ジャパン・ティッシュ・エンジニアリング【7774】

直近本決算の有報
株価:9月24日時点

1年高値1,001 円
1年安値469 円
出来高92 千株
市場東証JQG
業種精密機器
会計日本
EV/EBITDAN/A
PBR3.7 倍
PSR・会予N/A
ROAN/A
ROICN/A
β0.81
決算3月末
設立日1999/2/1
上場日2007/12/21
配当・会予0 円
配当性向0.0 %
PEGレシオN/A
売上高(百万円)&収益性(%)
売上5y CAGR・実績:12.7 %
利益(百万円)
営利 CAGR・実績:N/A %
純利 CAGR・実績:N/A %
EPS(円) BPS(円)
配当(円)
健全性(%、倍)
セグメント別売上
セグメント別営業利益
セグメント別利益率
会社の詳細

3【事業の内容】

当社は、「医療の質的変化をもたらすティッシュエンジニアリングをベースに、組織再生による根本治療を目指し、21世紀の医療そのものを変えてゆく事業を展開する」ことを会社設立の趣旨とする企業であり、再生医療等製品の開発、製造、販売を行う再生医療製品事業、再生医療に関する開発及び製造等を受託する再生医療受託事業、研究用ヒト培養組織の開発、製造、販売を行う研究開発支援事業を展開しています。

当社は、富士フイルムグループに属しており、親会社である富士フイルムより再生医療等製品の開発を受託しています。

 

[事業の系統図]

(画像は省略されました)

 

(1)当社事業の根幹となる技術

近年、細胞培養や生体材料工学等の技術進歩により、生物から採取した細胞を用いて、性質の改変、体外での培養、組織・臓器の再形成、新たな機能の付加あるいは機能の修復等が試みられるようになりました。このような要素技術を利用して組織の再生を実現するための技術がティッシュエンジニアリングと呼ばれるものであり、当社事業の根幹となる技術です。

ティッシュエンジニアリングを実現するためには、生きた細胞、人工的に作られた材料・素材、細胞や生体に影響をもたらす種々の生理活性物質が必要であり、医学・工学・理学・薬学等の異分野間の国際的な研究交流が必要とされます。我が国では、ティッシュエンジニアリングにより作り出された組織や臓器を製品として医療目的で製造・販売するためには、「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」(医薬品医療機器等法)のもとで、厚生労働省からの許認可が必要になります。この許認可には、製造管理及び品質管理に関する基準が含まれており、当社が保有している製造施設・設備、創業以来の研究開発活動で培ってきた製造方法、品質管理に関するノウハウ、そして販売に関する組織体制やノウハウも、当社事業の根幹となる技術であるといえます。

また、細胞培養に用いる細胞は、その由来に応じて、自家細胞(本人)、同種細胞(本人以外)、異種細胞(ヒト以外の動物)に分類されますが、自家移植は、一般的に免疫拒絶反応が少なく、生体への生着能が高いといわれています。

当社は、当該技術を活用することにより、ヒトの細胞を培養して組織や臓器を作り出し、これを医療用途及び研究用途に提供することを目的として事業を展開しています。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(2)再生医療製品事業

再生医療とは、従来の薬物治療とは異なり、われわれの身体に備わっている組織の再生能力を引き出すことにより、失われた組織や臓器の機能を細胞を使って回復させることに主眼をおいた医療です。当社は、ティッシュエンジニアリングを利用した再生医療等製品を開発し、当該製品を医療機関向けに医療目的で製造販売しています。

①当社の再生医療等製品

現在、日本において再生医療等製品は9製品が承認されており、当社の自家培養表皮ジェイスは国内第1号として製造販売承認を取得しました。自家培養軟骨ジャックと自家培養角膜上皮ネピックは、それぞれ整形外科領域と眼科領域における国内初の再生医療等製品として製造販売承認を取得しました。

(a)自家培養表皮ジェイス

1975年、米国マサチューセッツ工科大学のHoward Green教授(2015年没、米国ハーバード大学医学部 名誉教授)らは、ヒトの正常な表皮細胞の培養方法を確立し、皮膚(表皮)に類似した細胞シートを開発しました。1984年には、重症熱傷を負った米国の2人の小児に対して、わずかに焼け残った自身の皮膚から培養表皮シートを作製・移植した報告が、大きな注目を集めました。

自家培養表皮ジェイスは、この技術を使用しており、当社は、開発者であるHoward Green教授から技術指導を受け、培養表皮シートの開発を進めてきました。本品は、患者自身の皮膚組織を少量取り、約3週間の培養期間を経て、患者本人に移植する自家培養表皮シートです。

本品は、2007年10月に重症熱傷治療を目的とした製品として製造販売承認を取得、2009年1月より保険適用を受け、我が国で第1号となる再生医療等製品となりました。本品は、適応拡大として2016年9月には先天性巨大色素性母斑の治療を目的とした製品として一部変更承認を受け、2016年12月より保険適用を受けました。さらに2018年12月には表皮水疱症の治療を目的とした製品として一部変更承認を受け、2019年7月より保険適用を受けました。

(b)自家培養軟骨ジャック

膝や肘の関節軟骨は、血管がないために、ケガ等で一度損傷を受けると自然には治りません。また、これらを薬等で治療することは非常に困難です。広島大学大学院整形外科の越智光夫教授(現、広島大学長)は、アテロコラーゲンというゲル状の物質の中で軟骨細胞を3次元培養する軟骨損傷治療用の移植組織を開発しました。従来、軟骨細胞懸濁液の移植治療が知られていましたが、越智教授が開発された移植組織は軟骨細胞が本来有する性質を維持しており、細胞が漏出しない点において優位性を持っています。

自家培養軟骨ジャックは、この技術を使用しており、開発者である越智教授から技術指導を受け、培養軟骨組織の開発を進めてきました。本品は、軟骨損傷患者の関節(非荷重部)から少量採取した軟骨細胞をアテロコラーゲンゲルの中で約4週間培養し、患者本人の軟骨欠損部に移植する自家培養軟骨組織です。

本品は、2012年7月に膝関節における外傷性軟骨欠損症又は離断性骨軟骨炎(変形性膝関節症を除く)の臨床症状の緩和を目的とした製品として製造販売承認を取得、2013年4月より保険適用を受け、整形外科領域で国内初の再生医療等製品となりました。2019年1月には自家培養軟骨ジャック移植時に患者自身の骨膜に代わって人工のコラーゲン膜を使用する一部変更申請承認を受けました。これにより患者の身体的負担軽減と医師の手技の簡便化を図ることができます。

当社は、2018年7月に外傷等に起因する二次性の変形性膝関節症を対象とする適応拡大のための治験計画届書を提出しました。現在、治験を実施しています。

 

(c)自家培養角膜上皮ネピック

1997年、Pellegrini教授(現、イタリアModena and Reggio Emilia大学教授)らは、角膜と結膜の境界である角膜輪部組織から分離した角膜上皮細胞をフィブリンゲル製剤を足場として培養・作製した自家培養角膜上皮を角膜上皮幹細胞疲弊症の患者本人に世界で初めて移植し、良好な結果を報告しました。角膜輪部組織には角膜上皮幹細胞が存在し、角膜上皮細胞を供給するとともに結膜上皮細胞の侵入を阻み、角膜上皮の透明性を維持する重要な役割を担っています。

自家培養角膜上皮ネピックは、この技術を使用しており、患者自身の角膜輪部組織から角膜上皮幹細胞を採取してシート状に培養したもので、本品を移植することにより角膜上皮を再建させることを目的としています。当社は株式会社ニデックから本品の製品開発を受託し、開発者であるG. Pellegriniの技術指導のもと、自家培養角膜上皮の開発を進めてきました。

本品は、2020年3月に角膜上皮幹細胞疲弊症の治療を目的とした製品として製造販売承認を取得、2020年6月より保険適用を受け、眼科領域で国内初の再生医療等製品となりました。

 

[当社の再生医療等製品一覧]

 

(画像は省略されました)

 

*1 医薬品医療機器等法による製造販売承認では、適応対象が明確に決められており、それ以外の疾患の治療には、当該製品を使用することはできません。そこで、使用できる疾患の範囲を拡大するためには、拡大の対象となる疾患につき、承認取得後に適応対象を拡大するための追加治験を実施し、その有効性を確認したうえで治療の対象となる疾患を追加するための一部変更承認申請を行うことが医薬品医療機器等法上必要とされています。このように、再生医療等製品につき、治療対象となる疾患の種類を増やすことを「適応拡大」といいます。

*2 適応対象は、当社が想定しているものです。

②自家細胞を用いた再生医療等製品のビジネスモデル

当社は培養技術を利用した再生医療等製品(自家培養表皮ジェイス、自家培養軟骨ジャック及び自家培養角膜上皮ネピック)を開発し、医療機関向けに医療目的で製造販売しています。当社の再生医療等製品は、現在、患者本人の細胞を培養し、患者本人に移植する「自家移植」を対象としています。

当社は、長年にわたって自家移植を対象とした再生医療等製品を製造販売してきたことにより、自家の再生医療等製品に関する製造管理や品質管理に関するノウハウに加え、製品開発や販売に関する組織体制やノウハウを蓄積してきました。このようなノウハウは、当社の今後の事業に大きく役立ち、活かせることができます。

(画像は省略されました)

 

(3)再生医療受託事業

当社は、医薬品医療機器等法のもと、再生医療等製品の承認を目的として臨床研究を実施するアカデミアや、医師主導治験を実施する医療機関、再生医療等製品の開発を行っている企業を対象に、再生医療等製品に特化した開発製造受託(CDMO)サービス・開発業務受託(CRO)サービスを提供しています。自社製品の開発、製造販売で培った薬事開発、規制当局対応のノウハウ、GCTP適合の製造設備等の豊富かつ一貫した経験を生かし、細胞種(体細胞・幹細胞・iPS細胞)や製品形態を問わず、シーズの開発段階から実用化後までトータルかつシームレスに支援しています。

さらに、2014年11月に施行された再生医療等安全性確保法に則った、再生医療の提供機関に対するコンサルティングならびに特定細胞加工物製造受託サービスを提供しています。コンサルティングサービスでは、再生医療等提供計画の作成・細胞加工施設の運営体制の構築等、臨床研究・治療提供のために必要な行政手続きを支援しています。特定細胞加工物製造受託では、厚生労働省より許可を得た当社の細胞加工施設で特定細胞加工物の製造を受託しています。

 

(4)研究開発支援事業

種々の医薬品や化粧品の開発に際して、開発製品の安全性や有効性を確認する等の目的により、動物を用いた試験が実施されています。

当社は再生医療等製品の開発を通じて蓄積したティッシュエンジニアリングに係る技術、ノウハウを水平展開し、研究用ヒト培養組織ラボサイトシリーズを開発、製造、販売しています。ラボサイトは、「エピ・モデル」「角膜モデル」「エピ・キット」の3つの製品ラインアップを揃えています。

「エピ・モデル」はヒトの正常な表皮細胞を培養して重層化したヒト3次元表皮モデルであり、ヒト表皮に類似した構造をしています。ヒトの皮膚に適用される外用医薬品や化粧品の開発、皮膚科医の基礎研究、化成品原材料の安全性研究等に有用な材料であると同時に、動物を使った皮膚試験の代替としての使用が想定されます。なお、「エピ・モデル」を用いた皮膚刺激性試験に関する試験法は、2013年7月に経済協力開発機構(OECD)の試験法ガイドラインTG439へ収載され、「エピ・モデル24」を含む皮膚腐食性試験法は、2019年6月にOECDの試験法ガイドラインTG431へ収載されました。

「角膜モデル」はヒト正常角膜上皮細胞を重層培養したヒト3次元角膜モデルです。角膜モデルでは、ムチン等のタンパク質の発現や細胞間接着構造等を確認しており、化合物の眼刺激性試験に加えて、角膜上皮の分子生物学的解析に利用できます。「角膜モデル」を用いた眼刺激性試験法については、2018年6月にOECDの試験法ガイドラインTG492へ収載されました。

「エピ・キット」は顧客自身でヒト表皮モデルを作製できるヒト3次元表皮モデルの作製キットです。ヒト表皮モデルへの評価物質の添加やモデルの解析等を自由に設定できます。また、予め細胞に処理を行ったヒト表皮モデルの作製・解析等応用研究に使用できます。

当社は上記ラボサイトシリーズに加え、富士フイルムが開発した薬物の吸収性の評価に最適なヒトiPS細胞由来腸管上皮細胞「F-hiSIEC™」の製造、販売を2019年9月から開始しました。「F-hiSIEC」は、ヒトiPS細胞を小腸の腸管上皮細胞に分化誘導した創薬支援用細胞です。ヒト生体に近い機能を有し、薬物の吸収性を高精度に評価できる画期的な細胞であるため、経口剤開発の効率化に大きく貢献します。

 

(5)新規パイプラインの開発

当社は、今後の成長を加速させるため、新たなパイプラインの開発に積極的に取り組んでいます。

CAR-T細胞治療薬の開発

CD19陽性の急性リンパ性白血病(Acute Lymphoblastic Leukemia, ALL)を対象とした自家CAR-T細胞治療薬の開発に向けて、2018年6月に名古屋大学及び信州大学とライセンス契約を締結しました。当社は、名古屋大学と密に連携し、本治療薬の開発を進めています。

②メラノサイト(色素細胞)を保持した自家培養表皮(開発名:ACE02)の開発

尋常性白斑及びまだら症といった安定期の白斑の治療を目的として、メラノサイト(色素細胞)を保持した自家培養表皮(開発名:ACE02)の治験計画届書を2018年7月に提出し、現在治験を実施しています。ACE02を通じて、皮膚科領域の疾患治療に進出し、従来から取り組んでいる形成外科・整形外科領域からの事業拡大を目指しています。

同種培養表皮の開発

我が国で初となる他人の皮膚を原材料としたレディメイド(事前に製造・保存しておき、必要な時に遅滞なく使用することができる)製品の実現を目指しており、2018年10月より日本医療研究開発機構(AMED)の委託事業(国家プロジェクト)として同種培養表皮の開発、及び産業利用を目的とした同種細胞の安定供給体制の構築に関する2案件を進めてきました。

 

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

当事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

①財政状態及び経営成績の状況

当事業年度(2019年4月1日から2020年3月31日)における我が国経済は、米中貿易摩擦の激化や、英国の欧州連合(EU)からの離脱問題などのリスクによる不透明感、消費税増税の反動減による個人消費の落ち込みや、台風など自然災害によるマイナス影響はあったものの、人手不足を背景に雇用・所得環境の改善が続き、国内景気は緩やかな回復基調が続いていました。しかしながら、2020年に入り、オリンピック・イヤーを迎えて盛り上がりを見せた矢先、中国で発生した新型コロナウイルスによる肺炎が世界規模で拡大し、先行きへの不安感から世界の金融・証券市場で急速に株安が進むなど、リーマン・ショックを上回るコロナショックとして大きな混乱をもたらしました。さらに、新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、世界各国・地域で入国や行動を制限する動きが広がったことで人・モノの動きが滞り、実体経済へも急速に悪影響を及ぼし始めました。

再生医療・細胞治療分野では、がん免疫療法として注目を集めているCAR-T細胞治療薬(ノバルティスファーマ販売名:キムリア)が2019年5月に保険収載され(価格は1回3,349万円)、慢性動脈閉そく症による皮膚潰瘍治療を目的とした再生医療等製品(アンジェス 販売名:コラテジェン)が、わが国初の遺伝子治療用製品として同年8月に保険収載されました(価格は1回60万円)。また、2020年3月には、角膜上皮幹細胞疲弊症治療を目的とした再生医療等製品(当社 販売名:ネピック)と、脊髄性筋萎縮症に対する遺伝子治療用製品(ノバルティスファーマ 販売名:ゾルゲンスマ)が承認されました。いくらかの開発品目で申請を取り下げた製品もありますが、承認された製品のような革新的な医療技術が治療に適用され、患者への福音となることへの期待が高まっています。

我が国の新たな再生医療関連規制・制度について、諸外国から注目されるようになってきました。とりわけ、再生医療等製品の早期承認制度である『条件および期限付き承認』には様々な意見が寄せられています。さらに、これらの高度医療が保険財源を圧迫するとの懸念も高まっています。再生医療がより現実になるにつれ、解決すべき課題も徐々に顕在化してきました。

医療環境については、2020年に入って以降、新型コロナウイルス感染者の急激な増加や医療従事者の感染等による医療崩壊が懸念されており、その他の疾患治療への影響も深刻になってきています。早期に新型コロナウイルスに対する治療方法の確立が望まれる中、5月には国内初の新型コロナウイルス治療薬としてエボラ出血熱の既存治療薬「レムデシビル」(ギリアド・サイエンシズ)が特例承認されました。抗インフルエンザ薬の「アビガン」も治療薬候補として注目され、国内での承認プロセスが急ピッチで進められています。

このような状況の下、当事業年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。

 

a. 財政状態

 当事業年度末において、総資産は8,451,563千円(前事業年度末と比べ300,408千円減少)、負債は820,539千円(前事業年度末と比べ13,309千円減少)、純資産は7,631,024千円(前事業年度末と比べ287,099千円減少)となりました。

 当事業年度における資産、負債及び純資産の状態に関する分析は以下のとおりであります。

(流動資産)

 当事業年度末における流動資産の残高は6,816,839千円となり、前事業年度末から207,363千円減少いたしました。この主な要因は、当期純損失による現金及び預金の残高が減少したことによるものであります。

(固定資産)

 当事業年度末における固定資産の残高は1,634,714千円となり、前事業年度末から93,016千円減少いたしました。この主な要因は、繰延税金資産の取崩し及び減価償却によるものであります。

(流動負債)

 当事業年度末における流動負債の残高は783,961千円となり、前事業年度末から11,940千円減少いたしました。この主な要因は、未払金及び前受金等の減少によるものであります。

(固定負債)

 当事業年度末における固定負債の残高は36,578千円となり、前事業年度末から1,368千円減少いたしました。この主な要因は、長期リース債務の減少によるものであります。

(純資産)

当事業年度末における純資産の残高は7,631,024千円となり、前事業年度末から287,099千円減少いたしました。この主な要因は、当期純損失287,099千円の計上によるものであります。

 

b. 経営成績

当事業年度における売上高は、研究開発支援事業の売上が好調に推移したものの、再生医療製品事業及び再生医療受託事業が減少し、2,309,851千円(前年同期比2.0%減)となりました。営業損失は235,178千円(前年同期は349,745千円の営業損失)となり、自家CAR-T細胞治療の導入一時金を支払った前年同期に比べ改善しました。経常損失は229,777千円(前年同期は339,631千円の経常損失)、当期純損失は287,099千円(前年同期は333,248千円の当期純損失)となりました。

なお、当事業年度における新型コロナウイルス感染症の影響は限定的であり軽微であると判断しております。

セグメント別では、再生医療製品事業の売上高は、1,356,070千円(前年同期比3.4%減)、再生医療受託事業の売上高は、813,450千円(前年同期比2.7%減)、研究開発支援事業の売上高は、140,330千円(前年同期比18.7%増)となりました。

 

各セグメント及び新規パイプラインの開発における概況は以下のとおりです(□内は当事業年度における主な成果です)。

なお、当事業年度より報告セグメントの利益又は損失の算定方法を変更しております。詳細は、「第5 経理の状況 1 財務諸表等 注記事項(セグメント情報等)」に記載のとおりであります。また、前年比較については、前年の数値を変更後のセグメント区分に組替えた数値で比較しております。

 

[再生医療製品事業]

当社は再生医療製品事業として自家培養表皮ジェイス及び自家培養軟骨ジャックの製造販売を進めました。

・自家培養表皮ジェイス

自家培養表皮ジェイスは、2009年1月に保険収載された我が国初の再生医療等製品であり、重症熱傷、先天性巨大色素性母斑及び先天性表皮水疱症(栄養障害型と接合部型)を適応対象としています。ジェイスの保険適用に関しては、患者様あたり一連につき保険算定できる枚数の上限が設定されており、熱傷治療は40枚(医学的に必要がある場合に限り50枚)、先天性巨大色素性母斑治療は30枚、先天性表皮水疱症(栄養障害型と接合部型)治療は50枚が保険算定限度とされています。

・自家培養軟骨ジャック

自家培養軟骨ジャックは、2013年4月に保険収載された我が国第2号の再生医療等製品であり、膝関節における外傷性軟骨欠損症又は離断性骨軟骨炎(変形性膝関節症を除く)を適応対象としています。

当事業年度における再生医療製品事業の売上は、1,356,070千円(前年比3.4%減)となりました。主な内訳は以下のとおりです。

当事業年度におけるジェイスの売上は、914,391千円(前年比11.4%減)となりました。重症熱傷では、受傷面積が著しく広範囲ではない患者(低TBSA患者)に使用していただけるように医療機関に働きかけた効果はありましたが、重症熱傷の発生数が少なかった影響で受注が伸びませんでした。先天性巨大色素性母斑では、患者が集中する特定医療機関との関係強化に努め受注を獲得しましたが、待機患者への治療が一巡した影響で売上が大きく減少しました。2019年7月に保険収載された表皮水疱症は順調に立ち上がり、ほぼ計画通りの受注を獲得できました。ジェイス全体の売上は前年に比べ減少しましたが、それぞれの疾患領域において今後の売上増に繋がる一定の成果を得ることができました。

当社は引き続き、ターゲット施設へのアプローチによって適応候補となる患者把握を進めるとともに、研究会やセミナー、患者交流会等での積極的な情報提供を通じてジェイスの認知度を向上させ、さらなる普及に努めます。特に重症熱傷では低TBSA患者への使用の訴求、先天性巨大色素性母斑では患者動態を踏まえた拠点医療機関との連携強化、表皮水疱症では患者団体との連携と使用成績データの提供による使用意欲の向上を図っていきます。

当事業年度におけるジャックの売上は、416,599千円(前年比11.8%増)となりました。患者自身の骨膜に代えてコラーゲン膜を使用すること(2019年1月に一部変更承認を取得)で移植手技を簡便化した結果、ヘビーユーザーからの受注が増加しました。また、新規顧客の開拓を進め、今まで受注のなかった医療機関からも受注を獲得したことにより前年に比べて売上が増加しました。

当社は、さらなる新規顧客の開拓を進めるとともに、コラーゲン膜を使用する効果を訴求することで既存の使用施設からの安定した受注獲得に注力します。また、外傷等に起因する二次性の変形性膝関節症を対象とする治験を実施中であり、引き続きジャックの市場拡大に努めます。

当社は、これまで富士フイルムの3次元画像解析システム「SYNAPSE VINCENT」を活用した膝診断との相乗効果の追求を進めてきましたが、その加速と売上寄与の早期化を図るため、同製品をはじめとする富士フイルムの医療機器の販売を当事業年度より開始しました。

 

[再生医療受託事業]

当社は再生医療受託事業において、再生医療等製品の受託開発及びコンサルティング・特定細胞加工物製造受託を積極的に進めました。

・再生医療等製品の受託開発

当社は、医薬品医療機器等法のもと、再生医療等製品の承認を目的として臨床研究を実施するアカデミアや、医師主導治験を実施する医療機関、再生医療等製品の開発を行っている企業を対象に、再生医療等製品に特化した開発製造受託(CDMO)サービス・開発業務受託(CRO)サービスを提供しています。自社製品の開発、製造販売で培った薬事開発、規制当局対応のノウハウ、GCTP適合の製造設備等の豊富かつ一貫した経験を生かし、細胞種(体細胞・幹細胞・iPS細胞)や製品形態を問わず、シーズの開発段階から実用化後までトータルかつシームレスに支援しています。

・コンサルティング・特定細胞加工物製造受託

当社は、再生医療等安全性確保法のもと、再生医療の提供機関に対するコンサルティングならびに特定細胞加工物製造受託サービスを提供しています。コンサルティングサービスでは、再生医療等提供計画の作成・細胞加工施設の運営体制の構築等、臨床研究・治療提供のために必要な行政手続きを支援しています。特定細胞加工物製造受託では、厚生労働省より許可を得た当社の細胞加工施設で特定細胞加工物の製造を受託しています。

当事業年度における再生医療受託事業の売上は、813,450千円(前年比2.7%減)となりました。業務開始前の条件設定や業務開始後に生じた課題の解決に想定以上の時間を要した影響等により売上は対前年で微減となりましたが、委託元の期待に応えるべく、対話しながら一歩ずつ確実に進めています。

2020年3月には、眼科医療機器メーカーの株式会社ニデックから委託を受けて開発してきた自家培養角膜上皮「ネピック」の製造販売承認を取得し、同年6月1日から保険適用となりました。「ネピック」は角膜上皮幹細胞疲弊症を適応対象としており、眼科領域で国内初の再生医療等製品であるとともに、当社の再生医療受託事業から生まれた初めての再生医療等製品でもあります。今後、「ネピック」を販売するニデックと連携し、当社の売上拡大を目指します。また、自家培養口腔粘膜上皮(開発名:COMET01)についても、製造販売承認申請に向けた準備を進めました。

当社は引き続き、独自に受託した案件を確実に進めることに加え、富士フイルムが出資する再生医療ベンチャーからも再生医療製品のプロセス開発や薬事コンサルティングを受託することで事業の拡大を目指していきます。

 

[研究開発支援事業]

当社は研究開発支援事業において、自社製品の開発で蓄積した高度な培養技術を応用した研究用ヒト培養組織の製造販売を進めました。

・ラボサイトシリーズ

研究用ヒト培養組織ラボサイトシリーズは、動物実験を代替する試薬です。日用品、医薬品、化粧品、化学品メーカーなど、化学物質を扱う企業向けに提案、販売しています。

当事業年度における研究開発支援事業の売上は、140,330千円(前年比18.7%増)となりました。国内外の化粧品・化学品メーカー等への営業活動の結果、前年に比べて売上が増加しました。

経済協力開発機構(OECD)のテストガイドラインには、角膜モデル24を用いた眼刺激性試験法ならびにエピ・モデル24を用いた皮膚刺激性試験法と皮膚腐食性試験法が標準法の一つとして収載されており、海外からの問合せも増えてきました。当社は引き続き、ラボサイトシリーズがより信頼性の高い動物実験代替材料として活用できることを訴求し、さらなる売上拡大を目指します。

また当社は、2019年9月、富士フイルムの新製品:ヒトiPS細胞由来腸管上皮細胞「F-hiSIEC™(エフ-ハイシーク)」の製造と販売を開始しました。製薬企業や食品メーカーからの反響が大きく、多くの問い合わせをいただいており、順調な立ち上がりとなっています。当社は引き続き、富士フイルムと連携した販売活動を展開して本製品の認知度を向上させ、さらなる売上増加に努めます。

 

[新規パイプラインの開発]

当社は、今後の成長を加速させるため、新たなパイプラインの開発に積極的に取り組みました。

当第事業年度における特記事項は以下のとおりです。

- CD19陽性の急性リンパ性白血病(Acute Lymphoblastic Leukemia)の治療を目的とする自家CAR-T細胞については、2019年9月に「piggyBacトランスポゾンベクターを用いた自家CD19CAR-T療法の企業治験開始に向けた研究開発」(ウイルスベクターを用いない新技術による国産のCAR-T細胞製剤の開発)に対して日本医療研究開発機構(AMED)から補助金を獲得し、開発を進めました。

- 尋常性白斑及びまだら症といった安定期の白斑の治療を目的とするメラノサイト(色素細胞)を保持した自家培養表皮(開発名:ACE02)については、治験を実施しました。ACE02を通じて、皮膚科領域へ展開し、従来から取り組んでいる形成外科・整形外科領域からの事業拡大を目指しています。

- 我が国で初となる他人の皮膚組織を原材料としたレディメイド(事前に製造・保存しておき、必要な時に遅滞なく使用することができる)製品については、2018年10月よりAMEDの委託事業(国家プロジェクト)として「同種培養表皮の開発」及び「産業利用を目的とした同種細胞の安定供給体制の構築」に関する2案件を進めました。

 

②キャッシュ・フローの状況

 当事業年度末における現金及び現金同等物は、前事業年度末に比べて121,275千円増加し、2,150,876千円となりました。

 当事業年度のキャッシュ・フローの状況は以下のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 営業活動の結果使用した資金は84,584千円(前年同期は396,110千円の使用)となりました。前事業年度との差異が生じた主な要因は、税引前当期純損失の減少と売上債権の減少によるものであります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 投資活動の結果獲得した資金は209,054千円(前年同期は27,636千円の獲得)となりました。前事業年度との差異が生じた主な要因は、定期預金の払戻しによるものであります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 財務活動の結果使用した資金は3,195千円(前年同期は5,732千円の使用)となりました。前事業年度との差異が生じた主な要因は、リース債務の返済額の減少によるものであります。

 

③生産、受注及び販売の実績

a. 生産実績

当事業年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

 

当事業年度

(自 2019年4月1日

至 2020年3月31日)

 

 

前期比(%)

 

再生医療製品事業(千円)

1,330,583

94.8

再生医療受託事業(千円)

813,450

97.3

研究開発支援事業(千円)

140,330

118.7

合計(千円)

2,284,364

96.9

(注)1 金額は販売価格によっております。

2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

b. 受注実績

当事業年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

受注高

(千円)

前期比

(%)

受注残高

(千円)

前期比

(%)

再生医療製品事業

1,450,413

95.2

107,035

87.0

再生医療受託事業

781,480

95.6

7,000

18.0

研究開発支援事業

140,894

118.5

7,376

108.3

合計

2,372,788

96.5

121,411

71.9

(注)1 金額は販売価格によっております。

2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

c. 販売実績

 当事業年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

 

当事業年度

(自 2019年4月1日

至 2020年3月31日)

 

 

前期比(%)

 

再生医療製品事業(千円)

1,356,070

96.6

再生医療受託事業(千円)

813,450

97.3

研究開発支援事業(千円)

140,330

118.7

 合計(千円)

2,309,851

98.0

(注)1 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

2 最近2事業年度における主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。

 

相手先

前事業年度

(自 2018年4月1日

至 2019年3月31日)

当事業年度

(自 2019年4月1日

至 2020年3月31日)

金額

(千円)

割合

(%)

金額

(千円)

割合

(%)

富士フイルム株式会社

438,758

18.6

375,865

16.3

 (注) 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において判断したものであります。

 

①財政状態の分析

当事業年度の財政状態の状況につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。

 

②キャッシュ・フローの状況

当事業年度のキャッシュ・フローの状況につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

 

③資本の財源及び資金の流動性

当社の運転資金需要のうち主なものは、製造費、研究開発費、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、主に設備投資によるものであります。

当社は、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。

短期運転資金は自己資金を基本としており、設備投資や長期運転資金の調達につきましても、自己資金を基本としております。

また、今後事業活動を行う上での資金需要に対して十分な現預金を確保しておりますので、新型コロナウイルス感染症の影響については軽微であると判断しております。

なお、当事業年度末におけるリース債務を含む有利子負債の残高は3,046千円となっております。また、当事業年度末における現金及び現金同等物の残高は2,150,876千円となっております。

 

④セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

 当社は、再生医療製品事業、再生医療受託事業及び研究開発支援事業を行っております。当事業年度における財政状態及び経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

 

(a)再生医療製品事業

 自家培養表皮ジェイスの売上高は、914,391千円(前年比11.4%減)となりました。前年同期との減少要因は、重傷熱傷の発生数が少なかった影響と先天性巨大色素性母斑の待機患者への治療が一巡した影響によるものであります。今後、重症熱傷では低TBSA患者への使用の訴求、先天性巨大色素性母斑では患者動態を踏まえた拠点医療機関との連携強化、表皮水疱症では患者団体との連携と使用成績データの提供による使用意欲の向上を図っていきます。

 自家培養軟骨ジャックの売上高は、416,599千円(前年比11.8%増)となりました。前年同期との増加要因は、コラーゲン膜による低侵襲化・移植手技の簡便化の訴求によるものです。今後は、さらなる新規顧客の開拓を進めるとともに、コラーゲン膜を使用する効果を訴求することで既存の使用施設からの安定した受注獲得に注力します。また、外傷等に起因する二次性の変形性膝関節症を対象とする治験を実施中であり、引き続きジャックの市場拡大に努めます。

 さらに、自社開発パイプラインに加え、富士フイルムとの協業による新製品開発・販売を推進していきます。

 セグメント資産は、前事業年度末に比べ102,793千円減少の1,376,720千円となりました。

(b)再生医療受託事業

 再生医療受託事業の売上高は、813,450千円(前年比2.7%減)となりました。前年同期との減少要因は、業務開始前の条件設定や業務開始後に生じた課題の解決に想定以上の時間を要した影響等であります。今後、既存案件を確実に進めることによって、適切な収益を獲得するとともに、蓄積した知見・経験を生かしたさらなる良質な新規案件の受注により、事業を拡大していきます。

 セグメント資産は、前事業年度末に比べ18,653千円増加の541,417千円となりました。

(c)研究開発支援事業

 研究開発支援事業の売上高は、140,330千円(前年比18.7%増)となりました。前年同期との増加要因は、国内外の化粧品・化学品メーカー等に向けた積極的な営業活動の効果であります。今後、ヒトiPS細胞由来腸管上皮細胞「F-hiSIEC™(エフ-ハイシーク)」の製造販売、角膜モデルの眼刺激性試験、及びエピ・モデル24の皮膚腐食性試験のOECDテストガイドライン収載を梃子に売上増を図ります。

 さらに、アジア圏への拡販に加え、富士フイルムのネットワークを活用した海外展開を検討していきます。

 セグメント資産は、前事業年度末に比べ19,217千円増加の163,531千円となりました。

 

⑤重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社の財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この財務諸表の作成に当たり、経営者は、決算日における資産及び負債の計上額、会計期間における収益及び費用の計上額に影響を与える様々な要素に基づき行っており、他の情報源からは得られない資産及び負債の帳簿価額について当社の判断の基礎となっております。ただし、前提条件や事業環境などに変化が見られた場合には、見積りと将来の実績が異なる場合があります。

当社の財政状態又は経営成績に対して重大な影響を与え得る会計上の見積り及び判断が必要となる項目は以下のとおりです。

 

(a)繰延税金資産

当社は、繰延税金資産の回収可能性を評価するに際して、将来の課税所得を合理的に見積っております。回収可能性の判断においては将来の課税所得の見積りに依存しますので、繰延税金資産の計上を慎重に判断しております。将来の課税所得の見積額の前提とした条件や仮定に変更が生じた場合、税金費用が変動する可能性があります。

 

(b)固定資産の減損

当社は、減損の兆候がある場合について、固定資産から得られる割引前将来キャッシュ・フローの総額が帳簿価額を下回る場合には、帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として計上します。減損の兆候の把握、減損損失の認識及び測定にあたっては慎重に検討しておりますが、事業計画や市場環境の変化により、その見積額の前提とした条件や仮定に変更が生じた場合、減損処理が必要となる可能性があります。

 

なお、新型コロナウイルス感染症の影響については「2 事業等のリスク I.当社事業に関するリスク (4)新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響について」に記載のとおりであります。

 

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。ただし、新型コロナウイルスの影響に基づく記載については、当事業年度末以降、現在までに当社が判断した最新のものを記載しています。

(1)経営方針

 当社は、「医療の質的変化をもたらすティッシュエンジニアリングをベースに、組織再生による根本治療を目指し、21世紀の医療そのものを変えてゆく事業を展開する。」ことを会社設立の趣旨とし、企業理念である「再生医療の産業化を通じ、社会から求められる企業となる。法令・倫理遵守の下、患者のQOL(生活の質)向上に貢献することにより、人類が生存する限り成長し続ける企業となる。その結果、全てのステークホルダーがより善く生きることを信条とする。」に基づいて、再生医療製品事業、再生医療受託事業及び研究開発支援事業を展開しています。

(2)経営戦略

基本方針:再生医療のさらなる普及に向けた、新製品の開発ならびに生産技術革新・販売力強化を推進する

①新規再生医療等製品の開発

1.皮膚・軟骨・角膜・がん領域における市場規模の大きい疾患を対象とし、普及型医療を実現するとともに売上を飛躍的に向上させる。

2.当社の手がける3番目の製品である自家培養角膜上皮「ネピック」の製造販売体制を確実に立ち上げ、今後の新規製品の展開に向けた試金石とする。

②より多くの需要に備えた生産革新と販売力強化

1.自家細胞製品の大量受注・安定供給のため、これまで蓄積してきた培養技術と富士フイルムのエンジニアリング技術を融合し、革新的な生産技術・生産体制を確立する。

2.販売数量の増加に効率的に対応できる、再生医療の営業戦略・営業手法を確立するとともに、当該製品がより適切に使用されるよう情報の収集・提供の仕組みを再整備する。

③既存事業の伸長による事業基盤の強化

1.上記の販売力強化に加え、自家培養表皮ジェイスでは使用枚数制限、自家培養軟骨ジャックでは施設基準の緩和を目指し、売上を伸ばす。

2.受託事業はこれまで獲得した案件を成功に導くとともに、これら実績を梃子にさらなる良質な新規案件を獲得する。加えて、当該事業モデルの一般化・標準化を目指す。

3.ヒトiPS細胞由来腸管上皮細胞「F-hiSIEC」や3D解析ソフト「SYNAPSE VINCENT」等で実現した富士フイルムとの協業を一層加速する。

(3)経営環境

 2012年に京都大学iPS細胞研究所 所長 山中伸弥教授がノーベル生理学・医学賞を受賞したことを契機に、我が国は再生医療を成長戦略の一つとして位置付けました。再生医療への期待が急速に高まる中で、再生医療の普及を迅速に進めるための法整備が進められ、2014年11月に薬事法は医薬品医療機器等法として改正され、新たに再生医療等製品が定義されると同時に、再生医療等製品に条件・期限付承認制度が導入されました。また、再生医療を安全かつ迅速に実施するための再生医療等安全性確保法が施行されました。

 このような状況の下、同種細胞を用いた再生医療製品の開発や、国内外技術導入による製薬企業の参入、iPS細胞による再生医療が臨床応用ステージに入る等の動きが加速しており、承認を取得した再生医療等製品も増えてきています。その一方で、国民医療費は、高齢化の進展、疾病構造の変化、医療の高度化、高額な製品の登場などによって年々増大しており、医療保険制度の持続可能性の確保が喫緊の課題となっています。

(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

 当社は、再生医療の産業化を推進するために、会社が対処すべき課題を以下のとおり認識し、その解決に向けた取り組みを展開しています。

①再生医療製品事業

(a) 自家培養表皮ジェイス

 自家培養表皮ジェイスは、重症熱傷、先天性巨大色素性母斑及び表皮水疱症の治療のための再生医療等製品です。先天性巨大色素性母斑及び表皮水疱症への使用については、現在、使用成績調査が課せられています。調査には人員や費用の負担がありますが、当社は調査で得られた情報を適切に医療機関に提供することで、有効性及び安全性の確保・向上に努め、医療機関や医師、患者の信頼を獲得していきます。

 また、保険収載における留意事項において、重症熱傷では50枚、先天性巨大色素性母斑では30枚、表皮水疱症では50枚が保険算定できる最大使用枚数として制限されていますが、当社は、引き続き使用実績を踏まえて更なる算定限度の緩和を追求し、ジェイス治療の質向上を目指します。

(b) 自家培養軟骨ジャック

 自家培養軟骨ジャックは、外傷性軟骨欠損症又は離断性骨軟骨炎(変形性膝関節症を除く)の治療のための再生医療等製品です。当社は、本品移植時の患者や医師の負担を少しでも軽減させるため、患者自身の骨膜に代えて人工のコラーゲン膜を使用するなど、低侵襲化や移植手技の簡便化を行ってまいりました。今後もこれら活動を通じて、製品価値の向上に取り組んでまいります。

 本品は、全例を対象に7年間の使用成績調査が課せられていましたが、当事業年度におきまして調査登録期間は終了いたしました。当社は、調査で得られた情報を適切に医療機関に提供することで、有効性及び安全性の確保・向上に努め、医師、患者の信頼を獲得していきます。

 本品の適用には欠損面積が4cm2以上という留意事項が付与されています。現在、軟骨欠損の状態を磁気共鳴画像(MRI)などで診断していますが、欠損を正確に把握することは困難であり、本品の適用判断が医師の負担になっています。当社は、富士フイルムグループ会社が確立した軟骨欠損の診断支援技術を医療機関に利用していただき、医師の負担軽減を通じて本品の更なる普及につなげたいと考えています。

 さらに、変形性膝関節症の患者に対して本品を適応していただくために、外傷等に起因する二次性の変形性膝関節症を対象とする適応拡大のための治験を実施しています。当社は、少しでも多くの患者治療に貢献できるよう、引き続き本品の開発を進めていきます。

(c) 自家培養角膜上皮ネピック

 自家培養角膜上皮ネピックは、角膜上皮幹細胞疲弊症の治療のための再生医療等製品です。当社が株式会社ニデックから委託を受けて開発を進めてきた製品であり、2020年3月に製造販売承認を取得し、同年6月1日より保険適用となりました。本品の販売を担う株式会社ニデックとともに、眼科領域という新しい分野において早期に医師や患者に対する認知度を向上させ、本品の普及に努めます。

②再生医療受託事業

 当社は、自社製品の開発・製造・販売を通じて蓄積したノウハウ等を活用し、再生医療等製品に関する直接的な開発及び製造受託サービス、開発研究に必要な薬事コンサルテーションなど、各種支援サービスを展開しています。受託案件は多種多様であるばかりでなく、それぞれが異なる開発ステージに属するとともに、委託元のニーズも異なります。各々の課題を的確にとらえ、委託元と密に連携して着実に業務を進めていきます。当社は、これらの活動を丁寧に推し進めることで委託元の信頼を得るとともに、これを梃子にさらなる良質な案件を獲得し、本事業を当社の中核事業に育てます。

③研究開発支援事業

 研究用ヒト培養組織ラボサイトシリーズは、表皮細胞のエピ・モデルと角膜上皮細胞の角膜モデルをラインナップしており、動物実験を代替する試薬として使用されています。

 本シリーズでは、これまでに使用方法の国際標準化に向けた対応を進めてきた結果、エピ・モデル24を用いた皮膚刺激性試験法及び皮膚腐食性試験法ならびに角膜モデル24を用いた眼刺激性試験法がOECDテストガイドラインに収載されています。当社は、本シリーズの安定した売上げを確保するため、当該ガイドライン収載について顧客に訴求し、アジア諸国を中心に国内景気に影響されにくい海外への販売にも取り組んでいます。

 当事業年度では、富士フイルムが開発したヒトiPS細胞由来腸管上皮細胞F-hiSIECの製造販売を開始しました。本品はヒトiPS細胞を小腸の腸管上皮細胞に分化誘導した創薬支援用細胞であり、経口剤開発の効率化に大きく貢献することを期待しています。富士フイルムとのグループシナジーを十分に発揮して、売上増加に努めます。

④新規再生医療等製品の開発

 当社は、既存の皮膚・軟骨領域に加え、角膜・がん領域への展開を目指し、新製品の開発を進めています。新領域への挑戦は様々な課題が予測されますが、これまでの再生医療等製品の開発・適応拡大で培ってきた経験・ノウハウを生かしてこれらを解決していきます。また、富士フイルム及びグループ会社の保有する技術と当社技術を融合させることで、これら新製品の開発を加速します。

⑤生産技術の開発・販売力の強化

 当社の取り扱う自家再生医療等製品や開発受託サービスは生産の計画性や汎用性が低く、受注等のタイミングに応じて繁閑が大きくなります。顧客に高品質な製品を安定して供給するために、このような変動の多い作業を効率化・平準化するよう生産体制の改善を進めてきました。今後の製品ラインナップの追加は売上増加に大きく寄与しますが、一方で繁閑拡大や量産化等の課題が予測されます。当社は、これまで着手してきた独自の生産体制を完成させるとともに、富士フイルムが得意とするエンジニアリング技術により、革新的な細胞培養技術構築を目指します。

 販売体制については、製品ラインナップの追加により新たな領域・分野での営業戦略・営業手法を確立する必要があります。当社は、これまで培ってきた営業ノウハウや顧客との信頼関係をもとに、適切な医療情報の収集・提供の仕組みを再整備し、当社の製品がより適切に使用されるよう万全を尽くすとともに、その販売力強化を図ります。

働きがいのある企業風土の醸成

 当社は、再生医療の産業化という新しい領域への挑戦を日々続けており、今後も想定を超えた課題に直面する可能性があります。これに際し、自ら考え行動して解決策を見出せる人材の獲得と育成がきわめて重要であり、社員のチャレンジ精神を阻害しない制度や企業風土を醸成すべく取り組んでいます。また、今日では働き方の多様化も求められており、公平かつ一層働きがいのある職場環境をつくりあげていきます。

⑦新型コロナウイルスの影響

 本年初頭から世界的に猛威を振るっている新型コロナウイルスの影響により、現時点での当社事業計画の立案が困難になっております。今後、速やかに新型コロナウイルスの終息時期やその規模などを見定め、当社事業への影響を分析するとともに、2021年3月期及び中期的な経営計画を立案していきます。計画に基づいた適切な経営を早急に取り戻していきます。

(5)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

 当社の経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標は、売上高、対前期成長率、営業利益、営業利益率、経常利益、純利益となります。

 ただし、新型コロナウイルス感染症が世界的に拡大し、国内外の事業環境に大きな影響を及ぼしております。感染拡大による当社事業に与える不確定要素が多いため、2021年3月期の業績予想及び2022年3月期~2023年3月期の経営目標(数値計画)の合理的な算定が困難であり、公表を延期しております。今後、新型コロナウイルス感染拡大による当社事業活動への影響度合いの状況把握が進み、適正かつ合理的な算出が可能になり次第、すみやかに公表いたします。

 

 

2【事業等のリスク】

当社は再生医療製品事業、再生医療受託事業及び研究開発支援事業を展開していますが、以下において、当社の事業展開その他に関してリスクとなり得る主な事項を記載しています。当社として必ずしも事業上のリスクとは考えていない事項についても、投資家の投資判断上、重要であると考えられる事項については、投資家に対する積極的な情報開示の観点から記載しています。

なお、当社はこれらのリスクを認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対応に努めますが、それらをすべて回避できる保証はありません。また、当社事業に関連するすべてのリスクを網羅するものではありませんのでご留意ください。

以下の記載は、当事業年度末現在において当社が判断したものですが、新型コロナウイルスの影響に基づく記載については、当事業年度末以降、現在までに当社が判断した最新のものを記載しています。

 

I.当社事業に関するリスク

(1)再生医療製品事業

①市場規模について

(a)自家培養表皮ジェイス

自家培養表皮ジェイスは「重症熱傷(自家植皮のための恵皮面積が確保できない重篤な広範囲熱傷で、かつ受傷面積として深達性Ⅱ度及びⅢ度熱傷創の合計面積が体表面積の30%以上の熱傷)」、「先天性巨大色素性母斑(体表面積に占める母斑面積の割合が5%以上の患者の治療等、既存の標準的な治療法では母斑の切除に対応しきれない場合)」及び「表皮水疱症(難治性又は再発性のびらん・潰瘍を有する栄養障害型又は接合部型)」を適応対象としており、市場規模はいずれも限定的です。

そのため、一定以上のシェアを確保していたとしても、対象患者の発生状況により年間売上高が大きく変動する可能性があります。

本製品の特性上、本リスクは継続的に保有するものではありますが、医療機関との連携を密にすることにより、適用対象者を適切に把握し、本リスクによる影響を小さくすることに取り組んでいます。

(b)自家培養軟骨ジャック

自家培養軟骨ジャックは、「膝関節における外傷性軟骨欠損症又は離断性骨軟骨炎(変形性膝関節症を除く。)の臨床症状の緩和」を適応対象とし、さらに「ただし、他に治療法がなく、かつ軟骨欠損面積が4cm2以上の軟骨欠損部位に適用する場合に限る」とされているため、市場規模は限定的です。

そのため、一定以上のシェアを確保していたとしても、対象患者の発生状況により年間売上高が大きく変動する可能性や、他社の参入により限られた市場におけるシェアが確保できなくなる可能性があります。

本製品の特性上、売上変動リスクは継続的に保有するものではありますが、医療機関への周知活動により本リスクによる影響を小さくすることに取り組んでいます。また、市場を拡大するための適応拡大の治験を推進しています。

(c)自家培養角膜上皮ネピック

自家培養角膜上皮ネピックは、「角膜上皮幹細胞疲弊症」と適応対象とし、さらに、「ただし、スティーヴンス・ジョンソン症候群、眼類天疱瘡、移植片対宿主病、無虹彩症等の先天的に角膜上皮幹細胞に形成異常を来す疾患、再発翼状片、特発性の角膜上皮幹細胞疲弊症の患者を除く」とされているため、市場規模は限定的です。

そのため、一定以上のシェアを確保していたとしても、対象患者の発生状況により年間売上高が大きく変動する可能性があります。

本製品の特性上、本リスクは継続的に保有するものではありますが、医療機関との連携を密にすることにより、適用対象者を適切に把握し、本リスクによる影響を小さくすることに取り組みます。

②法的規制について

再生医療が我が国の成長戦略の一つとして位置付けられ、再生医療の普及を迅速に進めるための法整備が進められる一方で、医療費抑制や医療の質の向上を目的とした医療改革が継続的に行われています。今後、予測できない法改正や医療行政の方針変更等による急激な環境変化が生じた場合には、当社の経営戦略や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

(a)承認条件について

自家培養表皮ジェイス(母斑及び表皮水疱症)、自家培養軟骨ジャック、自家培養角膜上皮ネピックには、使用成績調査の実施が課されており、再審査の対象となっています。その結果によっては、承認が取り消される可能性が完全には否定できません。使用成績調査は承認後の数年単位の実施が課せられており、使用成績調査終了後に再審査の判断がされますが、これに先立ち、成績内容を分析・評価することにより事前にその影響を想定することができます。

また、自家培養表皮ジェイス、自家培養軟骨ジャック、自家培養角膜上皮ネピックは、製造販売承認において明確に適応対象が定められています。当社は、適応対象以外の疾患や使用方法への適応拡大(一部変更承認)を目指したいと考えていますが、治療における患者のリスクとベネフィットの観点から適応拡大が認められない可能性があります。

治験は数年単位で実施されるため、治験成績を分析・評価することにより事前にその影響を想定することができます。

(b)保険適用について

自家培養表皮ジェイス、自家培養軟骨ジャック、自家培養角膜上皮ネピックは、保険算定に関する留意事項が付与されています。今後、当該保険算定の条件が変更となった場合、内容によっては当社の経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

保険の見直しは2年毎に行われますが、当社は適正な保険算定がされるように情報提供を行い、その影響が小さくなるように取り組んでいます。

(c)薬事審査プロセスについて

当社は、医薬品医療機器総合機構の助言を得ながら、開発受託を含む再生医療等製品の開発を進めていますが、治験において期待どおりの有効性と安全性が証明できない、薬事承認プロセス等において適応対象が限定される等、当社の想定どおりに開発が進まない可能性があります。

当社は過去の経験から薬事承認に関する様々なノウハウを有し、適切なタイミングで規制当局に相談も行っており、その影響が小さくなるように取り組んでいます。

③ヒト又は動物由来の原材料の使用について

ヒト細胞組織を利用した再生医療等製品においては、ヒト細胞組織の特性にばらつきがあり、製品規格を満たさずに出荷できない可能性があります。また、原材料や製造工程で使用する培地には動物由来原料を使用しており、未知のウイルスによる被害等が発生し、当社の経営成績に影響を及ぼす可能性を完全には否定できません。

当社は原材料や供給元を厳選し、必要に応じて監査を行うことでこの影響が小さくなるように取り組んでいます。

④競合について

近年、新たな製品が相次いで承認されたこと等を背景に、今後、再生医療業界へのさらなる新規参入者の増加及び競争の激化が予測されます。競合製品や新規技術の登場により当社製品の優位性を保持できなかった場合、当社が想定する売上を確保できない可能性があります。競合製品の治験や開発状況は可能な限り情報収集することで早い段階から対策を講じ、この影響を小さくするように取り組んでいます。

⑤再生医療全般にわたる信頼性について

再生医療に関係する医療事故等が発生した場合には、当社の製品や役務が直接関係していなかったとしても、ネガティブなイメージとして再生医療業界及び再生医療等製品の全体に関わる問題として市場からの信頼が失われ、当社の経営戦略や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

当社は、再生医療一般に広めるための情報発信を適時適切なタイミングで行い、誤解や思込み等による影響が小さくなるように取り組んでいます。

(2)再生医療受託事業

当社は、再生医療等製品に関する開発製造受託サービス(開発製造受託(CDMO)、開発業務受託(CRO))及び再生医療の提供(臨床研究・治療)への支援サービスを展開しています。現在、様々な開発案件を受託していますが、開発状況や委託元の方針変更等により受託業務の解約や規模の縮小等の可能性が否定できません。また、当社の保有する設備や人員だけでは、開発元のニーズに十分に応えられない可能性があります。

当社は、委託元との連携を密にすることで、早期に状況を把握し、適時に対応することで影響を小さくするように取り組んでいます。

(3)研究開発支援事業

当社は、研究開発支援事業として、研究用ヒト培養組織ラボサイトシリーズを化粧品、製薬、食品、化学品、日用品、農薬等の製造企業や安全性試験受託機関等に販売していますが、当市場には競合企業が複数存在します。そのため、競争の激化に伴う販売量の伸び悩みや、過当競争による販売価格の下落等により収益性が低下する可能性があります。

本リスクは、事業上の一般的なリスクであり、いつでも生じうるものですが、当社は研究用ヒト培養組織ラボサイトシリーズを使用した試験方法をOECDテストガイドラインに収載することでこの影響を小さくするように取り組んでいます。

(4)新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響について

新型コロナウイルス感染症が世界規模で拡大し、各国で入国や行動を制限する動きが広がったことで人・モノの動きが滞り、世界経済全体でマイナス影響が拡大しています。国内においても、いまだ終息の目途が立たない新型コロナウイルスの影響から社会不安が拡大しており、国内景気は減速・悪化傾向が強まるとともに、感染者の急激な増加や医療従事者の感染等により医療崩壊が懸念されています。

再生医療製品事業においては、救命救急、形成外科、皮膚科、整形外科などさまざまな医療現場と、当社は密接に関わっています。顧客である医療機関は新型コロナウイルス感染への対応で逼迫しており、当社はこのような医療機関の状況を考えて直接訪問による営業活動を自粛しています。また、外出や移動の自粛に伴う来院者数の減少は、当社製品の使用減少だけでなく、当社が実施する治験の参加者の減少につながり、売上高とともに開発スケジュールにも影響が出る可能性があります。

再生医療受託事業においては、委託元である顧客企業での開発に影響が発生する可能性があります。国内景気の減速・悪化に伴う企業業績や資金調達への影響、医療機関における治験計画の遅れ、などに伴う委託元の開発遅延は、当事業の業績にマイナス影響を与える要因ですが、現時点でその影響度や期間を予測することは困難です。

研究開発支援事業においては、顧客の企業・研究機関で研究者が在宅勤務となり、実験や評価が先送りとなる等の理由により、当社製品の受注が急速に減少しています。今後、顧客企業が業績悪化等を懸念して研究開発の方針や優先順位を見直すことも想定され、新型コロナウイルスの感染収束後も需要が元の水準に戻るには時間がかかる可能性があります。

新規パイプラインの開発においては、医療機関で実施する治験等で影響が出ています。新型コロナウイルス感染者への対応で逼迫している医療機関に対しては治験を促せる状況になく、来院者数の減少も治験参加者の確保を難しくしています。治験の長期化は、開発コストの増加や開発スケジュールの遅れにつながりますが、その影響の範囲についても現時点では予測が困難です。

上記のとおり、新型コロナウイルス感染症の影響は当社の事業全体に大きな影響を与える可能性が高いですが、当社の存続に影響を与えるものではないと判断しています。新型コロナウイルスが収束した後も一定期間の影響は残ると考えられますが、その程度については、当社で分析・評価ができ次第、すみやかに公表を予定しています。なお、我が国の経済活動が平常時に戻ることで当社の事業も回復するものと考えています。

 

Ⅱ.会社体制に関するリスク

(1)研究開発体制

当社は、新製品や適応拡大の実現に向けて、研究開発本部を中心に、大学等の研究機関ならびに医療機関や医療関係者と連携・協働した研究開発活動を推進していますが、このような活動は国の政策や社会情勢により影響を受ける場合があります。また、共同研究の中止や知的財産権のライセンス交渉が順調に進まない等、当社の想定通りに活動が進まない可能性があります。さらに、他社の知的財産権を侵害することがないように十分な注意を払って研究開発活動を行っていますが、意図せずに他社の知的財産権を侵害する可能性を完全には否定できません。

当社は、設計開発を適切にマネジメントし、開発活動の一環として知的財産権の侵害の可能性を調査することにより、本リスクの影響を小さくするように取り組んでいます。

(2)生産体制

当社は、高品質で安全性の高い製品を生産するための製造施設・設備(ハードウェア)と、人・物の動線管理や標準作業手順書等の運用管理(ソフトウェア)をバランス良く備えた生産体制を構築しています。また、生産工程について十分に教育・訓練を受けた作業者が製造にあたっています。しかしながら、生産能力を超えるような急激な受注増が生じた場合、設備や人員が不足し、受注に対応しきれない可能性があります。

また、生産拠点が愛知県にある本社工場のみであり、南海トラフ大地震等の自然災害や何らかの事故等により製造インフラが機能しなくなった場合には、製品を供給出来なくなる可能性があります。

当社は、受注状況や計画に応じた人員増強や教育の推進を図るとともに、生産活動の効率化等の生産改善に努めることでこの影響を小さくするように取り組んでいます。また、大規模災害等を想定したインフラ整備や運用整備を図っています。

(3)販売体制

ヒト細胞を組み込んだ当社製品は、医療機関等のユーザーと緊密に連携し、適正な使用方法の開発・促進や安全対策への取組み等に対応できる販売体制の構築が必要です。そのために、医療機関等のユーザーへの適切な情報提供、製品仕様に関する説明等の技術的な知識を備えた営業担当者を教育・育成し、営業活動を担わせています。今後、新製品や適応拡大による市場の拡大に備えてさらなる販売体制の強化(営業担当者の増員、営業手法の効率化、ロジスティックの見直し等)を進めますが、あまりに急激に市場が拡大した場合、体制の強化が間に合わず受注に対応しきれない可能性があります。

当社の新規製品は薬事承認を必要としたものが主であり、市場に投入される時期も予測可能であるため、計画的に販売体制を整備することでこの影響を小さくするように取り組んでいます。

(4)人材確保・育成

当社の発展のためには、優秀な人材の確保を重要課題と捉えており、事業計画に沿った採用活動を実施しています。さらに社内においては人材育成の充実、人事・評価制度の改善等により、活気ある企業づくりを目指しています。しかしながら、事業計画で必要とする数の人材を確保出来ない可能性や、時間とコストをかけて育成した人材が引き抜き等により社外に流出する可能性があり、その場合、当社の事業運営に支障をきたす可能性があります。

当社は、風通しの良い社内風土の醸成や計画的な人員増強等を行っており、様々な働き方が可能な制度の導入を通じてこの影響を小さくするように取り組んでいます。

 

2【沿革】

1999年 2月

株式会社ニデック(設立:1971年7月、本社:愛知県蒲郡市、事業内容:眼科医療機器ならびに眼鏡関連機器の開発・製造・販売、自家培養角膜の研究)、株式会社INAX(現 株式会社LIXIL)、富山化学工業株式会社(現 富士フイルム富山化学株式会社)ならびに株式会社セントラル・キャピタル(現 三菱UFJキャピタル株式会社)との共同出資により、ティッシュエンジニアリングを技術ベースに再生医療を事業領域とする企業として愛知県蒲郡市に当社を設立。

1999年 9月

愛知県蒲郡市三谷北通に本社を移転。

2000年 12月

自家培養表皮の治験前の確認申請を厚生省(現 厚生労働省)に提出。

2001年 9月

自家培養軟骨の治験前の確認申請を厚生労働省に提出。

2003年 8月

イタリアの角膜バンクであるベネトアイバンクから技術を導入し、培養角膜上皮の研究開発を開始。

2003年 9月

東京女子医科大学病院等の施設において治験審査委員会の承認を受け、自家培養表皮の治験を開始。

2004年 5月

広島大学病院等の施設において治験審査委員会の承認を受け、自家培養軟骨の治験を開始。

2004年 10月

自家培養表皮の製造承認申請を厚生労働省に提出。

2004年 11月

愛知県蒲郡市三谷北通に新社屋竣工、移転。

2005年 3月

研究用ヒト培養組織LabCyte EPI-MODEL(ラボサイト エピ・モデル)の販売を開始。

2007年 5月

自家培養角膜上皮(開発名:EYE-01M)の治験前の確認申請を厚生労働省に提出。

2007年 10月

日本初の再生医療等製品として、重症熱傷の治療を目的とした自家培養表皮ジェイスの製造承認を厚生労働省から取得。

2007年 12月

ジャスダック証券取引所NEO(現 東京証券取引所(JASDAQグロース))へ株式を上場。

2008年 5月

培養表皮の開発者である米国ハーバード大学医学部のHoward Green教授と顧問契約を締結。

2009年 1月

自家培養表皮ジェイスの保険収載。

2009年 8月

自家培養軟骨の製造販売承認申請を厚生労働省に提出。

2010年 7月

研究用ヒト培養組織LabCyte CORNEA-MODEL(ラボサイト 角膜モデル)の販売を開始。

2010年 10月

富士フイルム株式会社を割当先とした第三者割当増資を実施。筆頭株主が株式会社ニデックから富士フイルム株式会社へ異動。

2012年 5月

表皮水疱症の治療を目的とした自家培養表皮ジェイスの治験を開始。

2012年 7月

整形外科領域における日本初の再生医療等製品として、自家培養軟骨ジャックの製造販売承認を厚生労働省から取得。

2013年 4月

自家培養軟骨ジャックの保険収載。

2014年 1月

先天性巨大色素性母斑の治療を目的とした自家培養表皮ジェイスの治験を開始。

2014年 10月

角膜上皮幹細胞疲弊症の治療を目的とした自家培養角膜上皮(開発名:EYE-01M)の治験を開始。

2014年 11月

新規事業として、再生医療等安全性確保法のコンサルティング事業ならびに細胞培養受託事業を開始。

2014年 12月

富士フイルムホールディングス株式会社が親会社へ異動。

2015年 10月

医療機関等から細胞培養加工を受託するための「特定細胞加工物製造許可」を取得。

2016年 4月

新規事業として、再生医療等製品に特化したCRO(臨床開発業務受託)事業を開始。

2016年 9月

先天性巨大色素性母斑の治療を目的とした自家培養表皮ジェイスの一部変更承認を取得(適応拡大)。

2016年 12月

自家培養表皮ジェイス(先天性巨大色素性母斑)の保険収載。

2017年 6月

自家培養表皮ジェイス(重症熱傷)の再審査終了。

2018年 6月

名古屋大学・信州大学と、CD19陽性 急性リンパ性白血病の自家細胞由来治療薬開発に関するCAR-T細胞の製造技術の特許ライセンス契約を締結。

2018年 7月

白斑の治療を目的としたメラノサイトを保持した自家培養表皮(開発名:ACE02)の治験を開始。

2018年 7月

外傷等に起因する二次性の変形性膝関節症の治療を目的とした自家培養軟骨ジャックの治験を開始。

2018年 9月

富士フイルム株式会社が親会社へ異動。

2018年 12月

表皮水疱症の治療を目的とした自家培養表皮ジェイスの一部変更承認を取得(適応拡大)。

2019年 1月

低侵襲化・移植手技簡便化を目的とした自家培養軟骨ジャックの一部変更承認を取得(仕様変更)。

2019年 3月

自家培養角膜上皮(開発名:EYE-01M)の製造販売承認申請を提出。

2019年 7月

自家培養表皮ジェイス(表皮水疱症)の保険収載。

2019年 9月

富士フイルムのヒトiPS細胞由来腸管上皮細胞「F-hiSIEC™(エフ-ハイシーク)」について、製造及び販売を開始。

2020年 3月

眼科領域における日本初の再生医療等製品として、自家培養角膜上皮ネピックの製造販売承認を厚生労働省から取得。

2020年 6月

自家培養角膜上皮ネピックの保険収載。

(5)【所有者別状況】

 

 

 

 

 

 

 

2020年3月31日現在

区分

株式の状況(1単元の株式数100株)

単元未満

株式の状況

(株)

政府及び

地方公共

団体

金融機関

金融商品取引業者

その他の

法人

外国法人等

個人

その他

個人以外

個人

株主数

(人)

-

6

26

108

72

10

14,605

14,827

所有株式数

(単元)

-

1,629

6,106

251,091

7,785

82

139,323

406,016

8,600

所有株式数

の割合(%)

-

0.40

1.50

61.84

1.92

0.02

34.31

100.00

(注)自己株式216株は、「個人その他」に2単元、「単元未満株式の状況」に16株含まれております。

 

3【配当政策】

 当社は、継続的な成長に向けて適応拡大や新製品開発を進める中で複数の治験を予定していることや、事業拡大のための人材確保や設備投資等の能力増強を予定していることに加えて、パンデミックや大規模災害等に見舞われた際の経営リスクへの対応として、一定程度の資金を確保しておく必要があります。

 当社は、将来にわたり安定した黒字体質を実現することを最優先課題とし、業績の向上に鋭意努めてまいりましたが、当期の業績を勘案いたしまして、当事業年度は無配とさせていただきたいと存じます。将来、経営成績及び財政状況を勘案しながら、利益配当を検討する所存です。

 なお、当社は、中間配当と期末配当の年2回の余剰金の配当を行うことを基本方針としております。配当の決定機関は期末配当については株主総会、中間配当については取締役会であります。また、当社は会社法第454条第5項に規定する中間配当をすることができる旨を定款で定めております。

 

(2)【役員の状況】

①役員一覧

男性10名 女性0名 (役員のうち女性の比率-%)

役職名

氏名

生年月日

略歴

任期

所有株式数

(株)

代表取締役

社長執行役員

畠 賢一郎

1964年8月14日

 

1995年4月

名古屋大学医学部付属病院 歯科口腔外科医員

1996年4月

国家公務員共済組合連合会名城病院 歯科口腔外科医員

1997年8月

名古屋大学医学部口腔外科学講座 文部教官助手

2000年4月

名古屋大学医学部組織工学(J-TEC)寄附講座 助教授

2002年6月

名古屋大学医学部附属病院遺伝子再生医療センター 助教授

2004年10月

当社入社、研究開発部長

2004年12月

当社取締役

2009年6月

当社常務取締役

2015年6月

当社取締役常務執行役員

富士フイルム株式会社 R&D統括本部再生医療研究所長

2017年3月

同社 再生医療事業部長 兼 R&D統括本部再生医療研究所長

2017年7月

セルラー・ダイナミクス・インターナショナル・ジャパン株式会社 取締役

2017年11月

当社代表取締役社長執行役員

2018年3月

富士フイルム株式会社 R&D統括本部バイオサイエンス&テクノロジー開発センター 副センター長

2019年4月

同社 R&D統括本部バイオサイエンス&エンジニアリング研究所 副所長

2019年6月

当社代表取締役会長執行役員

再生医療イノベーションフォーラム 代表理事会長(現任)

2020年4月

富士フイルム株式会社 R&D統括本部バイオサイエンス&エンジニアリング研究所 主幹研究員(現任)

2020年6月

当社代表取締役社長執行役員(現任)

 

(注)1

29,500

取締役

専務執行役員

生産統括本部長

大須賀俊裕

1957年1月15日

 

1980年3月

ナトコペイント株式会社(現 ナトコ株式会社)入社

1986年10月

株式会社ニデック入社

1999年2月

同社から出向、当社管理統括取締役

2003年4月

株式会社ニデックから転籍

2004年6月

当社専務取締役

2007年4月

当社専務取締役 経営管理部長 コンプライアンス担当

2007年5月

当社専務取締役コンプライアンス担当

2010年4月

当社専務取締役 信頼性保証部長 コンプライアンス担当

2011年4月

当社専務取締役

2012年4月

当社専務取締役 信頼性保証部長

2014年3月

当社専務取締役 営業部長

2015年6月

当社取締役専務執行役員 営業部長

2016年4月

当社取締役専務執行役員

2017年4月

当社取締役専務執行役員 営業推進本部長

2018年4月

当社取締役専務執行役員 生産統括本部長 兼 製造部長

2019年4月

当社取締役 専務執行役員 生産統括本部長(現任)

 

(注)1

95,500

 

 

役職名

氏名

生年月日

略歴

任期

所有株式数

(株)

取締役

常務執行役員

営業推進本部長

平尾和義

1962年2月11日

 

1984年4月

富士写真フイルム株式会社(現富士フイルム株式会社)入社

1991年8月

Fuji Photo Film B.V. 出向(オランダ駐在)

1999年10月

富士写真フイルム株式会社 経営企画部 担当課長

2007年10月

富士フイルム株式会社 エレクトロニクスマテリアルズ事業部 担当部長

2009年4月

同社産業機材事業部 担当部長

2013年5月

同社医薬品事業部 マネージャー

2015年6月

Cellular Dynamics International. Inc.(現 FUJIFILM Cellular Dynamics, Inc.) Chairman & CEO

2015年9月

セルラー・ダイナミクス・インターナショナル・ジャパン株式会社 取締役

2017年5月

Opsis Therapeutics, LLC President & CEO

2018年2月

FUJIFILM Cellular Dynamics, Inc. President & COO

2019年6月

富士フイルム株式会社 再生医療事業部次長

セルトラスト・アニマル・セラピューティクス株式会社 取締役

当社取締役

2020年6月

当社取締役常務執行役員 営業推進本部長(現任)

 

(注)1

-

取締役

(社外)

手塚 勉

1955年4月18日

 

1979年4月

株式会社東海銀行(現 株式会社三菱UFJ銀行)入行

2008年12月

同行から株式会社ニデックへ出向

2009年4月

株式会社ニデック入社

同社法務部副部長

2010年4月

同社法務部長

2011年4月

同社執行役員 法務部長

2014年4月

同社執行役員 管理本部長

2014年6月

同社取締役 管理本部長

2015年6月

同社常務取締役 管理本部長

2017年6月

同社常務取締役 管理本部長 兼 薬事法務本部長
当社取締役(現任)

2020年6月

株式会社ニデック専務取締役 管理本部長 兼 薬事法務本部長(現任)

 

(注)1

-

取締役

(非業務執行)

秋山雅孝

1965年10月21日

 

1988年4月

富士写真フイルム株式会社(現富士フイルム株式会社)入社

2002年10月

同社印刷システム部担当課長

2002年11月

Fuji Photo Film (Europe) GmbH出向(ドイツ駐在)

2010年11月

富士フイルム株式会社 メディカルシステム事業部 モダリティーソリューション部担当課長

2012年4月

同社メディカルシステム事業部モダリティーソリューション部 担当部長

2013年6月

同社メディカルシステム事業部モダリティーソリューション部長

2014年7月

FUJIFILM Medical Systems U.S.A., Inc(President & CEO)

2016年11月

富士フイルム株式会社 メディカルシステム事業部 内視鏡システム部長

2018年6月

同社再生医療事業部部長(現任)

セルトラスト・アニマル・セラピューティクス株式会社 取締役

当社取締役

2019年6月

当社代表取締役社長執行役員

2020年6月

当社取締役(現任)

 

(注)1

2,000

 

 

役職名

氏名

生年月日

略歴

任期

所有株式数

(株)

取締役

(非業務執行)

八尋孝弘

1964年5月31日

 

1988年4月

富士写真フイルム株式会社(現富士フイルム株式会社)入社

1997年8月

FUJI PHOTO FILM,INC.出向(米国駐在)

2004年5月

富士写真フイルム株式会社 記録メディア事業部 営業部 担当課長

2012年6月

富士フイルム株式会社 記録メディア事業部 営業部長

2016年6月

富士フイルムホールディングス株式会社 経営企画部 統括マネージャー(現任)

富士フイルム株式会社 経営企画本部 経営企画部長(現任)

2017年6月

富士フイルム和光純薬株式会社 取締役

2018年6月

富士フイルム株式会社 記録メディア事業部長

2019年9月

株式会社富士フイルムヘルスケアラボラトリー 取締役(現任)

2020年6月

当社取締役(現任)

 

(注)1

-

取締役

(非業務執行)

長谷川知行

1976年2月25日

 

1998年4月

富士写真フイルム株式会社(現富士フイルム株式会社)入社

2005年8月

FUJI PHOTO FILM U.S.A.,INC.出向(米国駐在)

2012年10月

富士フイルム株式会社 電子映像事業部 営業部 マネージャー

2014年7月

富士フイルムホールディングス株式会社 経営企画部 マネージャー

富士フイルム株式会社 経営企画本部 経営企画部 マネージャー

2018年10月

同社 再生医療事業部 統括マネージャー 兼 医薬品事業部 マネージャー(現任)

2020年6月

当社取締役(現任)

 

(注)1

-

常勤監査役

倉橋清隆

1953年11月24日

 

1976年4月

株式会社東海銀行(現株式会社三菱UFJ銀行)入行

2003年9月

同行から株式会社ニデックへ出向

2004年4月

2006年6月

2008年6月

株式会社ニデック入社

同社取締役

当社取締役

2017年6月

当社監査役(現任)

 

(注)3

-

監査役

(社外)

加藤孝浩

1969年3月21日

 

1991年4月

佐藤澄男税理士事務所(現 税理士法人名南経営)入所

1998年10月

監査法人トーマツ(現 有限責任監査法人トーマツ)入所

2002年4月

公認会計士登録

2005年10月

加藤孝浩会計事務所開設(現任)

2005年11月

税理士登録

2006年12月

クローバー・ブレイン株式会社設立

代表取締役(現任)

2008年6月

当社監査役(現任)

2015年1月

株式会社岐阜造園 監査役(現任)

 

(注)3

3,000

監査役

(社外)

小川 薫

1958年4月3日

 

1981年10月

等松・青木監査法人(現 有限責任監査法人トーマツ)入所

1985年3月

公認会計士登録

2013年6月

日本公認会計士協会 東海会副会長

2013年7月

日本公認会計士協会 理事

2014年10月

小川薫公認会計士事務所開設(現任)

2017年6月

当社監査役(現任)

2020年6月

株式会社ATグループ監査役(現任)

 

(注)3

-

130,000

(注)1 取締役の任期は、2020年6月25日開催の定時株主総会終結の時から2021年3月期に係る定時株主総会終結の時までであります。

2 取締役手塚勉氏は、社外取締役であります。

  監査役加藤孝浩氏及び小川薫氏は、社外監査役であります。

3 監査役の任期は、2017年6月27日開催の定時株主総会の時から選任後4年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時株主総会の終結の時までであります。

 

②社外役員の状況

 当社の社外取締役は1名、社外監査役は2名であります。

 社外取締役である手塚勉は、当社の主要株主である株式会社ニデックの取締役であります。株式会社ニデックは当社株式の10.40%を保有する主要株主であります。また、当社は、同社より委託契約に基づく受託開発を行っております。なお、手塚勉と当社との間には資本関係及びその他の利害関係は一切ありません。

 社外監査役である加藤孝浩は加藤孝浩会計事務所代表、クローバー・ブレイン株式会社代表取締役及び株式会社岐阜造園監査役であります。なお、当社と加藤孝浩会計事務所、クローバー・ブレイン株式会社及び株式会社岐阜造園との間には特別な関係はありません。当社は、加藤孝浩を東京証券取引所の定めに基づく独立役員として届け出ております。なお、加藤孝浩は当社株式を3,000株保有しておりますが、その他の利害関係はありません。

 社外監査役である小川薫は小川薫公認会計士事務所代表、株式会社ATグループ監査役であります。なお当社と小川薫公認会計士事務所、株式会社ATグループとの間に特別な関係はありません。小川薫と当社との間には資本関係及びその他の利害関係は一切ありません。当社は、小川薫を東京証券取引所の定めに基づく独立役員として届け出ております。

 社外取締役及び社外監査役の選任に関してはその選定に特別な基準はありませんが、経営に対する豊富な経験や高度な職業的専門知識を有し、独立性と社会的公平性を保つことができること等を重視しております。また、社外取締役及び社外監査役の多角的な視点を取り入れ、代表取締役や業務執行取締役の独走を牽制し、適法性の確保をしております。

 

③社外取締役又は社外監査役による監督又は監査と内部監査、監査役監査及び会計監査との相互連携ならびに内部統制部門との関係

 社外取締役及び社外監査役と内部統制部門とは都度情報交換を行い、共有すべき事項について相互に連携し、把握できる関係にあります。

4【関係会社の状況】

親会社は次のとおりであります。

名称

住所

資本金

(百万円)

主要な事業の内容

議決権の所有割合

又は被所有割合

(%)

関係内容

(親会社)

富士フイルムホールディングス株式会社

東京都港区

40,363

富士フイルムグループを統括する持株会社

 被所有

50.14

(50.14)

-

(親会社)

富士フイルム株式会社

東京都港区

40,000

イメージング ソリューション、ヘルスケア&マテリアルズ ソリューションの 開発、製造、販売、サービス

 被所有

50.14

 

当社への開発委託

業務提携

役員の兼任1名

(注)1 富士フイルムホールディングス株式会社は、有価証券報告書提出会社であります。

   2 富士フイルム株式会社は、富士フイルムホールディングス株式会社の100%子会社であります。

   3 議決権の所有割合の( )内は、間接所有割合で内数であります。

 

 

【受託開発原価明細書】

 

 

前事業年度

(自 2018年4月1日

至 2019年3月31日)

当事業年度

(自 2019年4月1日

至 2020年3月31日)

区分

注記

番号

金額(千円)

構成比

(%)

金額(千円)

構成比

(%)

Ⅰ 材料費

 

1,464

0.3

839

0.2

Ⅱ 労務費

 

298,670

55.9

262,630

55.2

Ⅲ 経費

234,109

43.8

212,573

44.6

当期総受託開発費用

 

534,244

100.0

476,044

100.0

期首仕掛品たな卸高

 

10,675

 

16,381

 

 合計

 

544,920

 

492,425

 

期末仕掛品たな卸高

 

16,381

 

552

 

受託開発原価

 

528,538

 

491,872

 

 (注) 原価計算の方法は、個別原価計算を採用しております。

   受託開発原価明細書脚注

前事業年度

(自 2018年4月1日

至 2019年3月31日)

当事業年度

(自 2019年4月1日

至 2020年3月31日)

※  主な内訳は次のとおりであります。

※  主な内訳は次のとおりであります。

 

消耗品費

75,637千円

減価償却費

15,951千円

支払手数料

66,564千円

 

 

消耗品費

63,225千円

減価償却費

19,458千円

支払手数料

68,260千円

 

1【設備投資等の概要】

   当事業年度における設備投資は、再生医療受託事業に係る設備機器等の整備により総額85,148千円であります。

 

 

株価(1年)
期間を変更
PER(1年/会予)
期間を変更

その他企業情報

企業価値22,189 百万円
純有利子負債-5,750 百万円
EBITDA・会予N/A
株数(自己株控除後)40,609,984 株
設備投資額85 百万円
減価償却費124 百万円
のれん償却費N/A
研究開発費341 百万円
代表者代表取締役 社長執行役員 畠 賢一郎
資本金4,959 百万円
住所愛知県蒲郡市三谷北通6丁目209番地の1
会社HPhttp://www.jpte.co.jp/

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