ソレイジア・ファーマ【4597】

直近本決算の有報
株価:9月28日時点

1年高値224 円
1年安値101 円
出来高1,337 千株
市場マザーズ
業種医薬品
会計IFRS
EV/EBITDAN/A
PBR3.4 倍
PSR・会予N/A
ROAN/A
ROICN/A
βN/A
決算12月末
設立日2007/1/22
上場日2017/3/24
配当・会予0 円
配当性向0.0 %
PEGレシオN/A
売上高(百万円)&収益性(%)
売上5y CAGR・実績:54.7 %
利益(百万円)
営利 CAGR・実績:N/A %
純利 CAGR・実績:N/A %
EPS(円) BPS(円)
配当(円)
健全性(%、倍)
セグメント別売上
単一セグメント、もしくはIFRS / USGAAPのため、データがありません。
セグメント別売上
単一セグメント、もしくはIFRS / USGAAPのため、データがありません。
セグメント別利益率
単一セグメント、もしくはIFRS / USGAAPのため、データがありません。
会社の詳細

3【事業の内容】

当社は日本及びアジア諸国の医療に貢献するため、海外又は国内の製薬企業又はバイオベンチャー企業から有望な新薬候補品を導入し、日本及びアジア諸国における臨床試験を中心とした開発活動を通じ、製品を医薬品市場に供給することを目的として、2006年に創業した企業です。創業に際しては、事業準備拠点としてJapanBridge Inc.をまず米国に設立し、2008年4月にJapanBridge Inc.がバジャカラ株式会社(現当社)の発行済株式をすべて取得して、これを日本での事業活動の主体とすることとしました。同時にJapanBridge Inc.での事業準備成果が当社に承継され、商号をジャパンブリッジ株式会社に変更し、事業活動を本格的に開始しました。

本書提出日現在、当社グループは、当社と連結子会社であるSolasia Medical Information Consulting (Shanghai) Co. Ltd. の2社で構成されており、4種類の医薬品及び医療機器の製品開発パイプラインを有しています。

 

当社グループの事業系統図は下記のとおりです。なお、医薬候補品等の導入、導出契約における経済条件(支払条件)は、主に以下の形態の取引によって構成されます。

 

・契約一時金   :導入導出契約を契機として導入側が支払う一時金

・開発マイルストン:開発の一定の進捗を契機として導入側が支払う一時金

・販売マイルストン:導入側乃至そのサブライセンス先等の、一定の製品販売金額への到達を契機として、導入側が支払う一時金

・ロイヤリティ  :導入側乃至そのサブライセンス先等の製品販売金額等に応じて導入側が支払う使用料

 

(画像は省略されました)

 

(1) 当社グループの事業領域

現在、日本及び中国では悪性腫瘍(一般に悪性新生物又はがんという。以下同じ)が死因の第一位を占めており、その他のアジア諸国でも死因の上位を占める傾向にあります。当社グループは、悪性腫瘍治療を目的とする医薬品の開発及び販売を主たる事業領域としています。また、悪性腫瘍治療薬の投与や放射線治療によって生じる有害事象(副作用等)を軽減し、悪性腫瘍に対する治療及び患者のクオリティ・オブ・ライフ(QOL)向上が期待できる医薬品及び医療機器の開発及び販売も事業領域としています。

 

(2) 製薬バリュー・チェーン(初期研究活動から事業化までの機能連鎖)での位置づけ

(画像は省略されました)

標準的な製薬バリュー・チェーンは、上流の基礎研究、製剤研究、非臨床開発の各機能、中流の臨床開発機能、下流の販売、マーケティング、製造販売後調査、製造の各機能により構成されます。当社グループは上流機能を持たず、中流以降の各機能に特化した事業を推進しています。なお、現在は、製造機能の全部及び販売機能の一部を保有しておらず、販売機能は中国の主要都市(北京市、上海市、広州市)に対するもののみ保有しています。

また、当社中国子会社では、主要都市(北京市、上海市、広州市)において、バリュー・チェーンの下流に位置する販売、マーケティング、販売後調査等、すなわち医薬品等の品質、有効性、安全性等の情報提供、収集及び伝達を自社で行い得る体制の運営を行っております。

 

※ 製造販売後調査:医薬品の製造販売後の調査及び試験の実施の基準に関する省令において、医薬品の製造販売業者又は外国製造医薬品等特例承認取得者が、医薬品の品質、有効性及び安全性に関する情報の収集、検出、確認又は検証のために行う使用成績調査又は製造販売後臨床試験をいう。

 

(3) 事業内容

① 医薬品又は医療機器候補物質(以下、医薬品等候補という。)の権利導入

近年、多くの疾患原因の特定が遺伝子レベルの解析によって行われつつあることに伴い、基礎研究及び製剤研究は、より複雑化又は多様化する傾向にあります。大学や病院等の研究機関による成果、この研究を土台とするベンチャー企業の創薬技術や製剤化技術、あるいは国際的な大手製薬企業による研究を通じて、多くの医薬品等候補が産み出されています。当社グループは、一定の開発段階に至った医薬品等候補の権利を導入し、日本や中国等で臨床開発等を通じて当該医薬品等候補を販売可能な状況に導き、これの販売又は導出を通じて収益を得る事業を行っています。基礎研究や製剤技術の他社への提供による収益化を行うものではありません。

当社グループでは、臨床試験開始直前から第Ⅰ相臨床試験終了までの臨床早期ステージ、又は有効性のproof of conceptが確認される第Ⅱ相臨床試験から承認までの臨床後期ステージにある医薬品等候補を導入検討の対象としています。また、基礎研究、製剤研究、非臨床開発等の進捗状況の観点からは、少なくとも当社グループの主たる事業エリアである日本及びアジア諸国において科学面及び薬事行政面でも臨床開発が実施可能なレベルで基礎情報が整備されていることを導入の要件としています。

当社グループは、上記要件を満たす医薬品等候補について、当該医薬品等候補が対象とする適応症、非臨床・臨床データ、市場規模、競合品の開発及び販売状況等を検討し、経済条件及び特許権等の知的財産の扱い等について契約相手方と合意を得られた後、導入を決定しています。

 

※ 第Ⅰ相臨床試験:実施する国において初めて対象となる医薬品候補品(治験薬)を使用する臨床試験で、健康成人がボランティアとして参加することが多い。第Ⅰ相臨床試験の主たる目的は、治験薬の安全性並びに忍容性(薬剤投与によって発現する副作用について、患者が治療を継続できる許容程度)の評価・確認及び薬物動態(生体に投与した薬物の体内動態)の検討である。

※ proof of concept:医療の領域においては、期待あるいは想定される作用(一般には有効性)を初期臨床試験において確認すること。

※ 第Ⅱ相臨床試験:対象となる疾病に罹患している少数の患者群に対し、医薬品候補品を投与して、その有効性及び安全性(副作用の発現等)の予備的評価、将来の実際の臨床現場で使用する投与量や用法の評価を主たる目的とした臨床試験。

② 医薬品等候補の開発

当社グループは、医薬品等候補の導入後、自社の臨床開発機能を中心として、日本を含むアジア各地域の外部委託機関(Contract Research Organization:CRO)と開発チームを構成し、アジア各地域における臨床試験(当該国の製造販売承認に必要な一部の追加非臨床試験を含む)又はアジア各地域を中心とした国際共同治験を計画し、実施します。

医薬品等候補開発の最終的な目標は、質の高い医薬品等を、早期に医療現場に提供することにあります。そのためには、有望な医薬品等候補の将来性及び可能性を活かして厳格な臨床試験を効率的に計画・実施し、不要な失敗を回避して成功確率を高めることが重要であると考えています。これらを実現するための当社グループにおける医薬品等の開発体制は以下のとおりです。

 

※ Contract Research Organization, CRO:医薬品等開発の一部の工程を依頼者との契約を以て受託し、実施する企業又はグループの総称。

※ 国際共同治験:共通の実施計画書に基づき、複数の国が参加して実施される臨床試験。

 

a 当社グループの開発機能

医薬品等開発、臨床試験は、対象となる治療領域における問題点や改善点の評価、具体的な対象疾患及び患者の選択、最適投与量や用法の設計、有効性の評価項目の設定等の試験計画に始まり、実施に当たっては、対象疾患の専門医の選択と当該医師との臨床試験内容の協議、臨床試験実施地域や実施医療施設の評価と選択の過程を経て、実際の投薬及び試験モニタリング、さらに有効性と安全性のデータの収集、解析、評価等の複雑かつ多くのプロセスと諸活動により構成されます。

これらの医薬品等開発のプロセスは、薬事行政規制等に基づいて進められるとともに、常にデータや理論に基づく科学的判断が求められることから、最適な判断のためには、医薬品等や臨床開発全般に対する科学的見識と経験の裏付けが必要不可欠です。当社グループの開発部門は、採用に際してこれらの要素を最重要視して選考を行っており、悪性腫瘍治療薬の臨床開発について、国際的製薬企業等における経験を有する人材、日本国内や中国をはじめとするアジア諸国、さらには国際共同治験の経験を有する人材、あるいは薬事面では各規制当局と密な情報交換が可能な人材等を中心として構成し、少人数であっても医薬品等開発諸活動を円滑に支障なく運営し得る開発体制を構築することに努めています。

 

b 開発における外部機関の活用

近年、製薬企業における臨床試験実施は、その一部を外部委託機関に外注する傾向にあります。当社グループの開発部門は、臨床開発計画、試験設計、運営、評価及び医薬品等開発に関わる薬事行政対応を基本機能としており、試験実施に際しては、業務効率の向上並びに固定費削減を図るため、この外部委託機関(開発業務委託機関等)等を活用しています。これら外部委託機関の活用においては、当社グループが指示する臨床試験の方針や計画・設計を、正確に理解し実現し得る外部機関を選定することが重要です。そして外部委託機関が計画どおりの成果を果たすために、双方向で詳細な最新情報を共有するとともに、当社グループが随時指示の徹底を図り、管理監督の厳格な実施に努めています。

 

③ 医薬品等候補の収益化

(画像は省略されました)

当社グループが医薬品等候補の開発に成功し、上市することとなった場合には、自社販売により収益を得る方法(以下、自販モデルという。)、他社への販売権の導出によって収益を得る方法(以下、導出モデルという。)を選択して、事業化を図ることとなります。日本を含むその他の地域では導出モデルを採用し、中国の主要都市(北京市、上海市、広州市)では自販モデルを展開いたします。

 

a 自販モデル

医薬品等を、当社グループが採用した医薬情報担当者の営業活動を通じて販売し、収益を得る方法です。小規模の販売体制で市場をカバーし得る限られた中国主要都市(北京市、上海市、広州市)において、自販モデルを採用いたします。また、中国の医薬品市場は、2013年以降は米国に次ぐ世界第二位の規模に成長しており、中国市場で成功するためには当社グループ及び当社グループ製品のブランドイメージの確立を目指したマーケティング活動を自社で行うことが重要であると考えています。そのために、主要都市(北京市、上海市、広州市)のみならず、販売提携先とともに中国全土のマーケティング活動を行っております。

 

※ 医薬情報担当者(Medical Representative:MR):医薬品の適正使用のため医療従事者を訪問すること等により、医薬品の品質、有効性、安全性などに関する情報の提供、収集、伝達を主な業務として行う者。

 

b 導出モデル

当該医薬品等の対象となる疾患領域で販売実績を有する製薬企業に販売権を導出することにより、収益を得る方法です。契約一時金、マイルストン収入及びロイヤリティ収入による収益の確保を図ります。

 

(4) 当社グループの開発パイプライン

① Sancuso®(経皮吸収型グラニセトロン製剤:開発コードSP-01(医薬品))中国販売名:善可舒®)

a がん化学療法剤投与に伴う悪心・嘔吐

悪心・嘔吐は、がん化学療法剤の投与を受ける多くの患者が苦痛を感じる副作用の1つであり、急性(投与後24時間まで)と遅延性(投与後24時間以降)に分類されます。悪心・嘔吐が十分にコントロールされない場合、脱水、電解質異常、栄養障害、誤嚥性肺炎等の生命を脅かしかねない多くの合併症を来す可能性があります。このような合併症が起こることによる入院期間の延長、看護に要する時間の延長、薬剤投与を含む全般的な医療コストの増大等、悪心・嘔吐は、患者のみならず、様々な影響を及ぼすことが想定されます。催吐作用(吐き気を催す作用)の強い一部のがん化学療法剤では9割以上の患者に悪心・嘔吐が生じることがあります。悪心・嘔吐による苦痛は時間とともに増大することが多く、悪心・嘔吐をコントロールすることができない場合には、がん化学療法のコンプライアンス(推奨される悪性腫瘍治療薬の用法用量、その他投薬ルールの順守状況)の低下が懸念されます。

がん化学療法剤投与に伴う悪心・嘔吐の発現メカニズムの1つは、化学受容器引金帯(Chemoreceptor Trigger Zone:CTZ)の活性化によるとされ、CTZの活性化は、ドパミン、オピオイド、ヒスタミン、アセチルコリン、ニューロキニン-1(Neurokinin-1:NK-1)又は5-ヒドロキシトリプタミン3型(5-hydroxytryptamine3:5-HT3)受容体等に対する刺激によって直接的又は間接的に引き起こされると考えられています。また、がん化学療法剤による消化管粘膜の損傷や消化管の神経伝達細胞受容体の刺激、及び皮質や前庭のメカニズムも関与していると考えられています。

 

※ 電解質異常:体内のナトリウムやカリウム、マグネシウム等の電解質が異常な状態となり、浸透圧調整や筋肉収縮の機能に異常をきたすこと。

※ 化学受容器引金帯:第4脳室に接する脳幹領域に存在する受容器。血中のある種の薬物や毒物に反応して嘔吐中枢に刺激を送り、嘔吐を誘発する。

※ 5-ヒドロキシトリプタミン3型(5-hydroxytryptamine3:5-HT3)受容体:イオン共役型のセロトニン受容体で、中枢神経系、末梢神経系に作用して、神経興奮、不安、嘔吐を誘発する。

※ 前庭:内耳にあり重力と直線加速度を司る感覚器官。

 

b 5-HT3受容体拮抗薬

各種悪性腫瘍の臨床ガイドラインにおいて、がん化学療法剤投与に伴う悪心・嘔吐に対して5-HT3受容体拮抗薬の使用が推奨されています。グラニセトロンは5-HT3受容体拮抗薬の1つで、5-HT3受容体への結合によるセロトニン刺激の遮断によってがん化学療法剤投与に伴う悪心・嘔吐を予防する作用があります。グラニセトロンの経口剤及び注射剤は、これまでに得られた臨床試験の結果から、がん化学療法剤投与に伴う悪心・嘔吐の予防に極めて有効であることが確認されており、既に世界各国で承認されています。

 

※ 受容体拮抗薬:生体内の受容体分子に働いて神経伝達物質やホルモン等の働きを阻害する薬のこと。

 

c SP-01開発の経緯

SP-01は、粘着基剤中にグラニセトロンを含有する経皮吸収型製剤です。貼付後から持続的にグラニセトロンを放出するよう設計されており、5日間にわたって安定的に血中グラニセトロン濃度を維持することが可能な医薬品です。SP-01を一旦貼付すれば、5日間は新たな制吐剤投与のために来院する必要がなく、外来治療の負担の軽減が期待できます。また、がん化学療法剤を投与中の患者が、悪心・嘔吐や口内炎が原因で薬剤の服用が困難な状態にある場合、経口剤や注射剤と比較し、経皮吸収型製剤は有用と考えられ、医療現場における投薬業務を簡便化することが可能と考えています。経皮吸収型グラニセトロン製剤は、米国を代表するがんセンターで結成されたガイドライン策定組織(National Comprehensive Cancer Network:NCCN)が作成したNCCN診療ガイドラインにおいても処方が推奨されています。また、中国においては、2014年にがん治療ガイドライン策定グループが作成した治療ガイドラインにおいても同様に処方が推奨されています。更に、2019年にはCOSOガイドラインにも収載されました。

 

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(左図:SP-01 中国販売名:善可舒®の販売のパッケージ) (右図:SP-01の貼付)

 

SP-01は、米国において「高度又は中等度催吐性がん化学療法剤の最長5日間投与に伴う悪心・嘔吐の予防」を適応として2008年9月に米国食品医薬品局から承認されています(販売名:Sancuso®)。また、米国以外では、欧州、アジア等約20ヵ国以上で販売又は承認(承認勧告含む)されています。

当社グループは、2008年5月の本剤導入後から臨床開発を推進してまいりました。2008年に日本人での薬物動態試験、2012年に韓国人での薬物動態試験をそれぞれ実施した他、2013年から2014年に亘り中国人での薬物動態試験及び中国人がん患者での無作為化二重盲検比較試験を実施し、2014年6月に中国において新薬承認申請を完了し、2018年7月に当局承認を取得しました。

 

※ 粘着基材:皮膚に接着する粘着剤で、SP-01は粘着基材がフィルム状シートに塗布されている。

※ 経皮吸収型製剤:医薬品の有効成分が皮膚を通して体内に吸収されるよう設計された剤型。

※ 高度催吐性:90%を超える患者に催吐が生じること。

※ 中等度催吐性:30~90%の患者に催吐が生じること。

※ 薬物動態試験:医薬品の体内における動き、蓄積などを評価する臨床試験。

※ 無作為化二重盲検比較試験:評価の対象となる医薬品候補と標準的薬剤を無作為に割り付け、医師及び患者のいずれもがどちらの薬剤を使用しているかわからない状態で治療及び評価を行う試験手法で、結果に対するバイアスを排除した客観的な評価を行うことができる。

 

d SP-01の主要な臨床試験概要

試験相: 第Ⅲ相臨床試験(欧米での承認取得のための最終試験)

被験者: 637名、中等度又は高度催吐性のがん化学療法剤で複数日治療を受けた欧米のがん患者

目的:  悪心・嘔吐の予防に対するSP-01の有効性の検証及び安全性の確認

成績:  有効性については、グラニセトロン経口剤に対するSP-01の非劣性を確認。

安全性については、SP-01投与群とグラニセトロン経口剤投与群で被験薬との関連性が否定できない有害事象の発現率に大きな差は認められないことを確認。

試験実施:ProStrakan Group plc(当社導入元)  試験完了:2006年

 

試験相: 第Ⅲ相臨床試験(中国での承認取得のための最終試験)

被験者: 313名、中等度又は高度催吐性のがん化学療法剤で複数日治療を受けた中国人がん患者

目的:  悪心・嘔吐の予防に対するSP-01の有効性の検証及び安全性の確認

成績:  有効性については、グラニセトロン経口剤に対するSP-01の非劣性を確認。

安全性については、SP-01投与群とグラニセトロン経口剤投与群で被験薬との関連性が否定できない有害事象の発現率に大きな差は認められないことを確認。

試験実施:当社  試験完了:2014年

 

※ 非劣性第Ⅲ相臨床試験における有効性検証の手法の1つで、試験薬が対照薬に対して劣らないことを指す。

※ 有害事象臨床試験の実施期間中に起こる治験薬又は製造販売後臨床試験薬を投与された被験者に生じたすべての好ましくない又は意図しない疾病又はその徴候をいう。当該治験薬又は当該製造販売後臨床試験薬との因果関係の有無は問わない。

 

e SP-01の収益化戦略

2019年3月より製品販売を開始しています。中国主要都市(北京市、上海市、広州市)では、自販モデルにより収益化を図ります。当社中国子会社においてマーケティング体制及び販売体制を構築のうえ運営し、医薬品卸業者等を活用し、製品販売を行っています。また、主要都市以外の中国市場に対しては、導出モデルにより収益化を図ります。2015年11月にLee's Pharmaceutical (HK) Limitedと締結した「Sancuso® License, Promotional and Supply Agreement」(販売権導出契約)のもと、同社によるマーケティングや販売活動を通じて、収益を得ています。

台湾、香港等の市場に対しては、導出モデルにより収益化を図ります。2010年2月、2014年9月及び2019年9月に協和発酵キリン株式会社(現協和キリン株式会社)と締結した「EXCLUSIVE LICENSE AND SUPPLY AGREEMENT」(販売権導出契約)のもと、同社によるマーケティング・販売活動を通じて、収益化を図る計画です。本書提出日現在、当該地域は、いずれも当局による新薬承認を受けており、一部マイルストン収入及び製品販売による収益を計上しています。

 

② ダリナパリシン(ミトコンドリア標的アポトーシス誘導剤:開発コードSP-02(医薬品))

a 末梢性T細胞リンパ腫

当社は、海外で実施された臨床試験結果から、再発又は難治性末梢性T細胞リンパ腫(Peripheral T-Cell Lymphoma:PTCL)をSP-02の最初の適応症と選択し、当該適応症に対する開発を行っています。末梢性T細胞リンパ腫は、非ホジキンリンパ腫の一病型です。一般的に末梢性T細胞リンパ腫という場合、胸腺での細胞分化と成熟を経て末梢臓器に移動したT細胞に起源を発するリンパ腫の総称で、主に以下の病型に分類されます。

・末梢性T細胞リンパ腫-非特異群:PTCL-NOS

・血管免疫芽球型T細胞リンパ腫:AITL

・ALK陽性未分化大細胞型リンパ腫:ALCL ALK+

・ALK陰性未分化大細胞型リンパ腫:ALCL ALK-

末梢性T細胞リンパ腫を含むT細胞リンパ腫は、B細胞リンパ腫に比べて予後不良で、International T-Cell Lymphoma Projectで行った研究によると、PTCL-NOS及びAITLの5年全生存率はともに32%であり、ALK陽性ALCLは70%、ALK陰性ALCLは49%と報告されています。

 

※ リンパ腫:血液がんの一種で、白血球の中のリンパ球ががん化したものをいう。

※ 末梢性T細胞リンパ腫:白血球の中のTリンパ球ががん化した悪性腫瘍で、リンパ腫の約10%を占める非ホジキンT細胞性リンパ腫。病因は不明で標準的治療法は確立されていない。

※ 適応症:薬剤の治療の対象となる疾病をいう。

※ 非ホジキンリンパ腫:ホジキンリンパ腫以外のすべての多様な悪性リンパ腫を含む一群。ホジキンリンパ腫とは腫瘍細胞の性状や形態の違いなど、いわゆる病理組織学的所見をもとに組織分類される。

※ 胸腺:胸骨の裏側、心臓の上前部(前縦隔:ぜんじゅうかく)にあり、Tリンパ球と呼ばれる白血球をつくっている臓器。

※ 細胞分化:細胞が特定の機能を有する細胞に変化するプロセス。

※ 末梢臓器:末梢は中枢に対する対義語で、神経系における「脳・脊髄」に対する末梢神経や効果器・感覚器等を指す。

※ T細胞:リンパ球の一種で、骨髄で産生された前駆細胞が胸腺での選択を経て分化し成熟したもの。細胞表面に特徴的なT細胞受容体を有している。末梢血中のリンパ球の70〜80%を占める。

※ 末梢性T細胞リンパ腫-非特異群:悪性リンパ腫のWHO分類(2008)において成熟T細胞及びNK細胞腫瘍に分類されるリンパ腫の一型。

※ 血管免疫芽球型T細胞リンパ腫:悪性リンパ腫のWHO分類(2008)において成熟T細胞及びNK細胞腫瘍に分類されるリンパ腫の一型。

※ ALK(anaplastic lymphoma kinase):未分化リンパ腫リン酸化酵素と呼ばれる受容体型チロシンキナーゼ。ALK陽性とはALKを含むことをいい、ALK陰性とはALKを含まないことをいう。

※ 未分化大細胞型リンパ腫:悪性リンパ腫のWHO分類(2008)において成熟T細胞及びNK細胞腫瘍に分類されるリンパ腫の一型。

※ B細胞リンパ腫:非ホジキンリンパ腫の一種であり、リンパ球の一種であるB細胞ががん化した悪性腫瘍。

※ International T-Cell Lymphoma Project:国際的なT細胞リンパ腫の調査プロジェクト。

※ 5年全生存率:診断あるいは治療開始から5年間経過後に生存している人の割合のこと。

 

b 治療法及び予後

現在まで、日本国内において、病型(病理組織学的分類)を問わず「悪性リンパ腫」の効能を有する医薬品(抗悪性腫瘍薬及び副腎皮質ステロイド薬)は多数存在しますが、再発又は難治性のPTCLの効能を有する医薬品は3剤のみであり、その効果は未だ十分とは言えません。また、PTCLに対する治療に医薬品が単剤で使用されることは稀で、通常は複数の医薬品を組み合わせた多剤併用療法が行われています。

悪性リンパ腫に対する診療ガイドラインは、米国のNCCN、欧州臨床腫瘍学会(European Society for Medical Oncology:ESMO)、英国血液学会(British Committee for Standards in Hematology:BCSH)及び国内の日本血液学会等により各々公表されていますが、いずれのガイドラインにおいても、PTCLの初回治療は、「臨床試験への参加」又はCHOP療法やその類似療法であるCHOEP療法及びHyper CVAD/MA療法等のアントラサイクリン系抗悪性腫瘍薬を含む多剤併用療法が挙げられています。

PTCLは患者数が限定されているため、これまでびまん性大細胞型B細胞リンパ腫(Diffuse Large B Cell Lymphoma:DLBCL)等を含むアグレッシブ・リンパ腫の臨床試験に含めて解析されており、PTCLに限定した大規模な臨床試験は行われていません。そのため、アグレッシブ・リンパ腫に対する初回治療として、CHOP療法が標準治療に位置付けられたことを受け、DLBCLと同様、PTCLに対してもCHOP療法が選択されています。

一方、再発・難治例に対する救援療法については、上述の診療ガイドラインのいずれにおいても「臨床試験への参加」が推奨されています。「臨床試験への参加」以外の治療選択肢としては、DHAP療法、ESHAP療法、GDP療法、GemOx療法、ICE療法、MINE療法等に加え、日本ではCHASE療法、EPOCH療法、DeVIC療法等の多剤併用療法行われる場合もあります。また、NCCNガイドラインでは単剤療法として数種の薬剤が推奨されています。しかしながら、いずれの療法も医学的知見(臨床データの蓄積等)は未だ乏しい状況と考えられています。

以上のとおり、PTCLの初回治療に明確な医学的知見は存在しておらず、CHOP療法に代表されるアントラサイクリン系抗悪性腫瘍薬を含む多剤併用療法が日常診療で広く行われているものの、治療成績は十分ではないのが現状です。再発・難治例においては、確立された救援療法がなく、予後は不良であり、悪性リンパ腫の治療では、多剤併用療法が有効であると考えられていることから、これまでに多くの組み合わせが検討され、その一部が日常診療で使用されています。

これらの治療現状から、新しい作用機序を持つ新しい治療薬や忍容性が良好で、併用療法の組み合わせに加えられるような、新たな治療薬が望まれています。

 

※ 副腎皮質ステロイド薬:抗炎症作用や免疫抑制作用が期待される薬剤の一種。造血器腫瘍への適用が認められている薬剤が存在する。

※ 初回治療:ある患者が最初に施される化学療法をいう。

※ CHOP療法:シクロホスファミド、ドキソルビシン、ビンクリスチン、ステロイドで構成される併用療法の1つ。

※ CHOEP療法:シクロホスファミド、ドキソルビシン、ビンクリスチン、エトポシド、プレドニゾロンで構成される併用療法の1つ。

※ Hyper CVAD/MA療法:シクロホスファミド、ドキソルビシン、ビンクリスチン、デキサメタゾン、メトトレキセート、シタラビンで構成される併用療法の1つ。

※ アントラサイクリン系抗悪性腫瘍薬:がん治療に使用される抗生物質の薬剤。

※ びまん性大細胞型B細胞リンパ腫:悪性リンパ腫の種類の1つで、Bリンパ球細胞から発生する非ホジキンリンパ腫で中悪性度に分類される。日本の非ホジキンリンパ腫の30~40%を占めており、最も発生頻度の高い病型。

※ アグレッシブ・リンパ腫:Working Formulation分類では、病型分類の他に非ホジキンリンパ腫の進行速度に基づき、無治療での予後が年単位で進行する低悪性度,月単位で進行する中悪性度、週単位で進行する高悪性度というように悪性度による分類がなされ、アメリカのNational Cancer Instituteより、悪性度による分類に加えて疾患の悪性度、活動性や侵攻性といったaggressivenessの程度を考慮した、低悪性度=インドレントリンパ腫(indolent lymphoma)、中悪性度=アグレッシブ・リンパ腫(aggressive lymphoma)、高悪性度=高度アグレッシブ・リンパ腫(highly aggressive lymphoma)という臨床分類が提唱されている。

※ 救援療法:主に造血器腫瘍において、治療効果が得られない場合(治療抵抗性)、あるいは再発・再燃した場合に用いる治療を、救援療法あるいは救援化学療法と呼ぶ。がんの種類によって治療内容は異なり、複数の薬(抗がん剤など)を組み合わせた治療が主流で、救済療法又はサルベージ療法と呼ばれることもある。

※ DHAP療法:デキサメタゾン、シスプラチン、シタラビンで構成される併用療法の1つ。

※ ESHAP療法:エトポシド、メチルプレドニゾロン、シタラビン、シスプラチンで構成される併用療法の1つ。

※ GDP療法:ゲムシタビン、デキサメタゾン、シスプラチンで構成される併用療法の1つ。

※ GemOx療法:ゲムシタビン、オキサリプラチンで構成される併用療法の1つ。

※ ICE療法:イホスファミド、カルボプラチン、エトポシドで構成される併用療法の1つ。

※ MINE療法:メスナ、イホスファミド、ミトキサントロン、エトポシドで構成される併用療法の1つ。

※ CHASE療法:シクロホスファミド、エトポシド、シタラビン、デキサメタゾンで構成される併用療法の1つ。

※ EPOCH療法:エトポシド、ドキソルビシン、ビンクリスチン、シクロホスファミド、プレドニゾロンで構成される併用療法の1つ。

※ DeVIC療法:カルボプラチン、イホスファミド、エトポシド、デキサメタゾンで構成される併用療法の1つ。

※ 作用機序:薬剤がその効果を発揮するための特異的な生化学的相互作用をいう。

 

c SP-02開発の経緯

SP-02は、有機ヒ素化合物を製剤化した医薬品候補で、PTCLに対する以下の新しい作用機序により、最終的な殺細胞効果を発現すると考えられています。

・腫瘍細胞内ミトコンドリアへの直接的な傷害

・腫瘍細胞内のROS(Reactive Oxygen Substance)を増加させることによる細胞傷害の誘発

カスペース9、カスペース3を介してのアポトーシス誘導

これまでに実施された薬効薬理試験結果から、無機ヒ素化合物である三酸化ヒ素(Arsenic trioxide:ATO)に比してSP-02は細胞内取り込み濃度が高く、白血病、骨髄腫、悪性リンパ腫、固形腫瘍の各細胞株に対するin vitro活性が示され、また造血器腫瘍に対する抗腫瘍効果、及び固形腫瘍細胞株に対する殺細胞作用が認められています。さらに、SP-02の細胞毒性はATOと異なり、PML/RARα融合蛋白と無関係に発現し、ATO耐性細胞株に対しても殺細胞作用が確認されています。

SP-02は、生体内でのヒ素を解毒する経路で生じる中間代謝体と同じ構造を持ち、グルタチオン抱合体構造を有することから、無機ヒ素化合物より毒性が低く、治療域がより広くなることが期待されます。

多剤併用療法で使用頻度の高いアントラサイクリン系抗悪性腫瘍薬の心毒性は広く認識されていますが、SP-02は、第Ⅰ相臨床試験で実施された詳細な心電図評価において、ATOで報告されている不整脈や心電図異常(QT延長)等の心毒性は認められず、将来アントラサイクリン系抗悪性腫瘍薬を含む多剤併用療法と安全に組み合わせられる可能性があります。

また、上記のとおり、SP-02は分子標的薬ではなく、その適用範囲や作用機序は多岐に渡ることが想定されていることから、今後PTCL以外の血液がん又は固形がんに対する適応の拡大が期待されています。

なお、SP-02は米国及び欧州において、PTCL治療薬として、希少疾病用医薬品(オーファン・ドラッグ)に指定されています。

本剤は、導入元であるZIOPHARM Oncology, Inc.により開発が進められてきており、同社により、米国及びインドでの前期第Ⅱ相臨床試験が2012年に完了されています。当社グループは、2011年3月の本剤導入後から臨床開発を推進してまいりました。2015年に、日本及び韓国での第Ⅰ相臨床試験を完了しています。2016年に、承認申請への最終試験としての設計のもと、日本、韓国、台湾及び香港での国際共同治験第Ⅱ相臨床試験を開始し、2019年9月に全ての被験者の組み入れを完了しています。本書提出日現在も当該試験を実施中です。

 

※ 有機ヒ素:炭素を含むヒ素化合物。

※ ミトコンドリア:ほとんどの真核生物に存在する細胞小器官で、独自のDNAを持ち、分裂・増殖する。好気呼吸によりエネルギーを生み出す器官。

※ Reactive Oxygen Substance, ROS:活性酸素種ともいう。活性酸素種は好気性生物が酸素を消費する過程で発生する反応性の高い副産物であり、細胞内のDNAを損傷するとされている。

※ 細胞傷害:細胞に対して死、若しくは機能障害や増殖阻害の影響を与える、物質や物理作用等の性質。

※ カスペース:細胞にプログラム細胞死を起こさせるシグナル伝達経路を構成するシステインプロテアーゼ。カスペース3やカスペース9はその一種。

※ アポトーシス:細胞に組み込まれたプログラムによる細胞死。

※ 薬効薬理試験:医薬品等の作用(効果)評価を目的とした細胞、組織あるいは動物などを用いた試験。

※ 三酸化ヒ素:無機ヒ素化合物の1つで、日本では再発又は難治性の急性前骨髄球性白血病を適応症として承認されている(トリセノックス®)。

※ 細胞株:長期間にわたって体外で維持され、一定の安定した性質をもつに至った細胞をいう。

※ in vitro:試験管や培養器内等の人工的に構成管理された試験条件及び環境。

※ 細胞毒性:細胞傷害性のこと。

※ PML/RARα融合蛋白:急性前骨髄球性白血病では、第15番染色体の一部と第17番染色体の一部が切れて互いに入れ代わる相互転座が起こり、その際に第17番染色体にあるレチノイン酸受容体α遺伝子(RARα)が第15番染色体にあるPML遺伝子のもとに移動し、PML/RARα融合遺伝子が作られる。この融合遺伝子が作るPML/RARα蛋白は、RARα遺伝子とPML遺伝子から作られる蛋白がもともと持っている白血球の分化・成熟作用を阻止し、その結果、急性前骨髄球性白血病では、前骨髄球の段階で細胞の分化・成熟が停止し、前骨髄球が異常に増える白血病が発症する。

※ ATO耐性細胞株:三酸化ヒ素(無機ヒ素化合物)に耐性を有する細胞株。

※ 中間代謝体:体内の代謝での物質変化は、多くの中間段階を経て行われるのが常であり、終産物に行きつく手前のこれらの中間段階の物質をいう。

※ グルタチオン抱合体:生体内に取り込まれた生体外物質を無毒化し体外へ排出する代謝過程において活性化された生体外物質の代謝物は、グルタチオン等の電荷を持つ化学種に抱合される(グルタチオン抱合体)。

※ 心毒性:心臓に機能低下・異常あるいは病変等の悪影響を及ぼすこと。

※ QT延長:心電図上のQT時間の延長で、心筋細胞の電気的な回復が延長することにより起こる。

※ 希少疾病用医薬品:「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」(以下、医薬品医療機器等法という。)第77条の2に基づき、厚生労働大臣によって指定されるもので、対象患者数は日本で5万人未満、医療上特にその必要性が高いもの、実質的な開発計画があるもの等が対象となる。優先審査や開発に際しての補助金等のメリットがある。

 

d SP-02の主要な臨床試験概要

試験相: 前期第Ⅱ相臨床試験

被験者: 50症例、各種造血器腫瘍(悪性リンパ腫、白血病等)患者(米国及びインド)

目的:  SP-02の有効性、安全性、薬物動態の評価

成績:  悪性リンパ腫、特にPTCLについて抗腫瘍効果が示唆された。

試験実施:ZIOPHARM Oncology, Inc.(当社導入元) 試験完了:2012年

 

試験相: 第Ⅰ相臨床試験

被験者: 23症例、PTCL患者(日本及び韓国)

目的:  SP-02の安全性、忍容性、薬物動態、有効性の評価

成績:  試験実施計画書に則った臨床推奨用量及び投与スケジュールにおける安全性及び忍容性が確認された。有効性解析対象例は14例で、一部の症例で抗腫瘍効果が示唆された。日本及び韓国の統合解析結果を下記ウォーターフォール図に示した。

試験実施:当社  試験完了:2015年

 

※ 前期第Ⅱ相臨床試験:第Ⅱ相臨床試験のうち、探索的な試験をいう。

※ 臨床推奨用量:臨床の現場を想定して、推奨される薬剤の用量。

 

SP-02第Ⅰ相臨床試験の有効性解析(ウォーターフォール図)

(画像は省略されました)

※ 上図は、末梢性T細胞リンパ腫患者に対するSP-02投与開始前と最良有効性評価時点(評価期間中での、薬剤の治療効果が最も高まったタイミング)、コンピューター断層撮影(CT)検査による腫瘍効果判定の結果を示す。棒グラフの各棒の長さが各被験者の腫瘍サイズの増減率を示し、何れも投与開始前を0%とし、例えば+80%を示す場合は腫瘍サイズが最良有効性評価時点で投与開始時点から80%増大したことを示し、-80%を示す場合は当該サイズが80%縮小したことを示す。なお、腫瘍サイズは各標的病変(測定の対象となる腫瘍病変)の二方向の直径の積の総和の変化によって測定される。

※ 横軸の下の略語は、有効性解析対象となった各被験者の末梢性T細胞リンパ腫の以下病型分類を示す。全生存率出所は前掲のとおり。

・AITL:血管免疫芽球型T細胞リンパ腫(5年全生存率32%)

・PTCL-NOS:末梢性T細胞リンパ腫-非特異群(5年全生存率32%)

・ALCL ALK-:ALK陰性未分化大細胞型リンパ腫(5年全生存率49%)

 

※ 各棒に付してある略語は、フルオロデオキシグルコースを用いたポジトロン断層撮影(Fluorodeoxyglucose-Positron Emission Tomography:FDG-PET)検査を加味した効果判定規準(改訂版悪性リンパ腫の効果判定規準,出典:造血器腫瘍取扱い規約第1版)における腫瘍縮小効果判定(下表)に基づく。

総合

効果

標的病変の二方向積和

非標的病変

骨髄浸潤

PET

新病変

節性

節外性

節性

節外性

CR

二方向積和の変化は問わない(未検は不可)

陰性

陰性

なし

PR

二方向積和の変化は問わない(未検は不可)

陰性

陰性

なし

50%以上縮小

正常又は非増大

消失又は非増大

問わない(未検可)

陽性

なし

SD

50%未満の縮小かつ

50%未満の増大

正常又は非増大

消失又は非増大

問わない(未検可)

陽性

なし

PD

50%以上増大

増大

増大

陽性化

陽性

あり

RD

再腫大

再出現

再腫大

再出現

CR:完全奏効(Complete Response) PR:部分奏効(Partial Response)

奏功とは、薬の投与による効果をいう。

SD:安定(Stable Disease) PD:進行(Progressive Disease)RD:再発(Relapsed Disease)

 

※ 非標的病変:測定の対象以外の腫瘍病変をいう。

※ 骨髄浸潤:腫瘍が骨髄に浸潤する(入り込む)こと。

※ 節性、節外性:節性とは標的病変がリンパ節にある場合をいう。節外性とは標的病変がリンパ節以外の臓器にある場合をいう。

※ 未検可、未検不可:臨床試験に際して当該項目の検査が実施されなくとも、当該効果判定評価が可能な場合を「未検可」という。当該項目の検査が実施されない場合、当該効果判定評価が不可能な場合を「未検不可」という。

※ 再腫大:再発により、腫瘍の大きさが再び増大すること。

※ 再出現:再発により、腫瘍が再び出現すること。

※ 上記第Ⅰ相臨床試験での有効性解析結果は以下のとおり。

・有効性解析対象14例における有効例は4例(CR及びPR)、最良反応(臨床試験計画において予め定められた観察評価期間中に認められた最大効果)率は28.6%(14例中4例)。

・このほか、安定(SD)症例6例のうち5例は腫瘍の縮小が認められた。

 

e SP-02の収益化戦略

SP-02は導出モデルによる収益化を図ります。なお、日本をはじめ各国の規制当局の承認を受けた上で、導出先が販売を開始することとなります。

日本市場に対しては、2015年1月にMeiji Seika ファルマ株式会社と締結した「ライセンス契約書」(販売権導出契約)のもと、同社による販売活動を通じて、収益化を図ります。なお、当該導出契約による契約金収入及びマイルストン収入の一部は、すでに収益計上されております。

また、南米市場に対しては、2018年8月にHB Human BioScience SASと締結した「ライセンス契約書」(販売権導出契約)のもと、同社による販売活動を通じて、収益化を図ります。

その他、米国、欧州、中国、韓国等の諸市場に対しては、今後、諸地域毎に製薬企業等への導出契約を締結し、当該企業の販売活動を通じて収益化を図ることを計画しており、これらの地域における導出候補先の選定を進めています。

 

③ episil®(口腔内創傷被覆材料:開発コードSP-03(医療機器))

a がん等の化学療法や放射線療法に伴う口内炎で生じる口腔内治療によって誘発される口腔内疼痛の管理及び緩和

がん等の化学療法及び放射線療法に伴う口内炎は、化学療法薬剤による作用として、また化学療法や放射線療法による抵抗力の低下による細菌等の感染により発生します。発生頻度は30〜40%程度であり、重症化するとがん治療の継続が困難になることもあります。症状としては、接触痛、出血、冷温水痛、口腔乾燥、口腔粘膜の発赤・腫脹、開口障害、構音障害、嚥下障害、味覚障害などが報告されています。また、がん治療を受ける患者にとって、栄養を十分摂取することが全身状態の改善や口内炎の改善に寄与するため、経口摂取に支障を来さない適切な口腔内管理を行うことが重要と考えられています。

 

※ 参照:厚生労働省「重篤副作用疾患別対応マニュアル 抗がん剤による口内炎」

※ 冷温水痛:冷水や温水に対して痛みを感じる状態。

※ 発赤:皮膚や粘膜の一部に炎症がおこり、充血して赤くなる状態。

※ 腫脹:炎症などが原因で、局所の血流量が増加し体の組織や器官の一部が腫れ上がる状態。

※ 開口障害:なんらかの原因で下顎の開口が制限される状態。

※ 構音障害:音を作る器官やその動きに問題があって発音がうまくできない状態。

※ 嚥下障害:食物等を飲み込むことがうまくできない状態。

 

b SP-03発売以前の主な治療及び対処方法

がん等の化学療法及び放射線療法に伴う口内炎には、確立した標準治療及び対処方法はなく、各々の医療機関での症状にあわせた対症療法が主となっておりました。二次感染の予防や重症化を防ぐために、含嗽(うがい)による口腔内の保清・保湿による口腔ケアを継続し、軽度から中等度の痛みには局所麻酔薬による含嗽に加え、解熱消炎鎮痛薬を使用する場合があります。また、口腔乾燥からの粘膜保護には、保湿剤や唾液の分泌を促す経口薬投与や人工唾液などを補助的に使用します。最近では、コラーゲンの新生促進や血流改善、血管新生を促進する低出力レーザの照射により、疼痛緩和効果をはじめ抗炎症効果、鎮痛効果、創傷治癒促進効果が認められており、口内炎治療に応用されています。

 

c SP-03開発の経緯

SP-03は、種々のがんに対する化学療法剤治療又は放射線治療によって誘発される口腔内粘膜障害(口内炎)への外部刺激による疼痛の緩和及び管理を主たる目的として開発されており、感染症予防や疼痛緩和によって食事摂取が可能になることによるクオリティ・オブ・ライフ(QOL)の向上も期待されています。SP-03は、レシチン及びグリセリン脂肪酸エステルからなる非吸収性の液体であり、口腔内にごく少量の内容液を滴下塗布(ポンプ容器を用いた塗布)することにより、口腔内で唾液と混合されてごく薄い脂質被膜を構成し、口内炎表面を物理的に覆うことによって、食物等の外部刺激による疼痛を一定時間緩和することが期待されます。薬効成分は含まれないため、医薬品医療機器等法上は医薬品ではなく、医療機器に分類されます。

 

(画像は省略されました)

(画像は省略されました)

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図:エピシル®         図:口腔内へのSP-03の適用状況 図:口腔粘膜に接着したSP-03の模式図

日本販売品       可視化のため着色剤添加物を使用 (左図のSP-03適用の拡大図)

 

本剤は、米国及び欧州の一部の国で製品名episil®として既に承認・販売されており、当社グループは、2015年3月に本剤の日本及び中国の権利を導入した後、中国では2016年5月、日本においては2016年10月に、それぞれの規制当局に対して新医療機器承認申請を完了し、中国においては2019年2月、日本においては2017年7月に承認を取得しています。また、2018年8月には、韓国の権利も導入し、2019年10月に医療機器承認を取得しています。

 

※ レシチン:グリセロリン脂質の一種。自然界の動植物においてすべての細胞中に存在しており、生体膜の主要構成成分である。

※ グリセリン脂肪酸エステル:グリセリンの持つ3つのヒドロキシ基のうち1つ乃至2つに脂肪酸がエステル結合したもので、代表的な食品用乳化剤である。

※ 薬効成分:有効成分ともいう。医薬品、医薬部外品などに含有される物質のうち、生理活性を示すものの総称。

 

d SP-03の収益化戦略

日本及び韓国市場に対しては、導出モデルにより収益化を図ります。日本においては、2016年11月にMeiji Seika ファルマ株式会社と締結した「ライセンスおよび販売提携契約書」(販売権導出契約)のもと、同社によるマーケティングや販売活動を通じて収益化を図ります。また、韓国においては、2020年1月にSynex社と、韓国における独占的販売ライセンス契約を締結しています。

中国主要都市(北京市、上海市、広州市)では、自販モデルにより収益化を図ります。当社中国子会社においてマーケティング体制及び販売体制を構築のうえ運営し、医薬品等卸業者等を活用し、製品販売を行っています。また、中国主要都市以外の市場に対しては、導出モデルにより収益化を図ります。2017年2月にLee's Pharmaceutical (HK) Limitedと締結した「episil® LICENSE, PROMOTIONAL AND SUPPLY AGREEMENT」(販売権導出契約)のもと、同社によるマーケティングや販売活動を通じて、収益化を図ります

本書提出日現在、SP-03は日本及び中国において既に上市済であり、上記戦略に基づく収益化を開始しております。なお、導出モデル上の製品販売収入、契約金収入及びマイルストン収入の一部は、すでに収益計上されております。

 

④ PledOx®(細胞内スーパーオキシド除去剤(金属キレート剤):開発コードSP-04)

a がん化学療法に伴う末梢神経障害(Chemotherapy Induced Peripheral Neuropathy : CIPN)

がん化学療法は、悪心・嘔吐や口内炎発症等の副作用が生じますが、末梢神経障害も重篤な副作用の一つにあげられます。末梢神経障害は、植物アルカロイド製剤、プラチナ製剤等のがん化学療法の主要薬剤において、顕著に発現することが知られています。大腸がんの治療法として、手術による治癒が難しい進行・再発がんに対する化学療法及び術後補助化学療法の代表的な抗がん剤の組み合わせに、プラチナ製剤のオキサリプラチンを含むFOLFOX療法があります。オキサリプラチンの処方は、患者のほとんど全例(85%-95%)で末梢神経障害が生じ、当該障害は以下の様な症状をもたらします。

 

急性症状: 手、足や口唇周囲部等の異常感覚、呼吸困難や嚥下障害を伴う咽頭喉頭の絞扼感

慢性症状: 四肢末梢のしびれ感、感覚低下、腱反射の低下、感覚性運動失調

 

このような副作用が発現した場合には、薬剤中止により、80%の症例では一部症状の改善がみられ、40%の症例で6~8ヶ月後には完全に回復するものと考えられておりますが、当該薬剤中止は、がん化学療法の中止や方針変更を意味するものであり、当該障害を治療することは医療上の重要な課題です。

これまでのところ、がん化学療法に伴う末梢神経障害を効能・効果とする薬剤は存在しておりません。

※ 金属キレート剤:分子中に複数の配位子(孤立電子対を持つ有機化合物や陰イオン)を有する化合物が金属陽イオンに配位結合した化合物。

※ 植物アルカロイド製剤:強い毒性のある植物成分を応用した抗がん剤。

※ プラチナ製剤:薬剤の構造中に白金を含む抗がん剤。

※ 術後補助化学療法:再発を防ぐために、手術後に抗がん剤を使用する治療法。

※ FOLFOX療法:ルオロウラシル・フォリン酸・オキサリプラチンの3剤を併用するがん化学療法をいう。StageⅢ大腸癌の術後補助化学療法、StageⅣ再発大腸癌に対しての全身化学療法において、標準療法として採用されている。

※ 参照:厚生労働省「重篤副作用疾患別対応マニュアル 末梢神経障害」

 

b SP-04開発の経緯

当社は2017年11月にSP-04の日本、中国(香港、マカオ含)、韓国、台湾における独占的開発販売権をPledPharma ABより獲得しました。

SP-04は、がん化学療法に伴う末梢神経障害を適応とする開発品です。生体に悪影響を及ぼす細胞内活性酸素の一種スーパーオキシドを分解する酵素(スーパーオキシド・ジムスターゼ)様の作用を持つ、新規に化学合成された金属複合剤(金属キレート剤)です。PledPharma ABは、これまで当該末梢神経障害を適応としてPledOx®の研究開発を欧米にて行ってきております。PledPharma ABの実施した第Ⅱ相までの臨床試験等の結果、FOLFOX(フォルフォックス)療法を受ける進行性大腸がん患者において、治療中及び治療後の末梢神経障害を改善する効果が示唆されており、またFOLFOX療法によるがん治療そのものへの影響を生じさせないことも示唆されております。

日本及びアジア各国(中国を除く)での開発として、2018年2月に米国在住日本人を対象とした第Ⅰ相臨床試験が終了されております。2018年12月に、日本、韓国、台湾及び香港において、mFOLFOX6治療を受ける大腸がん患者を対象とした国際共同第Ⅲ相臨床試験を開始しました。当該第Ⅲ相臨床試験は2つの試験で構成されており、そのうちのひとつのPOLAR-A試験につき、2019年12月に被験者登録が目標症例数に到達致しました。当該試験は、権利導入元との共同にて、欧米アジアで展開されておりますが、2021年1月及び3月に、複数の当局(米国FDA 及び 仏国ANSM)からの試験中断命令を受けたことに鑑み、被験者の安全性をより一層慎重に図る観点から、本第Ⅲ相臨床試験の全ての地域で患者募集及び治験薬投与について一時中断しております。また中国でも、今後当局による治験許可を経て、中国人を対象とした臨床試験を推進する予定です。

 

c SP-04の主要な臨床試験概要

試験相: 第Ⅱ相臨床試験

被験者: 173症例、FOLFOX療法を実施する遠隔転移を有する大腸がん患者(米国、欧州)

目的:  SP-04の有効性及び安全性の検討

成績:  FOLFOX療法による末梢神経障害へのSP-04の有効性が示唆された。またSP-04投与がFOLFOX療法自体の効果へ影響を生じさせないことが示唆された。

試験実施:PledPharma AB(当社導入元) 試験完了:2016年

 

試験相: 第Ⅰ相臨床試験

被験者: 48症例、日本人及び白人健康男性

目的:  SP-04の安全性及び薬物動態の検討

成績:  SP-04は10 µmol/kgまでの用量で安全であり,忍容性も良好であった。

SP-04の曝露量(AUC0-last及びCmax[RT1])は日本人と白人で同様であった。

試験実施:PledPharma AB(当社導入元) 試験完了:2018年

d SP-04の収益化戦略

導出モデルにより収益化を図ります。製薬企業等への導出契約を締結し、当該企業の販売活動を通じて収益化を図ることを計画しております。

日本市場に対しては、2019年12月にマルホ株式会社と締結した「ライセンス契約書」(販売権導出契約)のもと、同社による販売活動を通じて、収益化を図ります。なお、当該導出契約による契約金収入及びマイルストン収入の一部は、すでに収益計上されております。

その他、中国(香港、マカオ含)、韓国、台湾に対しては、今後、諸地域毎に製薬企業等への導出契約を締結し、当該企業の販売活動を通じて収益化を図ることを計画しており、これらの地域における導出候補先の選定を進めています。

 

当社グループの開発パイプラインの進捗状況は下記のとおりです(2020年3月現在)。

(画像は省略されました)

SP-02の日本、韓国、台湾、香港の第Ⅱ相臨床試験は、承認申請への最終試験として設計され、実施しています。

 

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営業績等の状況の概要

①  経営成績の状況

当社グループは、アジア諸地域を中心にがん領域を対象とする医薬品等の開発事業化に特化するスペシャリティファーマであり、バイオベンチャー企業の一種です。医薬品等の研究開発は臨床試験等を実施するために多額の先行投資を要し、かつその期間は中長期に亘ることから、収益確保、投資資金回収には相当程度の期間を要するものとなります。創業以来4つの医薬等候補品の開発に着手し、それらに対するこれまでの先行投資の結果として、2つの開発品について開発に成功し、販売開始に至りました。また残りの2つの開発品は、いずれも当局への承認申請に至る最終段階の臨床試験を実施している状況です。製品の販売開始により、投資資金回収の端緒に就いたものと認識しておりますが、医薬品等の研究開発過程において最大の投資が必要とされる最終段階の臨床試験を複数行っていることから、事業全般においては未だ先行投資を継続している状況にあります。

バイオベンチャー企業の成功事例を多数有する米国において、その大半の企業の単年度損益は赤字です(米国ナスダックバイオインデックス構成企業のうち、株式時価総額1,000億円超の企業は121社あり、うち営業赤字計上の企業は87社。本年1月31日現在。当社調べ)。これは、当該企業の単年度損益への評価に比して、有望な医薬品開発への先行投資を積極的に図ることへの評価が金融市場においてより重要視されていることによるものと考えられます。当社グループも、現時点においては、これら欧米バイオベンチャー企業と同様の事業戦略によって運営されております。

当連結会計年度において、当社グループは引き続き医薬品等の開発パイプライン強化と事業化に注力いたしました。Sancuso®(SP-01)は、2019年3月に中国で販売を開始(臨床現場への提供)いたしました。episil®(SP-03)は、日本では2018年に販売を開始しておりますが、中国では2019年2月に当局承認を経て7月に販売を開始いたしました。また、episil®(SP-03)は、2019年10月に韓国でも承認を取得しております。

これら事業化を果たした製品のほか、2つの開発品が臨床開発の最終段階に到達しております。開発品SP-02の第Ⅱ相臨床試験(最終臨床試験)は2019年9月に被験者登録が目標症例数に到達いたしました。開発品SP-04の2つの第Ⅲ相臨床試験のうちPOLAR-A試験についても、2019年12月に被験者登録が目標症例数に到達いたしました。このほか、開発品SP-04は2019年10月に既存オキサリプラチン以外の化学療法による末梢神経障害にかかる権利を取得し、日本権利においては2019年12月にマルホ株式会社と独占的販売ライセンス契約を締結し、開発完了を見据えた事業化構築を図っております。

 

■SP-01 Sancuso®(中国販売名:善可舒®):中国での事業化

経皮吸収型制吐剤(効能・効果:がん化学療法に伴う悪心・嘔吐)

・当社は、本製品の中国等の権利を有しております。当社権利のうち、中国では自社及び販売パートナーであるLee's Pharmaceutical (HK) Limited(以下、Lee's社)にて販売活動を行っております。

・台湾、香港等の権利は協和キリン株式会社に導出しております。

中国現状

・2019年3月18日より中国で販売を開始(臨床現場への提供:上市)いたしました。

・2019年6月に中国臨床腫瘍学会(Chinese Society of Clinical Oncology: CSCO)が新たに発行した診療ガイドラインに、「がん治療時の標準的な制吐療法の選択肢」として新たに収載されました。

・商流等構築:

・伊藤忠商事株式会社(以下、伊藤忠商事)と中国販売代理店契約を締結しており、同社及び同社グループ会社を活用した販路が構築されております。

・北京市・上海市・広州市の当社自販地域では、下記のとおり営業体制を整備し、販売促進活動を行っております。

・他の中国諸地域では、Lee's社との販売等のライセンス契約のもと、販売が行われております。

・当社会計上の販売先は伊藤忠商事グループです。

 

■SP-02 ダリナパルシン:日本を含むアジア(日本、韓国、台湾、香港)で開発中

新規化学療法剤(予定効能・効果:再発又は難治性の末梢性T細胞リンパ腫等)

・当社は、本開発品の全世界権利を有しております。

・当社権利のうち、日本はMeiji Seika ファルマ株式会社(以下、Meiji)に、南米はHB Human BioScience SAS社に、それぞれ販売権等を導出しております。

日本等現状

・現在、日本、韓国、台湾及び香港において、再発又は難治性の末梢性T細胞リンパ腫患者を対象とした国際共同第Ⅱ相臨床試験を実施しております。

・当該臨床試験は、独立行政法人医薬品医療機器総合機構(PMDA)との協議を経て、承認申請に至る最終試験の位置づけにて計画されており、2019年9月にすべての被験者(患者)の組入れを完了しております。

日本等予定

・2020年に第Ⅱ相臨床試験の結果の公表を予定しており、当該結果が良好な場合には、当局との最終協議を経て承認申請に移行する予定です。

適応拡大

・現在、他の血液がん等を対象とした非臨床試験を実施しております。

 

SP-03 episil® oral liquid(国内販売名:エピシル® 口腔用液、中国販売名:益普舒®): 日本・中国・韓国での事業化

局所管理ハイドロゲル創傷被覆・保護材(使用目的:がん等の化学療法や放射線療法に伴う口内炎で生じる口腔内疼痛の管理及び緩和)

・当社は、本製品の日本、中国(香港、マカオ含)及び韓国の権利を有しております。

日本現状

・Meijiとの販売にかかるライセンス契約のもと、同社より2018年5月から販売が開始されております。

中国

・2019年2月に中国当局より承認を取得し、同年7月19日に販売を開始いたしました。

・商流等構築:

・伊藤忠商事と中国販売代理店契約を締結しており、同社及び同社グループ会社を活用した販路が構築されております。

・北京市・上海市・広州市の当社自社販売地域では、下記のとおり営業体制を整備し、販売促進活動を行っております。

・他の中国諸地域では、Lee's社との販売等のライセンス契約のもと、販売が行われております。

・当社の会計上の販売先は、伊藤忠商事グループです。

韓国現状

・2019年3月に当局への承認申請を行い、10月に承認を取得いたしました。

・2020年1月に韓国Synex社と販売権導出契約を締結いたしました。

韓国予定

・Synex社より、2020年内での販売開始を予定しております。

 

■SP-04 PledOx®: 日本を含むアジア(日本、韓国、台湾、香港)で開発中

細胞内スーパーオキシド除去剤(予定効能・効果:がん化学療法に伴う末梢神経障害)

・当社は、本開発品の日本、中国、韓国、香港及びマカオの権利を有しております。

・当社権利のうち、日本は2019年12月にマルホ株式会社に販売権等を導出いたしました。

日本等現状

・2018年12月に、日本、韓国、台湾及び香港において、mFOLFOX6治療を受ける大腸がん患者を対象とした国際共同第Ⅲ相臨床試験(POLAR-A, POLAR-M)を開始いたしました。

・POLAR-A試験は、2019年12月に被験者の組入れを完了しております。

対象拡大

・2019年10月に、権利導入元であるPledPharma AB(以下、Pled社)と契約を更新し、共同で対象拡大のための開発を推進する方針について合意いたしました。現在、Pled社はパクリタキセル投与により生じる末梢神経障害を対象とした非臨床開発を実施しております。

その他

・現在実施中の第Ⅲ相臨床試験(POLAR-A及びPOLAR-M)は、当社権利地域(日本、韓国、台湾及び香港)と欧米での国際共同臨床試験として遂行してまいりました。当該試験に関し、2020年2月及び3月に、複数の当局(米国FDA 及び 仏国ANSM)からの試験中断命令を受けたことに鑑み、被験者の安全性をより一層慎重に図る観点から、本第Ⅲ相臨床試験の全ての地域で患者募集及び治験薬投与について一時中断しております。

 

■RNA編集技術を用いた創薬事業への取り組み

・当社は、2019年12月に九州大学発のバイオテク企業であるエディットフォース株式会社と共同研究開発契約を締結いたしました。中長期にわたる開発候補品獲得手段として、同社DNA/RNA編集技術を基にした新規がん領域医薬品等への展開を意図とする取り組みです。

 

■中国自社販売体制構築

自販戦略

・Sancuso®(SP-01)及びepisil®(SP-03)の中国販売のうち、北京市・上海市・広州市では、製品販売利益の最大化と固定費管理を念頭に、自社での販売活動(セールス・マーケティング)を行っております。

人的組織現状

・下記3名の事業責任者を中心に、北京市・上海市・広州市の地域毎に10名程度、合計30名程度のMR(medical representative:医薬情報担当者)で構成する営業体制を運営しております。なお、本書提出日時点、当社及び当社子会社役職員において、新型コロナウイルス感染は認められておりません。

中国事業General Manager、当社中国子会社総経理

略歴:元Roche中国癌領域事業部長等、医師(元上海第二医科大学付属第九人民病院)

中国子会社Marketing Director、マーケティング部長

略歴:元Roche, BMS, Sanofi等、医師(元上海第一人民病院救命救急)

中国子会社Sales Director、営業部長

略歴:元Roche, BI等、医師(元蘇州市立医院心臓外科)

拠点現状

・中国での自販活動は、当社100%子会社であるSolasia Medical Information Consulting (Shanghai) Co. Ltd.が担当しております。

・上海市拠点、北京市拠点、広州市拠点を設置しております。

 

上記のとおり各開発品において一定の進捗はあるものの、企業財務面においては、製品販売が未だ初期段階にあることをもって先行投資が継続している状況にあります。このため、当連結会計年度の単年度損益業績は次のとおりとなりました。

売上収益は1,310百万円(前期は318百万円)、営業損失は1,762百万円(前期は営業損失2,420百万円)、税引前当期損失は1,797百万円(前期は税引前当期損失2,445百万円)、当期損失は1,867百万円(前期は当期損失2,422百万円)です。売上収益は、Sancuso®(SP-01)及びepisil®(SP-03)の製品販売等、SP-04日本権利の販売権導出にかかる契約一時金収入等により構成されました。また、研究開発費は1,138百万円発生し、研究開発投資による無形資産の増加額は780百万円であり、合計1,919百万円を研究開発活動に投下いたしました。また、episil®(SP-03)の中国事業無形資産は2019年6月の製品出荷(販売)を契機として償却を開始し、episil®(SP-03)の日本事業無形資産及び、Sancuso®(SP-01)の無形資産は前期より償却を開始しており、当連結会計年度において418百万円の償却費が発生しました。

 

② 財政状態およびキャッシュ・フローの状況

キャッシュ・フローについては、「第2 事業の状況 財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容、財政状態及びキャッシュ・フローの状況」に記載のとおりです。

 

③生産、受注及び販売の実績

a. 生産実績

当社グループは生産活動を行っていませんので、該当事項はありません。

 

b. 受注実績

当社グループは受注生産を行っていませんので、該当事項はありません。

 

c. 販売実績

当連結会計年度の販売実績は、次のとおりです。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2019年1月1日

至 2019年12月31日)

金額(百万円)

前年同期比(%)

医薬品事業(百万円)

1,310

311.1

(注)1.当社グループは、医薬品事業の単一セグメントです。

2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりです。

相手先

連結会計年度

(自 2018年1月1日

至 2018年12月31日)

連結会計年度

(自 2019年1月1日

至 2019年12月31日)

金額(百万円)

割合(%)

金額(百万円)

割合(%)

マルホ株式会社

1,000

76.3

3.上記の金額には、消費税等は含まれていません。

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものです。

重要な会計方針及び見積り

当社グループの重要な会計方針及び見積りにつきましては、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項3.重要な会計方針、注記事項4.重要な会計上の判断、見積り及び仮定」に記載のとおりです。

 

② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

連結会計年度の経営成績及び分析は以下のとおりです。

経営成績

 

前連結会計年度

(百万円)

当連結会計年度

(百万円)

前期比

(百万円)

売上収益

318

1,310

991

売上総利益

105

1,244

1,139

営業利益(△損失)

△2,420

△1,762

657

当期利益(△損失)

△2,422

△1,867

554

 

当連結会計年度において、当社グループは引き続き医薬品等の開発パイプライン強化と事業化に注力いたしました。Sancuso®(SP-01)は、2019年3月に中国で販売を開始(臨床現場への提供)いたしました。episil®(SP-03)は、日本では2018年に販売を開始しておりますが、中国では2019年2月に当局承認を経て7月に販売を開始いたしました。また、episil®(SP-03)は、2019年10月に韓国でも承認を取得しております。

これら事業化が完了した製品のほか、2つの開発品が臨床開発の最終段階に到達しております。開発品SP-02の第Ⅱ相臨床試験(最終臨床試験)は2019年9月に被験者登録が目標症例数に到達いたしました。開発品SP-04の2つの第Ⅲ相臨床試験のうちPOLAR-A試験についても、2019年12月に被験者登録が目標症例数に到達いたしました。このほか、開発品SP-04は2019年10月に(既存)オキサリプラチン以外の化学療法による末梢神経障害にかかる権利を取得し、日本権利においては2019年12月にマルホ株式会社と独占的販売ライセンス契約を締結し、開発完了を見据えた事業化構築を図っております。

上記のとおり各開発品において一定の進捗はあるものの、企業財務面においては、製品販売が未だ初期段階にあることをもって先行投資が継続している状況にあります。このため、当連結会計年度の(単年度損益)業績は次のとおりとなりました。

 

(売上収益、売上総利益)

売上収益は、SP-04日本権利の独占的販売権導出にかかる契約一時金収入1,000百万円、Sancuso®及びepisil®の製品販売収益等により合計1,310百万円生じ、前連結会計年度と比べ991百万円増加いたしました。また、売上総利益は、上記売上収益の発生により1,244百万円となり、前連結会計年度と比べ1,139百万円増加いたしました。

 

研究開発費、販売費及び一般管理費の内訳

 

前連結会計年度

(百万円)

当連結会計年度

(百万円)

前期比(百万円)

研究開発費

1,463

1,138

△325

販売費及び一般管理費

1,061

1,868

806

2,525

3,006

481

(内訳)人件費

484

648

163

業務委託費

1,515

1,415

△100

減価償却費及び無形資産償却費

153

475

321

その他

372

468

96

 

(研究開発費、販売費及び一般管理費、営業損益)

研究開発費は1,138百万円発生いたしました。これは主にSP-02第Ⅱ相臨床試験(最終試験)やSP-04第Ⅲ相臨床試験(最終試験)等への臨床開発投資によるものです。販売費及び一般管理費は、中国販売体制を中心とする人的体制整備及び無形資産償却費発生を主因として前連結会計年度と比べ806百万円増加し、1,868百万円となりました。売上総利益より研究開発費と販売費及び一般管理費を減じた営業損益は、1,762百万円の損失となりました。なお、当該損失額は前連結会計年度と比べ657百万円減少しております。

 

(当期損益)

当期損益は、上記営業損失計上を主要因として1,867百万円の損失となりました。

 

(資産性費用の無形資産計上と償却)

当連結会計年度において、開発パイプラインへの投資のうち資産性を有すると認識される開発費用等につき、780百万円を無形資産の増加として計上しました。当連結会計年度のパイプラインへの投資は、当該無形資産計上額780百万円と研究開発費1,138百万円の合計額1,919百万円となります。

また、episil®(SP-03)の中国事業無形資産は2019年6月の製品出荷(販売)を契機として償却を開始し、episil®(SP-03)の日本事業無形資産及びSancuso®(SP-01)の無形資産は前期より償却を開始しており、当連結会計年度において418百万円の償却費が発生いたしました。

これらの結果、無形資産残高は3,485百万円となりました。

 

財政状態及びキャッシュ・フローの状況

 

前連結会計年度

(百万円)

当連結会計年度

(百万円)

前期比

(百万円)

資産

7,728

7,946

217

負債

641

1,029

387

資本

7,087

6,917

△170

営業活動によるキャッシュ・フロー

△2,323

△828

1,494

投資活動によるキャッシュ・フロー

△256

△735

△479

財務活動によるキャッシュ・フロー

3,260

1,641

△1,619

資産

当連結会計年度末の資産は、前連結会計年度末と比べ217百万円増加し、7,946百万円となりました。流動資産は4,302百万円であり、そのうち現金及び現金同等物は4,116百万円です。非流動資産は3,644百万円であり、そのうち開発投資にかかる資産計上額である無形資産は3,485百万円です。

 

負債

当連結会計年度末の負債は、前連結会計年度末と比べ387百万円増加し、1,029百万円となりました。流動負債は925百万円であり、そのうち営業債務及びその他の債務は800百万円です。非流動負債は103百万円であり、繰延税金負債65百万円が主要構成要素です。また本書提出日現在、国内銀行との約定による融資枠(当座貸越契約及びコミットメントライン契約)の金額は3,500百万円であり、すべて未使用の状態にあります。

 

(資本)

当連結会計年度末の資本は、前連結会計年度末と比べ170百万円減少し、6,917百万円となりました。主な増加要因は第三者割当増資等による新株発行1,704百万円であり、主な減少要因は当期損失1,867百万円です。

なお、2019年2月27日当社取締役会及び2019年3月29日当社株主総会の決議をもって、将来の剰余金配当や自社株取得等の株主還元策が可能な状況に当社財政状態を近接せしめ、今後の資本政策の柔軟性と機動性の向上を図ることを目的とし、資本金及び資本準備金の額の減少並びに剰余金の処分(繰越利益剰余金の欠損填補)を行いました。但し、本件手続きは資本における勘定の振替であり、当社の資本合計に変更を生じせしめたものではありません。

 

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度の営業活動によるキャッシュ・フローは828百万円のマイナス(前連結会計年度は2,323百万円のマイナス)であり、税引前当期損失1,797百万円(マイナス要因)及び無形資産償却費418百万円(プラス要因)等が主要因です。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度の投資活動によるキャッシュ・フローは735百万円のマイナス(前連結会計年度は256百万円のマイナス)であり、資産計上された開発投資に関連する支出730百万円が主要因です。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度の財務活動によるキャッシュ・フローは1,641百万円のプラス(前連結会計年度は3,260百万円のプラス)であり、第三者割当増資等による新株発行収入1,704百万円が主要因です。

 

経営戦略と見通し

当社グループの事業は、医薬品開発パイプラインの強化と収益化を経営戦略の中心に据えて、事業展開を図っています。当社グループはベンチャー企業であり、一般の製薬企業に対し相対的に経営資源に制約があることから、開発成功確率を高めることを最重要視し、体制構築、開発品選定、臨床試験戦略の策定と実行を図っています。具体的な戦略は、「1.経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりの以下を遂行することにあります。

a. 既存開発パイプラインの進捗

b. 中国における営業活動及び営業組織の管理

c. 新規開発パイプラインの拡充

d. 強固な販売パートナーシップの構築

e. 組織の強化

f. 内部統制の強化

g. 資金調達の実施

上記諸戦略は、すべて戦略目標を中長期に亘り設定しており、当面は継続して推進する所存です。

 

(3) 経営者の問題認識と今後の方針について

経営者の問題認識と今後の方針につきましては、「1.経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりです。

 

(4) 経営成績に重要な影響を与える要因について

経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「2.事業等のリスク」に記載のとおりです。

 

(5) 経営成績等の状況の概要に係る主要な項目における差異に関する情報

IFRSにより作成した連結財務諸表における主要な項目と日本基準により作成した場合の連結財務諸表におけるこれらに相当する項目との差異に関する事項

研究開発費の資産計上

日本基準において費用処理している一部の研究開発費について、IFRSにおいては資産計上要件を満たすことから、無形資産に計上し、見積耐用年数により償却しています。この影響により、当連結会計年度にて、IFRSでは日本基準に比べ研究開発費が780百万円減少し、販売費及び一般管理費が418百万円増加しています。

 

5.事業セグメント

(1) 報告セグメントに関する情報

当社グループの事業内容は医薬品等の開発及び販売であり、区分すべき事業セグメントが存在しないため、報告セグメントは医薬品事業単一となっています。

 

(2) 製品及びサービスに関する情報

当社グループの事業において、区分すべき製品及びサービスのグループはありません。

 

(3) 地域別に関する情報

① 外部顧客からの収益

 

 

(単位:百万円)

 

 

前連結会計年度

(自 2018年1月1日

至 2018年12月31日)

当連結会計年度

(自 2019年1月1日

至 2019年12月31日)

日本

168

1,120

中国その他

150

190

合計

318

1,310

(注)顧客の所在地を基礎として区分しています。

 

② 非流動資産

 

 

(単位:百万円)

 

 

前連結会計年度

(2018年12月31日)

当連結会計年度

(2019年12月31日)

日本

3,163

3,580

中国

17

17

合計

3,181

3,598

(注)有形固定資産、使用権資産及び無形資産を資産の所在地を基礎として区分しています。

 

(4) 主要な顧客に関する情報

連結損益計算書における売上収益の10%以上を占める相手先は次のとおりです。

 

 

 

(単位:百万円)

 

顧客の名称

関連するセグメント名

前連結会計年度

(自 2018年1月1日

至 2018年12月31日)

当連結会計年度

(自 2019年1月1日

至 2019年12月31日)

マルホ株式会社

医薬品事業

1,000

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末において当社グループが判断したものです。

(1)会社の経営の基本方針

当社グループは、日本及びアジア諸国の医療に貢献するため、海外又は国内の製薬企業又はバイオベンチャー企業から有望な新薬候補品を導入し、日本及びアジア諸国における臨床開発を中心とした開発活動を通じ、製品を医薬品市場に供給することを経営基本方針としています。

 

(2)目標とする経営指標

現在の当社グループが目標とする経営指標は、開発品の価値向上にあります。将来収益の源泉となる開発品価値は、臨床開発を推進することにより増大します。当社グループはこれを目標とするため、①成功確率を重視した新規開発品の導入、②短期的な上市を可能とするための効率的な臨床開発を実践しています。

 

(3)中長期的な会社の経営戦略

① 当社グループの事業領域

現在、日本及び中国では悪性腫瘍(一般に悪性新生物又はがんという。以下同じ)が死因の第一位を占めており、その他のアジア諸国でも死因の上位を占める傾向にあります。当社グループは、悪性腫瘍治療を目的とする医薬品の開発及び販売を主たる事業領域としています。また、悪性腫瘍治療薬の投与や放射線治療によって生じる有害事象(副作用等)を軽減し、悪性腫瘍に対する治療及び患者のクオリティ・オブ・ライフ(QOL)向上が期待できる医薬品及び医療機器の開発及び販売も事業領域としています。

 

② 製薬バリュー・チェーン(初期研究活動から事業化までの機能連鎖)での位置づけ

標準的な製薬バリュー・チェーンは、上流の基礎研究、製剤研究、非臨床開発の各機能、中流の臨床開発機能、下流の製造、マーケティング、販売、製造販売後調査(注)の各機能により構成されます。当社グループは上流機能を持たず、中流以降の各機能に特化した事業を推進しています。なお、現在は、製造機能の全部及び販売機能の一部を保有しておらず、販売機能は中国の主要都市(北京市、上海市、広州市)に対するもののみ保有してゆく方針です。

また、当社中国子会社では、主要都市(北京市、上海市、広州市)において、バリュー・チェーンの下流に位置する販売、マーケティング、販売後調査等、すなわち医薬品等の品質、有効性、安全性等の情報提供、収集及び伝達を自社で行い得る体制の運用を行っています。

(注)医薬品の製造販売後の調査及び試験の実施の基準に関する省令において、医薬品の製造販売業者又は外国製造医薬品等特例承認取得者が、医薬品の品質、有効性及び安全性に関する情報の収集、検出、確認又は検証のために行う使用成績調査又は製造販売後臨床試験をいう。

 

(4)会社の対処すべき課題

① 既存開発パイプラインの進捗

当社グループの将来の収益基盤は開発パイプラインの成功にかかっており、既存開発パイプラインの臨床試験を中心とした開発遂行、承認取得が企業価値向上には必要不可欠であると認識しております。

 

② 中国における営業活動及び営業組織の管理

 当社グループは、中国における収益確保の手段として、自販モデルと導出モデルを組み合わせています。導入元との密な情報交換のもと、中国全土において当社マーケティング部門が製品のブランドイメージの構築を行い、薬事部門とともに市販製品に関する規制当局対応などを実施します。自販モデルの対象となる都市(北京市、上海市、広州市)では、当社中国子会社の営業組織による中国の規制及び商習慣に合致した営業活動を行います。さらに、構築したマーケティング戦略を導出地域における販売パートナーと共有化して売上促進を図り、安定した販売規模を確保してゆく所存です。これら中国子会社の営業活動は、親会社各部門との綿密な情報共有によって管理されます。

 

③ 新規開発パイプラインの拡充

 当社グループにおいて、開発パイプラインの充実は企業価値向上に直結し、将来の収益に大きく影響します。当社グループのビジネスモデルは、臨床試験の計画及び実施等の開発行為によって付加価値を高めた製品の導出又は販売であり、当社グループの強みである臨床開発機能を最大限活かすために、臨床試験開始直前の開発早期ステージから承認直前の後期ステージにある開発候補品までをバランスよく導入することを目指してまいります。また、当社グループは、経営資源をがん治療薬及びがん支持療法薬又は医療機器に集約し、がん治療全般に貢献し得る新薬や新医療機器の開発候補品を積極的に探索してまいります。

 

④ 強固な販売パートナーシップの構築

 当社グループの収益確保のビジネスモデルは、当社グループにより開発が完了された製品の導出又は販売です。各地域で確立された販売網を持つ強力かつ信頼できるパートナー企業への販売権導出を通じてのパートナーシップが極めて重要になります。当社グループは、これらの収益化の構築及び強化のため、各事業領域において一定の実績を有するパートナー企業との連携を積極的に推進してまいります。

 

⑤ 組織の強化

 当社グループでは、いずれの部門も、専門領域の知識及び経験並びにマネジメントを有するスタッフを採用し、配置することに努めていますが、開発パイプライン拡充による開発活動量の増加及び中国におけるマーケティング・営業活動量の増加に対応するためには、適切な人員増加と効率的な組織編制が重要になってまいります。また、当社グループが継続的に株主の期待に応えられる企業であるためには、年齢、性別を問わずバランスの良い人材配置と蓄積された知識・経験の次世代への伝達が不可欠であると考えられます。当社グループでは、組織の規模を追うことなく、少数の専門スタッフによる組織構築を念頭に、中長期の視点による必要人員の確保、育成及び組織強化に積極的に取り組んでまいります。また、当社グループのビジネスモデルの実践に際しては、当社グループのスタッフと外部専門家及び外部委託機関との連携が不可欠です。今後も、専門性の高い外部専門家及び外部委託機関と対等の協力関係を築くことを重視し、当社グループ人材を中心とする最適なチームを構築してまいります。

 

⑥ 内部統制の強化

 当社グループは、当社グループのビジネスモデルの実現及び継続のため、事業及び企業規模に応じて、業務執行の妥当性、効率性、企業倫理、法令遵守に留意するとともに、継続的にステークホルダーの期待に応えられる企業となるべく、リスク管理及びコンプライアンス管理等の内部統制の徹底を図ってまいります。

 

⑦ 資金調達の実施

 上記のとおり、企業価値の向上を図るためには開発パイプラインの強化が必要ですが、一方で臨床試験遂行のための開発費支出やライセンス導入費等の支払いが先行するため、当座これらへの一定の資金需要が存在しております。当社グループは、これまでの製薬企業への開発権導出や新株発行を通じて資金を調達してまいりました。今後は製品販売による資金確保も図ってまいりますが、事業基盤強化のための資金調達の可能性は今後も継続して検討し、事業活動の継続に支障が生じないように努めてまいります。

2【事業等のリスク】

当社グループの財政状態及び経営成績に関する事項のうち、投資家の判断に重要な影響を及ぼす可能性があると考えられる主な事項を下記に記載しています。また、必ずしも事業上のリスク要因に該当しないと考えられる事項についても、投資家の判断において重要と考えられる事項は、積極的な情報開示の観点から記載しています。当社グループは、これら事業等のリスクを認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対応を図り事業活動を行っていますが、このような諸策の成否には不確実性が存在します。また、当社グループの事業はこれら以外にも様々なリスクを伴っており、下記の記載はリスクを網羅するものではありません。当社グループは、医薬品等の開発を行っていますが、医薬品等の開発には長い年月と多額の研究費用を要し、すべての開発が成功するとは限りません。特に販売開始前の研究開発段階のパイプラインを有する製品開発型バイオベンチャー企業は、事業のステージや状況によっては、一般投資者の投資対象として供するには相対的にリスクが高いと考えられており、当社への投資はこれに該当します。

なお、文中における将来に関する事項は本書提出日現在において当社グループが判断したものです。

 

(1) 研究開発の失敗に関する事項

当社グループの開発品は、既に販売開始となったもの、当局により承認を取得したもの、臨床試験の最終段階にあるものもあります。これら開発品には、今後の開発活動等において主に下記のとおりのリスクが付帯しています。

 

・医薬品等の有効性若しくは安全性に対する、臨床試験等の結果の不確実性

・臨床試験等の開発活動運営の不確実性

・開発活動への投資額や所要期間の不確実性

・法令や規制、規制当局指導の不確実性

・開発品の競合関係の不確実性

・導入や導出、開発委託等の提携関係の不確実性

・開発主体である当社組織の不確実性

・特許侵害等の知的財産権の不確実性

 

これらリスクが顕在化した場合には、当該開発品の開発方針の変更、開発延期、延長又は中止という事態(以下「開発品の中止等」という。)が生じる可能性があります。

開発品の中止等が生じた場合には、当該開発品に対して計画していた将来収益を失うほか、主に以下の事象を生じせしめ、財政状態及び経営成績に重大な影響を及ぼすこととなります。但し、開発品の中止等に起因する下記事象は、それを網羅するものではありません。以下は、これら事象により影響を受けると考えられる勘定科目の、過去の連結財政状態計算書の数値です。

(単位:百万円)

第11期

2018年12月期

連結会計年度

第12期

2019年12月期

連結会計年度

決算年月

2018年12月31日

2019年12月31日

棚卸資産

122

3

無形資産

3,123

3,485

負債合計

641

1,029

資本金

7,632

960

資本剰余金

7,483

4,630

利益剰余金

△7,975

1,400

資本合計

7,087

6,917

 

 棚卸資産の減損

開発品の中止等が生じた場合、かかる開発品の棚卸資産の一部若しくは全部が減損されることとなり、連結損益計算書上で減損損失が計上され、同額だけ連結財政状態計算書上の利益剰余金及び資本合計が減少することとなります。

 

 無形資産の減損

当社グループは、採用する国際会計基準(IFRS)に基づき、開発品への投資のうち資産性を有すると認識される開発費用、導入費用及びかかる資金コストにつき、これを連結財政状態計算書上の無形資産として計上する会計処理を行っています。開発品の中止等が生じた場合、かかる開発品に対して計上された無形資産の一部若しくは全部が減損されることとなり、連結損益計算書上で減損損失が計上され、同額だけ連結財政状態計算書上の利益剰余金及び資本合計が減少することとなります。

 

(2) 医薬品等の研究開発事業一般に関する事項

① 研究開発の不確実性に関する事項

当社グループは医薬品等の開発を主業務としています。近年の診断理論及び技術、また遺伝子レベルでの病因解析に基づいた新薬の効果安全性を予見する技術の向上にもかかわらず、最終的な効果及び安全性は臨床試験での検討あるいは検証を要することから、その成功の可能性は、他産業に比して極めて低いものとされています。これらのことから、一般的に、医薬品等の研究開発期間は、基礎研究段階から承認取得に至るまで長期間を要し、相当規模の研究開発投資が必要と考えられています。

医薬品等の開発過程においては、臨床試験結果等に起因して、開発方針の変更、開発延期、延長又は中止となる場合があります。このことから、研究開発活動の将来性は不確実性を伴っています。

医薬品等の開発は、主に開発を計画して運営する製薬企業、臨床試験を実施する医師及び医療施設、さらに開発プロセスの監督及び承認権限を有する規制当局の三者によって実施されます。製薬企業が科学的根拠に基づき作成した開発計画あるいは臨床試験計画についても、臨床試験を実施する医師の見解あるいは医療施設側において計画どおりに試験が実施できる可能性等によって計画変更を余儀なくされる場合があります。また、規制当局からの要望又は指導等により、当社グループの方針にかかわらず計画の変更を余儀なくされる場合があります。また、医薬品業界は規制業種であり、開発をはじめとする医薬品事業全般には、医薬品医療機器等法や他の法令に基づいて計画・実施することが求められます。法令は定期的又は不定期に変更・改訂される場合があります。これらの要因により、開発方針の変更、開発延期、延長又は中止を招く場合があり、当社グループの財政状態及び経営成績に重大な影響を及ぼす可能性があります。

 

② 導入活動の不確実性に関する事項

当社グループは、開発パイプラインの拡充にあたっては導入の手法を活用しています。近年、世界的に新薬や新医療機器の開発候補品が限られてきており、大手製薬企業等も自らの基礎研究から輩出される新薬や新医療機器の開発候補品に加えて、積極的な候補品導入活動を行っていることから、当社グループの目指す疾患領域であるがん領域における有望な開発候補品獲得において、これら世界的製薬企業等との厳しい競合も想定されます。導入における他社との競合に起因する製品候補品導入の不確実性は、当社グループの財政状態及び経営成績に重大な影響が及ぶ可能性があります。

 

③ 医薬品等業界の競合関係に関する事項

当社グループの属する医薬品等業界は、国際的な巨大企業を含む国内外の数多くの企業や研究機関等による、研究、開発、製造及び販売の各分野で競争が激しい状態にあります。当社グループの開発パイプラインには、同業他社が同じ適応症で開発を進めている競合品が存在するため、競合品の開発進捗状況あるいはその結果によっては、当社グループ製品の優位性を示せない可能性があり、将来の開発品についても同様です。従って、これら競合相手との、研究、開発、製造及び販売のそれぞれの事業活動における競争の結果により、当社グループの製品開発や販売が計画どおりに推移しない場合、財政状態及び経営成績に重大な影響が及ぶ可能性があります。

 

④ 副作用、製造物責任に関する事項

通常、医薬品は本来期待する治療効果とともに、期待されない副作用の両面を併せ持っています。医薬品の安全性は、動物を用いた非臨床試験の中で十分に検討されますが、ヒトに使用した場合、種の違いによる予期できない副作用が発現する可能性は否定できません。また少数例での臨床試験では検出されなかった発現頻度の低い副作用が、当該医薬品の上市後、より多く使用される段階で検出される可能性もあります。

当社グループでは、これら臨床試験中又は市販後の副作用発生による補償又は賠償に対応するために、想定し得る範囲で治験保険あるいは製造物責任保険に加入していますが、補償範囲外の賠償責任を問われる可能性は否定できません。また、重篤な副作用や死亡例の発現は、製品及び企業イメージを大きく損ねることとなり、当該製品以外の事業への影響も考えられます。重篤な副作用の発現等により、製品の回収、製造販売の中止、薬害訴訟の提起、製造物責任賠償等が生じた場合、当社グループの財政状態及び経営成績に重大な影響が及ぶ可能性があります。

 

⑤ 医薬品医療機器等法その他の規制に関する事項

当社グループの属する医薬品等業界は、研究、開発、製造及び販売のそれぞれの事業活動において、各国の医薬品医療機器等法、薬事行政指導、医療保険制度及びその他関係法令等により、様々な規制を受けています。

医薬品等は基礎研究から製造販売承認を取得するまでには、多大な開発コストと長い年月を必要とします。品質、有効性及び安全性に関する十分なデータが得られず、医薬品等としての有用性を規制当局が認めない場合には、承認が計画どおり取得できず上市が困難になる可能性があります。これは開発品を他社に導出する場合も同様であり、当初計画した条件での導出が行えない可能性、導出そのものが困難になる可能性、導出した場合にその契約内容が変更になる可能性若しくは導出契約が解消される可能性があります。また、当社開発品への承認を取得できた際にも、健康保険の対象として保険収載されない場合や、計画どおりの保険価格が付されない可能性があります。このような事象が生じた場合、また、将来各国の医薬品医療機器等法等の諸規制に大きな変化が生じた場合、当社グループの財政状態及び経営成績に重大な影響が及ぶ可能性があります。

 

(3) 当社グループの事業活動に関する事項

① 販売体制の構築及び導出に関する事項

当社グループは、開発品の収益化について、自販モデルと導出モデルの2つの方法を選択採用してゆく方針です。

a 自販モデル

当社グループは、開発品が上市された場合、当社が販売権を有する地域の一部において、自社販売を検討してまいります。しかしながら、期待どおりに自社販売体制を構築できない場合、販売用製品の生産や調達が計画どおりに行えない場合、当社グループの財政状態及び経営成績に重大な影響が及ぶ可能性があります。

 

b 導出モデル

当社グループの収益化の方法には、自販モデルのほかに、開発品を開発の途中段階で他社に導出し、一時金や導出先の販売高に連動して収益を受領する導出モデルもあります。しかしながら、開発の遅延その他の理由により計画どおりの時期に導出ができない場合、導出を行った場合において想定できない状況により導出契約の内容が変更となる場合若しくは導出契約が解消される場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に重大な影響が及ぶ可能性があります。また、導出を予定している開発品に関して、導出そのものが困難になった場合にも、当社グループの財政状態及び経営成績に重大な影響が及ぶ可能性があります。

 

② 提携関係に関する事項

当社グループは、開発品の導入や導出のほか、研究開発の各段階において広範な提携関係を構築し、それによって固定費の増加を回避しつつ最先端技術の取込みを図っています。特に臨床開発部門では、組織の規模拡大を一義とせず、自社では専門性を有する少数の人材を確保するに留め、外部専門家及び外部委託機関との協力・協業によって企業活動を遂行しています。当社グループは、自社の研究開発人員とこれらの提携関係をもって研究開発体制を構築しています。同様に固定費増加の回避等を目的として、将来自社で販売を計画している開発品の販売体制や製品製造・調達体制においても、様々な提携関係を構築しています。これら提携関係のうち、特に重要と考えられる契約は、「4 経営上の重要な契約等」に記載のとおりです。今後も事業基盤の強化、効率的な経営の実現に向けて、広範な提携関係構築を検討してまいりますが、期待どおりに提携関係が構築できない場合、提携関係に想定し得ない変化が生じた場合、提携の効果が当初の期待を下回る場合、若しくは提携関係が当社グループの意図に反して解消された場合、当社グループの財政状態及び経営成績に重大な影響が及ぶ可能性があります。

 

③ 会社組織に関する事項

a 業歴に関する事項

当社は、2006年に創業し、連結子会社である中国法人は2014年に設立されています。当社グループでは、医薬品等業界又はその他専門分野での経験を有する人材の登用と維持に努めていますが、企業体としての経験はいまだ浅く、今後予測できない事業上の問題等が発生し、これに対応する人材の確保もしくは維持ができない場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に重大な影響が及ぶ可能性があります。

 

b 小規模組織に関する事項

当社グループは、医薬品等を取り扱う企業としては小規模組織であるために、役職員一人一人が担当する業務及び責任範囲は相対的に広範となる場合が多く、退職あるいは休職等に対応する補充要員が十分でない環境にあります。今後の事業拡大に伴い、必要な人員増加を図ってまいりますが、多くの人材流出等があった場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に重大な影響が及ぶ可能性があります。

 

c 人材の確保及び育成に関する事項

当社グループの事業活動は、現在の経営陣、事業を推進する各部門の責任者や構成員等に強く依存しています。そのため、常に必要とされる人材の確保と育成に努めていますが、このような人材確保又は育成が計画どおりに行えない場合は、当社グループの財政状態及び経営成績に重大な影響が及ぶ可能性があります。

 

④ 事業地域に関する事項

a 中国固有のカントリー・リスクに関する事項

当社グループ事業は主にアジアを対象としており、その中心は日本及び中国です。中国の医薬品等産業は中国政府の厳しい監督管理下での規制を受けており、政策、規制、法律等に変化が生じた場合には、当社グループの経営戦略や事業活動の制約要因となり、当社グループの財政状態及び経営成績に重大な影響が及ぶ可能性があります。

 

b 中国での雇用に関する事項

当社グループは、中国での事業活動に際し、中国人従業員を採用しています。中国の労働環境は、社会制度の違いにより日本に比べて企業による管理が困難な場合があり、従業員の採用、解雇、退職などに関わる人事問題、また、賃金、残業等に関わる給与問題、不正行為等について、対応が困難な局面が生じる可能性があると考えています。当社グループでは、これら労務管理上の諸問題を事前に回避すべく最大限努力する所存ですが、当該事象が顕在化し解決までに長期間を要す場合、又は多額の費用が発生した場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に重大な影響が及ぶ可能性があります。

 

c 中国の開発活動に関する事項

当社が現在保有している開発品は、すべて中国で開発販売権を有しており、そのうち、SP-01は2018年7月に、SP-03は2019年3月に、中国当局の承認を受けております。一方で、SP-02とSP-04においては、今後も中国での開発活動を推進する計画にあります。医薬品等の開発活動は、前掲「医薬品医療機器等法その他の規制に関する事項」のとおり様々な規制のもとで推進することが必要ですが、中国の規制が日本等の他の国との規制が相違する場合、中国での開発活動がその影響を受けることは否定できません。

 

d 中国での自社販売体制に関する事項

当社グループは、開発品の中国上市に対応し、北京市、上海市及び広州市において、自社販売を行うことを基本戦略としています。自社販売体制の人材のうち、主力は医薬情報担当者(Medical Representative:MR)によって構成されています。また、製品の商流構築にあたっては、中国の複数の医薬品等卸業者を活用しています。当社製品の状況に応じて、MRの採用や医薬品等卸業者との契約関係構築を行っておりますが、これら自社販売体制の維持が期待どおりに行えない場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に重大な影響が及ぶ可能性があります。

 

 訴訟等に関する事項

当社グループは、本書提出日現在において提起されている訴訟はありません。しかしながら、将来何らかの事由の発生により、訴訟等による請求を受ける可能性を完全に回避することは困難であり、このような事態が生じた場合、当社グループの財政状態及び経営成績に重大な影響が及ぶ可能性があります。

 

⑥ 知的財産権に関する事項

当社グループは研究開発活動等において様々な知的財産権を使用しており、これらは当社グループ所有の権利であるか、あるいは適法に使用許諾を受けた権利であるものと認識しています。しかしながら、出願中の特許が登録に至らない、若しくは特許の一部のみしか登録に至らない可能性があります。また、当社グループが所有又は使用許諾を受けた知的財産権に優位する知的財産権が第三者によって生み出される可能性や、第三者の知的財産権の侵害に基づく将来の係争を完全に回避することは困難であり、こうした結果、当社グループの財政状態及び経営成績に重大な影響が及ぶ可能性があります。

 

 情報管理に関する事項

当社グループは、事業の過程において技術、営業に関しての機密情報を保持し、また一定の個人情報を有しています。これらの情報の外部への不正な流出を防止するため、セキュリティシステムの継続的な改善を図るとともに、情報の取り扱いに関する社員教育や、情報へのアクセス管理等、内部管理体制についても強化しています。しかしながら、予期せぬ事態により情報が流出する可能性は存在し、このような事態が生じた場合、社会的信用の失墜を招き、当社グループの財政状態及び経営成績に重大な影響を及ぼす可能性があります。

 

⑧ 新型コロナウィルス感染症に関する事項

当社グループの事業は、中国ほか諸外国との取引関係をもって運営されております。今般発生している新型コロナウィルス感染症の流行によって、当社グループの様々な事業活動が制約を受ける可能性は否めず、当該事象が長期化し解決までに長期間を要す場合、当社グループの財政状態及び経営成績に重大な影響が及ぶ可能性があります。

 

(4) 業績、財務及び資本政策等に関する事項

 財務状況について

当社グループは、医薬品等の研究開発とその販売を業としています。医薬品等の研究開発は多額の先行投資を要し、かつその期間は中長期に亘ることから、収益確保、投資資金回収には相当程度の期間を要するものとなります。2018年5月、2019年3月、2019年7月に当社製品の上市を達成しましたが、いずれも現時点で市場浸透度は充分ではありません。このことから、事業全体としても先行投資の段階にあり、研究開発活動の失敗を原因としない損益計算上の損失計上、収支計算上の営業キャッシュ・フローマイナスの計上という状況が継続的に生じています。

これまでの先行投資の結果として、当局承認を経て上市に到達した開発品、POC(プルーフオブコンセプト)が確認された開発品等、医薬品等の事業化プロセスの後期段階にある開発品ポートフォリオを保持するに至り、今後も製品開発、承認獲得及び製品上市を通じ、更なる企業価値向上と中長期視点に基づく財務状況改善を図る計画にあります。このうち、当社開発品SP-03(国内販売名:「エピシル® 口腔用液」)の日本事業化においては2018年5月に、当社開発品SP-01及び当社開発品SP-03の中国事業化では2019年3月、2019年7月に、それぞれ製品上市を達成しております。このことは、これまでの先行投資一辺倒であった財務状況から、一定の経常的な収益を計上しうる事業構造への転換点に到達したものと見込まれ、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象は現時点で存在せず、またそのような状況に現時点で該当しないと判断しております。但し、承認獲得及び製品上市には不確実性を有し、当社グループの計画どおりに製品開発と事業化が進捗しない場合には、財政状態及び経営成績に重大な影響を及ぼす可能性があります。

 

② 過年度の業績推移等に関する事項

当社グループは医薬品等の開発を主たる事業としています。既に2製品の上市を達成しましたが、いずれも現時点で市場浸透度は充分ではありません。また、積極的に研究開発活動に経営資源を投入していることから、下表のとおり、最近5事業年度の損益(単体)はマイナスとなる傾向が続いています。一方で、今後の一定時点において、開発の成功を契機として投下した研究開発費の回収を図り、また損益がプラスに転じる可能性があります。そのため、過年度の財務経営指標は、期間業績比較、今後の当社グループ業績を予測する材料としては不十分な面があります。

 

回次

第8期

第9期

第10期

第11期

第12期

(単位:百万円) 決算年月

2015年12月

2016年12月

2017年12月

2018年12月

2019年12月

日本基準単体

 

 

 

 

 

売上高

229

501

410

318

1,310

経常利益(△損失)

△1,379

△1,056

△1,564

△2,531

△2,203

当期純利益(△損失)

△1,380

△1,058

△1,565

△2,532

△2,204

利益剰余金

△6,088

△7,146

△8,711

△11,244

△2,204

現金及び預金

2,077

1,034

3,364

4,012

4,077

国際会計基準連結

 

 

 

 

 

売上収益

229

501

410

318

1,310

税引前当期利益(△損失)

△710

△494

△1,016

△2,445

△1,797

当期利益(△損失)

△643

△474

△1,007

△2,422

△1,867

利益剰余金

△4,071

△4,546

△5,553

△7,975

1,400

現金及び現金同等物

2,099

1,038

3,370

4,046

4,116

 

③ 契約に基づく支払義務の負担に関する事項

当社グループは、開発パイプラインに関する提携企業との契約において、販売に至る前の開発段階及び販売開始後に提携先に対する支払義務を負っている場合があります。また、開発費の共同負担や、販売開始後一定額の販売活動経費の投入を行う義務を負う場合もあります。これらの対価の支払形態は、当社グループのような製薬企業の事業の性質上当然のものと認識していますが、当社グループの資本力に比べ金額が高額となる可能性は否定できず、支払時期等の観点から当社グループにとって資金負担が大きくなる可能性もあります。何らかの理由により当社グループがかかる支払義務を履行できない事態が生じた場合は、当社グループは対象となる契約の解除や損害賠償請求等を受ける可能性もあり、当社グループの財政状態及び経営成績に重大な影響が及ぶ可能性があります。

 

④ 外国為替変動に関する事項

当社グループは、事業活動をグローバルに展開しており、海外企業とのライセンスや、海外からの製品仕入、海外での研究開発活動等においては、外貨建て取引を行い、債権債務が存在しています。当社グループでは、為替変動に対しては想定し得る範囲でヘッジ手段を講じていますが、急激な為替変動によって当該リスクが顕在化した場合、当社グループの財政状態及び経営成績に重大な影響が及ぶ可能性があります。

 

⑤ 無形資産に関する事項

当社グループは、採用する国際会計基準(IFRS)に基づき、開発品への投資のうち資産性を有すると認識される開発費用、導入費用及びかかる資金コストにつき、これを連結財政状態計算書上の無形資産として計上する会計処理を行っています。開発品において、「(2) 医薬品等の研究開発事業一般に関する事項」「(3) 当社グループの事業活動に関する事項」に記載のとおりのリスクが顕在化し、開発方針の変更、開発延期、延長又は中止が生じた場合、また当該開発品に対して想定している売上収益と利益を計上できない場合には、資産化された無形資産の全部又は一部を減損する可能性があります。なお、無形資産の残高の総額は、第11期連結会計年度末においては3,123百万円、第12期連結会計年度末においては3,485百万円です。

 

 業績予想に関する事項

当社グループは、連結会計年度毎に業績予想を公表しています。しかし、事業や経済環境の変化及び不確実性等の予測不可能な要因により、これら業績予想や目標を期限内に達成することや、目標を維持することが困難になる可能性があります。

 

⑦ 公募増資等の資金使途に関する事項

当社グループが2017年3月及び2017年4月に実施した公募増資等による調達資金は、主に以下の投資に充当する計画です。

・SP-01及びSP-03販売のための中国自社販売体制整備費用

・SP-01及びSP-03販売のためのマーケティング費用

・SP-02末梢性T細胞リンパ腫適応の当局承認申請に必要な臨床開発費用(日本、韓国、台湾、香港)

・新規開発品導入費用及び開発費用

当社グループが2018年9月に実施した公募増資による調達資金は、SP-04(がん化学療法に伴う末梢神経障害への適応)の臨床試験を中心とした開発費及び権利導入元へのマイルストン費用に充当する計画です。

また、当社グループが2019年12月に実施した第三者割当増資により調達した資金は、主に2020年6月までを目途として導入及び開発開始を予定する新規開発品SP-05等への投資に充当する計画です。

しかしながら、経営環境の変化に対応するため、あるいは開発品の中止等が生じた場合、調達資金を計画以外の使途に充当する可能性があり、その場合は速やかに資金使途の変更について開示を行う予定です。また、計画どおりの投資が行われても想定どおりの効果が得ることができない場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に重大な影響が及ぶ可能性があります。

 

⑧ 資金繰りに関する事項

当社グループは医薬品等の開発を進めるため、多額の研究開発費を必要とします、開発パイプラインの事業化が計画どおりに進展せず、資金不足が生じた場合、新たな提携契約の獲得、既存提携先との契約内容の見直し、新株発行等の方法により資金の確保に努めますが、資金確保のタイミング次第では、医薬品等の開発の継続が困難となり、当社グループの財政状態及び経営成績に重大な影響が及ぶ可能性があります。

 

⑨ 資金調達に関する事項

医薬品等事業においては、多額の研究開発費を要し、その額は研究開発の進捗に応じて増加する傾向にあり、当社グループに資金需要が生じた場合には、増資を中心とした資金調達の実施を検討してまいります。その場合には、当社の発行済株式数が増加することにより、1株当たりの株式価値が希薄化する可能性があります。また、市場における需給環境の悪化等により機動的な資金調達を行うことができなかった場合には、当社グループの研究開発に係る体制及び計画の見直しを余儀なくされるなど、当社グループの財政状態及び経営成績に重大な影響が及ぶ可能性があります。

 

 無配継続等の配当政策に関する事項

当社グループは、創業以来配当を実施していません。また、上記「② 過年度の業績推移等に関する事項」の表記のとおり日本基準の貸借対照表(単体)において利益剰余金のマイナスが継続しており、当連結会計年度末においても、会社法の規定上、配当可能な財政状態にはありません。将来財政状態が好転した場合、株主への利益還元を重要な経営課題として、その時点における財政状態及び経営成績を勘案しつつ利益配当を検討する所存です。

 

 新株予約権等に関する事項

当社はストックオプション制度を採用しています。当該制度は、会社法第236条、第238条及び第239条の規定に基づき新株予約権を付与する方式により、当社グループ取締役、監査役、従業員及びアドバイザー等に対して付与することを株主総会において決議されたものです。

これらの新株予約権等の目的となる株式数(以下、潜在株式数という。)は本書提出日現在で合計4,305,014株となり、発行済株式数及び潜在株式数の合計の3.6%に相当します。これらの新株予約権等の行使が行われた場合には、当社の1株当たりの株式価値は希薄化する可能性があります。優秀な人材確保のためには、今後も同様のインセンティブプランを継続して実施していくことを検討しています。従って、今後付与される新株予約権の行使が行われた場合、当社の1株当たりの株式価値は希薄化する可能性があります。

 

(5) 大株主伊藤忠商事株式会社との関係に関する事項

伊藤忠商事株式会社(以下、同社という。)は、本書提出日現在、当社議決権の19.6%を所有する大株主であり、主要株主に該当しています。同社と当社との関係は以下のとおりです。

第11期連結会計年度及び第12期連結会計年度における同社との主な取引関係は以下のとおりであり、その取引条件等は、すべて他社の取引条件等を勘案して両社協議のうえ決定しています。また、同社の広範な機能を当社事業運営に活用すべく、2020年2月26日付けで業務委託契約を締結いたしました。具体的には、同社から医薬品業界及び中国を中心とした海外情勢にかかる情報提供が為され、また新規開発品権利導入や開発品権利導出を中心とした事業提携等の提案や支援を受けることを企図するものとなります。

会社の名称

取引の内容

取引金額(百万円)

第11期連結会計年度

(自 2018年1月1日

至 2018年12月31日

第12期連結会計年度

(自 2019年1月1日

至 2019年12月31日

伊藤忠商事株式会社

製品の売上、業務委託等

17

129

当社グループの経営上の重要な意思決定において、同社の事前承認事項や事前報告事項は存在せず、当社グループの経営方針及び事業展開において、同社からの独立性を阻害する状況にはないものと判断しています。しかしながら、同社は当社の大株主であり、同社の経営方針や当社株式の保有方針等に変更が生じた場合、当社グループの事業展開に影響を与える可能性は否定できず、その場合には当社グループの財政状態及び経営成績に重大な影響が及ぶ可能性があります。

 

2【沿革】

2006年12月

当社医薬品開発事業の準備拠点として、JapanBridge Inc.を米国に設立

2007年1月

バジャカラ株式会社(現当社)設立

2008年4月

JapanBridge Inc.が当社を買収し、JapanBridge Inc.より医薬品開発事業を承継

ジャパンブリッジ株式会社(現当社)に商号を変更

2008年5月

開発品SP-01 Sancuso®の日本、台湾、シンガポール、マレーシア、中国(香港、マカオ含む)での独占的開発販売権をStrakan International Ltd.(現Kyowa Kirin Services Limited(英国)より導入。なお、日本での独占的開発販売権は2011年1月にStrakan International Ltd.に返還

2008年9月

ソレイジア・ファーマ株式会社に商号を変更

2010年2月

開発品SP-01 Sancuso®の台湾、香港、シンガポール、マレーシアでの独占的開発販売権を協和発酵キリン株式会社(現協和キリン株式会社)に導出

2011年3月

開発品SP-02 darinaparsinのアジア太平洋地域での独占的開発販売権をZIOPHARM Oncology, Inc.(米国)より導入

2011年12月

中国での開発活動を目的として北京に当社代表事務所を開設

2013年1月

中国での販売活動準備を目的として上海に事務所を開設

2014年6月

開発品SP-01 Sancuso®の中国における承認申請

2014年7月

開発品SP-02 darinaparsinの米国、欧州諸国の独占的開発販売権をZIOPHARM Oncology, Inc.(米国)より導入

2014年9月

開発品SP-01 Sancuso®のマカオでの独占的開発販売権を協和発酵キリン株式会社(現協和キリン株式会社)に導出

2014年12月

中国上海に、当社製品の医薬情報提供を行うための子会社(Solasia Medical Information Consulting (Shanghai) Co. Ltd.)を設立

2015年1月

開発品SP-02 darinaparsinの日本での独占的開発販売権をMeiji Seika ファルマ株式会社に導出

2015年3月

開発品SP-03 episil®の日本、中国での独占的開発販売権をCamurus AB(スウェーデン)より導入

2015年11月

開発品SP-01 Sancuso®の中国(北京、上海、広州、香港、マカオを除く)での独占的販売権をLee's Pharmaceutical (HK) Limitedに導出

2016年5月

開発品SP-03 episil®の中国における医療機器承認申請

2016年10月

開発品SP-03 episil®の日本における医療機器承認申請

2016年11月

開発品SP-03 episil®の日本での独占的販売権をMeiji Seika ファルマ株式会社に導出

2017年2月

開発品SP-03 episil®の中国(北京、上海、広州を除く)での独占的販売権をLee's Pharmaceutical (HK) Limitedに導出

2017年3月

東京証券取引所マザーズ市場に上場

2017年7月

開発品SP-03 episil®の日本における医療機器承認を取得

2017年11月

開発品SP-04 PledOx®の日本、中国、韓国、台湾及びマカオでの独占的開発販売権をPledPharma AB(スウェーデン)より導入

2018年5月

2018年7月

開発品SP-03 episil®を日本で販売

開発品SP-01 Sancuso®の中国における承認を取得

2018年8月

2018年8月

開発品SP-03 episil®の韓国での独占的開発販売権をCamurus ABより導入

開発品SP-02 darinaparsinの南米8カ国での独占的販売権をHB Human BioScience SAS(コロンビア)に導出

2018年12月

中国での販売活動を目的として広州に事務所を開設

2019年2月

開発品SP-03 episil®の中国における医療機器承認取得

2019年3月

開発品SP-03 episil®の韓国における医療機器承認申請

2019年3月

「Sancuso®」(開発品SP-01, 中国語製品名「善可舒®」)を中国で発売

2019年7月

「エピシル® 口腔用液」(開発品SP-03, 中国語製品名「益普舒®」)を中国で発売

2019年10月

開発品SP-03 episil®の韓国における医療機器承認を取得

2019年12月

開発品SP-04 PledOx®日本での独占的販売権をマルホ株式会社に導出

(5)【所有者別状況】

 

 

 

 

 

 

 

2019年12月31日現在

区分

株式の状況(1単元の株式数100株)

単元未満株式の状況

(株)

政府及び地方公共団体

金融機関

金融商品取引業者

その他の法人

外国法人等

個人その他

個人以外

個人

株主数(人)

3

41

156

29

82

27,915

28,226

所有株式数

(単元)

10,421

90,918

375,490

44,068

15,776

631,637

1,168,310

4,795

所有株式数の割合(%)

0.9

7.8

32.1

3.8

1.3

54.1

100.0

3【配当政策】

当社グループは、企業価値増大を通じたキャピタルゲインと剰余金配当による株主への還元を、重要な経営施策として念頭に置いています。医薬品開発は、多額の投資を長期間に亘り実施する必要があります。現在、当社グループは先行投資に比重を置いた事業運営を図っていることから、会社法上、配当を行い得る財政状態にはありません。今後、開発中の医薬品が事業化し、相当の財政状態となった際には、更なる開発投資と株主還元のバランスを重視し、配当を検討する所存です。

また、当社は、配当について、法令に別段の定めのある場合を除き、株主総会の決議によらず取締役会の決議により定めることを定款で定めています。なお、期末配当の基準日は毎年12月31日とし、中間配当の基準日は毎年6月30日としています。

 

(2)【役員の状況】

① 役員一覧

男性8名 女性-名(役員のうち女性の比率-%

役職名

氏名

生年月日

略歴

任期

所有株式数(株)

(注)6

代表取締役社長

荒井 好裕

1960年7月27日

1985年4月 サール薬品株式会社(現ファイザー株式会社)入社

1994年2月 アムジェン株式会社入社、開発本部臨床開発部長

2007年4月 同社開発本部製品企画部長

2007年9月 JapanBridge Inc.(現当社)入社、ジェネラルマネージャー兼開発本部長

2013年2月 当社代表取締役社長(現任)

(注)3

538,302

取締役

CFO

管理本部長

宮下 敏雄

1967年11月25日

1997年9月 イノテック株式会社入社

1999年1月 アドモンサイエンス株式会社出向、管理本部長

2003年5月 株式会社そーせい(現そーせいグループ株式会社)入社、バイスプレジデント経営企画部長

2005年11月 Arakis Limited出向、バイスプレジデント経営企画部長

2007年3月 響きパートナーズ株式会社取締役パートナー

2007年5月 アタニ株式会社監査役

2008年4月 バリューファーマ株式会社監査役

2009年8月 ジェイファーマ株式会社CFO

2011年11月 当社CFO代理

2012年4月 ジェイファーマ株式会社取締役CFO

2014年1月 当社入社、CFO管理本部長

2015年12月 当社取締役CFO管理本部長(現任)

(注)3

425,000

取締役

スタンレー・

ロー

1954年8月30日

1981年6月 Pfizer Corp.Hong Kong入社

1987年4月 Merck & Co.マネージングディレクター

1994年10月 Schering Plough China Ltd.入社、ジェネラルマネージャー

1998年10月 Pharmacia / Searle Asiaエリア副社長

2002年7月 Baxter Healthcare International China入社、ジェネラルマネージャー

2009年4月 Haopy Pharmaceuticals Co., Ltd.マネージングディレクター

2010年11月 China Biologic Products, Inc.社長

2012年3月 Eddingpharm Ltd.、COO

2013年3月 Amsino Medical Group、CEO

2014年12月 当社社外取締役(現任)

2015年3月 BizPro International LLCエグゼクティブ・パートナー(現任)

2015年5月 Wuxi SiFong Information Technology Co.Ltdシニア・アドバイザー(現任)

2017年6月 Xian Libang Pharmaceutical社外取締役(現任)

(注)3

 

 

役職名

氏名

生年月日

略歴

任期

所有株式数(株)

(注)6

取締役

栄木 憲和

1948年4月17日

1969年4月 シェル石油株式会社(現昭和シェル石油株式会社)

      入社

1973年6月 松下電工株式会社(現パナソニック株式会社)入社

1979年8月 日本チバガイギー株式会社(現ノバルティス ファーマ株式会社)入社、経営企画部長

1994年1月 バイエル薬品株式会社入社、テクニカルオペレーション部長

1997年3月 同社取締役滋賀工場長

2002年7月 同社代表取締役社長

2007年1月 同社代表取締役会長

2010年4月 同社取締役会長

2014年5月 アンジェス MG株式会社(現アンジェス株式会社)

      社外取締役(現任)

2014年6月 株式会社シーエムプラス顧問(現任)

2015年1月 エイキコンサルティング合同会社代表社員(現任)

2015年3月 株式会社ファンペップ取締役会長

2015年6月 東和薬品株式会社社外取締役(現任)

2016年4月 当社社外取締役(現任)

2017年1月 株式会社ファンペップ社外取締役(現任)

2018年6月 株式会社ジーンテクノサイエンス社外取締役(現任)

(注)3

取締役

水川 二郎

1952年9月14日

1976年4月 マルピー・サール株式会社(現ファイザー株式会社)入社

1989年11月 サール薬品株式会社(現ファイザー株式会社)プロダクトマネジャー、大阪支店長

1992年8月 日本モンサント株式会社(現ファイザー株式会社)営業副本部長

1995年7月 ファルマシア・アップジョン株式会社(現ファイザー株式会社)CNS & General care営業部長

1999年7月 ファルマシア株式会社(現ファイザー株式会社)CNS & General care営業部長兼流通政策部長

2003年2月 日本ベーリンガーインゲルハイム株式会社CNS営業部長

2003年12月 サノフィ・アベンティス株式会社(現サノフィ株式会社)執行役員Oncology & Specialty care担当

2009年11月 アボットジャパン株式会社(現アッヴィ合同会社)常務取締役医薬品本部長

2017年3月 LTLファーマ株式会社代表取締役(現任)

2020年3月 当社社外取締役(現任)

(注)3

監査役

(常勤)

荒木 進

1952年8月6日

1976年4月 株式会社東海銀行(現㈱三菱UFJ銀行)入行

1996年6月 同行ラブアン支店長

2001年6月 同行蒲田支店長

2002年6月 クオール株式会社入社経営企画室部長、財務部長

2004年6月 同社取締役

2008年6月 同社専務取締役

2019年3月 当社社外監査役(現任)

(注)4

 

 

役職名

氏名

生年月日

略歴

任期

所有株式数(株)

(注)6

監査役

松尾 眞

1949年5月28日

1975年4月 弁護士登録(第一東京弁護士会)

1975年4月 尾崎・桃尾法律事務所入所

1978年8月 ワイル・ゴッチェル・アンド・マンジェス法律事務所入所

1979年3月 弁護士登録(アメリカ合衆国ニューヨーク州)

1988年1月 デメル・ジャパン株式会社社外取締役(現任)

1989年4月 桃尾・松尾・難波法律事務所パートナー弁護士

      (現任)

1997年4月 日本大学法学部非常勤講師

1998年8月 株式会社ナイキジャパン社外監査役(現任)

1999年6月 日本ビクター株式会社社外監査役

2000年6月 ビリングシステム株式会社社外監査役

2003年6月 山之内製薬株式会社(現アステラス製薬株式会社)

      社外監査役

2004年6月 同社社外取締役

2005年4月 一橋大学法科大学院非常勤講師

2007年6月 株式会社カプコン取締役

2008年3月 バーバリー・ジャパン株式会社社外監査役(現任)

2008年10月 JVC・ケンウッド・ホールディングス株式会社(現株式会社JVCケンウッド)社外取締役

2009年4月 東京農工大学大学院技術経営研究科企業法務客員教授

2009年6月 東レ株式会社社外監査役

2014年3月 当社社外監査役(現任)

2014年6月 セオリアファーマ株式会社社外監査役(現任)

2014年6月 株式会社カトキチリゾート社外監査役(現任)

2015年3月 東燃ゼネラル石油株式会社社外取締役

2016年6月 株式会社カプコン社外取締役(監査等委員)(現任)

2018年6月 住友林業株式会社社外監査役(現任)

(注)5

監査役

山川 善之

1962年8月21日

1986年4月 日本生命保険相互会社入社、株式部主任

1989年3月 野村證券株式会社(出向)公開引受部主任

1995年9月 イノテック株式会社企画室長

2001年9月 株式会社そーせい(現そーせいグループ株式会社)経営企画部長

2003年10月 同社取締役副社長CFO

2004年10月 同社代表取締役副社長CFO

2006年12月 響きパートナーズ株式会社設立、代表取締役社長(現任)

2007年6月 株式会社ユナイテッドアローズ社外監査役

2008年6月 株式会社リプロセル社外取締役(現任)

2010年3月 株式会社デ・ウエスタン・セラピテクス研究所社外取締役(現任)

2013年3月 当社監査役

2014年2月 株式会社アドベンチャー社外監査役(現任)

2019年3月 株式会社カイオム・バイオサイエンス社外監査役(現任)

2020年3月 当社社外監査役(現任)

(注)5

963,302

 

(注)1.取締役スタンレー・ロー、栄木憲和及び水川二郎は、社外取締役です。

2.監査役荒木進、松尾眞及び山川善之は、社外監査役です。

3.2020年3月30日の定時株主総会で選任され、2020年12月期に係る定時株主総会の終結の時までです。

4.2019年3月29日の定時株主総会で選任され、2022年12月期に係る定時株主総会の終結の時までです。

5.2020年3月30日の定時株主総会で選任され、2023年12月期に係る定時株主総会の終結の時までです。

6.所有株式数は2019年12月31日時点での所有株式数です。

 

② 社外役員の状況

当社の社外取締役は3名であり、社外監査役は3名です。

社外取締役のスタンレー・ロー、栄木憲和及び水川二郎は、製薬企業における会社経営者としての豊富な経験と高い見識を有しており、独立的な立場で監督、提言を行っています。

常勤監査役荒木進は、長年に亘る金融機関での国際的な職務経験を通じ、企業経営や財務会計の専門的知見を有しています。また、上場会社における取締役の経験を踏まえ、監査役会の運営の他、経営全般、ファイナンス面に重点を置いた監査をしています。非常勤監査役松尾眞は、弁護士として長年に亘り活躍し、幅広い経験と企業法務・国際法務に関する高度な知識を有していることから当社社外監査役として選任し、法務に重点を置いた監査をしています。非常勤監査役山川善之は、金融機関での職務経験を通じ、企業経営や財務会計の専門的知見を有しています。また、バイオテク企業及びコンサルティング企業の経営者として豊富な経験と知見を有しており、コーポレート・ガバナンスに対する深い知見を有していることから、経営全般、ファイナンス面に重点を置いた監査を行います。

また、社外取締役及び社外監査役に関しては会社法第427条第1項の規定に基づき、賠償責任限定契約の締結ができる旨を定款で定めています。

当社では、社外取締役及び社外監査役を選任するための独立性に関する基準又は方針は特段定めていませんが、その選任に際しましては、経歴や当社との関係を踏まえるとともに、株式会社東京証券取引所の独立性に関する判断基準等を参考にしています。

なお、社外取締役のスタンレー・ロー及び栄木憲和、社外監査役の松尾眞は当社の新株予約権を保有しています。

 

③ 社外取締役又は社外監査役による監督又は監査と内部監査、監査役監査及び会計監査との相互連携並びに内部統制部門との関係

 社外取締役は、取締役会への出席を通じて内部監査、監査役監査及び会計監査の報告を受け、適宜意見を述べることにより、監査機能を果たしています。また、社外監査役と内部監査及び会計監査との相互連携につきましては「(3)監査の状況②内部監査の状況」に記載のとおりです。

 

4【関係会社の状況】

名称

住所

資本金

主要な事業の内容

議決権の所有割合又は被所有割合

(%)

関係内容

(連結子会社)

 

 

 

 

 

Solasia Medical Information Consulting (Shanghai) Co. Ltd.

 

中華人民共和国上海市

 

30百万円

当社製品のマーケティング支援

所有

直接 100.0

役員の兼任

【売上原価明細書】

 

注記

 前事業年度

(自 2018年1月1日

至 2018年12月31日)

 当事業年度

(自 2019年1月1日

至 2019年12月31日)

区分

 

金額(百万円)

金額(百万円)

期首商品棚卸高

 

93

122

当期商品仕入高

 

340

68

合計

 

433

190

期末商品棚卸高

 

122

3

他勘定振替高

98

122

売上原価

 

213

65

※他勘定振替高は、主として見本品等の販売費及び一般管理費への振替高です。

 

 

1【設備投資等の概要】

当連結会計年度の重要な設備投資はありません。

なお、当連結会計年度において重要な設備の除却、売却等はありません。

 

株価(1年)
期間を変更
PER(1年/会予)
期間を変更

その他企業情報

企業価値16,719 百万円
純有利子負債-2,377 百万円
EBITDA・会予N/A
株数(自己株控除後)116,439,961 株
設備投資額732 百万円
減価償却費N/A
のれん償却費N/A
研究開発費1,138 百万円
代表者代表取締役社長  荒井 好裕
資本金961 百万円
住所東京都港区芝公園二丁目11番1号
会社HPhttps://solasia.co.jp/

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