1年高値3,375 円
1年安値1,208 円
出来高104 千株
市場マザーズ
業種電気機器
会計日本
EV/EBITDA17.5 倍
PBR7.2 倍
PSR・会予2.0 倍
ROA11.6 %
ROIC15.0 %
βN/A
決算6月末
設立日2006/7
上場日2019/9/26
配当・会予0 円
配当性向0.0 %
PEGレシオ-0.4 倍
売上高(百万円)&収益性(%)
売上3y CAGR・予想:-1.8 %
利益(百万円)
営利3y CAGR・予想:17.0 %
純利3y CAGR・予想:22.8 %
EPS(円) BPS(円)
配当(円)
健全性(%、倍)
セグメント別売上
セグメント別営業利益
セグメント別利益率
会社の詳細

 

3 【事業の内容】

当社は「人とコンピューティングの力で世界平和に貢献する」の経営理念の下、「人の創造力とコンピューティングを融合させ未来をつくる企業になる」ことをビジョンに、「研究者には研究する力、開発者には製品を開発する力を提供すること」をミッションに掲げ、人類の難題に挑戦している研究者や開発者に寄り添い、知恵、努力、コミュニケーションとコンピューティングを通じてそれぞれが抱えている課題に共に取り組んでおります。
 当社の役割実現のため、専門的な知見を求められる科学技術計算用コンピュータ事業(HPC事業)と安定的で信頼性の高い製品供給を求められる産業用コンピュータ事業(CTO事業)の2つの事業を展開しております。

当社の事業における位置付け及びセグメントとの関連は、次のとおりであります。なお、事業の区分内容は、「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1)財務諸表注記事項」に掲げるセグメントと同一の区分であります。

 

(1) HPC事業

 HPC事業は、科学技術計算用コンピュータに関連するソリューションの提供を行っております。科学技術計算用コンピュータは、高性能コンピュータを駆使して科学技術における問題を計算によって解決する計算科学という分野で使用されておりますが、計算科学は、理論や実験と並ぶ第三の研究手段に数えられるまでに発展してきております。その中で当社は、計算科学の手法を用いて「理論化学」の問題を取り扱う「計算化学」という分野に強みを持っており、中でもライフサイエンス(生命科学)とマテリアルサイエンス(材料科学)分野を重点事業領域と位置づけ、コンピュータ上で高精度に計算した材料データベースやAI等を活用して材料開発を行うマテリアルズ・インフォマティクスのアプリケーション開発に力を入れております。
 当社が提供するHPCシステムインテグレーションは、従来のシステム開発業者等が行っている業務系システムやERPシステム等の構築といったITサービスとは領域が異なっており、科学技術計算、モノ作りにおける流体構造シミュレーション、創薬や材料開発に必要な計算化学、ディープラーニング、AI解析、ビッグデータ解析等、顧客の使用目的に応じた知見を必要とする領域に対するシステムインテグレーションであります。こうしたHPCシステムインテグレーションの他にも、科学技術計算用高性能コンピュータの販売、ソフトウェアプログラムの開発・販売、受託計算・研究開発支援及び導入後のサポートまでをワンストップでトータルに行う体制を構築しております。
 具体的には、ユーザが保有、又は想定する様々なシステム構成(アーキテクチャ)に対して、ユーザの求める計算科学プログラムをコンピュータ上で実行可能な状態に変換するビルドや、同プログラム性能の最大化を図るための調整(チューニング)を行うことで、コンピュータにおける計算時間を大幅に短縮させる超高速計算や、大量のデータを正確に計算させる大規模・高精度計算を実現している他、HPCユーザである研究者や製品開発者のニーズに合わせて、科学技術計算用のオリジナルソフトウェアプログラムの開発・販売・サポート、計算科学をテーマとするセミナーの開催、科学技術計算の受託や技術支援、プログラム高速化サービス等を提供しております。その過程で長年にわたって培ってきた全国に所在する大学の研究室や公的研究機関、企業のR&Dセンターや中央研究所等との関係性を構築していることがHPC事業の強みであります。例えば、基礎研究の有効活用を模索している大学の研究室等と、応用研究を行っている企業のR&Dセンター等との橋渡しや、基礎研究の成果を探している企業のR&Dセンター等に対して、大学の研究室等の基礎研究成果を紹介するといったように、官と民を結ぶハブの役割を担うことを可能としております。
 その他、多様化する顧客のHPCによる計算ニーズにあわせ、HPCの計算能力をクラウドにて提供するサービスにも取り組んでおります。HPCユーザの計算ニーズは極めて秘密性が高く、計算に長い時間を要することから、従来は各研究室又は各社でHPCを保有する(オンプレミス)ことが一般的でした。しかしながら、近年ではHPCユーザの裾野が拡大しており、柔軟な利用環境を求めるユーザの要望が増加していること等から、当社では一時的に利用できる解析用HPCリモートサービスや、技術の進歩を捉えてHPCのクラウドサービスも開始しております。

 最近では、HPCとビッグデータやAIが融合し、理論計算からデータ分析、機械学習、そして理論計算といった機能を実現できるシステムの導入が進んでおり、さまざまな分野でAI技術の応用が進められております。当社も、重要な社会インフラへのHPCの適用事例となる5G技術、及び「コネクテッドカー」に係る研究開発活動のニーズを支える技術者集団として参画しております。

 このように、当社はハードウェアからソフトウェアプログラム、システムインテグレーションサービス、各種研究サポートを一気通貫してワンストップで対応しております。

 

HPC事業ワンストップサービスの概念図

(画像は省略されました)


 

(2) CTO事業

 CTO事業は、顧客企業の注文仕様に応じた産業用コンピュータの開発、製造及び販売を行っております。当社の産業用コンピュータは、組込コンピュータ(エンベデッド・コンピュータ)として、各種製造装置や工作機械、計測装置や検査装置の他、インフラシステムにおける監視制御、医療機器、デジタルサイネージ等に搭載され、さまざまな産業分野において活用されております。
 産業用コンピュータは、市販のパソコンが画一仕様の量販品であることと比較すると、要求される仕様も特徴もまたその使用される用途によって千差万別となっております。又、各種産業用装置に組み込まれた産業用コンピュータにおいてトラブルにより使用できない時間(ダウンタイム)が発生した場合、顧客企業にとっての操業ロスに直結することになるため、稼働の安定性等が求められます。当社で開発・製造・販売している産業用コンピュータは、高い処理性能を持ちつつも、顧客企業の製品システムや装置に必要なI/Oインターフェース、苛酷な温度、静電気、電波、振動、ノイズ、ほこり等設置環境に係る耐環境性、連続稼動や長期使用に耐える頑健性・信頼性、異常動作からの早期復旧力やメンテナンス性、省スペース性等、さまざまに寄せられる顧客企業特有の多種多様な要件の実現に応えております。
 産業用コンピュータメーカーの中には、自社製品の大量生産、市場投入を軸として、定期的なモデルチェンジ(仕様の変更)等を実施しているメーカーもありますが、当社では顧客要望に応じて設計を行い、最適部品を選定・調達し、生産を行うだけでなく、同一システム(設備)を長期間使用する顧客に対しては、国内外のさまざまな電子部品メーカーとのサプライチェーンを築くことで、カスタム要素の強い同一仕様の産業用コンピュータの長期安定供給を実現し(製品構成部品のバージョンアップ対応を含む)保守サービスにもきめ細かく対応しております。このように、産業用コンピュータの仕様設計段階から試作機提案段階、量産前検証段階、量産製造段階、出荷後のサポート対応段階と各段階において一貫した体制を保持し、顧客企業の要望にきめ細かく対応できることが当社の強みとなっております。

 

 CTO事業の顧客は、自社製品、設備増強の部品としての組込みコンピュータの長期継続供給を前提として採用するため、顧客の製品が販売される期間においては継続的な受注が見込めます。当社は部品の供給パートナーとの関係強化により、産業用コンピュータに特有な部品の長期安定調達力と品揃えを充実させるとともに、販売パートナーとの関係強化を図り、取り扱い製品と取引先の拡充を図っております。

 産業用コンピュータの製造は国内工場(千葉県匝瑳市)で行っております。部品供給パートナーより仕入れた部品の入荷管理、在庫管理から産業用コンピュータの組立、検査、出荷及び品質管理、サポートまでを同工場にて実施しております。又、組立、検査、出荷等に関しては、作業手順書や指示、チェックシートをオンライン化し、作業のトレーサビリティ管理する為の独自開発の生産支援システム「ProMIS: Manufacturing Information System(プロミス)」を使用しており、当該システムの使用により、顧客メーカー毎の要望に沿った製造体制を構築するとともに、顧客メーカーの品質管理部門による工場監査への対応も実施しております。

 

CTO事業一貫体制図

 

(画像は省略されました)


 

 

用語解説

 本項「3 事業の内容」において使用しております用語の定義について以下に記します。

用語

用語の定義

HPC

High Performance Computer 又は High Performance Computing の略で、一般にスーパーコンピュータ又はスパコンと呼ばれる超高速演算用コンピュータによる計算処理環境(計算処理技術)のこと。

CTO

Configure-to-order の略で、顧客の注文する仕様に合わせた特殊なコンピュータ製品を開発・製造する受注仕様生産方式のこと。

5G

第五世代移動通信システムのこと。

理論化学

理論的モデルや数式を元に、既知の実験事実を説明したり、未知の物質の性質等を予言したりする演繹的なアプローチを行う化学の方法論のこと。

コネクテッドカー

インターネットへの常時接続機能を具備した自動車のこと。

AI

Artificial Intelligence の略称。学習・推論・認識・判断等の人間の知能的な振る舞いを行うコンピュータシステムのこと。

ビルド

ソフトウェアプログラムの設計図(ソースコード)を、コンピュータが実行可能な形式に変換し、コンピュータ上で実行できるファイルを作成する作業のこと。

チューニング

コンピュータシステムやソフトウェアプログラム等の設定や構成を調整し、性能を最大限引き出す調整作業のこと。

エンベデッド・コンピュータ

組込みコンピュータのこと。

R&D

Research and developmentの略で、企業等で科学研究や技術開発を行う業務のこと。

システムインテグレーション

System Integration。SIと略されます。ユーザの利用目的に合わせて、多種多様のハードウェア・ソフトウェア・メディア・通信ネットワーク等のなかから最適のものを選択し、組み合わせて、コンピュータシステムを構築するITサービスのこと。

アーキテクチャ

コンピュータシステムの設計方法、設計思想、構築されたシステムの構造等のこと。

I/Oインターフェース

Input-Output interfaceの略で、入出力インターフェースのこと。

デジタルサイネージ

ディスプレイやプロジェクタ等によって画像や文字を表示し情報を発信する情報媒体(メディア)のこと。

トレーサビリティ

Traceability。一般に工業製品や食品等の製品や部品、素材等を個体ないしはロットごとに識別して、調達・加工・生産・流通・販売・廃棄等にまたがって履歴情報を参照できるようにすること、又はそれを実現する制度やシステムのこと。

 

 

 

(事業系統図)

以上述べた内容を事業系統図によって示すと次のとおりであります。

 

 

(画像は省略されました)


 

3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績等の状況の概要

当事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

① 財政状態の状況

 (資産)

当事業年度末における流動資産は2,424,360千円となり、前事業年度末と比べ370,845千円増加いたしました。これは主にたな卸資産が190,347千円、前渡金が57,210千円減少したものの、現金及び預金が461,122千円、売掛金が165,040千円増加したことによるものであります。固定資産は229,844千円となり、前事業年度末と比べ6,287千円増加いたしました。これは主に機械及び装置が8,412千円増加したことによるものであります。

以上の結果、総資産は2,654,205千円となり、前事業年度末に比べ377,132千円増加いたしました。

 (負債)

当事業年度末における流動負債は1,144,561千円となり、前事業年度末と比べ49,350千円増加いたしました。これは主に1年内返済予定の長期借入金が39,110千円、買掛金が26,689千円、賞与引当金が20,459千円、未払法人税等が19,908千円、未払金が15,478千円、未払費用が14,520千円、役員賞与引当金が12,089千円減少したものの、短期借入金が200,000千円増加したことによるものであります。固定負債は54,313千円となり、前事業年度末と比べ74,084千円減少いたしました。これは長期借入金が74,084千円減少したことによるものであります。

以上の結果、負債合計は1,198,874千円となり、前事業年度末に比べ24,733千円減少いたしました。

 (純資産)

当事業年度末における純資産合計は1,455,331千円となり、前事業年度末と比べ401,866千円増加いたしました。これは主に公募増資に伴い資本金及び資本準備金がそれぞれ45,770千円増加した他、当期純利益307,426千円によるものであります。

 

② 経営成績の状況

当事業年度におけるわが国経済は、米中通商問題の影響による輸出や生産活動の停滞が続く中、年明け以降は新型コロナウイルス感染症の世界的な感染拡大により急速に悪化し、極めて厳しい状況となりました。先行きについても、緊急事態宣言の解除に伴い個人消費に持ち直しの動きはみられるものの、依然として新型コロナウイルスの感染拡大による厳しい状況が続くことが見込まれます。

新型コロナウイルス感染症拡大の影響については、移動制限など事業活動にさまざまな制約が加わり、受注獲得までの商談期間が従来より延びてはいるものの、顧客需要は底堅く推移しており、部品の調達も大きな支障なくできていることから、当社業績への影響は比較的軽微でありました。

当社が属するコンピューティング業界においては、引き続きクラウド、人工知能(AI)、ディープラーニング、ビッグデータ処理等の技術革新の進展等を背景に、民間企業、大学等公的機関の研究開発部門における一定の設備投資需要は期待されるものの、内外経済の下振れによる設備投資需要の落ち込みの影響が懸念されます。

このような環境において当社は、経営理念である「人とコンピューティングの力で世界平和に貢献する」のもと、科学技術計算用コンピュータ事業(以下 HPC事業)及び産業用コンピュータ事業(以下 CTO事業)の収益拡大に取り組んでおります。

科学技術計算用コンピュータを展開しているHPC事業は、従来の大学研究室や公的研究機関からの受注を確保しつつ、民間企業の研究所・R&Dセンター等で実施されている大規模・高精度な科学技術計算向け高性能計算機の拡販を強化し、受注に繋げております。

産業用組込コンピュータを展開しているCTO事業は、半導体検査装置、医療装置、アミューズメント機器向け既存顧客の受注継続に努める他、画像処理、ディープラーニング、スマートファクトリー等を戦略分野と定め、展示会への積極出展等を通じ新規顧客の獲得に注力しております。

以上の結果、当事業年度における売上高は、4,725,289千円(前期比12.4%減)、営業利益477,732千円(前期比29.3%増)、経常利益465,396千円(前期比26.8%増)、当期純利益307,426千円(前期比40.1%増)となりました。

 

セグメントの業績は、次のとおりであります。

 (HPC事業)

科学技術計算用高性能計算機に関するソリューション販売は、大学研究室など公的機関や、ディープラーニング、ビッグデータ処理、及び自動運転分野等に設備投資を行っている民間企業へ好調に推移しておりましたが、比較的採算の良い案件を重視した影響で、前年に計上した液浸サーバシステムの大口販売による減少を吸収するにはいたりませんでした。但し、低粗利の大口販売がなくなった一方、採算の良い案件が増加したことで利益率が改善し、セグメント利益は増加となりました。

以上の結果、HPC事業の売上高は3,198,287千円(前期比15.5%減)、セグメント利益は298,699千円(前期比41.3%増)となりました。

 (CTO事業)

半導体検査装置、アミューズメント機器向け等の継続顧客に対する売上は堅調に推移しましたが、前年に計上したディープラーニング分野におけるデータサイエンティスト向けワークステーションの大口販売による減少を吸収するにはいたりませんでした。但し、新規顧客に比べ利益率が安定している継続顧客の割合が相対的に高まったことで利益率が改善し、セグメント利益は増加となりました。

以上の結果、CTO事業の売上高は1,527,002千円(前期比5.1%減)、セグメント利益は179,032千円(前期比13.2%増)となりました。

 

③ キャッシュ・フローの状況

 当事業年度における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、税引前当期純利益が465,037千円となったこと等により、前事業年度末に比べ461,122千円増加し、1,399,459千円となりました。

 (営業活動によるキャッシュ・フロー)

当事業年度における営業活動によるキャッシュ・フローは、税引前当期純利益が465,037千円となったこと等により341,513千円の収入となったものの、売上債権の増加による支出170,531千円等により前事業年度に比べ195,428千円減少しました。

 (投資活動によるキャッシュ・フロー)

当事業年度における投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産及び無形固定資産の取得による支出58,119千円等により61,455千円の支出となり、前事業年度に比べ13,683千円減少しました。

 (財務活動によるキャッシュ・フロー)

当事業年度における財務活動によるキャッシュ・フローは、短期借入れによる収入200,000千円、株式の発行による収入91,540千円等により181,246千円の収入となり、前事業年度に比べ307,635千円増加しました。

 

④ 生産、受注及び販売の実績

a.生産実績

当事業年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

生産高(台)

前年同期比(%)

CTO事業

8,822

14.2

合計

8,822

14.2

 

(注) HPC事業については生産を行っておりませんので、該当事項はございません。

 

b.受注実績

  当事業年度の受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

受注高(千円)

前年同期比(%)

受注残高(千円)

前年同期比(%)

HPC事業

3,389,059

△12.1

CTO事業

1,355,036

△14.8

合計

4,744,095

△12.9

 

 

(注) 1.セグメント間取引については、相殺消去しております。

2.受注残高については、システムによる集計が困難のため、記載を省略しております。

3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

C.販売実績

当事業年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

販売高(千円)

前年同期比(%)

HPC事業

3,198,287

△15.5

CTO事業

1,527,002

△5.1

合計

4,725,289

△12.4

 

(注) 1.セグメント間取引については、相殺消去しております。

2.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は、当該割合が100分の10以上の相手先がないため記載を省略しております。

3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は、次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。

 

① 重要な会計方針及び見積り
当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。その作成には、経営者により会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額並びに開示に影響を与える見積りを必要とします。経営者は、これらの見積りについて過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
当社の財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 財務諸表等の「重要な会計方針」」に記載のとおりであります。
 
② 当事業年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当事業年度の経営成績等については、売上高は前事業年度に計上した低採算の大口スポット案件(データセンター向け液浸サーバシステムの大口販売等)や新型コロナウイルス感染拡大による経済活動自粛の影響による減少を吸収できず、HPC事業とCTO事業ともに減収となり、前事業年度と比べ670,510千円減少の4,725,289千円となりました。一方、成長戦略分野での採算の良い案件が増加したこと等で利益率が大幅に改善した結果、売上総利益は前事業年度と比べ152,643千円増加し、1,550,583千円となりました。
営業利益は、株式上場関連費の発生や業容拡大に伴う人件費の増加等により販売費及び一般管理費が増加(44,435千円)したものの、利益率改善に伴う売上総利益の増加により108,208千円増加し、477,732千円となりました。
経常利益は、株式上場に伴う一時的な費用として株式公開費用(11,316千円)を計上したものの98,363千円増加し、465,396千円となりました。
当期純利益は、法人税等の計上(157,610千円)があったものの、87,937千円増加の307,426千円となりました。

 

当社は売上高成長率と営業利益成長率を重要な経営指標としておりますが、当事業年度の売上高成長率につきましては、HPC事業とCTO事業ともに大口スポット案件の剥落や新型コロナウイルス感染拡大による経済活動自粛の影響で売上高が減少し、前事業年度に対し12.4%のマイナス成長となりました。一方、営業利益成長率につきましては、HPC事業で成長戦略分野において高度なシステムインテグレーションを伴う高採算のシステム販売が好調に推移した他、CTO事業で利益率が安定している継続顧客の売上が順調に推移したこと等で、両事業ともに利益率が改善し営業利益が増加、前事業年度に対し29.3%のプラス成長となり、過去最高益を達成いたしました。

 

 

当社の経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
 
当社の資本の財源及び資金の流動性につきましては、主に金融機関からの借入れによる資金調達を行うことを基本としております。当事業年度は金融機関からの借入れによる資金調達の他、2019年9月26日に東京証券取引所マザーズに上場し、公募増資により91,540千円を資金調達いたしました。

当事業年度末における借入金の残高は678,397千円となっております。資金調達の機動性と安定性を図るため、取引先金融機関5行と当座貸越契約を締結しております。なお、当座貸越枠の合計は1,100,000千円であり、当事業年度において、本契約に基づく当座貸越残高は550,000千円となっております。

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社が判断したものであり、その達成を保証するものではありません。

 

(1) 経営方針

当社の経営理念は、「人とコンピューティングの力で世界平和に貢献する」であります。

世界の人が安心、安全で平和に暮らすためには、共存共栄を基本にそれぞれの国の特徴を活かせる科学技術の発展と、そこに産業があり、やりがいを持てる仕事があることだと確信しております。当社は会社設立以来、「人の創造力とコンピューティングを融合させ未来をつくる企業になる」というビジョンを持ち、人類の難題に挑戦している研究者や開発者に寄り添い、知恵、努力、コミュニケーションとコンピューティングを通じてそれぞれが抱えている課題やニーズを共に考え、「研究者には研究する力、開発者には製品を開発する力を提供すること」をミッションとし、それが当社の果たすべき役割であると位置づけております。

その当社の果たすべき役割を実行していくいために、研究者や開発者に徹底的に寄り添い、研究者や開発者が本当に抱える課題を探り出し、その課題に対して、製品やサービスを組み合わせるだけのソリューション提供ではなく、当社の持つ付加価値を追加し、最適化したソリューションを提供してまいります。

 

(2) 経営戦略等

当社は、HPC事業とCTO事業の二つの事業に取り組んでおり、これらの事業を拡大させることが、当社の更なる成長と発展のために必要であると認識しております。そのために顧客志向を徹底し、顧客が実現したいことや課題を解決するために、当社が用意した3つの強力なソリューション・ツールが互いに掛け合わされて3乗の効果で発揮する「S3 as a Service」(Sキューブソリューション as a Service)という独自のソリューションサービス戦略を展開してまいります。当社は、「S3 as a Service」を提供することで、研究者や開発者に徹底的に寄り添ってまいります。

なお、新型コロナウイルス感染症の影響につきましては、現時点で終息時期を予測することが困難であり、顧客における経済活動自粛に伴う設備投資の延期や、商談期間の長期化等による当社業績への影響を注視していく必要があると考えております。

 

 S3 as a Service (Sキューブソリューション as a Service)

① System as a Service

HPC SIサービス、AI/ディープラーニング SIサービス、CTOサービス、アプライアンス顧客のニーズに沿って最適化されたシステム(ハードウェア及びソフトウェアプログラム)を提供する(HPC分野及び産業用コンピュータ分野)
※アプライアンス:特定の機能や用途に特化した専用機器
※SI:システムインテグレーション

② Science as a Service

 計算科学/計算化学ソリューション
 計算科学分野では、主に自社開発の計算技術ノウハウを提供する
(セミナー、計算支援、研究支援、技術支援 、プログラム高速化サービス等)

③ Science as a Cloud

サイエンスクラウドサービス
高スペックのコンピュータをベアメタル(OSなどソフトウェアプログラムがインストールされていないサーバ)で提供する一般的なクラウドサービスとは異なり、アプリケーションごとに最適化された計算環境とストレージ環境と世界でオンリーワンのソフトウェアプログラム群(デファクトスタンダードな計算科学又は計算化学用ソフトウェアプログラム及び当社のオリジナルソフトウェアプログラム)で構成された、顧客ユーザにとって使い勝手のよい計算環境のクラウドサービスを提供する

 

 

(3) 目標とする経営指標

 当社は、事業拡大、企業価値向上を目指し、売上高成長率、営業利益成長率を重要な経営指標と位置付けており、これらを中長期的に成長させていくことを基本的な考え方としております。 

 

(4) 対処すべき課題

 ① 成長分野への対応

最新のICT(情報通信技術)分野では、 AI や機械学習の本格導入が始まり、関連市場が成長期に移行しつつあると考えております。当社がHPC事業にて推進している計算科学分野でも、 AI 技術を活用した研究開発活動がさまざまな課題解決に向けて広がりを見せるとともに活発化しています。又、5Gサービスの開始により多くの産業分野や社会基盤に関わるところで本格的なIoTの実現と成長が見込まれており、エッジコンピューティングと親和性の高いCTO事業の拡大が見込まれています。
 このように当社は、最先端のコンピューティング技術を活用したサービス展開を追求しています。そのために、AI、エッジコンピューティングといった最先端のコンピューティングにまつわる技術を関連技術とともに常に捕捉し、新しい技術を研究・獲得し、社内共有することで新たなサービスの開発へと結び付けていく必要があります。

最近ではCTO事業の顧客企業の製造現場においても、AI、特にディープラーニングといった従来であれば HPC事業に属するニーズも出てきております。つまり、AI、ディープラーニングやエッジコンピューティングといった最先端のコンピューティング技術においては、当社の両事業の垣根を越えた体制が必要となる可能性が考えられますので、当社では、まず両事業の技術部門のコミュニケーションの強化を図る方針であります。既にCTO事業の産業用コンピュータの開発段階において、HPC事業のAI等に関する先端技術情報を共有し、産業用コンピュータの開発段階に組込むことでCTO事業の顧客企業の製造現場のニーズに応えております。このように先端技術情報の共有を図り、成長分野における新しい商機への対応を図ってまいります。

 

 ② 優秀な人材の確保

 継続的な成長の原資である人材は、当社にとって、最も重要な経営資源と認識しております。当社の技術開発力やサービス企画力及び販売力を維持し、継続的に発展、強化していくために、優秀な社員を継続的に雇用し、その成長の機会を提供し、かつ事業規模を拡大させていくための人材を獲得する方針であります。

 

   ③ 従業員の意欲、能力の向上

当社は、従業員に対し目標管理制度を導入しております。目標の設定など査定方法を明確化し、従業員の評価の適正化を図るとともに、急速なIT技術の進歩にあわせて、この変革のスピードに対応できるような人材を育成していく体制を整えることも急務であると考えております。今後はそれらを見据え、従業員一人一人への適正な評価、研修の実施や各種資格取得の推奨・補助を行うことを通じて、能力の向上を図っていく方針であります。

 

   ④ 内部管理体制、コーポレート・ガバナンスの充実

 当社では継続的な成長を実現していくために、事業規模に応じた内部管理体制の充実が不可欠であると認識しております。金融商品取引法に基づく財務報告に係る内部統制の評価へ対応すべく、業務の適正性や効率性、財務報告の信頼性の確保に努める必要があります。

今後も事業規模の拡大に合わせ管理部門の一層の強化による内部管理体制の整備を図るとともに、会議体及び職務権限の見直しや各種委員会の設置等、コーポレート・ガバナンスの充実に取り組む方針であります。

 

 ⑤ 認知度の向上

当社は、これまで自社WEBサイトの運営、学会、展示会への出展等を通じて顧客を獲得してまいりました。提供するサービスを顧客企業へ拡販し、当社の成長を実現するためには、当社及び提供するサービスの認知度の向上も必要であると考えております。今後も、費用対効果を見極めながら従前のインターネット、展示会に加えてマスメディア等を活用し、さらなる認知度の向上に努めてまいります。

 

 

2 【事業等のリスク】

本書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。又、必ずしもそのようなリスク要因に該当しない事項につきましても、投資者の投資判断上、重要であると考えられる事項につきまして、投資者に対する積極的な情報開示の観点から以下のとおり記載しております。なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社が判断したものであり、将来において発生の可能性があるすべてのリスクを網羅することを保証するものではありません。

 

(1) 景気動向及び産業動向の変動による影響

企業を取り巻く環境の動きにより、企業の景気による影響を受ける可能性があります。当社のHPC事業は大学官公庁や企業等に科学技術計算用コンピュータを販売しておりますが、顧客の研究開発投資需要等に影響を受けます。又、CTO事業が販売する産業用コンピュータは顧客の設備投資需要等に影響を受けます。そのため、経済情勢の変化に伴い事業環境が悪化し、顧客企業の業績へ悪影響を及ぼした場合、当社の過去の実績にもございましたが、顧客の研究開発に関する投資計画や、設備投資に関する投資計画が縮小し、両事業の売上が減少するなど当社の事業及び業績に影響を与える可能性があります。

 

(2) 内部管理体制

当社は、企業価値の持続的な増大を図るためにはコーポレート・ガバナンスが有効に機能することが不可欠であるとの認識のもと、業務の適正性及び財務報告の信頼性の確保、さらに健全な倫理観に基づく法令順守の徹底が必要と認識しております。当社では内部管理体制の充実に努めておりますが、今後の事業の急速な拡大等により、十分な内部管理体制の構築が追いつかない状況が生じる場合には、適切な業務運営が困難となり、当社の事業及び業績に影響を与える可能性があります。

 

(3) 技術革新への対応

当社の事業領域であるコンピューティング関連市場は全世界で研究開発が進んでおり、技術革新の速度が極めて速いという特徴があります。当社はそうした技術革新に対応できる体制づくりに努めておりますが、今後において技術革新のスピードに適時に対応できない場合、当社の事業及び業績に影響を与える可能性があります。

 

(4) 特定の人物への依存

当社代表取締役である小野鉄平は、当社の事業推進に極めて重要な役割を果たしております。当社では小野鉄平に過度に依存しない事業体制の構築を目指し人材の育成及び強化に注力しておりますが、何らかの理由により小野鉄平が業務執行できない事態となった場合、当社の事業及び業績に影響を与える可能性があります。

 

(5) 特定仕入先への依存

当社のHPC事業の主要仕入先は、米国のSuper Micro Computer,Inc.であります。同社とは代理店契約を締結し、当該契約に基づき安定供給を受けているものの、同社の技術水準の相対的低下に伴う商品力低下等、取引関係が継続困難になった場合には、受注に対する仕入に関し、代替先を探すことになります。代替候補は存在するものの、必要な数量の確保、納期調整、仕入コストの増加等への対応にかかる時間コストが発生する可能性があり、当社の事業及び業績に影響を与える可能性があります。

 

(6) 部品の調達

当社のビジネスにおいて、十分な品質の部品等をタイムリー且つ必要数量入手する事は不可欠であります。急激な部品価格の高騰(例えばメモリー等)や供給不足等が発生した場合、原価上昇リスクや部品確保が困難となり製品出荷の遅延リスクが生じることがあり、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(7) 製品の欠陥等、製造物責任

当社は、製品の品質安定に細心の注意を払っておりますが、予測不能な製品及び使用している部品等の欠陥又は不具合により、納入先顧客から損害賠償を請求される可能性があります。一定額の損害保険に加入し、リスク回避策を講じておりますが、補償額を超える損害が発生した場合には当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(8) 業績の編重

当社の販売動向には次の理由により季節変動があります。科学技術計算用コンピュータの主要顧客は、大学公官庁又は大企業であり、受注が急増する年度末の1月~3月に売上高及び営業利益が集中する傾向にあります。従いまして、四半期会計期間毎の業績について、第3四半期会計期間の比重が高くなる傾向にあります。

なお、2020年6月期の当社の売上高及び営業利益の四半期会計期間毎の推移は、以下のとおりとなります。

 

2020年6月

第1四半期

2020年6月

第2四半期

2020年6月

第3四半期

2020年6月

第4四半期

売上高(千円)

1,236,888

1,122,755

1,578,635

787,009

営業利益(千円)

156,584

94,010

200,187

26,950

 

(注)上記の売上高及び営業利益は、太陽有限責任監査法人の四半期レビューを受けております。

 

(9) 法的規制

当社が事業活動を行うに際して、会社法・金融商品取引法・税法・外為法を含む貿易関連諸法、下請法等の各種法的規制の適用を受けております。当社の事業に関連する法的規制等が新設や改正された場合、当社の現在又は将来の事業活動が大きく制約される可能性や、コストの増加を招く可能性があり、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(10) 減損損失の可能性

当社は、国内に工場や新製品のベンチマーク取得の為のサーバ設備など各種の固定資産を有しております。事業環境の変化等の事由により、これら資産の経済価値が低下し減損処理を行った場合、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(11) 自然災害、事故等

当社では、自然災害、事故等に備え、サーバデータの定期的バックアップ、稼働状況の常時監視等によりトラブルの事前防止又は回避に努めておりますが、大地震等の自然災害が発生した場合、当社設備の損壊や電力供給の制限等の事業継続に支障をきたす事象が発生して、当社の事業及び業績に影響を与える可能性があります。

 

(12) 小規模組織であること

当社は小規模な組織であり、内部管理や業務執行についてもそれに応じた体制となっております。当社では、今後の業容拡大及び業務内容の多様化に対応するため、人員の増強及び内部管理体制や業務執行体制の一層の充実を図っていく方針ではありますが、これらの施策が適時適切に進行しなかった場合には、当社の業績及び事業展開に影響を与える可能性があります。

 

(13) 配当政策

当社は、設立以来配当を実施した実績はありませんが、株主に対する利益還元を重要な経営課題として認識しております。しかしながら、内部留保の充実を図り、将来の事業展開及び経営体質の強化のための投資等に充当し、なお一層の事業拡大を目指すことが、株主に対する最大の利益還元につながると考えております。将来的には、各期の経営成績及び財政状態を勘案しながら株主に対して利益還元を実施していく方針ではありますが、現時点において配当実施の可能性及びその実施時期等については未定であります。

 

(14) 訴訟等

当社では、これまでに訴訟は発生しておりません。しかしながら、将来において当社の取締役、従業員の法令違反等の有無にかかわらず、予期せぬトラブルや訴訟等が発生する可能性は否定できません。係る訴訟が発生した場合には、その内容や賠償金額によって、当社の業績及び事業展開に影響を与える可能性があります。

 

(15) 新株予約権の行使による株式価値の希薄化

当社は取締役、監査役及び従業員に対し、長期的な企業価値向上に対するインセンティブを目的とし、新株予約権を付与しております。これらの新株予約権が行使された場合には、当社の株式が発行され、既存の株主が有する株式の価値及び議決権が希薄化する可能性があります。

 

(16) カントリーリスク/為替変動

当社は製品の大部分を海外から購入しており、主な仕入先は台湾であります。そのため、当該地域に関係する市場リスク、信用リスク及び地政学的リスクや為替レートの大幅な変動等が当社の仕入れに影響を与え、当社の事業及び業績に影響を与える可能性があります。

 

(17) 情報セキュリティ

当社のコンピュータ及びネットワークシステムは、適切なセキュリティ対策を講じて外部からの不正アクセス等を回避するよう努めております。

しかしながら、各サービスへの急激なアクセス増加に伴う負荷や自然災害等に起因するデータセンターへの電力供給の停止等、予測不可能な要因によってシステムが停止した場合や、コンピュータ・ウイルスやハッカーの侵入によりシステム障害が生じた場合には、当社の事業及び業績に影響を与える可能性があります。

 

(18) 新型コロナウイルス感染症の影響

当社は新型コロナウイルス感染症に関し、衛生管理を徹底し、在宅勤務の推進や出張・イベントの中止等、柔軟かつ迅速に対応して事業活動を継続しておりますが、役員・従業員に万が一感染者が出た場合、事業所の閉鎖やそれに伴う事業の停止等の対応を与儀なくされる可能性があります。

又、新型コロナウイルス感染症の流行が長期化した場合には、景気後退により顧客の事業活動の停止、設備投資の延期や抑制等が生じ、当社の事業及び業績に影響を与える可能性があります。

 

 

2 【沿革】

 当社は、2006年9月にHPC事業の源流となる株式会社エッチ・アイ・ティー及びCTO事業の源流となるプロサイド株式会社から分社型吸収分割を行い、実質的な事業を開始いたしました。

年月

概要

2006年3月

有限会社ハンズオンを東京都板橋区に設立

2006年7月

有限会社ハンズオンを株式会社へ組織変更

商号をHPCシステムズ株式会社に変更し、東京都江東区に移転

2006年9月

株式会社エッチ・アイ・ティー及びプロサイド株式会社から、分社型吸収分割により組織再編を行いHPC事業及びCTO事業を開始

2009年11月

西日本営業所を京都市下京区七条通に開設

2011年7月

西日本営業所を京都市下京区烏丸通に移転

2011年10月

本社を東京都港区に移転

2016年7月

台湾支店を新北市に開設

2017年6月

ヤフー株式会社へ納品したディープラーニング活用に特化した省エネ性能の高いスーパーコンピュータ(以下、スパコン)「kukai(クウカイ)」が、スパコンの省エネ性能ランキング「GREEN500」において世界第2位を獲得

2019年9月

東京証券取引所マザーズに株式を上場

2020年3月

名古屋営業所を名古屋市中区に開設

2020年5月

現地法人 Intelligent Integration Company Limited をベトナム ハノイ市に設立
(2020年7月より事業開始)(現、非連結子会社)

 

 

(5) 【所有者別状況】

 

 

 

 

 

 

 

2020年6月30日現在

区分

株式の状況(1単元の株式数 100 株)

単元未満
株式の状況
(株)

政府及び
地方公共
団体

金融機関

金融商品
取引業者

その他の
法人

外国法人等

個人
その他

個人以外

個人

株主数(人)

9

30

85

17

6

4,209

4,356

所有株式数
(単元)

8,563

4,235

8,051

4,235

12

16,078

41,174

1,600

所有株式数
の割合(%)

20.79

10.29

19.55

10.29

0.03

39.05

100.00

 

(注) 1.自己株式はございません。

2.2019年6月17日開催の取締役会決議により、2019年7月10日付で1単元を100株とする単元株制度を採用しております。

 

3 【配当政策】

当社は、成長に応じた利益還元を重要な経営課題であると認識しております。

当社の剰余金の配当は、中間配当及び期末配当の年2回を基本的な方針としております。配当の決定機関は、中間配当は取締役会、期末配当は株主総会であります。なお、当社は会社法第454条第5項に基づき、取締役会決議により毎年12月31日を基準日として中間配当を行うことができる旨を定款に定めております。

現在、当社は成長過程にあり、一層の業容拡大を目指していることから、内部留保した資金については、優先的に人材の確保、設備強化等の重要な事業投資に充て、当社の競争力の強化による将来の収益力向上や効率的な体制整備に有効に活用するため、会社設立以来、配当を実施しておりません。

今後の事業展開、事業計画の進捗状況等を踏まえ、株主への利益還元を検討してまいりますが、現時点においては配当実施の可能性、実施時期については未定であります。

 

 

(2) 【役員の状況】

 

① 役員一覧

男性11名 女性―名(役員のうち女性の比率―%)

役職名

氏名

生年月日

略歴

任期

所有株式数
(株)

代表取締役

小野 鉄平

1974年1月5日

2000年8月

State Street Bank and Trust
Company 入行

2004年11月

精傑電子科技股份有限公司 設立
董事長兼総経理

2006年5月

プロサイド株式会社 入社

2006年9月

当社設立により当社に移籍

当社コーポレート本部長兼CFO

2007年2月

当社生産技術本部長兼CFO

2007年12月

当社代表取締役 就任

2012年11月

当社取締役会長 就任

2012年12月

株式会社アドテック(現 株式会社AKIBA
ホールディングス)代表取締役社長就任

2015年6月

同社代表取締役社長を辞任

2015年9月

当社代表取締役 就任(現任)

(注)3

98,000

取締役
HPC事業部長

長谷川 真樹

1972年1月11日

1990年4月

株式会社テクノサービス 入社

1992年2月

株式会社東洋装備 入社

1994年4月

株式会社ルナビルメンテナンス 入社

2000年10月

株式会社エッチ・アイ・ティー 入社

2006年9月

当社設立により当社に移籍

2008年9月

当社HPC事業部長

2009年7月

当社SEサービス&サポート本部長

2010年6月

当社取締役HPC事業部長(現任)

(注)3

26,500

取締役
CTO事業部長

関 浩行

1971年7月4日

1993年4月

株式会社亢建築事務所 入所

2003年6月

バリオセキュア株式会社 入社

2004年6月

プロサイド株式会社 入社

2006年9月

当社設立により当社に移籍

2008年5月

当社事業統括本部営業統括責任者

2008年12月

当社CTO事業部長

2009年7月

当社CTO営業本部長

2010年7月

当社CTO事業部長

2012年6月

当社取締役CTO事業部長

2012年11月

当社代表取締役 就任

2015年9月

当社代表取締役退任、取締役CTO事業
部長(現任)

(注)3

取締役
HPC事業部
営業統括

齋藤 正保

1972年9月13日

1997年4月

スカイコート株式会社 入社

1999年4月

サンワ株式会社 入社

2005年12月

株式会社エッチ・アイ・ティー 入社

2006年9月

当社設立により当社に移籍

2009年11月

当社西日本営業所長

2014年9月

当社HPC営業グループ統括兼西日本
営業所長

2015年9月

当社取締役HPC事業部営業グループ
統括兼西日本営業所長

2018年6月

当社取締役HPC事業部営業統括 (現任)

(注)3

25,000

取締役
管理部長

下川 健司

1967年10月3日

1991年4月

株式会社タダノ 入社

2001年4月

監査法人トーマツ 入所(現 有限責任
監査法人トーマツ)

2006年8月

株式会社PTP 入社

2009年1月

当社入社 コーポレート本部 ゼネラル
マネージャー

2015年2月

当社IPO準備室長兼任

2018年9月

当社取締役管理部長(現任)

(注)3

12,500

 

 

役職名

氏名

生年月日

略歴

任期

所有株式数
(株)

取締役
CTO事業部
営業統括

新井 一善

1976年11月7日

1998年10月

マウスコンピュータージャパン株式
会社(現 株式会社マウスコンピュー
ター)入社

2002年4月

株式会社エンライズ 入社

2004年4月

株式会社MCJ 入社

2010年2月

当社入社

2019年6月

当社CTO事業部営業グループ ゼネラル
マネージャー

2019年9月

当社取締役CTO事業部営業統括(現任)

(注)3

取締役
(注)1

古屋 和彦

1953年4月16日

1977年4月

富士写真フイルム株式会社(現 富士
フイルム株式会社) 入社

1990年7月

同社主任研究員

1999年10月

同社研究部長 解析研究室長

2004年4月

同社R&D統括本部 先進研究所 解析技術
センター長

2006年4月

同社R&D統括本部 解析技術センター長

2007年6月

同社執行役員 R&D統括本部 先進研究所
解析技術センター長

2008年6月

富士フイルムホールディングス株式
会社 執行役員 解析基盤技術研究
所長兼任

2013年6月

同社取締役 執行役員 R&D統括本部
知的財産本部長

2014年6月

同社取締役 執行役員 知的財産本部長

2017年6月

同社嘱託

2018年9月

当社取締役 (現任)

(注)3

取締役
(注)1

タウ レン
(Tau Leng)

1958年2月8日

1983年9月

Information Center, Ministry of
Justice, Taiwan 入省

1999年5月

Dell Computer Corporation (現 Dell
Inc.) Lead Engineer of HPC

2000年5月

同社 HPC Product Development

Engineering Manager

2004年4月

Super Micro Computer,Inc.

Director of HPC

2006年4月

同社 VP / GM of HPC, System

Validation, & Corp. Marketing

2009年3月

Server System Infrastructure Forum

Vice-Chair & Board Director

2016年12月

Super Micro Computer,Inc.

SVP of Technology(現任)

2018年7月

Storage Networking Industry

Association Board Director

2018年9月

当社取締役(現任)

(注)3

常勤監査役

末松 孝規

1950年3月16日

1974年4月

日産自動車株式会社 入社

2000年7月

石川島播磨重工業株式会社(現 株式会社IHI)への航空宇宙事業譲渡に伴い同社へ移籍

2000年7月

株式会社アイ・エイチ・アイ・エア
ロスペース(現 株式会社IHIエアロ
スペース)出向

2003年2月

石川島興業株式会社(現 株式会社
IHIビジネスサポート)出向

2004年4月

同社富岡事業所 所長

2010年10月

同社監査部 部長

2015年4月

当社入社

2016年10月

当社内部監査室 室長

2017年12月

当社常勤監査役(現任)

(注)4

1,000

 

 

役職名

氏名

生年月日

略歴

任期

所有株式数
(株)

監査役
(注)2

和氣 隆

1951年11月22日

1974年4月

東京国税局 入庁

1990年7月

神田税務署 法人課税部門統括官

1992年7月

日本橋税務署 国際税務専門官

1995年7月

東京国税局調査部 主査

1999年7月

東京国税局調査部 国際税務専門官

2001年7月

東京国税局調査部 総括主査

2005年7月

東京国税局調査部 特別国税調査官

2008年7月

東京国税局調査部 統括官

2012年8月

和氣隆税理士事務所開設(現任)

2017年1月

当社監査役(非常勤)(現任)

2019年4月

株式会社能作 監査役(非常勤)(現任)

(注)4

監査役
(注)2

一柳 宣男

1944年3月20日

1962年4月

東京急行電鉄株式会社(現 東急株式
会社) 入社

1971年4月

株式会社ニッポンレンタカー東急 出向

2002年6月

同社取締役

2010年4月

イッツ・コミュニケーションズ株式
会社 顧問

2010年4月

東京急行電鉄株式会社(現 東急株式
会社) シニアアドバイザー

2011年9月

ニッポンメンテナンスシステム株式
会社 監査役

2017年1月

当社監査役(非常勤)(現任)

(注)4

163,000

 

 

 (注) 1.取締役古屋和彦及びタウレンは、社外取締役であります。

2.監査役和氣隆及び一柳宣男は、社外監査役であります。

3.取締役の任期は、2019年7月10日開催の臨時株主総会の時から、2021年6月期に係る定時株主総会の終結の時までであります。

4.監査役の任期は、2019年7月10日開催の臨時株主総会の時から、2023年6月期に係る定時株主総会の終結の時までであります。

 

② 社外役員の状況

   当社の社外取締役は2名、社外監査役は2名であります。

当社は、経営監視機能の客観性及び中立性を確保することを目的として、社外取締役及び社外監査役について、高い専門性及び見識等を有している者を選任することで、当社経営の透明性確保とコーポレート・ガバナンス体制の強化が図られていると判断しております。

社外取締役古屋和彦は、HPC事業に係る技術、特に計算化学分野の技術的な知見に精通していることから、社外取締役として適任であると判断しております。なお、当社と社外取締役古屋和彦との間には、人的関係、資本的関係又は取引関係その他の利害関係はありません。

社外取締役タウレンは、HPC事業に係る技術的な知見に精通していることから、社外取締役として適任であると判断しております。なお、当社と社外取締役タウレンとの間には、人的関係、資本的関係又は取引関係その他の利害関係はありません。

社外監査役和氣隆は、税理士として企業会計に精通し、その専門家としての豊富な経験、財務及び会計に関する高い知見を有していることから、社外監査役として適任であると判断しております。なお、当社との間で人的関係、資本的関係又は取引関係その他の利害関係はありません。

社外監査役一柳宣男は、企業経営の管理における豊富な経験と幅広い見識があり、経営監視機能の客観性及び中立性を有していることから、社外監査役として適任であると判断しております。なお、当社との間で人的関係、資本的関係又は取引関係その他の利害関係はありません。

当社においては、 社外取締役及び社外監査役を選任するための独立性判断基準を定めております。選任にあたっては、この基準を踏まえ、一般株主と利益相反の生じるおそれがない独立した立場にあることを前提として、当社の事業に関連する業界等において経営等に係る豊富な経験や幅広い見識により、当社の経営に対する積極的な助言と監督ができる人を選任することとしております。

 

 

③ 社外取締役又は社外監査役による監督又は監査と内部監査、監査役監査及び会計監査との相互連携並びに内部統制部門との関係

社外取締役による監督と内部監査、会計監査との関係は、社外取締役が取締役会等重要な議事事項の含まれる会議に出席し、経営状況の監督を行っております。又、客観的な立場から経営を監視する機能を担えるように監査役会、内部監査室及び会計監査人と相互に情報交換及び意見交換を行う体制をとっております。

 

 

4 【関係会社の状況】

   該当事項はありません。

 

 

【製造原価明細書】

 

 

 

前事業年度

(自  2018年7月1日

至  2019年6月30日)

当事業年度

(自  2019年7月1日

至  2020年6月30日)

区分

注記
番号

金額(千円)

構成比
(%)

金額(千円)

構成比
(%)

Ⅰ  材料費

 

3,848,403

98.2

2,997,283

97.4

Ⅱ  労務費

 

42,970

1.1

49,470

1.6

Ⅲ  経費

※1

25,899

0.7

30,812

1.0

    当期総製造費用

 

3,917,274

100.0

3,077,566

100.0

    期首仕掛品たな卸高

 

168,638

 

164,375

 

合計

 

4,085,913

 

3,241,941

 

    期末仕掛品たな卸高

 

164,375

 

82,345

 

    他勘定振替高

※2

34,221

 

37,360

 

    当期製品製造原価

※3

3,887,316

 

3,122,235

 

 

 

(注)  ※1  主な内訳は、次のとおりであります。

項目

前事業年度(千円)

当事業年度(千円)

派遣人員費用

11,081

13,840

水道光熱費

2,949

2,969

減価償却費

1,513

1,432

 

 

※2  他勘定振替高の内容は、次のとおりであります。

項目

前事業年度(千円)

当事業年度(千円)

機械及び装置

32,821

36,345

消耗品費

1,400

1,015

34,221

37,360

 

 

 

 

※3  当期製品製造原価と売上原価の調整表

区分

前事業年度(千円)

当事業年度(千円)

当期製品製造原価

3,887,316

3,122,235

期首製品たな卸高

96,588

33,695

合計

3,983,905

3,155,930

期末製品たな卸高

33,695

3,919

製品売上原価

3,950,209

3,152,010

その他原価 ※4

47,650

22,695

売上原価

3,997,860

3,174,706

 

 

(原価計算の方法)

  当社の原価計算は、個別原価計算による実際原価計算であります。

 

    ※4  主な内訳は、次のとおりであります。

項目

前事業年度(千円)

当事業年度(千円)

外注費

44,048

8,807

 

 

※1  販売費に属する費用のおおよその割合は前事業年度12%、当事業年度11%、一般管理費に属する費用のおおよその割合は前事業年度88%、当事業年度89%であります。
 販売費及び一般管理費のうち主要な費目及び金額は次のとおりであります。

 

 

前事業年度

(自  2018年7月1日

至  2019年6月30日)

当事業年度

(自  2019年7月1日

至  2020年6月30日)

給料及び手当

358,211

千円

365,054

千円

減価償却費

51,148

44,497

賞与引当金繰入額

85,625

68,671

役員賞与引当金繰入額

31,327

19,238

製品保証引当金繰入額

2,946

7,607

 

 

1 【設備投資等の概要】

当事業年度において実施した設備投資の総額は、51,440千円となっております。その主な内容は、HPC事業において実施しております新製品のベンチマーク取得を目的としたベンチマーク取得用サーバ等への設備投資40,037千円を実施いたしました。

   

株価(1年)
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PER(1年/会予)
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その他企業情報

企業価値9,741 百万円
純有利子負債-721 百万円
EBITDA・会予558 百万円
発行済株数4,119,000 株
設備投資額51 百万円
減価償却費53 百万円
のれん償却費N/A
研究開発費11 百万円
代表者代表取締役 小野 鉄平
資本金200 百万円
住所東京都港区海岸三丁目9番15号
会社HPhttps://www.hpc.co.jp/