1年高値12,800 円
1年安値6,970 円
出来高590 千株
市場東証1
業種電気機器
会計米国
EV/EBITDA8.9 倍
PBR1.9 倍
PSR・会予1.2 倍
ROA2.9 %
ROIC4.4 %
β1.54
決算3月末
設立日1935/12/7
上場日1961/9/4
配当・会予160 円
配当性向39.4 %
PEGレシオ-3.7 倍
売上高(百万円)&収益性(%)
売上5y CAGR・予想:2.3 %
利益(百万円)
営利5y CAGR・予想:-23.9 %
純利5y CAGR・予想:-24.2 %
EPS(円) BPS(円)
配当(円)
健全性(%、倍)
セグメント別売上
単一セグメント、もしくはIFRS / USGAAPのため、データがありません。
セグメント別売上
単一セグメント、もしくはIFRS / USGAAPのため、データがありません。
セグメント別利益率
単一セグメント、もしくはIFRS / USGAAPのため、データがありません。
会社の詳細

3【事業の内容】

当社は米国会計基準によって連結財務諸表を作成しており、当該連結財務諸表を基に、関係会社については米国会計基準の定義に基づいて開示しております。「第2 事業の状況」及び「第3 設備の状況」においても同様であります。

2020年3月31日現在、当社グループは、TDK株式会社(当社)及び連結子会社141社、持分法適用関連会社5社により構成されており、「受動部品」、「センサ応用製品」、「磁気応用製品」、「エナジー応用製品」のセグメント区分及びそれらに含まれない「その他」の製造と販売を営んでおります。

事業内容と当社及び関係会社の当該事業に係る位置付けは、次のとおりであります。

区分

主要事業

主要な会社

受動部品

セラミックコンデンサ、アルミ電解コンデンサ、

フィルムコンデンサ、インダクティブデバイス

(コイル、フェライトコア、トランス)、高周波部品、圧電材料部品・回路保護部品

当社、TDK Europe GmbH

TDK Electronics AG

TDK Hong Kong Co., Ltd.

TDK(Shanghai)International

               Trading Co., Ltd.

その他61社(国内4社、海外57社)

               (会社数 計66社)

センサ応用製品

温度・圧力センサ、磁気センサ、MEMSセンサ

当社、

InvenSense, Inc.

TDK-Micronas GmbH

その他18社(国内2社、海外16社)

               (会社数 計21社)

磁気応用製品

HDD用ヘッド、HDD用サスペンション、

マグネット

当社、SAE Magnetics (H.K.) Ltd.

Magnecomp Precision Technology

                 Public Co., Ltd.

Headway Technologies, Inc.

Hutchinson Technology

                    Incorporated

その他12社(国内0社、海外12社)

               (会社数 計17社)

エナジー応用製品

エナジーデバイス(二次電池)、電源

当社

Amperex Technology Ltd.

TDKラムダ(株)

その他23社(国内1社、海外22社)

               (会社数 計26社)

その他

メカトロニクス(製造設備) 等

当社

TDK Taiwan Corporation

その他19社(国内8社、海外11社)

               (会社数 計21社)

 

 

 

(画像は省略されました)

(注)無印は連結子会社、※印は持分法適用関連会社を示しております。

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の概要は次のとおりであります。

①財政状態及び経営成績の状況

当連結会計年度における世界経済は、米中貿易摩擦問題の顕在化等により、中国経済の減速傾向が鮮明となり、比較的堅調に推移していた欧米や日本の経済にも景気悪化の影響が及びました。さらに当第4四半期連結会計期間においては、新型コロナウイルス感染症の世界的な感染拡大により、中国をはじめ各国で都市封鎖等の感染拡大防止のための大規模な措置が取られ、実体経済に大きな影響を及ぼしました。

当社の連結業績に影響を与えるエレクトロニクス市場においても、米中貿易摩擦問題や新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響により、需要の落ち込み、生産活動の制限等が見られました。自動車市場では、電装化の進展による部品搭載点数増加の傾向は見られたものの、最大市場の中国をはじめ世界的に販売台数が前連結会計年度比で減少いたしました。ICT(情報通信技術)市場では、5G(第5世代移動通信システム)関連の需要の立上りが見られましたが、スマートフォンの生産台数は前連結会計年度の水準を下回りました。また、HDD(ハードディスクドライブ)の生産は前連結会計年度比で減少いたしましたが、このうちデータセンター向けの生産は増加いたしました。

このような経営環境の中、当連結会計年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。

a.財政状態

2020年3月31日現在の資産合計は、前連結会計年度末に比べ49,101百万円減少し、1,992,480百万円から1,943,379百万円となりました。

負債合計は、前連結会計年度末に比べ13,909百万円減少し、1,108,724百万円から1,094,815百万円となりました。

純資産合計は、前連結会計年度末に比べ35,192百万円減少し、883,756百万円から848,564百万円となりました。

b.経営成績

当社の連結業績は、売上高1,363,037百万円(前連結会計年度1,381,806百万円、前連結会計年度比1.4%減)、営業利益97,870百万円(同107,823百万円、同比9.2%減)、税引前当期純利益95,876百万円(同115,554百万円、同比17.0%減)、当社株主に帰属する当期純利益57,780百万円(同82,205百万円、同比29.7%減)、1株当たり当社株主に帰属する当期純利益457円47銭(同651円02銭)となりました。

当連結会計年度における対米ドル及びユーロの平均為替レートは、108円82銭及び120円92銭と前連結会計年度に比べ対米ドルで1.9%、対ユーロで5.9%の円高となりました。この為替変動により、約407億円の減収、営業利益で約31億円の減益となりました。

当社グループの事業セグメントは、「受動部品」、「センサ応用製品」、「磁気応用製品」及び「エナジー応用製品」の4つの報告セグメント及びそれらに属さない「その他」に分類されます。

受動部品セグメントの連結業績は、売上高は395,456百万円(同433,406百万円、同比8.8%減)、セグメント利益は39,072百万円(同58,438百万円、同比33.1%減)となりました。

センサ応用製品セグメントの連結業績は、売上高は77,938百万円(同76,467百万円、同比1.9%増)、セグメント損失は25,024百万円(同22,125百万円)となりました。

磁気応用製品セグメントの連結業績は、売上高は219,668百万円(同272,807百万円、同比19.5%減)、セグメント利益は425百万円(同17,022百万円、同比97.5%減)となりました。

エナジー応用製品セグメントの連結業績は、売上高は597,698百万円(同537,502百万円、同比11.2%増)、セグメント利益は124,149百万円(同91,036百万円、同比36.4%増)となりました。

4つの報告セグメントに属さないその他は、売上高は72,277百万円(同61,624百万円、同比17.3%増)、セグメント損失は8,590百万円(同6,727百万円)となりました。

地域別売上高の状況は、次のとおりであります。
 国内における売上高は、前連結会計年度の113,369百万円から2.6%減の110,403百万円となりました。エナジー応用製品セグメントが減少しました。
 米州地域における売上高は、前連結会計年度の110,169百万円から12.7%減の96,135百万円となりました。受動部品及び磁気応用製品セグメントが減少しました。
 欧州地域における売上高は、前連結会計年度の167,285百万円から11.4%減の148,254百万円となりました。受動部品及びセンサ応用製品セグメントが減少しました。
 中国における売上高は、前連結会計年度の732,455百万円から2.5%減の714,011百万円となりました。受動部品及び磁気応用製品セグメントが減少しました。
 アジア他の地域における売上高は、前連結会計年度の258,528百万円から13.8%増の294,234百万円となりました。磁気応用製品セグメントが減少しましたが、エナジー応用製品セグメントが増加しました。
 この結果、海外売上高の合計は、前連結会計年度の1,268,437百万円から1.2%減の1,252,634百万円となりましたが、国内における売上高の減少及び中国におけるエナジー応用製品セグメントの売上高増加により、連結売上高に対する海外売上高の比率は、前連結会計年度の91.8%から0.1ポイント増加し91.9%となりました。

 

②キャッシュ・フローの状況

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動によって得たキャッシュ・フローは、222,390百万円となり、前連結会計年度比82,116百万円増加しました。これは主に、仕入債務の増加及び未払費用等の増加によるものです。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動に使用したキャッシュ・フローは、41,964百万円となり、前連結会計年度比98,215百万円減少しました。これは主に、関連会社の売却によるものです。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動に使用したキャッシュ・フローは、121,769百万円となり、前連結会計年度の財務活動によって得たキャッシュ・フローとの差は131,204百万円となりました。これは主に、借入債務の返済によるものです。

これらに為替変動の影響を加味した結果、2020年3月31日現在における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末比43,542百万円増加して332,717百万円となりました。

③生産、受注及び販売の実績

a.生産実績

当連結会計年度における生産実績を事業の種類別セグメントごとに示すと、下表のとおりであります。

事業の種類別セグメントの名称

生産実績

(百万円)

前連結会計年度比増減(%)

受動部品

397,495

△ 7.7

センサ応用製品

76,521

△ 5.7

磁気応用製品

225,393

△16.0

エナジー応用製品

598,198

7.0

その他

73,258

20.3

合計

1,370,865

△ 2.1

(注)1.金額は販売価格により算出しております。

2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

b.受注実績

当連結会計年度における受注実績を事業の種類別セグメントごとに示すと、下表のとおりであります。

事業の種類別セグメントの名称

受注高

(百万円)

前連結会計

年度比増減

(%)

受注残高

(百万円)

前連結会計

年度末比増減

(%)

受動部品

395,535

△ 9.9

115,528

△ 8.4

センサ応用製品

74,711

△ 5.7

20,398

△ 9.4

磁気応用製品

218,099

△ 18.1

14,216

△ 29.1

エナジー応用製品

743,363

16.0

132,055

44.9

その他

65,407

24.3

7,229

△ 8.8

合計

1,497,115

1.3

289,426

8.1

(注)金額は販売価格により算出しております。

c.販売実績

当連結会計年度における販売実績を事業の種類別セグメントごとに示すと、下表のとおりであります。

事業の種類別セグメントの名称

販売実績

(百万円)

前連結会計年度比増減(%)

受動部品

395,456

△ 8.8

センサ応用製品

77,938

1.9

磁気応用製品

219,668

△ 19.5

エナジー応用製品

597,698

11.2

その他

72,277

17.3

合計

1,363,037

△ 1.4

(注)上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお文中の将来に関する事項は、2020年3月31日現在において判断したものであります。

①重要な会計方針及び見積もり

重要な会計方針とは、その適用にあたり不確実な事象について見積もりを要し、経営者の主体的、複雑かつ高度な判断が要求される会計方針であります。

以下は、会計方針を網羅的に記載したものではありません。主要な会計方針については、連結財務諸表の注記(注1)に詳しく開示しております。多くの場合、特定取引の会計処理方法は米国において一般に公正妥当と認められる会計原則で規定され、経営者の判断は必要とされません。また、経営者の判断の余地があっても、その選択の結果で大きな違いは生じません。

当社グループは、重要な会計方針として長期性資産の減損、たな卸資産の評価、企業結合の会計、のれん及びその他の無形固定資産、年金費用、並びに繰延税金資産の評価を認識しております。

会計上の見積もりを行う上での新型コロナウイルス感染症の影響に関する仮定につきましては、連結財務諸表の注記(注1)(14)見積もりの使用(追加情報)をご参照ください。

長期性資産の減損

2019年3月31日及び2020年3月31日現在、当社グループの有形固定資産及び償却無形固定資産の総額はそれぞれ687,764百万円及び686,910百万円であり、総資産のそれぞれ34.5%及び35.3%に相当します。当社グループは、その回収可能性が経営成績に及ぼす影響の大きさを考慮し、長期性資産の減損は当社の連結財務諸表にとって重要であると認識しております。

当社グループは、有形固定資産及び特定の認識可能で償却期間の定めのある無形固定資産につき、資産の簿価が回収できないという兆候が生じた場合に減損の有無を検討しております。この検討は見積もり将来キャッシュ・フローを使用して行われます。資産が減損したと認められた場合、当該資産の簿価が公正価値を上回る金額が減損額として認識されます。経営者は、キャッシュ・フロー及び公正価値は合理的に見積もられていると判断しておりますが、事業遂行上予測不能の変化に起因して将来キャッシュ・フロー及び公正価値が当初の見積もりを下回った場合、長期性資産の評価に不利な影響が、また、当社グループの財政状態及び経営成績に重要な影響が生じる可能性があります。当社グループは、製品の将来の収益性や回収可能性を十分考慮した上で投資を行っております。

たな卸資産の評価

たな卸資産は、低価法により評価しております。予想される陳腐化について、将来の需要予測に基づき、取得価格と見積もり市場価格の差額がたな卸資産の簿価から減額されます。当社グループは、過去の需要や将来の予測に基づき、たな卸資産の過剰及び陳腐化の可能性を考慮し簿価の見直しを行っております。さらに、既存及び予想される技術革新の要求は、たな卸資産の評価に影響を与えます。見積もり(たな卸資産陳腐化による簿価調整の基礎となるもの)の変動が当社グループの経営成績に影響を与えるため、たな卸資産の評価は重要な会計方針とみなされます。実際の需要が予想されたものより著しく低い場合は、たな卸資産の過剰及び陳腐化に関するたな卸資産の評価について追加的な調整が必要となり、当社グループの事業、財政状態及び経営成績に著しく不利な影響を及ぼす可能性があります。

過去の見積もりの妥当性について、当社グループは複数のシナリオを立てる方法ではなく、四半期毎に見積もりと実績を比較し再評価する方法をとっております。例えば、特に技術革新がめまぐるしい一部の事業の運営においては、顧客が求める高性能製品へのタイムリーな対応が求められており、たな卸資産の陳腐化評価を行い四半期毎に見直しております。

企業結合の会計

当社グループは、取得法を用いて企業結合の会計処理を行っております。取得法では、被結合会社の資産及び負債を取得日のそれぞれの公正価値で計上する必要があります。取得したそれぞれの資産に割り当てられた見積公正価値及び資産償却年数の決定に関する判断は償却費用を通じ、また、その資産が減損している場合には減損損失の計上により、取得後の期間の利益に重大な影響を及ぼします。

当社グループは、無形固定資産の見積公正価値の決定において収益予測を通常利用しています。これに際しては、キャッシュ・フローの動向によるリスクファクターに照らし、最適な割引率を用いた予測将来キャッシュ・フローの割引を採用しています。

無形固定資産の耐用年数の決定に当たっては、区分の異なる無形固定資産はそれぞれの耐用年数を有し、耐用年数が特定できない資産は償却対象外とする必要があります。耐用年数が特定できない無形固定資産は、米国財務会計基準審議会会計基準編纂書 350 に規定された要因に止まらず、当社グループの資産運用状況、有効期間ないしは実負担なしの更新や延長に影響を与える法律ないし契約上の条件、及び需要や競合、その他経済要因に基づいて定期的に再評価されます。

 

のれん及びその他の無形固定資産

のれん及び耐用年数を特定できないその他の無形固定資産は償却することなく、年に一度、もしくは公正価値が簿価を下回る兆候や状況の変化が生じた都度、減損テストが実施されます。これら資産の公正価値は、承認された事業計画に基づく割引キャッシュ・フローを用いて決定されます。経営者は、将来キャッシュ・フロー及び公正価値の見積もりは合理的であると判断しておりますが、事業遂行上予測不能の変化に起因して将来キャッシュ・フロー及び公正価値が当初の見積もりを下回った場合、当該資産の評価に不利な影響が生じる可能性があります。

年金費用

従業員の年金費用及び給付債務は、保険数理人がそれらの数値を計算する際に使用する基礎率に基づいております。基礎率には、割引率、退職率、死亡率、昇給率、長期期待収益率等が含まれます。使用した基礎率と実際の結果が異なる場合は、その差異が累積され将来期間にわたって償却されます。すなわち、通常、将来期間における費用認識及び帳簿上の債務に影響を与えます。当社グループはこれらの基礎率が適切であると考えておりますが、実際の結果及び基礎率の変更による差異は将来における年金費用及び給付債務に影響を及ぼす可能性があります。

当連結会計年度の連結財務諸表の作成において、当社グループは割引率を国内の制度及び海外の制度においてそれぞれ0.7%及び2.1%、また、長期期待収益率を国内の制度及び海外の制度においてそれぞれ2.3%及び6.1%に設定しております。割引率を設定するにあたっては、現在発行され、かつ予想される年金受給期日に流通している安全性の高い企業発行の債券利回りを参考にしております。当社グループは、投資対象の様々な資産カテゴリーの長期期待運用収益見込みに基づき、長期期待収益率を設定しております。その設定にあたっては、資産カテゴリー別に将来収益に対する予測や過去の運用実績を考慮しております。

割引率の減少は、年金給付債務を増加させ、数理計算上の差異の償却により年金費用の増加をもたらす可能性があります。長期期待収益率の増加は、期待運用収益の増加により年金費用の減少をもたらす可能性があります。また、期待運用収益と実際運用収益に差異が発生した場合は、次年度以降の利益を増減させる可能性があります。

繰延税金資産の評価

当社グループは、実現可能性の評価に基づいて多額の繰延税金資産を有しております。繰延税金資産の実現可能性を評価するに当たって、当社グループは、繰延税金資産の一部、あるいはすべてが実現しない見込が、実現する見込より大きいかどうかを考慮します。最終的な繰延税金資産の実現は、一時差異が減算できる期間の将来の課税所得の発生に依存します。当社グループは、実現可能性の評価に当たって繰延税金負債の解消の予定、将来の課税所得の見通し及び税計画戦略を考慮しております。過去の課税所得の水準及び繰延税金資産が減算できる期間における将来の課税所得の見通しを考えますと、当社グループは、評価性引当金控除後の繰延税金資産は、実現する見込が実現しない見込より大きいと考えております。しかしながら、将来の利益計画が実現できない、もしくは達成できない場合、または当社グループがその他の要因に基づき繰延税金資産の実現可能性評価を変更した場合、繰延税金資産が実現しないと判断され、繰延税金資産に対する評価性引当金の積み増しが必要となります。

 

②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

経営成績及び経営成績に重要な影響を与えた要因

当連結会計年度の業績は、連結売上高が前連結会計年度比1.4%減の1,363,037百万円、営業利益が同比9.2%減の97,870百万円となりました。当社株主に帰属する当期純利益が同比29.7%減の57,780百万円となりました。

 米中関係の悪化により、昨年末に向かって日を追うごとにその影響が激化し、中国をはじめ世界経済の減速が鮮明になっていた中、当第4四半期連結会計期間には新型コロナウイルス感染症の感染拡大により各国の経済活動が停滞し、電子機器の生産や電子部品の需要に期初想定を上回る大きな影響が及びました。その結果、売上高は前連結会計年度比1.4%の減収、営業利益は前連結会計年度比9.2%の減益となりました。

 年間を通して世界的に厳しい需要環境においても、エナジーデバイス(二次電池)は期初からICT市場の需要を確実に取り込み、またアプリケーションの拡大によって販売拡大を続けた結果、エナジー応用製品セグメントは増収増益を確保し、売上・営業利益とも過去最高を更新しました。

 米中貿易摩擦に大きく影響を受けた自動車市場・産業機器市場では需要が低迷し、期初から想定を大きく下回る水準で推移した結果、受動部品セグメントにおける多くの製品の売上や、センサ応用製品セグメントの中でも特にコンベンショナルなセンサ製品の売上に大きく影響が出ました。一方で、ICT市場の需要は堅調に推移し、ICT市場向けの売上は前連結会計年度比で増加しました。5G向け需要増加を背景に、エナジーデバイス(二次電池)や高周波部品等はスマートフォンおよび基地局向けの販売が拡大し、増収増益を確保し全社収益を牽引しました。

 当第4四半期連結会計期間には、自動車市場・産業機器市場における需要低迷が長期化しており、短期的には収益の大幅回復が困難な状況と判断し、マグネットおよびアルミ電解コンデンサの製造設備等の減損損失を約165億円計上、さらに開発体制の見直しにより余剰設備約18億円の減損損失を計上しました。

対ドル等の円高為替により、売上高で約407億円の減収影響、営業利益で約31億円の減益影響を受け、売上高は1兆3,630億円、前連結会計年度比△188億円と△1.4%の微減、営業利益は減損損失185億円を含み979億円、同比△99億円と△9.2%の減益、税引前当期純利益は959億円、当社株主に帰属する当期純利益は578億円、1株当たり利益は457円47銭となりました。新型コロナウイルス感染症の感染拡大により、当第4四半期連結会計期間において工場稼働停止や出荷停止等で売上高が約△280億円、営業利益が約△120億円の影響を受けたと試算しています。

 為替の感応度は、営業利益で円とドルの関係において1円の変動で年間約12億円、円とユーロの関係において約2億円と試算しています。

 

営業利益99億円減益の主な要因は、次のとおりであります。

(画像は省略されました)

新型コロナウイルス感染拡大の影響による減益約△120億円を含んでおりますが、売上数量増加で約115億円の増益となりました。売価値引き影響約△150億円を合理化コストダウン約191億円によって吸収し、約16億円の構造改革効果とともに体質強化によって収益向上に貢献しました。InvenSenseの買収関連費用は当連結会計年度で約54億円となり、前連結会計年度から増減はありません。エナジーデバイス(二次電池)の事業拡大に伴う管理費および開発費が△104億円増加、為替変動による減益約△31億円、減損損失の増加約△136億円により、最終的に△99億円の減益となりました。

資本の財源及び資金の流動性

当社グループは、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としており、現預金、短期投資、有価証券等を含む流動性資金は、月次連結売上高の2.0ヶ月以上を維持するよう努めております。具体的には日本、米国、欧州、中国及びアセアンの各地域においてキャッシュ・マネジメント・システムを導入しグループ資金効率の向上を図ると共に、コミットメントライン契約などにより流動性を担保しております。2020年3月31日現在の流動性資金の残高は円換算で365,267百万円であり、月平均売上高の3.2ヶ月相当の流動性を確保しております。なお、昨今の新型コロナウイルス感染症の感染拡大による、世界的な経済活動の停滞やその長期化等で当社グループの資金繰りに及ぼす影響に備え、流動性資金を拡充し、また、金融機関からの借入金長期化や社債発行、コミットメントライン契約増額の検討など、対策を講じております。

当社グループの運転資金需要は主に、製品の製造に使用する原材料や部品の調達等の製造費用のほか、販売費及び一般管理費等の営業費用、さらには継続的な新製品開発に向けた研究開発費用であります。また、長期性の資金需要は、エレクトロニクス市場における急速な技術革新や販売競争の激化に的確に対応するための設備投資や更なる成長戦略に向けたM&A等によるものです。

資金の調達方針としては、短期運転資金については自己資金及び金融機関からの短期借入を基本とし、設備投資や長期性資金につきましては、金融機関からの長期借入、社債等での調達を基本としております。当連結会計年度末における借入金及びファイナンス・リース債務を含む有利子負債の残高は424,690百万円となっております。

経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

当社グループが描いた成長戦略を、財務・資本戦略はもとより、現場の施策にいたるまで有機的につなげながら、その実現を図るための取り組みの一環として業績管理フレームワークの強化を進めています。当社グループは、1999年に導入した資本コスト(加重平均資本コスト×投下資本)に対するリターンを比較したTVA(TDK Value Added)を採用しています。このTVAに結びつくロジックツリーで、各事業の収益性評価や事業資産の効率性評価、キャッシュの獲得能力の評価などを実施するとともに、現場の各種施策及び特性に合わせたKPIにまで要素分解しモニタリングします。これによって成長戦略を全社一丸となって推進していくと同時に、投資効率の管理強化により設備投資の選択と集中につなげながら、中期で14%以上の株主資本利益率(ROE)を実現できる体質の構築を目指しております。

当連結会計年度におけるROEは、前連結会計年度の9.7%から3.0ポイント低下し、6.7%となりました。

前連結会計年度比でのROEの低下要因の分析として、ROEの構成要素の株主資本については過去3か年の利益を反映したその他の利益剰余金の増加により、ROEの低下要因となりました。また、もう一つのROEの構成要素の当連結会計年度の当社株主に帰属する当期純利益も減少し、ROEの低下要因となりました。これはICT市場向けの売上増加の一方、自動車市場・産業機器市場向けの売上減少、売価値引や減損損失などの増加による営業利益の減少、関連会社利益持分の減少などによるものです。

2021年3月期を最終年度とする中期3か年計画では、ROE14%以上を目標に掲げ、主要事業に対する投資に加え、新製品開発・新規事業への投資を効率的に実施しながら、当社グループ全体の収益性、資本効率向上を図っております。直近の業績予想では2021年3月期は、新型コロナウイルス感染症の感染拡大による世界的な経済活動の停滞の影響により、エレクトロニクス市場にも大きな影響が出るものと予測しております。自動車やスマートフォンの生産台数も前連結会計年度比でマイナスと見ており、電子部品需要の落ち込みも避けられないものと予測しており、直近の業績予想ではROE14%以上の目標達成は困難と考えております。

 

セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

当社グループは、連結会計年度における製品群の再定義により、従来インダクティブデバイスに属していた一部製品をその他受動部品に区分変更するとともに、前連結会計年度の数値についても変更後の区分に組替えております。

(受動部品セグメント)

受動部品セグメントは、①コンデンサ ②インダクティブデバイス ③その他受動部品 で構成され、当セグメントの連結業績は、売上高は395,456百万円(前連結会計年度433,406百万円、前連結会計年度比8.8%減)、セグメント利益は39,072百万円(同58,438百万円、同比33.1%減)、セグメント資産は566,577百万円(同651,154百万円、同比13.0%減)となりました。

 

当セグメントの売上概況を事業別にみますと、次のとおりであります。

コンデンサは、セラミックコンデンサ、アルミ電解コンデンサ及びフィルムコンデンサから構成され、売上高は、153,882百万円(同173,331百万円、同比11.2%減)となりました。インダクティブデバイスの売上高は、137,572百万円(同149,991百万円、同比8.3%減)となりました。その他受動部品は、高周波部品及び圧電材料部品・回路保護部品で構成されており、売上高は、104,002百万円(同110,084百万円、同比5.5%減)となりました。

 期初より継続した米中貿易摩擦の影響で自動車市場・産業機器市場の需要が低迷、また欧米大手代理店の在庫調整の影響も加わり、自動車市場・産業機器市場向けにおいて売上構成比率の高いコンデンサ、インダクタ、圧電材料部品・回路保護部品、またアルミ電解コンデンサ、フィルムコンデンサの売上が伸び悩み減益となりました。アルミ電解コンデンサは需要低下による生産能力余剰で、当第4四半期連結会計期間に減損損失約21億円を計上しました。

一方、ICT市場の需要は期初から好調に推移しました。中国を中心とした5Gの立ち上がりも本格化してきており、当第4四半期連結会計期間に新型コロナウイルス感染拡大の影響で数量減少となったものの、高周波部品は増収増益を確保しました。

(センサ応用製品セグメント)

センサ応用製品セグメントは、温度・圧力センサ、磁気センサ、MEMSセンサで構成され、当セグメントの連結業績は、売上高は77,938百万円(同76,467百万円、同比1.9%増)、セグメント損失は25,024百万円(同22,125百万円)、セグメント資産は219,485百万円(同226,520百万円、同比3.1%減)となりました。

 セグメントは、成長戦略事業として売上拡大を目指してきましたが、全体の売上は前連結会計年度比で1.9%の微増にとどまり、赤字が拡大しました。

 セグメントの製品は、景気に大きく左右され減収となった製品と、成長戦略に乗って売上を伸ばした製品の2つに大きく分かれます。自動車市場・産業機器市場における世界的な需要低迷の影響により、温度センサやHallセンサといったコンベンショナルなセンサの売上が低調に推移し、前連結会計年度から売上が大きく減少し収益も悪化、事業全体の損益に大きな影響を及ぼしました。一方、成長を期待している戦略製品であるTMRセンサは自動車向けの採用も進み、数量増加で着実に売上が拡大しました。スマートフォン向けにおいては新モデルへの採用も確実に進捗し、売上が拡大して黒字が定着してきています。またMEMSセンサでは、モーションセンサの新規顧客への売上が着実に増加、MEMSマイクロフォンもスマートフォン向けやIoT向け等に売上を伸ばしましたが、十分な売上拡大、収益貢献には至りませんでした。

(磁気応用製品セグメント)

磁気応用製品セグメントは、HDD用ヘッド、HDD用サスペンション、マグネットで構成され、当セグメントの連結業績は、売上高は219,668百万円(同272,807百万円、同比19.5%減)、セグメント利益は425百万円(同17,022百万円、同比97.5%減)、セグメント資産は358,422百万円(同373,085百万円、同比3.9%減)となりました。

 HDDヘッド・HDDサスペンションにおいては、HDD総需要の減少に伴いHDDヘッドの数量が約4%減少、HDD組立の一部製品終息等により、HDDヘッド・サスペンション全体で約18%減収し減益となりましたが、高付加価値製品の増加もあり収益性は前連結会計年度から向上しました。

 マグネットにおいてはHDD用マグネットの撤退、産業用ロボットや工作機械向け等の産業機器市場および自動車市場の需要低迷の影響により売上が減少し、収益は厳しい状況が続き、当第4四半期連結会計期間に減損損失約144億円を計上しました。

(エナジー応用製品セグメント)

エナジー応用製品セグメントは、エナジーデバイス(二次電池)、電源で構成され、当セグメントの連結業績は、売上高は597,698百万円(同537,502百万円、同比11.2%増)、セグメント利益は124,149百万円(同91,036百万円、同比36.4%増)、セグメント資産は805,366百万円(同661,595百万円、同比21.7%増)となりました。

エナジーデバイス(二次電池)はスマートフォン向けの売上が大幅に増加、またタブレットやノートPC向けも堅調に推移、さらにワイヤレスイヤホン等ウェラブル向けのミニセルの販売も順調に拡大し、前連結会計年度比約15%の増収となり収益性も向上しました。

 産業機器用電源は景気減速により設備投資需要減少の影響を大きく受け、産業機器市場向けの売上が減少し減益となりました。

(その他)

4つの報告セグメントに属さないその他は、メカトロニクス(製造設備)等で構成され、売上高は72,277百万円(同61,624百万円、同比17.3%増)、セグメント損失は8,590百万円(同6,727百万円)、セグメント資産は88,342百万円(同71,811百万円、同比23.0%増)となりました。

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

① 当社グループの経営の基本方針

当社は、東京工業大学で発明された磁性材料フェライトの工業化を目的としたベンチャー企業として、1935 年に設立されました。社是である「創造によって文化、産業に貢献する」という創業の精神に基づき、素材・プロセス技術の先鋭化と市場ニーズに応える新製品開発を進めるとともに、M&Aの活用、外部との協業などを積極的に行いながら、グローバル化・多角化を進めてまいりました。その結果、受動部品、センサ応用製品、磁気応用製品及びエナジー応用製品を主要事業として展開しております。

今後も、常に新しい発想とたゆまぬチャレンジ精神を持ち、グループ各社それぞれの強みを活かしつつグループ全体の力を結集することにより、株主、顧客、取引先、従業員、地域社会などすべてのステークホルダーに対し、より高い価値を創造し続ける活力あふれる企業であり続けたいと考えております。

② 当社グループの中長期的な経営戦略

エレクトロニクスを取り巻く環境は、大きな変革期を迎えており、化石燃料から再生可能エネルギーをベースとする社会への転換(エネルギートランスフォーメーション、EX)及びIoTやAI(人工知能)といったデジタル技術が社会のあらゆる領域に浸透することによりもたらされる変革(デジタルトランスフォーメーション、DX)が始まっております。
 当社グループは、中長期的な経営戦略として「エネルギー・環境問題への貢献」、「データ活用による社会の効率化への貢献」に取り組んでおります。
 EX、DXの潮流は、電子部品需要を飛躍的に増加させるものであり、受動部品、センサ応用製品、磁気応用製品、エナジー応用製品の4つの主要事業の拡大を図ってまいります。これまで培ってきた素材技術やプロセス技術を先鋭化し、市場のニーズに対応するソリューションの提供を強化することにより、持続的な成長と企業価値の向上を目指します。また、高い技術力に基づく「ゼロディフェクト品質(不良品ゼロ)」を追求するとともに、スピードを重視した経営を行い、さらなるグローバル化を推進してまいります。
 2021年3月期を最終年度とする中期3か年計画では、株主資本利益率(ROE)14%以上を目標に掲げ、主要事業に対する投資に加え、新製品開発・新規事業への投資を効率的に実施しながら、当社グループ全体の収益性、資本効率の向上を図っております。
 当社グループは、社是である「創造によって文化、産業に貢献する」を実践することにより、地球規模の様々な社会的課題の解決に継続的に取り組んでまいります。

③ 当社グループの対処すべき課題

新型コロナウイルス感染症の世界的な感染拡大により大幅な経済の悪化やその長期化が想定されます。その結果、感染終息後の国際社会に大きな爪痕を残し、社会構造や産業構造を大きく変え、当社グループを取り巻く環境にも大きな変化をもたらす可能性があります。
 しかしながら、このような社会構造・産業構造の変化の中にあっても、エレクトロニクス市場においては、EXやDXの潮流は拡大し、当社グループの事業領域に新たな市場の創造をもたらすことも見込まれます。例えば、EXにおいては再生可能エネルギーや電気自動車の普及、DXにおいては5Gの普及、自動車におけるADAS(先進運転支援システム)の実用化、IoT・ウェアラブル製品やクラウドサービスのさらなる普及等が、当社グループにおける大きな成長機会であると捉えております。これらの大きな変化に乗り遅れることなく、成長機会を確実に捉えるため、積極的な研究・技術開発を行い、競争力を持つ新製品のタイムリーな投入と需要に応じた生産能力の拡大を行ってまいります。


表: EX・DXによる成長機会と対象となる当社グループの事業の例

 

EX

DX

受動部品

 

<産業機器>

再生可能エネルギーの普及

アルミ電解コンデンサ、フィルムコンデンサ、圧電材料部品・回路保護部品、インダクティブデバイス

<自動車>

電気自動車の普及

インダクティブデバイス、セラミックコンデンサ、アルミ電解コンデンサ、フィルムコンデンサ

<ICT>

5Gの普及

高周波部品、インダクティブデバイス、セラミックコンデンサ

IoT・ウェアラブル製品の普及

高周波部品、インダクティブデバイス、圧電材料部品・回路保護部品

<自動車>

ADASの普及

セラミックコンデンサ、インダクティブデバイス

センサ応用製品

 

<自動車>

電気自動車の普及

温度・圧力センサ、磁気センサ

<ICT>

5Gの普及IoT・ウェアラブル製品の普及

センサ応用製品全般

<自動車>

ADASの普及

磁気センサ、MEMSセンサ

磁気応用製品

 

<自動車>

電気自動車の普及

マグネット

<産業機器>

再生可能エネルギーの普及

マグネット

<ICT>

クラウドサービスの普及

HDDヘッド、HDD用サスペンション

エナジー応用製品

<自動車>

電気自動車の普及

電源

<産業機器>

再生可能エネルギーの普及

二次電池、電源

<ICT>

5Gの普及

二次電池

IoT・ウェアラブル製品の普及

二次電池

 

成長を実現するために、経営資源の獲得と、その適切な配分も重要な課題と認識し、当社グループ全体の事業ポートフォリオの見直しを適宜おこなってまいります。経営資源の中で、もっとも重要なものの一つが人材であり、日本人以外の従業員が9割を超える当社グループは、人材の多様さと豊富さが競争力の源泉の一つです。これを更に強化していくために、当社グループ全体から優秀な人材を発掘し、育成・活用に取り組んでおります。

本中期経営計画では、当社グループの社会に与える価値の向上を最重要課題の一つと捉えており、2019年4月に設置したサステナビリティ推進本部を中心に、その取り組みを強化しております。SDGs(2015年9月の国連サミットで採択された「持続可能な開発のための2030アジェンダ」に記載された国際開発目標)をフレームワークにした事業への取り組みも強化し、持続可能な企業活動で社会に貢献し、さらなる成長を目指してまいります。

当社グループのグローバル化に伴い、グループ各社の職責と権限を明確にする規程を再整備するとともに、企業理念の普及・浸透を継続的に取り組むことで、グループガバナンスの強化を図っております。

2【事業等のリスク】

当社は、持続的成長を目指す上で、組織目標の達成を阻害する要因(リスク)に対し、全社的に対策を推進し、適切に管理するために、ERM*委員会を設置しております。ERM委員会は、リスクの分析評価を行い、部門横断的に対応が必要なリスクの特定、関連部門と連携した対策の導入等、全社的リスクマネジメントを推進しております。リスク分析評価や対策状況については、経営会議において審議し、取締役会に報告しております。(*ERM:Enterprise Risk Management)

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資家の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、次のようなものがあります。なお、文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(2020年6月23日)現在において判断した記載としております。また、各リスクが顕在化する時期を合理的に予測することは困難です。

(1)経済動向変化によるリスク

 当社グループが事業展開しているエレクトロニクス業界は、最終製品の主たる消費地である米国、欧州、中国を主とするアジア及び日本の社会・経済動向に大きく左右されます。さらに、それらの国または地域には、政治問題・国際問題や経済の浮沈といった様々なリスク要因が常に存在しています。当社グループではこれらの世界のリスク動向を注視し適時対策を講じておりますが、常に十分かつ適時の対策を講じられる保証はなく、またこのような経営環境の変化が予想を超えた場合等において、業績に大きな影響を及ぼす可能性があります。

(2)為替変動によるリスク

 当社グループは、グローバルに事業を展開しており、連結ベースでの海外売上高比率は90%を超え、取引通貨の多くは米ドル・ユーロ等、円以外の通貨であります。これらの通貨に対する急激な円高の進行は売上高や利益の減少等、損益に影響を与えますが、当該リスク軽減のため、当社グループでは外貨建原材料購買の増大や海外拠点で消費する資材の現地調達化を進めております。また、海外における投資資産や負債価値は、財務諸表上で日本円に換算されるため、為替レートの変動の結果、換算差による影響が生じます。米ドル、ユーロ、それぞれの通貨が1円円高となった場合の当社グループの営業利益に対する影響は、おおよそ米ドルで12億円の減益、ユーロは2億円の減益と見ております。為替レートの変動に対応するため、外貨建資金調達及び為替予約契約の締結等の対策は講じておりますが、急激または大幅な為替レートの変動等は、当社グループの財政状況及び業績に大きな影響を及ぼす可能性があります。

(3)金利変動によるリスク

 当社グループはその時々において銀行預金や国債等の金融資産及び銀行借入金や社債、リース債務等の負債を保有しております。これらの資産及び負債にかかる金利の変動は受取利息及び支払利息の増減、あるいは金融資産及び金融負債の価値に影響を与え、当社グループの財政状況及び業績に大きな影響を及ぼす可能性があります。

(4)自然災害、電力供給及び感染症によるリスク

 当社グループは、国内外において多数の製造工場や研究開発施設を有しております。各事業所では、不慮の自然災害や感染症発生等に対する防災・防疫対策や電力不足に対する自家発電設備の導入等を施しておりますが、BCP(事業継続計画)の想定を超えた大規模な地震や津波、台風や洪水、火山の噴火等の自然災害やそれに起因する大規模停電、電力不足及び感染症等によって大きな被害を受ける可能性があります。それらの影響を受け、製造中断、輸送ルート寸断、情報通信インフラの損壊・途絶及び中枢機能の障害もしくは顧客自身に大きな被害が生じた場合など、受注や供給が長期間にわたって滞り、業績に大きな影響を及ぼす可能性があります。

 新型コロナウイルス感染症に関しては、その感染拡大へ対応するため、本年1月に社長を本部長とする全社危機対策本部を立ち上げ、マスク・消毒液等の衛生用品の確保、従業員へのマスク着用などの衛生管理の教育・啓蒙の徹底、従業員が担当区域とその他の区域間を必要以上に往来しないよう事業所内でのゾーニング(区域の分離)の実施及び在宅勤務の推進など従業員への罹患リスク低減に取り組む一方、地元行政と密接に連携し、安全を確保しながら、生産活動の継続に取り組んでおります。

 新型コロナウイルス感染症による景気や業績への影響については、2020年の全世界の実質GDP成長率がマイナス4%となる前提で2021年3月期の業績見通しを作成・発表しました。しかし、さらなる感染拡大により景気回復が遅れた場合、または当社事業所の閉鎖もしくはサプライチェーンの混乱が起こった場合などには、業績に大きな影響を及ぼす可能性があります。

(5)国際的な事業活動におけるリスク

 当社グループは、グローバルに事業を展開しており、連結ベースでの海外売上高比率は90%を超えています。

 対象となる多くの市場や、今後経済発展が見込まれる新興国では、不安定な政情、戦争やテロといった国際政治に関わるリスク、為替変動、関税引上げや輸出入制限といった国内政治・経済に起因するリスク、文化や慣習の違いから生ずる労務問題や疾病といった社会的なリスクが、顕在化する可能性があります。また、商習慣の違いにより、取引先との関係構築においても未知のリスクが潜んでいる可能性があります。こうしたリスクが顕在化した場合、生産活動の縮小や停止、販売活動の停滞等を余儀なくされ、業績に大きな影響を及ぼす可能性があります。

 特に当社グループの中国向け売上高は連結売上高の50%を超えております。同国へ進出している得意先及び現地企業への供給体制を確立するため、中国に製造拠点を数多く有しており、その結果、当社グループが中国に保有する有形固定資産は、2,687億円、中国拠点による生産額は、当社グループ全体の50%を超えております。

 同国にて上記のような政治的要因(法規制の動向等)、経済的要因(成長の持続性、電力等インフラ整備の状況等)及び社会環境における問題事象が発生した場合、業績に大きな影響を及ぼす可能性があります。当社は、需要地における生産を原則としつつも、生産拠点の配置については、カントリーリスクやその他の要因も考慮し、適宜見直しを行っております。

(6)企業の社会的責任に関するリスク

 当社グループは、社会の持続可能な発展のために、地球環境への配慮・労働環境の整備・人権の尊重など企業の社会的責任を重要な経営課題と認識しサプライチェーンも含むあらゆる事業活動の中で、その実現に向けた行動に取り組んでおります。例えば、気候変動への対応として、ライフサイクル的視点でのCO₂排出原単位を2035年までに2015年3月期実績に対し半減することを目標に削減に取り組んでおります。しかしながら、当社グループの努力にもかかわらず、事業活動において、環境汚染、労働災害の発生等の労働安全衛生に係る問題、または児童労働、強制労働や外国人労働者への差別等の人権に係る問題等が生じた場合、当社グループの社会的な信用が低下し、顧客からの取引停止、または一部事業からの撤退等により、業績に大きな影響を及ぼす可能性があります。

 また、関連する様々な法令規則や国際的なイニシアチブ等による規制が大幅に強化された場合やCO₂削減などに対する顧客要求が大幅に高まった場合、これらに適応するための費用が増大したり、規制の強化や顧客要求に適応できず一部事業から撤退を余儀なくされるなどして、業績に大きな影響を及ぼす可能性があります。

 一方で、当社グループは、再生可能エネルギーの創出に貢献する製品や、最終製品での消費エネルギー削減に貢献する製品を多く製造、販売しており、気候変動リスクに対する社会の関心が高まることは、それら製品の需要の拡大の機会であると考えております。

(7)税務に関するリスク

 当社グループは、世界各国に製造拠点・販売拠点を有しており、グループ会社間の国際取引も多く発生しております。グループ会社間の国際的な取引価格に関しては、適用される各国の移転価格税制や関税法の観点からも適切な取引価格となるよう細心の注意を払っております。しかしながら、税務当局または税関当局との見解の相違等により、取引価格が不適切であるとの指摘を受け追加の税負担が生じる可能性があります。また、世界各国の租税法令ないしその解釈運用の発効、施行、導入及び改廃等により、当社グループに税負担増が生じる可能性があります。

 また、繰延税金資産については、将来の課税所得の見通し及び税務上実現可能と見込まれる利益計画に従い、実現可能性の評価を定期的に行っております。将来において利益計画が実現できない場合、または租税法令ないし税務執行の発効、施行、導入及び改廃等により実現可能性の評価を見直した場合、繰延税金資産に対する評価性引当金の積み増しが必要となります。

 上記のような事態が生じた場合、当社グループの財政状況及び業績に大きな影響を及ぼす可能性があります。

(8)技術革新・新製品開発におけるリスク

 当社グループでは、価値ある新製品をタイムリーに世に送り出すことが企業収益向上に貢献し、さらに継続的な新製品開発が企業存続の鍵となるものと確信しております。魅力的で、革新的な新製品の開発による売上高の増加が、企業の成長にとって重要な役割を担っていると考えており、この点を経営戦略の主題として新製品の開発に取り組んでおります。しかしながら、変化の激しいエレクトロニクス業界の将来の需要を的確に予測し、技術革新による魅力的な新製品をタイムリーに開発・供給し続けることができるとは限りません。当社グループの開発部門において実施している市場の動向分析に基づく継続的な研究開発体制の見直しや、開発テーマの選択と集中を進めるための開発マネジメントが有効に機能しない場合等には、販売機会喪失により将来市場はもとより既存市場さえも失うリスクもあり、業績及び成長見通しに大きな影響を及ぼす可能性があります。

(9)価格競争に関するリスク

 当社グループは、競争が激化しているエレクトロニクス業界において、スマートフォンに代表されるICT市場、今後一層の電装化が進展する自動車市場、太陽光発電・風力発電等のエネルギー関連市場等多岐にわたる市場で電子部品の展開を行っています。同業界においては、価格による差別化が競争優位を確保する主たる要因の一つであり、有力な日本企業や韓国、台湾及び中国等の海外企業を交えた価格競争は熾烈を極めております。

 当社グループでは、こうした市場競争に対して継続的なコストダウン施策の推進や収益性向上に努めておりますが、市場からの価格引き下げの圧力はますます強まる傾向にあり、こうした価格動向が業績に大きな影響を及ぼす可能性があります。

(10)原材料等の調達におけるリスク

 当社グループは、原材料等を複数の外部供給者から購入し、適時、適量の確保を前提とした生産体制をとっておりますが、原材料等は代替困難な限られた生産国、供給者に依存する場合があります。例えば、磁気応用製品のマグネットに用いられるジスプロシウム等の重希土類は中国に、エナジー応用製品の二次電池に用いられるコバルトは紛争地域であるコンゴ民主共和国に、その生産を依存しております。これらの原材料等については、複数の調達ルートを確保する他、使用量削減にも取り組んでおります。コバルトを含む紛争地域及び高リスク地域からの鉱物に関しては、「責任ある鉱物調達」に関するポリシーを制定し、持続可能かつ責任ある鉱物だけがサプライチェーンで使われることとなるよう商業上合理的な範囲で最大限の努力をしております。

 しかしながら、各国の輸出入規制や供給者の被災及び事故等による原材料等の供給中断、品質不良等による供給停止、さらに製品需要の増加による供給不足等が発生する可能性があります。また、海外生産拡大に伴う現地調達においては海外の諸情勢に悪影響を受ける場合があり、それらが長期にわたった場合、生産体制に影響を及ぼし、顧客への供給責任を果たせなくなる可能性があります。市場における需給バランスが崩れた場合、原材料価格の高騰や原油をはじめとする燃料価格の高騰による製造コストの増大が想定されます。また、調達した原材料等に、紛争鉱物や児童労働などの問題が潜むことが確認された場合、原材料の変更や調達先の変更などが必要となり、製品の生産や供給に影響を及ぼす可能性があるとともに、社会的な信用が低下する恐れがあります。こうした状況が生じた場合は、業績に大きな影響を及ぼす可能性があります。

(11)顧客の業績や経営方針転換等に関するリスク

 当社グループは、主に、エレクトロニクス市場や自動車市場の顧客に電子部品を供給する企業間取引をグローバルに展開しております。

 多様な顧客と取引を行うと共に、顧客の信用リスク評価を勘案して取引条件を設定する等のリスク低減を図っておりますが、それぞれの顧客の業績及び経営戦略の転換等、当社グループがコントロールし得ない様々な要因によって大きな影響を受ける可能性があります。また、顧客の業績低迷による購買需要の減少や調達方針の変更による納入価格の引き下げ圧力の増大、契約の予期せぬ終了等による過剰在庫の発生や収益性の悪化の可能性があります。

国内外での異業種や競合企業による顧客企業のM&Aにより企業再編が行われた場合、注文が著しく減少し、もしくは取引すべてが消滅する等、当社グループの業績に大きな影響を与える可能性もあります。

 なお、2020年3月期において、当社グループの連結売上高の10%を超える顧客グループは1グループあります。この顧客グループに対する売上は、主にエナジー応用製品によるものであり、売上高は1,607億円(当社グループの連結売上高に対する比率は、11.8%)です。

(12)コンプライアンスに関するリスク

 当社グループは、事業展開している国内外において、事業や投資関連、電気及び電気製品の安全性関連、国家間の安全保障及び輸出入関連、また、商行為、反トラスト、特許、製造物責任、環境及び税金関連等の、様々な規制の遵守を求められております。当社グループは、グローバル・チーフ・コンプライアンス・オフィサー及び日本のほか世界4地域のリージョナル・チーフ・コンプライアンス・オフィサーを任命し、当社グループ及びそれを構成する役員、従業員が世界共通の規範に基づきコンプライアンスに即した行動をするための体制や仕組みの構築を推進するとともに、企業倫理綱領を定め、誠実で公正、透明な企業風土を醸成するよう努めております。しかしながら、このような施策を講じても関連する規制への抵触や、役員、従業員による不正行為は完全には回避できない可能性があります。このような事象が発生した場合、当社グループの社会的な信用が低下し、顧客から取引を停止されたり、または多額の課徴金や損害賠償が請求されるなど、業績に大きな影響を及ぼす可能性があります。

 また、将来において、さらなる規制強化が行われる可能性があり、その場合には規制対応のための多額な費用負担や、その規制に適応し得ない場合にはビジネスからの部分的撤退等が必要になるなど、業績に大きな影響を及ぼす可能性があります。

(13)製品の品質に関するリスク

 当社グループは、国内外生産拠点において、国際品質マネジメント規格(ISO9001、IATF16949やその他の適用ある規格)や技術革新著しいエレクトロニクス業界の顧客が求める厳しい基準に従い、多様な製品の品質管理を行っております。また、独自に保有する品質技術や過去から蓄積する品質トラブルデータを活用し、製品の企画、設計、試作、製造の各段階での設計審査、内部品質監査、購入先監査・指導、工程管理等を通じて製品の信頼性や安全性を確保出来るよう、開発上流段階から品質を作り込む品質保証体制の構築を図っております。

 しかしながら、品質上の欠陥(規制物質含有を含む)や、それに起因するリコールが発生し得ないとは限りません。当社製品のリコールや製造物責任の追及がなされた場合、回収コストや賠償費用が発生し、また販売量が減少する恐れがあります。さらに当社ブランドを冠した製品の品質上の欠陥によりブランドの信用が失墜し、企業としての存続を危うくする事態を招くことも想定されます。このように、重大な品質問題が発生した場合、業績に大きな影響を及ぼす可能性があります。

(14)知的財産におけるリスク

 当社グループは、事業収益に貢献する戦略的知財活動として当社製品の機能、デザイン等に関する特許、ライセンス及び他の知的財産権(以下、「知的財産権」と総称します。)のポートフォリオの管理・取得によるその強化と活用に努めております。

 しかしながら、特定の地域では、その地域固有の事由によって当社グループの知的財産権が完全に保護されない場合があり、第三者が知的財産を無断使用して類似した製品を製造することによって損害を受けることもあり得ます。

 一方では、当社グループの製品・工程等が第三者の知的財産権を侵害しているとの主張を受ける可能性もあります。当社グループがかかる侵害をしたとして第三者から訴えられた場合、訴訟活動や和解交渉が必要になり、そのための費用が発生する他、これらの係争において、当社グループの主張が認められなかった場合には、損害賠償やロイヤルティの支払が必要になったり、市場そのものを失う等の損失が発生する恐れがあります。

 このように、知的財産権についてこれらの問題が発生した場合には、事業展開、業績に大きな影響を及ぼす可能性があります。

(15)情報セキュリティにおけるリスク

 当社グループは、事業を展開する上で、顧客及び取引先の機密情報や個人情報及び当社グループ内の機密情報や個人情報を有しています。これらの情報は、外部流出や破壊、改ざん等が無いように、グループ全体で管理体制を構築し、徹底した管理とITセキュリティ、施設セキュリティの強化、従業員教育等の施策を実行しております。しかしながら、外部からの攻撃や、内部的過失や盗難等により、これらの情報の流出、破壊もしくは改ざんまたは情報システムの停止等が生じる可能性があります。

 このような事態が生じた場合には、信用低下、被害を受けた方への損害賠償等の費用の発生、または業務の停止等により、業績に影響を及ぼす可能性があります。

(16)人材獲得と人材育成に関するリスク

 当社グループは、世界中の30以上の国と地域で事業活動を推進しており、日本以外の拠点の従業員数は全従業員数の90%を越えております。変化の激しいエレクトロニクス業界において継続的に事業を発展させるためには、専門技術に精通した多様な人材及び経営戦略やグローバルな組織運営といったマネジメント能力に優れた人材の獲得、育成を継続的に推進していくことが重要となります。人材獲得のために新卒採用や経験者の通年採用を積極的に展開しております。また、目標管理制度に基づいた公平な評価・処遇制度の充実などの仕組みの構築により、従業員のエンゲージメントを高め、人材の定着を図っております。さらには、自律型人材やグローバル人材を育成し、当社グループの価値観、知識及びモノづくりのDNAを伝える教育プログラムの充実を図っております。これらの教育プログラムには、現在のグローバルキー人材や将来の経営層候補、その他各階層に対する教育も含まれております。

 しかし、必要な人材を継続的に獲得し定着させるための競争は厳しく、日本国内においては、少子高齢化や労働人口の減少等、また、中国等の海外拠点においても、雇用環境の変化が急速に進んでおり、人材獲得や育成が計画通りに進まなかった場合、長期的視点から、事業展開、業績及び成長に大きな影響を及ぼす可能性があります。

(17)M&Aにおけるリスク

 当社グループは、競争が激化するエレクトロニクス分野において、企業価値を向上させるために必要な技術やその他の要素の外部からの獲得が、事業の成長を加速させる上で有効な手段となる場合や、市場における優位性の確立に資するといった効果が見込める場合は、必要に応じてM&Aを実施しております。

 M&A実施に当たっては、市場動向や顧客のニーズ、相手先企業の業績、財政状況、技術優位性や市場競争力、当社グループの事業ポートフォリオ並びにM&Aに伴うリスク分析結果等を十分に考慮し進めるべく努めております。

 しかしながら、事前の調査・検討にもかかわらず、買収後の市場環境や競争環境の著しい変化があった場合や、買収した事業が計画通りに展開することができず、投下した資金の回収ができない場合や追加的費用が発生した場合等において、当社グループの業績や成長及び事業展開等に大きな影響を及ぼす可能性があります。

(18)固定資産及びのれんの減損損失のリスク

 当社グループは、生産能力向上、品質向上または生産性向上などのため製造設備などの設備投資を継続的に行っております。また、事業の成長加速のためM&Aも必要に応じて実施しております。その結果、有形固定資産及び特定の認識可能で償却期間の定めのある無形固定資産並びにのれん及びその他の無形固定資産などの資産を多額に有しております。2020年3月期末の連結貸借対照表においては1,609億円ののれんを計上しており、そのうち970億円は、2017年5月に買収した米 InvenSense, Inc.ののれんです。

 有形固定資産及び特定の認識可能で償却期間の定めのある無形固定資産については、資産の簿価が回収できない兆候が認められた場合は減損テストを行っております。また、のれん及びその他の無形固定資産についても、少なくとも年に一度、あるいは減損の兆候が認められる場合はより頻繁に減損テストを行っております。かかるテストの結果、これらの資産が十分な将来キャッシュ・フローを生み出さない場合は、減損損失を認識する必要性が生じます。

 多額の減損損失を認識した場合、当社グループの財政状況及び業績に大きな影響を及ぼす可能性があります。

2【沿革】

年月

沿革

1935年12月

世界最初のフェライトコアの工業化を目的として東京市芝区に資本金20千円をもって東京電気化学工業株式会社を設立(1935年12月7日)

1937年7月

蒲田工場新設

1940年7月

平沢工場新設

1951年4月

目黒研究所開設

1952年10月

東京・清水工場を開設し磁気録音テープの生産を開始

1953年3月

秋田・琴浦工場を建設、平沢工場より磁器コンデンサの全生産設備を移転

1956年7月

市川工場を建設、目黒研究所及び蒲田工場を閉鎖しその全設備を移転

1961年6月

事業部制組織形態を採用

1961年9月

東京証券取引所に上場

1962年9月

本社を東京都千代田区内神田に移転

1965年9月

米国ニューヨークに現地法人「TDK Electronics Corporation」を設立(以後海外各地に製造販売等の拠点を設ける。)

1969年12月

長野県佐久市に千曲川工場を竣工、磁気テープの生産開始

1970年6月

静岡県相良町に静岡工場を竣工、マグネットの生産開始

1974年7月

国際資本市場進出のためS-12方式ADR(米国預託証券)を発行

1978年5月

本社を東京都中央区日本橋に移転

1978年10月

千葉県成田市に成田工場を竣工、希土類磁石の生産開始

1980年3月

ホワイトセラミックス専門の秋田工場新設

1982年6月

ニューヨーク証券取引所に上場(2009年4月上場廃止)

1982年10月

大分県日田市に三隈川工場を竣工、磁気テープの生産開始

1982年11月

山梨県甲西町に甲府南工場を竣工、磁気ヘッドの生産開始

1983年3月

社名をティーディーケイ株式会社に変更

1983年5月

ロンドン証券取引所に上場(2013年7月上場廃止)

1985年1月

国内初の「完全無担保普通社債」を発行

1986年8月

香港の磁気ヘッド製造会社「SAE Magnetics(H.K.)Ltd.」を買収

1989年3月

決算期を11月30日から3月31日に変更

1990年5月

千葉県成田市に基礎材料研究所を新設

1990年9月

千葉県市川市に市川テクニカルセンターを新設

2000年3月

米国の磁気ヘッド製造会社「Headway Technologies Inc.」を買収

2000年8月

1単位の株式数を1,000株から100株に変更

2003年10月

国内全事業所でゼロエミッション達成

2005年5月

香港のリチウムポリマー電池製造販売会社「Amperex Technology Limited」を買収

2005年10月

「Invensys plc」から電源事業「ラムダパワーグループ」を買収

2007年8月

TDKブランドの記録メディア販売事業を米国イメーション社に譲渡

2007年11月

タイのHDD用サスペンションメーカー

「Magnecomp Precision Technology Public Company Limited」を買収

2008年3月

デンセイ・ラムダ株式会社を完全子会社化

2008年10月

ドイツの電子部品会社「EPCOS AG」を買収(その後、TDK Electronics AGに社名変更)

2009年10月

会社分割によりTDK-EPC株式会社設立

2013年4月

本社を東京都港区芝浦に移転

2013年10月

磁気テープの生産から撤退

2016年3月

スイスの磁気センサ開発製造会社「Micronas Semiconductor Holding AG」を買収(その後、TDK Magnetic Field Sensor Switzerland AGへ吸収合併)

2017年2月

「Qualcomm Incorporated」との合弁会社「RF360 Holdings Singapore PTE.Ltd.」への高周波部品事業の事業移管を完了(2019年9月にRF360 Holdings Singapore PTE.Ltd.の持分を売却)

2017年5月

米国のセンサ事業会社「InvenSense,Inc.」を買収

2018年11月

本社を東京都中央区日本橋に移転

(5)【所有者別状況】

 

 

 

 

 

 

 

2020年3月31日現在

区分

株式の状況(1単元の株式数100株)

単元未満株式の状況(株)

政府及び地方公共団体

金融機関

金融商品取引業者

その他の法人

外国法人等

個人その他

個人以外

個人

株主数(人)

109

42

259

788

38

19,213

20,449

所有株式数(単元)

641,581

47,038

10,597

482,043

134

113,990

1,295,383

52,359

所有株式数の割合(%)

49.53

3.63

0.82

37.21

0.01

8.80

100.00

(注)1.上記「その他の法人」の欄には、証券保管振替機構名義の株式が、3単元含まれております。

2.自己株式3,271,526株は、「個人その他」に32,715単元及び「単元未満株式の状況」に26株を含めて記載しております。

3【配当政策】

当社は、中長期的な企業価値の向上を実現することが株主価値の拡大に繋がるとの認識のもと、1株当たり利益の成長を通じて、配当の安定的な増加に努めることを基本方針としております。そのために、エレクトロニクス市場における急速な技術革新に的確に対応すべく、重点分野の新製品や新技術を中心に、成長へ向けた積極的な投資を行うことで、中長期的な企業価値の向上を目指してまいります。したがいまして、当社は実現した利益を事業活動へ積極的に再投資したうえで、連結ベースの株主資本利益率(ROE)や株主資本配当率(DOE)の水準、事業環境の変化等を総合的に勘案し、配当を行うことといたします。

当社は、期末及び中間の年2回、剰余金の配当を行うことを基本方針としており、それぞれの配当の決定機関は、期末については定時株主総会、中間については取締役会であります。

当社は、「取締役会の決議によって、毎年9月30日を基準日として中間配当をすることができる。」旨を定款に定めております。

なお、当事業年度に係る剰余金の配当は以下のとおりであります。

決議年月日

配当金の総額

(百万円)

1株当たり配当額

(円)

2019年10月31日

11,368

90

取締役会決議

2020年6月23日

11,369

90

株主総会決議

(2)【役員の状況】

①役員一覧

 

男性 10名 女性 2名 (役員のうち女性の比率16.7%)

役職名

氏名

生年月日

略歴

任期

所有株式数

(百株)

代表取締役

社長 兼 加湿器対策本部長

石黒 成直

1957年10月30日

 

1982年1月

当社入社

2002年4月

当社レコーディングメディア&ソリューションズビジネスグループ 欧州営業部 経営企画担当部長

2004年7月

当社ヘッドビジネスグループ HDDヘッドビジネスディビジョン 日本オペレーション 企画グループ リーダー

2007年4月

当社ヘッドビジネスグループ HDDヘッドビジネスディビジョン 日本オペレーション リーダー

2011年4月

当社ヘッドビジネスグループ デピュティゼネラルマネージャー

2012年6月

当社ヘッドビジネスグループ ゼネラルマネージャー

2014年6月

当社執行役員

2015年4月

当社磁気ヘッド&センサビジネスカンパニー CEO

2015年6月

当社常務執行役員

2016年6月

当社代表取締役社長 兼 当社加湿器対策本部長(現任)

当社生産本部長

 

(注)3

55

代表取締役

Global Chief Compliance Officer

経理・財務本部長

山西 哲司

1960年5月29日

 

1983年4月

当社入社

2005年1月

当社アドミニストレーショングループ 経理部 計数管理担当部長

2008年7月

当社アドミニストレーショングループ 経理部 計数管理グループ 部長

2013年6月

当社経理部長

2015年4月

当社経理グループ ゼネラルマネージャー

2015年6月

当社執行役員

2016年6月

当社取締役

2017年4月

当社経理・財務本部長(現任)

2017年6月

当社常務執行役員

2018年6月

当社代表取締役(現任)

2019年4月

当社Global Chief Compliance Officer(現任)

2020年4月

当社専務執行役員(現任)

 

(注)3

30

 

 

役職名

氏名

生年月日

略歴

任期

所有株式数

(百株)

取締役

会長

澄田 誠

1954年1月6日

 

1980年4月

株式会社野村総合研究所入社

1996年6月

イノテック株式会社取締役

2005年4月

同社代表取締役専務

2005年6月

アイティアクセス株式会社取締役

2007年4月

イノテック株式会社代表取締役社長

2011年6月

当社社外監査役

2013年4月

イノテック株式会社代表取締役会長

2013年6月

当社社外監査役辞任

当社社外取締役

2015年2月

INNOTECH FRONTIER, Inc.代表取締役会長

2018年6月

イノテック株式会社取締役会長(現任)

 

当社取締役会長(現任)

 

(注)3

-

取締役

戦略本部長

逢坂 清治

1958年10月28日

 

1982年4月

当社入社

2003年4月

当社経営企画部 担当部長

2009年6月

当社執行役員

当社コーポレートストラテジーグループ 経営企画部長

2011年5月

当社経営企画グループ ゼネラルマネージャー 兼 経営企画グループ 経営企画部長

2012年6月

当社常務執行役員

TDK-EPC Senior Executive Vice President & COO

2015年4月

当社電子部品営業本部長

 兼 当社電子部品営業本部ICTグループ ゼネラルマネージャー

2017年4月

当社戦略本部長(現任)

当社人事担当

2017年6月

当社取締役専務執行役員(現任)

田淵電機株式会社社外取締役

 

(注)3

30

 

 

役職名

氏名

生年月日

略歴

任期

所有株式数

(百株)

取締役

石村 和彦

1954年9月18日

 

1979年4月

旭硝子株式会社(現 AGC株式会社)入社

2006年1月

同社執行役員関西工場長

2007年1月

同社上席執行役員エレクトロニクス&エネルギー事業本部長

2008年3月

 

同社代表取締役 兼 社長執行役員COO

2010年1月

同社代表取締役 兼 社長執行役員CEO

2015年1月

同社代表取締役会長

2015年6月

当社社外取締役(現任)

2017年6月

株式会社IHI社外取締役(現任)

2018年1月

旭硝子株式会社(現 AGC株式会社)取締役会長

2018年6月

野村ホールディングス株式会社社外取締役(現任)

2020年3月

AGC株式会社取締役(現任)

2020年4月

国立研究開発法人産業技術総合研究所理事長(現任)

 

(注)3

-

取締役

八木 和則

1949年4月1日

 

1972年4月

株式会社横河電機製作所(現 横河電機株式会社)入社

1999年10月

同社執行役員経営企画部長、マーケティング部担当

2001年4月

同社常務執行役員経営企画部長

2001年6月

同社取締役常務執行役員経営企画部長

2002年7月

同社取締役専務執行役員経営企画部長

2005年7月

同社取締役専務執行役員経営管理本部長

2011年6月

同社顧問

 

株式会社横河ブリッジホールディングス社外監査役(現任)

2012年6月

JSR株式会社社外取締役

2013年6月

当社社外監査役

2014年3月

応用地質株式会社社外取締役

2017年6月

双日株式会社社外監査役(現任)

2018年6月

当社社外監査役辞任

当社社外取締役(現任)

 

(注)3

-

 

 

役職名

氏名

生年月日

略歴

任期

所有株式数

(百株)

取締役

中山 こずゑ

1958年2月25日

 

1982年4月

日産自動車株式会社入社

2010年9月

同社ブランドコーディネーションディビジョン副本部長

2011年3月

同社退職

2011年4月

横浜市役所入庁

2012年4月

同市文化観光局長

2018年6月

株式会社横浜国際平和会議場代表取締役社長(現任)

2019年6月

株式会社帝国ホテル社外監査役(現任)

2020年6月

当社社外取締役(現任)

 

(注)3

-

常勤監査役

末木 悟

1958年7月1日

 

1984年3月

当社入社

2005年4月

当社ヘッドビジネスグループ 薄膜デバイス統括部 薄膜デバイスグループ リーダー

2006年4月

当社テクノロジーグループ XFプロジェクト リーダー

2009年4月

当社テクノロジーグループ デバイス開発センター 副センター長

2010年6月

当社品質保証部長

2013年4月

当社生産本部 品質保証グループ長 兼 加湿器対策本部 加湿器回収室長

2014年6月

当社執行役員

当社品質保証グループ長

2017年4月

当社品質保証本部長

2019年3月

当社執行役員退任

2019年6月

当社常勤監査役(現任)

 

(注)4

29

常勤監査役

桃塚 高和

1958年11月3日

 

1982年4月

当社入社

2005年4月

当社アドミニストレーショングループ 経理部担当部長

2008年6月

当社アドミニストレーショングループ 経理部長

2011年6月

当社執行役員

2013年6月

当社経理財務、業務改革プロジェクト担当

2015年4月

当社アドミニストレーション本部長 兼 経営システム、業務改革プロジェクト担当

2016年6月

当社経営管理本部 副本部長 兼 経営管理本部 総務グループ ゼネラルマネージャー

2016年10月

当社Chief Compliance Officer

当社コンプライアンス本部長

2017年4月

当社法務・コンプライアンス本部長

2019年3月

当社執行役員退任

2019年6月

当社常勤監査役(現任)

 

(注)4

30

 

 

役職名

氏名

生年月日

略歴

任期

所有株式数

(百株)

監査役

石井 純

1956年3月24日

 

1979年4月

松下電器産業株式会社(現 パナソニック株式会社)入社

2007年4月

同社役員

2012年4月

同社常務役員

2014年6月

同社常務取締役

2015年4月

同社人事・総務・保信担当、法務・フェアビジネス・グループガバナンス・リスクマネジメント担当、施設管財担当、企業スポーツ推進担当、秘書室担当、リスク・ガバナンス本部長

2017年6月

同社取締役常務執行役員チーフ・リスクマネジメント・オフィサー(CRO)、チーフ・コンプライアンス・オフィサー(CCO)、グループガバナンス担当 兼 リスク・ガバナンス本部長、総務・保信担当、施設管財担当、秘書室担当

2018年4月

同社取締役(2018年6月退任)

2019年6月

当社社外監査役(現任)

 

(注)4

-

監査役

ダグラス・K・フリーマン

1966年5月23日

 

1990年4月

ゴールドマン・サックス証券株式会社入社

1996年4月

日本国弁護士登録

三井安田法律事務所入所

1997年6月

濱田法律事務所入所

2002年9月

米国ニューヨーク州弁護士登録

2002年9月

米国サリヴァン・アンド・クロムウェル法律事務所入所

2007年9月

フリーマン国際法律事務所代表(現任)

2016年2月

株式会社ユーシン社外取締役

2019年4月

慶應義塾大学大学院法務研究科教授(現任)

2019年6月

当社社外監査役(現任)

 

(注)4

-

監査役

千葉 通子

1961年6月27日

 

1984年4月

東京都庁入庁

1989年10月

太田昭和監査法人(現 EY新日本有限責任監査法人)入所

1993年3月

公認会計士登録

2010年7月

新日本有限責任監査法人(現 EY新日本有限責任監査法人)シニアパートナー

2016年9月

千葉公認会計士事務所代表(現任)

2018年6月

カシオ計算機株式会社社外監査役

2019年3月

DIC株式会社社外監査役(現任)

2019年6月

カシオ計算機株式会社社外取締役監査等委員(現任)

当社社外監査役(現任)

 

(注)4

-

174

 

(注)1.取締役石村和彦、八木和則及び中山こずゑの3氏は、社外取締役であります。

2.監査役石井純、ダグラス・K・フリーマン及び千葉通子の3氏は、社外監査役であります。

3.2020年6月23日開催の定時株主総会の終結の時から1年間

4.2019年6月27日開催の定時株主総会の終結の時から4年間

5.当社では、業務執行機能の強化及び経営効率の向上を目指し、執行役員制度を導入しております。なお、執行役員は19名であります。

 

 

②社外役員の状況

a.当社と社外役員との特別な利害関係

当社と、現任のすべての社外役員(社外取締役3名及び社外監査役3名)との間には、特別な利害関係はありません。

b.社外役員が他の会社等の役員等である場合における当社との取引関係

当社と、社外役員が他の会社の役員である場合における他の会社との間で、取引関係のあるものは、次のとおりであります。

・社外取締役石村和彦氏が取締役を務めるAGC株式会社と当社との間には取引関係がありますが、両者にとって取引金額は僅少(当社グループの連結売上高に占めるAGCグループに対する売上比率は1%未満、2020年3月期実績)であり、重要な取引関係ではありません。

・社外取締役石村和彦氏が社外取締役を務める株式会社IHIと当社との間には取引関係がありますが、両者にとって取引金額は僅少(当社グループの連結売上高に占めるIHIグループに対する売上比率は1%未満、2020年3月期実績)であり、重要な取引関係ではありません。

・社外取締役石村和彦氏が理事長を務める国立研究開発法人産業技術総合研究所(以下「産総研」)と当社との間には研究委託等の取引関係がありますが、両者にとって取引金額は僅少(当社グループからの委託研究費等の支払額が産総研の年間総収入額に占める比率は1%未満、2020年3月期実績)であり、重要な取引関係ではありません。

・社外取締役八木和則氏が社外監査役を務める双日株式会社と当社との間には取引関係がありますが、両者にとって取引金額は僅少(双日グループの連結売上高に占める当社グループに対する売上比率は1%未満、2020年3月期実績)であり、重要な取引関係ではありません。

・社外取締役中山こずゑ氏が社外監査役を務める株式会社帝国ホテルと当社との間には取引関係がありますが、両者にとって取引金額は僅少(帝国ホテルグループの連結売上高に占める当社グループに対する売上比率は1%未満、2020年3月期実績)であり、重要な取引関係ではありません。

・社外監査役千葉通子氏が社外取締役監査等委員を務めるカシオ計算機株式会社と当社との間には取引関係がありますが、両者にとって取引金額は僅少(当社グループの連結売上高に占めるカシオ計算機グループに対する売上比率は1%未満、2020年3月期実績)であり、重要な取引関係ではありません。

c.社外役員が果たす機能及び役割

当社は、経営の監督機能強化、株主を含めた様々なステークホルダーを意識した経営、効率的かつ規律あるコーポレート・ガバナンスの構築を目的とし、社外取締役の招聘を積極的に推進してまいりました。その結果、本有価証券報告書提出日現在、取締役7名のうち社外取締役は3名、監査役5名のうち社外監査役は3名であり、社外役員は全役員12名のうち6名となっております。

なお、社外取締役は、重要な課題等について、取締役会における執行役員等からの報告等を通じて確認し、適宜意見を述べることで、監督機能を果たしております。また、社外監査役は、内部統制システム等の実効性について、監査役会での常勤監査役からの報告や、会計監査人からの報告等を通じて確認し、内容を審議することで、監査機能を果たしております。

d.社外役員の独立性に関する基準

当社は、当社が招聘する社外取締役及び社外監査役の独立性を確保するため、株式会社東京証券取引所が定める「独立役員の確保(有価証券上場規程第436条の2)」及び「上場管理等に関するガイドラインⅢ5.(3)の2」等を参考に、当社の[独立性検証項目]を設定しております。その概要は、次のとおりであります。

[独立性検証項目]

(1)当該役員の所属が取引先の場合

現在及び過去3年間において、下記①の取引先またはその業務執行者に該当する場合もしくは下記②に該当する場合は、社外役員の独立性がないものと判断する。

① 当該取引により、当社グループまたは当該取引先の存続発展に必要ないし多大な影響を及ぼす地位を有すると客観的・合理的に認められる場合(依存度が高い場合、連結売上の2%以上である場合、当社グループから役員報酬以外に金銭その他の財産を受けている場合)

②当該取引先との取引において、当社グループ内で当該社外役員の関与が認められる場合

(2)当該役員がコンサルタント、会計専門家または法律専門家の場合

現在及び過去3年間において、以下のいずれかのケースに該当する場合は、社外役員の独立性がないものと判断する。

① 役員報酬以外に、金銭その他の財産を当社グループから得ることにより、当該社外役員(候補者の場合を含む、以下同じ)が独立役員としての職務を果たせないと客観的・合理的に認められる場合(依存度が高い場合)

② 当該社外役員の属する団体(以下、「当該団体」という。)が、当社グループから役員報酬以外に、金銭その他の財産を得ることにより、当該社外役員が独立役員としての職務を果たせないと客観的・合理的に認められる場合(年間総報酬の収入の2%以上である場合)

③ 専門家または当該団体から受けるサービス等が当社グループの企業経営に不可欠ないし他に同等なサービス等の提供先が容易に見つからないなど、当社グループの依存性が高い場合

④ 当該団体から受けるサービス等において、当社グループ内で当該社外役員の関与が認められる場合

(3)当該役員の近親者の場合

現在及び過去3年間において、当該役員の近親者(2親等内の親族)が以下のいずれかのケースに該当する場合は、社外役員の独立性がないものと判断する。

① 上記(1)または(2)に掲げる者(重要でない者を除く。)

② 当社または当社子会社の業務執行者(重要でない者を除く。)

なお、当社は、取締役会の諮問機関として、社外取締役を委員長とし、半数以上の委員を社外取締役で構成する指名諮問委員会を設置しております。同委員会は、上記に定める[独立性検証項目]に従い、社外役員候補者(現任の任期中における独立性の状況変化の場合を含む)の独立性を調査・審議し、その内容を総合的に判断した上で、取締役会へ審議結果を報告しております。

上記を踏まえ、当社は、社外取締役の石村和彦、八木和則及び中山こずゑの3氏並びに社外監査役の石井純、ダグラス・K・フリーマン及び千葉通子の3氏を、株式会社東京証券取引所の有価証券上場規程第436条の2に規定する独立役員として、同取引所に届け出ております。

e.当事業年度における社外役員の活動状況

当事業年度における取締役会等への出席状況は、次のとおりであります。(当事業年度末日時点で社外役員であった者について記載)

・吉田和正氏(社外取締役)   取締役会:13回中13回

                指名諮問委員会:10回中10回

                報酬諮問委員会: 8回中 8回

・石村和彦氏(社外取締役)   取締役会:13回中13回

                指名諮問委員会:10回中10回

                報酬諮問委員会: 8回中 8回

・八木和則氏(社外取締役)   取締役会:13回中13回

                指名諮問委員会:10回中10回

                報酬諮問委員会: 8回中 8回

・石井純氏(社外監査役)    監査役会:10回中10回

 (2019年6月就任後)     取締役会:10回中10回

・ダグラス・K・フリーマン氏(社外監査役)監査役会:10回中10回

 (2019年6月就任後)          取締役会:10回中10回

・千葉通子氏(社外監査役)   監査役会:10回中9回

 (2019年6月就任後)     取締役会:10回中9回

 

なお、社外取締役は、取締役会の諮問機関である指名諮問委員会及び報酬諮問委員会において、委員長・委員として参画することにより、人事・報酬決定プロセスの透明性及び選任・報酬の妥当性確保にも寄与しております。

 

 

③社外取締役又は社外監査役による監督又は監査と内部監査、監査役監査及び会計監査との相互連携並びに内部統制部門との関係

監査役及び監査役会は、社長と定期的に会合を持ち、経営方針を確かめるとともに、当社グループが対処すべき課題、当社グループを取り巻くリスク、監査役監査上の重要課題等について意見交換を行い、社長との相互認識を深めます。

監査役及び内部監査部門は、定期的に会合を持つとともに、会計監査人から定期的に監査の報告を受け、当初の監査計画と結果について情報共有を図ることで、監査役監査が実効的に行われることを確保します。また、監査役会は、業務執行部門から独立している弁護士と顧問契約を締結し、監査役又は監査役会の観点から検討、確認等が必要な事項について助言を受けられる体制をとります。

4【関係会社の状況】

 

名称

住所

資本金

主要な事業の内容

議決権の所有割合

(%)

関係内容

(連結子会社-海外-)

 

 

 

 

 

Ningde Amperex Technology Ltd.*1、*2

Ningde, China

RMB839,909,052

エナジー応用製品

100

(100)

当社製品の製造、販売

役員の兼任等…無

Amperex Technology Ltd.

*1、*3

Hong Kong, China

US$277,588,100

エナジー応用製品

99.7

(57.5)

当社製品の製造、販売

当社に対する資金貸付

役員の兼任等…有

SAE Magnetics (H.K.) Ltd.

*1、*4

Hong Kong, China

HK$50,000

磁気応用製品

100

(100)

当社製品の製造、販売

当社に対する資金貸付

役員の兼任等…有

TDK Hong Kong Co.,Ltd.*1

Hong Kong, China

HK$25,500,000

受動部品及び磁気応用製品

100

当社製品の製造、販売

当社からの資金貸付

役員の兼任等…無

Navitasys Technology Ltd.

*1

Hong Kong, China

US$10,000,000

エナジー応用製品

100

(100)

当社製品の製造、販売

役員の兼任等…

Dongguan Amperex Technology Ltd. *1

Dongguan, China

RMB485,509,727

エナジー応用製品

100

(100)

当社製品の製造、販売

役員の兼任等…無

TDK Xiamen Co., Ltd. *1

Xiamen, China

RMB681,074,000

受動部品

100

(100)

当社製品の製造、販売

役員の兼任等…無

TDK (Zhuhai FTZ) Co., Ltd.

Zhuhai, China

RMB29,390,675

受動部品

100

(100)

当社製品の製造、販売

役員の兼任等…無

TDK (Zhuhai) Co., Ltd.

Zhuhai, China

RMB161,627,185

受動部品

100

(100)

当社製品の製造、販売

役員の兼任等…無

TDK (Suzhou) Co., Ltd.

Suzhou, China

RMB93,324,615

受動部品

100

(100)

当社製品の製造、販売

役員の兼任等…無

TDK Dalian Corporation *1

Dalian, China

US$87,816,000

受動部品

100

(80)

当社製品の製造、販売

役員の兼任等…無

SAE Components (ChangAn) Ltd.*1

Dongguan, China

RMB753,848

受動部品

100

(100)

当社製品の製造、販売

役員の兼任等…有

TDK (Shanghai) International

Trading Co., Ltd.

Shanghai, China

RMB1,659,160

受動部品

100

(100)

当社製品の販売

役員の兼任等…有

TDK Electronics Hong Kong Limited

Hong Kong, China

HK$2,000,000

受動部品

100

(100)

当社製品の販売

役員の兼任等…無

TDK China Co., Ltd. *1

Shanghai, China

RMB260,973,200

関係会社に対する投融資並びに関係会社管理

100

─────

当社からの資金貸付

役員の兼任等…有

TDK Electronics AG *1

Munich, Germany

EUR66,682,270

受動部品

100

(100)

当社製品の製造、販売

役員の兼任等…有

TDK Hungary Components Kft.

Szombathely, Hungary

EUR9,670,320

受動部品

100

(100)

当社製品の製造、販売

役員の兼任等…無

TDK Electronics GmbH & Co OG

Deutschlandsberg,

Austria

EUR14,500,000

受動部品

100

(100)

当社製品の製造、販売

役員の兼任等…無

TDK-Micronas GmbH

Freiburg, Germany

EUR500,000

センサ応用製品

100

当社製品の製造、販売

当社からの資金貸付

役員の兼任等…無

TDK Europe GmbH *1

Munich, Germany

EUR46,545,000

受動部品

100

(100)

当社製品の販売

役員の兼任等…無

TDK Europe S.A. *1

Windhof,

Luxembourg

EUR20,974,825

関係会社に対する投融資並びに関係会社管理

100

─────

当社に対する資金貸付

役員の兼任等…有

TDK Germany GmbH

Dusseldorf, Germany

EUR25,000

関係会社に対する投融資並びに関係会社管理

100

(100)

──────

役員の兼任等…有

 

 

名称

住所

資本金

主要な事業の内容

議決権の所有割合

(%)

関係内容

Headway Technologies, Inc.

*1

California, U.S.A.

US$163,161,945

磁気応用製品

100

当社製品の製造、販売

役員の兼任等…有

InvenSense,Inc. *1

California, U.S.A.

US$79,923

センサ応用製品

100

(100)

当社製品の製造、販売

役員の兼任等…有

TDK Corporation of America

Illinois, U.S.A.

US$3,800,000

受動部品

100

(100)

当社製品の販売

役員の兼任等…有

TDK U.S.A. Corporation *1

New York, U.S.A.

US$850

関係会社に対する投融資並びに関係会社管理

100

─────

当社からの資金貸付

役員の兼任等…有

Magnecomp Precision Technology Public Co., Ltd. *1

Ayutthaya, Thailand

US$96,333,296

磁気応用製品

99.8

当社製品の製造、販売

役員の兼任等…有

TDK Taiwan Corporation

Taipei, Taiwan

NT$424,125,200

受動部品

95.4

(95.4)

当社製品の製造、販売

当社からの資金貸付

役員の兼任等…有

TDK Electronics Korea Corporation

Seoul, Republic of Korea

KRW1,000,000,000,000

受動部品

100

(100)

当社製品の販売

役員の兼任等…無

TDK (Thailand) Co., Ltd.

Ayutthaya, Thailand

THB699,000,000

磁気応用製品

100

(100)

当社製品の製造、販売

役員の兼任等…無

TDK Singapore (Pte) Ltd.

Singapore

US$126,050

受動部品

100

(100)

当社製品の販売

当社に対する資金貸付

役員の兼任等…無

(連結子会社-国内-)

 

(百万円)

 

 

 

TDKラムダ㈱

東京都中央区

2,976

エナジー応用製品

100

当社製品の製造、販売

当社からの資金貸付

役員の兼任等…有

TDK秋田㈱

秋田県由利本荘市

200

受動部品

100

(100)

当社製品の製造、販売

当社に対する資金貸付

役員の兼任等…無

TDK庄内㈱

山形県鶴岡市

110

受動部品

100

(100)

当社製品の製造、販売

当社に対する資金貸付

役員の兼任等…無

TDK-EPC㈱ *1

東京都中央区

100

関係会社に対する投融資並びに関係会社管理

100

─────

当社に対する資金貸付

役員の兼任等…有

その他 106社

 

 

 

 

 

(持分法適用関連会社)

 

(百万円)

 

 

 

戸田工業㈱

広島県広島市

7,477

磁性材料等の製造、販売

20.6

─────

役員の兼任等…有

㈱半導体エネルギー研究所

神奈川県厚木市

4,348

半導体関連製品の研究開発

31.7

─────

役員の兼任等…無

その他 3社

 

 

 

 

 

(注)1.主要な事業の内容欄には、事業の種類別セグメントの名称等を記載しております。

2.議決権の所有割合の( )内は、間接所有割合を内数で示しております。

3.役員の兼任等には当社執行役員を含めて記載しております。

4.*1:特定子会社に該当しております。

5.*2:Ningde Amperex Technology Ltd. の売上高は、連結売上高に占める割合が10%を超えております。

主要な損益情報等

①売上高  443,925百万円 ②税引前当期純利益  133,626百万円 ③当期純利益 114,125百万円

④純資産額 294,827百万円 ⑤総資産額         475,109百万円

6.*3:Amperex Technology Ltd. の売上高は、連結売上高に占める割合が10%を超えております。

主要な損益情報等

①売上高  244,804百万円 ②税引前当期純利益  79,804百万円 ③当期純利益 75,315百万円

④純資産額 136,870百万円 ⑤総資産額         203,246百万円

 

7.*4:SAE Magnetics (H.K.) Ltd.の売上高は、連結売上高に占める割合が10%を超えております。

主要な損益情報等

①売上高  167,108百万円 ②税引前当期純利益  5,139百万円 ③当期純利益 4,694百万円

④純資産額 139,418百万円 ⑤総資産額        168,724百万円

 

※3 販売費に属する費用のおおよその割合は前事業年度20%、当事業年度21%、一般管理費に属する費用のおおよその割合は前事業年度80%、当事業年度79%であります。

販売費及び一般管理費のうち主要な費目及び金額は次のとおりであります。

 

前事業年度

(自 2018年4月1日

  至 2019年3月31日)

当事業年度

(自 2019年4月1日

  至 2020年3月31日)

給与手当及び賞与

25,586百万円

26,771百万円

役員賞与引当金繰入額

92

31

退職給付費用

4,179

3,572

減価償却費

8,055

9,113

業務委託費

12,764

11,300

1【設備投資等の概要】

当社グループでは、当社が属するエレクトロニクス市場における急速な技術革新や販売競争の激化に的確に対応するため、当連結会計年度において、173,429百万円の設備投資を実施しました。

そのうち、受動部品部門においては、33,355百万円の設備投資を実施しました。これらはセラミックコンデンサ及びインダクティブデバイスの増産・生産合理化を主たる目的としております。

センサ応用製品部門においては、6,787百万円の設備投資を実施しました。これらは各種センサ製品の増産を主たる目的としております。

磁気応用製品部門においては、31,408百万円の設備投資を実施しました。これらはHDD用高密度次世代ヘッド及びHDD用サスペンションの増産・生産合理化を主たる目的としております。

エナジー応用製品部門においては、80,078百万円の設備投資を実施しました。これらはリチウムポリマー電池増産・生産合理化を主たる目的としております。

その他部門においては、14,572百万円の設備投資を実施しました。

本社・開発機能においては、7,229百万円の設備投資を実施しました。主として、社内ITインフラ構築及び基礎研究開発のための投資です。

【借入金等明細表】

(1)連結財務諸表 注記(注5)短期借入債務及び長期借入債務の項を参照してください。

【社債明細表】

該当事項はありません。

株価(1年)
期間を変更
PER(1年/会予)
期間を変更

その他企業情報

企業価値1,736,748 百万円
純有利子負債171,617 百万円
EBITDA・会予194,984 百万円
株数(自己株控除後)126,322,130 株
設備投資額173,429 百万円
減価償却費124,984 百万円
のれん償却費N/A
研究開発費117,489 百万円
代表者代表取締役社長      石黒 成直
資本金32,641 百万円
住所東京都中央区日本橋二丁目5番1号
会社HPhttps://www.tdk.co.jp/

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