1年高値14,370 円
1年安値8,435 円
出来高492 千株
市場東証1
業種電気機器
会計IFRS
EV/EBITDA10.1 倍
PBR2.2 倍
PSR・会予0.8 倍
ROA5.4 %
ROIC11.6 %
β1.08
決算3月末
設立日1935/6/20
上場日1949/5/14
配当・会予200 円
配当性向22.5 %
PEGレシオ-17.7 倍
売上高(百万円)&収益性(%)
売上5y CAGR・予想:-5.4 %
利益(百万円)
営利5y CAGR・予想:13.3 %
純利5y CAGR・予想:16.0 %
EPS(円) BPS(円)
配当(円)
健全性(%、倍)
セグメント別売上
セグメント別営業利益
セグメント別利益率
会社の詳細

3【事業の内容】

 当社及び子会社398社(うち連結子会社391社)は、ICT(Information and Communication Technology)分野において、各種サービスを提供するとともに、これらを支える最先端、高性能かつ高品質のプロダクト及び電子デバイスの開発、製造、販売から保守運用までを総合的に提供する、トータルソリューションビジネスを行っております。主要ビジネスである「テクノロジーソリューション」については、当社が中心となって、また、「ユビキタスソリューション」、「デバイスソリューション」については、当社の連結子会社である富士通アイソテック㈱や富士通セミコンダクター㈱が中心となって、グループ各社とともに最先端のテクノロジーを駆使した製品の開発、製造及び販売並びにサービスの提供を行っております。

 各セグメントの主要な製品及びサービスの内容並びに関連会社(60社)を含めた当社及び関係会社各社の位置付け(2020年3月31日現在)は以下のとおりです。

 

〔テクノロジーソリューション〕

主要製品・サービスの内容: ・システムインテグレーション(システム構築、業務アプリケーション等)

コンサルティング

・フロントテクノロジー(ATM、POSシステム等)

アウトソーシングサービス

 (データセンター、ICT運用管理、アプリケーション運用・管理、

  ビジネスプロセスアウトソーシング等)

・クラウドサービス(IaaS、PaaS、SaaS等)

・ネットワークサービス(ビジネスネットワーク等)

・システムサポートサービス

 (情報システム及びネットワークの保守・監視サービス等)

・セキュリティソリューション

・各種サーバ(メインフレーム、UNIXサーバ、基幹IAサーバ、PCサーバ等)

ストレージシステム

各種ソフトウェア(OS、ミドルウェア)

ネットワーク管理システム

・光伝送システム

・携帯電話基地局

取り扱う主な会社    :当社

(子会社)

富士通フロンテック㈱、㈱富士通ITプロダクツ、富士通テレコムネットワークス㈱、

㈱富士通アドバンストエンジニアリング、㈱富士通九州システムズ、

㈱富士通総研、Ridgelinez㈱、㈱富士通ソーシアルサイエンスラボラトリ、

㈱富士通ビー・エス・シー、㈱富士通マーケティング、富士通エフ・アイ・ピー㈱、㈱富士通エフサス、富士通ネットワークソリューションズ㈱、㈱PFU

Fujitsu Network Communications, Inc.、Fujitsu Services Holdings PLC、

Fujitsu America, Inc.、Fujitsu Australia Limited、

Fujitsu Technology Solutions (Holding) B.V.、

Fujitsu Asia Pte. Ltd. 等

 

〔ユビキタスソリューション〕

主要製品・サービスの内容: ・パソコン

取り扱う主な会社    :当社

(子会社)

㈱トランストロン、富士通アイソテック㈱、㈱富士通パーソナルズ

Fujitsu Technology Solutions (Holding) B.V.  等

〔デバイスソリューション〕

主要製品・サービスの内容: ・LSI

・電子部品

 (半導体パッケージ、電池等)

取り扱う主な会社    :(子会社)

富士通セミコンダクター㈱、新光電気工業㈱、FDK㈱ 等

 

 上記の他、㈱富士通研究所が情報システム、通信システム及び電子デバイスに関する研究開発を行っております。

 また、関連会社の事業の内容については以下のとおりです。

 

名称

事業の内容

㈱富士通ゼネラル

空調機、情報通信機器及び電子デバイス製品の開発、製造及び販売並びにサービスの提供

富士通リース㈱

情報処理機器、通信機器等の賃貸及び販売

㈱ソシオネクスト

SoCの設計、開発及び販売並びにサービスの提供

富士通コネクテッドテクノロジーズ㈱

携帯端末の開発、製造及び販売

富士通クライアントコンピューティング㈱

ノートパソコン、デスクトップパソコン等の開発、設計、製造及び販売

富士通コンポーネント㈱

電子部品及び電子機器の開発、製造及び販売

富士通エレクトロニクス㈱

LSI及び関連ソフトウェアの設計及び開発並びに電子デバイスの販売

 

 当社及び関係会社の状況を事業系統図で示すとおおむね以下のとおりです(2020年3月31日現在)。

 

(画像は省略されました)

(持分法適用関連会社)

㈱富士通ゼネラル、富士通リース㈱、㈱ソシオネクスト、富士通コネクテッドテクノロジーズ㈱、

富士通クライアントコンピューティング㈱、富士通コンポーネント㈱、富士通エレクトロニクス㈱等

 

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要、経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

当連結会計年度における当社及び連結子会社並びに持分法適用会社(以下、当社グループ)の経営成績、財政状態及びキャッシュ・フローの状況の概要、経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次の通りです。なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末(2020年3月31日)現在において判断したものです。

文中において、当連結会計年度は当年度、前連結会計年度は前年度と、省略して記載しています。

 

① 当社グループの課題及び取り組み

当社グループは、IT企業からDX企業への変革を目指し、DXビジネスおよびDXビジネスに向けたモダナイゼーションやデータの分析・可視化、システム運用の効率化などを含む「デジタル領域」を成長ドライバーと位置付け、市場の成長を取り込んで事業を拡大します。同時に、企業の業務の中核部分に関わる大規模な基幹システムの構築や、その運用サービスの提供を中心とする「従来型IT領域」に関しても、これまで築いてきた国内の強固な顧客基盤を軸に事業規模を維持するとともに、さらなる収益性の強化を図る方針です。このような事業方針のもと、当社グループは2022年度にコア事業のテクノロジーソリューション(*1)で売上収益3兆5,000億円、営業利益率10%の達成を中期経営目標として掲げています。

(*1:「テクノロジーソリューション」に「その他及び消去又は全社」を加味した値)

 

テクノロジーソリューション(*1)の2019年度は年初時点で、売上収益3兆1,500億円、営業利益1,450億円、営業利益率4.6%を計画していました(*2)。結果は、売上収益3兆1,632億円、営業利益1,878億円、営業利益率5.9%といずれも計画を上回ることができました(*2)。テクノロジーソリューションへの経営資源の集中を進める事でコア事業の売上収益は確実に伸長し、採算性を改善することができました。キャッシュやバランスシートの観点でも健全な財務基盤の構築を進めており、事業環境変化への対応力は確実に強化されています。2019年度は、中期経営目標達成に向けた初年度として、順調なスタートを切ることができました。

(*2:ビジネスモデル変革費用などの特殊事項を除く本業ベース)

 

収益性向上を実現するためのメインエンジンは、国内サービスだと考えています。盤石な顧客基盤を維持・強化し一層のシェア拡大を図ると同時に、コスト削減も進めています。サービスデリバリーの競争力をさらに高めるカギはオフショア開発拠点であるグローバルデリバリーセンター(以下、GDC)です。GDCの活用を通じ、サービスビジネスの開発・運用コストの削減をさらに進めると同時に、当社グループのナレッジを集約することで、単なるローコスト開発センターではなく、付加価値を提供するグローバルビジネスの要として高度化を進めています。2022年までに2万人体制まで拡大し、GDCの業務範囲についても、従来のアプリケーション開発から、設計・運用フェーズを含むITシステムのライフサイクル全般に拡大する取り組みを進めています。また、従来システムエンジニアが行っていた開発や運用に関わる作業も見直し、プロセスのテンプレート化を進めるほか、AI(Artificial Intelligence)やRPA(Robotic Process Automation)の活用による自動化を推進しています。

ネットワークビジネスでは、DXのインフラを支える5G(第5世代移動通信システム)に注力し、基地局制御装置および無線装置についてはいち早く国内通信キャリア向けの供給を開始するとともに、5Gソリューションの実証のためのお客様やパートナーとのコラボレーションラボを自社施設内に構築しました。

社内改革も進めています。グローバル視点で人材活用が可能な体制に変更するため、国・組織を超えたクロスボーダーな成長機会を提供するジョブ型人事制度を導入するとともに、市場価値に照らして柔軟に報酬設計を行うことで専門性の高い人材を獲得する高度人材処遇制度についても拡充を図っています。

 

収益性の改善が課題となっている海外のインフラサービスビジネスにおいては、効率的なデリバリーを行うため、GDCを核に欧州のサービスデリバリー体制を一本化しました。また、欧州及び北米地域ではビジネスモデル改革を実施しました。欧州では、サービスの展開に必要なパソコンやサーバ等を製造するドイツのアウグスブルグ工場について、その機能を外部の製造受託会社へ移管するなど2020年9月の生産終了に向けて手続きを進めるとともに、採算性の低い国・地域からの撤退をほぼ完了しました。北米では採算性の低いプロダクトビジネスからの撤退や、リテールビジネスでのグループ内の重複を解消し、サービスビジネスを強化して収益性を高める決定を行いました。

 

デジタル領域での成長を担う新たなフォーメーションとして、お客様のDXを実現する「Ridgelinez株式会社(以下、リッジラインズ)」を設立しました。リッジラインズは、お客様が抱える経営課題や事業課題など、本質的・根源的な課題解決にお客様視点で取り組むとともに、国内外の幅広い企業とのパートナーアライアンスにより、当社グループの製品やサービスにとどまらない最適なテクノロジーによるDXを支援します。

また、当社グループの中長期戦略の策定・実行を支援するシンクタンクとして、「株式会社富士通フューチャースタディーズ・センター(以下、FFSC)」を設立しました。FFSCは、当社グループが最先端のサービスをお客様に提供しながらグローバルに成長するために必要な国際情勢や先端テクノロジーの動向を横断的に調査・分析し、当社グループの中長期戦略の策定・実行を支援します。

さらに、当社グループが得意とする日本市場に根差したビジネスを強化するため、全国の自治体、医療  機関、教育機関ならびに民需分野の準大手、中堅・中小企業をターゲットとして、お客様が抱えるICTの高度化や地域の社会課題を解決し、国内市場で圧倒的な地位を確立するための新会社を発足します。

 

新型コロナウイルス感染症により、2019年度は、売上収益で約160億円、営業利益で約50億円のマイナス影響がありました。主として、ものづくりやデリバリーに関して、テクノロジーソリューションに含まれるネットワーク事業やシステムプロダクト事業の部材調達に支障が生じたほか、アジアにおいて物流停滞等による納品遅延が発生しました。

新型コロナウイルス感染症の収束時期は不透明な状況にありますが、グローバルな経済活動は2020年度後半以降緩やかに回復するものと想定しています。一方、当社グループの経営成績等に与える影響額につきましては、新型コロナウイルス感染症の影響が各国・地域や業種・業態によって異なるため、現時点で合理的に見積もることは困難であると考えています。

当社グループは、約5千億円の水準の手元流動性を有し、追加の資金調達余力も含めると、緊急の資金需要に対応するのに十分な支払能力を有しています。また、自己資本比率は約40%と、十分な自己資本を有しています。これら健全な財務基盤により、新型コロナウイルス感染症に対し短期的にも中長期的にも資金繰り等の大きな問題はないと考えています。

 

② 経営成績

    <要約連結損益計算書>                                                                        (億円)

 

前年度

(自 2018年4月 1日

至 2019年3月31日)

当年度

(自 2019年4月 1日

至 2020年3月31日)

 

前年度比

 

 

増減率

(%)

 

売上収益

39,524

38,577

 

△946

△2.4

売上原価

△28,798

△27,484

 

1,314

△4.6

売上総利益

10,725

11,093

 

367

3.4

販売費及び一般管理費

△9,333

△8,646

 

686

△7.4

その他の損益

△89

△331

 

△241

270.0

営業利益

1,302

2,114

 

812

62.4

金融損益

89

22

 

△66

△74.4

持分法による投資利益

226

147

 

△78

△34.6

税引前利益

1,617

2,285

 

667

41.3

法人所得税費用

△510

△682

 

△171

33.6

非支配持分に帰属する当期利益

61

2

 

△58

△95.4

親会社の所有者に帰属する当期利益

1,045

1,600

 

554

53.1

 

(ご参考)財務指標                                                               (億円)

 

前年度

当年度

 

前年度比

売上総利益率

27.1%

28.8%

 

1.7%

営業利益率

3.3%

5.5%

 

2.2%

ROE(注1)

9.4%

13.5%

 

4.1%

(注1)ROE :親会社の所有者に帰属する当期利益÷{(期首の親会社の所有者に帰属する持分合計(自己資本)

+期末の親会社の所有者に帰属する持分合計(自己資本))÷2}

 

(ご参考)期中平均レート

 

前年度

当年度

 

前年度比

米国ドル/円

111円

109円

 

△2円

ユーロ/円

128円

121円

 

△7円

英国ポンド/円

146円

138円

 

△8円

ユーロ/米国ドル

1.16ドル

1.11ドル

 

△0.05ドル

 

 

(ⅰ)売上収益

当年度の売上収益は3兆8,577億円と、前年度から946億円、2.4%の減収となりました。デバイス事業における再編で半導体三重工場が連結対象外となったことなど再編による減収影響が約1,820億円、ドル、ユーロ、ポンドが円高に推移したことによる減収影響が477億円ありました。これらを除く実ビジネスベースでは、1,352億円、3.6%の増収となりました。当社のコア事業であるテクノロジーソリューションが、国内サービスを中心に前年度第4四半期からの好調を1年間継続し増収となりました。製造や流通分野で引き続き伸長し、自治体やヘルスケア分野も好調に推移したほか、官公庁向け等の大型商談も前年を上回る水準となりました。また、大型メインフレーム関連の商談が増加したほか、5Gビジネスの本格化に伴う携帯電話基地局や光伝送網の増強によりネットワークビジネスが増収となりました。パソコンビジネスにおいてもWindows7のサポート期限終了に伴う買い替え需要などに支えられて増収となりました。

 

当年度の米国ドル、ユーロ及び英国ポンドの平均為替レートはそれぞれ109円、121円、138円と、前年度に比べてドルが2円、ユーロが7円、英国ポンドが8円の円高となりました。為替レートの変動により前年度比で477億円の売上収益の減少影響がありました。米国ドルで74億円、ユーロで257億円、英国ポンドで145億円の影響がありました。

海外売上比率は31.8%と、前年度比4.5ポイント低下しました。為替が円高に推移したことに加え、欧州で採算性の低い拠点を閉鎖した影響がありました。

 

(ⅱ)売上原価、販売費及び一般管理費、その他の損益並びに営業利益

当年度の売上原価は2兆7,484億円で、売上総利益は1兆1,093億円、売上総利益率は前年度から1.7ポイント上昇し、28.8%になりました。

販売費及び一般管理費は8,646億円と、前年度比で686億円減少しました。前年度末に実施したリソースシフトによる固定費削減効果で約200億円、半導体事業の販売子会社や製造子会社が連結除外になった影響で約270億円減少しました。販売費及び一般管理費に含まれる研究開発費については1,233億円と、前年度比で116億円減少しました。次世代スーパーコンピュータ「富岳」の開発が終了し量産体制に移行した影響がありました。研究開発費の売上収益に対する比率は3.2%となりました。

その他の損益は331億円の損失と、前年度比で241億円悪化しました。事業再編等に関する一時的な損益として137億円の損失を計上しました。ビジネスモデル変革費用234億円を計上する一方で事業譲渡に関する利益として96億円を計上しました。ビジネスモデル変革費用の主な内訳は、電子部品事業やシステムプロダクト事業の生産体制効率化など国内工場の再編に関する費用が152億円、北米事業におけるサービスビジネスの強化やプロダクト事業からの撤退、リテール事業の再編などに関する費用が82億円です。事業譲渡に関する利益には、前年度のパソコン事業譲渡に関するアーンアウト条項による利益や三重工場の譲渡に関連する利益などが含まれています。この他、その他損益には有形固定資産などの減損損失を計上しています。システムプロダクト事業の国内工場再編及び北米事業の再編は、当年度に方針を決定し損失引当を行いました。実際の構造改革は2020年度に実行し、効果は2021年度以降に享受出来る計画です。また、欧州のビジネスモデル変革は計画通り進めています。低採算国からの撤退やアウグスブルグ工場の閉鎖等、各プログラムを2020年度上期に完了するよう進めており、効果についてはそれ以降に享受する計画です。

この結果、営業利益は2,114億円と、前年度比で812億円の増益となりました。営業利益率は5.5%と、前年度から2.2%の上昇です。営業利益率が5%を超えたのは、1995年度以来となります。ビジネスモデル変革費用などの特殊事項を除くベースでは、前年度から849億円の増益です。国内ビジネスの増収効果で375億円、採算性改善で324億円、費用効率化等で150億円の増益となりました。ソリューション/SIでの開発効率化や国内のインフラサービスでの保守、運用サポートの効率化、システムプロダクトやユビキタスでのキーデバイスの価格低下によるコストダウン効果を中心に採算性改善が進みました。また、為替のマイナス影響がありましたが、間接人員のリソースシフトによる固定費圧縮効果が寄与しました。

 

為替レートの変動による営業利益への影響は前年度比で約38億円のマイナスと軽微でした。円高によりパソコンやサーバなどのプロダクト製品における米国ドル建部材の調達コストが低下しましたが、電子部品における米国ドル建の輸出売上が減少し、為替変動による影響はほぼ相殺されました。当年度の為替レートが1円円高に変動した場合の営業利益への影響額は、米国ドルが約12億円のプラス、ユーロが約1億円のマイナス、英国ポンドが影響無しとなりました。また、一部の欧州拠点では、米国ドルに対しユーロが変動した場合、米国ドル建の部材調達コストが変動する影響があります。当年度のユーロ/米国ドルの為替レートは1.11と、前年度に比べて0.05ユーロ安となりました。為替変動による損益影響は限定的でした。

 

当年度の新型コロナウイルスに関連した事業への影響額は、売上収益で約160億円のマイナス、営業利益で約50億円のマイナス影響が生じました。ネットワーク中心に、システムプラットフォームの部材調達に支障が生じたことに加え、アジアにおいても物流停滞等による納品遅延が発生しました。

 

(ⅲ)金融損益、持分法による投資利益及び税引前利益

金融収益と金融費用をあわせた金融損益は22億円の利益と、前年度比で66億円の悪化となりました。持分法による投資利益は147億円と、前年度比で78億円の悪化です。前年度に計上したパソコン事業の譲渡に関する一時的な利益116億円の反動による影響がありました。

税引前利益は2,285億円と、営業利益の増益などにより前年度比で667億円の増益となりました。

 

(ⅳ)法人所得税費用、当期利益及び親会社の所有者に帰属する当期利益

当期利益は1,603億円と、前年度比で496億円の増益となりました。当期利益のうち、親会社の所有者に帰属する当期利益は1,600億円の利益で前年度から554億円の増益、非支配持分に帰属する金額は2億円の利益で前年度から58億円の悪化となりました。法人所得税費用は682億円と、課税所得の増加により前年度比で171億円増加しました。税引前利益の利益額に対する税負担率は、前年度の31.6%から当年度は29.9%となりました。

 

親会社の所有者に帰属する当期利益を親会社の所有者に帰属する持分(自己資本)で除して算定したROEは13.5%となりました。親会社の所有者に帰属する当期利益の増加により、前年度比4.1ポイント上昇しました。

 

当年度の親会社の所有者に帰属する当期利益は1,600億円となりました。2019年度の利益及びキャッシュ・フローの拡大など財務状況の改善を踏まえ、事業環境なども総合的に勘案し、株主還元の充実と資本効率の向上を図るため、当年度の1株あたり年間配当は180円と前年度から年間で30円増額(*)するとともに、500億円の自己株式取得枠を設定し299億円取得しました。この結果、配当に自己株式取得を加えた総還元性向は41.5%となりました。

(*:2018年10月1日付で当社普通株式10株につき1株の割合で株式併合を行っています。前年度からの増配額は、当該株式併合の影響を考慮した金額を記載しています。)

 

(ⅴ)税引後その他の包括利益及び当期包括利益

税引後その他の包括利益は99億円のプラスとなりました。当期利益と税引後その他の包括利益をあわせた当期包括利益は1,703億円のプラスとなりました。当期包括利益のうち、親会社の所有者に帰属する当期包括利益は1,713億円のプラス、非支配持分に帰属する当期包括利益は10億円のマイナスとなりました。

 

(ⅵ)セグメント情報

当社グループは、経営組織の形態、製品・サービスの特性及び販売市場の類似性に基づき、複数の事業セグメントを集約した上で、「テクノロジーソリューション」、「ユビキタスソリューション」及び「デバイスソリューション」の3つを報告セグメントとしています。また、報告セグメントに含まれない事業セグメントとして、次世代スーパーコンピュータ事業、次世代クラウド事業、当社グループ会社向け情報システム開発・ファシリティサービス事業等を「その他」の区分に含めて表示しています。

当年度のセグメント別の売上収益(セグメント間の内部売上収益を含む)及び営業利益は以下のとおりです。

 

                                                                                           (億円)

 

前年度

(自 2018年4月 1日

至 2019年3月31日)

当年度

(自 2019年4月 1日

至 2020年3月31日)

 

 

 

前年度比

 

 

増減率

(%)

 

テクノロジーソリューション

 

 

 

 

売上収益

31,237

31,632

 

395

1.3

営業利益

1,879

2,485

 

605

32.2

(営業利益率)

(6.0%)

(7.9%)

 

(1.9%)

 

ユビキタスソリューション

 

 

 

 

 

売上収益

5,099

5,478

 

379

7.4

営業利益

△204

311

 

516

(営業利益率)

(△4.0%)

(5.7%)

 

(9.7%)

 

デバイスソリューション

 

 

 

 

 

売上収益

4,870

3,170

 

△1,699

△34.9

営業利益

45

△34

 

△79

(営業利益率)

(0.9%)

(△1.1%)

 

(△2.0%)

 

その他及び消去又は全社

 

 

 

 

 

売上収益

△1,682

△1,703

 

△21

営業利益

△417

△647

 

△229

連結

 

 

 

 

 

売上収益

39,524

38,577

 

△946

△2.4

営業利益

1,302

2,114

 

812

62.4

(営業利益率)

(3.3%)

(5.5%)

 

(2.2%)

 

 

 

 

前年度

当年度

 

 

 

前年度比

増減率(%)

(ご参考)テクノロジーソリューション(*1)

 

 

 

 

売上収益

31,237

31,632

 

395

1.3

営業利益(*2)

1,375

1,878

 

503

36.7

(営業利益率)

(4.4%)

(5.9%)

 

(1.5%)

 

(*1:「テクノロジーソリューション」に「その他及び消去又は全社」を加味した値)

(*2:ビジネスモデル変革費用などの特殊事項を除く本業ベース)

 

a テクノロジーソリューション

「テクノロジーソリューション」は、ソフトウェア・サービス・プロダクトが一体となった総合的なサービスをお客様に最適な形で提供しています。ITシステムのコンサルティング、構築などを行うソリューション/SI、アウトソーシング(情報システムの一括運用管理)などを中心とするインフラサービス、ICTの基盤となるサーバやストレージシステムなどのシステムプロダクトと携帯電話基地局や光伝送システムなどの通信インフラを提供するネットワークプロダクトにより構成されています。

売上収益は3兆1,632億円と、前年度比1.3%の増収となりました。為替の影響を除くと2.5%の増収です。国内は6.9%の増収となりました。ソリューション/SIで製造や流通分野が継続的に伸長していることに加え、自治体やヘルスケア分野が好調に推移したほか、官公庁向け等の大型商談も前年を上回る水準となりました。前年度に続き過去最高の売上を更新しました。システムプロダクトでは、大型メインフレーム関連の商談が増加したことに加え、次世代スーパーコンピュータ「富岳」の出荷開始により増収となりました。ネットワークプロダクトでは、5Gの本格化に伴い携帯電話基地局や光伝送網の増強に対する商談が増加しました。一方、海外は10.5%の減収となりました。欧州で採算性の低い国・地域からの撤退を進めた影響があったほか、アメリカやオセアニアにおいてインフラサービスが低調に推移しました。また、英国ポンドやユーロの為替の円高影響もありました。

営業利益は2,485億円と、前年度比で605億円の増益となりました。国内のソリューション/SIやシステムプロダクトの増収効果に加え、インフラサービスで保守部品コストの低減や運用サポート業務の共通化を進め採算性を改善したほか、システムプロダクトでキーデバイスの価格低下によるコストダウン効果があったことなどにより増益となりました。当年度は、北米事業でポートフォリオを見直しサービスビジネスを強化するとともに、国内ではシステムプロダクトの工場再編を行い生産体制の効率化を進め、ビジネスモデル変革費用137億円を計上しました。前年度からは336億円の負担減です。

 

b ユビキタスソリューション

「ユビキタスソリューション」は、「ヒューマンセントリック・インテリジェントソサエティ」(テクノロジーの力で実現される、より安全で、豊かな、持続可能な社会)において、人や組織の行動パターンから生み出される様々な情報や知識を収集・活用するユビキタスウェアとして、パソコンのほか、モビリティIoT/ヒューマンセントリックIoTなどにより構成されています。

売上収益は5,478億円と、前年度比7.4%の増収となりました。国内は13.5%の増収です。パソコンの販売がWindows7のサポート期限終了の影響で増収となりました。上半期は、消費増税の影響もあり増収となり、この反動で下半期は前年から減収となることを見込んでいましたが、下半期トータルでも、前年を上回りました。一方、海外は6.7%の減収です。ユーロに対し円高が進行した影響などがありました。

営業利益は311億円と、前年度比で516億円の増益となりました。パソコン事業の増収効果に加え、コスト面でもメモリ等のキーデバイスの価格低下により採算性が改善したほか、前年度に計上したビジネスモデル変革費用の反動影響もありました。

 

c デバイスソリューション

「デバイスソリューション」は、LSIのほか、半導体パッケージ、電池をはじめとする電子部品により構成されています。

売上収益は3,170億円と、前年度比34.9%の減収となりました。LSI事業の再編影響がありました。前年度の第4四半期に販売子会社を譲渡したことに加え、当年度の第3四半期に三重工場をユナイテッド・マイクロエレクトロニクス・コーポレーションに譲渡した影響などで約1,750億円の減収となりました。これによりLSI事業の再編はほぼ完了です。これらの再編影響を除くと、電子部品の所要増加により前年度から増収となりました。

営業利益は34億円の損失、前年度比で79億円の悪化となりました。当年度は、電子部品事業の再編関係で、ビジネスモデル変革費用100億円を計上したことにより営業赤字となりましたが、この影響を除くと、電子部品の所要増により前年度比で32億円の増益です。

 

d その他及び消去又は全社

「その他」の区分は報告セグメントに含まれない事業セグメントであり、次世代スーパーコンピュータ事業、次世代クラウド事業、当社グループ会社向け情報システム開発・ファシリティサービス事業等が含まれています。また、事業セグメントとして識別されないものは、基礎的試験研究やIT戦略投資などの戦略費用及び親会社におけるグループ経営に係る共通費用です。

営業利益は647億円の損失と、前年度比で229億円の悪化となりました。前年度に計上した年金制度変更利益がなくなった影響などで悪化しました。この影響を除くと、間接人員のリソースシフトによる固定費削減効果や間接経費の圧縮などにより損益が改善しました。先行投資に係る負担についても、投資から回収フェーズへ移行したプロジェクトがあると共に、プロジェクト毎の採算管理の強化を進め改善しました。なお、前年度のパソコン事業譲渡に関するアーンアウト条項による利益や三重工場の譲渡に関連する利益など事業譲渡に関する利益96億円は当該セグメントで計上しています。

 

(ⅶ)所在地別の損益情報

当社グループは、成長市場である海外における売上収益の拡大と収益力向上を経営上の重要な課題の1つであると考えています。所在地別の損益情報は当社グループの事業管理において重要な項目であるとともに、株主、投資家の皆様に当社グループの損益概況をご理解頂くための有益な情報であると考えています。

 

                                                    (億円)

 

前年度

(自 2018年4月 1日

至 2019年3月31日)

当年度

(自 2019年4月 1日

至 2020年3月31日)

 

 

 

前年度比

 

 

増減率

(%)

 

日本

 

 

 

 

 

 

売上収益

29,727

30,139

 

412

1.4

 

営業利益

2,103

2,758

 

655

31.1

 

(営業利益率)

(7.1%)

(9.2%)

 

(2.1%)

 

EMEIA(欧州・中近東・インド・アフリカ)

 

 

 

 

 

売上収益

7,929

7,017

 

△911

△11.5

 

営業利益

△439

211

 

651

 

(営業利益率)

(△5.5%)

(3.0%)

 

(8.5%)

 

アメリカ

 

 

 

 

 

 

売上収益

2,479

2,011

 

△468

△18.9

 

営業利益

△48

△179

 

△130

 

(営業利益率)

(△2.0%)

(△8.9%)

 

(△6.9%)

 

アジア

 

 

 

 

 

 

売上収益

2,704

1,800

 

△903

△33.4

 

営業利益

39

23

 

△16

△41.1

 

(営業利益率)

(1.5%)

(1.3%)

 

(△0.2%)

 

オセアニア

 

 

 

 

 

 

売上収益

870

752

 

△118

△13.6

 

営業利益

28

20

 

△8

△28.4

 

(営業利益率)

(3.3%)

(2.7%)

 

(△0.6%)

 

消去又は全社

 

 

 

 

 

 

売上収益

△4,186

△3,143

 

1,042

 

営業利益

△381

△720

 

△338

連結

 

 

 

 

 

 

売上収益

39,524

38,577

 

△946

△2.4

 

営業利益

1,302

2,114

 

812

62.4

 

(営業利益率)

(3.3%)

(5.5%)

 

(2.2%)

 

 

a 日本

売上収益は3兆139億円と、前年度比で1.4%の増収となりました。LSI事業再編による減収影響はありましたが、ソリューション/SIで製造、流通分野や公共系の大型商談が前年に引き続き好調を維持するとともに、パソコン事業が伸長し増収となりました。営業利益は2,758億円と、前年度比で655億円の増益となりました。ソリューション/SIやパソコン事業の増収効果に加え、インフラサービスやシステムプロダクトで採算性の改善が進みました。

 

b EMEIA(欧州・中近東・インド・アフリカ)

売上収益は7,017億円と、前年度比11.5%の減収となりました。欧州再編に伴う採算性の低い国・地域からの撤退により減収となったほか、ユーロ及び英国ポンドに対して円高が進行した影響がありました。営業利益は211億円と、前年度比で651億円の好転です。前年度に計上したドイツの製造工場の閉鎖や低採算国からの撤退、間接部門の見直しなどのビジネスモデル変革費用の反動による好転です。ビジネスモデル変革は予定通り進めており、その効果は2020年度後半から現れ、本格的に享受するのは2021年度以降となる予定です。欧州については、サービスビジネスに強い英国・アイルランドを中心とした北欧・西欧(NWE)と、従来のハードウェア販売を柱としたビジネスからサービスへの移行を進めているドイツを中心とした中央・東欧(CEE)の2つの区域に分け、それぞれに責任者を置き機動的にビジネスを展開する体制としました。

 

c アメリカ

売上収益は2,011億円と、前年度比18.9%の減収となりました。サービスビジネスやプロダクト事業が低調に推移しました。営業利益は179億円の損失と、前年度比で130億円の悪化です。北米では事業のポートフォリオを見直し、プロダクト事業からの撤退やリテール事業でのグループ内の重複を整理することにより、サービスビジネスの収益性を高める決定を行いました。実際の構造改革は2020年度に実行し、効果は2021年度以降に享受出来る計画です。

 

d アジア

売上収益は1,800億円と、前年度比33.4%の減収となりました。LSIや電子部品などが減収となりました。営業利益は23億円と、前年度比で16億円の減益となりました。減収影響によります。

 

  e オセアニア

 売上収益は 752億円と、前年度比13.6%の減収となりました。インフラサービスなどが減収となりました。営業利益は20億円と、前年度比で8億円の減益となりました。減収影響によります。

 

③ 財政状態

<要約連結財政状態計算書>                                                                      (億円)

 

前年度末

(2019年3月31日)

当年度末

(2020年3月31日)

 

前年度末比

 

資産

 

 

 

 

 流動資産

19,593

18,911

 

△682

 非流動資産

11,454

12,963

 

1,508

 資産合計

31,048

31,874

 

826

負債

 

 

 

 

 流動負債

13,649

13,656

 

7

 非流動負債

4,863

4,734

 

△129

 負債合計

18,512

18,390

 

△122

資本

 

 

 

 

 自己資本

11,320

12,409

 

1,089

 非支配持分

1,215

1,074

 

△140

 資本合計

12,536

13,484

 

948

 負債及び資本合計

31,048

31,874

 

826

 

 

 

 

 

 

現金及び現金同等物

4,166

4,518

 

351

有利子負債

3,162

4,055

 

893

ネット有利子負債

△1,004

△462

 

541

(注)自己資本          :親会社の所有者に帰属する持分合計

 有利子負債    :社債、借入金及びリース債務

 ネット有利子負債 :有利子負債-現金及び現金同等物

 

  (ご参考)財務指標

 

前年度末

(2019年3月31日)

当年度末

(2020年3月31日)

 

前年度末比

 

自己資本比率

36.5%

38.9%

 

2.4%

D/Eレシオ

0.28倍

0.33倍

 

0.05倍

ネットD/Eレシオ

△0.09倍

△0.04倍

 

△0.05倍

(注)自己資本比率             :親会社の所有者に帰属する持分合計(自己資本)÷資産合計

 D/Eレシオ                :有利子負債÷親会社の所有者に帰属する持分合計(自己資本)

 ネットD/Eレシオ          :(有利子負債-現金及び現金同等物)÷親会社の所有者に帰属する持分合計(自己資本)

当年度末の資産合計は3兆1,874億円と、前年度末から826億円増加しました。流動資産は1兆8,911億円と、前年度末から682億円減少しました。三重工場の売却により売却目的で保有する資産が減少したほか、売上債権の回収が進みました。現金及び現金同等物は4,518億円と、前年度末から351億円増加しました。棚卸資産は2,380億円と、前年度末から120億円増加し、資産効率を示す月当たり回転数は1.13回と、前年度末から0.09ポイント悪化しました。2014年に着手した開発が完了し製造を開始した富岳の棚卸資産が増加した影響です。非流動資産は1兆2,963億円と、前年度末から1,508億円増加しました。有形固定資産の増加は1,310億円です。主に、当年度よりIFRS第16号「リース」(以下、IFRS第16号)を適用し、従来は支払時に費用処理されオフバランスとなっていたオペレーティング・リースについて、リース開始日に、リース期間に応じた使用権資産を計上した影響で増加しました。

負債合計は1兆8,390億円と、前年度末から122億円減少しました。流動負債は1兆3,656億円と、前年度末から7億円増加しました。非流動負債は4,734億円と、前年度末から129億円減少しました。流動負債及び非流動負債の社債、借入金及びリース債務をあわせた有利子負債は4,055億円と、前年度末から893億円増加しました。社債を一部償還したほか借入金の返済を進めましたが、IFRS第16号の適用によりリース債務が増加した影響がありました。D/Eレシオは0.33倍と、前年度末より0.05ポイント上昇しました。有利子負債から現金及び現金同等物を控除したネット有利子負債残高は462億円のマイナスとネットキャッシュのポジションを維持しました。

資本合計は1兆3,484億円と、前年度末から948億円増加しました。利益剰余金は7,359億円と、前年度末から1,590億円増加しました。親会社の所有者に帰属する当期利益1,600億円を計上したことなどによります。その他の資本の構成要素は23億円と前年度末から223億円減少しました。為替が円高に推移したことにより在外子会社の換算差額が減少した影響や、持ち合い株式の売却を進めた影響がありました。また、自己株式は596億円のマイナスです。株主還元施策として2020年1月に発表した総額500億円の自己株式取得枠のうち299億円を当年度に取得した影響がありました。これらの結果、親会社の所有者に帰属する持分合計(自己資本)は1兆2,409億円となりました。親会社所有者帰属持分比率(自己資本比率)は38.9%と、前年度末から2.4ポイント上昇しました。当社は、社会インフラを支える企業の一つとしてふさわしい財務健全性の確保を目指し、ここ数年、体質強化を進めてまいりました。当期利益の積み上げに加え、市況変動の影響を小さくすべく、年金制度の変更や政策保有株式の譲渡なども進め、財務安全性を好転させることが出来ました。

 

連結財政状態計算書に計上されないオフバランスの負債は、IAS第16号(有形固定資産)及びIAS第38号(無形資産)に規定される資産の取得に関する契約上のコミットメントが776億円です。

 

確定給付型退職給付制度の状況                                                         (億円)

 

前年度末

(2019年3月31日)

当年度末

(2020年3月31日)

 

前年度末比

a.確定給付制度債務

△16,118

△14,558

 

1,559

b.年金資産

15,026

13,910

 

△1,115

c.積立状況  (a)+(b)

△1,092

△648

 

443

 

従業員の確定給付型退職給付制度の退職給付債務は1兆4,558億円と、前年度末から1,559億円減少し、年金資産は1兆3,910億円と、前年度末から1,115億円減少しました。この結果、確定給付型退職給付制度の積立状況(退職給付債務から年金資産を控除した金額)は648億円の不足と、前年度末から443億円改善しました。国内制度の積立状況は、年度末の株価下落により年金資産が減少し前年度末から248億円悪化しました。海外制度の積立状況は、年度末の金利下落に伴う債券価格の上昇で年金資産が増加したほか、インフレ率の低下により退職給付債務が減少した結果前年度末から691億円改善しました。

 

④ キャッシュ・フロー

<要約連結キャッシュ・フロー計算書>                                          (億円)

 

前年度

(自 2018年4月 1日

至 2019年3月31日)

当年度

(自 2019年4月 1日

至 2020年3月31日)

 

前年度比

 

 

Ⅰ営業活動によるキャッシュ・フロー

994

3,472

 

2,478

Ⅱ投資活動によるキャッシュ・フロー

41

△1,142

 

△1,183

Ⅰ+Ⅱフリー・キャッシュ・フロー

1,035

2,330

 

1,294

Ⅲ財務活動によるキャッシュ・フロー

△1,366

△1,931

 

△565

 

 

 

 

 

Ⅳ現金及び現金同等物の期末残高

4,167

4,530

 

362

 

当年度の営業活動によるキャッシュ・フローは3,472億円のプラスと、前年度から2,478億円の収入増となりました。当年度よりIFRS第16号「リース」を適用した影響が578億円含まれていますが、それを除くベースでも、本業が好調で税引前利益が増加したほか、売掛債権の回収が進み、前年度から好転しました。

投資活動によるキャッシュ・フローは1,142億円のマイナスと、前年度から1,183億円の支出増となりました。政策保有株式については引き続き計画通り売却を進め投資有価証券の売却による収入191億円を計上したほか、三重工場の売却等による収入が405億円ありました。前年度は、有価証券売却による収入779億円があったほか、ビジネスモデル変革に伴う事業譲渡収入、貸付金の回収による収入437億円がありました。また、当年度は、データセンターやクラウドサービス設備、半導体パッケージの製造設備、ソフトウェア等の資産の取得に1,329億円を支出したことにより、有形固定資産及び無形資産取得のための支出が前年度比で123億円増加したほか、定期預金などの短期投資に337億円を支出しました。

営業活動及び投資活動によるキャッシュ・フローを合わせたフリー・キャッシュ・フローは2,330億円のプラスと、前年度から1,294億円の収入増となりました。

財務活動によるキャッシュ・フローは1,931億円のマイナスと、前年度からは565億円の支出増となりました。社債の償還や借入金の返済を進めたほか、自己株式の取得による支出がありました。

この結果、現金及び現金同等物の期末残高は前年度末から362億円増加し、4,530億円となりました。

 

当社グループは、これまでコア事業であるテクノロジーソリューション事業へ経営資源を集中するとともに財務体質の強化に努めてまいりました。今後、DX企業へと変革を加速していくにあたり、健全な財務基盤をベースとした上で、事業の成長につながる戦略的な投資と、安定的な株主還元にバランスよくキャッシュを配分し、持続的に企業価値を向上させることを目指しています。

キャッシュ・フローの創出については、コア事業の持続的な成長と収益力の向上によりその創出力を強化するとともに、現在保有している政策保有株式やノンコア事業などの資産のリサイクルを進めます。

獲得したキャッシュは、財務健全性の確保、戦略的な成長投資、安定的な株主還元にバランスよく配分します。

まず、財務の健全性については、現時点で一定水準の確保ができたと考えており、今後、資産効率を高める取り組みを引き続き進めることで更なる向上を図ります。

戦略的な成長投資については、持続的な事業の成長と収益力の向上に直結するものであり、これを積極的に進めます。AIやDXなどのデジタル領域での成長を実現するために、サービス・オファリング投資、M&A等によるコンサルティングサービスの拡充、有力パートナーとのアライアンス、ベンチャー投資などを行います。また、社内DXを加速するために、高度専門人材の獲得や社内システムの強化、サステナビリティ、ESGなど自らの変革を促す投資を行います。

株主還元については、これまで4期連続の増配を実施してまいりましたが、今後も事業と利益の成長ステージに見合った配当を安定的に実施していく事を目指します。また、財務の健全性を担保し資金需要なども勘案した上で機動的な自社株買いも実施します。

 

当年度末の現金及び現金同等物は4,518億円です。当社グループは、緊急の資金需要に対応するため、月商の数カ月分を目安に十分な手元流動性を確保しています。これまで複数の金融機関との間で締結していたコミットメントライン契約については、ビジネスモデル変革に伴い継続的にキャッシュを創出する財務体質が整いつつある他、流動性の高い短期投資も一定額保有しており、十分な手元流動性があることから、契約を解除しました。

当社は、グローバルに資本市場から資金調達するため、ムーディーズ・インベスターズ・サービス(以下、ムーディーズ)、スタンダード&プアーズ(以下、S&P)及び株式会社格付投資情報センター(以下、R&I)から債券格付けを取得しています。当年度末現在における格付け(長期/短期)は前年度末から変更なく、ムーディーズ:A3(長期)、S&P:BBB+(長期)、R&I :A(長期)/a-1(短期)です。

 

当社グループは、事業や国・地域毎の特性やリスクを加味し、株主資本コストと借入コストの加重平均として資金調達コストを算定し、これに基づいて各事業における投資意思決定や回収可能性の判断を行っています。当社グループは、今後ますます需要が高まるDXビジネスに経営資源を集中し、中長期的に安定して高い収益性を獲得していくことによって、資金調達コストより高いリターンをあげることができると考えています。

 

⑤ 生産、受注及び販売の実績

当社グループの生産・販売品目は広範囲かつ多種多様であり、当社グループの経営管理においては、セグメントごとに生産規模及び受注規模を金額あるいは数量で示すことはしておりません。なお、当年度におけるセグメントごとの販売実績は、(1)②(vi)セグメント情報にて記載しております。

 

⑥ 重要な会計方針及び見積り

IFRSに準拠した連結財務諸表の作成において、経営陣は、会計方針の適用並びに資産、負債、収益及び費用に影響を与える判断、見積り及び仮定を必要としておりますが、実際の結果と異なる場合があります。また、見積り及びその基礎となる仮定は継続して見直されます。会計上の見積りの見直しによる影響は、その見積りを見直した連結会計期間及び影響を受ける将来の連結会計期間において認識されます。連結財務諸表の金額に重要な影響を与える見積り及び判断については、「第5 経理の状況 連結財務諸表注記 4.重要な会計上の見積り及び見積りを伴う判断」をご参照ください。

 

6.セグメント情報

(1)報告セグメントの概要

当社の報告セグメントは、当社グループの構成単位のうち分離された財務情報が入手可能であり、最高経営意思決定機関が、経営資源の配分の決定及び業績評価のために、定期的に検討を行う対象となっているものであります。

当社グループは、ICT(Information and Communication Technology)分野において、各種サービスを提供するとともに、これらを支える最先端、高性能かつ高品質のプロダクト及び電子デバイスの開発・製造・販売から保守運用までを総合的に提供するトータルソリューションビジネスを営んでおります。当社は、経営組織の形態、製品・サービスの特性及び販売市場の類似性に基づき、複数の事業セグメントを集約した上で、「テクノロジーソリューション」、「ユビキタスソリューション」及び「デバイスソリューション」の3つを報告セグメントとしております。各報告セグメントの事業の管理体制並びに製品及びサービスの種類は以下のとおりであります。

 

① テクノロジーソリューション

プロダクト・ソフトウェア・サービスが一体となった総合的なサービスを顧客に最適な形で提供するため、グローバルな戦略立案やコストマネジメントなどの事業管理を推進するための製品・サービス別の事業軸と、日本、EMEIA(欧州・中近東・インド・アフリカ)、アメリカ、アジア、オセアニアの顧客軸による複合型の事業管理体制をとっております。

当該報告セグメントは、情報通信システムの構築などを行うソリューション/SI、クラウドサービスやアウトソーシング、保守サービスを中心とするインフラサービス、ICTの基盤となる、サーバやストレージシステムなどのシステムプロダクトと携帯電話基地局や光伝送システムなどの通信インフラを提供するネットワークプロダクトにより構成されています。

 

② ユビキタスソリューション

「ユビキタスソリューション」は、「ヒューマンセントリック・インテリジェントソサエティ」(テクノロジーの力で実現される、より安全で、豊かな、持続可能な社会)において、人や組織の行動パターンから生み出される様々な情報や知識を収集・活用するユビキタス端末あるいはセンサーとして、パソコンのほか、モビリティIoT/ヒューマンセントリックIoTなどにより構成されております。

 

 

③ デバイスソリューション

営業部門も含め製品別に独立した事業管理体制をとっております。

当該報告セグメントは、LSIのほか半導体パッケージ、電池をはじめとする電子部品により構成されています。

 

報告されている事業セグメントの会計処理の方法は、「3.重要な会計方針」における記載と概ね同一であります。

 

事業セグメントの利益は、営業利益をベースとした数値でありますが、全社費用は当社グループ全体で管理しているため、事業セグメントに配分しておりません。また、当社グループの資金調達(金融収益及び金融費用を含む)及び持分法による投資利益についても当社グループ全体で管理しているため、事業セグメントに配分しておりません。

 

セグメント間の取引は独立企業間価格で行っております。

(2)報告セグメントの売上収益、営業利益及びその他の項目の金額に関する情報

前年度(自 2018年4月1日 至 2019年3月31日)

 

報告セグメント

 

その他

 

消去又は全社

 

連結計

 

テクノロジーソリューション

 

ユビキタスソリューション

 

デバイスソリューション

 

 

 

 

 

百万円

 

百万円

 

百万円

 

百万円

 

百万円

 

百万円

 

百万円

売上収益

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

外部収益

3,071,941

 

372,955

 

459,329

 

3,904,225

 

15,550

 

32,662

 

3,952,437

セグメント間収益

51,792

 

136,971

 

27,680

 

216,443

 

50,721

 

267,164

 

収益合計

3,123,733

 

509,926

 

487,009

 

4,120,668

 

66,271

 

234,502

 

3,952,437

営業利益

187,957

 

20,446

 

4,511

 

172,022

 

22,149

 

19,646

 

130,227

金融収益

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

14,154

金融費用

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

5,226

持分法による投資利益

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

22,630

税引前利益

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

161,785

(その他の項目)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

減価償却費及び償却費

92,571

 

3,699

 

39,028

 

135,298

 

3,632

 

6,752

 

145,682

減損損失

8,222

 

1,061

 

3,077

 

12,360

 

 

64

 

12,424

資本的支出

89,245

 

2,686

 

27,802

 

119,733

 

2,662

 

4,556

 

126,951

 

当年度(自 2019年4月1日 至 2020年3月31日)

 

報告セグメント

 

その他

 

消去又は全社

 

連結計

 

テクノロジーソリューション

 

ユビキタスソリューション

 

デバイスソリューション

 

 

 

 

 

百万円

 

百万円

 

百万円

 

百万円

 

百万円

 

百万円

 

百万円

売上収益

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

外部収益

3,078,496

 

405,729

 

299,394

 

3,783,619

 

72,689

 

1,489

 

3,857,797

セグメント間収益

84,751

 

142,170

 

17,638

 

244,559

 

46,112

 

290,671

 

-

収益合計

3,163,247

 

547,899

 

317,032

 

4,028,178

 

118,801

 

289,182

 

3,857,797

営業利益

248,556

 

31,161

 

3,443

 

276,274

 

1,134

 

63,657

 

211,483

金融収益

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

7,381

金融費用

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

5,094

持分法による投資利益

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

14,794

税引前利益

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

228,564

(その他の項目)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

減価償却費及び償却費

124,001

 

3,797

 

27,422

 

155,220

 

4,185

 

27,605

 

187,010

減損損失

13,945

 

13

 

9,104

 

23,062

 

544

 

4,009

 

27,615

減損損失の戻入れ

355

 

233

 

-

 

588

 

-

 

-

 

588

資本的支出

122,271

 

3,869

 

45,310

 

171,450

 

3,807

 

15,642

 

190,899

(注)1.「その他」の区分は報告セグメントに含まれない事業セグメントであり、次世代スーパーコンピュータ事業、次世代クラウド事業、当社グループ会社向け情報システム開発・ファシリティサービス事業等が含まれております。

(注)2.売上収益における「消去又は全社」はセグメント間取引の消去等であります。

(注)3.営業利益における「消去又は全社」には全社費用及びセグメント間取引の消去等が含まれており、前年度及び当年度に発生した金額はそれぞれ、全社費用: △22,278百万円(退職給付制度改訂に伴う利益 91,996百万円及び国内におけるリソースシフト関連費用△45,813百万円を含む)、△68,776百万円、セグメント間取引の消去等: 2,632百万円、5,119百万円であります。

(注)4.当年度よりIFRS第16号「リース」を適用しております。これに伴い、従前のオペレーティングリースに係る使用権資産の「減価償却費及び償却費」及び「資本的支出」が含まれております

 

(3)製品及びサービスごとの情報

外部収益

 

前年度

(自 2018年4月 1日

至 2019年3月31日)

 

当年度

(自 2019年4月 1日

至 2020年3月31日)

 

百万円

 

百万円

テクノロジーソリューション

 

 

 

サービス(注)1

2,626,921

 

2,640,921

システムプラットフォーム(注)2

445,020

 

437,575

ユビキタスソリューション

 

 

 

パソコン

332,313

 

372,944

モバイルウェア(注)3

40,642

 

32,785

デバイスソリューション

 

 

 

LSI

203,578

 

41,137

電子部品

255,751

 

258,257

その他

15,550

 

72,689

全社他

32,662

 

1,489

合計

3,952,437

 

3,857,797

 

(注)1.システムインテグレーション(システム構築、業務アプリケーション等)、コンサルティング、

フロントテクノロジー(ATM、POSシステム等)、アウトソーシングサービス(データセンター、ICT運用管理アプリケーション運用・管理、ビジネスプロセスアウトソーシング等)、クラウドサービス(IaaS、PaaS、SaaS等)、ネットワークサービス(ビジネスネットワーク等)、システムサポートサービス(情報システム及びネットワークの保守・監視サービス等)、セキュリティソリューション

(注)2.各種サーバ(メインフレーム、UNIXサーバ、基幹IAサーバ、PCサーバ等)、ストレージシステム、各種ソフトウェア(OS、ミドルウェア)、ネットワーク管理システム、光伝送システム、携帯電話基地局

(注)3.モビリティIoT/ヒューマンセントリックIoT等

 

(4)地域ごとの情報

① 外部収益

 

前年度

(自 2018年4月 1日

至 2019年3月31日)

 

当年度

(自 2019年4月 1日

至 2020年3月31日)

 

百万円

 

百万円

国内(日本)

2,517,032

 

2,629,277

海外

 

 

 

EMEIA

789,921

 

693,858

アメリカ

248,670

 

198,622

アジア

312,208

 

262,362

オセアニア

84,606

 

73,678

合計

3,952,437

 

3,857,797

 

(注)1.外部収益は顧客の所在地を基礎とし、国又は地域に分類しております。

(注)2.海外の各区分に属する主な国又は地域

(ⅰ)EMEIA(欧州・中近東・インド・アフリカ).........イギリス、ドイツ、スペイン、

フィンランド、スウェーデン

(ⅱ)アメリカ........................................米国、カナダ

(ⅲ)アジア..........................................中国、シンガポール、韓国、台湾

(ⅳ)オセアニア......................................オーストラリア

(注)3.個別に区分して開示すべき重要な国はありません。

② 非流動資産(有形固定資産、のれん及び無形資産)

 

前年度末

(2019年3月31日)

 

当年度末

(2020年3月31日)

 

百万円

 

百万円

国内(日本)

473,411

 

557,267

海外

 

 

 

EMEIA

67,567

 

92,992

アメリカ

17,510

 

17,073

アジア

14,526

 

19,791

オセアニア

21,317

 

26,969

合計

594,331

 

714,092

 

(注)1.非流動資産は当社グループ拠点の所在地を基礎とし、国又は地域に分類しております。

(注)2.海外の各区分に属する主な国又は地域

(ⅰ)EMEIA(欧州・中近東・インド・アフリカ).........イギリス、ドイツ、スペイン、

フィンランド、スウェーデン

(ⅱ)アメリカ........................................米国、カナダ

(ⅲ)アジア..........................................中国、シンガポール、韓国、台湾

(ⅳ)オセアニア......................................オーストラリア

(注)3.個別に区分して開示すべき重要な国はありません。

(注)4.当年度よりIFRS第16号「リース」を適用しております。これに伴い当年度末の残高には従前のオペレーティングリースに係る使用権資産残高が含まれております。

 

 

(5)主要な顧客に関する情報

特定の顧客への売上収益が連結損益計算書の売上収益の10%に満たないため、主要な顧客に関する情報の記載を省略しております。

 

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。

(1)経営方針、経営戦略及び対処すべき課題等

当社グループは、常に変革に挑戦し続け、快適で安心できるネットワーク社会づくりに貢献し、豊かで夢のある未来を世界中の人々に提供することを企業理念としております。そのためには、健全な利益と成長を実現し、企業価値を持続的に向上させることが重要と考えております。

 

<市場環境>

当社グループをとりまく市場環境については、従来型の基幹システムなどの既存IT市場は、今後緩やかに縮小していくと予測されています。一方で、レガシーシステムのリプレイスメントや、効率化のためのモダナイゼーション(注1)への投資は堅調に増えると予測されています。さらに、AI(人工知能)やデータ活用、IoT(モノのインターネット)など、デジタル化に向けた投資は、今後急速に拡大すると想定されています。

このような状況のもと、当社グループは、ますます需要が高まる企業のDX(デジタルトランスフォーメーション)(注2)を牽引し、社会課題の解決に貢献する「DX企業」への変革を目指します。そのため、取締役会及び独立役員会議などの場で議論を重ねて新たな経営方針を策定し、2019年9月に発表いたしました。

 

<経営方針概要>

今後は、AI、データ活用などのテクノロジーをベースとしたDXビジネスと、DXに必要なクラウド移行などのモダナイゼーションとを合わせて「デジタル領域」とし、これを成長させていきます。

デジタル領域において、次の施策を進めてまいります。

DXビジネスを加速するため、これに特化したコンサルティング会社を設立します。経営戦略及び各業種に特化したコンサル、ソリューションをベースとしたコンサルなど、様々な切り口で企画・提案を行い、社内外から最適なサービス・製品を用いてテクノロジーを実装し、ワンストップで提供してまいります。

そして、DXを支えるテクノロジーとして、コンピューティング、AI、5Gネットワーク、サイバーセキュリティ、クラウド、データマネジメント、IoTの7つを重点技術領域として定め、リソースを集中し強化してまいります。また、テクノロジーの強化に加え、ビジネス機会創出と新事業を推進するための投資を実行します。コーポレートベンチャーキャピタルやベンチャー企業への投資、M&Aへの投資も適宜行ってまいります。

併せて、当社グループのDXを加速するため、社内プロセスや情報インフラの刷新を行い、社内改革を実行してまいります。

当社グループが強い顧客基盤を持つ従来型ITビジネスについては、一層の効率化を推し進めるとともに、商談機会を確実に獲得することで、利益を確保してまいります。

海外ビジネスについては、成長軌道に乗せるためのビジネスモデル変革に引き続き取り組んでおり、特に欧州は、NWE(Northern & Western Europe)及びCEE(Central & Eastern Europe)の2リージョンに分け、それぞれに責任者を置いて機動的にビジネスを展開してまいります。

また、非財務面での取り組みも強化してまいります。当社グループは、SDGs(Sustainable Development Goals)(注3)を経営の中心に据えて取り組んでおります。これまでも責任ある企業として、世界各地域において、それぞれテーマに沿って活動しておりましたが、今後は、グローバルに統一したテーマのもと、活動を進めてまいります。人権や多様な価値観、心身ともに健康であることを目指すウェルビーイング、地球環境、倫理・コンプライアンス、コミュニティ活動などのカテゴリーごとに目標を定め、社会課題の解決に取り組むとともに、グローバルに持続的な成長を目指してまいります。

上記の施策を推し進め、グローバルでの競争力を高めながら、DX企業への積極的な変革に取り組んでまいります。当社は、急速に変化する世界のなかで創立から100年(2035年)を超えて繁栄していくため、「イノベーションによって社会に信頼をもたらし、世界をより持続可能にしていく」というパーパスを制定しました。このパーパスの実現に向けて、中期経営目標として、2022年度には、本業のテクノロジーソリューションにその他全社消去を加味した値として、売上収益3兆5千億円、連結営業利益率10%の達成を目指してまいります。

 

<コンプライアンスへの取り組み>

なお、当社グループは、企業価値の維持・向上の観点から、コンプライアンスを含む内部統制体制の構築及び運用を経営の最重要事項の一つと認識し、FUJITSU Wayの「行動規範」に則り、その徹底を図っております。コンプライアンスに関する取り組みの一層の強化も対処すべき課題と位置づけ、今後も、継続して取り組んでまいります。

<新型コロナウイルスへの対応>

当社グループでは、新型コロナウイルス感染症の感染拡大を受けて、お客様、お取引先様、従業員とその家族の安全確保・感染予防と感染拡大の防止、事業継続に向けた対応に取り組んでいます。海外を含む全拠点において、各国政府の指示に従い、自宅勤務などの対策を適宜進めております。またお客様に対しても、Web会議システムなどを活用したリモートでのサポートを実施しております。今後も、各国政府及び関係機関の指示に従いながら、ITを活用した最大限の取り組みを行ってまいります。

 

<新型コロナウイルスによる市場環境の変化>

新型コロナウイルスの感染拡大により、世界規模で経済活動に影響が出ており、その回復の見込みはいまだ不透明な状況にあります。外出・移動制限による個人消費の落ち込みや世界各国における貿易制限措置によるサプライチェーンリスクの顕在化など、各産業において様々な影響が出ています。一方で、これまで対面で行われていた生活やビジネスのシーンが、今後オンラインの場に移行すると予想されており、テレワークやオンライン教育などへのIT関連需要は拡大すると予測されています。より人を中心にデータが複雑につながっていく中、当社はデジタルテクノロジーと多様な業種への実績・知見を活かし、安心で利便性の高い社会づくりに貢献していきます。

 

(注)1.現状の資産を活用しながら、変化対応力を備え、先進技術を素早く活用できるシステムへ変革していくこ

と。

2.デジタル技術とデータを駆使して革新的なサービスやビジネスプロセスの変革をもたらすもの。

3.2015年に国連で採択された国際社会が環境や社会、経済活動を未来に向けて持続可能とするための世界共通

の開発目標。

 

(2)気候変動・エネルギー問題への対応

気候変動は国・地域を超えて世界に影響を与える問題であり、グローバルに活動する当社にとって重要な課題であると認識しています。

気候変動に伴う影響は、事業活動に様々なリスク(注1)をもたらします。例えば、近年、発生頻度・影響度が増大した自然災害は、調達・物流・エネルギー供給網を寸断し、部品やエネルギー等調達を困難とします(物理リスク:急性)。また、気温の長期的な変化は空調エネルギー使用量の増加を招くなど(物理リスク:慢性)、当社グループの事業へ影響を与える可能性があります。さらに、温室効果ガス(以下、GHG)の排出規制等の様々な規制の強化が考えられ、これらに適合ができない場合には、企業レピュテーションが低下したり(移行リスク:評判)、省エネ製品・サービスの開発が不十分な場合に規制への適合を条件とする入札に参加できなくなったりする可能性があります(移行リスク:市場/技術)。また、これらの規制等に適合するために必要なコストが増加する可能性があります(移行リスク:政策・法規制)。従って、さらなる省エネの強化や、低/ゼロGHG排出エネルギーの利用の推進と、サプライチェーン管理の強化が必要です。

一方、気候変動への対応は、当社グループのお客様においても課題であることから、気候変動の緩和と適応に貢献する製品やサービスの開発と提供は、お客様とともに課題克服のイノベーションを創出する機会につながります。ICTにより多様なモノやサービスをデジタルにつなげることで、物流や交通、ものづくりなど様々な分野でエコシステムを形成し、社会システム全体としてのエネルギーの最適利用を実現するとともに、先進テクノロジーをレジリエントな社会インフラの構築などに活用することが可能です。

こうした背景を踏まえ、当社グループは、グローバルICT企業として、気候変動対策において果たすべき役割や実現すべき未来の姿を明確にした2050年までの中長期環境ビジョン「FUJITSU Climate and Energy Vision」を策定しました。本ビジョンは、ICTを活用し自らの「脱炭素化」にいち早く取り組むこと、及び、そこで得たノウハウと当社のデジタルテクノロジーをソリューションとしてお客様・社会に提供し、ビジネスを通して気候変動の緩和と適応に貢献することを狙いとしています。

本ビジョンの実現に向け、2018年に、事業で使用する電力を100%再生可能エネルギー(以下、再エネ)とすることを目指す国際的なイニシアチブ「RE100」に加盟しました。国内外の富士通グループ拠点で消費する電力を2050年までに100%再エネ由来とすることを目指すと共に、エネルギーのマネジメントや貯蔵などの研究開発や技術実証に取り組み、社会全体の再エネの普及拡大にも貢献していきます。

自らの「脱炭素化」について具体的には、2050年までに自らのCO2ゼロエミッションを掲げていますが、そのCO2削減シナリオは、「2℃目標」(注2)達成のために科学的に根拠のある水準であると認められ、自社及びサプライチェーンにおける排出削減目標(2030年目標、2050年目標[自社のみ])として、国際的なイニシアチブ「Science Based Targets initiative(SBTi)」(注3)に承認されています。今後、SBTiの「1.5℃目標」の承認取得を目指します。また、長期目標の達成に向け策定した、GHG排出削減や再生可能エネルギー使用量等を含む短期目標「第8期富士通グループ環境行動計画(2020年目標)」において、設備の省エネ対策、製造プロセスの見直しによる効率化、オフィス空調温度の適正化等により、2018年度の温室効果ガス排出量削減目標を達成しました。2018年度の温室効果ガス排出量は、直接排出(Scope1)が147千トン、間接排出(Scope2)が808千トンでした。

こうした気候変動に係るリスクと機会に関する具体的な方針や目標の管理は、代表取締役社長を主宰とし、グループ全体に関わる環境を含むサステナビリティ関連事項の提案・決定・指示を行う委員会である「サステナビリティ経営委員会」において実施され、経営会議での最終決定の後に取締役会に報告されます。さらに、取締役会の監督の下、全社レベルのリスクマネジメント体制において各部門でのリスク分析結果を踏まえ統合的に気候変動関連のリスク分析と対応が行われます。リスク管理のプロセスにおいては、最初に識別・評価を行い、発生頻度やインパクトから優先順位付けした上で、関連する委員会等で回避・軽減・移転・保有などの対策を決定し、進捗管理を行います。重要リスクについては定期的に取締役会に報告しています。

当社は、2019年4月にTCFD(注4)による気候変動情報開示への提言に賛同を表明し、比較可能性や一貫性に配慮した開示に努めています。

最新の情報と詳細は、当社ウェブサイトをご参照ください。

 

(注)1.気候関連財務情報開示タスクフォース(注4参照)では、気候変動関連リスクを、(1)低炭素経済への移行に関連した「移行リスク」と、(2)気候変動の物理的影響に関連した「物理リスク」に分類。移行リスクには、「政策及び法規制のリスク」、「技術のリスク」、「市場のリスク」、「評判上のリスク」が含まれ、物理リスクには、異常気象の激化などによる「急性リスク」と長期的な気温上昇などによる「慢性リスク」が含まれます。

2.「産業革命前からの平均気温上昇を2℃未満に抑える」という目標。国連気候変動枠組条約第21回締約国会議において、2020年以降の温暖化対策の国際的枠組みとして採択され、2016年11月にパリ協定において発効されました。

3.2015年に国連グローバルコンパクト、WRI(世界資源研究所)などの団体が共同で設立したイニシアチブ。産業革命前からの気温上昇を2℃未満に抑えるために、科学的根拠に基づいた温室効果ガス排出削減目標の設定を企業に働きかけています。

4.気候関連財務情報開示タスクフォース。気候変動に係る金融市場の不安定化リスクを低減するため、G20の要請で金融安定理事会が設立。2017年6月に、気候変動がもたらすリスク、及び機会についての情報企業・団体等が自主的に把握、開示することを推奨する提言を発表しました。

 

2【事業等のリスク】

 当社グループは、当社グループの事業その他におけるリスクを適切に把握し、対応することを経営における重要な課題と位置づけ、取締役会が決定した「内部統制体制の整備に関する基本方針」に基づき、取締役会に直属するリスクマネジメント及びコンプライアンスにかかる最高決定機関として、「リスク・コンプライアンス委員会」を設置しています。リスク・コンプライアンス委員会は、これらのリスクを認識・評価した上で、リスクの回避・軽減・移転・保有を判断、実行し、認識・評価された結果については取締役会で報告を行い、各リスクに対する回避・軽減・移転・保有などの対策状況を確認したうえで、さらなる対策の策定、見直しなどを実施するとともに、万一発生した場合には影響の極小化に努めております(重要リスクのリスクマネジメントプロセス)。

また、リスク・コンプライアンス委員会は国内外の各部門や各グループ会社へリスク・コンプライアンス責任者を配置するとともに、これらの組織が相互に連携を図りながら、潜在リスクの発生予防と顕在化したリスクへの対応の両面から、グループ全体でリスクマネジメント及びコンプライアンスを推進する体制を構築しております。

 

(画像は省略されました)

 

なお、以下の内容は、当社グループの全てのリスクを網羅するものではありません。本項においては、将来に関する事項が含まれておりますが、当該事項は本有価証券報告書提出日(2020年6月22日)現在において当社グループが判断したものです。

 

Ⅰ.経営方針・経営戦略等との関連性

当社は経営目標の達成に向けて「経営方針及び対処すべき課題」に記載された様々な施策を進めてまいりますが、これらの施策に直接影響を与える可能性のある主なリスクとその対策は、以下の(1)~(5)、(8)、(11)、(13)において、経営方針・経営戦略との関連性も考慮して記述しております。

 

Ⅱ.当社グループの事業活動におけるリスク

(1)経済や金融市場の動向に関するリスク

①主要市場における景気動向

当社グループは、日本国内及び世界各国で、政府等の公共機関や企業等に、ICTを活用したサービス、サーバやストレージ等の製品、ネットワーク製品、コンサル人材等を提供しております。これらの事業の売上及び損益は、景気動向及び各市場における急激な需給バランスの変化に大きく左右されます。特に、当社グループの主要市場である、日本、欧州、北米、オセアニア、中国を含むアジアにおける景気動向及び急激な需給バランスの変化は、当社グループの事業に大きな影響を与えます。また、こうした市場の変化に対応するため、当社グループでは継続的に構造改革を行っておりますが、急激な変化が発生した場合には、構造改革の規模が想定以上に大きくなることがあり、それに伴う一時的な費用の発生が増大することがあります。

 

②為替動向と金利変動及び資本市場の動向

当社グループは、海外での事業拡大を進めております。そのため、為替変動に関する情報収集及び当社グループ内での共有等を行っておりますが、為替の急激な変動は、海外ビジネスの売上及び損益に影響し、海外に提供する製品やサービスの価格競争力の低下等を招くおそれがあり、また、海外からの部材等の輸入や製品等の輸出に大きな影響を及ぼす可能性があります。さらに、当社グループが海外に保有する資産・負債等についても、為替変動により資産等が目減り、または負債等が増大する可能性があります。

当社グループの有利子負債の中には金利変動の影響を受けるものが含まれています。従って、金利上昇によって支払金利や調達コストが増加することがあります。

また、国内外の株式市場の動向は、当社グループの保有する他社株式の評価額及び年金資産の運用状況に大きく影響を及ぼします。従って、株式市場が低迷した場合、年金資産の目減りにより会社負担が増大したり、保有株式の評価減が発生したりするおそれがあります。

 

(2)お客様に関するリスク

当社グループのビジネスは、日本政府、自治体、各国政府等の公共機関、情報通信事業、金融業、製造業、流通業、ヘルスケア産業等のお客様との取引割合が高くなっております。当社グループは、市場動向、技術動向、お客様の状況の変化を注視しておりますが、お客様の政策・方針や、業界の経営環境、市況変化、業界再編の動き等は、お客様のICT投資動向の変化につながり、お客様のICT投資計画やその見直し及びお客様の製品やサービスの売れ行き等は、当社グループの製品やサービスの需要や価格に大きな影響があります。また、海外ビジネスにおいては、各国における政府系のプロジェクトが重要な事業となっています。そのため、当該政府のICT投資計画の見直しや抑制があった場合、当社グループの売上及び損益に影響を与えます。

新型コロナウイルス感染症は世界中の様々な業種のお客様に大きな影響を及ぼしており、これによりお客様のICT投資が抑制されることも予想され、当社グループの売上及び損益に影響を与える可能性があります。その一方で、新型コロナウイルス感染症収束後のニューノーマル(新しい常態・常識)の世界へ移行していく動きが高まっており、その実現のためにお客様に新たな需要が生じることも考えられます。当社は、多様な業種への実績、理解とデジタルテクノロジーを活用し、人とデータを中心とした新たな生活様式を築いていく役割を果たしたいと考えています。

なお、当社グループは、お客様のかけがえのないパートナーとなり、ICTのライフサイクルにわたるソリューションを提供し、お客様と長期的な信頼関係を築くことを目指しており、お客様との関係継続が事業の安定にとって重要です。お客様との信頼関係が継続できない場合もしくは、取引または契約関係が継続できない場合、当社グループの売上及び損益に影響を与えます。

 

(3)競合・業界に関するリスク

市況の変化や競争激化、技術革新等は、製品やサービスの価格下落につながる可能性があります。当社グループは、技術の進歩や競争激化等による当社製品・サービスの低価格化を想定し、お客様のニーズや他社状況を把握して、競争力のある製品・サービスのラインナップを拡充することで販売拡大に努めるとともに、コストダウンに取り組んでおりますが、価格下落が当社グループの想定を上回るリスクや、調達価格の変動等により、当社グループが十分なコストダウンや販売拡大を実現できないリスクがあります。

そのような場合、当社グループの売上及び損益に影響があります。

また、ICT業界では、既存の競合他社に加え、異業種を含めた新規参入者との競争も激しくなっています。現在、当社グループが競争優位性を持っている分野でも、新規参入業者を含めた競合他社との競争に晒され、将来の事業において優位性を確保できないリスクがあります。ICT業界では技術の進歩が大変早く、新製品や新技術は急速に陳腐化します。競争力維持のためには、先端技術の開発を続けることが必要です。当社グループは技術やサービスの優位性を確保する努力を最大限行いますが、これらの技術開発競争で他社に優位性を奪われた場合、シェアや利益率が低下し、当社グループの売上及び損益に影響を及ぼします。

 

(4)投資判断、事業再編に関するリスク

ICT業界においては、競争力維持のため、多額の研究開発投資、設備投資及び事業買収・売却、事業再編等が必要な場合があります。当社グループは、今後も必要な施策を実行してまいりますが、これらの実施の成否は、当社グループの経営成績に大きな影響を及ぼします。当社グループでは、投資や事業再編にあたって、市場動向やお客様のニーズ、当社技術の優位性、買収先の業績、当社グループの事業ポートフォリオ等を勘案して決定しておりますが、当社グループが有望と考えた市場や技術、または買収先が、実際には想定ほど成長しなかったり、需給悪化や価格下落が予想以上に早く起きたりする可能性があります。また、当社グループでは、投資効率を検討し、所要変動に応じて投資を複数段階に分けて行ったり、事前にお客様と提携したりと、リスクを軽減する努力をしておりますが、常に投資から十分なリターンを得られるとは限りません。

 

(5)調達先・提携等に関するリスク

①調達に関わるリスク

当社グループが提供する製品やサービスは、最先端の技術を使用しており、一部の部品、原材料等については、安定的な調達が困難であったり、供給が滞った場合の代替の調達先を確保できなかったりするリスクがあります。また、大量に調達が必要な部品、原材料等について、必要な量を調達できないリスクがあります。さらにお取引先において、自然災害、感染症の流行、事故、経営状況の悪化等により、当社グループに対する部品、原材料等の安定的な提供が困難になるリスクがあります。当社グループは、調達のマルチソース化、お取引先への事業継続マネジメント(BCM:Business Continuity Management)の働きかけや支援の強化並びに適正な在庫の確保といった取り組みによってサプライチェーンの維持の努力をしておりますが、それでも部品、原材料等の確保が十分に行えなかった場合、製品及びサービスの提供が遅れ、お客様への納期遅延や機会損失等が発生する可能性があります。調達部品等については、為替動向や需給逼迫等により調達価格が当初見込みを上回り、製品及びサービスの利益率の悪化や、値上げによる売上の減少が起きる可能性があります。また、できる限り品質確保に努めておりますが、購入部品の不良を完全に防げるとは限りません。購入部品に不良があった場合、納期遅延や、製品不良が発生し、機会損失、修理回収費用、不良品廃却費用、お客様への賠償責任等が発生する可能性があります。

 

②提携、アライアンス、技術供与に関するリスク

当社グループは、グローバルなICTビジネス環境における競争力強化のため、業務提携、技術提携、合弁等の形で、多くの会社と共同で活動を行っており、引き続きこのような活動を前向きに活用する予定です。しかし、提携、合併に伴うリスクの事前の評価に関わらず、経営、財務、あるいは、その他の要因により、協力関係を成立、または、継続できない場合や、これらの協力関係から十分な成果を得られない場合も考えられ、そのような場合には、当社グループの事業に影響を及ぼすことがあります。また、当社グループの製品やサービスは、他社の許諾を受けて使用している多くの特許や技術、ソフトウェア、商標等を前提としておりますが、これらの技術等について、今後も当社グループが許容できる条件で、他社からの供与や使用許諾を受けられるとは限りません。

 

(6)公的規制、政策、税務に関するリスク

当社グループの事業活動は、グローバルに展開しているため、各国・各地域の数々の公的規制、政策動向、税務法制、運用等の影響を受けます。具体的には、事業展開する各国において、政府の政策、事業及び投資の許可、輸出入に関する制限等のさまざまな規制並びに、独占禁止、知的財産権、消費者、環境・リサイクル、労働条件、派遣・下請、租税等に関する法令の適用を受けております。当社グループは、各国・各地域における政策の動向を注視しておりますが、これらの政策や規制等の強化や変更は、対応コストの増加や仮に違反が認定された場合の制裁金等の負担により、当社グループの損益に影響を与えます。また、当社グループがソリューションを提供する分野には、通信、医療、工事、個人情報の取扱い等、公的規制を受ける領域があります。これらの市場における規制の動向が当社グループの事業へ影響を与える可能性があります。

 

(7)自然災害や突発的事象発生のリスク

①自然災害、感染症、火災等によるリスク

当社グループでは、防災に関する強固な連携体制の構築と事業継続対応能力強化を図るため、全社防災組織を編成し、様々な訓練を実施しております。また、過去の地震における対応を教訓として、事業所における耐震・浸水対策や定期点検の取り組みについても強化しております。さらに、地震や大規模な水害、火山の噴火等の自然災害、新型インフルエンザ、新型コロナウイルス等の感染症の流行、火災・爆発等の発生時にも、重要な事業を継続し、企業としての社会的責任を遂行するとともに、お客様が必要とする高性能・高品質の製品やサービスを安定的に供給するために、事業継続計画(BCP:Business Continuity Plan)を策定し、その継続的な見直し及び改善を実施する事業継続マネジメント(BCM)を推進しております。

しかしながら、近年、世界的な気候変動により、台風、水害、大雪等の自然災害の発生頻度や影響度は高まっております。また、首都直下、南海トラフ等における巨大地震、感染症のパンデミック、火山噴火等の不測の事態は、十分に影響度を検討して策定したBCPにおいても、被害想定を超えた規模で発生する可能性があり得ると考えられます。当社グループは、防災対策やBCMを今後も継続して推進してまいりますが、このような事態が発生した場合、事業所の機能停止、設備の損壊、電力・水・ガス等の供給停止、公共交通機関や通信手段の停止、サプライチェーンへの被害等により、お客様へのサービス提供や製品出荷等の停止など、当社グループの事業活動の継続に影響を及ぼす可能性があります。

世界的に感染が拡大し、大きな影響を与えている新型コロナウイルス感染症について、当社グループでは、お客様、お取引先様、従業員とその家族の安全確保と感染拡大の防止を最優先としつつ、お客様への製品・サービス提供の継続、及び感染拡大により生じる様々な社会課題の解決に資する取り組みを進めております。具体的には、従業員に対する在宅勤務や時差出勤の推奨、社内会議や当社主催のイベントのウェブ会議やウェブ配信への切り替えを実施しております。また、これまでお客様先で行っておりました、システム開発、運用、保守業務等についても、テレワーク等のリモート対応への切り替えや、お客様先での作業が必須になる場合はソーシャルディスタンスの確保、定期的な換気などをお願いさせていただいております。国内外の政府当局、お客様と連携した諸施策の実行などにより、重要な事業を継続維持し、社会的責任を遂行することを目指しております。しかしながら、当社グループ、委託先またはお客様先の感染者の発生、部材メーカーからの部品供給の不足・遅れ、国内外の政府当局の今後の施策によっては、製品・サービスの持続的な提供に影響を与える可能性があります。また、今後、経済活動の低迷を起点とした市況変化によっては、当社グループのビジネス領域における市場動向やお客様のICT投資動向にも変化をもたらし、当社グループの事業に影響が出てくる可能性があります。

 

②紛争・テロ・政情不安等に関するリスク

当社グループが事業活動を展開する国や地域において、紛争やテロ、デモ、ストライキ、政情不安等が発生した場合、当社の事業に大きな影響を与えるリスクがあります。

 

(8)財務に関するリスク

外部の格付け機関が当社グループに対して発行する格付け(CSR・サステナビリティ関連の格付けを含む)は、資金調達や企業レピュテーションに大きな影響を及ぼすとともに、お客様と取引する際の信用情報として使われることがあります。当社グループでは、流動性の確保、資金調達計画の策定、金融市場動向の分析等、資金調達に関するリスクへの対応を行っていますが、収益計画の未達や財務状況の悪化等の理由によりこれらの格付けが引き下げられた場合、当社グループの資金調達に影響を与えるほか、入札等、取引参加において不利になる可能性があります。

また、当社グループでは、与信管理に関する情報の共有及び外部機関の信用不安情報の共有と動向監視、債権保全に関するアドバイス・指示及び注意喚起の実施等、与信管理に関するリスクへの対応を行っていますが、取引先の経営悪化や経済情勢の悪化等の信用不安により売掛債権の回収に影響を及ぼす可能性があります。

 

(9)製品やサービスの欠陥や瑕疵に関するリスク

当社グループでは、FUJITSU Wayにおいて、品質を事業活動の根幹に関わる事項として捉え、快適で安心できるネットワーク社会を支えるために、その維持・向上に日々たゆまず取り組んでおります。

システムの受託開発については、品質管理の全社ルールを定め、ソフトウェアのモジュール化、開発の標準化、セキュリティ監査等による品質向上に努めておりますが、納入後に瑕疵等が発生する可能性があります。また、お客様要求の高度化、システムの複雑化が進み、開発難度がますます高まっており、同時に競争の激化による価格低下圧力が格段に強まっております。これらに対し、お客様との契約のあり方を見直すとともに、営業・SEのビジネスプロセスの標準化を進め、商談発生時からプロジェクトの進行を通じてリスク管理を行い、納期遅延や不採算プロジェクトの発生を抑制しております。併せて損失の引当ても適時に実施しております。しかしながら、これらによっても、納期遅延や不採算プロジェクトが発生する可能性があります。

また、製品・サービスの運用・保守業務については、安定稼動のため、お客様と協働での点検や品質、契約、ルール等を改善する活動を継続的に行っておりますが、瑕疵等が発生する可能性があります。

さらに、製品の設計・開発・製造については、品質管理の全社ルールを定め、関連法規の順守・最新基準への適合、品質の向上及び外部購入品の品質管理を進めておりますが、当社製品において、欠陥や瑕疵等が発生する可能性があります。

このような製品及びサービスの欠陥、瑕疵等が発生した場合、製品回収や補修、システムリカバリー作業や、お客様への補償、機会損失等が当社グループの売上及び損益に影響を及ぼします。また、万一欠陥、瑕疵等への対応における判断誤りや組織的な不正があった場合、企業レピュテーションは低下し、当社グループの損益への影響を拡大させる可能性があります。

 

(10)コンプライアンスに関するリスク

当社グループは、FUJITSU Wayにおいて、当社グループの従業員として厳守すべきことを行動規範として定め、また、これを詳細化して個々の従業員が行動する際のガイドライン(GBS: Global Business Standards)をグループで統一的に運用するなど、社内ルールの浸透と徹底、規範遵守の企業風土の醸成と、そのための社内体制や仕組みの構築を推進しています。しかしながら、このような施策を講じても、コンプライアンス上のリスクを完全に排除することはできない可能性があり、国内外の関連法令、規制などに抵触する事態が発生した場合には、当社グループの社会的な信用が低下し、あるいは、多額の課徴金や損害賠償が請求されるなど、当社グループの事業に影響を及ぼす可能性があります。

 

(11)知的財産に関するリスク

当社グループは、他社製品と差別化できる技術とノウハウを蓄積してまいりましたが、当社グループ独自の技術とノウハウの一部は、特定の地域では法的な制約のために知的財産としての十分な保護が受けられない場合があります。そのため、第三者が当社グループの知的財産を使って類似製品等を製造、販売するのを効果的に防止できない可能性があります。また、他社が類似、もしくはより優れた技術を開発した場合、当社グループの知的財産の価値が低下する可能性があります。また、当社グループでは他社の知的財産を侵害することのないよう、社内規程の整備や製品出荷前の他社知的財産調査の徹底等を行っておりますが、当社グループの製品やサービスまたは技術について、他社の知的財産を侵害しているとされ、使用料支払いや設計変更費用等が当社グループの損益に影響を及ぼす可能性があります。また、当社グループは従来、従業員の発明に対して職務発明補償・報奨を積極的に行い、今後も法令等に基づいた職務発明補償・報奨を実施いたしますが、補償・報奨評価に対して発明者から訴訟を提起されるリスクがあります。

 

(12)セキュリティに関するリスク

①情報セキュリティに関するリスク

お客様、お取引先、または当社グループの機密情報や個人情報の保護については、社内規程の制定、従業員への教育、情報インフラの整備、業務委託先も含めた指導等の対策を実施しておりますが、情報漏洩を完全に防げるとは限りません。万が一、情報漏洩が起きた場合、当社グループの信用は低下し、お客様の情報を漏洩した場合には、法的責任が発生するおそれがあります。

 

②サイバーセキュリティに関するリスク

当社グループの重要な事業活動基盤の一つである社内ネットワークにつきましては、安定した運用を行うための万全の体制を構築し、セキュリティ対策を実施しておりますが、コンピュータウイルスの侵入や不正アクセス等のサイバー攻撃による社内ネットワークやシステムの運用停止や情報漏洩等を完全に防げるとは限りません。その結果、当社グループの事業に影響を及ぼす可能性があります。

 

③物理セキュリティに関するリスク

当社グループは、保有または賃借している事業所等において、セキュリティゲート・ドア・カメラ等による入退室の制限と管理により、重要情報の漏洩の防止対策等を図っておりますが、物理的な破壊による業務停止や情報漏洩等を完全に防げるとは限りません。

 

(13)人材に関するリスク

当社グループの成長と利益は、人材に大きく依存します。従って、経営者、優秀な技術者等、必要とする人材を採用及び育成し、並びに流出を防止することは当社グループにとって重要となります。当社グループではジョブ型人事制度や高度人材処遇制度などの新しい人材制度改革の導入などにより、優秀な人材が集まり活躍しやすい環境を整備しておりますが、優秀な人材を採用または育成することができない場合や、人材の流出を防止できない場合、当社グループの成長や利益に影響を及ぼす可能性があります。

また、従業員との間で労働契約の終了に関する合意が円滑になされない場合や法令に基づく適切な労務管理ができないこと等により従業員に重大な労働災害が発生した場合には、人事部門、法務部門を中心に対処する体制を整備しておりますが、労務問題によって企業レピュテーションの毀損や紛争につながる可能性があります。

 

(14)当社グループの施設・システムに関するリスク

当社グループでは、国内外に事業所、工場、データセンターなど様々な施設を保有または賃借しております。いずれの施設についても、各国の建築基準その他の規制を遵守し、また独自に安全基準を設けるなどしておりますが、地震、大規模な水害、火災、放射能汚染等の災害や感染症、テロ、デモ、ストライキ、施工品質の不足、運用ミスなどが発生した場合、生産ラインの停止等、施設・システムの運用が停止することにより、当社グループの事業に影響を及ぼす可能性があります。

 

(15)環境・気候変動に関するリスク

当社グループでは、FUJITSU Wayにおいて社会に貢献し地球環境を守ることを企業指針の一つに掲げ、環境保全を経営の最重要事項の一つと位置付けて、環境負荷の低減や環境汚染の発生防止等に努めておりますが、事業活動を通じて環境汚染等が発生する可能性があります。また、当社グループ工場跡地において、土壌や地下水の調査及び浄化活動を行っていますが、今後新たな汚染が判明する可能性があります。このような環境汚染が発生または判明した場合、当社グループの社会的な信用低下や、浄化処理等の対策費用発生等により損益に影響を及ぼします。

また、近年の気候変動により発生頻度・影響度が増大した自然災害は、調達・物流・エネルギー供給網を寸断し、気温の長期的な変化は空調エネルギー使用量の増加を招くなど、当社グループの事業へ影響を与える可能性があります。さらに、気候変動に対しては温室効果ガスの排出規制等の様々な規制の強化が考えられ、これらの規制等に適合ができない場合には、企業レピュテーションが低下したり、規制への適合を条件とする入札に参加できなくなったりする可能性があります。また、これらの規制等に適合するために必要なコストが増加する可能性があります。

 

2【沿革】

年月

摘要

1935年 6月

富士電機製造㈱(現 富士電機㈱)より電話交換装置・電話機・装荷線輪の製造及び販売権を承継し、富士通信機製造株式会社として設立

1938年11月

本店を神奈川県川崎市(中原区)上小田中に移転

1944年11月

㈱金岩工作所(現 富士通フロンテック㈱)をグループ会社化(1988年2月東京証券取引所に上場)

1949年 5月

東京証券取引所再開と同時に上場

1951年 5月

電子計算機の製造を開始

1953年 8月

無線通信機器の製造を開始

1954年 4月

電子デバイスの製造を開始

1957年 6月

新光電気工業㈱をグループ会社化(1984年12月東京証券取引所に上場)

1960年12月

大阪証券取引所に上場(現在、東京証券取引所に統合)

1961年10月

名古屋証券取引所に上場

1962年 5月

富士通研究所を設置(1968年11月に㈱富士通研究所として独立)

1967年 6月

富士通株式会社に商号変更

1972年 4月

富士電気化学㈱(現 FDK㈱)をグループ会社化(1969年10月東京証券取引所に上場)

1975年 6月

日産コンピュータ㈱(現 ㈱富士通ビー・エス・シー)をグループ会社化(2000年10月に店頭登録、2004年12月にジャスダック証券取引所(現 東京証券取引所JASDAQ(スタンダード))に上場、2018年2月当社の完全子会社化により上場廃止)

1976年 4月

フランクフルト証券取引所に上場(2009年12月上場廃止)

1981年10月

ロンドン証券取引所に上場(2014年1月上場廃止)

1983年 9月

チューリッヒ、バーゼル、ジュネーブの各証券取引所(現在、各証券取引所はスイス証券取引所に統合)に上場(2009年12月上場廃止)

1986年 2月

日商岩井㈱との合弁により㈱エヌ・アイ・エフ(ニフティ㈱に商号変更。現 富士通クラウドテクノロジーズ ㈱)を設立(2006年12月東京証券取引所に上場、2016年7月当社の完全子会社化により上場廃止)

1989年 3月

保守部門の一部を分離独立し、富士通カストマエンジニアリング㈱(現 ㈱富士通エフサス)を設立(2004年10月株式交換により完全子会社化)

1990年11月

英国ICL PLC(現 Fujitsu Services Holdings PLC)をグループ会社化

1991年 4月

携帯電話の販売を開始

10月

 

1995年12月

1997年11月

米国にFujitsu Network Transmission Systems, Inc.(現 Fujitsu Network Communications,
Inc.)を設立

富士通館林システムセンター(現 館林データセンター)開設

富士通明石システムセンター(現 明石データセンター)開設

1999年10月

ドイツSiemens AGとの合弁によりFujitsu Siemens Computers(Holding)B.V.(現 Fujitsu

Technology Solutions (Holding) B.V.)を設立(2009年4月株式取得により完全子会社化)

2001年 9月

㈱高見澤電機製作所と富士通高見澤コンポーネント㈱が株式移転により富士通コンポーネント㈱を設立、東京証券取引所に上場 (2018年11月株式併合により上場廃止)

2002年 4月

サーバ事業及びストレージシステム事業を㈱PFUと共同で会社分割し、㈱富士通ITプロダクツを設立

2005年 3月

プラズマディスプレイモジュール事業を㈱日立製作所に譲渡

 4月

液晶デバイス事業をシャープ㈱に譲渡する契約を締結

2008年 3月

LSI事業を会社分割し、富士通マイクロエレクトロニクス㈱(現 富士通セミコンダクター㈱)を設立

10月

Fujitsu North America Holdings, Inc.を設立

 

Fujitsu America, Inc.をFujitsu Management Services of America, Inc.へ商号変更

2009年 4月

Fujitsu Computer Systems CorporationがFujitsu Consulting Holdings Inc.と合併し、Fujitsu America, Inc.へ商号変更

 5月

 7月

10月

第三者割当増資の引受によりFDK㈱を連結子会社化

ハードディスク記憶媒体事業を昭和電工㈱へ譲渡

ハードディスクドライブ事業を㈱東芝へ譲渡

2015年 4月

2017年11月

2018年 3月

5月

2019年 1月

2020年 1月

個人向けプロバイダ事業を㈱ノジマへ譲渡

カーエレクトロニクス事業を㈱デンソーへ譲渡

携帯端末事業をポラリス・キャピタル・グループ㈱へ譲渡

個人向けパソコン事業を中国Lenovo Group Limitedへ譲渡

富士通コンポーネント㈱を独立系投資会社ロングリーチグループへ譲渡

Ridgelinez㈱を設立

(5)【所有者別状況】

 

 

 

 

 

 

 

2020年3月31日現在

区分

株式の状況(1単元の株式数100株)

単元未満株式の状況

(株)

政府及び地方公共団体

金融機関

金融商品取引業者

その他の法人

外国法人等

個人その他

個人以外

個人

株主数(人)

0

97

47

924

977

45

90,054

92,144

所有株式数

(単元)

0

521,581

37,792

87,411

1,055,824

120

357,392

2,060,120

989,821

所有株式数の割合(%)

0.00

25.32

1.83

4.24

51.25

0.01

17.35

100

(注)1.自己株式6,754,247株は「個人その他」及び「単元未満株式の状況」に、それぞれ67,542単元及び47株を含めて記載しております。なお、自己株式6,754,247株は株主名簿記載上の株式数であり、2020年3月31日現在の実質的な所有株式数は6,754,157株です。

2.「その他法人」及び「単元未満株式の状況」の欄には、証券保管振替機構名義の株式が、それぞれ36単元及び22株含まれております。

 

3【配当政策】

当社は、会社法第459条第1項の規定に基づき、取締役会の決議をもって剰余金の配当等をすることができる旨を定款第40条に定めております。

当社定款の定めにより取締役会に与えられた権限の行使に関する基本的な方針は、株主のみなさまに安定的な剰余金の配当を実施するとともに、財務体質の強化および業績の中長期的な向上を踏まえた積極的な事業展開に備えるため、適正な水準まで内部留保を充実することにあります。また、利益水準を勘案しつつ内部留保が十分確保できた場合には、自己株式の取得等、より積極的な株主のみなさまへの利益の還元を行うことを目指しております

 

決議年月日

配当金の総額

(百万円)

1株当たり配当金

(円)

2019年10月29日

16,215

80

取締役会決議

2020年5月28日

20,024

100

取締役会決議

(2)【役員の状況】

① 役員一覧

男性11名 女性2名 (役員のうち女性の比率15.4%)

役職名

氏名

生年月日

略歴

任期

所有株式数(株)

代表取締役

社長

CDXO

時田 隆仁

1962年9月2日

1988年 4月 当社入社

2014年 6月 金融システム事業本部長

2015年 4月 執行役員

2019年 1月 執行役員常務

      グローバルデリバリーグループ長

2019年 3月 執行役員副社長

2019年 6月 代表取締役社長(現在に至る)

2019年10月 CDXO(注8)(Chief DX Officer)

          (現在に至る)

(注)1

1,000

代表取締役

副社長

CTO

古田 英範

1958年12月13日

1982年 4月 当社入社

2009年 5月 産業システム事業本部長

2012年 4月 執行役員

2014年 4月 執行役員常務

      グローバルデリバリー部門長

2018年 4月 執行役員専務

      デジタルサービス部門長

2019年 1月 テクノロジーソリューション部門長

      CTO(注9)

          (Chief Technology Officer)

     (現在に至る)

2019年 6月 代表取締役副社長(現在に至る)

2020年 4月 グローバルソリューション部門長

     (現在に至る)

(注)1

1,453

取締役

執行役員専務

CFO

磯部 武司

1962年7月29日

1985年 4月 当社入社

2014年 6月 財務経理本部経理部長

2018年 4月 執行役員

           財務経理本部長(現在に至る)

2019年 6月 執行役員常務

      CFO(注10)(Chief Financial Officer)

          (現在に至る)

2020年 4月 執行役員専務(現在に至る)

2020年 6月 取締役(現在に至る)

(注)1

60

取締役

シニアアドバイザー

山本 正已

1954年1月11日

1976年 4月 当社入社

2004年 6月 パーソナルビジネス本部副本部長

2005年 6月 経営執行役(注11)

2007年 6月 経営執行役(注11)常務

2010年 1月 執行役員副社長

2010年 4月 執行役員社長

2010年 6月 代表取締役社長

2015年 6月 代表取締役会長(2017年6月まで)

      取締役会議長(2019年6月まで)

2015年 7月 指名委員会委員、報酬委員会委員

          (2019年6月まで)

2017年 6月 取締役会長(2019年6月まで)

      JFEホールディングス㈱ 社外取締役

      (現在に至る)

2019年 6月  当社 取締役シニアアドバイザー

     (現在に至る)

           ㈱みずほフィナンシャルグループ

      社外取締役(現在に至る)

(注)1

17,341

 

 

役職名

氏名

生年月日

略歴

任期

所有株式数(株)

取締役

横田  淳

1947年6月26日

1971年 4月 外務省入省

1998年 1月 大臣官房審議官 兼 経済局

2002年 6月 在香港日本国総領事館 総領事

2004年 4月 在イスラエル日本国大使館 特命全権大使

2009年 5月 在ベルギー日本国大使館 特命全権大使

2012年10月 特命全権大使 経済外交担当

      兼イラク復興支援等調整担当

     (2014年1月まで)

2014年 6月 (一社)日本経済団体連合会

      経団連会長特別アドバイザー

     (2018年5月まで)

2014年 6月 当社 取締役(現在に至る)

2014年 7月 当社 指名委員会委員、報酬委員会委員

     (2019年6月まで)

2019年 7月 当社 指名委員会委員長、報酬委員会委員

     (注5)

(注)1

815

取締役

向井 千秋

1952年5月6日

1977年 4月 慶應義塾大学 医学部 外科学教室

      医局員(1985年11月まで)

1985年 8月 宇宙開発事業団(注12)搭乗科学技術者

     (宇宙飛行士)(2015年3月まで)

1987年 6月 アメリカ航空宇宙局 ジョンソン宇宙

      センター 宇宙生物医学研究室 心臓血管

      生理学研究員(1988年12月まで)

2000年 4月 慶應義塾大学 医学部 外科学 客員教授

     (現在に至る)

2014年10月 日本学術会議 副会長(2017年9月まで)

2015年 4月 東京理科大学 副学長(2016年3月まで)

2015年 6月 当社 取締役(現在に至る)

2016年 4月 東京理科大学 特任副学長

     (現在に至る)

2016年 7月 当社 指名委員会委員、報酬委員会委員

     (2018年6月まで)

2017年 1月 国連宇宙空間平和利用委員会

      科学技術小委員会 議長

     (2018年1月まで)

2018年 4月 宇宙航空研究開発機構 特別参与

     (現在に至る)

2018年 7月 当社 指名委員会委員、報酬委員会委員長

      (注5)

2019年 3月 花王㈱ 社外取締役(現在に至る)

(注)1

2,798

取締役

阿部  敦

1953年10月19日

1977年 4月 三井物産㈱入社

1990年 6月 同社 電子工業室課長

1993年 1月 アレックス・ブラウン・アンド・サンズ

      (注13) マネージング・ディレクター

2001年 8月 ドイツ証券会社(注14)

      執行役員 兼 投資銀行本部長

2004年 8月 J.P.モルガン・パートナーズ・アジア

      (注15)パートナー 兼 日本代表

     (2009年3月まで)

2007年 5月 エドワーズ・グループ・リミテッド

      (注16)取締役(2009年10月まで)

2009年12月 ㈱産業創成アドバイザリー

      代表取締役(現在に至る)

2011年 2月 オン・セミコンダクター・

           コーポレーション 取締役(現在に至る)

2015年 6月 当社 取締役(現在に至る)

2019年 6月 当社 取締役会議長(現在に至る)

2019年12月 ㈱産業創成アドバイザリー

      シニア・アドバイザー(現在に至る)

(注)1

2,405

 

 

役職名

氏名

生年月日

略歴

任期

所有株式数(株)

取締役

古城 佳子

(久具 佳子)

1956年6月19日

1988年 4月 國學院大學 法学部 専任講師

1991年 4月 同学部 助教授

1996年 4月 東京大学大学院 総合文化研究科 助教授

1999年 6月 同研究科 教授(2020年3月まで)

2010年10月 財団法人日本国際政治学会(注17) 理事長

2012年10月 (一財)日本国際政治学会 評議員

     (現在に至る)

2014年10月 日本学術会議 会員(現在に至る)

2018年 6月 当社 取締役(現在に至る)

2019年 7月 当社 指名委員会委員、報酬委員会委員

     (注5)

2020年 4月 青山学院大学 国際政治経済学部

      国際政治学科 教授(現在に至る)

(注)1

509

取締役

スコット キャロン(キャロン スコット アンダーバーグ)

1964年12月6日

1988年 4月 MIPS Computer Systems, Inc. (注18)

2003年 1月 モルガン・スタンレー証券会社(注19) 

      株式統括本部長

2006年 5月 いちごアセットマネジメント㈱

      代表取締役社長(現在に至る)

2008年10月 アセット・マネジャーズ・

      ホールディングス㈱(注20) 

      代表執行役会長(現在に至る)

2008年11月 アセット・マネジャーズ・

      ホールディングス㈱(注20)

      取締役兼取締役会議長(現在に至る)

2020年 3月 ㈱ジャパンディスプレイ

           代表取締役会長(現在に至る)

2020年 6月 当社 取締役(現在に至る)

(注)1

0

常勤監査役

広瀬 陽一

1958年3月5日

1981年 4月 当社入社

2009年 6月 財務経理本部経理部長(2014年6月まで)

2012年 4月 常務理事

2013年 5月 執行役員

2014年 4月 財務経理本部長

2017年 4月 常任顧問(2017年6月まで)

2017年 6月 常勤監査役(現在に至る)

2018年 6月 ㈱富士通ゼネラル 社外監査役

     (現在に至る)

(注)2

2,835

常勤監査役

山室  惠

1948年3月8日

1974年 4月 東京地方裁判所判事補

1984年 4月 東京地方裁判所判事

1988年 4月 司法研修所教官

1997年 4月 東京高等裁判所判事

2004年 7月 弁護士登録

           弁護士法人キャスト(注21)参画

     (現在に至る)

2004年10月 東京大学大学院 法学政治学研究科 教授

     (2010年9月まで)

2005年 6月 当社 監査役(2020年6月まで)

2013年 6月 八千代工業㈱ 社外監査役(注22)

2013年 7月 当社 指名委員会委員、報酬委員会委員

     (2016年7月まで)

2020年 6月 当社 常勤監査役(現在に至る)

(注)3

0

 

 

役職名

氏名

生年月日

略歴

任期

所有株式数(株)

監査役

初川 浩司

1951年9月25日

1974年 3月 プライスウォーターハウス会計事務所

      入所

1991年 7月 青山監査法人 代表社員

2000年 4月 中央青山監査法人 代表社員

2005年10月 同法人 理事 国際業務管理部長

2009年 5月 あらた監査法人(注23)

      代表執行役CEO(2012年5月まで)

2012年 6月 農林中央金庫 監事(現在に至る)

2013年 6月 当社 監査役(現在に至る)

2016年 6月 武田薬品工業㈱ 社外取締役

     (監査等委員である取締役)

          (現在に至る)

(注)4

1,511

監査役

幕田 英雄

1953年2月6日

1978年 4月 東京地方検察庁 検事

2006年12月 新潟地方検察庁 検事正

2010年 4月 千葉地方検察庁 検事正

2011年 8月 最高検察庁 刑事部長

2012年 7月 公正取引委員会 委員(2017年6月まで)

2017年 9月 弁護士登録

      長島・大野・常松法律事務所 顧問

          (現在に至る)

2019年 4月 日本原子力研究開発機構契約監視委員会

           委員(現在に至る)

2019年 6月 前田建設工業㈱ 社外取締役

          (現在に至る)

2020年 6月 当社 監査役(現在に至る)

(注)3

0

30,727

(注) 1.取締役の任期は、2020年6月22日開催の定時株主総会から1年です。

2.監査役 広瀬陽一氏の任期は、2017年6月26日開催の定時株主総会から4年です。

3.監査役 山室惠、幕田英雄の各氏の任期は、2020年6月22日開催の定時株主総会から4年です。

4.監査役 初川浩司氏の任期は、2019年6月24日開催の定時株主総会から4年です。

5.指名委員会及び報酬委員会の委員の任期は、選任後に開催される最初の定時株主総会終了時までです。

  選任後、複数年が経過している委員は、再任によるものです。

6.取締役 横田淳、向井千秋、阿部敦、古城佳子及びスコット キャロンの各氏は、会社法施行規則第2条第3項第5号が規定する

  社外役員に該当する社外取締役です。

7.監査役 初川浩司及び幕田英雄の各氏は、会社法施行規則第2条第3項第5号が規定する社外役員に該当する社外監査役です。

8.最高DX責任者を指します。

9.最高技術責任者を指します。

10.最高財務責任者を指します。

11.経営執行役につきましては、2009年6月付で執行役員に呼称を変更しております。

12.現 宇宙航空研究開発機構

13.現 Raymond James & Associates, Inc.

14.現 ドイツ証券㈱

15.現 ユニタス・キャピタル

16.現 アトラスコプコ

17.現 一般財団法人日本国際政治学会

18.現 Wave Computing

19.現 モルガン・スタンレーMUFG証券㈱

20.現 いちご㈱

21.現 弁護士法人瓜生・糸賀法律事務所

22.2020年6月23日開催の同社定時株主総会終了時を以て任期満了により退任する予定です。

23.現 PwCあらた有限責任監査法人

 

② 社外役員の状況

(1)社外取締役及び社外監査役との利害関係

 当社の社外取締役及び社外監査役は次のとおりです。なお、当社と社外取締役及び社外監査役それぞれとの利害関係は、「(3)社外取締役及び社外監査役の役割、機能及び独立性に関する基準又は方針の内容」に併せて記載しております。

 

社外取締役(5名):横田淳氏、向井千秋氏、阿部敦氏、古城佳子氏、スコット キャロン氏

社外監査役(2名):初川浩司氏、幕田英雄氏

 

(2)社外取締役及び社外監査役が取締役又は監査役に就任する会社との利害関係

該当事項はありません。

 

(3)社外取締役及び社外監査役の役割、機能及び独立性に関する基準又は方針の内容

当社では、経営の透明性、効率性を一層向上させるため、社外役員を積極的に任用しております。

 当社は、「コーポレートガバナンス基本方針」において、当社における社外取締役及び社外監査役の独立性に関する基準(独立性基準)を策定し、同基準に基づき独立性を判断しております。

 

 

社外役員の独立性基準

1.現在または過去において以下のいずれかにも該当しない者

 

(1)当社グループ(注1)の取締役または使用人

(2)当社の大株主(注2)の取締役、執行役、監査役または重要な使用人(注3)

(3)当社の主要な借入先(注4)の取締役、執行役、監査役または重要な使用人(注3)

(4)当社の会計監査人の社員または使用人

(5)当社と他社の間で相互に派遣された取締役、執行役、監査役または執行役員

(6)当社から役員報酬以外に、多額の金銭(注5)、その他の財産を得ている者

(7)当社の主要な取引先(注6)の取締役、執行役、監査役または重要な使用人(注3)

 

 

2.現在または過去3年間において以下のいずれかに該当する者の近親者(注7)でない者

 

(1)当社グループの業務執行取締役、業務執行取締役でない取締役(注8)または重要な使用人

(2)当社の大株主の取締役、執行役、監査役または重要な使用人(注3)

(3)当社の主要な借入先の取締役、執行役、監査役または重要な使用人(注3)

(4)当社の会計監査人の社員または使用人

(5)当社と他社の間で相互に派遣された取締役、執行役、監査役または執行役員

(6)当社から役員報酬以外に、多額の金銭その他の財産を得ている者

(7)当社の主要な取引先の取締役、執行役、監査役または重要な使用人(注3)

 

(注1)「当社グループ」とは、当社と当社の子会社をいう。

(注2)「大株主」とは、当社の議決権の10%以上を名義上または実質的に保有する大株主をいう。

(注3) 当該大株主、借入先、取引先の独立社外取締役または独立社外監査役である場合を除く。

(注4)「主要な借入先」とは、当社の直近の事業報告に記載された当社グループの主要な借入先をいう。

(注5)「多額の金銭」とは、年間の合計が1,000万円以上の専門的サービス等に関する報酬、寄付等をいう。

(注6)「主要な取引先」とは、過去3事業年度のいずれかの事業年度において、当社グループとの取引の対価

     の支払額または受取額が、取引先または当社の連結売上高の1%を超える企業等をいう。

(注7)「近親者」とは、2親等以内の親族、配偶者または同居人をいう。

(注8) 当社の社外監査役または社外監査役候補者である者の独立性を判断する場合に限る。

 

 

 当社は、独立性基準を満たす社外取締役及び社外監査役の全員を当社が国内に株式を上場している金融商品取引所に独立役員として届け出、受理されております。

 なお、各社外取締役及び社外監査役の役割、機能及び具体的な選任理由に対する考え方は以下のとおりです。

 

<社外取締役>

・横田淳氏

 横田淳氏は、当社取締役就任前、会社経営に直接関与されたことはありませんが、イスラエル大使、ベルギー大使等を歴任され、欧州との経済連携協定交渉のための政府代表を務められるなど、国際経済交渉の専門家であり、また、グローバルな視点からの政治や経済に対する深い見識をお持ちです。また、同氏は昨年指名委員会の委員長に就任してから、当社の取締役会の構成を最善のものにすべく、役員候補者に求められる資質について議論をリードしてきました。今後も、これまでの経験を活かし、グローバルな観点から公正かつ客観的な監督と助言が期待できるため、社外取締役としての監督機能及び役割を果たしていただけると考えております。

 また、同氏は、当社の主要株主や主要取引先の業務執行者であった経歴がなく、また当社の取締役としての報酬以外の金銭を受領しておらず、当社の定める独立性基準を満たすと判断しております。

 

・向井千秋氏

 向井千秋氏は、当社取締役就任前、会社経営に直接関与されたことはありませんが、医師からアジア女性初の宇宙飛行士となった経歴をお持ちです。同氏は、当社の標榜するチャレンジ精神を最先端の科学分野で体現されており、多様な観点から業務執行に対する監督、助言を行うとともに、報酬委員会の委員長として役員報酬のあり方について議論をリードしてきました。今後も、広範な科学技術の知見に基づくグローバルで公正かつ客観的な監督と助言が期待できるため、社外取締役としての監督機能及び役割を果たしていただけると考えております。

 なお、同氏が特任副学長を務めている東京理科大学を運営する学校法人東京理科大学と当社の間には、営業取引関係がありますが、その取引金額は当事業年度において約13百万円であり、当社の売上規模に鑑みると、特別の利害関係を生じさせる重要性はありません。このため、同氏は当社の定める独立性基準を満たし、一般株主との利益相反の生じるおそれがないと判断しております。

 

・阿部敦氏

 阿部敦氏は、長年にわたる投資銀行業務やプライベート・エクイティ業務の経験を通じて、ICT業界やM&Aについての深い見識をお持ちであり、昨年の取締役会議長就任以来、これまでの経験や機関投資家との対話を通じて得られた投資家の視点から客観的な議事進行を行い、議論をリードしてきました。引き続き株主・投資家目線からの監督機能や助言に加え、経営陣の迅速・果断な意思決定への貢献が期待できるため、社外取締役としての監督機能及び役割を果たしていただけると考えております。

 また、同氏は、当社の主要株主や主要取引先の業務執行者であった経歴がなく、また当社の取締役としての報酬以外の金銭を受領しておらず、当社の定める独立性基準を満たすと判断しております。

 

・古城佳子氏

 古城佳子氏は、当社取締役就任前、会社経営に直接関与されたことはありませんが、日本国際政治学会理事長などの要職を歴任され、長年、民間企業を含む経済主体が国際政治に及ぼす影響などについての研究を重ねておられます。同氏の深い学識に基づき、国際政治の激動期における外部環境の変化への対応やSDGsへの取り組みなどについて幅広い助言と監督が期待できるため、社外取締役としての監督機能及び役割を果たしていただけると考えております。

 また、同氏は、当社の主要株主や主要取引先の業務執行者であった経歴がなく、また当社の取締役としての報酬以外の金銭を受領しておらず、当社の定める独立性基準を満たすと判断しております。

 

・スコット キャロン氏

 スコット キャロン氏は、外資系証券会社勤務を経て、現在、日本株投資に特化した独立系の投資顧問会社であるいちごアセットマネジメント㈱の代表取締役社長を務めており、機関投資家として投資先企業との対話を行ってきた経験をお持ちです。このような経験から、株主・投資家の立場からの監督と助言が期待できるため、社外取締役としての監督機能及び役割を果たしていただけると考えております。

 なお、同氏が代表取締役会長を務める㈱ジャパンディスプレイと当社との間には、営業取引関係がありますが、その取引金額は当事業年度において約3億3千万円であり、当社の売上規模に鑑みると、特別の利害関係を生じさせる重要性はありません。同氏が代表取締役社長を務めるいちごアセットマネジメント㈱と共同して議決権を行使する共同保有者であるいちごトラスト・ピーティーイー・リミテッドは当社の上位株主ですが、同社は当社の定める独立性基準における大株主には該当せず、また、同氏は当社の主要取引先の業務執行者等であった経歴はありません。このため、同氏は当社の定める独立性基準を満たし、一般株主との利益相反の生じるおそれがないと判断しております。

 

<社外監査役>

・初川浩司氏

 初川浩司氏は、公認会計士としてグローバル企業に対する豊富な監査経験があり、企業会計に関する広い知見を有しているため、社外監査役としての監督機能及び役割を果たしていただけると考えております。

 なお、同氏が代表執行役を務めていたあらた監査法人(現 PwCあらた有限責任監査法人)は、当社の会計監査を担当したことはありません。また、PwCあらた有限責任監査法人と当社の間には、営業取引関係がありますが、その取引金額は当事業年度において約60万円であり、当社の売上規模に鑑みると、特別の利害関係を生じさせる重要性はありません。このため、同氏は当社の定める独立性基準を満たし、一般株主との利益相反の生じるおそれがないと判断しております。

 

・幕田英雄氏

 幕田英雄氏は、会社経営に直接関与されたことはありませんが、検事、公正取引委員会の委員等を歴任され、法律のみならず、経済・社会等、企業経営を取り巻く事象に深い見識をお持ちであるため、社外監査役としての監督機能及び役割を果たしていただけると考えております。

 なお、同氏は当社の主要株主や主要取引先の業務執行者であった経歴がないことから、当社が定める独立性基準を満たすと判断しております。

 

③ 社外取締役又は社外監査役による監督又は監査と内部監査、監査役監査及び会計監査との相互連携並びに内部統制部門との関係

 当社の内部監査組織である内部統制・監査室は、グループ各社の内部監査組織と連携して、富士通グループ全体に関する内部監査を実施しております。内部監査の監査計画及び監査結果については、グループ会社に関する事項も含め、常勤監査役に対しては原則として月次で報告を行い、監査役会に対しては定期的(原則として四半期に一度)に報告を行っております。

 また、当社の会計監査人であるEY新日本有限責任監査法人は、監査役会に対し、監査計画及び監査結果を報告しております。必要に応じて意見交換等も行っており、連携して監査を行っております。

 当社の内部統制部門としては、「内部統制体制の整備に関する基本方針」にもとづき、リスク・コンプライアンス委員会などがそれぞれリスク管理体制、コンプライアンス体制、財務報告に関する内部統制体制などの整備・運用を行っており、必要に応じて監査役会に報告を行っております。

 さらに、当社では、すべての独立役員(独立社外取締役、独立社外監査役)から構成される独立役員会議を設置しております。独立役員会議では、独立役員の情報共有と意見交換を踏まえた各役員の意見形成を図るほか、必要に応じて常勤監査役も出席し、社外取締役との連携を確保します

 

4【関係会社の状況】

(1)連結子会社

 

2020年3月31日現在

 

名称

住所

資本金

(百万円)

事業の内容

議決権に対する所有割合(%)

関係内容

役員の兼任等

営業上の取引等

富士通フロンテック㈱

※2

東京都稲城市

8,457

ATM、店舗システム等の開発、製造及び販売並びにサービスの提供

53.35

あり

製品の一部を当社へ納入

㈱富士通ITプロダクツ

石川県かほく市

100

各種サーバ、ストレージシステムの開発及び製造

100

あり

当社製品の製造

富士通テレコムネットワークス㈱

栃木県小山市

100

ネットワーク機器及びネットワークシステム等の製造

100

あり

当社製品の製造

㈱富士通アドバンストエンジニアリング

東京都新宿区

100

ソフトウェアの設計及び開発並びに運用及び保守サービスの提供

100

あり

当社製品の開発

㈱富士通九州システムズ

福岡市博多区

300

ソフトウェアの開発、サポート及び販売

100

なし

当社製品の開発、販売、導入サービスの提供

㈱富士通総研

東京都港区

200

経営課題に関するコンサルティング及び経済研究活動

100

あり

当社ビジネスモデルの検討、研究委託

Ridgelinez㈱

※4

東京都千代田区

100

コンサルティング及び調査研究活動

100

あり

㈱富士通ソーシアルサイエンスラボラトリ

川崎市中原区

450

ソフトウェアの開発及びシステムの構築

100

あり

当社製品の開発

㈱富士通ビー・エス・シー

東京都港区

100

ソフトウェアの開発及び販売並びにサービスの提供

100

あり

当社製品の開発

㈱富士通マーケティング

東京都港区

12,220

コンサルティング、システムの構築並びに情報システム向け機器の販売、設置工事及び保守

100

あり

当社製品の販売及び保守並びに当社パートナーの支援

富士通エフ・アイ・ピー㈱

東京都港区

100

システムインテグレーションサービス、SaaSサービス及びITアウトソーシング&クラウドサービスの提供

100

あり

当社顧客に対するアウトソーシングサービス等の提供及び当社製品の販売

㈱富士通エフサス

川崎市中原区

9,401

情報システムの構築並びに保守及び運用サービスの提供並びに情報システム向け機器及びソフトウェアの販売

100

あり

当社製品の販売及び保守

富士通ネットワークソリューションズ㈱

横浜市西区

3,942

ネットワークシステムの企画、コンサルティング、設計及び施工管理並びに運用及び保守並びにサービスの提供

100

あり

当社製品の販売及び保守

㈱PFU

石川県かほく市

15,000

情報システム及びICT関連機器の開発、製造及び販売並びにサービスの提供

100

あり

当社顧客に対する情報システムサービスの提供並びに当社製品の販売及び保守

㈱トランストロン

横浜市港北区

1,000

自動車関連エレクトロニクス製品、及び車載用情報機器の開発、製造及び販売

51.00

あり

製品の一部を当社へ納入

富士通アイソテック㈱

福島県伊達市

100

デスクトップパソコン及びPCサーバの製造並びにプリンタの開発、製造及び販売

100

あり

当社製品の製造

 

㈱富士通パーソナルズ

東京都港区

940

パソコン、携帯電話等の販売及びサービスの提供

100

あり

当社製品の販売

富士通セミコンダクター㈱

 

横浜市港北区

100

LSIの設計、開発、製造及び販売

100

なし

製品の一部を当社へ納入

新光電気工業㈱

※2

長野県長野市

24,223

半導体パッケージの開発、製造及び販売

(0.01)

50.05

なし

製品の一部を当社へ納入

FDK㈱

※2

東京都港区

31,709

各種電池及び電子部品の開発、製造及び販売

58.89

あり

製品の一部を当社へ納入

㈱富士通研究所

川崎市中原区

5,000

情報システム、通信システム及び電子デバイスに関する研究開発

100

なし

研究開発の受託

Fujitsu Network

Communications, Inc.

米国

千米国ドル

240,815

ネットワーク機器・システムの開発、製造、販売及び工事並びに関連するサービスの提供

100

あり

当社製品の北米における開発、製造、販売、工事及び保守

 

Fujitsu Services

Holdings PLC

※1

英国

千スターリング・ポンド

1,598,001

コンサルティング並びにシステム構築、保守及び運用に関する各種サービスの提供並びに情報システム向け機器及びソフトウェアの販売

100

あり

当社海外顧客に対する情報システムサービスの提供

Fujitsu America, Inc.

※3

米国

千米国ドル

664

コンサルティング並びにシステム構築、保守及び運用に関する各種サービスの提供並びに情報システム向け機器及びソフトウェアの販売

(100)

100

あり

当社海外顧客に対する情報システムサービスの提供、Fujitsu North America

Holdings, Inc.の子会社

Fujitsu Australia

Limited

オーストラリア

千オーストラリア・ドル

262,799

コンサルティング並びにシステム構築、保守及び運用に関する各種サービスの提供並びに情報システム向け機器及びソフトウェアの販売

100

なし

当社海外顧客に対する情報システムサービスの提供

Fujitsu Technology

Solutions (Holding) B.V.

※1、※3

オランダ

千ユーロ

272,752

コンサルティング並びにシステムの構築、保守及び運用に関する各種サービスの提供並びに情報システム向け機器及びソフトウェアの販売

100

あり

当社製品の欧州における開発及び製造並びに当社海外顧客に対する情報システムサービスの提供

Fujitsu Asia Pte. Ltd.

シンガポール

千シンガポールドル

30,445

コンサルティング、システム構築、保守及び運用に関する各種サービスの提供並びに情報システム向け機器及びソフトウェアの販売

100

あり

当社海外顧客に対する情報システムサービスの提供

 

(2)持分法適用関連会社

2020年3月31日現在

 

名称

住所

資本金

(百万円)

事業の内容

議決権に対する所有割合(%)

関係内容

役員の

兼任等

営業上の取引等

㈱富士通ゼネラル

※2

川崎市高津区

18,089

空調機、情報通信機器及び電子デバイス製品の開発、製造及び販売並びにサービスの提供

44.10

あり

当社製品の受託製造及び販売

富士通リース㈱

東京都千代田区

1,000

情報処理機器、通信機器等の賃貸及び販売

20.00

あり

当社製品の賃貸及び販売

㈱ソシオネクスト

横浜市港北区

30,200

SoCの設計、開発及び販売並びにサービスの提供

40.00

なし

製品の一部を当社へ納入

富士通コネクテッドテクノロジーズ㈱

神奈川県大和市

9,196

携帯端末の開発、製造及び販売

30.00

あり

製品の一部を当社へ納入

富士通クライアントコンピューティング㈱

川崎市中原区

400

ノートパソコン、デスクトップパソコン等の開発、設計、製造及び販売

44.00

あり

製品の一部を当社へ納入

富士通コンポーネント㈱

東京都品川区

50

電子部品及び電子機器の開発、製造及び販売

25.00

なし

製品の一部を当社へ納入

富士通エレクトロニクス㈱

横浜市港北区

4,877

LSI及び関連ソフトウェアの設計及び開発並びに電子デバイスの販売

(30.00)

30.00

なし

当社子会社製品の販売、富士通セミコンダクター㈱の関連会社

(注)1.上記以外の連結子会社数は364社です。

2.上記以外の持分法適用関連会社数は18社です。

3.議決権に対する所有割合の欄の上段の( )内数字は間接所有割合で内数です。

4.※1の会社は特定子会社に該当します。

5.※2の会社は有価証券届出書又は有価証券報告書を提出している会社です。

6.※3の会社は債務超過会社で、債務超過の金額は、2020年3月末時点で以下のとおりです。

    Fujitsu Technology Solutions (Holding) B.V.(その連結子会社を含む) 64,578百万円

    Fujitsu America, Inc.(その連結子会社を含む) 29,505百万円

7.※4の会社は2020年1月15日に設立し、2020年4月1日より事業を開始しました。そのため、営業上の取引等については「-」としております。

 

※2.販売費及び一般管理費のうち主要な費目及び金額

 

 前事業年度

(自 2018年4月 1日

  至 2019年3月31日)

 当事業年度

(自 2019年4月 1日

  至 2020年3月31日)

従業員給料手当

126,341百万円

127,041百万円

減価償却費

6,333

6,003

研究開発費

103,646

95,912

販売費及び一般管理費のうち販売費に属する費用の割合は前事業年度 約56%、当事業年度 約55%であります。

1【設備投資等の概要】

当社グループでは、当年度において964億円(前年度比15.4%増)の設備投資を行いました。

テクノロジーソリューションでは、国内外のデータセンター及びクラウドサービスに関する設備を中心に507億円を投資しました。

ユビキタスソリューションでは、パソコン事業等に対し13億円を投資しました。

デバイスソリューションでは、新光電気工業㈱の電子部品の製造設備等に対する投資額が増加し、合計で425億円を投資しました。

上記セグメント以外では、IT基盤の整備等を中心に、19億円の設備投資を行いました。

 

また、上記の他、IFRS第16号「リース」の適用に伴い、従来オペレーティング・リースとして区分されていたリース契約について、当年度より連結財政状態計算書に計上しております。当年度においてリース取引により480億円の設備の新規取得がありました。

 

株価(1年)
期間を変更
PER(1年/会予)
期間を変更

その他企業情報

企業価値2,151,433 百万円
純有利子負債-568,907 百万円
EBITDA・会予212,000 百万円
株数(自己株控除後)200,245,830 株
設備投資額96,400 百万円
減価償却費N/A
のれん償却費N/A
研究開発費123,300 百万円
代表者代表取締役社長 時田 隆仁
資本金324,625 百万円
住所東京都港区東新橋一丁目5番2号(汐留シティセンター)
会社HPhttp://www.fujitsu.com/jp/

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