1年高値2,597 円
1年安値1,657 円
出来高1,964 千株
市場東証1
業種電気機器
会計IFRS
EV/EBITDA13.1 倍
PBR3.5 倍
PSR・会予3.0 倍
ROA10.3 %
ROIC13.6 %
β0.92
決算3月末
設立日1950/10
上場日1961/10/2
配当・会予31 円
配当性向31.9 %
PEGレシオ0.4 倍
売上高(百万円)&収益性(%)
売上5y CAGR・予想:5.8 %
利益(百万円)
営利5y CAGR・予想:42.6 %
純利5y CAGR・予想:49.6 %
EPS(円) BPS(円)
配当(円)
健全性(%、倍)
セグメント別売上
セグメント別営業利益
セグメント別利益率
単一セグメント、もしくはIFRS / USGAAPのため、データがありません。
会社の詳細

3【事業の内容】

当社グループ(当社及び当社の関係会社)は、当社、子会社45社、関連会社1社により構成されており、計測及びPQA(プロダクツ・クオリティ・アシュアランス)の開発、製造、販売を主たる事業とし、これらに附帯する保守、サービス等を行っているほか、不動産賃貸業を営んでおります。

当社グループの事業内容及び当社と関係会社の当該事業に係る位置付けは次のとおりです。

なお、次の区分は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 連結財務諸表注記」のセグメント情報の区分と同一です。

 

区分

主要製品名

主要な会社

計測

デジタル通信・IPネットワーク用測定器、

光通信用測定器、

移動通信用測定器、

RF・マイクロ波・ミリ波帯汎用測定器、

サービス・アシュアランス

当社、東北アンリツ㈱、

アンリツカスタマーサポート㈱、

アンリツエンジニアリング㈱、

Anritsu Company(米国)、

Anritsu Americas Sales Company(米国)、

Azimuth Systems, Inc.(米国)、

Anritsu Ltd.(英国)、Anritsu EMEA Ltd.(英国)、

Anritsu Electronics Ltd.(カナダ)、

Anritsu Eletronica Ltda.(ブラジル)、

Anritsu Company S.A. de C.V.(メキシコ)、

Anritsu GmbH(ドイツ)、

Anritsu S.A.(フランス)、

Anritsu S.r.l.(イタリア)、

Anritsu AB(スウェーデン)、

Anritsu Company Ltd.(香港)、

Anritsu (China) Co., Ltd.(中国)、

Anritsu Electronics (Shanghai) Co., Ltd.(中国)、

Anritsu Corporation, Ltd.(韓国)、

Anritsu Company, Inc.(台湾)、

Anritsu Pte. Ltd.(シンガポール)、

Anritsu India Private Ltd.(インド)、

Anritsu Pty. Ltd.(オーストラリア)、

Anritsu Company Ltd.(ベトナム)

Anritsu Philippines, Inc.(フィリピン)、

Anritsu A/S (デンマーク)、

Anritsu Solutions S.r.l.(イタリア)、

Anritsu Solutions S.R.L.(ルーマニア)、

Anritsu Solutions SK,s.r.o.(スロバキア)

その他3社

PQA

自動重量選別機、

自動電子計量機、

異物検出機、

総合品質管理・制御システム

アンリツインフィビス㈱、

Anritsu Industrial Solutions (Shanghai) Co., Ltd.(中国)、

Anritsu Industrial Systems (Shanghai) Co., Ltd.(中国)、

Anritsu Infivis Inc.(米国)、

Anritsu Infivis Ltd.(英国)、

Anritsu Infivis (THAILAND) Co., Ltd.(タイ)

Anritsu Infivis B.V. (オランダ)

その他

情報通信、

デバイス、

物流、

厚生サービス、

不動産賃貸、

人事・経理事務処理業務、

部品製造等

当社、アンリツネットワークス㈱、

東北アンリツ㈱、

アンリツエンジニアリング㈱、

アンリツデバイス㈱、

アンリツ興産㈱、

アンリツ不動産㈱、

㈱アンリツプロアソシエ、

ATテクマック㈱

その他1社

(注)アンリツネットワークス㈱(連結子会社)、アンリツエンジニアリング㈱(連結子会社)及び㈱アンリツプロアソシエ(連結子会社)は、2020年4月1日付でアンリツ㈱(当社)に吸収合併されています。

[事業系統図]

以上述べた事項を事業系統図によって示すと次のとおりです。

 

(画像は省略されました)

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりです。

 

1) 財政状態及び経営成績の状況

当連結会計年度における世界経済は、米中貿易戦争が激化するも、先進国を中心に緩やかに景気拡大が継続してきましたが、世界的な新型コロナウイルスの感染拡大による経済活動の停滞により、景気後退の動きが急速に進んでいます。また、ヒトやモノの移動制限によるサプライチェーンの寸断、都市封鎖等による工場の操業停止や事業拠点の休業など、新型コロナウイルスの感染拡大による企業活動へのマイナス影響が懸念されています。国内においても、インバウンド需要の減少、イベント等の中止、外食等の手控えなどにより国内消費が急速に落ち込んでいます。

情報通信分野においては、モバイル・ブロードバンド・サービスは質量ともに拡がりを見せ、データ通信量は急速に増加して、ネットワーク・インフラを逼迫させつつあります。それらの課題を解決するために、モバイル通信方式4Gは、LTE(Long Term Evolution)及びLTE-AdvancedそしてLTE-Advanced Pro(Gigabit LTE)と進化しました。加えて、次世代の通信方式5Gの仕様策定が3GPPで進行しています。2017年12月に5G NSA-NR(Non-Standalone New Radio)、2018年6月に5G SA-NR(Standalone New Radio)の標準化が完了し、5Gの超高速通信に関する主要機能の全仕様が規定されました。3GPPでは引き続き、ユースケースの拡張が期待される超低遅延及び多数同時接続の仕様策定(Release 16※)を検討しており、2020年に標準化完了が予定されています。また、3GPPでは、高周波数帯の拡張、通信エリアの拡大、低消費電力・低コスト通信など、5Gのさらなる効率性、性能改善を目的とした新たな仕様(Release 17※)の検討が、2021年の標準化完了を目指して進められる予定です。

その結果、米国、韓国、欧州に次いで、中国でも5Gサービスが開始されるなど、各国オペレータの商用化スケジュールは順調に進展しています。日本においても2020年3月から都市部を中心とした一部のエリアで5Gサービスが開始されました。

このような環境のもと、計測事業グループは、5Gの開発投資需要を獲得するためのソリューションの開発と組織体制の整備に注力し、5Gチップセット及び端末の開発関連需要を獲得しました。

PQA事業の分野においては、加工食品生産ラインの自動化投資が進むとともに、X線を用いた異物検出並びに包装に関する品質保証などの需要が堅調に推移しています。PQA事業グループは、このような状況下でX線を軸としたソリューションの競争力強化と海外の販売体制の整備拡充に取り組みました。

この結果、受注高は107,709百万円(前年同期比6.8%増)、売上収益は107,023百万円(同7.4%増)、営業利益は17,413百万円(同54.8%増)、税引前利益は17,181百万円(同51.2%増)、当期利益は13,397百万円(同49.0%増)、親会社の所有者に帰属する当期利益は13,355百万円(同49.1%増)となりました。なお、新型コロナウイルス感染拡大による当連結会計年度の業績への影響は軽微でした。

当連結会計年度末の資産合計は、138,873百万円となり、前連結会計年度末に比べ8,405百万円増加しました。

当連結会計年度末の負債合計は、44,541百万円となり、前連結会計年度末に比べ247百万円減少しました。

当連結会計年度末の資本合計は、94,331百万円となり、前連結会計年度末に比べ8,653百万円増加しました。

なお、当社グループの当連結会計年度の財政状態の状況は、「(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 2) 財政状態」に記載しています。

 

(※)3GPPで標準化される規格番号

 

セグメントごとの経営成績は以下のとおりです。なお、各セグメント別の売上収益は外部顧客に対する売上収益を記載しています。

① 計測事業

当事業は、通信事業者、関連機器メーカー、保守工事業者などへ納入する、多機種にわたる通信用及び汎用計測器、測定システム、サービス・アシュアランスの開発、製造、販売を行っています。

当連結会計年度は、モバイル市場において5Gチップセット及び携帯端末の開発需要が順調に推移しました。特にアジア地域において、5G商用化に向けた開発需要が拡大し、5Gビジネスを牽引しました。

この結果、売上収益は75,165百万円(前年同期比10.3%増)、営業利益は15,148百万円(同60.9%増)、調整後営業利益は15,018百万円(同59.6%増)となりました。

(注)調整後営業利益とは、営業利益から一過性の性格を持つ損益項目を排除した恒常的な事業の業績を測る当社独自の利益指標です。

(非監査情報)営業利益から調整後営業利益への調整表

(単位:百万円)

 

前連結会計年度

当連結会計年度

前年同期比

営業利益

9,413

15,148

5,735

60.9%

(調整項目)

 

 

 

 

受取保険金及び災害損失

(台風19号関連)

△129

△129

 

調整後営業利益

9,413

15,018

5,605

59.6%

 

② PQA事業

当事業は、高精度かつ高速の各種自動重量選別機、自動電子計量機、異物検出機などの食品・医薬品・化粧品産業向けの生産管理・品質保証システム等の開発、製造、販売を行っています。

当連結会計年度は、国内・海外とも食品市場の品質保証プロセスの改善強化、自動化、省力化に向けた設備投資需要は堅調であるものの、顧客先での製品の受入検収期間が長期化した影響等により減収となりました。この結果、売上収益は22,575百万円(前年同期比2.2%減)、営業利益は1,287百万円(同20.0%減)となりました。

③ その他の事業

その他の事業は、情報通信事業、デバイス事業、物流、厚生サービス、不動産賃貸等からなっております。

当連結会計年度は、デバイス事業の利益が、前年同期と比較して増加しました。この結果、売上収益は9,282百万円(前年同期比10.3%増)、営業利益は1,900百万円(同65.9%増)となりました。

 

2) キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の期末残高は、47,669百万円となり、前期末に比べ2,572百万円増加しました。なお、営業活動によるキャッシュ・フローと投資活動によるキャッシュ・フローを合わせたフリー・キャッシュ・フローは、11,035百万円のプラス(前期は11,631百万円のプラス)となりました。

当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりです。

① 営業活動によるキャッシュ・フロー

営業活動の結果獲得した資金は、純額で14,721百万円(前年同期は12,247百万円の獲得)となりました。これは、税引前利益並びに減価償却費及び償却費の計上により資金が増加した一方、棚卸資産並びに営業債権及びその他の債権の増加により資金が減少したことが主な要因です。なお、減価償却費及び償却費は4,999百万円(前年同期比612百万円増)となりました。

② 投資活動によるキャッシュ・フロー

投資活動の結果使用した資金は、純額で3,686百万円(前年同期は616百万円の使用)となりました。これは、有形固定資産の取得による支出が主な要因です。

③ 財務活動によるキャッシュ・フロー

財務活動の結果使用した資金は、純額で7,592百万円(前年同期は2,052百万円の使用)となりました。これは、長期借入金の返済3,500百万円及び配当金の支払額3,365百万円(前年同期の配当金支払額は2,198百万円)が主な要因です。

 

3) 生産、受注及び販売の実績

① 生産実績

当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2019年4月1日

至 2020年3月31日)

前年同期比(%)

計測(百万円)

78,173

112.2

PQA (百万円)

22,950

101.5

報告セグメント計(百万円)

101,124

109.6

その他(百万円)

9,202

106.8

合計(百万円)

110,326

109.4

(注1)金額は販売価格によっております。

(注2)上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

② 受注実績

当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。

セグメントの名称

受注高(百万円)

前年同期比(%)

受注残高(百万円)

前年同期比(%)

計測

75,579

109.8

16,673

104.3

PQA

22,999

98.6

4,937

107.7

報告セグメント計

98,579

107.0

21,610

105.0

その他

9,130

105.0

1,394

106.2

合計

107,709

106.8

23,003

105.1

(注)上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

③ 販売実績

当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2019年4月1日

至 2020年3月31日)

前年同期比(%)

計測(百万円)

75,165

110.3

PQA (百万円)

22,575

97.8

報告セグメント計(百万円)

97,740

107.1

その他(百万円)

9,282

110.3

合計(百万円)

107,023

107.4

(注1)上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

(注2)主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合については、その割合が100分の10以上に該当する相手先がないため記載を省略しております。

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりです。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであり、実際の結果は、将来に関する事項の記述とは異なる可能性があります。その主な要因については、「第一部 企業情報 第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載しておりますが、それらに限定されるものではありません。

 

1) 経営成績

当社グループは、計測事業、PQA事業の2つを報告セグメントとしています。

① 計測事業

当社グループの売上収益の70%を占める計測事業は、「モバイル市場」「ネットワーク・インフラ市場」「エレクトロニクス市場」向けの3つのサブセグメントに区分しております。

a. モバイル市場

モバイル市場には、携帯電話サービスを行うサービスプロバイダの端末受入検査用途向け計測器や、スマートフォン等の携帯電話端末やICチップセット、その他関連電子部品メーカーでの設計、生産、機能・性能検証、保守用途向けの計測器等を含めております。

当市場の需要は、携帯電話サービスの技術革新や普及率、加入者数の推移のほか、端末/チップセット・メーカーの新規参入又は撤退、端末やチップセットのモデルチェンジや出荷数などに影響される傾向があります。

これまで、世界各国で展開されてきたLTE方式は、データ通信量の急速な増加によるネットワークインフラの逼迫を解決するために、LTE-Advanced 、LTE-Advanced Proへと進化してきました。現在、次世代の5G通信システムの超高速通信に関する仕様が確定し、米国、韓国、欧州に次いで中国や日本でも5Gサービスが開始されるなど、各国オペレータでも5G商用化が進められつつあります。端末製造市場ではLTEスマートフォン製造需要が減縮する一方で、端末開発市場では5GをサポートするICチップセットや携帯電話端末の開発が本格化し、5G開発用計測器への需要が高まっています。

加えて、超低遅延及び多数同時接続の仕様策定が進められており、5Gのユースケースとして期待されるIoT分野や自動車業界での自動運転・車載通信分野では、新たなサービスの実現に向けたモバイル通信技術の開発も事業機会として顕在化しています。

当社は、引き続き競争力のある最先端計測ソリューションを開発・投入するとともに、開発ポートフォリオ・マネジメントを的確に遂行することで、収益基盤の強化に努めてまいります。

b. ネットワーク・インフラ市場

ネットワーク・インフラ市場には、有線・無線通信事業者のネットワーク建設、保守、監視及びサービス品質保証用途向けのソリューションや、ネットワーク機器メーカーの設計、生産、試験及び調整用途向けソリューション等を含めております。

当市場においては、クラウドサービスの高度化や5Gサービスの進展によりデータ・トラフィックが急増しているため、ネットワークの更なる高速化を進めるサービスプロバイダでは100Gbpsサービスの導入が本格化するとともに、ネットワーク機器メーカーでは、400Gbpsネットワーク装置の開発も進展しています。また、モバイル端末からの接続性を向上させるため、有線・無線通信技術を統合活用することにより基地局ネットワークを効率的に高密度化することが進められています。これらの市場動向の変化に伴い、有線・無線技術を最適化した計測ソリューションの需要が本格化しています。さらに、クラウドサービスを支えるデータセンターの増加などを背景に、高速データ通信装置の市場が拡大するとともに、高速光通信モジュールの研究開発や製造市場が増加基調にあり競争が激しくなっています。

当社は、通信機器の研究・開発向けソリューションに加え、通信インフラの構築・監視からサービス品質保証までの総合ソリューションを提供することで、事業の拡大に取り組んでまいります。

c. エレクトロニクス市場

エレクトロニクス市場には、通信ネットワークに関連する通信機器やその他の電子機器に使用される電子デバイスの設計、生産、評価をはじめ、エレクトロニクス分野で幅広く利用されている計測器等を含めております。

当市場の需要は、通信機器や情報家電、自動車等に使用される電子部品及び電子機器の生産規模に影響を受ける傾向があります。モバイル・ブロードバンド・サービスやLPWA(Low Power Wide Area)デバイスなどを使用したIoTサービスの拡大により、多岐にわたる用途の無線モジュールの開発・製造用計測ソリューション需要が増加しております。また、周波数資源の有効利用のために各種無線システムのデジタル化が進められ、無線システムの製造及び保守用計測ソリューションの需要は堅調に推移しています。

当社は、エレクトロニクス市場に対するソリューションを拡充し、更なる事業の拡大に努めてまいります。

② PQA事業

PQA事業は、当社グループの売上収益の21%を占めています。当事業は、食品産業向けの売上収益が8割以上を占めているため、食の安全安心に関する意識の高まりや食品メーカーの業績に影響を及ぼす消費支出水準の変化に大きな影響を受けます。

主力製品には、食品製造ラインにおいて高速搬送しながら高精度に計量する重量選別機や食品中に混入する金属や石などの異物を高感度に検出し製造ラインから排除する異物検査機器(X線検査機等)などがあります。日本市場においては異物混入に対する顧客の関心に加え、人手不足による自動化ニーズの高まりを背景に、食品生産ラインの自動化、省人化を目的とした設備投資が堅調でした。

また、海外市場では、米州、欧州、中国などでグローバルに事業を展開する重要顧客の需要が堅調に推移し、当事業の海外売上比率は約4割となっています。

食品メーカーの品質検査への関心は高く、この需要に応えるために、新製品及び品質保証ソリューションの開発、提供に努めるとともに、海外現地生産を含むサプライ・チェーンの最適化とグローバルオペレーションの効率化を推進し、事業拡大と収益性の向上に取り組んでまいります。

 

2) 財政状態

① 資産

資産合計は、138,873百万円となり、前期末に比べ8,405百万円増加しました。主に現金及び現金同等物並びに棚卸資産が増加したことによるものです。

② 負債

負債合計は、44,541百万円となり、前期末に比べ247百万円減少しました。主に社債及び借入金が減少した一方、IFRS第16号の適用に伴い、リース債務が増加したこと等によりその他の金融負債が増加しました。

③ 資本

資本合計は、94,331百万円となり、前期末に比べ8,653百万円増加しました。これは、主に利益剰余金が増加した一方、その他の資本の構成要素が減少しました。

この結果、親会社所有者帰属持分比率は67.8%(前期末は65.6%)となりました。

有利子負債残高は14,594百万円(前期末は16,435百万円)、デット・エクイティ・レシオは0.15(前期末は0.19)となりました。また、リース債務を除く有利子負債残高は12,876百万円(前期末は16,248百万円)、リース債務を除くデット・エクイティ・レシオは0.14(前期末は0.19)となりました。

なお、IFRS第16号の適用に伴い、当連結会計年度からリース債務の残高が増加しています。その影響により有利子負債が増加しましたが、長期借入金を返済したため、前期末に比べ有利子負債及びデット・エクイティ・レシオが減少しました。

 

3) キャッシュ・フロー

当社グループは、当連結会計年度末において47,669百万円の資金を保有していることから、将来の予測可能な資金需要に対して不足が生じる事態に直面する懸念は少ないと認識しています。

当社グループの当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況は、「(1) 経営成績等の状況の概要 2) キャッシュ・フローの状況」に記載しております。

当連結会計年度の設備投資額は、4,518百万円(前年同期比85.5%増)となりました。主に新製品開発と原価低減に向けた投資を実施しました。研究開発投資については、13,321百万円(前年同期比10.9%増)となりました。主にソリューションの競争力強化に向けた投資を実施しました。これらの設備投資額及び研究開発投資は、主に自己資金によって賄われました。

翌連結会計年度においては、約5,000百万円の設備投資と約13,500百万円の研究開発投資を予定しています。設備投資額は、開発環境基盤強化を目的とした通常の投資のほか、グローバルな情報システムへの投資、気候変動対策として再生可能エネルギー設備への投資等を見込んでおります。研究開発投資については、更なる事業拡大にむけて、主力の計測事業においては、5Gにおける競争力強化、PQA事業については、グローバルビジネス展開を目的とした投資を行っていきます。これらの設備投資額及び研究開発費投資を、主に自己資金によって賄う予定です。

 

4) 資本の財源及び資金の流動性

当社グループの資金需要は、製品の製造販売に関わる部材購入費や営業費用などの運転資金、設備投資資金及び研究開発費が主なものであり、主に営業活動によって獲得した内部資金のほか、直接調達・間接調達により十分な資金枠を確保しています。また、2020年3月に設定した借入枠75億円のコミットメントライン(2023年3月まで有効)により財務の安定性を確保しています。今後とも、大きく変動する市場環境のなかで、国内外の不測の金融情勢に備えるとともに、運転資金、長期借入債務の償還資金及び事業成長のための資金需要に迅速、柔軟に対応してまいります。

当期末の有利子負債残高は、14,594百万円(前期末の有利子負債残高は16,435百万円)となりました。また、デット・エクイティ・レシオは0.15(前期末は0.19)、ネット・デット・エクイティ・レシオは△0.35(前期末は△0.33)となっております。当期の売上収益に対する期末平均棚卸残高の回転率は5.4回となりました。

今後ともACEの改善(投下資本コストを上回る税引後営業利益の達成)とCCC向上によるキャッシュ・フロー創出及びグループ内キャッシュ・マネジメント・システム等による資金効率化を原資として、有利子負債の削減、デット・エクイティ・レシオの改善、株主資本の充実等、財務体質の強化に努めてまいります。

2020年3月期末の当社の格付(R&I:㈱格付投資情報センター)は、短期格付が「a-1」、長期格付が「A-」となっています。当社は、更なる格付向上に向けて、財務安定性の改善に引き続き取り組んでまいります。

株主還元ついては、連結当期利益の上昇に応じて、親会社所有者帰属持分配当率(DOE:Dividend On Equity)を上げることを基本に、連結配当性向30%以上の配当を行うとともに、総還元性向も勘案した株主還元施策も動機的に行っていくことを基本方針としています。

また、剰余金については、5G/IoTを活用した産業分野への事業拡大やクラウドサービス市場等への事業展開及び6Gをはじめとした次世代技術の獲得等に向けた戦略的投資(含むM&A)のための資金需要に備える計画です。このような新規事業への投資も含めて、企業価値の向上に取り組みます。

 

(注1)デット・エクイティ・レシオ:有利子負債/親会社の所有者に帰属する持分

(注2)ネット・デット・エクイティ・レシオ:(有利子負債-現金及び現金同等物)/親会社の所有者に帰属する持分

(注3)ACE (Anritsu Capital-cost Evaluation): 税引後営業利益-資本コスト(5%)

(注4)CCC:キャッシュ・コンバージョン・サイクル

 

5) 経営戦略と今後の方針について

経営戦略と今後の方針は、「第一部 企業情報 第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載しております。

 

6) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、国際会計基準(IFRS)に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたっては、予想される将来のキャッシュ・フローや、経営者の定めた会計方針に従って財務諸表に報告される数値に影響を与える項目について、経営者が見積りを行うことが要求されます。これらの見積りは過去の実績等を勘案し合理的に判断していますが、結果として、これらの見積りと実際の結果が異なる場合があります。

重要な会計方針及び見積りの内容は、「第一部 企業情報 第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 連結財務諸表注記 3. 重要な会計方針」に記載しています。連結財務諸表に関して、特に重要な見積りを伴う会計方針は、以下のとおりです。

① 繰延税金資産の回収可能性

当社グループは、税効果会計を適用し、繰延税金資産を計上しています。繰延税金資産については、将来課税所得に対して利用できる可能性が高いものに限り認識しております。

繰延税金資産の評価は、取締役会で承認された事業計画を基礎とした将来の課税所得の見積りと、税務上実現可能と見込まれる計画に基づいており、仮に将来の市場環境や経営成績の悪化により将来の課税所得が見込みを下回る場合は、繰延税金資産の金額が大きく影響を受ける可能性があります。

② 確定給付制度債務

当社及び一部の子会社の従業員を対象とした確定給付年金制度から生じる退職給付費用及び債務は、割引率、退職率及び死亡率等の数理計算上で設定される前提条件に基づいて算出されております。

当社グループでは、確定給付年金制度の純額の再測定により生じる調整額をその発生時に連結純損益及びその他の包括利益計算書の「その他の包括利益」で認識し、確定給付年金制度の再測定により生じた調整の累計額を連結財政状態計算書の「利益剰余金」に計上しております。

割引率は、当社の債務と概ね同じ満期日を有する期末日の優良社債の利回りを使用しております。割引率は測定日現在の確定給付制度債務を計算するために使用されます。

確定給付制度債務の見込額を算出する基礎となる割引率等の数理計算上の仮定に変動が生じた場合は、将来の確定給付費用及び確定給付制度債務に影響をもたらします。

 

 

6. セグメント情報

(1) 報告セグメントの概要

当社グループは、製品・サービスで区分した事業セグメントごとに国内及び海外の包括的な戦略を立案し、事業活動を展開しております。取締役会においては、各事業セグメントの財務情報をもとに、定期的に経営資源の配分の決定及び業績の評価を行っております。当社グループは、「計測事業」及び「PQA事業」を報告セグメントとしております。

 

各報告セグメントの主な製品・サービスは以下のとおりです。

計測

デジタル通信・IPネットワーク用測定器、光通信用測定器、移動通信用測定器、RF・マイクロ波・ミリ波帯汎用測定器、サービス・アシュアランス

PQA

自動重量選別機、自動電子計量機、異物検出機、総合品質管理・制御システム

 

(2) 報告セグメントの収益、損益、資産及びその他の情報

当社グループの報告セグメント情報は以下のとおりです。

報告セグメントの会計処理の方法は、注記「3. 重要な会計方針」における記載と同一です。

報告セグメント間の売上収益は、通常の市場価格に基づいております。

 

前連結会計年度(自 2018年4月1日 至 2019年3月31日)

 

 

 

 

 

 

(単位:百万円)

 

報告セグメント

その他

(注1)

合計

調整額

(注2,3)

連結財務諸表計上額

 

計測

PQA

外部顧客からの売上収益

68,168

23,074

91,242

8,416

99,659

99,659

セグメント間の売上収益

90

3

94

4,146

4,240

4,240

68,259

23,077

91,336

12,563

103,900

4,240

99,659

売上原価及びその他の収益・費用

58,846

21,467

80,314

11,418

91,732

3,319

88,413

営業利益

9,413

1,609

11,022

1,145

12,168

921

11,246

金融収益

387

金融費用

271

税引前利益

11,362

法人所得税費用

2,371

当期利益

8,991

セグメント資産

93,058

17,561

110,619

9,598

120,218

10,249

130,467

資本的支出

1,962

506

2,468

353

2,822

14

2,807

減価償却費及び償却費

3,548

285

3,834

562

4,397

10

4,386

(注1)「その他」の区分は、報告セグメントに含まれない事業セグメント等であり、情報通信、デバイス、物流、厚生サービス、不動産賃貸、人事・経理事務処理業務、部品製造等を含んでおります。

(注2)営業利益の調整額には、セグメント間取引消去△2百万円、各事業セグメントに配分していない全社費用△919百万円が含まれております。全社費用は、主に事業セグメントに帰属しない基礎研究費用及び一般管理費です。

(注3)セグメント資産の調整額は、主に事業セグメントに帰属しない余剰運用資金(現金及び現金同等物)、長期投資資金(その他の金融資産(非流動資産))及び基礎研究に係る資産等です。

 

当連結会計年度(自 2019年4月1日 至 2020年3月31日)

 

 

 

 

 

 

(単位:百万円)

 

報告セグメント

その他

(注1)

合計

調整額

(注2,3)

連結財務諸表計上額

 

計測

PQA

外部顧客からの売上収益

75,165

22,575

97,740

9,282

107,023

107,023

セグメント間の売上収益

95

3

98

4,931

5,030

5,030

75,261

22,578

97,839

14,213

112,053

5,030

107,023

売上原価及びその他の収益・費用

60,112

21,291

81,404

12,313

93,717

4,108

89,609

営業利益

15,148

1,287

16,435

1,900

18,335

921

17,413

金融収益

345

金融費用

577

税引前利益

17,181

法人所得税費用

3,783

当期利益

13,397

セグメント資産

101,843

18,452

120,295

7,807

128,102

10,770

138,873

資本的支出

3,775

787

4,562

362

4,925

13

4,911

減価償却費及び償却費

3,886

547

4,433

575

5,009

9

4,999

(注1)「その他」の区分は、報告セグメントに含まれない事業セグメント等であり、情報通信、デバイス、物流、厚生サービス、不動産賃貸、人事・経理事務処理業務、部品製造等を含んでおります。

(注2)営業利益の調整額には、セグメント間取引消去△8百万円、各事業セグメントに配分していない全社費用△913百万円が含まれております。全社費用は、主に事業セグメントに帰属しない基礎研究費用及び一般管理費です。

(注3)セグメント資産の調整額は、主に事業セグメントに帰属しない余剰運用資金(現金及び現金同等物)、長期投資資金(その他の金融資産(非流動資産))及び基礎研究に係る資産等です。

 

(3) 製品及びサービスに関する情報

前連結会計年度及び当連結会計年度の製品及びサービスに関する外部顧客からの売上収益は(2)に記載のとおりです。なお、各報告セグメント毎の製品及びサービス別の区分管理は実施しておりません。

 

(4) 地域別情報

所在地別の売上収益及び非流動資産(金融商品、繰延税金資産を除く)は以下のとおりです。

 

前連結会計年度(自 2018年4月1日 至 2019年3月31日)

(単位:百万円)

 

 

売上収益

非流動資産

日本

32,183

24,325

米州

26,429

2,438

(うち 米国)

(21,889)

EMEA

12,170

1,683

アジア他

28,876

658

(うち 中国)

(9,566)

消去及び全社

△423

合計

99,659

28,683

(注1)売上収益は顧客の所在地を基礎とし、国又は地域に分類しております。

(注2)非流動資産(金融商品、繰延税金資産を除く)は資産の所在地によっております。

(注3)EMEA(Europe, Middle East and Africa):欧州・中近東・アフリカ地域

(注4)米国及び中国における非流動資産(金融商品、繰延税金資産を除く)につきましては、重要性が乏しいため、記載を省略しております。

 

当連結会計年度(自 2019年4月1日 至 2020年3月31日)

(単位:百万円)

 

 

売上収益

非流動資産

日本

36,293

24,432

米州

20,773

3,036

(うち 米国)

(18,252)

EMEA

10,693

1,951

アジア他

39,262

1,327

(うち 中国)

(16,040)

消去及び全社

△499

合計

107,023

30,247

(注1)売上収益は顧客の所在地を基礎とし、国又は地域に分類しております。

(注2)非流動資産(金融商品、繰延税金資産を除く)は資産の所在地によっております。

(注3)EMEA(Europe, Middle East and Africa):欧州・中近東・アフリカ地域

(注4)米国及び中国における非流動資産(金融商品、繰延税金資産を除く)につきましては、重要性が乏しいため、記載を省略しております。

 

(5) 主要な顧客に関する情報

単一の外部顧客との取引による売上収益が当社グループ売上収益の10%を超える外部顧客がないため、記載を省略しております。

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。

(1) 会社の経営の基本方針

当社は、様々なステークホルダーに対する責任と対話を重視し、以下のとおり経営理念・経営ビジョン・経営方針を策定しています。

経営理念

誠と和と意欲をもって、“オリジナル&ハイレベル”な商品とサービスを提供し、安全・安心で豊かなグローバル社会の発展に貢献する

経営ビジョン

衆知を集めたイノベーションで社会のサステナビリティに貢献し、“利益ある持続的成長”を実現する

経営方針

1. 衆知を集めた全員経営でハツラツとした組織へ

2. イノベーションで成長ドライバーの獲得

3. グローバル市場でマーケット・リーダーになる

4. 良き企業市民として人と地球にやさしい社会づくりに貢献

(2) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

当社は、企業価値の最大化を目指してキャッシュ・フロー(CF)を重視した経営を展開しております。また、投下資本が生み出した付加価値を評価する当社独自の指標「ACE」を各事業部門の業績評価の指標としております。投下資本の効率性の指標として「ROE」の目標も設定しております。

(注)ACE (Anritsu Capital-cost Evaluation): 税引後営業利益-資本コスト(5%)

なお、現在運用している取締役(社外取締役及び監査等委員であるものを除く。)、執行役員及び理事を対象とした業績連動型株式報酬制度(株式交付信託)においては、その評価指標として、本制度の対象期間における各事業年度の期初に定める営業利益及び中期経営計画「GLP2020」に掲げる営業利益を採用しています。また、金銭の業績連動型報酬(年次役員賞与)の評価には、売上高、営業利益、営業CF及び資本効率(「ROE」、「ACE」、「ROIC」)の達成度、対前年比等の指標を用いています。

(3) 中長期的な経営戦略、経営環境及び対処すべき課題等

今後の見通しにつきましては、新型コロナウイルス感染症の拡大や米中貿易摩擦の長期化など、今後の世界経済の動向は予断を許さない状況が続いています。今後の新型コロナウイルス感染症の拡大の経過によっては、サプライチェーンの寸断や様々な事業活動の制限などにより、長期間にわたり円滑な企業活動が妨げられる可能性があります。当社グループは、事業への影響を最小限に抑えるべく、テレワークの推進、ITツールの活用及び調達の多様化等の対策に取り組みます。一方、情報通信分野においては、世界各国で5Gサービスが開始され、今後も5G関連の需要は拡大していくことが見込まれます。

このような環境の中、当社グループは、中長期経営戦略及び「2020 VISION」のもと、中期経営計画「GLP2020」(計画期間: 2018~2020年度)の達成に取り組み、世界各国の5G商用化計画に的確に対応したソリューションをタイムリーに提供することで、モバイル市場での競争力優位を確立し、5G/IoT社会を支えるリーディングカンパニーを目指すとともに、企業価値の向上を図ってまいります。

① 中長期的な経営戦略

当社グループは、主力の計測事業を軸に、ICT(Information and Communication Technology)サービスに関わるビジネスを展開しております。ICT分野における成長ドライバーは、「世界的なモバイル・ブロードバンド・サービスとIoTによる新たな社会価値の創造」です。そのプラットフォームとなるものが、中長期にわたるユーザー・エクスペリエンスの向上を目指すコミュニケーションシステムのイノベーションです。このイノベーションを実現するために、広帯域化を支えるLTE、LTE-Advanced/Pro、更に5Gへと続くモバイル通信技術の継続的開発や超高速広帯域な接続性の向上を支える通信ネットワークの再構築が進められています。幅広いモバイル・ブロードバンド・サービスのインフラとなることが期待される5GのNSA-NR、SA-NRの規格の標準化が完了し、これを受けて世界的に5Gの商用化に向けた開発が本格化しています。そして、2030年頃の提供を目指し、5Gを高度化させた6Gの検討が、米国、中国、韓国及び日本で始まりました。基本的な社会インフラからIoTによる新たな価値創造に至るまで、持続可能な社会の実現には「いつでも、どこでも、安全・安心、快適につながる」ネットワークが不可欠です。アンリツは、無線・有線の両方をカバーする先進の計測カンパニーとして、社会とお客様のネットワーク課題を解決してまいります。

PQA事業の成長ドライバーは、「食品・医薬品市場における品質保証市場に拡大」です。食品、医薬品関連市場を中心に、長期的には海外売上比率を50%まで引き上げることにより事業拡大を目指してまいります。北米・アジア市場を中心に事業展開を加速するため、海外の経営資源の拡充に努めます。

2020年4月に当社の未来を支える基礎技術の獲得を目指し、先端技術研究所を新設しました。当社のコアコンピテンシーである“はかる”技術を拡張する課題に果敢に挑戦し、オープンかつイノベーティブな研究活動を通じて次世代リーダーを生み出し、10-20年後の当社ビジネスの競争力の源泉となる技術力を培っていきます。

 

「2020 VISION」は、その経営の基本方針に沿って2020年を目途とする時間軸として取り組んできたものです。

「2020 VISION」及び「2020 VISION」のもと各事業部門が掲げるビジョンは、次のとおりです。

2020 VISION

1. アンリツらしい価値を創造し、ワールドクラスの強靭な利益体質を持つグローバルマーケットリーダーになる

2. 新しい分野でアンリツの先進性を発揮して事業創発をする

計測事業 : 5G/IoT社会を支えるリーディングカンパニーになる

PQA事業  : ワールドクラスの品質保証ソリューションパートナーになる

更に、当社グループは、2020年以降を見据えた持続的な成長の実現に向けた取組み「Beyond 2020」を始動させました。「Beyond 2020」では、「5G通信」、「食品安全」の一層の強化に加え、「5G利活用 自動車」、「医薬品安全」、そして「非通信計測事業」の領域の開拓にも挑み、これら5つの柱で社会課題の解決を図り、高収益企業を目指します。

② 中期経営計画

当社は、中長期事業戦略上の経営目標の一里塚として、2018年度を初年度とする3カ年の中期経営計画「GLP2020」を策定し、事業活動を展開しています。「GLP2020」が目指すものは、「収益力を回復する」ことと、「GLP2017」からの継続課題の「“利益ある持続的成長”のための経営基盤を確立する」ことです。その経営目標を確実に遂行するために、(1)成長ドライバーの確実な獲得、(2)強靭な利益体質の構築、(3)次世代の事業の柱づくり、に全力で取り組みます。なお、計画初年度にあたる2018年度以後、経営方針に「新経営ビジョンとサステナビリティ方針のもと、アンリツグループの企業価値の向上に取り組もう」を掲げ、アンリツグループを挙げて目標達成に邁進しております。

「GLP2020」の主な経営数値目標及び2019年度の実績は、下表のとおりです。「GLP2020」における2021年3月期の経営数値目標は、5G関連のモバイル市場向け開発用計測器需要を確実に捉えた結果、連結及び計測事業では1年前倒しで達成することができました。引き続き、株主資本コスト7%を上回るリターンを生み出す成長投資(含むM&A)と資本効率の改善で、企業価値KPI(ACE及びROE)の向上を目指します。

 

2019年3月期

(実績)

2020年3月期

(実績)

2021年3月期

(業績見通し)

2021年3月期

(GLP目標)

売上収益(億円)

996

1,070

1,100

1,050

営業利益(億円)

112

174

175

145

当期利益(億円)

89

133

135

110

計測

事業

売上収益(億円)

681

751

770

700

営業利益(億円)

94

151

155

100

PQA

事業

売上収益(億円)

230

225

240

260

営業利益(億円)

16

12

18

30

ACE(億円)

39

84

75

50

ROE(%)

10.9

14.9

14

12

 

③ コーポレート・ガバナンスの充実

当社は、経営環境の変化に柔軟かつスピーディに対応し、グローバル企業としての競争力を高め、継続的に企業価値を向上させていくことを経営の最重要課題としております。その目標を実現するために、コーポレート・ガバナンスが有効に機能する仕組みを構築することに努めております。執行役員制度導入による意思決定と業務執行の分離の促進、「監査等委員会設置会社」への移行、独立社外取締役が委員長を務める指名委員会・報酬委員会・独立委員会の設置、取締役会の実効性評価の実施などにより、取締役会の監査・監督機能を強化し、コーポレート・ガバナンス体制を一層充実させることで、グローバルな視点でより透明性の高い経営の実現を目指してまいります。

当社グループのコーポレート・ガバナンスに関する事項は、後記第4「提出会社の状況」の4「コーポレート・ガバナンスの状況等」をご参照ください。

④ サステナビリティ推進活動、ダイバーシティ推進等

国際社会のサステナビリティ課題は、2015年9月、国連総会において全会一致で「持続可能な開発目標(SDGs)」として定められました。当社は、温室効果ガスの排出削減計画をSBT(Science Based Target)イニシアチブに提出し、2019年12月には、この計画に掲げた目標が気候変動に関する政府間パネルIPCC(Intergovernmental Panel on Climate Change )の気候科学に基づく削減シナリオに整合しているとして、この計画を承認いただきました。これには再生可能エネルギー(以下、「再エネ」といいます。)電力証書の購入も計画しておりましたが、当社グループの事業遂行に必要な電力を自前でも発電していく取組みがSDGsの目指す姿に適うものと考え、再エネ自家発電(PGRE:Private Generation of Renewable Energy)を重視することにしました。そこで、2020年4月に「Anritsu Climate Change Action PGRE 30(以下、「PGRE 30」といいます。)」を策定し、温室効果ガス削減に向けて果敢に挑むこととしました。PGRE 30は、一部の子会社を除いた2018年度の当社グループの電力使用量を基準に、再エネの一つである太陽光自家発電比率を、現在の約1%から2030年頃を目途に30%程度にまで高めていく野心的な目標となります。主要拠点である神奈川県厚木市、福島県郡山市、米国カリフォルニア州Morgan Hillの3地区に自社消費用の太陽光発電設備を導入・増設し、PGRE 30に取り組むことで、SDGsの目標7のターゲット7.2に掲げる「2030年までに、世界のエネルギーミックスにおける再エネの割合を大幅に拡大させる」という目標達成に貢献してまいります。

当社グループは、誠実な企業活動を通じてグローバルな社会の要請に対応し、社会的課題解決に貢献してこそ企業価値の向上が実現されると考えており、従来のCSR達成像を発展させた「サステナビリティ方針」を掲げております当社グループは、「サステナビリティ方針」に掲げる「安全・安心で快適な社会構築への貢献」、「グローバル経済社会との調和の実践」、「地球環境保護への貢献」、「すべてのステークホルダーとの強固なパートナーシップの構築」を目標に据え、「誠と和と意欲」をもってグローバル社会のサステナビリティ及び世界共通目標SDGsに貢献することを通じて、企業価値の向上を目指してまいります。

当社グループにおける従業員の採用においては、技術職、事務職を問わず、外国籍人財のほかジェンダー平等に配慮した人財の採用を進めており、国内においては女性の積極採用、教育研修プログラムの改善等により女性社員の比率、女性幹部職の人数が徐々に高まっています。仕事と育児等の両立支援については、出産の前後や育児における休暇・休業・職場復帰制度、時短勤務制度等の諸制度を設けるなど、働きやすい職場環境の整備に積極的に取り組んでいます。加えて、従業員向けの自己啓発プログラムについては、自らの価値観・強み・ライフスタイルに基づき、「学びたいとき、学べるときに、学びやすい方法で、自ら学ぶ」をコンセプトに、自らが学ぶテーマを内発的に設定し、自己向上を図ることを目指すものとして刷新されています。諸制度の利用を希望する者が、性の別を問わず、共に安心して仕事と育児等の両立が図れるように、ダイバーシティ推進を総合的に所管する部門が中心となって、すべての従業員に対し、関連する情報の提供・周知、意識啓発等を行い、理解促進に努めています。また、当社は、働き方の改革・“ライフワークバランス”の推進に向け、就業時間管理の徹底、会議の時間短縮・効率化の推進等を通じた長時間労働の削減にも努めており、これは従業員の健康を守るとともに、育児、介護等を行いやすくすること、ひいては生産性を向上させてイノベーションを起こし、企業価値の向上につながるものと考えております。

なお、当連結会計年度末時点におけるグローバルにみた女性の活躍状況は以下のとおりです。

 

日本

米州

EMEA

アジア他

全社計

全従業員に占める女性従業員の比率

<女性従業員数/全従業員数>

15%

30%

19%

28%

20%

男性の幹部職登用率を100とした女性の幹部職登用率
(女性幹部職数/女性従業員数)/(男性幹部職数/男性従業員数)

10%

54%

118%

79%

46%

(注)EMEA(Europe, Middle East and Africa): 欧州・中近東・アフリカ地域

当社グループは、120年企業の証とも言える「先進と信頼の企業ブランド」を、ブランド・ステートメント「envision:ensure」に込め発信しています。その思いは、「お客様と夢を共有しビジョンを創りあげるとともに、それをイノベーションによりお客様の期待を超える確かなかたちあるものへと創りあげる」というものであり、お客様のビジョン実現を通じ社会のサステナビリティに貢献したいという姿勢を示しています。今後とも経営資源を最大限に活かして安全・安心で豊かなグローバル社会の発展に貢献し、企業価値の向上に努めてまいります。

 

 

 

2【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりです。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。

 

(方針及び体制)

当社は、リスクを「組織の収益や社会的信用など企業価値に影響を与える不確実な事象(リスクは必ずしも会社のマイナス要因となるだけではなく、適切に管理すればプラス要因ともなり得る事象)」ととらえています。リスクを適切に管理することは、経営上極めて重要な課題であると認識しており、当社グループとしてのリスク管理体制を整備しています。また、企業価値を維持、増大し、企業の社会的責任を果たし、当社グループの持続的発展を図るため、経営者はもとより、全社員がリスク感性を向上させ、全員参加により、リスクマネジメントを推進する取り組みに注力しています。

当社グループは、グループCEOのリスクマネジメント統括のもと、主要リスクを①経営の意思決定と業務の執行に係るビジネスリスク、②法令違反リスク、③環境リスク、④製品・サービスの品質リスク、⑤輸出入管理リスク、⑥情報セキュリティリスク、⑦災害リスクであると認識し、リスクごとにリスク管理責任者を明確にしています。各リスク管理責任者は、当該リスクに関する関係部門の責任者及びグループ会社管理責任者で構成する委員会を主管し、当該リスクマネジメントに関わるグループ会社全体を統括するとともに、リスクマネジメントの対策、計画、実施状況及び年間を通したマネジメントサイクルの結果を、適時に経営戦略会議に報告します。また、リスクマネジメント推進部門は、規則、ガイドラインの制定、教育研修などを主管し、事業の継続発展を確保するための、リスク管理レベルの向上に必要な体制を整備しています。なお、各リスク管理責任者は、当該分野に関し、海外グループ会社の活動を支援します。また、コンプライアンスリスクに関しては、各地域の統括会社のコンプライアンス責任者がリスクアセスメントを実施し、年度ごとの計画を立てて活動しています。

 

(個別のリスク)

(1) 当社グループの技術・マーケティング戦略に関するリスク(①ビジネスリスク)

当社グループは高い技術力により開発された最先端の製品とサービスをいち早く提供することで顧客価値の向上に努めております。しかしながら、当社グループの主要市場である情報通信市場は技術革新のスピードが速いため、当社グループが顧客価値を向上させるソリューションをタイムリーに提供できない事態や、顧客のニーズやウォンツを十分にサポートできない事態が生じた場合は、当社グループの財政状態及び経営成績に大きな影響をもたらす可能性があります。

(2) 市場の変動に関するリスク(①ビジネスリスク)

経済や市場状況の変化、技術革新などの外的な要因は、当社グループが展開する製品群の収益に影響を及ぼし、グループの財政状態及び経営成績に大きな変動をもたらす可能性があります。

計測事業は、情報通信市場向けの売上比率が高いため、サービスプロバイダ、ネットワーク機器メーカー、スマートフォン・携帯電話メーカー、半導体・デバイスメーカーの設備投資動向に業績が左右される可能性があります。サービスプロバイダは、急増するデータ・トラフィックに対応しながら、IoTサービスやクラウドサービスなど様々なニーズを実現するネットワークの構築が求められており、コスト効率を意識した設備投資を進めています。また、当社グループの収益の柱であるモバイル計測分野の業績は、携帯電話サービスの技術革新や普及率、加入者数及びスマートフォン等の買い替え率の変化に影響されます。

PQA事業は、食品産業向けの売上収益が8割以上を占めているため、食品メーカーの設備投資動向に業績が左右される可能性があります。

(3) 海外事業展開に関するリスク(①ビジネスリスク、②法令違反リスク、⑤輸出入管理リスク)

当社グループはグローバルに事業を展開しており、海外売上比率は当期実績で66%を占めています。顧客の多くもグローバル規模で事業を展開しているため、海外諸国の経済動向、国際情勢の変化、遵守すべき法令対応によって、当社グループの財政状態及び経営成績に大きな影響をもたらす可能性があります。

(4) 感染症の蔓延に関するリスク(⑦感染症・災害リスク)

新型コロナウイルスの感染拡大が続いています。当社グループは、従業員の安全確保と社内外の感染抑止を最優先に取り組んでいます。また、事業への影響を最小限に抑えるべく、新型コロナウイルス対策本部を設置し、情報収集と必要な対応を行っています。しかしながら、今後の感染拡大の経過によっては、サプライチェーンの寸断や当社グループ、顧客及び取引先の工場の操業停止や事業拠点の休業などの事業活動の制限等による影響により、当社グループの財政状態及び経営成績に大きな影響をもたらす可能性があります。

(5) 災害等に関するリスク(⑦感染症・災害リスク)

当社グループはグローバルに生産・販売活動を展開しているため、地震、台風、気候変動に伴う異常気象等の自然災害、火災、戦争、テロ及び暴動等が発生した場合には、当社グループや仕入先、顧客の主要設備への被害等により事業活動に支障が生じ、また、これらの災害等が政治不安又は経済不安を引き起こすことにより、当社グループの財政状態及び経営成績に大きな影響をもたらす可能性があります。

当社では、災害・緊急時の被害最小化と事業活動の早期回復を図り、円滑な事業活動を継続することを目的として、各部門がBCP(Business Continuity Plan)を作成しています。当社グループの製造拠点である東北アンリツ(株)郡山事業所では、重要なリスクの一つとして地震や大雨による河川の氾濫などの自然災害に対してBCPを策定しています。このBCPでは、災害発生後になすべきことを具体的にプロセスごとに明確化しています。実際の大規模災害での教訓を受け、BCP緊急発動基準を見直し、より幅広いリスクに備えるとともに各リスク発生時の対応手順の精緻化を行っています。

(6) 外国為替変動に関するリスク(①ビジネスリスク)

当社では売掛金の回収などで発生する外貨取引への為替先物予約等によりリスク・ヘッジに努めておりますが、急激な為替変動は当社グループの財政状態及び経営成績に影響をもたらす可能性があります。

(7) 在庫陳腐化のリスク(①ビジネスリスク)

当社グループは顧客のニーズやウォンツをきめ細かく捉え、製品やサービスを市場に提供するよう努めております。しかし、特に計測事業における製品群は技術革新が極めて速いため、製品及び部品の陳腐化が起こりやすく、在庫の長期化・不良化を招くことで当社グループの財政状態及び経営成績に影響をもたらす可能性があります。

(8) 人材確保に関するリスク(①ビジネスリスク)

当社グループの持続的成長のためには、人材の獲得、確保、育成は非常に重要な要素となっています。当社グループは、国籍や性別などにこだわらない多様な人材の採用活動を積極的に行うことにより、優秀な人材の獲得に努めるとともに、社内教育研修制度の充実を図り、人材の育成に注力しています。また、ワークライフバランスを重視し、働き方や価値観の多様化に対応した労務環境の整備に取り組んでいます。しかしながら、人材の確保及び育成が想定どおりに進まない場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に影響をもたらす可能性があります。

(9) コンプライアンスに関するリスク(②法令違反リスク)

当社グループは、事業を展開する各国において当該国の法的規制の適用を受けています。これらの法令等に違反した場合、あるいは社会的要請に反した行動等があった場合には、法令による処罰、訴訟の提起、社会的制裁、ブランドの毀損等により、当社グループの財政状態及び経営成績に影響をもたらす可能性があります。

当社グループが社会的責任を遂行するにあたり、あるべき行動の指針とする「アンリツグループ行動規範」を定めるとともに、教育啓発活動を随時実施し、企業倫理の向上及び法令遵守の強化に努めています。国内アンリツグループのコンプライアンスの推進は、経営戦略会議の議長であるグループCEOが率先垂範しています。そして、経営戦略会議の下に、コンプライアンス担当執行役員を委員長とした企業倫理推進委員会を置き、国内アンリツグループ各社のコンプライアンス推進活動を統括しています。また、企業倫理推進委員会及びその事務局である法務部は、法令遵守を推進する委員会と連携して、海外アンリツグループ各社に対し、各国・各地域の法令・文化・慣習などを踏まえた倫理法令遵守を促し、必要な支援を行うとともに海外アンリツグループ各社のコンプライアンス責任者と連携して、グローバルなコンプライアンス推進体制を構築しています。なお、コンプライアンス推進体制が適正に機能しているかを内部監査部門が監査し、必要がある場合、提言・改善要請を行っています。

(10) 環境問題に関するリスク(③環境リスク)

当社グループは、気候変動、エネルギー、大気、水、有害物質、廃棄物、商品リサイクルなどさまざまな環境に関する法令及び規制等の適用を受けています。当社グループでは、事業活動や製品に関わる環境コンプライアンスの徹底はもとより、気候変動対策、循環型社会の形成、環境汚染予防に取り組んでいます。

しかしながら、環境規制の更なる強化や過去の行為に起因する環境責任の発生、自然災害などに起因した環境汚染の発生等が考えられます。これらの事象によって、法令遵守や環境対策のために必要なコストの増加等により、当社グループの財政状態及び経営成績に影響をもたらす可能性があります。

当社グループでは、ステークホルダーからの要請に応えるため、製品のライフサイクル全体にわたり環境とのかかわりを意識した製品を開発し、提供しています。また、地球温暖化防止、生物多様性保全などの観点から、オフィス・ファクトリーの省エネルギー化によるCO2排出量の削減、3R(リデュース・リユース・リサイクル)推進による廃棄物の削減、環境汚染防止に関して法、条例の規制より厳しい自主管理基準の設定による環境汚染リスクの低減に努めています。

(11) 製品の品質に関するリスク(④製品・サービスの品質リスク)

当社グループでは、品質マネジメントシステムの国際規格であるISO 9001の認証を1993年から取得し、製品の設計・開発から製造・サービス・保守に至るまでの一貫した品質管理をグローバルに展開しています。しかしながら、予測し得ない品質上の重大な欠陥といった事象の発生や製造物責任につながる事態が発生した場合には、社会的信用の失墜、訴訟の提起、社会的制裁、ブランドの毀損等に加え、補償や対策に伴うコストが発生し、当社グループの財政状態及び経営成績に影響をもたらす可能性があります。

当社グループでは、製品品質の維持・向上と保証を図り、品質マネジメントシステムを適切に運用するために、品質マネジメントシステム委員会や内部品質監査委員会等を設けています。また、万一製品事故が発生した場合の体制の整備や製品事故予防のシステム及び再発防止に向けた取り組みについて、検討を行っています。

(12) 訴訟に関するリスク(②法令違反リスク)

当社グループは、事業に関わる各種法令を遵守するとともに、知的財産権の適正な使用、契約条件の明確化、相手方との協議の実施等により紛争の発生を未然に防ぐよう努めています。

当連結会計年度において、当社グループに重要な影響を及ぼす訴訟等は提起されていません。しかしながら、重大な訴訟等が発生した場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響をもたらす可能性があります。

 

(13) 情報セキュリティに関するリスク(⑥情報セキュリティリスク)

当社グループは事業活動を行ううえで、顧客及び取引先、株主、従業員などすべての関係者の情報を適切に保護することが社会的責務であり、また、情報資産が当社グループ及びすべての関係者にとって重要な財産であると認識しています。これらの情報資産について、サイバー攻撃による情報セキュリティ事故が発生した場合、当社グループの社会的信用の失墜、訴訟の提起、社会的制裁、ブランドの毀損等により、当社グループの財政状態及び経営成績に影響をもたらす可能性があります。

当社グループでは、情報セキュリティ管理体制を構築し、徹底した管理とセキュリティの維持・向上への取り組みや情報セキュリティ教育の実施などを継続的に行っています。グローバルに事業を展開する当社では、世界中のオフィスをネットワークで接続し、情報の共有化を進めてきました。情報セキュリティにおいてはどこか一カ所でも脆弱な部分があると、全体のセキュリティレベルに影響を及ぼします。現状、地域間で存在しているセキュリティレベルのばらつきを是正し、地域格差を解消するとともに全体的な底上げを図っています。

(14) 繰延税金資産に関するリスク(①ビジネスリスク)

当社グループは、税効果会計を適用し、繰延税金資産を計上しています。繰延税金資産の計算は、将来の課税所得に関する見積りを含めた予測等に基づいており、実際の結果が予測と異なる可能性があります。将来の課税所得の見積りに基づく税金負担の軽減効果が得られないと判断された場合、当該繰延税金資産は取り崩され、当社グループの財政状態及び経営成績に影響をもたらす可能性があります。

(15) 確定給付制度債務に関するリスク(①ビジネスリスク)

当社及び一部の子会社の従業員を対象とした確定給付年金制度から生じる退職給付費用及び債務は、割引率等の数理計算上で設定される前提条件に基づいて算出されておりますが、確定給付制度債務の見込額を算出する基礎となる割引率等の数理計算上の仮定に変動が生じた場合、当社グループの財政状態及び経営成績に影響をもたらす可能性があります。

 

2【沿革】

アンリツ株式会社(以下、「当社」という。)は、1900年に設立された無線通信機製造の始祖である㈱安中電機製作所と、1895年創業の有線通信機製造の先駆である共立電機㈱が1931年に合併し逐次発展をとげましたが、1950年戦後処理による企業再建整備法に基づく第二会社として再発足しました。

1931年3月

㈱安中電機製作所と共立電機㈱の合併により資本金50万円で安立電気株式会社設立

1950年10月

企業再建整備法に基づく第二会社設立

1961年4月

厚木事業所新設

同年10月

東京証券取引所市場第二部上場

1968年8月

東京証券取引所市場第一部上場

1978年5月

無線機器製造部門等を厚木事業所に移転し、製造部門の厚木事業所集結を完了

1979年6月

地下鉄広尾駅前の当社寮跡地に新本社ビルを新築、本社及び営業部門の移転完了

1985年3月

福島県郡山市に生産子会社東北アンリツ㈱を設立

同年10月

10月1日から社名をアンリツ株式会社に変更

1990年2月

Wiltron Company(米国、現 Anritsu Company)を買収

2000年6月

執行役員制度を導入

2002年7月

産業機械事業(現 PQA事業)を会社分割し、アンリツ産機システム㈱(現 アンリツインフィビス㈱)を設立

2003年6月

本店を神奈川県厚木市に移転

同年10月

デバイス事業を会社分割し、アンリツデバイス㈱を設立

2005年8月

NetTest A/S(デンマーク、現 Anritsu A/S)を買収

2006年4月

英国に欧州・中近東及びアフリカを商圏とする販売統轄会社 Anritsu EMEA Ltd. を設立

同年7月

情報通信事業を会社分割し、アンリツネットワークス㈱を設立

2009年4月

郡山事業所新設

2013年5月

郡山第二事業所新設

2015年3月

厚木本社地区内にグローバル本社棟新設

(5) 【所有者別状況】

 

 

 

 

 

 

 

2020年3月31日現在

区分

株式の状況(1単元の株式数100株)

単元未満

株式の状況

(株)

政府及び

地方公共

団体

金融機関

金融商品

取引業者

その他の

法人

外国法人等

個人

その他

個人以外

個人

株主数(人)

-

83

36

483

302

72

63,533

64,509

所有株式数(単元)

-

558,138

33,485

29,828

314,301

553

444,927

1,381,232

134,094

所有株式数

の割合(%)

-

40.41

2.42

2.16

22.76

0.04

32.21

100.00

(注1)自己株式646,588株は、「個人その他」に6,465単元、「単元未満株式の状況」に88株を含めて記載しております。

(注2)上記「その他の法人」には、証券保管振替機構名義の株式が10単元含まれております。

 

3【配当政策】

当社は、株主の皆様に対する利益還元について、連結業績に応じるとともに、総還元性向を勘案した利益処分を行うことを基本方針としております。

剰余金の配当については、連結当期利益の上昇に応じて、親会社所有者帰属持分配当率  (DOE:Dividend On Equity)を上げることを基本にしつつ、連結配当性向30%以上を目標としており、株主総会決議もしくは取締役会決議により、期末配当及び中間配当の年2回の配当を行う方針です。

自己株式の取得は、企業環境の変化に対応した機動的な資本政策を遂行するために、財務状況、株価の動向等を勘案しながら、必要に応じ適切に実施していく方針です。

内部留保資金は、急速に進展する技術革新や市場構造の変化に対応するための研究開発や設備投資、サポート・サービスの拡充を図るための投資、更なる事業拡大を目指すための投資などに活用していく方針です。

当社は、「剰余金の配当等会社法第459条第1項各号に定めのある事項については、法令に別段の定めのある場合を除き、取締役会の決議により定めることができる。」旨を定款に定めております。また、当社定款において、期末配当の基準日は毎年3月31日とし、中間配当の基準日は毎年9月30日とする旨の規定があります。

当事業年度の剰余金の配当については、基本方針に基づき、当事業年度の業績並びに5G市場における競争力強化、IoT (Internet of Things)を活用した産業分野への事業拡大、クラウドサービス市場への事業展開及び6Gをはじめとした次世代技術の獲得等の戦略的投資のための資金需要等、諸般の事情を総合的に考慮し、株主の皆様の日頃のご支援にお応えするため、1株につき31円(うち中間配当金11円)といたしました。

なお、基準日が当事業年度に属する剰余金の配当は、以下のとおりです。

決議年月日

配当金の総額(百万円)

1株当たり配当額(円)

2019年10月30日

取締役会決議

1,513

11.0

2020年6月25日

定時株主総会決議

2,752

20.0

(2)【役員の状況】

① 役員一覧

男性8名 女性1名 (役員のうち女性の比率11.1%)

役職名

氏名

生年月日

略歴

任期

所有株式数

(千株)

代表取締役

社長

グループCEO

濱田 宏一

1964年8月17日

 

1988年4月

当社入社

2004年4月

計測事業統轄本部IPネットワーク事業部第1開発部長

2011年4月

Anritsu Company(米国)バイスプレジデント

2015年4月

当社執行役員

計測事業研究開発総括

R&D本部長

2016年4月

常務執行役員

計測事業グループ副プレジデント

計測事業本部長

2017年4月

専務執行役員

計測事業グループプレジデント

同年6月

取締役

2018年4月

代表取締役社長

社長(執行役員)(現任)

同年6月

代表取締役(現任)

2019年4月

グループCEO(現任)

 

(注3)

16

取締役

専務執行役員

CFO

コーポレート総括

窪田 顕文

1960年1月27日

 

1983年4月

当社入社

2007年4月

経理部長

2010年4月

執行役員

財務総括(CFO)(現任)

2013年6月

取締役(現任)

2017年4月

常務執行役員

CIO

2018年4月

コーポレート総括(現任)

グローバルコーポレート本部長

 同年4月

専務執行役員(現任)

2019年10月

Anritsu U.S. Holding, Inc.(米国)社長(現任)

 

(注3)

20

取締役

常務執行役員

PQA事業グループ

プレジデント

新美 眞澄

1959年5月5日

 

1983年4月

当社入社

2006年6月

アンリツ産機システム株式会社(現アンリツインフィビス株式会社)製造本部製造部長

2008年6月

Anritsu Industrial Solutions Thailand Co.,Ltd.(タイ) 社長

2011年4月

アンリツ産機システム株式会社(現アンリツインフィビス株式会社)企画室長

2012年4月

同社執行役員

2016年4月

当社執行役員

PQA事業グループプレジデント(現任)

アンリツインフィビス株式会社代表取締役社長(現任)

2018年4月

当社常務執行役員(現任)

同年6月

当社取締役(現任)

 

(注3)

14

 

 

役職名

氏名

生年月日

略歴

任期

所有株式数

(千株)

取締役

常務執行役員

通信計測カンパニー プレジデント

島 岳史

1964年5月25日

 

1988年4月

当社入社

2009年4月

マーケティング本部販売促進部APACチーム部長

2012年4月

マーケティング本部ワイヤレスデバイス製造ソリューション部長

2014年4月

マーケティング本部プロダクトマーケティング部プロジェクトチーム3部長

2016年4月

計測事業本部グローバルビジネスデベロプメント部長

2017年4月

執行役員

グローバル営業総括

グローバルセールスセンター長

2017年10月

アジア・大洋州営業本部長

2019年4月

Anritsu Americas Sales Company(米国)社長

 同年6月

当社取締役(現任)

2020年4月

常務執行役員(現任)

通信計測カンパニー プレジデント(現任)

同カンパニー グローバルビジネスデベロプメント部長(現任)

 

(注3)

4

取締役

関 孝哉

1953年7月9日

 

1977年4月

東洋信託銀行株式会社(現 三菱UFJ信託銀行株式会社)入行

2001年3月

同行退職

みずほ証券株式会社入社

同年10月

株式会社日本投資環境研究所調査部長兼首席研究員

2006年4月

明治大学専門職大学院グローバル・ビジネス研究科兼任講師(現任)

2008年6月

みずほ証券株式会社及び株式会社日本投資環境研究所退職

コーポレート・プラクティス・パートナーズ株式会社 代表取締役

2009年3月

京都大学博士号(経済学)取得

2011年6月

当社社外取締役

2012年4月

明治大学商学部特任講師

 

麗澤大学経済学部客員教授

2014年4月

明治大学国際連携機構特任講師

2015年6月

当社社外取締役(監査等委員)

2017年2月

コーポレート・プラクティス・パートナーズ株式会社 取締役(現任)

同年4月

立正大学経営学部教授(現任)

2019年6月

当社社外取締役(現任)

 

(注3)

-

取締役

青木 和義

1955年12月24日

 

1979年4月

花王石鹸株式会社(現 花王株式会社)入社

1994年2月

同社和歌山工場 経理課長

2001年7月

同社会計財務センター IR部長

2003年3月

同社家庭品国際事業本部 コントローラー

2005年3月

花王(中国)投資公司 副総経理兼副董事長

2007年5月

花王株式会社会計財務部門 管理部長

2012年6月

同社執行役員 会計財務部門統括

2017年1月

同社退職

2019年6月

当社社外取締役(現任)

 

(注3)

-

取締役

監査等委員

五十嵐 則夫

1948年7月16日

 

1977年4月

公認会計士登録

1988年7月

青山監査法人代表社員

2006年9月

あらた監査法人(現 PwCあらた有限責任監査法人)代表社員

2007年3月

同監査法人退職

同年4月

国立大学法人横浜国立大学大学院国際社会科学研究科教授

2013年3月

花王株式会社 社外監査役

2014年4月

国立大学法人横浜国立大学成長戦略研究センター 客員教授

2016年6月

三菱UFJ証券ホールディングス株式会社 社外取締役(監査等委員)(現任)

2017年6月

当社社外取締役(監査等委員)(現任)

 

(注4)

-

 

 

役職名

氏名

生年月日

略歴

任期

所有株式数

(千株)

取締役

監査等委員

清水 惠子

1951年8月23日

 

1979年5月

プライス・ウォーターハウス会計事務所(現 PwCあらた有限責任監査法人)入所

1982年2月

同事務所退職

同年4月

 

監査法人中央会計事務所(後のみすず監査法人)入所

同年9月

公認会計士登録

2007年4月

みすず監査法人退職

同年5月

新日本監査法人(現 EY新日本有限責任監査法人)入所

2010年10月

同監査法人退職

同年11月

株式会社コンシスト入社

2012年10月

同社退職

同年11月

清水公認会計士事務所開設(現任)

2016年4月

帝京大学経済学部経営学科教授(現任)

2019年6月

当社社外取締役(監査等委員)(現任)

 

(注4)

-

取締役

監査等委員

谷合 俊澄

1957年11月23日

 

1981年4月

当社入社

2004年7月

営業本部営業支援部長

2009年4月

執行役員

人事総務部長

2011年4月

コーポレート総括

同年6月

取締役

2013年4月

経営企画室長

2015年4月

常務執行役員

2017年4月

専務執行役員

アプライアンスビジネス部長

2018年4月

専務理事

2019年6月

取締役(監査等委員)(現任)

 

(注4)

29

 

 

 

 

86

(注1)関孝哉、青木和義、五十嵐則夫、清水惠子の4名は、社外取締役です。

(注2)五十嵐則夫、清水惠子、谷合俊澄の3名は、監査等委員である取締役です。なお、監査等委員会の委員長は五十嵐則夫が務め、谷合俊澄は常勤の監査等委員です。当社は、社内における情報の迅速かつ的確な把握、機動的な監査等への対応のため、監査等委員会の決議により常勤の監査等委員を選定しております。

(注3)取締役(監査等委員であるものを除く。)6名の任期は、2020年3月期に係る定時株主総会終結の時から2021年3月期に係る定時株主総会終結の時までの1年間です。

(注4)監査等委員である取締役3名の任期は、2019年3月期に係る定時株主総会終結の時から2021年3月期に係る定時株主総会終結の時までの2年間です。

(注5)所有株式数には、株式報酬制度に基づき付与されたポイントに相当する交付予定株式数は含まれておりません。

(注6)当社は、法令に定める監査等委員である取締役の員数を欠くことになる場合に備え、会社法第329条第3項に定める補欠の監査等委員である取締役1名を選任しております。略歴は次のとおりです。

氏名

生年月日

略歴

所有株式数
(千株)

上田 望美

1974年2月19日生

1999年4月 弁護士登録 東京テーミス法律事務所(現紀尾井坂テーミス綜合法律事務所)入所(現任)

2019年6月 株式会社ミクシィ社外監査役(現任)

 

 

(注7)当社では、意思決定・監督と執行の分離による取締役会の活性化のため、執行役員制度を導入しております。

提出日現在の執行役員・理事は次のとおりです。なお、濱田 宏一、窪田 顕文、新美 眞澄、島 岳史の4名は取締役を兼務しております。

地  位

氏  名

地  位

氏  名

地  位

氏  名

社長

濱田 宏一

執行役員

天野 嘉之

常務理事

脇永 徹

専務執行役員

窪田 顕文

執行役員

徳家 努

常務理事

門脇 正彦

常務執行役員

新美 眞澄

執行役員

播本 彰大

理事

オラフ ジーラー

常務執行役員

島 岳史

常務理事

川辺 哲雄

理事

野田 華子

執行役員

橋本 康伸

常務理事

高橋 幸宏

理事

坂本 貴司

執行役員

藤掛 博幸

常務理事

髙木 章雄

理事

杉田 俊一

 

 

② 社外役員の状況

当社は、コーポレート・ガバナンス強化の一環として、外部の視点を活かした経営を推進し、業務執行に対する一層の監督機能の強化を図るため、2011年6月28日開催の第85期定時株主総会終結日以後、社外取締役3名及び社外監査役2名の社外役員体制としておりました。その後、2015年6月25日開催の第89期定時株主総会の決議により、当社は監査等委員会設置会社へ移行し、社外取締役5名(監査等委員2名を含む。)の体制となりました。社外役員が集約され、取締役会の構成員となることで取締役会における社外取締役の比率が高まり、多様なステークホルダーの視点を踏まえた議論の活発化、審議の充実化に寄与することとなりました。2017年6月28日開催の第91期定時株主総会終結以後、社外取締役は4名(監査等委員2名を含みます。)となり、現在に至っております。

当社は、グローバル・ビジネスに関する企業経営者としての豊富な経験、公認会計士又はコーポレート・ガバナンスの専門家としての豊富な知識や卓越した見識を有する者を社外取締役に選任することにより、社外取締役による外部の視点からの助言等を期待しており、これらを当社の経営課題への対処等に活かしてまいります。社外取締役全員が委員として関与する指名委員会及び報酬委員会での審議において、また取締役会での意思決定等において客観性、公正性が高まり、経営の透明性のより一層の確保に資するものと考えております。

当社は、社外取締役全員を独立役員として指定し、株式会社東京証券取引所に届け出ております。社外取締役による当社株式の保有状況については、前記「① 役員一覧」の所有株式数の欄に記載のとおりであり、本報告書提出日現在、当社株式を所有している者はおりません。なお、社外取締役の各人につき、当社との人的関係、資本的関係又は取引関係その他の利害関係はありません。したがって、いずれの者も当社及び当社の関係会社の業務執行者、主要株主、主要な取引先の出身者等ではなく、またその他に社外取締役の独立性に影響を及ぼす重要な事項に該当するものはないため、一般株主と利益相反を生ずるおそれがないものと判断しております。

当社は、社外取締役の選任に当たっては、当社の経営陣から著しいコントロールを受け得る者又は当社の経営陣に対して著しいコントロールを及ぼし得る者に抵触しないよう、株式会社東京証券取引所の定める「上場管理等に関するガイドライン」において示される一般株主と利益相反の生じるおそれがあると判断する場合の判断要素に留意するほか、多様なステークホルダーの視点を当社グループの事業活動の監督・適正運営に取り入れる観点から、その専門分野、出身等の多様性にも配慮しております。

当社は、社外取締役を招聘するにあたり、候補者の選定に際しては恣意性を排除し、また就任後においても社外取締役の独立性を確保できる環境を整備することが、コーポレート・ガバナンスの維持、強化に資するものと考えており、以下のとおり、「社外役員の独立性に関する基準」を定めております。この基準の制定及び改廃については、取締役会の諮問機関である指名委員会での審議を経た後、取締役会の承認決議を得ることとしております。なお、当社は、社外取締役が当社から独立し、中立の存在でいることの重要性に鑑み、この基準による独立性を十分考慮のうえ候補者選定の検討を行います。

<社外役員の独立性に関する基準>

当社における合理的な調査等に基づき、当社の社外取締役(以下、「社外役員」といいます。)又は当社の社外役員候補者が次に掲げる事項のいずれにも該当しない場合、当社は、当該社外役員又は当該社外役員候補者が当社からの独立性を有しているものと判断いたします。

1. 当社及び当社子会社(以下、併せて「当社グループ」という。)の業務執行者※1

2. 当社の主要株主※2又はその業務執行者※1

3. 当社グループが主要株主※2となっている者の業務執行者※1

4. 当社グループを主要な取引先※3とする者又はその業務執行者※1

5. 当社グループの主要な取引先※3又はその業務執行者※1

6. 当社グループから多額の金銭その他の財産※4の寄付を受けている者又はその業務執行者※1

7. 当社グループから役員報酬以外に多額の金銭その他の財産※4を得ているコンサルタント、公認会計士等の会計専門家又は弁護士等の法律専門家(当該財産を得ている者が法人、組合等の団体である場合は、当該団体に所属する者をいう。)

8. 当社グループとの間で、社外役員の相互就任※5の関係にある先の出身者

9. 過去※6において上記1から8までのいずれかに該当していた者

10. 次のa又はbに掲げる者の配偶者又は二親等内の親族

a. 上記1に掲げる者(監査等委員である社外取締役又はその候補者の独立性を判断する場合には、業務執行者※1でない取締役又は業務執行者※1でない取締役であった者を含む。)のうちの重要な者※7

b. 上記2から8までのいずれかに掲げる者のうちの重要な者※7

11.上記に掲げる事項のほか、当社から独立した中立の立場をもって社外役員としての職責を果たせないと合理的に判断される事情を有する者

(注)※1「業務執行者」とは、取締役(社外取締役を除く。)、執行役、使用人等(執行役員を含む。)の業務を執行する者をいう。また、会社以外の法人、組合等の団体の業務を執行する者を含む。

※2「主要株主」の該当性については、総議決権の10%以上の議決権の直接又は間接的な保有の有無をもって判断の指標とする。

※3「主要な取引先」については、東京証券取引所の「上場管理等に関するガイドラインⅢ5.(3)の2」に関する「主要な取引先」への該当性について示されている考え方に準ずる。

※4「多額の金銭その他の財産」の該当性については、その価額の総額が、1事業年度につき1,000万円又はその財産の受領者の収入総額の1%のいずれか高い方の額を超えるか否かをもって判断の指標とする。

※5「社外役員の相互就任」とは、当社グループの出身者が現に他の会社の社外役員である場合であって、当該他の会社の出身者が当社グループの社外役員として就任する関係をいう。

※6「過去」とは、上記基準の1項につき、期間を特に定めない過去のことをいい、上記基準の2項から8項までに掲げる事項につき、直前の事業年度を含む過去5年間をいう。

※7 aにおける「重要な者」には、上記基準の1項に定める業務執行者のうち、執行役員等の重要な使用人は含まれるが、部長職に準ずる職位以下の使用人は含まれないものとする。また、bにおける、上記基準の2項から8項まで(7項を除く。)のいずれかに掲げる者のうちの「重要な者」は、これらのいずれかに掲げる者が業務執行者の場合であって、取締役、執行役、執行役員等の重要な者に限られ、上記基準の7項に掲げる者のうちの「重要な者」は、公認会計士、弁護士等の専門的な資格を有する者に限られる。

※8 東京証券取引所の規則に基づき、コーポレート・ガバナンスに関する報告書及び独立役員届出書への記載事項とされる属性情報の「上場会社の取引先又はその出身者」及び「上場会社が寄付を行っている先又はその出身者」における取引及び寄付の各々についての「株主の議決権行使の判断に影響を及ぼすおそれがないものと判断する軽微基準」は、その必要に応じて別に定める。

 

③ 社外取締役による監督と内部監査、監査等委員会による監査及び会計監査との相互連携並びに内部統制部門との関係

当社では、監査等委員でない社外取締役もオブザーバーとして国内往査や会計監査人による四半期レビュー等に立ち会うことのできる仕組みを取り入れています。往査等への参加の取組みの継続により、社外取締役による当社の業務執行状況の理解を促進するとともに、内部監査部門及び監査等委員会による監査との相互連携に繋げていく所存です。また、社外取締役は、会計監査人、経理部門及び内部統制部門との間で、その必要に応じて打合せ、意見交換等を行い、取締役会の場で定期的に内部統制の運用状況等の報告を受けるなどにより、当社グループの統制環境の把握に努めております。

社外取締役全員によるこれらの取組みは、前記の「フリーディスカッション」とあわせて、社外取締役にとって、当社グループの事業及び経営環境等の理解を深める契機となり、独立委員会を通じて各人から寄せられ全員で共有される経営課題等の情報をもとに取締役会での適切な監督を果たしていくうえで意義があるものと考えております。更に、不定期ながら、社外取締役から自己の研究・専門分野に関する事項をベースにした経営幹部層向けの講話なども行われており、経営人財の育成の観点で有意義な取組みとなっております。

 

 

14. 投資不動産

(1) 投資不動産の取得原価、減価償却累計額及び減損損失累計額の増減

(単位:百万円)

 

取得原価

建物構築物

土地

合計

2018年4月1日残高

9,970

827

10,797

取得

除売却

△3

△442

△445

その他

2019年3月31日残高

9,967

384

10,351

取得

除売却

△713

△713

その他

2020年3月31日残高

9,253

384

9,638

 

 

(単位:百万円)

 

減価償却累計額及び減損損失累計額

建物構築物

土地

合計

2018年4月1日残高

△9,282

△51

△9,333

減価償却費

△166

△166

減損損失

△25

△25

除売却

3

3

その他

2019年3月31日残高

△9,445

△76

△9,521

減価償却費

△166

△166

減損損失

除売却

713

713

その他

2020年3月31日残高

△8,898

△76

△8,974

 

(単位:百万円)

帳簿価額

建物構築物

土地

合計

2018年4月1日残高

688

775

1,463

2019年3月31日残高

521

308

830

2020年3月31日残高

355

308

663

(注)減価償却費は「売上原価」に計上しております。

 

(2) 公正価値

(単位:百万円)

 

 

前連結会計年度

(2019年3月31日)

当連結会計年度

(2020年3月31日)

公正価値

16,997

17,071

(注)投資不動産の公正価値の算定は、不動産鑑定士による評価を基礎として必要な時点修正を行うなどの方法により算定しており、公正価値ヒエラルキーのレベル3に区分される測定に該当します。

 

(3) 純損益で認識した金額

(単位:百万円)

 

 

前連結会計年度

(自 2018年4月1日

至 2019年3月31日)

当連結会計年度

(自 2019年4月1日

至 2020年3月31日)

賃貸料収益

2,039

2,033

投資不動産にかかる営業費用

1,088

1,121

4【関係会社の状況】

連結子会社

(2020年3月31日現在)

名称

住所

資本金

主要な

事業の

内容

議決権の所有割合

(%)

関係内容

役員の兼任等

資金
援助

営業上の
取引

設備
の賃
貸借

当社役員

(人)

当社従業員等

(人)

アンリツインフィビス㈱

神奈川県

厚木市

百万円

1,350

PQA

100

2

2

なし

なし

あり

東北アンリツ㈱

福島県郡山市

百万円

250

計測

100

1

当社製品の製造

アンリツカスタマーサポート㈱

神奈川県

厚木市

百万円

100

100

1

当社製品の校正、修理等

アンリツエンジニアリング㈱

神奈川県

厚木市

百万円

40

100

2

当社製品の開発

アンリツネットワークス㈱

神奈川県

厚木市

百万円

355

その他

100

1

2

当社製品の製造及び保守

アンリツデバイス㈱

神奈川県

厚木市

百万円

90

100

2

当社製品の製造

アンリツ興産㈱

神奈川県

厚木市

百万円

20

100

1

1

物流サービスの提供他

アンリツ不動産㈱

神奈川県

厚木市

百万円

20

100

1

3

あり

不動産の

賃貸借

㈱アンリツプロアソシエ

神奈川県

厚木市

百万円

10

100

1

2

なし

人事・経理事務処理及びコンピュータ情報サービスの提供

ATテクマック㈱

神奈川県

平塚市

百万円

10

50

1

あり

当社製品の製造

Anritsu U.S. Holding, Inc.

アメリカ・カリフォルニア

千米ドル

9

計測

100

4

なし

なし

なし

Anritsu Company

アメリカ・カリフォルニア

千米ドル

11,098

※1 (100)

100

3

1

当社再販製品の製造及び販売

Anritsu Americas Sales Company

アメリカ・カリフォルニア

米ドル

1

※1 (100)

100

2

1

当社製品の販売及び保守

Azimuth Systems, Inc.

アメリカ・マサチューセッツ

米ドル

1

※1 (100)

100

1

1

当社再販製品の製造

Anritsu Electronics Ltd.

カナダ・オンタリオ

百加ドル

1

※2 (100)

100

1

当社製品の販売及び保守

Anritsu Eletronica Ltda.

ブラジル・リオ・デ・ジャネイロ

千レアル

5,706

※2 (100)

100

1

Anritsu Company S.A. de C.V.

メキシコ・メキシコシティー

万ペソ

5

※2 (100)

100

1

 

 

名称

住所

資本金

主要な

事業の

内容

議決権の所有割合

(%)

関係内容

役員の兼任等

資金
援助

営業上の
取引

設備
の賃
貸借

当社役員

(人)

当社従業員等

(人)

Anritsu EMEA Ltd.

イギリス・ベッドフォードシャー

千英ポンド

1,502

計測

100

1

2

なし

当社製品の販売及び保守

なし

Anritsu Ltd.

イギリス・ベッドフォードシャー

千英ポンド

21

 

100

1

当社製品の開発

Anritsu GmbH

ドイツ・

ミュンヘン

千ユーロ

2,837

※3 (100)

100

当社製品の販売及び保守

Anritsu S.A.

フランス・レジュリセジュ

千ユーロ

500

※3 (100)

100

1

Anritsu S.r.l.

イタリア・

ローマ

千ユーロ

115

※3 (100)

100

1

Anritsu AB

スウェーデン・ストックホルム

千スウェーデン・クローナ

800

※3 (100)

100

Anritsu Company Ltd.

香港・

カオルーン

千香港ドル

43,700

100

4

2

Anritsu (China) Co., Ltd.

中国・上海

千米ドル

6,000

※4 (100)

100

2

3

Anritsu Electronics
(Shanghai) Co., Ltd.

中国・上海

千人民元

8,480

※4 (100)

100

1

3

当社製品の修理、保守

Anritsu Corporation, Ltd.

韓国・

ソウル

百万ウォン

1,450

※4 (100)

100

1

2

当社製品の販売及び保守

Anritsu Company, Inc.

台湾・台北

百万ニュータイワンドル

78

※4 (100)

100

1

2

Anritsu Pte. Ltd.

シンガポール

千シンガポールドル

600

※4 (100)

100

1

1

Anritsu India Private Ltd.

インド・バンガロール

千インドルピー

28,000

※4 (100)

100

1

1

Anritsu Pty. Ltd.

オーストラリア・ビクトリア

千豪ドル

820

※4 (100)

100

1

1

Anritsu Company Ltd.

ベトナム・ハノイ

千米ドル

1,800

 

100

2

Anritsu Philippines, Inc.

フィリピン・メトロ・マニラ

百万フィリピンペソ

24

 

100

3

当社製品の開発

Anritsu Industrial Solutions (Shanghai) Co., Ltd.

中国・上海

千米ドル

250

PQA

※4 (100)

100

1

なし

Anritsu Industrial Systems(Shanghai) Co.,Ltd.

中国・上海

千人民元

16,000

※4 (100)

100

1

Anritsu Infivis Inc.

アメリカ・イリノイ

千米ドル

5

※1 (100)

100

1

 

 

名称

住所

資本金

主要な

事業の

内容

議決権の所有割合

(%)

関係内容

役員の兼任等

資金
援助

営業上の
取引

設備
の賃貸借

当社役員

(人)

当社従業員等

(人)

Anritsu Infivis Ltd.

イギリス・ウスターシャー

千英ポンド

50

PQA

※5 (100)

100

なし

なし

なし

Anritsu Infivis (THAILAND) Co., Ltd.

タイ・

チョンブリ

千タイバーツ

90,000

※5 (100)

100

Anritsu Infivis B.V.

オランダ・フェンロ―

千ユーロ

1,000

※5 (100)

100

Anritsu A/S

デンマーク・コペンハーゲン

千デンマーククローネ

217,000

計測

 

100

1

2

Anritsu Solutions S.r.l.

イタリア・

ローマ

千ユーロ

115

※6 (100)

100

1

Anritsu Solutions S.R.L.

ルーマニア・ブカレスト

千ルーマニアレイ

100

※6 (100)

100

Anritsu Solutions SK,s.r.o.

スロバキア・ブラチスラヴァ

千ユーロ

16

※6 (100)

100

その他2社

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(注1)「主要な事業の内容」欄には、セグメントの名称を記載しております。

(注2)上記子会社のうち東北アンリツ㈱、アンリツエンジニアリング㈱、アンリツデバイス㈱、Anritsu U.S. Holding, Inc.、Anritsu A/S、Anritsu Company Ltd.、Anritsu Americas Sales Companyは特定子会社に該当いたします。

(注3)ATテクマック㈱の持分は100分の50ですが、実質的に支配しているため子会社としております。

(注4)子会社及び持分法適用会社の議決権に対する所有割合の( )書きは間接所有割合であり、下記が所有しております。

※1.Anritsu U.S. Holding, Inc.

※2.Anritsu Americas Sales Company

※3.Anritsu EMEA Ltd.

※4.Anritsu Company Ltd.

※5.アンリツインフィビス㈱

※6.Anritsu A/S

(注5)上記子会社のうちには有価証券届出書又は有価証券報告書を提出している会社はありません。

(注6)Anritsu Americas Sales Company及びアンリツインフィビス㈱については、売上収益(連結会社相互間の内部売上高を除く。)の連結売上収益に占める割合が100分の10を超えております。

主要な損益情報等

Anritsu Americas Sales Company (IFRS)

(1) 売上収益

14,320百万円

(2) 税引前利益

△435百万円

(3) 当期利益

△458百万円

(4) 資本合計

1,818百万円

(5) 資産合計

6,389百万円

 

アンリツインフィビス㈱ (日本基準)

(1) 売上高

19,701百万円

(2) 経常利益

910百万円

(3) 当期純利益

805百万円

(4) 純資産額

9,412百万円

(5) 総資産額

13,951百万円

※2 販売費に属する費用のおおよその割合は前事業年度35%、当事業年度33%、一般管理費に属する費用のおおよそ

の割合は前事業年度65%、当事業年度67%です。

販売費及び一般管理費のうち主要な費目及び金額は次のとおりです。

 

前事業年度

(自 2018年4月1日

  至 2019年3月31日)

当事業年度

(自 2019年4月1日

  至 2020年3月31日)

従業員給与賞与

4,038百万円

4,114百万円

役員賞与引当金繰入額

85

73

退職給付費用

196

414

減価償却費

792

703

研究開発費

6,660

8,063

1【設備投資等の概要】

当社グループは、将来の持続的成長と収益向上を目的とし、長期的な成長が見込まれる製品分野に重点を置いた新製品開発や、省力化及び合理化のためのシステム関連投資など、戦略的な投資を行っております。

当連結会計年度の設備投資(有形固定資産及び無形資産受入れベース数値。無形資産に計上した開発費は除く。金額には消費税等を含まない。)の内訳は、次のとおりです。

 

セグメントの名称

当連結会計年度

 

前年同期比

(注)

計測

3,381百万円

 

212.5%

PQA

787百万円

 

155.6%

4,168百万円

 

198.8%

その他

349百万円

 

103.2%

合計

4,518百万円

 

185.5%

 

計測事業では、急速な技術革新や販売競争に対処するための新製品開発と原価低減に向けた投資を実施しました。

PQA事業では、主としてグローバル情報システムの最適化及び開発~製造~保守プロセスの改善を目的とした投資を実施しました

その他の事業では、主としてデバイス事業において、生産能力維持・増強や開発効率の向上を目的とした投資を実施しました。

(注)2020年3月期より、IFRS第16号の適用による影響を含んでおります。

株価(1年)
期間を変更
PER(1年/会予)
期間を変更

その他企業情報

企業価値294,213 百万円
純有利子負債-35,645 百万円
EBITDA・会予22,499 百万円
株数(自己株控除後)137,440,683 株
設備投資額4,518 百万円
減価償却費4,999 百万円
のれん償却費N/A
研究開発費13,321 百万円
代表者代表取締役社長 濱田 宏一
資本金19,161 百万円
住所神奈川県厚木市恩名五丁目1番1号
会社HPhttps://www.anritsu.com/ja-JP/

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