1年高値1,084 円
1年安値801 円
出来高0 株
市場マザーズ
業種医薬品
会計日本
EV/EBITDAN/A
PBR16.2 倍
PSR・会予105.4 倍
ROAN/A
ROICN/A
営利率N/A
決算7月末
設立日2006/10/30
上場日2019/8/9
配当・会予0.0 円
配当性向0.0 %
PEGレシオN/A
売上高(百万円)&収益性(%)
売上 CAGR・実績:N/A %
利益(百万円)
営利 CAGR・実績:N/A %
純利 CAGR・実績:N/A %
EPS(円) BPS(円)
配当(円)
健全性(%、倍)
セグメント別売上
単一セグメント、もしくはIFRS / USGAAPのため、データがありません。
セグメント別売上
単一セグメント、もしくはIFRS / USGAAPのため、データがありません。
セグメント別利益率
単一セグメント、もしくはIFRS / USGAAPのため、データがありません。
会社の詳細

 

3 【事業の内容】

当社が創業以来、その実現を目指し研究開発に取り組んできた「再生誘導医薬」は、怪我や病気により損傷し機能を失った生体組織の機能的再生・治癒を促進する、新しい作用メカニズムにもとづく医薬品です。

再生誘導医薬は、従来型の再生医療(※1)/細胞治療とは異なり、生きた細胞の投与を必要とせず、物質=医薬品の投与によって、患者自身の体内に存在する幹細胞(※2)を活性化する方法で、より簡便かつ安全に、治療効果の高い再生医療を実現します。再生誘導医薬開発により、生きた細胞製剤では難しい安定した品質による迅速な再生医療を実現する製品供給が可能となることから、広く普及可能な新しい再生医療となり得ます。

再生誘導医薬の投与によって患者の体内で誘導される幹細胞は、血液循環を介して体内を巡り、損傷した組織特異的(※3)に集積します。損傷部位に集積した幹細胞は、神経や皮膚、骨、軟骨、筋肉、血管など、様々な種類の組織に分化する能力を有するため、再生誘導医薬という共通のプラットフォームによって、脳梗塞や脊髄損傷などの中枢神経系疾患、心筋梗塞や心筋症などの循環器系疾患、難治性皮膚潰瘍などの上皮系疾患、難治性骨折などの間葉系疾患など、組織損傷をともなう数多くの難病に対して幅広い治療効果をもたらすことが期待されます。

当社で最も開発の進む開発品は、現在、大阪大学医学部附属病院・慶應義塾大学病院・東邦大学医療センターにおいて難治性遺伝性皮膚疾患(表皮水疱症(※4))を対象とした臨床試験(医師主導治験)第Ⅱ相試験(※5)を実施中です。当該開発品をはじめとして、当社はこれまでの研究開発活動を通じて、複数の疾患に対する複数の研究開発パイプライン(医薬品候補群)を保有しており、再生誘導医薬の実現に向けた多面的・多層的な創薬研究開発事業を展開しております。

 

(1)事業の内容

① 事業モデル

当社は、医薬品の研究開発を主たる業務としております。自社研究若しくは大学等研究機関との共同研究を通じて、生体内における組織再生誘導メカニズム(※6)の解明と幹細胞の特性解析、幹細胞の制御技術(※7)に関する基礎研究をおこない、その成果を活用したスクリーニング(※8)系によって、再生誘導医薬シーズ(※9)の探索をおこなっております。

同定した候補物質については、自社単独若しくは共同研究を実施した大学等研究機関と共同で特許を出願し、研究開発活動の果実である知的財産の構築を進めております。大学等研究機関と共同で出願した特許については、当社が独占的な実施権の許諾を受け、以後の製品化に向けた研究開発を当社主導で進めております。

候補物質については、自社若しくは大学等研究機関/パートナー企業と共同で、製造方法の開発、非臨床薬効薬理試験(※10)、安全性試験(※11)、初期臨床試験等(※12)までを実施し、医薬品開発の成功可能性と知的財産価値を高めたうえで、国内・海外の製薬企業に対して、製品の開発権、製造権、販売権等をライセンスアウトすることで、(a)契約一時金、(b)開発の進捗に応じて支払われるマイルストーン収入、(c)製品上市後に売上高の一定割合が支払われるロイヤリティ収入、(b)売上高に対する目標値を達成するごとに支払われる販売マイルストーン収入等を得る事業モデルを採用しております。

また、パートナー企業とは、ライセンス契約に至る前の比較的早期の研究開発段階において、将来のライセンス契約を前提とした共同研究契約を締結することもあります(事業系統図の(共同研究))。この場合、当社は、パートナー企業から (a)契約一時金、(d)共同研究収入を得ることで、自社の費用負担を低減しつつ、かつパートナー企業の開発リソースも活用することで、研究開発を加速できるメリットを得られます。

当社の事業セグメントは、再生誘導医薬事業のみの単一セグメントであり、事業の系統図及び事業収入の形態は以下の通りであります。

 

(事業系統図)

(画像は省略されました)


 

(事業収入の形態)

 

収入形態

内容

a.

契約一時金

共同研究やライセンス許諾の契約時に一時金として得られる収入

b.

マイルストーン収入

医薬の開発段階毎に設定した目標(開発マイルストーン)を達成するごとに得られる一時金収入。また、製品上市後に、売上高に対する目標値(販売マイルストーン)を達成するごとに得られる一時金収入

c.

ロイヤリティ収入

製品が上市された後に、ライセンス許諾の契約を締結した製薬会社より当該製品の売上高に対して予め契約によって設定した一定割合を得られる収入

d.

共同研究収入

当社の知的財産を活用した共同研究の実施の対価として得られる収入

 

 

② 再生誘導医薬について/新しい再生医療

「再生誘導医薬(Stem cell Regeneration-Inducing Medicine)」とは、生きた細胞や組織を用いることなく、医薬品(化合物)の投与のみによって、再生医療と同等の治療効果を得られる医薬品です。

これまでは、怪我や病気で身体の臓器や組織に大規模な損傷や不可逆的な病変による機能不全が生じた場合、一般的な医薬品によってこれを根治することは難しく、その回復には、正常な臓器と取り換える移植医療(心臓移植や腎臓移植等の臓器移植や輸血等)をおこなう他に方法がありませんでした。しかしながら、このような移植医療は、難治性疾患に対する根治療法となり得る一方で、臓器提供者(ドナー)の慢性的な不足と他人の臓器に対する免疫拒絶(※13)反応、また倫理的な問題等から、すべての患者が享受できる、広く普及可能な一般医療にはなり得ません。

この移植医療の限界を突破する技術として、近年注目を集めているのが再生医療/細胞治療です。再生医療/細胞治療は、患者本人若しくは健常なドナー(提供者)から採取した細胞を、生体外で大量に培養することで、治療に必要な十分量の移植用細胞を確保したうえで患者に移植する新しい移植医療技術です。この再生医療/細胞治療は、従来の移植医療が抱える普及への制約を解消し、かつ同等な治療効果を得ることが期待できる新しい再生医療と言えます。

しかしながら、この再生医療/細胞治療についても、その実用化に向けては数多くの解決すべき課題があります。

 

再生医療/細胞治療は、最終製品として生きた細胞自体を用いる必要があることから、①製造工程における品質管理の難しさ(均質な細胞製剤を安定的に製造することが難しい)、②安全性への懸念(生体外で大量培養する工程で細胞が変質・癌化するリスクがある)、③治療可能時期の制約(自家の細胞を治療に用いる場合、採取から十分量の移植細胞を得るまでに数週間におよぶ細胞培養期間が必要となり急性期~早期治療の機会は失われる)、④免疫拒絶反応(他人から提供された細胞を培養して治療に用いる場合、免疫拒絶の問題が生じる)、⑤保管・流通の制約(冷凍・冷蔵により細胞を生きたまま運搬・保存する際に非常に手間がかかり、保存期間も限られる)など、数多くの構造的な課題を抱えており、一般医療として普及するためには更なる技術革新が必要な状況にあります。

このような背景のもと、当社が大阪大学との共同研究を通じて先駆的な概念を構築し開発を進めてきた「再生誘導医薬」は、製品として生きた細胞を一切用いることなく、『物質(化合物)の投与によって、再生医療/細胞治療を実現する』をコンセプトとする、新しい『再生医療』であります。

再生誘導医薬は、下図に示す作用メカニズムによって、損傷した組織の再生を実現します。

 

(再生誘導医薬のコンセプト)

(画像は省略されました)


 

1) 静脈注射等で血液中に再生誘導医薬を投与する。

2) 当該医薬品により患者自身の体内に存在する幹細胞、特に骨髄内に存在する間葉系幹細胞(※14)を刺激し、幹細胞を血液中に放出させる。

3) 骨髄から血液中に放出された間葉系幹細胞は、末梢血循環を介して身体中に運ばれ、損傷により低酸素状態になった組織から放出される特有の化学物質(ケモカイン(※15))を目印に患部に集積する。

4) 患部に集積した間葉系幹細胞は、抗炎症作用を発揮し損傷部位の炎症を鎮め、かつ組織の線維化(瘢痕形成)(※16)を抑制しながら、幹細胞の多分化能(※17)を発揮することで、行き着き生着した組織の環境に応じた、適切な種類の細胞に分化を遂げ、損傷した組織の機能的な再生を促進する。

 

体外で培養し加工した細胞を用いず、医薬品の投与によって患者自身の体内で間葉系幹細胞の集積誘導による再生医療を実現する再生誘導医薬は、従来型の再生医療が抱える数多くの課題を克服する、革新的な再生医療技術であります。

 

 

<細胞治療と比較した場合の再生誘導医薬のメリット>

(ⅰ)品  質: 工業生産可能な化合物医薬品であり品質管理された安定した製造が可能

(ⅱ)安  全: 生体外における細胞培養の工程がないため、細胞や培養液などの材料に由来する不純物による免疫反応、細胞を汚染しているウイルスやバクテリアによる感染症、細胞を培養する過程で生じる細胞の腫瘍化や癌化などのリスクがない

(ⅲ)供  給: 細胞とは異なり、原材料の供給が容易く、製造・保管・管理も容易。従来の医薬品と同じく医療機関(病院、薬局等)に常備しておき、必要な時にいつでも投与が可能。そのため、急性期治療(※18)への利用が可能

(ⅳ)免疫拒絶: 投与するのは本人の幹細胞を動員する化合物医薬品であり、他人の細胞を利用しないため免疫拒絶がない

(2)研究開発の経緯

■ 骨髄間葉系幹細胞の損傷組織への集積による体内組織再生誘導メカニズムの発見

再生誘導医薬開発の発端は、大阪大学で進められていた遺伝性皮膚難病「栄養障害型表皮水疱症(以下、「表皮水疱症」という。)」の病態解明研究から得られた「骨髄由来間葉系幹細胞の損傷組織への集積による組織再生誘導メカニズム」の発見にあります。

当時既に、損傷臓器・組織の再生はそれぞれの臓器・組織に存在する“組織幹細胞”に依存していることは良く知られていました。しかし、表皮水疱症の患者では、皮膚の最外層にある表皮組織の接着に必要な7型コラーゲンが遺伝的に欠損しているため、生まれた直後から全身皮膚の表皮剥離を繰り返し(図1参照)、その結果、表皮内に存在する“表皮幹細胞”が大量に失われてしまいます。表皮幹細胞を失った表皮水疱症の患者は、剥離した表皮を再生できないと容易に予想されます。しかし、患者の表皮は再生能力を維持しているという診療上の観察事実から、骨髄から血液を介した皮膚への幹細胞補充メカニズム仮説が想起されました。

 

図1

(画像は省略されました)


 

骨髄と各臓器は血管を介して繋がっています。例えば、骨髄から血液に供給された赤血球は全身全ての臓器・組織に酸素を供給し、白血球は免疫作用を、血小板は止血作用を供給しています。その意味において、表皮水疱症の患者の皮膚に生体内で幹細胞が補充されるのだとしたら、血液を介して骨髄から補充されるのではないかという仮説は妥当に思われます。その後、当社創業者でもある大阪大学教授の玉井らによりその仮説が証明されました(出典:Am J Pathol 2008 Sep;173(3)803-14, PNAS 2011 Apr 19;108(16):6609-14,J Immunol. 2015 Feb 15;194(4):1996-2003)。即ち、壊死した表皮細胞の核から放出されたHMGB1が、骨髄内の“間葉系幹細胞”と名付けられた組織再生能力の高い幹細胞を刺激して血中へと動員すること、HMGB1蛋白により血中へと動員された間葉系幹細胞は表皮水疱症皮膚の壊死組織周囲にある血管内皮細胞が産生するケモカインSDF-1α(※19)の作用により壊死組織周囲に集積すること、壊死組織周囲に集積した骨髄由来間葉系幹細胞は、強い抗炎症作用、抗線維化作用、組織再生促進作用を発揮することにより、表皮水疱症の剥離表皮再生を誘導していることが明らかとなりました(図2参照)。

 

図2

(画像は省略されました)


 

HMGB1蛋白は生体内のあらゆる細胞の核内に存在していることから、これら壊死組織と骨髄間葉系幹細胞のクロストークによる組織再生誘導メカニズムは、皮膚のみならず、生体内のあらゆる臓器・組織の重度壊死性障害において、その再生誘導メカニズムとして作動していると考えられます。

 

■ HMGB1蛋白の再生誘導医薬としての可能性と想定されたリスク

HMGB1蛋白は、生体内の全ての細胞の核内に存在し、DNAと結合して遺伝子発現を制御する核蛋白であることが40年以上前から知られていました。上述したHMGB1蛋白の骨髄間葉系幹細胞動員活性による組織再生誘導メカニズムの発見は、HMGB1蛋白を静脈内投与して血液中の間葉系幹細胞を人為的に増加させ、その抗炎症作用、抗線維化作用、組織再生促進作用により機能的組織再生を促進する、いわゆる再生誘導医薬としての可能性を生み出しました(出典:Sci  Rep. 2015 Jun5;5:11008)。

一方、損傷組織で壊死細胞から細胞外に放出されたHMGB1蛋白は、ヒストンやDNA、あるいは細菌・ウイルス由来因子(※20)と結合すると好中球やマクロファージ(※21)を活性化し、炎症反応を誘導することが近年明らかにされました。即ち、細胞外のHMGB1蛋白は壊死組織や感染組織において自然免疫を活性化し、壊死組織や感染組織除去反応を誘導すると共に、それに続く組織再生反応を活性化する極めて重要な生体内分子であると言えます。しかし、敗血症のような重篤な感染症では、HMGB1蛋白が細菌由来LPS(※22)と血中で結合して全身性に強い病的炎症反応を喚起することが報告されています。これらの事実は、HMGB1蛋白を医薬として静脈内投与した際に、重度な感染症を合併している患者では局所性あるいは全身性に強い炎症反応を喚起してしまうリスクがあることを示しています。

 

■ 安全性の高いHMGB1ペプチド医薬の開発

HMGB1蛋白はA-box及びB-boxと呼ばれる二つのDNA結合ドメイン(※23)を持ち、炎症反応を誘導する自然免疫活性化ドメインはB-box内に存在することが明らかにされていました。(出典:J Intern Med. 2004 Mar;255(3):351-66.)これらの事実を背景として、当社は大阪大学と共同でHMGB1蛋白の骨髄間葉系幹細胞活性化ドメイン(以下、「KOI2ドメイン」という。)の探索を進め、KOI2ドメインはA-box内に存在することを明らかにしました。即ち、自然免疫活性化ドメインを含まないKOI2ドメインの化学合成ペプチド(以下、「HMGB1ペプチド」という。)は、炎症反応を喚起せずに間葉系幹細胞動員活性のみを持つ、安全性の高い再生誘導ペプチド医薬となることが期待されました。

 

大阪大学よりHMGB1及びHMGB1ペプチドの独占的実施権を得た当社は、大阪大学及び塩野義製薬株式会社のそれぞれとHMGB1ペプチド創薬の共同研究を推進し、表皮水疱症、脳梗塞、心筋梗塞、虚血性心筋症、拡張型心筋症、脊髄損傷といった、現在有効な治療法の無い難治性疾患の動物モデルにHMGB1ペプチドの静脈内投与が有効であること、炎症反応は全く喚起されないことを証明し、医薬特許取得を精力的に進め、HMGB1ペプチド医薬開発権を塩野義製薬株式会社にライセンスいたしました。

また、ヒトでの安全性及び有効性を確認する目的で行われた、大阪大学における健康成人を対象としたHMGB1ペプチド第Ⅰ相医師主導治験では、HMGB1ペプチドの安全性及び間葉系幹細胞血中動員活性が証明されました。

さらに、2018年に、大阪大学において表皮水疱症患者を対象とした第Ⅱ相試験、塩野義製薬株式会社において脳梗塞治療薬開発のための高齢成人を対象とした第Ⅰ相試験が開始されました。また、大阪大学医学系研究科心臓血管外科学講座では当社との共同研究として心・血管系疾患を対象とした創薬研究が精力的に進められています。

 

■ 第2世代再生誘導医薬の開発

上述したように、骨髄内に存在する間葉系幹細胞は生体内の壊死細胞が放出するHMGB1蛋白の血中濃度上昇を感知して活性化し、末梢循環を介して壊死組織周囲に集積して組織再生を促進していることが明らかとなりました。これらの発見から、HMGB1蛋白以外の壊死細胞由来因子にもHMGB1蛋白と同様の骨髄間葉系幹細胞活性化作用、組織再生誘導作用がある可能性が想起されました。そこで当社は、大阪大学と共同で壊死細胞から血中放出される可能性のある生体内蛋白を網羅的に探索し、その活性ドメインペプチドの骨髄間葉系幹細胞活性化作用を評価することにより、HMGB1ペプチドと同等あるいはそれ以上の骨髄間葉系幹細胞活性化作用を持つ生体内物質を複数同定いたしました。現在、当社はこれらの第2世代再生誘導医薬候補物質の疾患モデル動物に対する薬効評価を進めています。

 

(3)技術の優位性

間葉系幹細胞を利用した細胞治療が、様々な疾患に対して行われているのは、間葉系幹細胞が有する、様々な細胞種に分化する能力(分化能力)、サイトカイン(※24)・ケモカイン・成長因子(※25)を分泌する能力(トロフィック能力)、免疫応答(※26)を調整する能力(免疫調整能力)、損傷組織に遊走する能力(細胞遊走能力(※27))、線維化を調整する能力(線維化調整能力)があるためと考えられています。(図3参照; Cell Transplantation, Vol. 25, pp. 829–848,2016より引用。図の一部改変。出典:Nat Immunol. 2014 Nov;15(11):1009-16, Stem Cell Trans Med. 2012 Feb;1(2):142-9)

 

図3

(画像は省略されました)


 

すなわち生体内においては、組織や臓器に損傷を受けると、細胞レベルのダメージを生じ、不可逆的な障害を受けた細胞は壊死します。さらに、傷口から侵入した細菌などを制御する他、壊死した細胞を除去するために、損傷組織には受傷直後から炎症細胞が集まります。間葉系幹細胞は血流を介し損傷組織まで遊走し(細胞遊走能力)、免疫反応を調節し、過剰な炎症による組織損傷の拡大を抑えます(免疫調整能力)。また、損傷組織の細胞に対し成長因子やサイトカインを分泌することで、細胞の増殖や組織の修復を促進します(トロフィック能力)。さらに、間葉系幹細胞自身が、様々な種類の細胞に分化することによって(分化能力)、間葉系幹細胞由来の細胞が損傷組織の細胞に置き換わり組織を再生します。このような間葉系幹細胞の能力は、様々な組織や臓器の再生で効果を発揮するため、多種多様な疾患に対して間葉系幹細胞を細胞治療や再生医療に利用することができるのだと考えられます。

一方で次のような課題も存在します。

 

ES細胞、iPS細胞

 [生命倫理上の課題(ES細胞)]

ES細胞はヒトの生命の萌芽である胚を破壊して作る必要があるため、倫理的課題があります(参考文献:ヒトES細胞の樹立に関する指針平成31年文部科学省・厚生労働省告示第4号)。さらに近年では、ES細胞のように多能性を有しほぼ無限に増殖可能なiPS細胞が発明され、また、iPS細胞は受精卵を利用せず本人の細胞から作成することが可能であるため、倫理的課題のみではなく免疫拒絶についても解決に向けて大きく前進しました。

 

 [細胞の安全性の課題と医療コストの課題(ES細胞、iPS細胞)]

ES細胞もiPS細胞も無限に増殖するため、増殖の過程で生じる遺伝子の変異や癌化のリスクに対応をする必要があります。その他の細胞ES細胞やiPS細胞を使用しない、幹細胞を使用した再生医療/細胞治療としては、自家細胞(自己の細胞=患者本人の細胞)を利用するものと他家細胞(他人の細胞)を利用するものがあります。表皮細胞、筋芽細胞、軟骨細胞、間葉系幹細胞など様々な細胞が再生医療、細胞治療に使用されています。

 

 その他の細胞

ES細胞やiPS細胞を使用しない、幹細胞を使用した再生医療/細胞治療としては、自家細胞(自己の細胞=患者本人の細胞)を利用するものと他家細胞(他人の細胞)を利用するものがあります。表皮細胞、筋芽細胞、軟骨細胞、間葉系幹細胞など様々な細胞が再生医療、細胞治療に使用されています。

 

 [自家細胞の課題]

自家細胞では、患者本人から採取した細胞を培養し増殖、加工し使用します。他人の細胞を使用しないので、感染症や免疫拒絶のリスクを最小限に抑えることができますが、一人の患者から採取できる細胞の量に限界があります。また、ES細胞やiPS細胞とは違い細胞を無限に増殖させることができないため、治療に十分な細胞を用意することが課題となります。また、オーダーメイドで作成する必要があるため、急性期の治療が困難で、治療費が高額になるという課題があります。

 

 [他家細胞の課題]

他家細胞では、多数のドナーから細胞の提供を受け、細胞バンクに細胞を保存しておくことで、急性期の治療にも対応でき、医療コストも抑えることができますが、ドナーに由来する未知の感染症や免疫拒絶のリスクがあります。(参考文献:経済産業省「再生医療の実用化・産業に関する研究会」の最終報告書)

 

 

 [間葉系幹細胞の課題]

ほぼ無限に増殖することが可能なES細胞やiPS細胞とは異なり、間葉系幹細胞が増殖する能力には限界があります。間葉系幹細胞は、細胞分裂を繰り返す過程で細胞の老化現象(senescence)を起こし、分化能力や免疫調整能力や細胞遊走能力という細胞治療の効果に寄与する重要な能力が失われることが知られています。このため、間葉系幹細胞を使用した医療を広く行うためには、継続的に大量の細胞を供給する必要があります。すなわち、多数のドナーの骨髄から細胞を採取し、大量の細胞を確保しなければならず、一般的な医療とするためには、原材料の供給の面で課題があるといえます。(出典:Stem Cells Transl Med. 2017 Dec;6(12):2173-2185.)

 

 [細胞を利用する再生医療や細胞治療の課題]

このように、再生医療や細胞治療は、これまでにない新しい医療で、従来の医療では治療困難な疾患に対して優れた治療効果があるものの、既存の医薬品と異なり生きた細胞を治療用に使用するため、従来の医薬品では問題にならなかった、様々な課題を解決する必要があります。(参考文献:平成26年度「再生医療の産業化に向けた評価基盤技術開発事業」原料細胞の入手等に関する調査等報告書)

 

■ 再生誘導医薬(当社シーズ)による課題の解決

再生誘導医薬は、生体内に存在する骨髄間葉系幹細胞を損傷組織へ動員する、生体が元来有する治癒能力を促進する医薬です。損傷組織を直接治療するのは、薬剤の投与によって損傷組織に動員された間葉系幹細胞であるため、間葉系幹細胞の特徴である、細胞遊走能、免疫調整能、トロフィック能、線維化調整能、組織再生能等によって一つの物質で広範な疾患領域に対する適応が期待できます。また、投与するのはペプチド、タンパクなどの物質であり、従来の医薬品と同じ方法で製造、輸送、保管、投与が可能です。そのため、再生医療や細胞治療の様々な課題を解決しながら、従来の医療では治療困難であった疾患を治療のターゲットとすることができます。

 

図4

(画像は省略されました)


 

 

(4)当社技術のターゲットとなる適応症

間葉系幹細胞を使用した細胞治療の効果がある疾患領域や病態が治療のターゲットとなります。以下のように広い疾患領域や様々な病態が適応症として期待できます。また変形性膝関節症、心筋症、肝硬変については2020年中の治験開始を目指しております。

 

図5

(画像は省略されました)


 

(5)パイプラインの概要

当社の手掛ける研究開発パイプラインとその進捗状況は以下の通りであります。パイプラインは、以下5つのプロジェクト(PJ1~PJ5)に分類されます。

(画像は省略されました)


※  PJ1 -01について、対象となる栄養障害型表皮水疱症の患者数は、全国に200名前後、年間あたりの新規患者数は15名程度と想定されており、大規模な第Ⅲ相試験を計画することが困難です。また、栄養障害型表皮水疱症は、希少難治性疾患であり現在有効な治療法がありません。したがって、当社としては、第Ⅱ相試験の結果を踏まえ、医薬品の承認申請を行うことを見込んでおります。

※  PJ4 -01について、第Ⅰ相試験以降は、現在、実施しない方向で調整中ですが、未確定のためNDと記載しております。

 

各パイプラインの主な市場ターゲットは、日本、米国、欧州などです。

各パイプラインの概要は、以下のとおりです。

PJ1

再生誘導医薬

HMGB1ペプチド

概要

生体内タンパク質HMGB1の生理活性ドメインから創生したペプチド製剤(※28)です。静脈内投与により患者の骨髄内間葉系幹細胞を末梢血中に動員し、損傷部位に集積させることで、患部の組織再生と治癒を促進します。間葉系幹細胞を介した治療メカニズムにより、組織損傷をともなう幅広い疾患が適応症となります。これまでに実施した疾患モデル動物を用いた非臨床薬効試験で、脳梗塞、心筋梗塞/心筋症、表皮水疱症、難治性皮膚潰瘍、脊髄損傷、筋萎縮性側索硬化症(ALS)、外傷性脳損傷、潰瘍性大腸炎等に対する良好な治療効果を確認しています。

開発

現時点で2つの適応症について臨床試験が進行中で、1つの適応症について臨床研究の準備が進められています。最も先行する表皮水疱症の臨床試験(PJ1-01)は、大阪大学、慶應義塾大学、東邦大学において、現在、第Ⅱ相医師主導治験がおこなわれています。脳梗塞(PJ1-02/S-005151)については、塩野義製薬株式会社による第Ⅱ相臨床試験が進められています。また、心筋梗塞/心筋症(PJ1-03)については、大阪大学において臨床試験(第Ⅱ相試験)相当の開始に向けた準備が進められています。

提携

PJ1については、2014年11月に塩野義製薬株式会社との間にライセンス契約を締結しております。当社は、既に受領済みの契約一時金及びマイルストーン収入に加え、今後の開発の進捗に応じたマイルストーン収入及び製品上市後のロイヤリティ収入及びマイルストーン収入を得ることができます。

 

 

 

PJ2

再生誘導医薬新規

ペプチド

概要

大阪大学と共同で、新規に開発したスクリーニング法によって発見した、静脈内投与により末梢血中の間葉系幹細胞を増加させる作用を有するペプチドです。PJ1と同じく、組織損傷をともなう幅広い疾患に対する再生誘導治療薬となることが期待されます。生体由来のペプチドの他、生体由来活性ペプチドの情報を基に作成したペプチドの開発も行っています。

開発

これまでのスクリーニングから10種類以上の候補ペプチドを保有しており、治療効果の高いものから順次開発を進めていく計画です。現時点で、3つの候補ペプチドについて、臨床試験の開始までに必要となる非臨床試験を実施しております。これまでの動物実験により良好な間葉系幹細胞血中動員作用を確認しており、現在、複数種類の疾患モデル動物を用いた薬効試験をおこない、最適な開発対象疾患の選定を進めております。

提携

PJ2については、GLP非臨床毒性試験(※29)~早期臨床試験(※30)の段階まで自社で開発を進め、その後、製薬企業にライセンスアウトする方針であり、現時点において、商業化(開発・製造・販売等)に係る権利は、すべて当社が保有しております。

 

 

PJ3

生体由来再生誘導

タンパク

概要

生体組織から抽出された生体内タンパク質に由来するタンパク質製剤です。静脈内投与若しくは局所投与により、生体内の間葉系幹細胞を効率よく患部に集積させる作用を有しており、組織損傷を伴う幅広い疾患に対する治療薬となることが期待されます

開発

これまでに得られた複数の候補タンパクのなかから、最も治療効果の高いものを選定し、開発を進めていく計画です。これまでの動物実験で良好な間葉系幹細胞血中動員作用を確認しており、複数種類の疾患モデル動物による薬効試験によって、最適な適応症の選定を進めております。

提携

PJ3については、GLP非臨床毒性試験~早期臨床試験の段階まで自社で開発を進め、その後、製薬企業にライセンスアウトする方針であり、現時点において、商業化(開発・製造・販売等)に係る権利は、すべて当社が保有しております。

 

 

PJ4 

治療用自己細胞

採取デバイス

概要

幹細胞誘引物質を用いて患者体内の間葉系幹細胞を回収し、これを患部に移植することで組織の再生治療をおこなう再生誘導医療デバイス(※31)です。生体内埋没型デバイスに、当社が見出した間葉系幹細胞を誘引する物質を含ませたうえで患者の皮下に一定期間埋め込み、このデバイスに集積した患者自身の間葉系幹細胞を収集し治療に用います。間葉系幹細胞移植が治療効果を発揮することが報告されている幅広い疾患に対して有効な医療デバイスとなることが期待されます。

開発

まず、骨・軟骨損傷を伴う疾患、難治性皮膚潰瘍等に対する医療デバイスとしての開発を計画しております。これまでの動物実験で当デバイスが良好な幹細胞回収能力を有することを確認しており、複数種類の疾患モデル動物による薬効試験によって、最適な適応症の選定を進めながら、臨床試験の開始までに必要となる非臨床試験を実施しております。

提携

PJ4については、非臨床毒性試験~早期臨床試験段階まで自社で開発を進め、その後、製薬企業や医療機器メーカー等にライセンスアウトする方針であり、現時点において、商業化(開発・製造・販売等)に係る権利は、すべて当社が保有しております。

 

 

PJ5 

幹細胞遺伝子

治療

概要

遺伝子欠損等に起因する重度の遺伝性疾患に対しても再生誘導医療を可能にする治療技術です。当社がこれまでに培った独自の幹細胞培養・調整技術を駆使し、患者自身の幹細胞に対して体外で遺伝子編集を施し、欠損/変異した遺伝子を補ったうえで患者の体内に戻す、根治的再生誘導型細胞治療製品(※32)です。

開発

初めの適応症として、遺伝子完全欠損型の重度表皮水疱症を対象に開発を進める計画です。遺伝子編集技術を用いて正常遺伝子を組み込んだ間葉系幹細胞を動物に移植する実験により、移植を受けた動物体内に目的タンパク質(7型コラーゲン)が十分量安定的に産生されることを確認しており、想定する作用機序(※33)が機能することを証明しております。現在、疾患モデル動物による薬効試験など臨床試験の開始までに必要な非臨床試験を追加実施しております。

提携

PJ5については、非臨床毒性試験~早期臨床試験段階まで自社で開発を進め、その後、製薬企業や医療機器メーカー等にライセンスアウトする方針であり、現時点において、商業化(開発・製造・販売等)に係る権利は、すべて当社が保有しております。

 

 

 

 

(a)PJ1 再生誘導医薬_HMGB1ペプチド

① PJ1-01 表皮水疱症治療薬

(適応症: 表皮水疱症(栄養障害型))

皮膚は、表皮(E)と真皮(D)からなる2層の構造をとっています。表皮もまた体の外側から角層(①)、有棘層(②)、基底層(③)と層構造をとっています(図6参照)。基底層には表皮細胞の幹細胞(表皮幹細胞)が存在します。幹細胞から分裂した未分化な表皮細胞は次第に分化して体の外側へと移動します。一番外側まで移動すると、角質となって体のバリアーを形成し体内の水分を保持するほか、外界からの刺激やバクテリアなどの感染症から体の内部を守っています。表皮の直下にある真皮は1型コラーゲンという蛋白を主成分とする組織で皮膚に物理的な強さを与えるほか水分を保持しています。

 

図6

(画像は省略されました)


皮膚は特殊な『糊』によって表皮と真皮がしっかりと接着しています。強い機械的刺激でも表皮が皮膚からはがれることはありません。表皮と真皮を接着させる『糊』の役割をしているのが、表皮細胞や真皮に存在する線維芽細胞から分泌される7型コラーゲンと呼ばれるタンパクです。7型コラーゲンに異常があると『糊』としての機能が低下して表皮と真皮を接着する力が弱くなり、弱い刺激であっても表皮が真皮からはがれてしまいます(図7参照)。

はがれた表皮と真皮の間には組織液がたまり水ぶくれ(水疱)が生じます。水疱が破れると潰瘍となり、治癒が追い付かずに傷が遷延化(※34)すると、瘢痕化(線維化)し皮膚がひきつれるために関節などが動かないようになってしまいます。

表皮水疱症の患者は7型コラーゲンの遺伝子に異常があるため、機械的刺激により容易に表皮と真皮の間が裂けます。その結果出生時から全身の皮膚に水ぶくれができ、生涯にわたり症状が続きます。遺伝子治療をのぞいて現時点で根治的な治療法はありません。

図7

(画像は省略されました)


 

前述のように、表皮水疱症では、表皮が剥離する際に表皮幹細胞が失われてしまうため、新しい表皮を再生することが困難な状態になります。骨髄間葉系幹細胞は皮膚に集積することによって、細胞成分や7型コラーゲンを供給します。病因である7型コラーゲンの異常があるため、完治はできませんが、難治性皮膚潰瘍などの症状の改善が期待できます。

 

 ② PJ1-02 脳梗塞治療薬

(適応症: 脳梗塞について)

脳梗塞は、主に脳に酸素や栄養を供給する血管が血栓によって閉そくすることが原因で生じる疾患です。脳は低酸素状態に極めて弱く、また一度障害を受けると再生をすることが極めて困難な臓器であるため、これまで有効な治療はほとんどありませんでした。血栓を溶解させる薬(血栓溶解剤)が有効ですが、発症初期の数時間後までにしか使用できないため、一部の患者にしか投与されていません。血栓溶解剤を投与できなかった場合や投与されても十分な効果が得られなかった場合、脳梗塞によって生じる麻痺などの治療はリハビリテーションなどによって行われています。骨髄間葉系幹細胞による細胞治療は、免疫寛容効果による炎症の抑制や、トロフィック効果による組織再生を期待されています。しかし、患者本人の骨髄間葉系幹細胞を利用する場合、細胞採取の後、細胞培養による増殖工程にかかる時間が必要であり、発症後すぐに患者に投与することができません。また、高額な医療コストなどの課題があります。再生誘導医薬は、タンパクやペプチドなどの従来の医薬と同様に扱うことが可能であり、必要時にすぐに使用することが可能です。また、骨髄採取や細胞培養の設備が必要ないため、一般の病院においても治療を行うことが可能です。

 

 ③ PJ1-03 心筋症治療薬

(適応症: 心筋症について)

心臓は全身の臓器に血液を送り出すポンプの役割を果たしています。心臓は心筋と呼ばれる筋肉でできていて心筋が伸びる際に血液を心臓に取り込み、心筋が縮む際に血液を心臓から送り出します。心筋症は、心筋が線維化などによって伸縮が不良になり心臓のポンプ機能が障害される疾患です。心筋症の原因は、心筋梗塞や狭心症などの虚血性心疾患、高血圧、アルコールの多飲等が知られていますが、これらの原因が明らかな心筋症を特定(2次性)心筋症とし、原因が不明な特発性心筋症とに区分されます。

 

(b)PJ2 再生誘導医薬新規ペプチド

■ 骨髄間葉系幹細胞を骨髄内から血中に動員する薬(新規物質)

当社は骨髄間葉系幹細胞による損傷組織の再生や再生誘導物質を発見して以来、骨髄中に存在する間葉系幹細胞、血流中に存在する間葉系幹細胞、損傷組織に存在する間葉系幹細胞など生体に存在する自然の状態の細胞に注目し研究を続けてきました。それらの知見をもとに新たに開発した間葉系幹細胞血中動員活性のスクリーニング法と組み合わせることで再生誘導医薬の研究を加速しています。

以上のような基礎的な研究の結果、生体内に存在する骨髄間葉系幹細胞に対する新たな知見を積み重ね、新規骨髄間葉系幹細胞の血中動員新規合成ペプチド(RIM3)を得ることができました。

RIM3は潰瘍性大腸炎、アトピー性皮膚炎、脳梗塞の動物モデルにおいて症状の改善が認められております。

 

(c)PJ3 生体由来再生誘導タンパク

■ 骨髄間葉系幹細胞動員物質分泌促進剤

PJ1及びPJ2の開発品は、骨髄内の間葉系幹細胞を刺激して、骨髄から間葉系幹細胞を血中に動員する物質です。一方、PJ3では、損傷組織から間葉系幹細胞動員物質の分泌を増加させる物質を開発します。

HMGB1ペプチドとは作用メカニズムが異なるため、HMGB1ペプチドと併用若しくは単独で使用することによって、再生誘導医療の対象疾患の拡大が期待できます。特に、損傷組織が小さい病態においては、虚血領域も小さいため、低酸素状態で分泌量が増大するSDF-1αの量が少なく、間葉系幹細胞が損傷個所に集積できない恐れがあります。そのようなときに、本物質を患部周囲へ投与することで、循環血流中の間葉系幹細胞を治療する臓器に集積させる効果を狙います。

応用例としては、HMGB1ペプチド投与によって、末梢循環血流中に増加した間葉系幹細胞を、PJ3の開発品投与によって末梢循環血流中から損傷組織に効率的に集積させることが考えられます。

 

図8

(画像は省略されました)


 

(d)PJ4 治療用自己細胞採取デバイス

■ 自己の骨髄間葉系幹細胞をデバイス内に集積させ体外に回収後、損傷部位の細胞治療に利用する技術

骨髄間葉系幹細胞の動員因子をデバイス内に挿入し、皮下など生体内に埋没することで生体内に存在する細胞を直接回収する技術を開発しています。現在、実験動物を使用した非臨床の研究を行っております。臨床の場面では、医師によって患者本人の皮膚に局所麻酔を行った後、数mmから数cmの皮膚切開をします。あらかじめ骨髄間葉系幹細胞の動員因子(※35)を挿入しておいたデバイスを、切開した皮膚から皮下に挿入します。挿入後数日経過した後にデバイスを体外に取り出し、デバイス内に集積した細胞を損傷組織(患部)に直接投与します。デバイスを挿入する手術も、外来通院にて施行可能な程度の簡単な手術となります(図9参照)。

 

図9

(画像は省略されました)


再生誘導医療デバイスの特徴は下表の通りです。体外で培養する工程や細胞を加工する工程がないため、セルプロセッシングセンター(※36)が必要なく、細胞の製造、保管、輸送にかかわるコストを削減できるため、低コストで細胞治療を行うことができます。

間葉系幹細胞は様々な組織(神経系、循環器系、上皮系、間葉系)の疾患の治療に応用することができるため、本技術の治療対象は広範な領域となることが期待されます。

 

再生誘導医薬デバイス

従来型の間葉系幹細胞を利用した再生医療、細胞治療

細胞の提供元

自己の細胞

自己の細胞

他人の細胞

体外での培養の有無

無(自分の皮下から採取した細胞を直接使用する)

有(セルプロセッシングセンターで培養する)

有(セルプロセッシングセンターで培養する)

免疫拒絶反の有無

医師による手術

必要

必要

必要

 

 

 

(e)PJ5 幹細胞遺伝子治療

■ 遺伝性疾患の患者本人の間葉系幹細胞を採取し、体外で病因となる遺伝子の修復を行う技術です。

一般に、遺伝子治療では病変臓器の幹細胞を治療対象とするため、疾患ごとに様々な臓器の幹細胞に対して遺伝子治療を施さなければなりません。ヒト間葉系幹細胞に正常な7型コラーゲンを遺伝子導入し、表皮水疱症モデルマウスの皮膚に細胞移植しました。その結果、ヒト由来の7型コラーゲンがマウスの皮膚で正常に機能していることが証明されました。間葉系幹細胞は、多分化能の他にも、免疫調節能などを有し、様々な疾患に対して治療効果を有するため、間葉系幹細胞を遺伝子治療の対象にすることにより、様々な遺伝性疾患に対する治療が期待できます。

図10

(画像は省略されました)


 

(6)再生誘導医療の可能性

再生誘導医療は、元来生体が持っている損傷組織の再生能力を、生体内に存在する幹細胞を体外で人工的な操作(培養や加工など)することなく、生体内で活性化することで、難治性の疾患の治癒を目指す医療です。現在、当社では、骨髄に存在する間葉系幹細胞を血中に動員する再生誘導医薬、血中に存在する間葉系幹細胞を損傷組織に集積する再生誘導医薬、血中に存在する間葉系幹細胞を皮下に埋めたデバイス内に集積させ細胞治療に利用する医療、間葉系幹細胞を標的とした遺伝子治療と細胞治療のハイブリッド医療の研究開発を行っています。

再生誘導医薬の場合、薬が患部に直接作用するのではなく、骨髄や血液などに存在する幹細胞に作用することが特徴です。患部を治療するのはあくまで生体に存在する活性化された幹細胞です。生体内に存在する幹細胞の理解を深めることで、再生誘導医療を発展させることが可能になります。

現在、日進月歩で幹細胞の研究が進んでおり、当社においても幹細胞の最新の知見をもとに、難治性疾患に対する新たな再生誘導医薬の開発を進めています。

 

(7)用語解説

No

用語

解説

※1

再生医療

 (1) 患者の体外で人工的に培養した幹細胞等を、患者の体内に移植等することで、損傷した臓器や組織を再生し、失われた人体機能を回復させる医療 

 (2) 患者の体外において幹細胞等から人工的に構築した組織を、患者の体内に移植等することで、損傷した臓器や組織を再生し、失われた人体機能を回復させる医療 

 (3) 生きた細胞を組み込んだ機器等を患者の体内に移植等すること又は内因性(生体又は細胞の内部で生産される)幹細胞を細胞増殖分化因子(動物体内において、特定の細胞の増殖や分化を促進する内因性のタンパク質の総称)により活性化/分化させることにより、損傷した臓器や組織の自己再生能力を活性化することで失われた機能を回復させる広義の再生医療(←再生誘導医薬が該当する医療) 

(内閣府 総合科学技術会議基本政策推進専門調査会『失われた人体機能を再生する医療の実現』 (平成20年5月)参照)

※2

幹細胞

自己複製能と分化能をあわせもつ細胞。自己複製能とは体細胞分裂を経て形成される2つの娘細胞のうち、少なくともひとつに親細胞である幹細胞と同等の自己複製能と分化能が賦与されることをいう。また、分化能とは、体細胞分裂を経て形成される娘細胞が、最終的に少なくとも1種類の、親細胞である幹細胞とは異なる表現型を有する細胞になることをいう。(引用文献 蛋白質 核酸 酵素 Vol.51 No.11 (2006))

※3

特異的

ある特定の対象に対してのみ特定の反応をするということ。この範囲が狭いほど特異性が高いという。

※4

表皮水疱症

表皮水疱症は、表皮~基底膜~真皮の接着を担っている接着構造分子が生まれつき少ないか消失しているため、日常生活で皮膚に加わる力に耐えることができずに表皮が真皮から剥がれて水ぶくれ(水疱)や皮膚潰瘍を生じてしまう病気。特に、7型コラーゲンの遺伝子異常によって、基底膜と真皮の間で剥がれる病型を栄養障害型表皮水疱症と呼ぶ。

※5

臨床試験

臨床現場でヒトを対象に行う試験であるが、ここでは医薬品の承認を受けるためのいわゆる治験をいう。治験は、一般的に以下の段階を経て行われる。 

・第Ⅰ相試験(フェーズ Ⅰ)… 少数の健常成人を対象とし、候補薬の安全性や薬がどのように体内で吸収、分布、代謝され排泄されるか、などを調べる。 

・第Ⅱ相試験(フェーズ Ⅱ)… 少数例の患者を対象に、有効性・安全性・適切な投与量などの検討を行う試験。 

・第Ⅲ相試験(フェーズ Ⅲ)… 多数の患者を対象に、実際の医療に近い形で有効性や安全性を確認することを目的とし、比較対照試験などを含めて行われる。

※6

組織再生誘導

メカニズム

骨髄内に存在する間葉系幹細胞が循環血流を介して損傷組織へ集積する現象の発見の結果、再生誘導医薬であるHMGB1ペプチドの発明につながった。生体内における組織再生誘導の原理(組織再生誘導メカニズム)を明らかにすることによって、新たな再生誘導医薬の開発が期待できる。

※7

幹細胞の制御技術

幹細胞は、生体内における環境や培養条件などによって容易に性質を変化させ、幹細胞(自己複製能、分化能)としての性質を失ってしまう。そこで、幹細胞を維持するための細胞制御技術は必須の技術である。また、幹細胞が分化しながら組織再生に必要な機能を付与されるためには、適切な分化制御が必要になる。このように、再生医療や再生誘導医薬の開発のために、幹細胞の制御技術の開発は必須である。

※8

スクリーニング

有効な化合物を選定するために、種々の評価系を用いて多くの化合物を評価すること。

※9

再生誘導医薬シーズ

再生誘導医薬として事業化・製品化が可能な、技術、ノウハウ、アイデア、化合物など。

※10

非臨床薬効薬理試験

動物を使用し物質の効果を評価する試験。

※11

安全性試験

物質の毒性の有無等を評価する試験。

※12

初期臨床試験等

初期段階の臨床試験。

※13

免疫拒絶

人体はウイルスやバクテリアなど異物が体内に侵入した際に排除する免疫がある。同様に治療を目的として他人の細胞や臓器を移植する際にもそれらを異物と認識し排除すること。

 

 

No

用語

解説

※14

間葉系幹細胞

生体内では、骨髄、さい帯、胎盤、脂肪、筋肉、胸腺、歯髄中といった成体組織において発見されており、生体内に存在する一般的な組織幹細胞とは異なり、多分化能をもつと考えられている。(ギルバート発生生物学10版参照)通常、成体に存在する間葉系幹細胞は、他の間葉系の細胞と同じように中胚葉由来と考えられていたが、少なくとも胎児期には外胚葉由来の間葉系幹細胞が存在することが明らかになっている。(Cell.2007 Jun 29;129(7):1377-88.参照)

※15

ケモカイン

特定の白血球に作用し,濃度勾配の方向に白血球を遊走させる活性(走化性)を持つサイトカインの総称

※16

線維化

(瘢痕形成)

組織を構成している結合組織と呼ばれる部分が異常増殖する現象のこと。例えば、心筋に線維化が生じたときには心臓の働きに異常が起き、呼吸困難や心悸亢進(動悸)などの症状が出る。また関節リウマチにおける骨の萎縮や変性、肝臓全体の線維化を示す肝硬変の病態なども、結合組織が線維化した例である。

※17

多分化能

様々な細胞に分化する能力。多細胞生物においては、細胞が様々な特化した機能を持つ細胞へと変化(分化)し、複雑なシステムを作り上げていく。

※18

急性期治療

症状が急激にあらわれる時期、病気のなり始めの治療。

※19

(ケモカイン)

SDF-1α

SDF(Stromal Derived Factor)-1αはケモカインCXCファミリーの一種。リンパ球の強力な化学誘引因子であり、リンパ球を新しく形成した血管へ補充、胎児と成人両方の生体の血管新生に関与する。低酸素状態の血管内皮細胞などで発現が亢進する。

※20

因子

現象や機能の原因を因子と呼ぶが、生化学で原因が物質として特定された場合にはその物質も因子という。

※21

好中球や

マクロファージ

白血球の一種。遊走運動を行い、細菌などの異物を捕食する。炎症初期には好中球が炎症部位に集まり、細菌類を貪食殺菌する。後期になるとマクロファージが集まり死んだ細胞や細菌を食作用により処理、分解する。

※22

LPS

リポ多糖、Lipopolysaccharide。グラム陰性菌細胞壁外膜の構成成分であり、脂質及び多糖から構成される物質(糖脂質)である。LPSは内毒素(エンドトキシン、英: Endotoxin)であり、ヒトや動物など他の生物の細胞に作用すると、多彩な生物活性を発現する。

※23

(タンパク質)

ドメイン

タンパク質の構造の一部で、固有の機能を持つ部分。

※24

サイトカイン

サイトカイン(cytokine) は、細胞から分泌される低分子のタンパク質で生理活性物質の総称。生理活性蛋白質とも呼ばれ、細胞間相互作用に関与し周囲の細胞に影響を与える。

※25

成長因子

体内において、特定の細胞の増殖や分化を促進する内因性のタンパク質の総称。

※26

免疫応答

体内の抗原を察知し、排除する反応。

※27

細胞遊走

細胞がある場所から別の場所に移動すること。創傷治癒や胚の発生の過程などで重要な役割をになっている。

※28

HMGB1の生理活性ドメインから創生したペプチド製剤

当社と大阪大学との共同研究でA-box内に存在することが明らかとなった、HMGB1蛋白の骨髄間葉系幹細胞活性化ドメイン(以下、「KOI2ドメイン」という。)。PJ1は当該KOI2ドメインの化学合成ペプチド(HMGB1ペプチド)の医薬品化を目的とするPJである。

※29

GLP

GLP(Good Laboratory Practice)とは、医薬品の非臨床試験の安全性に関する信頼性を確保するための基準をいう。

※30

早期臨床試験

第Ⅰ相試験、初期第Ⅱ相試験などの臨床試験のこと。後期第Ⅱ相試験、第Ⅲ相試験など後期臨床試験に対する用語。

※31

デバイス

生体内から細胞を回収する治療用の装置。患者の皮下に埋め込んで用いることを想定している。

※32

根治的再生誘導型

細胞治療製品

再生誘導医療のメカニズムを用いた、遺伝病等に対する根治的な細胞治療製品の意。

※33

作用機序

薬剤がその薬理学的効果を発揮するための特異的な生化学的相互作用を意味する。

※34

遷延化

治癒までの期間が長期になること。

※35

動員因子

幹細胞を誘引・集積させるための物質。

※36

セルプロセッシングセンター

細胞の調整や、培養、加工などの工程(細胞プロセッシング Cell Processing )を行う場所。

 

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、提出日現在において、当社が判断したものであります。

 

(1) 経営方針

当社は、人体が本来備えている組織修復能力を引き出す「再生誘導医薬」をはじめとした最先端生命科学研究の成果をもとに、新しいコンセプトの治療薬を生み出し続けることで、世界の健康と幸福の実現に貢献することを経営理念として掲げております。

 

(2) 目標とする経営指標等

現在、研究開発段階にある当社は、ROA、ROEその他の数値的な目標となる経営指標等は用いておりません。現在、HMGB1ペプチドの表皮水疱症、脳梗塞、心筋症を適応症とする開発が先行する段階にありますが、他の適応症への展開や後発パイプラインの開発推進、新たな開発候補品の探索等を行い、開発パイプラインを質・量ともに充実させることが、企業価値を高め、経営を安定させる上で不可欠の目標と認識しております。当該目標達成のために、共同研究や事業提携を推進するとともに、より充実した研究・開発体制の確立のための設備導入等の施策を推進してまいります。

 

(3) 経営環境及び対処すべき課題等

当社が属する再生医薬品分野は、世界的にも普及段階まで至っておらず、このような最先端医療分野は環境変化のスピードが極めて早いと考えられ、潜在的な競争相手に先行し、他社の知的財産権を上回る開発をする必要性があります。

このような経営環境の下、当社が対処すべき当面の課題としては、主に下記①~⑤の5点があります。

 

① 既存事業の展開支援と新規事業の開発推進

既存事業については、大手製薬企業への開発候補品の導出が完了していることから、今後は、導出先企業による臨床開発が滞りなく進められ、さらに、将来幅広い適応症に対して開発が展開されるよう、導出先の製薬企業に対する側面支援を継続していくことが、当社の重要な役割であると考えております。また、大阪大学において実施中の医師主導治験に対する継続的な支援も、引き続き、当社の重要な役割であると認識しております。第Ⅱ相医師主導治験において開発候補品の有効性が示されれば、当該医薬品の表皮水疱症治療薬としての上市のみならず、他の適応症への展開が加速されるものと期待しております。その他のパイプラインについても新たな事業提携に繋げていくことが、今後の当社の重要な経営課題であると考えております。具体的には以下のような内容になります。

 

■ 新規再生誘導医薬の開発について

開発リスクの分散と企業価値の向上を目指して、当社では、新規再生誘導医薬候補物質の探索研究を積極的に進めております。これまでの研究を通じて同定した複数の候補物質について、疾患モデル動物を用いた薬効試験で治療効果を確認し、その一部につき特許出願を完了するなど、着実に成果を積み重ねております。この探索研究を更に推し進め、既存の開発品を補完する新たな薬効プロファイルを有する新規再生誘導医薬の開発を進めます。

 

■ 生体内治療用細胞採取デバイスの開発について

再生誘導医薬の研究成果を基礎として、生体内に埋没したデバイス内に集積させた治療用の細胞を採取する技術を研究中です。対象疾患は、皮膚や骨、軟骨、筋肉などの難治性損傷性疾患等になります。

 

 

■ 間葉系幹細胞を標的とした遺伝子治療技術開発について

脳梗塞、心筋梗塞といった後天的組織障害の治療に対して、再生誘導医薬は循環血流を介した骨髄由来間葉系幹細胞供給という極めて画期的な治療効果を発揮します。しかし、表皮水疱症、血友病、代謝異常症など、先天的機能障害の根治的治療を実現するためには、それぞれの病態における根本原因である遺伝子異常の改善、すなわち遺伝子治療が必要であることは言うまでもありません。遺伝子治療の成功は、生体内のどの細胞をどのように遺伝子治療するかにかかっており、特に長期間の根治的な治療効果を得るためには、それぞれの臓器・組織で長期間細胞を供給し続ける組織幹細胞の遺伝子治療が必要不可欠です。

再生誘導医薬開発の経験を活かし、生体内で長期間機能する可能性のある骨髄間葉系幹細胞を標的とした、遺伝子治療の開発を目指します。直近では、現在治療法の全くない遺伝性皮膚難病に苦しむ患者に向けて、低侵襲性生体組織採取法による高度な根治的治療の研究を進めています。

 

■ 生体組織の網羅的単一細胞機能評価技術を基盤にした生体幹細胞高機能化医薬開発について

創薬成功確率を高める鍵は、開発候補品を投与した後の各臓器・組織の生体反応を如何に正確かつ漏れなく把握できるかにあります。当社は大阪大学と共同で、生体内間葉系幹細胞の単一細胞レベルの遺伝子発現解析、網羅的遺伝子構造解析の研究を進め、その技術を確立しています。

以上の技術を利用して、現在当社と大阪大学は、第1、第2、第3世代の再生誘導医薬が生体の各臓器・組織の個々の細胞に与える網羅的遺伝子発現変化、網羅的遺伝子構造変化について、詳細なデータベースの蓄積を進めております。現在、本邦はもとより世界的視点から見ても、単一細胞レベルでの網羅的遺伝子発現解析、網羅的遺伝子構造解析が可能な施設はNIHなどの限られた大規模研究施設に限定されており、ベンチャー企業レベルでその技術を有していることは当社の創薬開発技術が世界に通用し得ることを示すものと確信しております。今後、当社の創薬研究のみならず、国内外のアカデミア研究者や製薬企業とこの技術を共有することにより、国内外の創薬開発の確率向上、安全性及び有効性評価に大きく貢献するとともに、組織幹細胞のもつ組織再生作用を安全に最大化する、世界に類の無い再生誘導医療の開発を進めて行く予定です。

 

■ 細胞治療分野の再生誘導技術基盤における今後の展開について

当社が注力してきた再生誘導技術基盤は、効率よく循環血流中に幹細胞を動員し、動員した幹細胞を損傷組織に集積させ、分化能を損なわせることなく、自己の幹細胞を活用し損傷組織の再生を誘導する技術です。これらの技術基盤は、医薬品で生体の組織再生を促進するという、細胞治療領域において計り知れないポテンシャルを有するものと考えております。

当社は、当該技術基盤を用いて、低コストかつ高い安全性を保ちながら機能回復や組織再生を可能にすることにより、「細胞治療の常識を変えていく」ことを課題として開発を推進していきます。

 

② 臨床応用の加速

臨床治験において、再生誘導医薬による間葉系幹細胞に対する動員効果を迅速に評価することが可能になれば、疾患ごとに薬剤の投与方法(用法、用量)の最適化が容易になります。しかし、再生誘導医療は新しい概念の医療であり、先行する医薬品は上市されていません。また、間葉系幹細胞も培養操作を行った細胞については詳細な基礎研究が進んでおりますが、生体内における間葉系幹細胞の、正確な局在、機能、性質、種類など不明な点も数多く存在します。以上のことは、再生誘導医薬を開発する上で高いハードルとなっています。

大阪大学と当社は、これまで約10年にわたり、再生誘導医療の共同研究(再生誘導医学)をつづけ、数多くの知見やノウハウを手にしています。さらに、基礎研究の膨大なデータと今後進める臨床研究及び治験のデータの相互評価及び相互利用によって、開発を加速することができると考えております。

 

 

研究助成金の獲得

医薬品の研究開発には、多額の先行投資が必要とされ、同時に少なからぬ開発リスクが伴います。当社では、プロジェクトが非臨床試験若しくは早期臨床開発段階に達した時点で、製薬企業との提携若しくは候補品の導出を行い、比較的早期に自社の開発費負担を低減させることを基本戦略としておりますが、それでもなお、候補物質スクリーニング法の開発と薬効メカニズム検討のための基礎研究、候補化合物の探索研究、パイロット製造、薬効薬理・安全性試験など、臨床試験に至るまでの過程で多大な研究開発費を自社で負担する必要が生じます。

これまで当社は、公的研究助成金を積極的に活用することで、これらリスクの高い早期探索研究に要する研究開発費の負担を補ってまいりました。既存プロジェクトの導出が完了し、今後、探索研究段階にある新規プロジェクトの数が増加していくことからも、引き続き、公的研究助成金を積極的に獲得し活用していくことが、当社の重要な経営課題であると認識しております。

 

④ 優秀な人材の獲得
当社が取り組む再生誘導医薬の分野は、今後、国内外バイオ・製薬企業との競争が激化することが予想され、より一層の研究開発の加速と競合他社との差別化が必要になると考えております。そのため、独創的な研究活動を支える優秀な研究人材の獲得は、当社の喫緊の経営課題であると認識しております。

 

⑤ 財務基盤の拡充
当社が今後とも、既存の開発候補品の臨床開発を支援しながら、新規の再生誘導医薬候補物質の探索及び研究開発への投資を安定的に継続していくためには、必要に応じて、ベンチャーキャピタル等の投資家や株式発行による資本市場からの資金調達を実施するなどして、財務基盤の充実と安定化を図っていくことが、今後の当社にとって重要な経営課題であると考えております。

 

 

2 【事業等のリスク】

本書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。また、必ずしも事業上のリスク要因に該当しないと考えられる事項についても、投資家の判断において重要と考えられる事項は、積極的な情報開示の観点から記載しています。当社は、これら事業等のリスクを認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対応を図り事業活動を行っていますが、このような諸策の成否には不確実性が存在します。また、当社の事業はこれら以外にも様々なリスクを伴っており、下記の記載はリスクを網羅するものではありません。当社は、医薬品等の開発を行っていますが、医薬品等の開発には長い年月と多額の研究費用を要し、各パイプラインの開発が必ずしも成功するとは限りません。特に研究開発段階のパイプラインを有する製品開発型バイオベンチャー企業は、事業のステージや状況によっては、一般投資者の投資対象として供するには相対的にリスクが高いと考えられており、当社への投資はこれに該当します。

なお、文中の将来に関する事項は、提出日現在において当社が判断したものであります。

 

(1) 再生医療事業全般に係るリスク

① 医薬品パイプラインの開発及びそれに伴う収益獲得の不確実性

医療用医薬品の開発には多額の研究開発投資と長い年月を要しますが、臨床試験で有用な効果を発見できないこと等により、研究開発が予定通りに進行せず、開発の延長や中止の判断を行うことは稀ではありません。また、日本国内はもとより、海外市場の展開においては、各国の薬事関連法等の法的規制の適用を受けており、新薬の製造及び販売には各国別に厳格な審査に基づく承認を取得しなければならないため、有効性、安全性及び品質等に関する十分なデータが得られず、予定していた時期に上市できずに延期になる、又は上市を断念する可能性があります。

これは、当社のパイプラインを他社にライセンスアウトした場合も同様であり、当社が研究開発を行った医療用医薬品候補及び他社にライセンスアウトした医療用医薬品の候補の上市が延期又は中止された場合、当社の業績及び財政状態に重大な影響を及ぼす場合があります。

 

② 「再生誘導医薬」の開発に関するリスク

(ⅰ)先端医療に関する事業であることに由来するリスク

当社が研究開発を進める「再生誘導医薬」とは、患者本人の体内に存在する幹細胞の働きを高めることで、怪我や病気によって損傷した組織や臓器の自己修復/再生を促進させる新しいタイプの医薬品です。

「再生誘導医薬」は、細胞の採取や生体外培養を一切必要とせず、医薬品の投与のみによって、患者本人の体内に存在する幹細胞を損傷部位に動員し、組織の機能的な再生を促します。

医薬品により「再生医療」を実現する「再生誘導医薬」は、細胞を一旦生体外に取り出し培養したのちに体内に戻す、従来型の「再生医療」の実用化に伴う課題を一気にクリアし、難病に苦しむ世界中の患者の手に届く、革新的な治療手段となり得るものと考えております。

しかしながら、現在において、「再生誘導医薬」が医療用医薬品として当局から製造承認を受けたものはありません。また、他の再生医療技術についても、現時点では本格的な普及段階には至っておらず、主に特定の医療機関や研究機関が用いる高度な医療技術として比較的限定された範囲での臨床研究・臨床試験を中心として行われております。

こういった現状の背景には、最先端の医療・医薬品に特有の課題やリスクが存在します。まず再生医療の基盤となる学問や技術が急速な進歩を遂げている中で再生医療そのものに関する研究開発も非常に速いスピードで進んでおり、日々新しい研究開発成果や安全性・有効性に関する知見が生まれてきております。

当社の「再生誘導医薬」は現時点では新規性の高い再生医療技術であり、また学術的に見ても安全性・有効性・応用可能性ともに他の再生細胞薬等よりも優れていると自負しておりますが、一方で常に急激な技術革新の波に追い越されるリスクや想定していない副作用が出るリスクが存在し、またそのために当社の事業戦略や経営成績に重大な影響を及ぼす可能性があります。

 

 

(ⅱ)法規制改正・政府推進政策等の変化に由来するリスク

再生誘導医薬に関連する法規制についても、最新の技術革新の状況に対応すべく常時変更や見直しがなされる可能性があります。例えば、法律・ガイドライン等の追加・改正により、これまで使用が認められてきた原材料が突然全く使用できなくなるといったリスクや当社の想定通りの内容で薬事承認が下りない又は薬事承認の取得に想定以上の時間を要するといったリスクも否定できません。また世界的な医療費抑制の流れの中で、当社が想定している製品価値よりも低い薬価・保険償還価格となる可能性もあります。当然このような場合には、当社の事業戦略や経営成績に重大な影響を及ぼす可能性があります。

また現在、米国や日本をはじめとする医療先進国においては先端医療に係る各種の推進政策が実施されております。これらの推進政策は、当社が推進する再生誘導医薬に大きな影響を与える可能性がありますが、その影響の内容・大きさはまだ定かではないことから、当社の今後の事業展開に重大な影響を及ぼす可能性があります。

 

③ 副作用発現、製造物責任

医薬品には、臨床試験段階から更には上市後以降において、予期せぬ副作用が発現する可能性があります。当社は、こうした事態に備えて、製造物責任を含めた各種賠償責任に対応するための適切な保険に加入する予定ですが、最終的に当社が負担する賠償額の全てに相当する保険金が支払われる保証はありません。

また、当社に対する損害賠償の請求が認められなかったとしても、製造物責任請求等がなされたこと自体によるネガティブ・イメージにより、当社及び当社の製品に対する信頼に悪影響が生じる可能性があります。これら予期せぬ副作用が発現した場合、当社の業績及び財政状態に重大な影響が及ぶ可能性があるとともに、社会的信頼の失墜を通じて当社の事業展開にも重大な影響を及ぼす可能性があります。

 

④ 競合

医薬品業界は、国際的な巨大企業を含む国内外の数多くの企業や研究機関等による激しい競争状態にあり、その技術革新は急速に進んでいる状況であります。これら競合相手との競争において必ずしも当社が優位性をもって継続できるとは限らず、研究、開発、製造及び販売のそれぞれの事業活動における競争の結果により、当社の業績及び財政状態に重大な影響を及ぼす可能性があります。

 

⑤ 医療費抑制策

世界各国において、政府は増え続ける医療費に歯止めをかけるため、医療費の伸びを抑制していく方針を示しており、定期的な薬価引き下げをはじめ、ジェネリック医薬品の使用促進等が進んでいます。今後の医療費政策の動向が当社の業績及び財政状態に重大な影響を及ぼす可能性があります。

 

(2) 固有のパイプラインに関するリスク

① 特定のパイプラインに関する提携契約への依存、収益の不確実性

当社は、塩野義製薬株式会社に、HMGB1及びHMGB1ペプチドに関する医薬品の医薬品用途、及びそれらの製法又は製剤に関連する全世界における特許に基づき、全世界において先行化合物及び先行製品の医薬品用途での独占的な開発、製造、使用又は販売するための再実施許諾権付のライセンスを付与しており、これらの提携契約による収益を中心とした事業収益計画を有しています。

しかしながら、このような提携契約は、相手先企業の経営方針の変更や経営環境の極端な悪化等の、当社がコントロールし得ない何らかの事情により、期間満了前に終了する可能性があります。現時点ではこれらの契約が終了となる状況は発生していませんが、本契約が終了した場合は、当社の業績及び財政状態に重大な影響を及ぼす可能性があります。

また、製品上市前の収益として、所定の成果達成に基づくマイルストーン収益を見込んでいますが、この発生時期は開発の進捗に依存した不確定なものであり、開発に遅延が生じた場合には、当社の業績及び財政状態に重大な影響を及ぼす可能性があります。

なお、当社では今後、後続パイプラインによる収益化に努め、現状の提携契約に基づく収益への依存度を低減していく方針ですが、それらの収益化についても、開発の進捗に依存した不確実なものであり、これらの開発に遅延が生じた場合には、当社の業績及び財政状態に重大な影響を及ぼす可能性があります。

 

 

(3) その他事業活動に関するリスク

① マイナスの繰越利益剰余金の計上

当社は、医薬品の研究開発を主軸とするベンチャー企業であります。医薬品の研究開発には多額の初期投資を要し、その投資資金回収も他産業と比較して相対的に長期に及ぶため、ベンチャー企業が当該事業に取り組む場合は、一般的に期間損益のマイナスが先行する傾向にあります。当社も第11期(2016年7月期)は、営業利益及び当期純利益を計上しておりますが、第10期(2015年7月期)以前、第12期(2017年7月期)、第13期(2018年7月期)及び当事業年度(2019年7月期)については営業損失及び当期純損失を計上しています。

当社は、HMGB1ペプチドを始めとするパイプラインの開発を推し進めることにより、将来の利益拡大を目指しています。しかしながら、将来において計画通りに当期純利益を計上できない可能性もあります。また、当社事業が計画通りに進展せず当期純利益を獲得できない場合には、繰越利益剰余金がプラスとなる時期が著しく遅れる可能性があります。

 

② 剰余金の分配について

当社は、株主への利益還元については、重要な経営課題と認識しており、将来的には経営成績及び財政状態を勘案しつつ剰余金の分配を検討する所存でありますが、当面は、多額の先行投資を行う研究開発活動の継続的かつ計画的な実施に備えた資金の確保を優先するため、配当等の株主還元は行わない方針としております。

この点、「① マイナスの繰越利益剰余金の計上」に記載したとおり、繰越利益剰余金がプラスとなる時期が著しく遅れた場合、剰余金の分配についても遅れる可能性があります。

 

③ 収益計上が大きく変動する傾向

当社の事業収益は、HMGB1ペプチドを始めとする現在開発中のパイプラインのライセンスアウト時の契約一時金及び開発進捗に伴うマイルストーン収入に大きく影響されるため、過年度の事業収益、当期純利益(損失)は不安定に推移しています。この傾向は、現在開発中のパイプラインが上市され安定的な収益基盤となるまで続くと見込まれます。

 

再生誘導医薬の市場規模に係るリスク

当社が研究開発を進める「再生誘導医薬」は、投与によって患者の体内で誘導される幹細胞が、血液循環を介して体内を巡り、損傷した組織特異的に集積し、神経や皮膚、骨、軟骨、筋肉、血管など、様々な種類の組織に分化する能力を有するため、「再生誘導医薬」という共通のプラットフォームによって、脳梗塞や脊髄損傷などの中枢神経系疾患、心筋梗塞や心筋症などの循環器系疾患、難治性皮膚潰瘍などの上皮系疾患、難治性骨折などの間葉系疾患など、組織損傷をともなう数多くの難病に対して幅広い治療効果をもたらすことが期待されます。

よって、「再生誘導医薬」は、市場において大きなシェアを獲得できると考えており、当社収益にも大きく寄与するものと考えております。しかしながら、何らかの事情により当社の想定通りにいかない場合、業績の見通しに大きな影響を及ぼす可能性があると考えております。

 

⑤ 小規模組織及び少数の事業推進者への依存

当社は、取締役8名、監査役3名(非常勤監査役2名を含む。)及び従業員39名(臨時雇用者含む、従業員兼務役員除く)の小規模組織であり、現在の内部管理体制はこのような組織規模に応じたものとなっています。今後、業容拡大に応じて内部管理体制の拡充を図る方針であります。

また、当社の事業活動は、現在の経営陣、事業を推進する各部門の責任者及び少数の研究開発人員に強く依存するところがあります。そのため、常に優秀な人材の確保と育成に努めていますが、人材確保及び育成が順調に進まない場合、並びに人材の流出が生じた場合には、当社の事業活動に支障が生じ、当社の業績及び財政状態に重大な影響を及ぼす可能性があります。

 

 

⑥ 特定の提携契約に依存した事業計画について

当社は、現時点で、特定の製薬企業との限られた共同研究契約及びライセンス契約を主軸とする事業計画を有しております。

しかしながらこのような提携契約は、相手先企業の経営環境の極端な悪化や経営方針の変更など、当社がコントロールし得ない何らかの事情により、期間満了前に終了する可能性及び当社の想定と異なる事態が生じる可能性があります。

このような事態が発生した場合には、他の製薬企業との新たな提携等により当社事業計画への影響を最小限に食い止める所存ではありますが、これが適時に実現できる保証はなく、このため当社の希望どおりの事業活動ができず、若しくは制約を受け、その結果、当社の事業等に影響を及ぼす可能性があります。

なお、当社が現時点で有している主な提携契約としては、2014年11月に塩野義製薬株式会社との間で締結した、HMGB1及びHMGB1ペプチド又は化合物を有効成分として含有する医薬品の医薬品用途、及びそれらの製法又は製剤に関連する全世界における特許に基づき、全世界において先行化合物及び先行製品の医薬品用途での独占的な開発、製造、使用又は販売するための再実施許諾権付のライセンス契約があります。

塩野義製薬株式会社とは2010年4月より共同研究を開始しております。HMGB1に係る研究を進め、およそ2億円から3億円の投資である非臨床試験の研究ステージから、最終的には少なくとも数百億円規模の投資となる臨床開発ステージに進むことは、巨大な製薬企業といえども、大きな決定です。塩野義製薬株式会社がステージを進めることを決定するためには、多面的な審査をうけ、塩野義製薬株式会社の要求する基準を充足する必要があります。

当社プロジェクトは当該基準をクリアし、2014年11月にHMGB1に係るライセンス契約を締結しております。なお、当社は当該ライセンス契約に基づき、2019年7月期は100百万円、2018年7月期は200百万円を計上しており、これまでに契約一時金、マイルストーン収益として、総額1,296百万円を受領しております。

ライセンス契約によるライセンスアウト後の収入については、所定条件の達成が条件となることから、ライセンスアウト後の開発の進捗状況によっては予定された収益の計上時期が遅れる、それが得られない等の事態があり得ます。

なお、塩野義製薬株式会社とのライセンス契約に係る治験の進捗状況としては、表皮水疱症の第Ⅱ相治験が、大阪大学・慶應義塾大学・東邦大学の治験チームによって医師主導治験として予定通り進行中です。

また、脳梗塞においては塩野義製薬株式会社による企業治験が進められており、2018年3月15日公表の塩野義製薬株式会社でのR&D説明会資料において、動物実験での薬理効果(脳保護作用及び神経機能改善作用)が顕著に確認できている旨、2019年3月14日公表の塩野義製薬株式会社でのR&D説明会資料において高齢者(65歳以上)含む健康成人対象試験(第Ⅰ相試験)における投薬が完了した旨、2019年5月9日公表の塩野義製薬株式会社2019年3月期決算の補足資料においてステージが第Ⅱ相試験に移行した旨、公表がなされております。

第Ⅱ相試験の治験の実施においては前述のとおり相当の費用が発生することが見込まれるため、実施者は当然将来的な上市を期待した上で、治験を実施することになりますが、必ずしも望ましい結果が得られるとは限りません。仮に、治験の結果が望ましいものとならなかった場合、当社事業に重要な影響を及ぼす可能性があります。

これらを含め、当社の事業展開上、重要と思われる契約の概要は「第2 事業の状況 4 経営上の重要な契約等」に記載しておりますが、当該契約が期間満了、解除、その他の理由に基づき終了した場合若しくは当社にとって不利な改定が行われた場合、又は契約の相手方の財務状況が悪化したり、経営方針が変更されたりした場合には、当社の事業戦略及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑦ 資金繰り

当社は、研究開発型企業として多額の研究開発資金を必要とし、また研究開発費用の負担により長期にわたって先行投資の期間が続きます。この先行投資期間においては、継続的に営業損失を計上し、営業活動によるキャッシュ・フローはマイナスとなる傾向があります。当社も営業キャッシュ・フローのマイナスが続いており、かつ現状では安定的な収益源を十分には有しておりません。

このため、安定的な収益源を確保するまでの期間においては、必要に応じて適切な時期に資金調達等を実施し、財務基盤の強化を図る方針ですが、必要なタイミングで資金を確保できなかった場合は、当社事業の継続に重大な懸念が生じる可能性があります。

 

 

⑧ 調達資金使途

上場時の公募増資等により調達した資金は、医薬品の研究開発を中心とした事業費用に充当する計画です。但し、新薬開発に関わる研究開発活動の成果が収益に結びつくには長期間を要する一方で、研究開発投資から期待した成果が得られる保証はなく、その結果、調達した資金が期待される利益に結びつかない可能性があります。

 

⑨ 設備投資に係るリスク

当社は、上場時の公募増資等により調達した資金を用いて、研究施設・動物実験施設の拡大を計画しております。当社として研究開発を推進する上でその意義は大きく、今後事業進展の拡大に寄与するものと考えております。しかしながら、現時点において当該設備投資計画が実現する保証はなく、また、当社が現時点において想定した通りに事業を展開できない場合、減損会計の適用による減損処理が必要となる場合があり、当社の経営成績及び財政状態に重要な影響を及ぼす可能性があります。

 

⑩ 新株発行による資金調達

当社は医薬品の研究開発型企業であり、将来の研究開発活動の拡大に伴い、増資を中心とした資金調達を機動的に実施していく可能性があります。その場合には、当社の発行済株式数が増加することにより、1株当たりの株式価値が希薄化する可能性があります。

 

⑪ 新株予約権の発行について

当社は、当社取締役、監査役、従業員及び社外協力者の業績向上に対する意欲や士気を高め、また優秀な人材を確保する観点から、ストック・オプション制度を採用しています。会社法第236条、第238条及び第239条の規定に基づき、株主総会の承認を受け、当社取締役、監査役、従業員及び社外協力者に対して新株予約権の発行と付与を行っています。

提出日現在における当社の発行済株式総数は52,654千株であり、これら新株予約権の権利が行使された場合は、新たに11,292千株の新株式が発行され、当社の1株当たりの株式価値は希薄化する可能性があります。また、今後も優秀な人材の確保のため、同様のインセンティブ・プランを継続する可能性があります。従って、今後付与される新株予約権が行使された場合にも、当社の1株当たりの株式価値は希薄化する可能性があります。

 

⑫ 知的財産権

当社では研究開発をはじめとする事業展開において様々な知的財産権を使用しており、これらは当社所有の権利であるか、あるいは適法に使用許諾を受けた権利であるものと認識しています。

また、当社が保有している現在出願中の特許が全て成立する保証はありません。さらに、特許が成立した場合でも、当社の研究開発を超える優れた研究開発により、当社の特許に含まれる技術が淘汰される可能性は常に存在しています。当社の特許権の権利範囲に含まれない優れた技術が開発された場合には、当社の業績及び財政状態に重大な影響を及ぼす可能性があります。

また、当社では他社の特許権の侵害を未然に防止するため、当社として必要と考える特許の調査を実施しており、これまでに、当社の開発パイプラインに関する特許権等の知的財産権について第三者との間で訴訟が発生した事実はありません。しかし、当社のような研究開発型企業にとって知的財産権侵害の問題を完全に回避することは困難であり、第三者との間で知的財産権に関する紛争が生じた場合には、当社の業績及び財政状態に重大な影響を及ぼす可能性があります。

 

 

⑬ 特定人物への依存について

当社はこれまで、大阪大学大学院医学系研究科の玉井克人教授らが同定した骨髄多能性幹細胞動員因子を医薬品として開発することを目的に設立した企業であり、玉井克人氏を中心として、基礎研究・研究開発をはじめとする事業の全般を推進してまいりました。当社設立は、同氏の研究成果の事業化を目的とするものであり、また、現在の当社と大阪大学との共同研究においても中心となっていることから、当社の研究開発活動において重要な位置付けを有しており、その依存度は極めて高いと考えられます。

また、玉井克人氏は、当社株式を9,600千株保有する当社筆頭株主である主要株主であり、当社の経営基盤の安定のためにも、重要な位置づけを有しております。

当社は、今後においても玉井克人氏の当社への関与が必要不可欠であると考えており、何らかの理由により同氏の関与が困難となった場合等には、当社の事業等に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑭ 国立大学法人大阪大学との関係について

当社は、自社での研究活動の他、国立大学法人大阪大学と共同研究を実施しており、特許権について共同保有するなどしております。また、同大学は当社のストック・オプションを保有しております。

当社は、同大学との間で、HMGB1ペプチドにかかる同大学との共有特許について同大学から独占的実施権の許諾を受け、その対価として、当社の新株予約権1,460個を同大学に割り当てること、契約一時金及びかかる特許権を第三者に実施許諾したことによる収入(契約一時金、マイルストーン収入、ロイヤリティ収入)の一定料率に相当する金額を同大学に支払うこと等を定めた契約を締結しており、当該契約に基づき、塩野義製薬株式会社等から上記に該当する収入を受け取った場合には、一定率の金額を大阪大学に支払うことになります。

さらに、同大学との間には、以下のような取引等があります。

 

・ 大阪大学が実施するHMGB1ペプチドに関する医師主導治験(第Ⅰ相臨床試験)に使用する治験薬の提供

(無償提供の治験薬にかかる当社負担分)2015年7月期 13百万円

・ 上記、医師主導治験(第Ⅰ相臨床試験)の試験データの独占的使用権の許諾

(当社が支払う当該使用許諾の対価)2019年7月期 50百万円

・ 寄付金の支払い

(奨学寄付金等)2017年7月期 11百万円、2018年7月期 2百万円、2019年7月期 2百万円

 

当社は、今後も同大学との間で良好な関係を維持し、共同研究を継続していく方針でありますが、当該契約の更新が困難となった場合又は解除その他の理由により取引が困難となった場合、当社の事業展開にも重大な影響を及ぼす可能性があります。

また、同大学との取引については、良好な関係を維持しつつも当社又は株主の利益を害することのないよう、法規制を遵守するとともに、取締役会の監視等を通じて十分留意しております。しかしながら、このような留意にかかわらず、利益供与を疑われるなどの事態が発生した場合には、当社の利益及び社会的評価を損ねる可能性があり、その結果として当社の事業、業績や財務状況等に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

 

2 【沿革】

 

年月

概要

2006年10月

大阪大学大学院医学系研究科の玉井克人教授らが同定した骨髄多能性幹細胞動員因子を医薬品として開発することを目的に会社設立。

2007年4月

大阪大学との共同研究を開始。以後、研究成果の知財化を進め、これまでに78件の特許を取得。(そのほか43件の特許を出願中)

2008年10月

独立行政法人 科学技術振興機構(JST) 産学共同シーズイノベーション化事業に採択。

2009年12月

独立行政法人 科学技術振興機構(JST) A-STEP本格研究開発ハイリスク挑戦タイプに採択。

2010年4月

本社を彩都バイオインキュベータ(大阪府茨木市)に移転。彩都ラボ開設。
塩野義製薬株式会社と骨髄由来幹細胞動員因子に関する共同研究契約締結。(注)1

2011年11月

独立行政法人 科学技術振興機構(JST) A-STEP本格研究開発シーズ育成タイプに採択。

2012年6月

神戸ポートアイランド内に神戸ラボ(兵庫県神戸市)を開設。疾患モデル動物を用いた薬効試験の実施体制を強化。

2013年7月

彩都バイオインキュベータ内のラボを増床。加えて自社の動物飼育/実験施設を開設し、神戸ラボの機能を吸収。

2013年12月

独立行政法人 科学技術振興機構(JST) A-STEP本格研究開発シーズ育成タイプに採択。大阪大学の早期探索的臨床試験拠点整備事業と連携し、医師主導治験を支援。

2014年4月

大阪大学最先端医療イノベーションセンターの共同研究プロジェクトに採択(テーマは「体内再生誘導医薬開発のための非臨床試験及び新規候補物質の探索」)。大阪大学ラボ開設。

2014年5月

独立行政法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO) 2013年度イノベーション実用化ベンチャー支援事業に採択。

2014年11月

塩野義製薬株式会社とHMGB1に関するライセンス契約締結。(注)2

2015年8月

国立大学法人大阪大学にてHMGB1に関する医師主導治験開始。

2017年3月

HMGB1ペプチドに関する表皮水疱症を対象とした医師主導治験(第Ⅰ相試験)終了。

2017年8月

中小企業庁助成事業「戦略的基盤技術高度化支援事業」に採択。

2017年12月

HMGB1ペプチドに関する表皮水疱症を対象とした医師主導治験(第Ⅱ相試験)開始。

2018年7月

株式会社ステムリム(StemRIM Inc.)に社名変更。

2019年4月

HMGB1ペプチドに関する脳梗塞を対象とした企業治験(第Ⅱ相試験)開始。

2019年8月

東京証券取引所に株式を上場

 

 

(注)1.「骨髄由来幹細胞動員因子に関する共同研究契約」: HMGB1を候補品とし、医薬品としての開発可能性を検討することを目的とした契約です。

2.「HMGB1」: HMGB1(high mobility group box-1 protein)は、様々な細胞の核内に存在し、DNAと結合して遺伝子発現を制御する核蛋白です。HMGB1は細胞が壊死した際や炎症細胞が活性化した際に細胞外に放出され、細胞遊走、増殖などを誘導し、自然免疫、自然炎症を助ける働きをすると共に、それに続く組織再生反応を活性化することが知られています。

 

(5) 【所有者別状況】

 

 

 

 

 

 

 

2019年7月31日現在

区分

株式の状況(1単元の株式数100株)

単元未満
株式の状況
(株)

政府及び
地方公共
団体

金融機関

金融商品
取引業者

その他の
法人

外国法人等

個人
その他

個人以外

個人

株主数
(人)

1

17

11

29

所有株式数
(単元)

28,500

133,827

280,500

442,827

所有株式数
の割合(%)

6.5

30.2

63.3

100.0

 

 

3 【配当政策】

株主への利益還元については、重要な経営課題と認識しており、将来的には経営成績及び財政状態を勘案しつつ、剰余金の分配を検討する所存でありますが、当面は、多額の先行投資を行う研究開発活動の継続的かつ計画的な実施に備えた資金の確保を優先し、配当は行わない方針であります。

内部留保資金の使途につきましては、研究開発に充当する方針であります。

剰余金の配当を行う場合は、年1回期末での配当を考えており、配当の決定機関は株主総会であります。また、当社は取締役会決議によって、毎年1月31日を基準日として中間配当を行うことができる旨を定款で定めております。

 

 

(2) 【役員の状況】

① 役員一覧

男性 10名 女性 1名(役員のうち女性の比率 9.0%)

役職名

氏名

生年月日

略歴

任期

所有株式数
(株)

代表取締役
会長CEO

冨田 憲介

1949年1月8日

1974年 4月

三共㈱(現第一三共㈱) 入社

1987年 7月

日本イーライリリー㈱ 入社

1989年 7月

ローラー・ジャパン㈱ 入社

1991年10月

㈲イー・シー・エス 代表取締役社長

1991年11月

サンド薬品㈱(現ノバルティスファーマ㈱) 入社

1992年 8月

ローヌ・プーランローラー Inc.(現サノフィ) 入社

1994年 4月

ローヌ・プーランローラー㈱ 取締役

1994年 8月

ローヌ・プーランローラー Inc.(現サノフィ) 副社長、細胞・遺伝子治療部門(アールピーアールジェンセル)アジア太平洋地域総支配人

1994年 8月

エクスビボセラピーズ Inc. 副社長、アジア太平洋地域総支配人

1995年 4月

アールピーアールジェンセル㈱ 代表取締役社長

2000年 6月

アンジェス エムジー㈱(現アンジェス㈱) 代表取締役社長

2001年 4月

同社 取締役会長

2002年 5月

オンコセラピー・サイエンス㈱ 入社

2002年 7月

同社 取締役

2002年12月

同社 取締役副社長

2003年 4月

同社 代表取締役社長

2003年 8月

㈲イー・シー・エス 取締役(現任)

2004年 5月

Sanbio,Inc. 取締役

2004年 8月

OMAb Parma㈱(現イムナス・ファーマ㈱) 代表取締役社長

2006年 6月

ワクチン・サイエンス㈱(現オンコセラピー・サイエンス㈱) 取締役

2010年 5月

オンコセラピー・サイエンス㈱ 代表取締役会長

2013年 7月

当社 取締役

2013年10月

当社 取締役会長

2014年10月

㈱メディネット 取締役

2018年 4月

当社 代表取締役社長

2019年 3月

当社 代表取締役会長CEO(現任)

(注)3

4,200,000

(注)8

代表取締役
社長COO

岡島 正恒

1968年1月1日

1991年 4月

㈱住友銀行(現 ㈱三井住友銀行)入行

1996年10月

住友キャピタル証券㈱ 入社

1999年 4月

大和証券SBキャピタルマーケッツ㈱(現 大和証券㈱)入社

2006年 9月

メディシノバ・インク 執行役副社長・東京事務所代表 入社

2007年 1月

メディシノバ製薬㈱ 設立 代表取締役社長

2019年 3月

当社 代表取締役社長COO(現任)

(注)4

取締役
副社長
探索研究部長

山﨑 尊彦

1970年8月23日

2002年 4月

弘前大学 医学部 生化学第2講座 助手

2003年10月

大阪大学 大学院 医学系研究科遺伝子治療学 産学官連携研究員

2005年 4月

財団法人ヒューマンサイエンス振興財団 リサーチレジデント

2007年 4月

当社 主任研究員 入社

2007年 4月

当社 取締役

2008年 4月

大阪大学 大学院 医学系研究科遺伝子治療学 産学官連携研究員

2010年 4月

当社 代表取締役社長

2013年 9月

当社 探索研究部・知的財産部(現探索研究部) 部長(現任)

2014年12月

当社 取締役副会長

2018年 4月

当社 取締役

2019年 1月

当社 取締役副社長(現任)

(注)3

1,130,000

 

 

役職名

氏名

生年月日

略歴

任期

所有株式数
(株)

取締役
経営管理部長

星野 智之

1977年1月3日

2001年 3月

平山公認会計士事務所 入所

2003年 6月

オンコセラピー・サイエンス㈱ 入社

2010年11月

㈱会計・開示・キャリア支援センター(現㈱OFFICE6)設立 代表取締役(現任)

2019年10月

当社 取締役 経営管理部長(現任) 入社

(注)6

取締役
社長室長

金崎 努

1972年9月26日

2001年 4月

日本アジア投資㈱ 入社

2006年10月

JAIC Asia Holding Pte. Ltd. ヴァイスプレジデント

2009年 4月

日本アジア投資㈱ グローバルテクノロジーグループ バイオヘルスケアチーム シニアマネージャー

2010年 5月

当社 財務・経営企画部(現経営管理部) 部長 入社

2013年 7月

当社 取締

2014年12月

当社 代表取締役社長

2018年 4月

当社 取締役(現任)

2019年10月

当社 社長室長(現任)

(注)3

1,150,000

取締役
医薬研究部長

横田 耕一

1957年9月2日

1982年 4月

鐘紡㈱ 入社

1996年 4月

同社 薬品研究所薬理研究室 マネージャー

1999年 4月

日本オルガノン㈱ 医薬研究所薬理研究室 室長 入社

2003年 7月

カルナバイオサイエンス㈱ 標的分子研究部 部長 入社

2006年 5月

同社 研究開発部 部長

2008年 5月

同社 研究技術本部 本部長

2009年 2月

大阪大学 特任教授

2009年 3月

カルナバイオサイエンス㈱ 取締役

2010年 9月

神戸大学 非常勤講師

2011年 5月

㈱トランスパレント 研究顧問

2012年 5月

同社 取締役

2013年 9月

当社 医薬研究部 部長(現任) 入社

2014年12月

当社 取締役(現任)

(注)3

取締役

梅田 和宏

1977年2月12日

2005年 2月

日本アジア投資㈱ バイオヘルスケアチーム マネージャー 入社

2008年 1月

JAIC America Inc. Investment Manager

2010年11月

JAIC Asia Holdings Pte. Ltd. President

2010年11月

JAIC Asia Capital Pte. Ltd. President

2010年11月

PT JAIC Indonesia President

Director

2010年11月

JAIC(Thailand) Co. Ltd. President

2012年 8月

日本アジア投資㈱ 社長室 室長

2013年 2月

㈱産業革新機構 ヴァイスプレジデント 入社

2013年 8月

㈱メガカリオン 監査役

2015年 4月

レナセラピューティクス㈱ 監査役

2015年 8月

エムスリー㈱ 事業開発グループ 投資担当パートナー(現任) 入社

2015年10月

POCクリニカルリサーチ㈱ 取締役(現任)

2016年 1月

エムスリーアイ㈱ 代表取締役社長(現任)

2016年 2月

メドテックハート㈱ 取締役

2016年 4月

㈱多磨バイオ 取締役(現任)

2016年 5月

シーズロケット有限責任事業組合 主任組合員(現任)

2017年12月

㈱ポル・メド・テック 取締役(現任)

2017年12月

当社 取締役(現任)

(注)3

取締役

澤井 典子

1972年1月28日

1995年 4月

CSKベンチャーキャピタル㈱ 入社

2014年 6月

㈱ディー・エヌ・エー 入社

2019年10月

当社 取締役(現任)

(注)6

 

 

役職名

氏名

生年月日

略歴

任期

所有株式数
(株)

常勤監査役

久渡 庸二

1948年10月20日

1975年 6月

米国ユニロイヤル㈱ 海外事業部 エリアマネージャー 入社

1985年 2月

日本イーライリリー㈱ アーデンエクスポート事業部 課長 入社

1990年10月

同社 西日本営業統括部 部長

1993年 9月

同社 人事部 部長

1996年 9月

同社 エランコアニマルヘルス事業部 部長

1999年 6月

同社 事業開発部 部長

2003年 4月

同社 執行役員事業開発部 部長

2008年11月

塩野義製薬㈱ 海外事業推進部 部長 入社

2017年10月

当社 常勤監査役(現任)

(注)5

監査役

水上 亮比呂

1956年9月13日

1983年10月

監査法人サンワ東京丸の内事務所(現有限責任監査法人トーマツ)入所

1997年 7月

同所 パートナー

2005年10月

同所 横浜事務所所長

2018年 9月

水上亮比呂公認会計士事務所 代表(現任)

2018年 9月

㈱リベルタ 取締役(現任)

2019年 3月

㈱レックスアドバイザーズ 取締役(現任)

2019年10月

当社 監査役(現任)

(注)7

監査役

島田 洋一郎

1955年10月4日

1978年 4月

㈱住友銀行(現㈱三井住友銀行)入行

1997年 4月

住友キャピタル証券㈱ エクイティ部長

2003年 4月

大和証券SMBC㈱(現大和証券㈱)名古屋事業法人部部長

2007年 4月

㈱三井住友銀行 プライベートバンキング営業第二部長

2014年 3月

㈱青山財産ネットワークス 監査役

2019年10月

当社 監査役(現任)

(注)7

6,480,000

 

(注) 1.取締役 梅田 和宏及び澤井 典子は、社外取締役であります。

2.監査役 久渡 庸二、水上 亮比呂及び島田 洋一郎は社外監査役であります。

3.任期は、2019年1月24日開催の臨時株主総会終結の時から、2020年7月期に係る定時株主総会の終結の時までであります。

4.任期は、2019年3月14日開催の臨時株主総会終結の時から、2020年7月期に係る定時株主総会の終結の時までであります。

5.任期は、2019年1月24日開催の臨時株主総会終結の時から、2022年7月期に係る定時株主総会の終結の時までであります。

6.任期は、2019年10月24日開催の定時株主総会終結の時から、2020年7月期に係る定時株主総会の終結の時までであります。

7.任期は、2019年10月24日開催の定時株主総会終結の時から、2022年7月期に係る定時株主総会の終結の時までであります。

8.代表取締役会長CEO冨田憲介の所有株式数は、同氏及びその近親者が議決権の100%を有する会社である有限会社イー・シー・エスが所有する株式を含んでおります。

 

 

② 社外役員の状況

当社は社外取締役2名及び社外監査役3名を選任しております。

社外取締役梅田和宏は、当社の株主であるエムスリー株式会社の子会社であるエムスリーアイ株式会社の代表取締役社長、同じく子会社であるPOCクリニカルリサーチ株式会社及び株式会社多磨バイオの取締役、エムスリー株式会社の関連会社である株式会社ポル・メド・テックの取締役であります。また、エムスリー株式会社の子会社であったメドテックハート株式会社の取締役を2018年3月をもって退任しております。なお、メドテックハート株式会社については、2018年3月30日をもってエムスリー株式会社の子会社から外れております。当社はいずれの会社とも取引関係はなく、特別の利害関係はありません。

社外取締役澤井典子は、バイオ・ヘルスケア分野において長年にわたる知見をもつことから、医療、医学研究分野における各省庁、製薬企業、アカデミア等への幅広いネットワークを活かし、当社の経営にご尽力頂けるものと考えております。その他、当社との間に特別の利害関係はありません。

社外監査役久渡庸二は、当社新株予約権200個を保有しております。また、当社の取引先である塩野義製薬株式会社の出身でありますが、すでに同社を退職しており、現在独立した立場にあります。その他、当社との間に特別の利害関係はありません。

社外監査役水上亮比呂は、公認会計士としての専門的な知識、実務経験により、経営に対する高い見識を有しており、当社の経営に助言および指導いただくため、選任しています。当社新株予約権100個を保有しておりますが、その他、当社との間に特別の利害関係はありません。

社外監査役島田洋一郎は、金融機関等において培われた実務及び内部監査等に係る幅広い知識を有しており、当社の経営に助言および指導いただくため、選任しています。その他、当社との間に特別の利害関係はありません。

 

③ 社外取締役または社外監査役による監督又は監査と内部監査、監査役監査及び会計監査との相互連携並びに内部統制部門との関係

社外取締役及び社外監査役は、業務執行の妥当性、適法性を客観的に評価是正する機能を有しており、企業経営の監督機能の強化のために重要な役割を担っております。社外取締役は、議決権を有する取締役会の一員として、審議及び決議に参加することで、取締役会としての監視機能の向上に努めております。また、社外監査役の取締役会での発言は、経営の透明性、客観性及び適正性の確保に貢献しております。

当社では、社外取締役及び社外監査役の独立性に関する具体的基準は定めていないものの、東京証券取引所の独立役員の独立性に関する判断基準等を勘案したうえで、当社との利害関係及び経歴を踏まえ、当社から独立した客観的な立場で職務遂行できる者を選任しております。

また、社外取締役及び社外監査役は、それぞれの監督又は監査に当たり、必要に応じて監査役、内部監査担当者及び会計監査人と協議・報告・情報交換を行うことにより、相互連携を図っております。

 

 

4 【関係会社の状況】

 該当事項はありません。

 

※2 販売費及び一般管理費のうち一般管理費に属する費用の割合は100%であります。主要な費目及び金額は、次のとおりであります。

 

前事業年度

(自  2017年8月1日

至  2018年7月31日)

当事業年度

(自  2018年8月1日

至  2019年7月31日)

役員報酬

36,442

千円

66,092

千円

給与手当

18,366

23,332

業務委託費

14,800

支払手数料

22,789

37,797

減価償却費

605

1,198

 

 

1 【設備投資等の概要】

該当事項はありません。

 

株価(1年)
期間を変更
PER(1年/会予)
期間を変更

その他企業情報

企業価値39,673 百万円
純有利子負債-2,484 百万円
EBITDA・会予- 百万円
発行済株数44,282,700 株
設備投資額- 百万円
減価償却費1 百万円
のれん償却費- 百万円
研究開発費- 百万円
代表者代表取締役会長CEO 冨田 憲介
資本金812 百万円
住所大阪府茨木市彩都あさぎ七丁目7番15号
電話番号072-648-7152(代表)