技術」になりうると考えている、臓器原基を用いた再生医療等製品(3次元臓器)においては、横浜市立大学との肝臓原基による肝疾患治療法開発の共同研究の推進に加えて、子会社として(株)器官原基創生研究所を設立し、同技術の発明者である谷口英樹教授、武部貴則教授を取締役に迎えたことで、肝臓に限らず幅広い臓器原基技術の実用化を図ります。さらには、遺伝子編集技術による次世代iPS細胞の作製にむけた研究活動など、再生医療の産業化に向けて必要な革新的な基盤技術の確立を目指してまいります。

当社は、患者さんのアンメットメディカルニーズの高い適応疾患領域における複数かつ多層的な開発戦略により、リスク低減を行い、企業価値の向上を目指します。

 

(4)会社の対処すべき課題

① 既存パイプラインの開発推進

当社は、法改正で新設された、再生医療等製品に対する早期承認制度を活用し、日本国内においていち早く再生医薬品の承認を獲得すべく、体性幹細胞/iPSC再生医薬品分野にて開発を進めております。共同開発パートナーや提携先、治験実施施設等とのスムーズな連携により、着実に開発を進めることが課題と考えております。

 

② 開発におけるアライアンス体制の強化について

再生医療業界においては、常に新しい発見が重ねられており、目覚ましい技術の進展が見られます。またグローバル規模の製薬企業も再生・細胞医療に新たな可能性を見出し、企業買収等によって参入を図っています。このような競争環境のなか、当社は、横浜市立大学との共同研究を実施している臓器原基技術のような、世界でデファクトスタンダードの地位を築く可能性のある革新的なプラットフォーム技術の取得が重要と考えております。国際的な情報ネットワークを一層強化し、国内外の公的研究機関や企業等から新規技術・ノウハウを積極的に取り入れ、強固な提携関係を築くことが課題と考えております。

 

③ 資金調達・管理

当社のようなバイオテクノロジー企業は、研究開発費用の負担により開発期間において継続的に営業損失を計上し、営業活動によるキャッシュ・フローはマイナスとなる傾向があります。既存パイプラインの開発進捗による共同開発先からのマイルストン収入や、承認取得による早期の売上計上を目指す他、リスクの分散や資金調達の多様性確保のため、新規提携先からの契約一時金やマイルストン収入、金融機関等からの借入、株式市場からの資金獲得、補助金等多面的な資金源の検討も必要と考えております。

 

④ 人材の獲得

再生医療という新しい産業を創生し、グローバルリーディング企業を目指し成長を続けるためには、人材が最も重要であると考えます。新しい産業を牽引できるポテンシャルの高い人材を世界中から確保し、活躍できる場を提供することが課題と考えております。

 

2【事業等のリスク】

 当社では当社の事業展開その他に関する主要なリスク要因として以下の事項を認識しております。当社ではこれらのリスクの発生の可能性を認識した上で発生の回避及び発生した場合の対応に努める方針でありますが、リスクの発生をすべて回避できる保証はありません。また当社に関連するリスクをすべて網羅するものではありません。

 なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。

 

(1) 体性幹細胞/iPSC再生医薬品分野のリスク

① 開発期間が長期にわたることに伴う損失の計上と追加の資金調達の可能性について

 当社は、iPSC再生医薬品分野に加えて、2016年1月より体性幹細胞再生医薬品分野においても研究開発を進めており、当社の両分野の今後の研究開発の進展及び事業展開の成否に依拠しています。

 体性幹細胞再生医薬品分野のパイプラインHLCM051は、アサシス社の開発する幹細胞製品MultiStemを用いて脳梗塞急性期及び急性呼吸窮迫症候群(ARDS)を対象疾患とするもので、法改正で新設された早期承認制度に基づいた承認の取得も想定し、治験を実施しております。

 またiPSC再生医薬品は、前臨床試験段階であり、製品の上市までにはさらなる段階が必要となります。

 このため、体性幹細胞/iPSC再生医薬品分野において、実際に上市されるまでは収益が上がらず、損失を計上し続ける見込みとなっております。また、その開発には多額の資金が必要となることから、追加の資金調達を行う可能性があります。これらの場合には、当社の経営成績及び今後の事業展開に重大な影響を及ぼす可能性があります。

 

② 特定の提携先への依存について

 当社は、HLCR011の開発に関して、大日本住友製薬との間で共同開発契約、実施許諾契約及び合弁契約を締結し、これらの契約を前提に国内におけるRPE細胞製品の開発計画を立てております。また、体性幹細胞再生医薬品に関しては、アサシス社とのライセンス契約により実施しており、その製品はアサシス社によって製造され、当社はその供給を受けて国内にて開発・販売を行ってまいります。アサシス社の製造・供給体制に何らかの支障が生じた場合、当社の開発又は販売計画が大幅に遅れる、あるいは継続が困難となる可能性があります。

 さらに、これらの契約は、相手先企業の経営方針の変更等の当社がコントロールし得ない何らかの事情により、期間満了前に終了する可能性が全くないとはいえません。これらの契約が終了した場合には、当社の経営成績及び今後の事業展開に重大な影響を及ぼす可能性があります。

 

③ 技術革新と競合について

 当社が実施しているiPSC再生医薬品に係る研究開発の領域は、国内のみならず、世界的にも注目を集めている研究分野であるため、新しい知識や技術が発見されイノベーションが生まれやすい分野であります。特に、当社が現在開発対象としているiPSC再生医薬品の対象疾患である加齢黄斑変性に関しては、ES細胞由来の細胞医薬品を含め、様々な治療法の開発が進展しているところであります。

 体性幹細胞再生医薬品分野においては、米国を中心にすでに様々な研究開発が進んでおり、より実現性の高い技術革新が行われる可能性があります。

 当社では、大学や公的研究機関と連携し、常に最先端の技術開発に取り組んでいると考えておりますが、周辺領域を含め当事業に参入している企業や潜在的な競争相手が、当社の保有している知的財産権等を上回る新技術を開発し、関連特許を取得する場合や先行して上市した場合などには、当社の経営成績及び今後の事業展開に重大な影響を及ぼす可能性があります。

 

④ 再生医療等製品に関する法規制について

 2014年11月に施行された薬機法は、医薬品、医療機器等の安全かつ迅速な提供を図るものであり、体性幹細胞/iPSC再生医薬品を含む再生医療等製品について早期承認制度に基づいた条件及び期限付承認制度を新設しております。この制度下での承認実績は既にあるものの、iPS細胞を由来とする製品はいまだ実績がないことから、他の細胞由来の製品とは異なる検証が必要となる可能性も考えられます。また、かかる薬機法を含む再生医療等製品に関する法規制については、技術の革新の状況や予期し得ない事態の発生等に対応して、継続的に見直しがなされる可能性があります。当社は、そうした見直しにいち早く対応すべく体制の整備に努めておりますが、法規制の追加や法改正の内容如何によっては、これまで認められてきた品質管理基準を上回る品質管理が求められる等の理由によって、多額の設備投資が必要となり、また当社の想定よりも多数の試験が求められた場合、開発スケジュールが大幅に遅れるなどの事態が生じる可能性があります。このような場合においては、当社の経営成績及び今後の事業展開に重大な影響を及ぼす可能性があります。

 

 

⑤ 体性幹細胞/iPSC再生医薬品の製品特性について

 体性幹細胞/iPSC再生医薬品は、ヒト細胞・組織を原材料とした細胞を人体へ移植・投与するという特性上、原材料の安全性に関するリスクや、様々な予期せぬ副作用・医療事故の発生などの可能性があり、そのために法制度上も厳しい規制がなされております。当社では、そうした規制に対応し、事故を防止するためにも、臓器移植に知見を持つ関係者を集めるなど様々な施策を講じております。しかしながら今後さらに予期せぬ事態が発生する可能性を完全に防ぐことは難しく、そうした事態が発生した場合には当社の経営成績及び今後の事業展開に重大な影響を及ぼす可能性があります。

 

⑥ 製造・販売体制の構築に関する不確実性について

 当社のiPSC再生医薬品事業は、研究開発活動において成果をあげることにとどまらず、その後の製造及び販売についても事業として展開していくことを視野に入れております。そのため、当社では、提携先企業等とともに細胞の大量培養技術の開発など製造方法の確立に向けて注力しております。しかしながら、医薬品の開発には、多種多様な技術が必要となり、今後、何らかの理由で製造方法の確立、製造体制の構築等が困難になった場合には、当社の経営成績及び今後の事業展開に重大な影響を及ぼす可能性があります。

 なお当社は、日本向けiPS細胞由来RPE細胞懸濁液(HLCR011)については、大日本住友製薬と当社の共同出資会社であるサイレジェンに対して製造を委託することとしており、現在、製造体制の構築に向けた準備を行っております。販売体制についてもサイレジェンを活用した販売体制の整備を進めておりますが、こうした取組みが当社の想定どおりに進まなかった場合には当社の経営成績及び今後の事業展開に重大な影響を及ぼす可能性があります。

 一方、HLCM051におきましては、当社単独で販売体制を構築するのか、あるいは製薬企業等との提携により販売体制を構築するのか、その方針はいまだ決定しておりません。今後、体制構築に何らかの障害が生じ、当社の計画より遅れた場合には、当社の経営成績及び今後の事業展開に重大な影響を及ぼす可能性があります。

 

⑦ 海外での事業展開について

 当社は、当社の開発するiPSC再生医薬品が、国内のみならず、世界各国の難治性疾患の罹患者の方々にとって需要のあるものであると考えております。このため、海外子会社の設立等といった形で海外展開に向けた取組みを進めております。

 しかしながら、海外における特有の法的規制や取引慣行により、必要な業務提携や組織体制の構築に困難が伴うなど、当社の事業展開が何らかの制約を受ける可能性もあり、その場合、当社の経営成績及び今後の事業展開に重大な影響を及ぼす可能性があります。

 

⑧ 治験の実施について

 当社は、現在、体性幹細胞再生医薬品分野において治験を実施しております。治験計画は、PMDAとも事前に相談し、綿密な計画を立てておりますが、いまだ再生医療等製品の治験実施例は多くはないことから、治験に必要とされる患者を適切に確保できないこと、治験実施施設における各種手続きが計画通り進行しないこと等の様々な要因によって遅延する可能性があります。さらに、安全性に関する許容できない問題が生じた場合や、期待した有効性を確認できない場合には、開発を中止するリスクがあります。このような場合、当社の経営成績及び今後の事業展開に重大な影響を及ぼす可能性があります。

 

⑨ 投資に関するリスク

 当社では、常に最先端の技術開発に取り組み、周辺領域を含め当事業に参入している企業や潜在的な競争相手に先んじるため、関連する技術や特許を保有する企業に対して投資やM&A等(買収、合併、事業譲渡・譲受)という形で提携を進める可能性があります。提携先の選定やその投資価額の妥当性等においては、第三者機関の評価を得たうえで慎重に進めてまいりますが、提携先において予期せぬ問題が生じた場合や、予想通りに研究開発が進まない場合には、当社の経営成績及び今後の事業展開に重大な影響を及ぼす可能性があります。

 

(2) 医薬品の研究開発一般に関するリスク

① 薬価に係る法規制の改正等について

 世界的な医療費抑制の流れの中で、薬価に係る法規制の改正により当社が想定している製品価値よりも低い薬価・保険償還価格となった場合には、当社の経営成績及び今後の事業展開に重大な影響を及ぼす可能性があります。

 

 

② 製造物責任において

 当社が開発した医薬品が健康被害等を引き起こした場合、治験、製造、販売において不適当な点が発見された場合には、製造物責任を負う可能性があり、当社の経営成績及び今後の事業展開に重大な影響を及ぼす可能性があります。

 

(3) 人材及び組織に関するリスク

① 特定の個人への依存について

 当社は、小規模な組織であります。また、代表執行役社長CEOである鍵本忠尚は、研究開発や経営方針、戦略の決定、提携先との関係構築等、当社の事業活動において重要な役割を果たしております。当社では、過度に特定の人物に依存しない組織的な経営体制の強化を進めておりますが、何らかの理由により、鍵本忠尚が当社の業務を継続することが困難になった場合には、当社の経営成績及び今後の事業展開に重大な影響を及ぼす可能性があります。

 

② 社内管理体制について

 当社の行う事業の性質上、他の役員及び従業員が持つ専門知識・技術・経験に負う部分も大きく、今後、当社の業務の拡大に応じて人員の増強や社内管理体制の充実を図っていく方針でありますが、想定どおりに人材の確保ができない場合や人材の流出が生じた場合、又は社内管理体制に不備が生じた場合には、研究開発の推進や社外との連携関係の構築に支障が生じ、当社の経営成績及び今後の事業展開に重大な影響を及ぼす可能性があります。

 

(4) その他の事業リスク

① 大学等公的研究機関との関係について

 当社では、これまで、公的研究機関との連携や特許実施許諾契約の締結等を通じて、積極的な研究開発活動を実施して参りました。しかしながら、国立大学の法人化により大学の知的財産権に関する意識も変化しつつあるため、特許実施許諾契約の新規締結や更新が困難となる等の事態が生じた場合には、当社の経営成績及び今後の事業展開に重大な影響を及ぼす可能性があります。

 

② 知的財産権について

 当社の事業を遂行していく中で、第三者が有する知的財産権を使用することがあります。当社では適法な手続きのもとに知的財産権を使用することとしておりますが、第三者の知的財産権に関連して係争が生じる可能性もあります。当社では、第三者の知的財産権に抵触することを回避するため、調査、検討及び評価等を随時実施し、必要に応じて遅滞なく実施許諾契約(ライセンス契約)を締結しておりますが、今後、事業の拡大とともにこのようなリスクは増大するものと思われます。

 当社は、知的財産権に関する管理体制をより強化していく方針でありますが、訴訟等が提起された場合、当社の経営成績及び今後の事業展開に重大な影響を及ぼす可能性があります。

 また、当社が有する知的財産権が第三者により侵害される可能性もあります。当社としては、このような場合には当社の知的財産権保護のために必要な法的措置を検討していく方針ですが、費用対効果や第三者から特許無効審判等を提起される可能性なども勘案し、あえて法的措置に踏み切らない可能性も否定できず、その場合、当該第三者が当社と競合する事業を行う可能性も否定できないことから、当社の経営成績及び今後の事業展開に重大な影響を及ぼす可能性があります。

 

③ 風評上の問題の発生について

 当社は、開発における安全性の確保、法令遵守、知的財産権管理、個人情報管理等に努めております。しかしながら、当社に関してマスコミ報道などにおいて事実と異なる何らかの風評上の問題が発生した場合、当社の経営成績及び今後の事業展開に重大な影響を及ぼす可能性があります。

 

④ 災害等の発生に関する不確実性について

 当社が事業活動を行っている地域において、自然災害や火災等の事故災害等が発生した場合、当社の設備等に大きな被害を受け、その一部又は全部の稼働が中断し、研究開発が遅延する可能性があります。また、損害を被った設備等の修復のために多額の費用が発生し、当社の経営成績及び今後の事業展開に重大な影響を及ぼす可能性があります。

 

 

⑤ 資金繰りについて

 当社のようなバイオテクノロジー企業においては、研究開発費用の負担により開発期間において継続的に営業損失を計上し、営業活動によるキャッシュ・フローはマイナスとなる傾向があります。当社としましては、新規に模索している提携先からの契約一時金及びマイルストン収入や補助金の活用、金融機関等からの借入を実施することで資金確保に努め、必要に応じて増資による資金調達を実施する方針でありますが、何らかの理由によりこうした資金の確保が進まなかった場合においては、当社の経営成績及び今後の事業展開に重大な影響を及ぼす可能性があります。

 

⑥ 配当政策について

 当社は創業以来、株主に対する剰余金の分配を実施しておりません。株主への利益還元については、重要な経営課題と認識しており、将来的には経営成績及び財政状態を勘案しつつ剰余金の分配を検討する所存でありますが、現時点においては繰越利益剰余金がマイナスであるため、当分の間は研究開発活動の継続的な実施に備えた資金の確保を優先し、配当は行わない方針であります。

 

⑦ 新株予約権の行使による株式価値の希薄化について

 当社は、役員及び従業員等に対して、モチベーションの向上を目的に新株予約権を付与しております。

 これらの新株予約権が権利行使された場合、当社株式が新たに発行され、既存の株主が有する株式の価値及び議決権割合が希薄化する可能性があります。なお、2018年12月31日現在、これらの新株予約権による潜在株式数は、1,460,000株であり、発行済株式総数及び潜在株式数の合計の2.9%に相当しております。

 

⑧ 為替変動のリスク

 当社は、事業活動をグローバルに展開するため米国子会社を設立いたしました。今後、海外企業とのライセンス契約の締結、海外での研究開発活動等において外貨建取引が増加する可能性があります。急激な為替変動によって為替リスクが顕在化した場合は、当社の経営成績及び今後の事業展開に重大な影響を及ぼす可能性があります。

 

 

2【沿革】

2011年2月

現 代表執行役社長CEO鍵本忠尚らの出資により、福岡県福岡市東区において株式会社日本網膜研究所(現 株式会社ヘリオス)を設立

iPS細胞由来網膜色素上皮細胞移植による加齢黄斑変性治療法の開発を開始

2012年12月

東京都千代田区に東京事務所を開設

2013年2月

iPSアカデミアジャパン株式会社との間で網膜色素上皮細胞を有効成分として含有する細胞製品に関するiPS細胞樹立基本技術に関する特許実施権許諾契約(非独占)を締結

2013年3月

独立行政法人理化学研究所(現 国立研究開発法人理化学研究所)との間でiPS細胞を含む多能性幹細胞由来網膜色素上皮細胞を用いた再生医療製品に係る特許実施許諾契約(独占)を締結

2013年9月

商号を株式会社ヘリオスに変更

東京事務所を東京都中央区に移転するとともに同所に本店を移転

2013年10月

兵庫県神戸市中央区の(公財)先端医療振興財団が運営する臨床研究情報センター内に研究室(現 神戸研究所)を開設

2013年12月

大日本住友製薬株式会社と国内におけるiPS細胞由来網膜色素上皮細胞移植による加齢黄斑変性治療法の開発に関する共同開発契約、実施許諾契約及び合弁契約を締結

アキュメン株式会社より眼科手術補助剤に関する事業の譲受

2014年2月

大日本住友製薬株式会社との合弁により株式会社サイレジェンを設立

2014年9月

本店を東京都港区に移転

2014年10月

公立大学法人横浜市立大学とiPS細胞等を用いた再生医療等製品(ヒト臓器に関するものを含む)に係る特許実施許諾契約(独占)を締結

2015年6月

東京証券取引所マザーズに株式を上場

2015年10月

公立大学法人横浜市立大学の先端医科学研究センター内に横浜研究所を開設

2016年1月

米国Athersys, Inc.と国内における幹細胞製品MultiStem®を用いた再生医療等製品に関するライセンス契約を締結

2017年2月

株式会社ニコンと再生医療分野における業務・資本提携契約を締結

2017年4月

BBG250を含有する眼科手術補助剤に係る事業を株式会社デ・ウエスタン・セラピテクス研究所に譲渡

2018年2月

米国に子会社 Healios NA, Inc.を設立

2018年3月

米国Athersys, Inc.への戦略的投資を実施

2018年6月

子会社株式会社器官原基創生研究所を設立

米国Athersys, Inc.との幹細胞製品MultiStemを用いた独占的ライセンス契約を拡大

(5)【所有者別状況】

 

2018年12月31日現在

 

区分

株式の状況(1単元の株式数100株)

単元未満株式の状況

(株)

政府及び地方公共団体

金融機関

金融商品取引業者

その他の法人

外国法人等

個人その他

個人以外

個人

株主数(人)

12

27

69

97

13

8,345

8,563

所有株式数

(単元)

46,896

6,422

38,343

53,747

68

347,086

492,562

5,400

所有株式数の割合(%)

9.52

1.30

7.78

10.91

0.01

70.47

100.00

(注)自己株式48株は、「単元未満株式の状況」に48株含まれております。

 

3【配当政策】

 当社は、株主への利益還元を重要な経営課題として認識しておりますが、創業以来配当を実施しておりません。医薬品開発には多額の先行投資と長期の開発期間が必要となるため、当分の間は研究開発活動の継続的な実施に備えた資金の確保を優先し、配当は行わない方針であります。

 配当を行う場合は、年1回の配当を考えております。なお、当社は、会社法第459条第1項の規定に基づき、期末配当は12月31日、中間配当は6月30日をそれぞれ基準日として、法令に別段の定めのある場合を除き、株主総会の決議によらず取締役会の決議によって剰余金の配当等を定める旨定款に定めており、配当の決定機関は取締役会であります。

 

5【役員の状況】

男性 11名 女性 -名 (役員のうち女性の比率 -%)

(1)取締役の状況

役名

職名

氏名

生年月日

略歴

任期

所有株式数

(株)

取締役

鍵本 忠尚

1976年12月1日生

2003年5月 九州大学病院入職

2004年5月 国家公務員共済組合連合会

浜の町病院入職

2005年1月 九州大学病院入職

2005年4月 アキュメンバイオファーマ㈱設立(現 アキュメン㈱)

代表取締役社長(現任)

2011年2月 当社設立

2011年11月 鍵本ホールディングス㈱設立 代表取締役社長(現任)

2012年2月 当社代表取締役社長

2014年2月 ㈱サイレジェン代表取締役社長(現任)

2018年2月 Healios N.A., Inc. 取締役社長(現任)

2018年3月 当社取締役 代表執行役社長CEO(現任)

2018年6月 ㈱器官原基創生研究所取締役(現任)

2018年6月 Athersys, Inc. 取締役(現任)

(注)4

28,435,800

取締役

松田 良成

1978年10月12日生

2002年10月 森綜合法律事務所(現 森・濱田松本法律事務所)入所

2009年8月 漆間総合法律事務所(現 弁護士法人漆間総合法律事務所)設立 代表社員(現任)

2013年1月 当社社外取締役

2013年6月 はるやま商事㈱(現㈱はるやまホールディングス)社外監査役

2014年1月 当社取締役 管理領域管掌

2014年6月 日本商業開発㈱ 社外取締役

2015年6月 はるやま商事㈱(現㈱はるやまホールディングス) 社外取締役(現任)

2015年12月 ㈱Unitedly 代表取締役社長(現任)

2016年3月 当社常務取締役

2018年3月 当社取締役(現任)

2019年3月 トランステック㈱ 代表取締役社長(現任)

(注)4

300,000

取締役

マイケル・

アルファント

1961年5月20日生

1989年6月 Fusion Systems Group(米国) 取締役

1992年6月 Fusion Systems設立 代表取締役

2004年9月 フュージョン・システムズ・ジャパン㈱設立 グループ会長兼CEO(現任)

2013年1月 当社取締役(現任)

(注)4

 

 

役名

職名

氏名

生年月日

略歴

任期

所有株式数

(株)

取締役

成松 淳

1968年11月14日生

1996年11月 監査法人原会計事務所入所

1998年5月 監査法人トーマツ(現 有限責任監査法人トーマツ)入所

2004年12月 ㈱東京証券取引所上場部出向

2007年1月 クックパッド㈱入社

2007年6月 同社取締役

2007年7月 同社執行役

2013年4月 ミューゼオ㈱設立 代表取締役社長(現任)

2013年10月 ㈱レアジョブ 社外監査役

2013年12月 当社監査役

2015年11月 ㈱プラップジャパン 社外取締役

2016年6月 ㈱レアジョブ 社外取締役(現任)

2017年3月 ㈱クロス・マーケティンググループ社外取締役(監査等委員)(現任)

2018年3月 当社取締役(現任)

(注)4

15,000

取締役

樫井 正剛

1953年8月12日生

1978年4月 藤沢薬品工業㈱(現 アステラス製薬㈱)入社

2006年4月 同社 法務部長

2007年6月 同社 執行役員法務部長

2009年4月 同社執行役員Astellas US, Inc.及びAstellas Pharma Inc. President& CEO

2011年6月 同社 常勤監査役

2014年7月 ノバルティスファーマ㈱執行役員インテグリティ&コンプライアンス本部長

2014年10月 ノバルティス㈱インテグリティ&コンプライアンス カントリーヘッド 兼ノバルティスファーマ㈱執行役員インテグリティ&コンプライアンス本部長

2017年3月 当社監査役

2017年6月 ㈱サイレジェン監査役(現任)

2018年3月 当社取締役(現任)

2018年6月 ㈱器官原基創生研究所監査役(現任)

(注)4

200

取締役

グレゴリー・

ボンフィリオ

1952年5月30日生

1986年1月  Morrison & Foerster Partner

2000年6月  Anthem Venture Partners, General Partner

2006年1月  Proteus, LLC.設立 Managing Partner(現任)

2011年3月  Centre for Commercialization of Regenerative Medicine(CCRM) Chairman of the Board(現任)

2018年3月 当社取締役(現任)

(注)4

取締役

リチャード・

キンケイド

1976年11月19日生

2000年6月  ゴールドマン・サックス証券㈱入社

2003年1月  Speedwell Advisors, Ltd. CFO

2004年8月  Nezu Asia Capital Management Limited. 社長兼COO(現任)

2011年1月  Nezu Asia Capital Management (Singapore)Pte.Ltd. CEO兼COO

2017年8月  Nezu Asia Capital Limited 社長兼COO(現任)

2018年3月 当社取締役(現任)

(注)4

6,400

 

 

職名

氏名

生年月日

略歴

任期

所有株式数

(株)

取締役

デイビッド・

スミス

1960年9月9日生

1983年5月 Thrift Drug入社

1984年7月 The Upjohn Company入社

1995年3月 Pharmacia & Upjohn, Inc.入社

1998年3月 Pro-Neuron入社

2000年2月 Life Technologies入社Business Unit Director

2001年7月 Claragen, Inc.入社 Vice President Corporate Development

2002年1月 Cambrex Corporation入社 Vice President Cell Therapy services

2007年2月 Lonza Group入社 Head of Cell Therapy

2015年3月 同社Vice President, Global Business Development, Emerging Technologies

2018年3月 当社取締役(現任)

(注)4

28,757,400

(注)1.2018年3月28日開催の定時株主総会において定款の変更が決議されたことにより、当社は同日付をもって指名委員会等設置会社に移行しております。

2.取締役マイケル・アルファント、成松淳、樫井正剛、グレゴリー・ボンフィリオ及びリチャード・キンケイドは社外取締役であります。

3.当社の委員会体制については以下のとおりです。

指名委員会:委員長 鍵本忠尚、委員 成松淳、委員 樫井正剛

監査委員会:委員長 樫井正剛、委員 成松淳、委員 松田良成

報酬委員会:委員長 樫井正剛、委員 鍵本忠尚、委員 成松淳、委員 グレゴリー・ボンフィリオ

4.2019年3月27日開催の定時株主総会終結の時から1年以内に終了する事業年度に関する定時株主総会の終結の時までであります。

 

(2)執行役の状況

 

役名

職名

氏名

生年月日

略歴

任期

所有株式数

(株)

代表執行役

社長

CEO

鍵本 忠尚

(1)取締役の状況

参照

同左

(注)

(1)取締役の状況

参照

執行役

CMO(Chief Medical officer)

管理領域管掌

澤田 昌典

1981年7月24日生

2006年4月 久留米大学病院入職

2008年4月 久留米大学内科部門入職

2012年4月 当社入社

2013年12月 当社取締役 研究生産領域管掌

2015年3月 当社常務取締役 事業開発領域管掌

2016年3月 当社専務取締役 事業開発領域管掌

2016年6月 ㈱サイレジェン 取締役

(現任)

2017年3月 当社専務取締役

2018年3月 当社執行役CMO

2019年3月 当社執行役CMO 管理領域管掌(現任)

(注)

80,700

 

 

役名

職名

氏名

生年月日

略歴

任期

所有株式数

(株)

執行役

研究・生産領域管掌

田村 康一

1956年11月21日生

1981年4月 藤沢薬品工業㈱(現 アステラス製薬㈱)入社

2003年10月 藤沢薬品工業㈱移植免疫部長

2005年4月 同社研究本部研究推進部担当部長(免疫領域専任)

2005年10月 アステラス・リサーチ・インスティチュート(アメリカ)シニアバイスプレジデント兼研究所長

2014年1月 マルホ㈱入社 シニアリサーチアドバイザー

2014年10月 当社入社 執行役員研究部長

2015年3月 当社取締役 研究・生産領域管掌

2018年3月 当社執行役 研究・生産領域管掌(現任)

(注)

9,000

執行役

国内開発領域管掌兼海外開発領域管掌兼海外開発部長

西山 道久

1948年3月18日生

1972年4月 藤沢薬品工業㈱(現 アステラス製薬㈱)入社

1998年1月 同社開発本部開発二部長

2005年4月 同社グローバルマーケティング部長

2007年4月 ㈱リボミック代表取締役

2010年6月 同社取締役

2014年6月 当社取締役

2016年3月 当社取締役 国内開発領域管掌

2018年3月 当社執行役 国内開発領域管掌

2018年7月 当社執行役 国内開発領域管掌兼海外開発領域管掌兼海外開発部長(現任)

(注)

15,000

28,540,500

(注)2019年3月27日開催された定時株主総会終結後、最初に開催された取締役会終結の時から1年間

 

 

4【関係会社の状況】

関係会社は次のとおりであります。

名称

住所

資本金

(百万円)

主な事業内容

議決権の所有割合又は被所有割合

(%)

関係内容

(関連会社)

株式会社サイレジェン

兵庫県神戸市

200

iPSC再生医薬品の製造・販売促進等

50.0

研究開発活動の委託

役員の兼任

なお、当社は非連結子会社として、2018年2月にHealios NA, Inc.(米国)を、同年6月には株式会社器官原基創生研究所を設立いたしました。

 

【売上原価明細書】

 

 

前事業年度

(自  2017年1月1日

至  2017年12月31日)

当事業年度

(自  2018年1月1日

至  2018年12月31日)

区分

注記

番号

金額(百万円)

構成比

(%)

金額(百万円)

構成比

(%)

    ロイヤルティ

 

3

100.0

売上原価

 

3

100.0

※2 販売費に属する費用の割合は前事業年度0%、当事業年度0%、一般管理費に属する費用の割合は前事業年度100%、当事業年度100%であります。

 販売費及び一般管理費のうち主要な費目及び金額は次のとおりであります。

 

 前事業年度

(自 2017年1月1日

  至 2017年12月31日)

 当事業年度

(自 2018年1月1日

  至 2018年12月31日)

研究開発費

1,730百万円

4,269百万円

のれん償却額

33

減価償却費

11

19

 

 

1【設備投資等の概要】

 当事業年度における設備投資は、主に研究設備の拡充により、総額87百万円の設備投資を実施いたしました。当該金額はソフトウエアへの投資額を含んだ金額であります。

 なお、当事業年度において重要な設備の除却、売却等はありません。

 

 

株価(1年)
期間を変更
PER(1年/会予)
期間を変更

その他企業情報

企業価値54,327 百万円
純有利子負債-6,095 百万円
EBITDA・会予- 百万円
株数(自己株控除後)49,284,252 株
設備投資額- 百万円
減価償却費51 百万円
のれん償却費- 百万円
研究開発費4,269 百万円
代表者代表執行役社長CEO  鍵本 忠尚
資本金11,386 百万円
住所東京都港区浜松町二丁目4番1号
電話番号03-5777-8308

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