エス・ディー・エス バイオテック【4952】

直近本決算の有報
株価:9月24日時点

1年高値1,056 円
1年安値594 円
出来高8,500 株
市場東証2
業種化学
会計日本
EV/EBITDA9.8 倍
PBR1.1 倍
PSR・会予0.6 倍
ROA8.3 %
ROIC4.9 %
β0.87
決算3月末
設立日1968/10
上場日2008/12/8
配当・会予28 円
配当性向18.5 %
PEGレシオ0.1 倍
売上高(百万円)&収益性(%)
売上5y CAGR・予想:0.0 %
利益(百万円)
営利5y CAGR・予想:8.0 %
純利3y CAGR・予想:58.3 %
EPS(円) BPS(円)
配当(円)
健全性(%、倍)
セグメント別売上
単一セグメント、もしくはIFRS / USGAAPのため、データがありません。
セグメント別売上
単一セグメント、もしくはIFRS / USGAAPのため、データがありません。
セグメント別利益率
単一セグメント、もしくはIFRS / USGAAPのため、データがありません。
会社の詳細

3【事業の内容】

 当社は、農薬の有効成分(原体)及び原体と補助成分を混ぜ合わせて様々な剤型(粉・顆粒・液等)にした農薬(製剤)の研究開発、製造及び販売を主たる事業としております。

 なお、当社は農薬事業セグメントのみの単一セグメントとなります。

 当社の特徴は、農薬の有効成分(原体)の研究開発に重点を置いていること、横浜工場において製造しているダコニール関連剤(原体及び製剤)を除きまして、基本的に製造行為を外部に委託していることであります。

 日本の農薬の流通ルートは、各JA(農業協同組合)を主体とする「系統ルート」と農薬メーカーとその系列となる販売会社を中心とする「商系ルート」の二つに大きく分かれております。当社の製品は全国農業協同組合連合会(全農)や農薬メーカーへ販売され、上記の両流通ルートを通じて農家等の末端ユーザーへ提供されます。海外販売におきましては、各国の現地販売会社を通じた販売と特定顧客への直接販売が中心となります。

 

 製品分類は主として以下の用途による分類に準じております。

  イ.殺菌剤    :植物病原菌(糸状菌や細菌)の有害作用から作物を守る薬剤

  ロ.水稲除草剤:雑草類の防除に用いられる除草剤のうち、水稲栽培に使用される薬剤

  ハ.緑化関連剤:ゴルフ場や公園等で使用される薬剤及び畑地で使用される除草剤、並びに植物の生理機能を増進または抑制する植物成長調節剤など

  ニ.殺虫剤    :作物に被害を及ぼす害虫の防除に用いられる薬剤

 

当社の主な製品

分類

原体名

製剤名

製品の特徴

殺菌剤

TPN

  (ダコニール)

原体

・1969年生産開始から販売を続けている総合防除殺菌剤。

・園芸の重要病害であるべと病、炭疽病、つる枯病、うどんこ病等幅広い病害に適用があり、基幹防除剤として適している。

ダコニール1000

ダコニールエース

ペフラゾエート

原体

・ばか苗病等の種子伝染性病害に効果を示す水稲種子消毒剤。

・ベンゾイミダゾール系薬剤耐性菌にも効果を示す。

ジフルメトリム

ピリカット乳剤

・既存の殺菌剤とは異なる構造、作用性を持つ花き専用剤。

・各種耐性菌に対して交差耐性がなく、他剤とのローテーション散布により耐性菌コントロールが可能。

塩基性硫酸銅

クプロシールド

・塩基性硫酸銅を微細化したフロアブル製剤。

・作物への汚れが少なく、糸状菌から細菌性病害まで幅広い病害に優れた予防効果を発揮する。

殺菌剤

(生物農薬)

バチルス アミロ

リクエファシエンス

インプレッション  クリア

・自然界に存在する細菌を利用した微生物殺菌剤。

・うどんこ病、灰色かび病に対して高い効果を示す。

・汚れが少なく、収穫期にも使用できる。

タラロマイセス  フラバス

タフブロック

タフブロックSP

・自然界に存在する糸状菌を利用した微生物殺菌剤。主要な水稲種子伝染性病害に高い予防効果を示す。

・特別栽培米生産に使用できる。

タフパール

・野菜類のうどんこ病やいちごの炭疽病等に予防効果を示すフロアブル製剤の微生物殺菌剤。

水稲除草剤

ダイムロン

原体

・カヤツリグサ科雑草のマツバイ、ホタルイに効果を示す。また、薬害軽減作用を持つことにより、多くの水稲除草剤の水稲への薬害リスクを軽減することができる。

カフェンストロール

原体

・水稲栽培で最も問題となるノビエに対し、効果を示す水稲除草剤。

・ノビエに対しては、発生前~2.5葉期までの処理時期で効果を示し、ノビエ以外のアゼナやコナギといった一年生広葉雑草にも効果を示す。

 

 

分類

原体名

製剤名

製品の特徴

水稲除草剤

ベンゾビシクロン

原体

・一年生広葉雑草の他、難防除雑草のイヌホタルイに対して薬効を示す。また、イボクサ、アシカキ、エゾノサヤヌカグサなどの畦畔から侵入してくる難防除雑草に対しても防除効果を示す。

・抵抗性雑草に対し効果を示し、抵抗性対策剤として配合されている。

テニルクロール

原体

・ノビエの他、アゼナやコナギといった一年生広葉雑草にも効果を示す水稲除草剤。

・初期剤分野でも使用されている。

緑化関連剤

カルブチレート

バックアップ粒剤

・一年生雑草の他、ササ、ススキ、セイタカアワダチソウといった難防除の多年生雑草にも効果を示す。

オールキラー粒剤

・鉄道、駐車場、墓地、家周りといった多くの場所で使用されている。

塩素酸塩

クロレートS

・非選択性、接触型除草剤で一年生雑草から多年生雑草まで広範囲の雑草に効果を示す。

クロレートSL

・土壌中の半減期は、通常の使用条件下で約1.5~2か月と短く、土壌中での長期残留の心配がない。

トリアジフラム

イデトップフロアブル

・イネ科雑草、広葉雑草など一年生雑草に対して優れた防除効果を発揮する芝生用除草剤。

ファルクス

・アミカルバゾンの補填効果により、発生前だけではなく、発生初期の一年生雑草に対しても効果を示す芝生用除草剤。

メチオゾリン

ポアキュア

・メヒシバ、スズメノカタビラといった一年生イネ科雑草に対し優れた効果を示す芝生用除草剤。

アミカルバゾン

アミカル顆粒水和剤

・一年生から多年生の各種広葉雑草に高い効果を示す芝生用除草剤。

ダクタール

原体

・広範囲の雑草に長期間効果を示す除草剤。

・国内農薬登録は失効し、現在は輸出専用製品。

ブトルアリン

イエローリボンS

・たばこのわき芽抑制剤。

・わき芽抑制効果により、芽かき作業の省力化が期待できる。

デシルアルコール

殺虫剤

ノバルロン

カウンター乳剤

・主要な害虫に対して効果を示す。

・寄生蜂、捕食性ダニ等の天敵類やミツバチなどの訪花昆虫に対し影響が少なくIPM(*)防除に適している。

DD

DC油剤

・春先や秋季の低温時でも効果を発揮する殺線虫剤。ネコブセンチュウの他、防除しにくいネグサレセンチュウ、シストセンチュウにも効果がある。

殺虫剤

(生物農薬)

バチルス チューリンゲンシス

チューンアップ顆粒水和剤

・自然界に存在する細菌を利用した微生物殺虫剤。

・環境や天敵に対する影響が少なくIPM(*)防除に適合、有機農産物生産や特別栽培農産物生産に使用できる。

バシレックス水和剤

スタイナーネマ カーポカプサエ

バイオセーフ

・生物農薬でありながら、チョウ目、カミキリムシ類、ゾウムシ類、キノコバエ類など様々な害虫種に適用がある。

その他

TPN

ショウサイドT

・ゴム、プラスチック、木材等幅広い素材に使用でき、汎用性がある工業用殺菌剤。

(工業用薬剤)

(*)IPM

Integrated Pest Management(総合的病害虫管理)の略称。

安定した農業生産を実践する上で、病害虫による農作物被害を抑えるための手段を総合的に講じ、人の健康へのリスクと環境への負荷を軽減するための概念。(出典:農林水産省ウェブサイト、総合的病害虫・雑草管理(IPM)実践指針より)

 

 また、非連結子会社である史迪士(上海)化学制品有限公司は、中華人民共和国において、当社製品の開発、技術普及活動をしております。関連会社であるフマキラー・トータルシステム株式会社は、当社とフマキラー株式会社との合弁会社で、防疫剤・シロアリ剤、木材保存剤等の化学薬品の製造及び販売、並びに環境改善サービスを展開しております。当社は、非農薬事業に係る製品を同社に販売し、同社が顧客に販売しております。また、関連会社である江蘇新河農用化工有限公司は、中華人民共和国においてダコニール原体及びその原料の製造及び販売を行っており、当社は、ダコニール原体を購入しております。 以上述べた事項を系統図によって示すと、以下のとおりとなります。

 

[事業系統図]

(画像は省略されました)

(※1)国内外の仕入先より仕入れた原材料は、当社で製造用に使用される他、当社より製造委託先へ支給(有償/無償)され、当社の製造の用に供されております。

(※2)親会社である出光興産株式会社とは、除草剤販売等の取引を行っております。その取引条件については市場価格を勘案し、一般取引条件と同様に取引の妥当性について十分な審議を経たうえで決定しております。

(※3)フマキラー・トータルシステム株式会社は、当社とフマキラー株式会社との合弁会社で、関連会社であります。

(※4)江蘇新河農用化工有限公司及び江蘇新沂泰禾化工有限公司は、関連会社であります。

なお、江蘇新沂泰禾化工有限公司の工場は、現在運転を停止しております。

(※5)史迪士(上海)化学制品有限公司は、非連結子会社であります。

 

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績

 当事業年度(2019年4月1日~2020年3月31日)における我が国の経済は、政府の経済政策による雇用・所得環境の

改善、個人消費の持ち直しにより緩やかな回復基調が続いておりましたが、新型コロナウイルス感染症の影響により

足元で大幅に下押しされており、厳しい状況にあります。先行きについても、感染症の影響による厳しい状況が続く

と見込まれ、国内外経済をさらに下振れさせるリスクには十分に注意する必要があります。また、金融資本市場の変

動の影響等についても注視する必要があります。

 農薬市場を取り巻く環境は、世界的には人口増加や新興国の経済成長等に伴って農作物需要が拡大しており、中長

期的にも成長が継続するものと思われます。ただし、感染症の拡大と長期化が原材料となる化学品並びに農薬の製造

に与える影響や農作物生産に与える影響について十分に注視する必要があります。

 このような中、当社の状況は、横浜工場原体製造設備の稼働を再開したことで、海外向けダコニール関連剤(原体

及び製剤)の出荷が増加いたしましたが、ダコニール原材料の販売は減少いたしました。また、水稲除草剤分野にお

いては、国内販売数量が好調に推移していることに加え、近年のベンゾビシクロンの海外農薬登録国拡大に伴い海外販売数量が増加いたしました。

 その結果、当事業年度における売上高は123億87百万円(前年比8億2百万円増6.9%増)、営業利益は10億74百万円(前年比90百万円増9.2%増となりました。さらに、中国出資会社の業績が好調に推移していることから同社からの受取配当金4億2百万円を計上したことで、経常利益は14億55百万円(前年比4億46百万円増44.2%増)、当期純利益は11億87百万円(前年比7億96百万円増203.5%増)となりました。

 

 当社は農薬事業のみの単一セグメントではありますが、事業の傾向を示すために品目別に販売実績を記載いたしま

す。

 

(殺菌剤)

 当事業年度における売上高は41億87百万円(前年比10億85百万円増、35.0%増)となりました。これは主に、横

浜工場原体製造設備の稼働を再開したことにより、海外向けダコニール関連剤(原体及び製剤)の出荷が増加した

ことによるものです。

(水稲除草剤)

 当事業年度における売上高は44億円(前年比7億96百万円増、22.0%増)となりました。これは主に、国内向け

水稲除草剤原体の販売が好調に推移していることに加え、近年のベンゾビシクロン海外農薬登録国拡大に伴い海外

販売数量が増加したことによるものです。また、2019年11月にベンゾビシクロンの登録を新たに取得したトルコ向

けの出荷を開始いたしました。

(緑化関連剤)

 当事業年度における売上高は26億32百万円(前年比76百万円増、3.0%増)となりました。これは主に、2018年2

月の工場事故の発生により前期に早期引き取りが生じた国内向けダコグリーン顆粒水和剤の出荷調整による減収が

あったものの、海外向けダクタール原体の販売が好調に推移したことによるものです。

(殺虫剤)

 当事業年度における売上高は6億24百万円(前年比1億32百万円減、17.5%減)となりました。これは主に、D-D

関連剤の出荷が減少したことによるものです。

(その他)

 当事業年度における売上高は5億42百万円(前年比10億23百万円減、65.3%減)となりました。これは主に、横

浜工場原体製造設備の稼働が再開したことでダコニール原材料が消費され、外部への出荷が減少したことによるも

のです。

 

(2)財政状態の分析

資産、負債及び純資産の状況

 当事業年度末(2020年3月31日)における総資産は143億50百万円(前期末比6億91百万円の増加)となりました。

①流動資産

 流動資産は102億48百万円(前期末比20億3百万円の増加)となりました。主な内訳は、現金及び預金68百万円(前期末比2億55百万円の減少)、売掛金50億29百万円(前期末比21億57百万円の増加)、商品及び製品31億58百万円(前期末比6億9百万円の減少)、未収入金7億13百万円(前期末比3億5百万円の増加)です。

②固定資産

 固定資産は41億2百万円(前期末比13億11百万円の減少)となりました。主な内訳は、有形固定資産22億61百万円(前期末比9億53百万円の減少)、無形固定資産26百万円(前期末比6百万円の減少)、投資その他の資産18億14百万円(前期末比3億51百万円の減少)です。

③流動負債

 流動負債は42億20百万円(前期末比3億82百万円の増加)となりました。主な内訳は、買掛金7億84百万円(前期末比1億75百万円の増加)、1年内返済予定の長期借入金13億55百万円(前期末比2億42百万円の減少)、未払金5億5百万円(前期末比1億75百万円の減少)、未払費用10億19百万円(前期末比3億4百万円の増加)です。

④固定負債

 固定負債は34億70百万円(前期末比5億28百万円の減少)となりました。主な内訳は、長期借入金33億95百万円(前期末比4億55百万円の減少)、退職給付引当金66百万円(前期末比71百万円の減少)です。

⑤純資産

 純資産は66億59百万円(前期末比8億37百万円の増加)となりました。主な内訳は、利益剰余金56億97百万円(前期末比9億91百万円の増加)、その他有価証券評価差額金74百万円(前期末比1億53百万円の減少)です。

 

(3)キャッシュ・フローの状況

 当事業年度末(2020年3月31日)における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、2018年2月に発生した横浜工場の爆発・火災事故により損傷した設備の再建工事に対する保険金の給付を受けた一方で、長期借入金の返済等を進めたことにより、前事業年度末と比較して大幅に減少し68百万円となりました。主な要因は以下のとおりとなります。

(営業活動におけるキャッシュ・フロー)

 営業活動の結果獲得した資金は7億41百万円となりました。主に、税引前当期純利益の計上16億74百万円、売上

債権の増加21億15百万円、たな卸資産の減少2億80百万円、利息及び配当金の受取額89百万円、保険金の受取額11億54百万円、法人税等の支払いによる支出1億25百万円によるものです。

(投資活動におけるキャッシュ・フロー)

 投資活動の結果支出した資金は2億29百万円となりました。主に、有形固定資産取得による支出2億28百万円によ

るものです。

(財務活動におけるキャッシュ・フロー)

 財務活動の結果支出した資金は7億63百万円となりました。主に、長期借入金による資金調達9億円、長期借入金の返済による支出15億97百万円と配当金の支払1億95百万円によるものです。

 

(4)経営成績に重要な影響を与える要因

 当社の売上高は約40%が海外向け輸出となっているため為替レートの影響を、その原価は取扱製品の大半が化学製品であるため主に原油価格、ナフサ価格の影響をそれぞれ受けております。

 当事業年度は米ドルの平均レートは109.06円となり、前事業年度(前期平均レート110.92円)と比較して円高に推移致しました。また、製造原価は、直近では原油・ナフサ安の市況が継続しておりますが、当社の原材料購入価格への反映にはタイムラグがあり、その影響は軽微に留まっております。加えて、中国での原材料価格の上昇傾向は継続していることから、当事業年度の売上原価率は66.6%(前期比1.5%増)となりました。

 

(5)経営上の目標の達成状況

 当社は重要な経営上の利益を売上高営業利益率とし、10%レベルを継続的に達成することを目標としております。また、財務健全性に関する重要な指標をD/Eレシオとし、継続的に1.0倍以下を達成することを目標としております。

 当事業年度における売上高営業利益率は8.7%であり、目標数値の10%レベルを下回りました。主な要因としては原材料価格の高騰により製品の製造原価が上昇したことによるものです。今後も引き続き製造プロセスの再検討や新規原材料調達先の開拓等を通して製造原価低減に取り組みます。

 D/Eレシオは0.73倍となり、目標である1.0倍以下を達成しました。横浜工場の爆発・火災事故に伴う設備の再建工事等、例年にない特殊な資金需要はありましたが、資金管理を徹底し目標を達成しました。引き続き、D/Eレシオ1.0倍以下を目標に効率的な資金管理を実行してまいります。

(6)資本の財源及び資金の流動性

①資金需要

 当社の資金需要は主に大きく分けて運転資金需要と設備資金需要の二つがあります。

 運転資金需要のうち主なものは、生産活動に必要な運転資金(原材料費、外注加工費、工場固定費等)のほか、人

件費・研究開発費を中心とする販売費及び一般管理費等の支出によるものであります。

 また設備資金需要のうち主なものは、農薬製造設備の維持更新や研究設備の更新及び取得のためのものであります。

②財政政策

 当社は現在、運転資金および設備資金につきましては、内部資金、大口取引先債権の流動化や各金融機関からの借

入を中心に資金調達することとしております。このうち、借入による資金調達に関しましては、現在の低金利環境と

各金融機関との安定した取引を継続する観点から、返済期間が1年を超える長期借入金を中心に実施しております。

 当事業年度末において、長期借入金の残高は約47億円で、円建てでの借入であります。

 なお、将来キャッシュフローの安定化を目的として金利スワップの利用等を含め金利の固定化を図っております。

 

(7)重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

 当社の財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。重要な会計方針については、「第5 経理の状況 1 財務諸表等 注記事項 (財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しております。財務諸表の作成にあたっては、会計上の見積りを行う必要があり、特に以下の事項は、経営者の会計上の見積りの判断が財政状態及び経営成績に重要な影響を及ぼすと考えております。

 なお、新型コロナウィルス感染症の影響等不確実性が大きく将来事業計画等の見込数値に反映させることが難しい要素もありますが、期末時点で入手可能な情報を基に検証等を行っております。

 

(繰延税金資産)

 当社は、繰延税金資産について、将来の利益計画に基づいた課税所得が十分に確保できることや、回収可能性があると判断した将来減算一時差異について繰延税金資産を計上しております。繰延税金資産の回収可能性は将来の課税所得の見積りに依存するため、その見積りの前提とした条件や仮定に変更が生じ減少した場合、繰延税金資産が減額され税金費用が計上される可能性があります。

 

(固定資産の減損処理)

 当社は、固定資産のうち減損の兆候がある資産又は資産グループについて、当該資産又は資産グループから得られる割引前将来キャッシュ・フローの総額が帳簿価額を下回る場合には、帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として計上しております。減損の兆候の把握、減損損失の認識及び測定に当たっては慎重に検討しておりますが、事業計画や市場環境の変化により、その見積り額の前提とした条件や仮定に変更が生じ減少した場合、減損処理が必要となる可能性があります。

 

(8)生産実績

 当事業年度の生産実績を品目別に示すと、次のとおりとなります。

品目別

当事業年度

(自 2019年4月1日

 至 2020年3月31日)

前年同期比(%)

殺菌剤(千円)

3,468,214

91.8

水稲除草剤(千円)

1,258,007

△41.0

緑化関連剤(千円)

2,021,528

3.0

殺虫剤(千円)

445,688

△11.7

その他(千円)

449,956

△66.9

合計(千円)

7,643,396

△1.6

 (注)上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

(9)受注実績

 当社は見込み生産を行っているため、該当事項はありません。

 

(10)販売実績

 当事業年度の販売実績を品目別に示すと、次のとおりとなります。

品目別

当事業年度

(自 2019年4月1日

 至 2020年3月31日)

前年同期比(%)

殺菌剤(千円)

4,187,775

35.0

水稲除草剤(千円)

4,400,104

22.0

緑化関連剤(千円)

2,632,493

3.0

殺虫剤(千円)

624,169

△17.5

その他(千円)

542,890

△65.3

合計(千円)

12,387,433

6.9

 (注)1.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

2.最近2事業年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりです。

相手先

前事業年度

(自  2018年4月1日

至 2019年3月31日)

当事業年度

(自  2019年4月1日

至 2020年3月31日)

金額(千円)

割合(%)

金額(千円)

割合(%)

日産化学株式会社

1,148,909

9.9

1,572,997

12.7

全国農業協同組合連合会

959,236

8.3

1,001,946

8.1

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社が判断したものであります。

 

(1)経営方針、事業構造及び経営戦略

1. 会社の経営の基本方針

 

(画像は省略されました)

 

 当社グループは、研究開発を基盤とし、食の安全と環境保護に配慮した製商品の提供を通じて、社会に貢献するとの経営理念のもと事業活動を進めております。

 具体的には、「食の安全・安心」と「増大する食料需要」をキーワードに掲げ、ライフサイエンス分野での技術力をベースとした継続的な研究開発投資を通して、これら課題の解決を目指し、社会に貢献していくことが使命であると考えております。

 国連「世界人口予測」によれば、世界の人口は2050年に97億人に達すると予想され、急速な人口増加に対応する食料増産の必要性が高まっております。生態系を保全しながらの農地面積増加に限度がある中で、この問題に対応するためには、既存農地の生産効率を上げることが不可欠です。生産性向上や安定生産技術の一つとして農薬は重要な役割を担っておりますが、近年、農薬に耐性を持つ病害虫や雑草の出現、環境負荷の低減などが課題として挙げられております。

 当社は、このような課題の解決に向け、有用な製品や新規有効成分の開発、耐性菌あるいは耐性雑草対策手段として有効な殺菌剤ダコニールや水稲除草剤ベンゾビシクロンの普及、さらに、より環境負荷の低い生物農薬の開発など、持続可能な防除技術確立に向けた様々な研究開発に取り組んでおります。

 そして、これら取組みを通じた蓄積技術と革新技術によりプレゼンスを高め、国内外の農業現場が抱える問題への解決策を提供し、研究開発費の源泉である高い事業収益性と盤石な財務基盤、世界で戦える独自発想と高い技術力を持つ有能な人材を有する会社を目指してまいります。

 

2. 当社の事業構造

 当社グループは、高い技術力を事業基盤として、農薬の有効成分である原体及び原体と補助成分を混ぜ合わせて様々な剤型にした農薬(製剤)の研究開発・製造・販売を行っております。

農薬の有効成分である原体の研究開発に重点を置き、原体メーカーとして多種多様な原体を保有する一方、自社原体と共に他社原体を活用した混合剤の開発にも注力し、国内外の農業現場が抱える様々なニーズに対応可能であることが当社の強みとなっております。

その中でも特に、殺菌剤のダコニール関連剤とベンゾビシクロン原体を中心とした水稲除草剤4原体が当社の主力製品であり、国内外において高い評価を受けております。それ以外にも、ゴルフ場向け農薬や緑地管理用除草剤等の緑化関連剤分野においても多数の製品ラインナップを有しております。また、親会社である出光興産との共同研究・販売体制を構築し、日本国内の生物農薬市場において高いシェアを誇っております。

生産体制につきましては、生産量が多く技術的差別化が可能なダコニール関連剤以外は外部への製造委託を基本としております。

当社の販売先は、当社の同業他社である国内外の大手農薬メーカーや化学品メーカーが中心であり、有効成分である原体の販売が中心となっていることから高い収益率を実現しております。また、販売先が大手企業であることから、債権の回収リスク(遅延や貸倒)が著しく低く、安定したキャッシュ・フローの獲得の一助となっております。

 

(画像は省略されました)

 

3. 当社の経営環境と中長期的な経営戦略

① 国内の事業環境と経営戦略

日本国内の事業環境としては、先進国の中でも突出して低い食料自給率が問題視される中、世界的な農作物需要拡大の動きや食の安全・安心問題などを背景とした農作物の増産への取り組みが進みつつあり、今後の耕作面積は、中期的に、ほぼ現状を維持するものと想定していますが、農業従事者の高齢化、新たな担い手への継承を背景に大規模化や省力化が一層求められる環境にあります。

そのような環境下、当社は、主力製品群の一つであり、高い市場シェアを誇るベンゾビシクロンを中心とした水稲除草剤4原体について、これら原体を含む混合剤(複数の原体を含む農薬)を他の製剤メーカーと共同で継続的に開発・拡販することを通じて販売量を最大化し、市場シェアの維持・拡大を図ります。

もう一つの主力製品である殺菌剤のダコニール関連剤については、70種類以上の作物に登録を持つダコニール1000を筆頭に、北海道の畑作をターゲットにしたダコニールエース、リンゴを中心とした果樹用のパスポート顆粒水和剤など市場ニーズに対応した製品の開発・上市により拡販し、市場シェアの維持拡大を図ります。

 

② 海外の事業環境と経営戦略

海外の事業環境としては、世界的な人口増加と生活レベルの向上を背景として、食料の安定確保がますます重要となる中、バイオ燃料としても農作物の増産が強く求められています。かかる状況下、農薬の使用量は世界的に増加傾向にあり、今後もそのトレンドが継続していくものと想定しています。

当社の主力市場であるアジア地域では、国連などが主導する生産性向上への取り組みと相俟って、中国・インドを始めとする多くの国において、今後、安全性が高く、農作物の保護効果や省力化に優れた先進国型農薬の市場拡大が進むものと想定されます。

そのような環境下、当社の主力製品群の一つであるダコニール関連剤についても、世界的に需要が増加傾向にあります。しかしながら一方で他国ジェネリック企業との競争が激化している状況にあり、強みである製剤性能の優位性や現地販売会社を通じての質の高い防除技術情報の提供等により"日本製"ダコニールのブランドイメージを維持しながらも、コスト競争力の追求が必要となっています。

当社は、近年、農作物の安全性がより強く求められつつある中国市場や、フィリピンのバナナプランテーション向けを筆頭に、インドネシアやベトナム等アジア各国で現地販売会社と連携し、きめ細かいサービスの提供を行い、さらなる拡販を図っております。

もう一つの主力製品群である水稲除草剤のベンゾビシクロン原体については、韓国の高い市場シェアの維持と、優良な海外開発パートナーとの関係構築を通じて、米国・コロンビア・中国等普及する地域を拡大してまいりましたが、2019年11月にトルコで農薬登録を取得し、2020年2月にはイタリアでも例外的使用許可が承認されております。使用可能地域において、ALS(*)阻害型除草剤抵抗性雑草やカヤツリグサ科の問題雑草に対し高い効果を示すことを現地試験で立証しながら、拡販を図ります。

 

また、当社の製品ラインアップの強化を目的として、生物農薬分野では、バチルス系殺菌剤の開発及び世界市場への展開に向けて、欧米での登録取得に取り組みます。当分野での新規製品開発や普及販売においては、出光興産株式会社との共同体制で取り組んでおります。

(*)ALS

Acetolactate Synthase(アセト乳酸合成酵素)の略称。

分岐鎖アミノ酸(バリン、ロイシン、イソロイシン)生合成経路上における本酵素を阻害する除草剤。近年多くの抵抗性雑草が報告されている。

 

③ 原材料調達、生産環境と経営戦略

 農薬は登録制度のもと、使用者・消費者の安全性を担保する目的で製造に関する各種データを提出しております。そのため、仕入先とは協力的関係を構築し、課題を解決しながら取引を継続していくことが望ましく、原材料や製造場所の変更には中長期的な準備が必要となります。

 2005年前後以降、日米欧化学メーカーの選択と集中、事業再構築の進展と中国での化学産業勃興~成長の流れの中で、当社も品質安定性を確認しながら、多くの原材料を中国からの調達に切り替えて来ました。一方、近年における品質・技術レベルの安定・向上の反面、環境保護法の遵守状況に対する査察が積極的に行われ、工場の閉鎖・移転等の動きが活発化したことにより、中国で生産される化学品の多くが供給会社の減少という状態に陥り、市況の大幅な上昇に繋がっています。

 製品供給体制の構築という観点では、今後も各製造委託先との良好な関係を維持し継続的な安定調達体制を確保しつつも、上昇傾向にある製造原価の低減化施策を実行していく必要があります。

 自社生産が中心であるダコニール関連剤については、横浜工場の持続的安定操業体制の構築に引き続き注力しつつ、関連会社からの安定的な原体調達体制強化にも取り組みながら、拡販を進めてまいります。

 

④ 基本経営戦略と経営指標

 会社の経営の基本方針の下、「研究開発力の強化」を通じて、新規有効成分の創製・導入を目指すとともに、主力の殺菌剤ダコニール関連剤や水稲除草剤4原体を中心とした「国内外事業の収益拡大」を図り、これを原資として「財務体質を強化」し、それを「さらなる研究開発力の強化」に結びつける、この成長サイクルを継続していくことを目指しております。

 

(画像は省略されました)

 

 必要な研究開発費を投じつつ一定の収益を維持・拡大するため、重要な経営上の利益を研究開発費負担後の利益である「営業利益」とし、売上高営業利益率10%レベルを継続的に達成することを定量的な目標としております。

 

 

・過去5年間の売上高、営業利益及び営業利益率の推移

 

2015年度

2016年度

2017年度

2018年度

2019年度

売上高(百万円)

16,534

12,491

12,928

11,584

12,387

営業利益(百万円)

2,410

1,263

1,410

984

1,074

営業利益率(%)

14.6%

10.1%

10.9%

8.5%

8.7%

(注)2015年度は決算期変更により2015年1月1日から2016年3月31日までの15か月決算となっています。

 

また、当社は事業に必要な資金の一部を金融機関等からの借入により調達していることから、財務健全性に関する重要な指標を「D/Eレシオ」としております。

継続的な目標として「1.0倍以下」を維持することを目指す一方で、利益最大化のため、機会を捉え剤の買収等の投資も積極的に検討してまいります。

・過去5年間の総資産、純資産、有利子負債及びD/Eレシオの推移

 

2015年度

2016年度

2017年度

2018年度

2019年度

総資産(百万円)

14,691

13,720

14,186

13,659

14,350

純資産(百万円)

6,815

5,856

5,799

5,822

6,659

有利子負債(百万円)

5,040

5,039

6,084

5,448

4,880

D/Eレシオ(倍)

0.74

0.86

1.05

0.94

0.73

 

(2)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

① 新型コロナウイルス感染症対策

 当社では、政府による緊急事態宣言等、行政からの要請に呼応して、従業員の感染リスクの低減と横浜工場の操業維持を第一優先として、衛生管理の強化や勤務体系・条件の変更や制限を行っておりますが、当面は状況を見ながら適切な対応を継続していく必要があります。

 また、当感染症対策に関しましては、医学的な抜本的対策が実現しない限り中長期にわたる継続的な取組みが想定されることから、IT環境や勤怠管理をはじめ必要な環境整備に順次着手してまいります。

 

② 横浜工場の安全・安定操業の継続

 主力製品群のダコニール関連剤の生産拠点である横浜工場においては、一昨年の爆発・火災事故の反省と教訓を踏まえた安全管理体制の強化・充実を継続して図り、安全と品質に留意した安定操業を実現するとともに、リスクアセスメントや安全教育の徹底により安全文化の醸成を推進してまいります。

 また、横浜工場で使用する原材料において長期に亘り取引関係のある昭和電工株式会社横浜事業所及び川崎事業所とは引き続き友好的かつ発展的な関係を継続してまいります。

 

③ 原材料調達、生産委託体制の整備

 各国の行政機関に安全性の評価を受け登録される農薬は、使用原材料、設備、プロセス等製造に係る各要素が品質の安定に影響を及ぼします。そのため、仕入先や製造場所の変更・追加は適切な手順で慎重に検討、実施される必要があります。

 その上で、製品の安定供給及びコスト競争力向上のため、新規製造委託先の開拓推進を含めグローバルな取引体制を追求し、原材料や製品等複数購買体制の強化を通じてリスク分散に取り組みます。また、仕入先との技術交流や品質監査を通して、安全操業及び品質管理の強化に取り組みます。

 

④ 研究開発力の強化

 当社は継続的な成長の要となる新規有効成分の創製・導入のため、更に研究開発力を強化してまいります。そのため、中長期的視野に立った研究開発部門への人員強化と経営資源集中を図ります。また、自社開発中の新規剤の早期事業化と保有知的財産の有効活用、また機会を捉えて他社からの剤の買収等に取り組み、製品パイプラインの強化を目指すとともに、既存製品についても、市場のニーズに対応した適用場面の拡大等により、製品のライフサイクルの延長と収益力拡大を図ります。

 親会社である出光興産株式会社とは、生物農薬分野における研究開発・普及における協業を通じて、早期製品化による製品ラインアップの充実を図ります。

 

⑤ 国内市場での収益拡大

 発売から30年を超える「ダコニール1000」を中心とした当社の主力製品群である殺菌剤のダコニール関連剤においては、ブランド力の更なる向上と産地ニーズに応える適用病害・作物の拡大により新規市場の開拓を図ります。

 もう一つの主力製品群である水稲除草剤分野においては、ベンゾビシクロン原体を中心とする保有4原体の特長を活かした混合剤戦略の徹底追求を図ります。当社の製品ラインアップ強化の一環として、生物農薬分野において、バチルス チューリンゲンシス、バチルス アミロリクエファシエンス、タラロマイセス フラバスの3系統を軸に認知度向上と技術普及による既存及び新規使用場面での拡販を図ります。

 また、農作物増産のための新手法への取り組みや異業種とのコラボレーション等、農薬周辺ビジネスの開拓に取り組み、新たな収益源の獲得を図ります。

 

⑥ 海外市場での収益拡大

 当社の主力製品群である殺菌剤のダコニール関連剤は、世界的に需要が増加している状況にあります。特に需要増加の著しいアジア市場での一層の拡販と販売価格の改善等により収益拡大を図ります。

 もう一つの主力製品であるベンゾビシクロン原体の輸出について、先立って販売している韓国ではALS阻害型除草剤剤抵抗性雑草やカヤツリグサ科難防除雑草への安定した効果が認知され、またフロアブル、ジャンボ剤、田植え同時粒剤等の散布に簡便な各種省力化製剤にいち早く対応してきたことで高い市場シェアを維持しております。米国、コロンビア、中国等新しい市場においても優良な海外パートナーとの関係を通じて、更なる販売拡大と新販売地域の開拓等を推進してまいります。また、外部環境対応として、特に大きな影響を受ける為替・原油価格の変動による収益性変動リスクの軽減を販売条件の工夫により図ります。

 

⑦ 財務体質の強化

 当社は、事業上必要な資金(運転資金や設備投資資金、研究開発資金等)の調達を自社の営業活動等で獲得するキャッシュ・フローのほかに、親会社や金融機関等からの借入によって調達しております。

 このような状況を踏まえ、財務安全性の指標としてD/Eレシオを採用し、1.0倍以下を継続的な定量目標としております。近年、D/Eレシオは1.0倍以下の水準で推移しており、財務内容は安定的であると認識しておりますが、今後とも、各金融機関との良好な関係を維持し、出光興産株式会社とも連携し、継続的に安定した財務内容の維持を図ります。

 

2【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が提出会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況について重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。

 

(1)新型コロナウイルス感染症に関するリスク

 現在、世界的に感染が継続している新型コロナウイルス感染症は、地震・台風や水害等の自然災害等と同じ、あるいはそれ以上に、その及ぼす影響範囲は広範に亘るため、そのリスクを正確に評価することは困難です。

 当社は、当社役職員、その関係者及び取引先・顧客等を中心としたステークホルダーの身体の安全確保と安心感の醸成を第一優先として、衛生管理の強化のほか、国内外出張の制限、大人数での会議・会食等の自粛、在宅勤務や時差出勤等を推奨し、併せて必要なIT環境等の改善に取り組んでおります。

 現時点では、従業員の感染は確認されておらず、自社製造工場である横浜工場は通常通り稼働しておりますが、今後、横浜工場内において感染が認められた場合や感染症の流行が長期化した場合には、工場の稼働を一部抑制又は停止する場合も想定され、ダコニール関連剤の供給・販売に影響を与える可能性があります。

 また、今後の感染症の拡大動向が悪化した場合、当社が調達する中間体や原体、製品に遅れ又は欠品等が生じる可能性があります。

 世界的な感染症拡大が続く中、当社の営業活動の抑制に加え、販売先企業や卸売業者、物流業者の活動抑制並びに農産物生産の縮小等の影響が考えられ、今後の当社製品の販売に影響が生じる可能性があります。

 今後は、安全・安心の確保からオペレーションの維持・継続、更にはニューノーマルへの適応・変革をも念頭においた総合的な取組みが必要であると認識しております。

 

(2)当社の事業構造に関するリスク

1.販売に関するリスク

① 特定の取引先への依存度が高いことに関するリスク

 当社は農薬の有効成分である原体の販売を行っていることから、その販売先として、当社の原体を利用して農薬を製造する農薬メーカーや化学品メーカーであることが多く、大口の販売先への販売比率が高くなっております。2020年3月期における当社の売上高に占める上位10社の割合は約57%となっており、特に売上高上位3社で約28%を占めております。当社は長年に亘ってこれら大口取引先との取引を行っており、今後も安定的な販売が継続するものと期待しておりますが、当該大口取引先が調達する原体の全部又は一部を当社製品から他社製品あるいは自社による内製化を含めた自社製品に切り替える等の事態が生じた場合には、当社は重要な販売先の全部または一部を失うこととなり、当社の業績に影響を与える可能性があります。

 

② 流通形態に関するリスク

 当社は、一部製品を除いてその多くはB to B型の販売であるため、独自の末端農家への販売網を有していません。そのため、当社の営業活動は技術営業、普及活動を特徴としておりますが、販売先が当社製品に競合する他社製品を採用したり、独自に営業戦略を変更した場合には、その市場での販売シェアが減少する可能性があります。

 

③ 製品構成に関するリスク

 当社の収益構造は、ダコニール事業とベンゾビシクロン原体が牽引する水稲除草剤事業に大きく依存しています。2020年3月期のダコニール事業と水稲除草剤事業の売上高は、当社の売上高全体に対して約66%を占めております。

 そのため、当社は原体ラインアップ、製品パイプラインの強化・充実に努めておりますが、当該事業が何らかの理由によって競争力を失った場合、当社の業績は急減速する可能性があります。

 

2.購買・生産に関するリスク

① 外部委託先企業に関連するリスク

 当社は、生産量が多く技術的差別化が可能なダコニール関連剤以外の原体及び製剤は、外部の会社にその製造を委託することを基本としております。それにより、自社の設備投資の抑制や製品の需要変化に柔軟に対応でき、多種多様な製品を取引先へ提供できる体制となっております。当社は今後とも製造委託先との良好な取引関係が維持されるものと期待しておりますが、製造委託先の政策や方針の変更による当社との取引状況の変化や製造委託先の事業環境の変化の影響で製造能力が減少することにより、当社の製品供給能力及び業績に影響する可能性があります。

 当社では対策として、既存製造委託先との良好な関係の維持、複数の製造委託先の確保、適正在庫の確保に加え、技術・コスト・地政学的観点等から新規委託先の選定等に継続的に取り組み、その影響を最小化するよう努めております。

 

② 当社横浜工場に関するリスク

 当社の主力製品であるダコニール原体及び関連製品を製造している横浜工場は、昭和電工株式会社の横浜事業所内に所在し、該社とは原材料のみならず、ユーティリティーの供給や倉庫用地の借地等で密接な関係にあります。該社とは良好な関係を維持継続していくよう努めておりますが、立地上の制限から該社の事業所運営方針の変更によっては、当社製品の製造コストに影響する可能性があります。

 

③ 農薬登録制度に関するリスク

 農薬は登録制度の中で、製造に関する各種データを提出しており、事故や災害等で供給が困難となった際に、代替製造委託先の確保や製造場登録の変更に時間を要するため、製品の供給が一時的に遅延する等により業績に影響を与える可能性があります。

 当社ではその対策として、既存製造委託先との良好な関係の維持や複数の製造委託先を確保、新規委託先の選定等に継続的に取り組み、その影響を最小化するよう努めております。

 

④ 原材料価格の上昇に関するリスク

 2005年前後以降、日米欧化学メーカーの選択と集中、事業再構築の進展と中国での化学産業勃興~成長の流れの中で、当社も品質安定性を確認しながら、多くの原材料を中国からの調達に切り替えて来ました。

 一方、近年における品質・技術レベルの安定・向上の反面、環境保護法の遵守状況に対する査察が積極的に行われ、工場の閉鎖・移転等の動きが活発化したことにより、中国で生産される化学品の多くが供給会社の減少という状態に陥り、市況の大幅な上昇に繋がっています。

 今後、この状況が悪化する場合、当社の製造コストが更に上昇し、業績に影響を与える可能性があります。

 当社ではその対策として、販売価格への転嫁や中国以外の地域での原材料調達ルートの開拓、製造コストを低減させる新製造法の研究開発等に取り組んでおります。

 

・過去5年間の売上高、売上原価及び売上原価率の推移

 

2015年度

2016年度

2017年度

2018年度

2019年度

売上高(百万円)

16,534

12,491

12,928

11,584

12,387

売上原価(百万円)

10,243

7,987

8,274

7,536

8,254

売上原価率(%)

62.0%

63.9%

64.0%

65.1%

66.6%

(注)2015年度は決算期変更により2015年1月1日から2016年3月31日までの15か月決算となっています。

 

⑤ 製造物責任に関連するリスク

 当社は、製造物責任賠償についてはPL(生産物賠償責任)保険に加入し、万一の事故に備えておりますが、予期せぬ重大な事故や品質面での重大な欠陥が発生した場合には当社の業績に重大な影響を与える可能性があります。

 

3.研究開発活動に関連するリスク

 当社は継続的な成長の要となる新規有効成分の創製・導入のため、今後も研究開発投資を積極的に実施していく方針です。

 しかしながら、当社の想定に反し、現在開発中の化合物またはバイオ技術製品が、その開発プロセスにおいて中止を余儀なくされる場合や、あるいは最終的に当該製品の販売のために必須とされる監督官庁の承認を得られない場合等の可能性があります。

 また、新製品が、開発~上市に至るまでの期間での、市場環境の変化、技術水準の進捗、規制動向の変化や競合製品の開発状況等により、当社が期待した成果をもたらさない可能性があります。

 

 

(3)当社を取り巻く事業環境に関するリスク

1.季節性・天候の変動に関連するリスク

 当社の農薬事業は売上に季節性があるとともに、農薬の販売は気象条件の変動に左右されやすい傾向があります。その年の天候は地域的あるいは短期的に、作物の生育だけでなく病害虫や雑草の発生状況に影響する可能性があり、結果として農薬の使用機会が増減するため、当社の業績に影響を与える可能性があります。

 なお、当社の2020年3月期における四半期毎の売上高推移は、以下の通りとなりますが、四半期毎の比率は出荷の月ズレ等により変動する上、製品構成等により、その傾向も変化していく可能性があります。

 

・当期の四半期毎の売上高推移

 

第1四半期

(4月~6月)

第2四半期

(7月~9月)

第3四半期

(10月~12月)

第4四半期

(1月~3月)

通期

(4月~3月)

売上高(百万円)

2,220

2,616

3,424

4,125

12,387

構成比(%)

17.9%

21.1%

27.6%

33.3%

100.0%

 

2.為替に関連するリスク

 当社は、輸出取引及び輸入取引において外貨建て取引を行っているため、為替レートの変動による影響を受けており、その急激な変動が当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。

 当社ではその対策として、年間での輸出・輸入時における外貨建て取引金額を同規模にすることで、為替変動による影響を相殺するように努めており、近年、在庫の受け払い等を考慮しない単純な取引金額ベースでは輸入金額の増加に伴い輸出入取引金額がバランスする状態になり、従前と比較して為替変動による業績変動リスクは低減しております。

 なお、2020年3月期の外貨建て取引実績としては、輸出で約37百万米ドル、輸入が約27百万米ドルとなり、差し引き約10百万米ドルの輸出超過となっております。

 

3.原油価格変動に関連するリスク

 当社の取扱い製品の大半は化学製品であり、その原価は原油価格・ナフサ価格等の変動の影響を受けております。基本的に、原油価格の下落時は当社の製造原価は低減する傾向ですが、即座に製造原価に反映されるわけではなく、また、当社が調達する原材料の価格に対して、原油価格の下落影響の一部または全部が反映されない場合があり、期待した原価低減効果が得られない可能性があります。

 逆に、原油価格上昇により原材料調達コストが上昇した場合でも、適切な販売価格への転嫁が実現できない場合は当社の業績に影響を与える可能性があります。

 

4.資金調達及び金利変動に関するリスク

 当社は、事業運営上の主要な資金調達手段として、金融機関及び親会社からの借入を行っております。各金融機関との関係は良好に維持されておりますが、各社との取引状況に変化があった場合、望んだ資金調達が実行できず、当社の業績や継続的な事業運営に影響を与える可能性があります。

 また、日本だけでなく、国際的な金融情勢の変化による金利変動が、当社の資金調達コストに影響を与える可能性があります。

 

5.法令等の変動に関連するリスク

 農薬は各国の法規制に基づき登録されておりますが、各国の農薬や化学品に関する規制が変更され、農薬登録の制度に関して何らかの問題が発生し、登録を取得または維持することができない場合、当社が当該対象製品の販売が出来なくなり、当社の業績に影響を与える可能性があります。

 日本国内においては、農林水産省では農薬取締法の改正に伴い、2021年度より同一の有効成分を含む農薬について最新の科学的知見に基づき、その安全性等の再評価を開始するとしています。

 当社の関連する有効成分の再評価の優先順位(A~Dの5段階)は以下のようになっております。

A :1,3-ジクロロプロペン、TPN、ダイムロン、ベンゾビシクロン、ペンディメタリン

B :カフェンストロール、ジフルメトリム、

C1:カルブチレート、テニルクロール、トリアジフラム、ノバルロン、ブトルアリン、ペフラゾエート

C2:フルセトスルフロン、メチオゾリン

D :生物農薬、塩素酸塩 等

 当社では、既存の試験成績と農林水産省が要求する試験ガイドラインとの差異の洗い出しをはじめ、適切な事前準備により対処しますが、想定外の追加試験コストが必要となったり販売条件が制限される等によって業績に影響を与える可能性があります。

 

(4)外的要因に起因するリスク

1.事業投資に関連するリスク

 当社は、事業活動を拡大するために、国内外の企業へ事業投資を行っておりますが、各国の法的規制、政治、経済、農業情勢等の変動、また、投資先企業における経営環境の悪化や事業の著しい変化等により、投資先からの配当金の減少や、投資先の企業価値が減少することによる保有有価証券の減損損失等が発生し、当社の業績に影響を与える可能性があります。

 

2.薬剤抵抗性の発生に関するリスク

 当社が主力とする水稲除草剤市場や殺菌剤市場において、当社原体に対して抵抗性を有する雑草や病害虫が発生し、当社原体を含有する製品の効果が不十分となった場合、当該原体の価値が薄れるか無くなり、販売量が減少する可能性があります。

 当社の主力製品である水稲除草剤ベンゾビシクロン原体や殺菌剤ダコニール関連製品は、これら抵抗性対策に有効であると認知されておりますが、自然界での生物多様性を全て把握した経験・知見ではなく、将来にわたって当該製品に対して抵抗性を有する雑草や病害虫の発生を排除できる保証はありません。また、当社製品に対して抵抗性を有する雑草や病害虫が発生した場合には、社会的責任として当社が必要な人的・経済的負担を負い、農薬が使用される現場において、当該生物についてのその耐性程度や頻度をモニタリング、集計、発表することが求められる可能性があります。

 このような事態が発生した場合、当社の財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。

 

3.係争・訴訟等に関連するリスク

 当社の製品は、物質・製法・製剤・用途特許等の複数の特許によって一定期間保護され、また商標等により、そのブランド力を維持しております。

当社は、特許権を含む知的財産権を厳格に管理しておりますが、当社の保有する知的財産権が第三者から侵害を受けた場合には期待される収益が失われる可能性があります。

 また、当社の意図にかかわらず、当社製品等が第三者の知的財産権を侵害した場合には、損害賠償を請求される可能性があります。あるいは根拠の無い請求であっても賠償請求を受ける可能性があり、これを争うためには費用と時間を要する可能性があります。

 その他にも、当社は日本及び海外において事業活動の中で、偶発的に発生する訴訟や訴訟に至らない請求等を受ける可能性があります。訴訟本来の性質を考慮すると係争中または将来発生し得る訴訟の結果を予測することは不可能であり、その動向によっては当社の業績に影響を与える可能性があります。

 

4.事故・災害等に関連するリスク

 当社では、一昨年の横浜工場爆発・火災事故の反省と教訓を踏まえた安全管理体制の強化・充実を継続して図り、安全と品質に留意した安定操業を実現するとともに、リスクアセスメントや安全教育の徹底により安全文化の醸成を推進しておりますが、予期せぬ事故や災害等により、当社の事業に支障が生じた場合には、当社の業績に影響を与える可能性があります。

 

2【沿革】

年月

事項

1968年10月

園芸用殺菌剤ダコニール原体の製造及び販売を目的として、昭和電工株式会社とダイアモンド・シャムロック社(アメリカ合衆国)との合弁により、東京都港区芝浜松町に昭和ダイヤモンド化学株式会社を設立

1968年12月

横浜工場開設、ダコニール製造プラント建設(翌年9月完成)

1969年9月

殺菌剤ダコニール原体の製造開始

1970年1月

殺菌剤ダコニール原体の販売開始

1973年1月

ダイアモンド・シャムロック社より除草剤ダクタールの日本における営業権を取得、販売開始

1975年5月

茨城県東茨城郡美野里町(現 茨城県小美玉市)に、みのり農事試験場開設

1983年6月

商号を昭和ダイヤモンド化学株式会社から株式会社エス・ディー・エス バイオテックに変更

1983年7月

昭和電工株式会社の農薬事業、ダイアモンド・シャムロック社の日本における農薬及び関連事業を当社に移管

東京都大田区に、東京研究所開設

1983年8月

大阪営業所開設、大阪営業所福岡分室開設(福岡営業所)、本社営業部札幌分室開設(札幌営業所)

1983年9月

本社を東京都港区東新橋に移転

1984年2月

株式会社マルゼン化工に資本参加

1984年8月

日本証券業協会に店頭登録

1984年12月

マニラ(フィリピン共和国)に、フィリピン駐在員事務所を設置

1985年3月

ダイアモンド・シャムロック社との提携を解消し、同社持分を昭和電工株式会社が譲受

1986年6月

サンド社(スイス連邦)と資本及び業務提携、同社グループの日本及び東南アジアにおける農薬及び関連事業を当社に移管

1987年5月

ダコニール1000(フロアブル剤)の農薬登録取得、販売開始

1988年7月

仙台営業所開設

1991年9月

茨城県つくば市に、つくば研究所開設(東京研究所を移転)

1995年4月

ソウル(大韓民国)に、ソウル支店開設

1998年4月

ノバルティス社(旧サンド社)との提携を解消。昭和電工株式会社が、株式公開買付けにより、ノバルティス社保有の当社株式を全株取得。旧サンド社から移管された農薬及び関連事業を、日本チバガイギー株式会社に移管

1998年10月

本社を東京都港区芝に移転

1999年1月

国際衛生株式会社の全株式を、昭和電工株式会社から譲受

2000年2月

流動性取消基準に該当したため、店頭登録取消

フマキラー株式会社との合弁でフマキラー・トータルシステム株式会社設立

2001年4月

水稲除草剤ベンゾビシクロンの農薬登録取得、販売開始

2001年6月

水稲除草剤カフェンストロールを中外製薬株式会社より譲受

2002年4月

株式会社マルゼン化工の全株式を取得し、株式会社SDSグリーンに商号変更(同年9月)

2003年1月

殺菌剤ペフラゾエート並びにジフルメトリムを宇部興産株式会社より譲受

2005年3月

MBOにより、昭和電工株式会社より独立し、有限会社エス・ディー・エスバイオテックホールディングスが当社株式を昭和電工株式会社から譲受、国際衛生株式会社の全株式を、昭和電工株式会社に譲渡

本社を東京都中央区東日本橋に移転

2005年7月

有限会社エス・ディー・エスバイオテックホールディングスを吸収合併

2006年1月

株式会社SDSグリーンを吸収合併

2006年6月

微生物殺虫剤バシレックスをバイエルクロップサイエンス社より譲受

2006年12月

フィリピン駐在員事務所をダバオ(フィリピン共和国)に移転

2007年9月

水稲除草剤テニルクロールを株式会社トクヤマより譲受

2008年12月

ジャスダック証券取引所に株式を上場(2010年1月上場廃止)

2009年12月

東京証券取引所市場第二部に株式を上場

2011年6月

出光興産株式会社のTOBにより、同社の連結子会社化

 

 

年月

事項

2012年9月

国内営業部門を製品群別の組織に再編し、本社に集約(各営業所を廃止)

2013年1月

インド共和国SDS Ramcides CropScience Private Limited(旧Sree Ramcides Chemicals Private Limited)を連結子会社化

2014年3月

中華人民共和国の江蘇新河農用化工有限公司及び江蘇新沂泰禾化工有限公司へ資本参加

2015年4月

2018年3月

 上海(中華人民共和国)に史迪士(上海)化学制品有限公司を設立

 インド共和国SDS Ramcides CropScience Private Limitedの全株式を譲渡

(5)【所有者別状況】

 

 

 

 

 

 

 

2020年3月31日現在

区分

株式の状況(1単元の株式数100株)

単元未満株式の状況

(株)

政府及び地方公共団体

金融機関

金融商品

取引業者

その他の

法人

外国法人等

個人その他

個人以外

個人

株主数(人)

4

19

17

15

1

1,452

1,508

所有株式数(単元)

2,217

397

61,459

3,073

4

11,149

78,299

1,025

所有株式数の割合(%)

2.83

0.51

78.49

3.92

0.01

14.24

100.00

 (注)自己株式117株は、「個人その他」に1単元、「単元未満株式の状況」に17株含めております。

 

3【配当政策】

当社は、企業価値の持続的向上のため、研究開発力強化の一環として原体(農薬の有効成分)及び新規製剤(農薬)のラインアップ強化に取り組むとともに、既存製剤についても適用する対象作物の拡大等により付加価値を高めるため、また必要に応じて原体を他社から買収あるいは導入するため経営資源を投下いたします。

その成果としての利益配分については、将来の事業展開と経営体質の強化に必要な財務健全性を強化するための内部留保として確保しつつも、売上高営業利益率10%程度の利益レベルを前提として、中長期的には、年間30%程度の配当性向を目指し、安定した配当を継続して実施していくことを基本方針としています。

また、配当の決定機関は株主総会でありますが、当社は取締役会の決議によって毎年9月末日を基準日として中間配当をすることが出来る旨を定款に定めており、原則として年2回の配当を実施いたします。これは、株主への機動的な利益還元を行うことを目的としております。

なお、この中長期的な配当性向の目標及び年2回の配当の実施については、本書提出日現在、当社が判断したものであり、将来を保証するものではありません。また、将来の経営環境その他の要因により異なる結果となる可能性があります。

当期末の配当金につきましては、1株当たり15.5円の配当を実施することを決定いたしました。当事業年度において実施した中間配当1株当たり12.5円と合わせて年28円となります。

当事業年度に係る剰余金の配当は以下のとおりであります。

決議年月日

配当金の総額

1株当たり配当額

2019年10月31日

97,885千円

12円50銭

取締役会

2020年6月24日

121,377千円

15円50銭

定時株主総会

(2)【役員の状況】

① 役員一覧

男性8名 女性1名 (役員のうち女性の比率11.1%)

役職名

氏名

生年月日

略歴

任期

所有株式数

(株)

代表取締役

社長

寒河江 充宏

1961年1月17日

 

1983年4月

出光興産株式会社 入社

2000年7月

同社 兵庫製油所 人事課長

2003年11月

同社 人事部 福祉課長

2008年7月

同社 人事部 次長

2012年7月

同社 千葉製油所 副所長 兼 千葉工場 副工場長

2014年4月

出光保険サービス株式会社 代表取締役社長

2016年6月

当社 代表取締役副社長(社長補佐、営業部管掌)

2018年6月

当社 代表取締役副社長(社長補佐、管理部・営業部管掌)

2019年6月

当社 代表取締役社長(管理部管掌)

2020年3月

当社 代表取締役社長(現任)

 

(注)3

1,300

常務取締役

小松原 憲一

1958年10月2日

 

1983年4月

昭和電工株式会社 入社

2004年3月

当社 技術統括部 つくば研究所長

2007年12月

当社 管理部 経営企画室長

2010年3月

当社 執行役員 管理部 経営企画室長

2012年3月

当社 執行役員 経営企画部長

2013年3月

当社 執行役員(Ramcides社担当)兼 Ramcides社 取締役

2014年3月

当社 執行役員 業務部長 兼 Ramcides社 取締役

2014年3月

 

2016年3月

当社 取締役 業務部長(経営企画部管掌)兼 Ramcides社 取締役

当社 取締役 技術開発部長(経営企画部管掌)兼 Ramcides社 取締役

2016年6月

 

2018年3月

当社 取締役 技術開発部長 兼 Ramcides社 取締役

当社 取締役 技術開発部長

2019年6月

 

当社 常務取締役 技術開発部長(生産業務部管掌)

2020年3月

当社 常務取締役(管理部・生産業務部管掌)

2020年6月

当社 常務取締役(管理部・海外部・生産業務部管掌)(現任)

 

(注)3

16,800

取締役

技術開発部長

吉永 小太郎

1962年7月25日

 

1986年4月

昭和電工株式会社 入社

当社 東京研究所 出向

2004年3月

当社 営業開発部 東京営業所長

2006年3月

当社 営業部 大阪営業所長

2007年12月

当社 営業部 営業推進室長

2012年9月

当社 営業部 緑化剤・特品グループ長

2013年3月

当社 営業部 次長

2017年3月

当社 営業部長

2018年6月

当社 執行役員 営業部長

2019年6月

当社 取締役 営業部長

2020年3月

当社 取締役 技術開発部長(営業部管掌)(現任)

 

(注)3

6,500

 

 

役職名

氏名

生年月日

略歴

任期

所有株式数

(株)

取締役

バイオロジカル部長

佐久間 正明

1964年4月25日

 

1992年4月

出光興産株式会社 入社

2009年7月

同社 基礎化学品部 企画課長

2010年7月

同社 化学品部 企画グループリーダー

2012年2月

同社 機能材料部 部長付(事業革新担当)

2013年4月

同社 化学品部 オレフィングループリーダー

2014年7月

同社 経営企画部 経営戦略室 企画課長

2016年7月

同社 アグリバイオ事業部 次長

2020年6月

当社 取締役 バイオロジカル部長(経営企画部管掌)(現任)

 

(注)3

取締役

つくば研究所長

関野 景介

1968年10月8日

 

1994年4月

当社 入社

2007年12月

当社 技術開発部 つくば研究所 雑草制御グループ長

2012年9月

当社 営業部 水稲除草剤グループ長

2019年3月

当社 技術開発部 つくば研究所長

2019年6月

当社 執行役員 技術開発部 つくば研究所長

2020年6月

当社 取締役 技術開発部 つくば研究所長(現任)

 

(注)3

取締役

(非常勤)

髙橋 順一

1954年1月21日

 

1976年4月

昭和電工株式会社 入社

1992年3月

同社 経理部 主席

1995年10月

日本ポリオレフィン株式会社 出向

2004年3月

当社 総務部長

2005年4月

当社 取締役 兼 執行役員 管理部長

2013年1月

当社 取締役 兼 執行役員 管理部長 兼 Ramcides社 取締役

2013年3月

当社 常務取締役(管理部・営業部管掌)兼 Ramcides社 取締役

2013年7月

当社 常務取締役(管理部・技術開発部・営業部管掌)兼 Ramcides社 取締役

2014年3月

当社 代表取締役社長

2019年6月

当社 取締役(非常勤)(現任)

 

(注)3

25,400

取締役

(監査等委員)

深澤 良彦

1957年4月10日

 

1980年4月

昭和電工株式会社 入社

1995年3月

当社 営業管理部 主席

2001年12月

当社 営業開発本部 業務部長 兼 監査室長

2005年4月

当社 営業部 営業企画室長

2007年2月

当社 技術開発部 製品開発室長

2007年12月

当社 営業部長

2008年3月

当社 執行役員 営業部長

2013年3月

当社 執行役員 管理部長

2014年5月

当社 執行役員 管理部長 兼 Ramcides社 取締役

2015年3月

当社 取締役 管理部長 兼 Ramcides社 取締役

2016年7月

当社 取締役 管理部長

2018年6月

当社 理事 管理部長

2020年3月

当社 理事 社長付

2020年6月

当社 取締役(監査等委員)(現任)

 

(注)4

28,700

 

 

役職名

氏名

生年月日

略歴

任期

所有株式数

(株)

取締役

(監査等委員)

酒井 朗

1956年4月23日

 

1979年4月

株式会社第一勧業銀行 入行

2002年4月

株式会社みずほコーポレート銀行 広州駐在員事務所 参事役

2003年10月

2005年2月

同行 中国営業推進部 次長

同行 業務監査部 参事役

2006年3月

同行 福岡営業部付 参事役

株式会社安川電機 出向

2008年3月

同行 福岡営業部付 参事役

2008年7月

 

2008年11月

 

2016年6月

株式会社みずほ銀行 証券業務部付 参事役 みずほキャピタル株式会社 出向

みずほキャピタル株式会社 転籍

同社 執行役員 海外投資部アジア部長

当社 社外取締役(監査等委員)(現任)

 

(注)4

取締役

(監査等委員)

松尾 祐美子

1965年1月13日

 

1990年4月

第二東京弁護士会登録

アンダーソン・毛利・ラビノウィッツ法律事務所(現 アンダーソン・毛利・友常法律事務所) 入所

1995年9月

米国ニューヨーク州弁護士資格取得 米国ニューヨーク州の法律事務所にて研修

1997年6月

平川・佐藤・小林法律事務所(現 シティユーワ法律事務所)入所

2010年1月

神奈川県弁護士会登録 弁護士法人港国際法律事務所 入所(現任)

2016年6月

当社 社外取締役(監査等委員)(現任)

2020年6月

川澄化学工業株式会社 社外取締役(監査等委員)(現任)

 

(注)4

78,700

 (注)1. 取締役の酒井朗氏、松尾祐美子氏は社外取締役であります。

2. 当社の監査等委員会の体制は次のとおりであります。

委員長 深澤良彦、委員 酒井朗、委員 松尾祐美子

なお、深澤良彦氏は常勤の監査等委員であります。常勤の監査等委員を選定している理由は、情報収集の充実を図り、内部監査部門等との十分な連携を通じて、監査の実効性を高め、監査・監督機能を強化するためであります。

3. 取締役の任期は、2020年6月24日開催の定時株主総会における選任後、1年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時株主総会終結の時までであります。

4. 監査等委員である取締役の任期は、2020年6月24日開催の定時株主総会における選任後、2年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時株主総会終結の時までであります。

5. 取締役松尾祐美子氏の戸籍上の氏名は吉村祐美子であります。

6. 当社は、意思決定と業務執行の分離、取締役会の効率化を目的として、執行役員制度を導入しております。本書提出日現在における執行役員は1名で大塚俊雄氏(管理部長)が就任しております。

 

 

② 社外役員の状況

(社外取締役の員数及び当社との関係)

 当社の社外取締役は2名で、いずれも監査等委員であります。各社外取締役と当社の関係は次のとおりであります。

イ.酒井朗氏

 同氏は、みずほキャピタル株式会社の執行役員でありましたが、当社取締役就任前に同社を退職しております。同氏には、長年にわたる金融機関での経験と知識、また中国での駐在を始めとする豊富な海外経験を当社の監督体制の強化に活かして頂けると考えております。同氏と当社との間に人的関係、資本的関係または取引関係その他の利害関係はなく、一般株主と利益相反のおそれがないことから、独立役員として東京証券取引所に届け出ております。

ロ.松尾祐美子氏

 同氏は、現在弁護士法人港国際法律事務所で弁護士を務めており、法律の専門家としての豊富な経験と高い見識を当社の監督体制の強化に活かして頂けると考えております。同事務所と当社及び同氏と当社との間に人的関係、資本的関係または取引関係その他の利害関係はなく、一般株主と利益相反のおそれがないことから、独立役員として東京証券取引所に届け出ております。

 

(社外取締役の独立性に関する考え方及び選任理由)

 当社では、社外取締役を選任するための独立性に関する基準を定め、豊富な知識、経験に基づき客観的な視点から当社の経営等に対し、適切な意見を述べて頂ける方を選任しております。

 

③ 社外取締役による監督又は監査と内部監査、監査等委員会監査及び会計監査との相互連携並びに内部統制部門との関係

 社外取締役は、主に取締役会等における審議を通して取締役の職務執行を監督しており、適宜質問や助言を行っております。

 また監査の効率性と有効性を高めるため、内部監査部門である監査室や会計監査人との間で連携を図り、相互に意見交換を行い、情報の共有に努めております。

 

4【関係会社の状況】

名称

住所

資本金

(百万円)

主要な事業の内容

議決権の所有又は被所有割合  (%)

関係内容

親会社

 

 

 

 

 

出光興産株式会社

東京都千代田区

168,351

・石油精製並びに油脂製造、販売

・石油化学製品の製造、販売

・石油、石炭、地熱、その他鉱物資源の調査、開発並びに採取

・農業薬品、農業用資材並びに化学薬品製造業

・電子機能材料の開発、製造及び販売

・その他

 被所有

69.7

資本業務提携

当社製品の販売

関連会社

 

 

 

 所有

 

フマキラー・トータルシステム株式会社

東京都千代田区

160

防疫剤等の化学薬品の製造及び販売

50.0

当社製品の販売、原材料の仕入

役員の兼任等…有

江蘇新河農用化工

有限公司

中華人民共和国

千元

65,272

農薬及び農薬原料の生産及び販売

15.0

当社製品の製造

役員の兼任等…有

江蘇新沂泰禾化工

有限公司

中華人民共和国

千元

28,267

農薬原料の生産及び販売

15.0

当社製品の製造

役員の兼任等…有

 (注)出光興産株式会社は、有価証券報告書を提出しております。

 

【製造原価明細書】

 

 

前事業年度

(自 2018年4月1日

至 2019年3月31日)

当事業年度

(自 2019年4月1日

至 2020年3月31日)

区分

注記

番号

金額(千円)

構成比

(%)

金額(千円)

構成比

(%)

Ⅰ 材料費

 

3,869,024

49.9

4,290,327

56.1

Ⅱ 労務費

 

96,084

1.2

268,800

3.5

Ⅲ 経費

3,788,380

48.9

3,084,057

40.4

当期総製造費用

 

7,753,489

100.0

7,643,185

100.0

期首仕掛品たな卸高

 

19,945

 

8,521

 

合 計

 

7,773,435

 

7,651,706

 

期末仕掛品たな卸高

 

8,521

 

8,310

 

当期製品製造原価

 

7,764,914

 

7,643,396

 

 

 

原価計算の方法

 原価計算の方法は、製品別単純総合原価計算であり、原価差額は期末において、製品、仕掛品、売上原価に配賦しております。

 

原価計算の方法

 同左

 

 

 (注) ※ 主な内訳は次のとおりとなります。

 

前事業年度

(自 2018年4月1日

至 2019年3月31日)

当事業年度

(自 2019年4月1日

至 2020年3月31日)

外注加工費(千円)

3,554,277

2,737,986

減価償却費(千円)

36,412

98,617

外注作業費(千円)

62,261

140,994

修繕費(千円)

9,450

99,301

電力料(千円)

19,493

61,621

※3 販売費及び一般管理費

 販売費に属する費用のおおよその割合は前事業年度31%、当事業年度31%、一般管理費に属する費用のおおよその割合は前事業年度69%、当事業年度69%であります。

 主要な費目及び金額は以下のとおりであります。

 

前事業年度

(自 2018年4月1日

  至 2019年3月31日)

当事業年度

(自 2019年4月1日

  至 2020年3月31日)

研究開発費

1,072,263千円

947,429千円

給与

411,952

421,787

賞与引当金繰入額

65,736

63,739

減価償却費

25,682

24,108

退職給付費用

28,915

21,934

1【設備投資等の概要】

 当社は、当事業年度において農薬製造設備の維持更新や研究設備の更新及び取得を中心に、194百万円の設備投資を実施しました。

 

株価(1年)
期間を変更
PER(1年/会予)
期間を変更

その他企業情報

企業価値11,887 百万円
純有利子負債4,291 百万円
EBITDA・会予1,218 百万円
株数(自己株控除後)7,830,808 株
設備投資額194 百万円
減価償却費218 百万円
のれん償却費N/A
研究開発費947 百万円
代表者代表取締役社長  寒河江 充宏
資本金810 百万円
住所東京都中央区東日本橋一丁目1番5号
会社HPhttp://www.sdsbio.co.jp/

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