1年高値570 円
1年安値233 円
出来高80 千株
市場東証JQG
業種精密機器
会計日本
EV/EBITDAN/A
PBR3.5 倍
PSR・会予N/A
ROAN/A
ROICN/A
β0.54
決算12月末
設立日2001/5
上場日2010/3/16
配当・会予0 円
配当性向0.0 %
PEGレシオN/A
売上高(百万円)&収益性(%)
売上5y CAGR・実績:9.3 %
利益(百万円)
営利 CAGR・実績:N/A %
純利 CAGR・実績:N/A %
EPS(円) BPS(円)
配当(円)
健全性(%、倍)
セグメント別売上
セグメント別営業利益
セグメント別利益率
会社の詳細

3【事業の内容】

 当社グループは、当社(株式会社セルシード)及び欧州における細胞シート再生医療等製品の研究開発を行う子会社(CellSeed Sweden AB)の2社により構成されております。

 当社グループは、日本発の「細胞シート工学」を基盤技術とし、この技術に基づいて作製される「細胞シート」を用いて従来の治療では治癒できなかった疾患や障害を治す再生医療アプローチである「細胞シート再生医療」の世界普及を目指して、以下の2つの事業を展開しております。

 

(1) 「再生医療支援事業」

 細胞シート再生医療の基盤ツールである「温度応答性細胞培養器材」及びその応用製品の研究開発・製造・販売、並びに再生医療に関わる総合的なサポートを通じて、再生医療の研究開発・事業化を支援する事業(当社が推進)

 

(2) 「細胞シート再生医療事業」

 細胞シート再生医療等製品及びその応用製品の研究開発・製造・販売を通じて、細胞シート再生医療の普及を推進する事業(当社及びCellSeed Sweden ABが推進)

 

系統図は次のとおりであります。

 

①再生医療支援事業

 

「温度応答性細胞培養器材」及びその応用製品の研究開発・製造・販売

(画像は省略されました)

 

 

再生医療受託サービス

(画像は省略されました)

 

②細胞シート再生医療事業

 細胞シート再生医療事業では患者自身(自己細胞)あるいは患者以外(同種細胞)から必要な細胞を少量採取し、それを当社が開発した温度応答性細胞培養器材で培養して組織を作り、患者に提供するというものです。

 細胞シート再生医療事業は現在事業化準備段階にあり、当社は細胞シート再生医療第1号製品の早期事業化を目的とした他社との協力体制等も視野に入れ、その実現を目指しております。従いまして事業系統図は、上述の状況等を踏まえた上で具体化していく内容となることから、現段階において事業系統図は記載しておりません。

 

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)財政状態及び経営成績の概要

①財政状態

(資産)

 当連結会計年度末の流動資産は、前連結会計年度末に比べて259,827千円減少し、1,245,486千円となりました。これは、売掛金が271,893千円減少したことなどによります。

 当連結会計年度末の固定資産は、前連結会計年度末に比べて129,566千円増加し、210,755千円となりました。これは、投資その他の資産の投資有価証券が119,799千円増加したことなどによります。

 この結果、当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末に比べて130,261千円減少し、1,456,242千円となりました。

(負債)

 当連結会計年度末の流動負債は、前連結会計年度末に比べて64,272千円減少し、110,447千円となりました。これは、前受金が34,502千円、未払金が23,140千円減少したことなどによります。

 この結果、当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末に比べて64,272千円減少し、110,447千円となりました。

(純資産)

 当連結会計年度末の純資産合計は、前連結会計年度末に比べて65,989千円減少し、1,345,795千円となりました。これは、新株予約権の発行およびその一部の行使による株式の発行により資本金が362,421千円、資本剰余金が362,421千円増加した一方で、親会社株主に帰属する当期純損失を782,398千円計上したことなどによります。

 

②経営成績

 当連結会計年度におけるわが国経済は、前半は企業収益や雇用・所得環境の改善を背景に緩やかな回復基調で推移しました。しかしながら後半は国内においては10月の消費増税や大型台風が内需を下押しし、海外においては米中貿易摩擦、日韓関係、英国のEU離脱、新型肺炎の流行拡大など依然として先行き不透明な状況が継続しております。

 当社グループを取り巻く再生医療分野におきましては、2014年11月25日に「再生医療等の安全性の確保等に関する法律」(再生医療等安全性確保法)が施行された以降、新規参入は大手企業を含めて増加しており、今後巨大市場に成長することが見込まれております。また最近では、山中伸弥教授によるヒトiPS細胞の発明以降、iPS細胞の再生医療への応用など実用的な研究開発が数多く行われるようになり、将来における再生医療分野への期待度、関心度はますます高まっております。

 このような環境のもと、当社は細胞シート再生医療事業では、食道再生上皮シート、軟骨再生シートの細胞シート再生医療製品パイプラインの自社開発を中心とした研究開発の推進、食道再生上皮シート、軟骨再生シートに続く第三品目の歯根膜再生シートの開発の検討を開始いたしました。

 再生医療支援事業では更なる器材事業拡充を目指し、顧客の要望を踏まえた新規器材及び特注品の研究開発に取り組みました。国内の販売面では温度応答性細胞培養器材を中心とした器材製品の拡販に向けた主要販売代理店からの売上情報等の収集分析、共同での営業活動を実施、2019年3月に第18回再生医療学会総会への付設展示会に当社器材を展示するブースを出展するなど、当社器材製品の積極的な販売促進活動の結果、特に海外売上が前年比大幅に増加し器材事業としては過去最高の売上を計上することが出来ました。

 前期より開始した当社細胞培養センターを活かした再生医療を支援する新たな事業、再生医療受託事業については、2018年に東京女子医科大学より受注した歯根膜細胞シートの医師主導治験で用いる細胞シートの再生医療受託サービスの第1号案件を2019年第1四半期に売上計上し、その後4号案件まで受注し売上計上しました。また、当社の知名度及び再生医療事業の潜在的成長可能性の認知度向上に向け、当社主催の第1回細胞シート工学イノベーションフォーラムを2019年7月に開催し、160名弱のアカデミア及び企業からの多数の参加があり、細胞シート工学の研究と臨床応用について活発な議論が展開され、好評を博すことができました。また、提携、協業、製造受託などの新たな取引先の開拓に寄与したこともあり、引き続き2020年10月に第2回目の細胞シート工学イノベーションフォーラムを開催する予定であります。

 海外事業展開については、当社は台湾の三顧股份有限公司(MetaTech(AP)Inc.、以下「MetaTech社」といいます。)と細胞シート再生医療事業に関する台湾での独占的事業提携契約を2017年4月に締結いたしました。本契約で当社はMetaTech 社に対して細胞シート再生医療事業(食道再生上皮シート・軟骨再生シート)の台湾での独占的な開発・製造・販売権を付与し、これにより台湾での細胞シート再生医療事業の開発・事業化は、当社支援のもとでMetaTech社が主体となって推進しております。本契約に基づく売上高は、2019年12月期においてマイルストーン売上を150,000千円計上し、このうち20,000千円については、MetaTech社の提携先病院である義大医療財団法人義大病院(台湾高雄市)が申請した「自己軟骨細胞移植」が、2019年12月18日付で、台湾衛生福利部(日本の厚生労働省に相当)から、細胞治療技術施行計画(日本における先進医療に相当する治療)として承認されたことにより、自己軟骨のマイルストーンとして売上計上したものであります。さらに今後治療を開始し、10症例完了時には、50,000千円のマイルストーン売上を計上する予定です。また将来的には、MetaTech社が開発する軟骨再生シートが上市(販売)に至った際には、MetaTech社の売上高に応じて数%程度のロイヤリティの売上を計上する予定です。

 今後も引き続きMetaTech社に対して食道再生上皮シート及び軟骨再生シート事業にかかる支援を行って参ります。

 一方、食道、軟骨以外のパイプラインの開発・製造・販売にかかる事業提携は、当社とMetaTech社が中心となり2019年11月に共同出資して、2020年1月に台湾に設立した合弁会社で実施する予定です。

 具体的には、設立した合弁会社では、日本又は台湾の大学、研究機関から提供を受けたシーズ技術を基に細胞シート工学を応用した再生医療等製品・治療法の開発を行い、その実現に向けて製品概要の検討、製造方法の最適化などを行います。台湾義大医療財団法人義大病院(台湾高雄市)の杜元坤教授(Dr.YUAN-KUN TU)が開発したシーズが候補の一例です。再生医療支援事業としては、臨床開発のコンサルティング及び製造販売承認申請の支援なども行っていく予定です。

 また将来的には、当社が開発した食道、軟骨再生シート以外の品目を導出するのみならず、合弁会社が開発した品目を日本に導入して製造販売承認を目指す方法もあります。その際には当社の売上に寄与するものと考えております。

 このような活動を行った結果、当連結会計年度の売上高は275,824千円(前連結会計年度比750,269千円の減少)、営業損失は780,796千円(前連結会計年度は営業利益140,062千円)、経常損失は786,234千円(前連結会計年度は経常利益140,675千円)、親会社株主に帰属する当期純損失は782,398千円(前連結会計年度は親会社株主に帰属する当期純利益129,745千円)となりました。

 セグメントの業績は次のとおりであります。

(再生医療支援事業)

 温度応答性細胞培養器材を中心とする器材販売活動を推進し、上述のように特に海外売上が前年比大幅に増加し器材事業として過去最高の売上を計上することが出来ました。国内におきましても主要代理店を戦略的に集約し、マーケティング情報の共有、マーケティング活動の協業を実施した事も売上拡大に貢献しました。また、当社細胞培養センターを活かした再生医療を支援する新たな事業として2018年11月に開始した再生医療受託事業は、2019年に売上を計上することが出来ました。

 このような活動を行った結果、売上高は117,134千円(前連結会計年度比51,040千円の増加)、営業損失は46,531千円(前連結会計年度は営業損失70,272千円)となりました。

(細胞シート再生医療事業)

 細胞シート再生医療事業では、食道再生上皮シート及び軟骨再生シートの細胞シート再生医療等製品パイプラインの自社開発を中心とした研究開発を推進しております。

 食道再生上皮シート再生医療等製品パイプラインでは、2016年8月より進めて参りました治験について2018年4月までに治験実施施設での症例登録を終了いたしました。本治験の安全性については、本製品に関連した副作用の発生はなく、問題は認められませんでした。一方で、主要評価項目であるESD(内視鏡的粘膜切除術)後8週目の狭窄予防効果において、閾値奏効率(ESD後の無処置患者に対する非狭窄率)に対して統計的な優位性が証明されませんでした。今般、独立行政法人医薬品医療機器総合機構(以下、PMDA)より安全性は確認できたものの、有効性については十分なデータであるとは言い切れず、製造販売承認申請については追加の臨床試験を実施し、有効性を確認するデータの提出が必要である旨の回答がありました。

 一方、2017年に発刊された食道癌診療ガイドライン(日本食道学会編)では、食道癌の内視鏡治療後の狭窄予防として、ステロイド局注、ステロイド内服のいずれかを行うことを強く推奨すると掲載され、最近では狭窄の予防を図るためステロイドが主な治療法として用いられることが多くなりました。ステロイドは安価で有効な治療法として認知されてきており、追加の臨床試験は対象患者をステロイド投与にリスクがある患者とする必要が生じたことから、対象患者や必要な症例数等についての協議をPMDAと行っております。

 このような状況であることから、引き続き開発を進めていく一方、製造販売承認申請の時期についてはPMDAとの協議が完了次第すみやかにお知らせいたします。

 軟骨再生シート再生医療等製品パイプラインでは、2019年1月に共同研究先の東海大学医学部付属病院が申請いたしました「自己細胞シートによる軟骨再生治療」が厚生労働省「第71回先進医療会議」において承認されました。なお、当該先進医療が東海大学で開始した際には、当社は自己軟骨細胞シートの受託加工を請け負い2020年に売上計上できる見込みであります。今後も収益を獲得しつつ、引き続き開発を進めて参る予定であります。

 また、当社と東海大学の佐藤正人教授は、軟骨細胞シートに関する特許「培養細胞シート、製造方法及びその利用方法」を米国に共同出願し2019年11月に成立いたしました。当該特許は、移植用「軟骨再生シート」の基本特許であり、既に2012年2月7日及び2018年3月27日付でお知らせしております国内および欧州で登録済みの特許(日本特許番号:第4921353号)に対応するものです。これにより、現在開発中の軟骨再生シートを世界の主要な医薬品市場である日米欧において、知的財産面で保護することが出来ました。

 また、同種細胞を用いた軟骨再生シートについては、日本医療研究開発機構(AMED)が公募した補助事業である2018年度「再生医療の産業化に向けた評価基盤技術開発事業(再生医療シーズ開発加速支援)」に、当社が提案した研究開発課題(同種軟骨細胞シート(CLS2901C)の製品化に向けた製造方法の確立)が採択されました。事業期間は2018年10月から2021年3月までの3年間です。この事業では多指症由来軟骨細胞のセルストックの構築、軟骨細胞シートの製造方法や品質管理試験の最適化を行ったのち、安全性試験などのデータ取得を実施し、得られたデータをもとに早期事業化を目指して参ります。この事業において企業が商用利用のためにヒト組織を入手し、細胞ストックを構築するための仕組みづくりを模索しています。しかしながらセルストック構築には、各種医療機関・行政における細胞を採取・保管・供給するための仕組み作りに未だ整備が十分ではない点も見受けられ、組織の入手が遅れました。ようやく2020年1月になって初めて組織の入手ができたことから、当初予定していた治験開始の時期が遅れることになりました。

 また共同研究先である東海大学では、同種軟骨細胞シートの臨床研究では10名の患者への移植が2019年12月に完了しました。今後移植1年後の検査結果の報告を期待するところです。

 海外展開におきましては、台湾企業(MetaTech社)との間で締結した細胞シート再生医療事業に関する台湾での独占的事業提携契約に基づく売上を150,000千円計上いたしました。

 以上のような活動を行った結果、売上高は158,689千円(前連結会計年度比801,310千円の減少)、営業損失は424,248千円(前連結会計年度は営業利益497,664千円)となりました。

 

③キャッシュ・フローの状況

 当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)の残高は、前連結会計年度末に比べて7,178千円増加し、1,065,072千円となりました。当連結会計年度に係る区分ごとのキャッシュ・フローの状況は以下のとおりです。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 当連結会計年度において営業活動に使用した資金は577,511千円(前連結会計年度比270,557千円の支出増)となりました。これは、税金等調整前当期純損失を782,571千円計上したことなどによるものです。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 当連結会計年度において投資活動の結果使用した資金は133,274千円(前連結会計年度比132,151千円の支出増)となりました。これは、投資有価証券の取得による支出119,799千円などによるものです。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 当連結会計年度において財務活動の結果獲得した資金は721,248千円(前連結会計年度比696,599千円の収入増)となりました。これは、新株予約権の行使による株式の発行による収入718,364千円などによるものです。

 

④生産、受注及び販売の実績

(a)生産実績

 当社は生産活動を行っておりませんので、該当事項はありません。

 

(b)受注実績

 当社は受注生産を行っておりませんので、該当事項はありません。

 

(c)販売実績

 当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメント

当連結会計年度

(自  2019年1月1日

 至 2019年12月31日)

前年同期比(%)

再生医療支援事業(千円)

117,134

77.2

細胞シート再生医療事業(千円)

158,689

△83.5

合計(千円)

275,824

△73.1

(注)1 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

2 最近2連結会計年度の主要な輸出先及び輸出販売高並びに割合は、次のとおりであります。

なお、( )内は販売実績に対する輸出高の割合であります。

輸出先

前連結会計年度

当連結会計年度

金額(千円)

割合(%)

金額(千円)

割合(%)

欧州

24,538

2.5

48,725

22.8

アジア

962,739

97.4

164,552

77.0

米国

1,142

0.1

341

0.2

合計

988,421

(96.3%)

100.0

213,619

(77.4%)

100.0

3 最近2連結会計年度の主要な販売先及び販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。

相手先

前連結会計年度

当連結会計年度

金額(千円)

割合(%)

金額(千円)

割合(%)

MetaTech(AP)INC.

962,739

93.8

164,552

59.7

Thermo Fisher Scientific Inc.

24,538

2.4

48,725

17.7

フナコシ(株)

13,871

1.4

26,059

9.4

学校法人東京女子医科大学

3,849

0.4

14,074

5.1

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容は次のとおりであります。なお、将来に関する事項は当連結会計年度末日現在において判断したものであり、リスクや不確実性を含んでいます。将来生じる実際の結果と大きく異なる可能性もありますのでご留意ください。

 

①財政状態の分析

(資産)

 当連結会計年度末の流動資産は、前連結会計年度末に比べて259,827千円減少し、1,245,486千円となりました。これは、売掛金が271,893千円減少したことなどによります。

 当連結会計年度末の固定資産は、前連結会計年度末に比べて129,566千円増加し、210,755千円となりました。これは、投資その他の資産の投資有価証券が119,799千円増加したことなどによります。

 この結果、当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末に比べて130,261千円減少し、1,456,242千円となりました。

(負債)

 当連結会計年度末の流動負債は、前連結会計年度末に比べて64,272千円減少し、110,447千円となりました。これは、前受金が34,502千円、未払金が23,140千円減少したことになどよります。

 この結果、当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末に比べて64,272千円減少し、110,447千円となりました。

(純資産)

 当連結会計年度末の純資産合計は、前連結会計年度末に比べて65,989千円減少し、1,345,795千円となりまし

た。これは、新株予約権の発行およびその一部の行使による株式の発行により資本金が362,421千円、資本剰余金が362,421千円増加した一方で、親会社株主に帰属する当期純損失を782,398千円計上したことなどによります。

 

②経営成績の分析

 再生医療支援事業では、温度応答性細胞培養器材を中心とする器材販売活動を推進し、特に海外売上が前年比大幅に増加し器材事業として過去最高の売上を計上することが出来ました。国内におきましても主要代理店を戦略的に集約し、マーケティング情報の共有、マーケティング活動の協業を実施した事も売上拡大に貢献しました。また、当社細胞培養センターを活かした再生医療を支援する新たな事業として2018年11月に開始した再生医療受託事業は、2019年に売上を計上することが出来ました。

 このような活動を行った結果、売上高は117,134千円(前連結会計年度比51,040千円の増加)、営業損失は46,531千円(前連結会計年度は営業損失70,272千円)となりました。

 細胞シート再生医療事業では、食道再生上皮シート及び軟骨再生シートの細胞シート再生医療等製品パイプラインの自社開発を中心とした研究開発を推進しております。

 食道再生上皮シート再生医療等製品パイプラインでは、2016年8月より進めて参りました治験について2018年4月までに治験実施施設での症例登録を終了いたしました。本治験の安全性については、本製品に関連した副作用の発生はなく、問題は認められませんでした。一方で、主要評価項目であるESD(内視鏡的粘膜切除術)後8週目の狭窄予防効果において、閾値奏効率(ESD後の無処置患者に対する非狭窄率)に対して統計的な優位性が証明されませんでした。今般、独立行政法人医薬品医療機器総合機構(以下、PMDA)より安全性は確認できたものの、有効性については十分なデータであるとは言い切れず、製造販売承認申請については追加の臨床試験を実施し、有効性を確認するデータの提出が必要である旨の回答がありました。

 一方、2017年に発刊された食道癌診療ガイドライン(日本食道学会編)では、食道癌の内視鏡治療後の狭窄予防として、ステロイド局注、ステロイド内服のいずれかを行うことを強く推奨すると掲載され、最近では狭窄の予防を図るためステロイドが主な治療法として用いられることが多くなりました。ステロイドは安価で有効な治療法として認知されてきており、追加の臨床試験は対象患者をステロイド投与にリスクがある患者とする必要が生じたことから、対象患者や必要な症例数等についての協議をPMDAと行っております。

 このような状況であることから、引き続き開発を進めていく一方、製造販売承認申請の時期についてはPMDAとの協議が完了次第すみやかにお知らせいたします。

 軟骨再生シート再生医療等製品パイプラインでは、2019年1月に共同研究先の東海大学医学部付属病院が申請いたしました「自己細胞シートによる軟骨再生治療」が厚生労働省「第71回先進医療会議」において承認されました。なお、当該先進医療が東海大学で開始した際には、当社は自己軟骨細胞シートの受託加工を請け負い2020年に売上計上できる見込みであります。今後も収益を獲得しつつ、引き続き開発を進めて参る予定であります。

 また、当社と東海大学の佐藤正人教授は、軟骨細胞シートに関する特許「培養細胞シート、製造方法及びその利用方法」を米国に共同出願し2019年11月に成立いたしました。当該特許は、移植用「軟骨再生シート」の基本特許であり、既に2012年2月7日及び2018年3月27日付でお知らせしております国内および欧州で登録済みの特許(日本特許番号:第4921353号)に対応するものです。これにより、現在開発中の軟骨再生シートを世界の主要な医薬品市場である日米欧において、知的財産面で保護することが出来ました。

 また、同種細胞を用いた軟骨再生シートについては、日本医療研究開発機構(AMED)が公募した補助事業である2018年度「再生医療の産業化に向けた評価基盤技術開発事業(再生医療シーズ開発加速支援)」に、当社が提案した研究開発課題(同種軟骨細胞シート(CLS2901C)の製品化に向けた製造方法の確立)が採択されました。事業期間は2018年10月から2021年3月までの3年間です。この事業では多指症由来軟骨細胞のセルストックの構築、軟骨細胞シートの製造方法や品質管理試験の最適化を行ったのち、安全性試験などのデータ取得を実施し、得られたデータをもとに早期事業化を目指して参ります。この事業において企業が商用利用のためにヒト組織を入手し、細胞ストックを構築するための仕組みづくりを模索しています。しかしながらセルストック構築には、各種医療機関・行政における細胞を採取・保管・供給するための仕組み作りに未だ整備が十分ではない点も見受けられ、組織の入手が遅れました。ようやく2020年1月になって初めて組織の入手ができたことから、当初予定していた治験開始の時期が遅れることになりました。

 また共同研究先である東海大学では、同種軟骨細胞シートの臨床研究では10名の患者への移植が2019年12月に完了しました。今後移植1年後の検査結果の報告を期待するところです。

 海外展開におきましては、台湾企業(MetaTech社)との間で締結した細胞シート再生医療事業に関する台湾での独占的事業提携契約に基づく売上を150,000千円計上いたしました。

 以上のような活動を行った結果、売上高は158,689千円(前連結会計年度比801,310千円の減少)、営業損失は424,248千円(前連結会計年度は営業利益497,664千円)となりました。

 

③キャッシュ・フローの分析

 当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)の残高は、前連結会計年度末に比べて7,178千円増加し、1,065,072千円となりました。当連結会計年度に係る区分ごとのキャッシュ・フローの状況は以下のとおりです。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 当連結会計年度において営業活動に使用した資金は577,511千円(前連結会計年度比270,557千円の支出増)となりました。これは、税金等調整前当期純損失を782,571千円計上したことなどによるものです。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 当連結会計年度において投資活動の結果使用した資金は133,274千円(前連結会計年度比132,151千円の支出増)となりました。これは、投資有価証券の取得による支出119,799千円などによるものです。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 当連結会計年度において財務活動の結果獲得した資金は721,248千円(前連結会計年度比696,599千円の収入増)となりました。これは、新株予約権の行使による株式の発行による収入718,364千円などによるものです。

 

④資本の財源及び資金の流動性

 当社は引き続き細胞シート再生医療の実現に向けた研究開発投資を推進する予定であります。そのために必要となる今後の資金については、現有手許資金を充当する他、公的助成・補助の活用、エクイティ・ファイナンスを含めた金融的手法など様々な手段を活用して機動的に手当てを行う方針です。

 

⑤経営成績に重要な影響を与える要因について

 当社は、細胞シート工学という日本発の革新的再生医療技術を基盤として様々な細胞シート再生医療等製品を開発し、その世界普及を目指しております。

 当社の基盤技術である細胞シート工学は、バラバラの細胞から生体組織・臓器の基本単位となる「細胞シート」を生体外で人工的に作製することができる再生医療基盤技術です。

細胞シート再生医療については既に様々な組織の再生に関する臨床研究が実施されており、実際にヒト患者治療における基本的な安全性・有効性を示唆する科学的エビデンスが示され始めています。

また2014年11月に「医薬品医療機器法」並びに「再生医療等の安全性の確保等に関する法律」が施行され、日本における再生医療を取り巻く環境が大きく変化し、再生医療等製品の産業化が進みつつあります。この日本における大きな外部環境の変化を活かしつつ、上記概要の通り計画を推進して参ります。

 

⑥経営戦略の現状・問題認識と今後の方針について

 上述⑤のような状況の中、この日本における大きな外部環境の変化を活かすべく、下記概要の通り計画を推進して参ります。

日本で早期の食道再生上皮シートの製造販売承認申請を目指す

自己軟骨再生シートは東海大学より先進医療に係る製造を受託。先進医療を見据えて治験実施

食道再生上皮シート及び軟骨再生シートに続く、第三品目の歯根膜再生シートについて東京医科歯科大学との間で詳細検討に向けた協議終了後、開発に着手する。

日本発の細胞シート工学の世界展開のために事業提携を積極的に推進し収益の拡大を目指す。

台湾における再生医療ビジネスへの投資拡大を見据え、メタッテク社及び台湾合弁会社との協業を強化し、更なる収益機会獲得を目指す。

●再生医療支援製品の新製品開発及び需要増加に対応した生産能力の確保、更なる収益機会の拡大を目指す。

受託製造、コンサルティング事業を推進し、更なる収益機会獲得を目指す。

 

⑦継続企業の前提に関する事項について

 当社グループは、当社新株予約権の行使による資金調達の実施により、当連結会計年度末の手元資金(現金及び預金)残高は1,065,072千円となり、財務基盤については安定的に推移しております。一方で事業面におきましては細胞シート再生医療事業の重要課題である当社細胞シート再生医療第1号製品の早期事業化の道程を示すまでには至っておらず、当社グループは当連結会計年度末において、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような状況が存在していると判断しております。

 当社グループは当該状況の解消を図るべく、以下の施策に取り組んで参ります。

 

当社細胞シート再生医療第1号製品の早期事業化の実現と事業提携の推進による収益機会の獲得

 当社グループは、今後、食道再生上皮シート並びに軟骨再生シートの開発を推進し、当社細胞シート再生医療第1号製品の早期事業化を実現すること、また事業提携先の開拓を通じて、更なる収益機会を獲得していくことで当該状況の解消を図って参ります。

 

(セグメント情報等)

【セグメント情報】

1.報告セグメントの概要

 当社グループの報告セグメントは、当社グループの構成単位のうち分離された財務情報が入手可能であり、取締役会が、経営資源の配分の決定及び業績を評価するために、定期的に検討を行う対象となっているものであります。

 当社グループは、事業領域の核を「再生医療」として、国内・海外で再生医療支援事業、細胞シート再生医療事業の活動を展開していることから、「再生医療支援事業」及び「細胞シート再生医療事業」の2つを報告セグメントとしております。

 「再生医療支援事業」では、温度応答性細胞培養器材等の研究開発・製造・販売を中心に行っており、「細胞シート再生医療事業」では、現在、細胞シート再生医療製品の研究開発を中心に行っております。

 

2.報告セグメントごとの売上高、利益又は損失、資産、負債その他の項目の金額の算定方法

 報告されている事業セグメントの会計処理方法は、「連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」における記載と概ね同一であります。

3.報告セグメントごとの売上高、利益又は損失、資産、負債その他の項目の金額に関する情報

前連結会計年度(自 2018年1月1日 至 2018年12月31日)

 

 

 

 

(単位:千円)

 

報告セグメント

調整額

(注)1,2,

3,4,5

連結財務諸表計上額

 (注)6

 

再生医療支援事業

細胞シート再生医療事業

売上高

 

 

 

 

 

外部顧客への売上高

66,094

960,000

1,026,094

1,026,094

セグメント間の内部売上高又は振替高

66,094

960,000

1,026,094

1,026,094

セグメント利益又は損失(△)

70,272

497,664

427,392

287,330

140,062

セグメント資産

59,404

457,150

516,555

1,069,948

1,586,503

セグメント負債

10,738

104,577

115,316

59,402

174,719

その他の項目

 

 

 

 

 

減価償却費

802

245

1,047

3,583

4,630

有形固定資産及び無形固定資産の増加額

1,371

1,371

137

1,509

(注)1 セグメント利益又は損失(△)の調整額△287,330千円は、各報告セグメントに配分していない全社費用であります。全社費用は、主に親会社本社の経営企画部門に係る費用であります。

2 セグメント資産の調整額1,069,948千円は、各報告セグメントに配分していない全社資産であります。全社資産は、主に親会社での余資運用資金及び管理部門に係る資産であります。

3 セグメント負債の調整額59,402千円は、各報告セグメントに配分していない全社負債であります。全社負債は、主に親会社での未払金、及び未払法人税などであります。

4 減価償却費の調整額3,583千円は、各報告セグメントに配分していない全社資産に対するものであります。

5 有形固定資産及び無形固定資産の増加額の調整額137千円は、報告セグメントに帰属しない親会社本社の設備投資額であります。

6 セグメント利益又は損失(△)は、連結損益計算書の営業利益と調整を行っております。

 

当連結会計年度(自 2019年1月1日 至 2019年12月31日)

 

 

 

 

(単位:千円)

 

報告セグメント

調整額

(注)1,2,

3,4,5

連結財務諸表計上額

 (注)6

 

再生医療支援事業

細胞シート再生医療事業

売上高

 

 

 

 

 

外部顧客への売上高

117,134

158,689

275,824

275,824

セグメント間の内部売上高又は振替高

117,134

158,689

275,824

275,824

セグメント損失(△)

46,531

424,248

470,780

310,016

780,796

セグメント資産

73,511

176,857

250,368

1,205,873

1,456,242

セグメント負債

11,777

45,428

57,206

53,240

110,447

その他の項目

 

 

 

 

 

減価償却費

2,587

2,587

2,908

5,495

有形固定資産及び無形固定資産の増加額

10,387

10,387

4,840

15,227

(注)1 セグメント損失(△)の調整額△310,016千円は、各報告セグメントに配分していない全社費用であります。全社費用は、主に親会社本社の経営企画部門に係る費用であります。

2 セグメント資産の調整額1,205,873千円は、各報告セグメントに配分していない全社資産であります。全社資産は、主に親会社での余資運用資金及び管理部門に係る資産であります。

3 セグメント負債の調整額53,240千円は、各報告セグメントに配分していない全社負債であります。全社負債は、主に親会社での未払金、及び未払法人税などであります。

4 減価償却費の調整額2,908千円は、各報告セグメントに配分していない全社資産に対するものであります。

5 有形固定資産及び無形固定資産の増加額の調整額4,840千円は、報告セグメントに帰属しない親会社本社の設備投資額であります。

6 セグメント損失(△)は、連結損益計算書の営業損失と調整を行っております。

 

【関連情報】

前連結会計年度(自 2018年1月1日 至 2018年12月31日)

1.製品及びサービスごとの情報

 セグメント情報に同様の情報を開示しているため、記載を省略しております。

 

2.地域ごとの情報

(1) 売上高

(単位:千円)

 

日本

欧州

アジア

米国

合計

37,673

24,538

962,739

1,142

1,026,094

(注)1 売上高は顧客の所在地を基礎とし、国又は地域に分類しております。

2 各区分に属する国又は地域の内訳は次のとおりであります。

欧州・・・・・デンマーク

アジア・・・・韓国、台湾

 

(2) 有形固定資産

 本邦に所在している有形固定資産の金額が連結貸借対照表の有形固定資産の金額の90%を超えるため、記載を省略しております。

 

3.主要な顧客ごとの情報

(単位:千円)

 

顧客の名称又は氏名

売上高

関連するセグメント名

MetaTech(AP)INC.

962,739

細胞シート再生医療事業

Thermo Fisher Scientific Inc.

24,538

再生医療支援事業

富士フイルム和光純薬(株)

18,432

再生医療支援事業

フナコシ(株)

13,871

再生医療支援事業

 

 

当連結会計年度(自 2019年1月1日 至 2019年12月31日)

1.製品及びサービスごとの情報

 セグメント情報に同様の情報を開示しているため、記載を省略しております。

 

2.地域ごとの情報

(1) 売上高

(単位:千円)

 

日本

欧州

アジア

米国

合計

62,204

48,725

164,552

341

275,824

(注)1 売上高は顧客の所在地を基礎とし、国又は地域に分類しております。

2 各区分に属する国又は地域の内訳は次のとおりであります。

欧州・・・・・デンマーク

アジア・・・・台湾

 

(2) 有形固定資産

 本邦に所在している有形固定資産の金額が連結貸借対照表の有形固定資産の金額の90%を超えるため、記載を省略しております。

 

3.主要な顧客ごとの情報

(単位:千円)

 

顧客の名称又は氏名

売上高

関連するセグメント名

MetaTech(AP)INC.

164,552

細胞シート再生医療事業

Thermo Fisher Scientific Inc.

48,725

再生医療支援事業

フナコシ(株)

26,059

再生医療支援事業

学校法人東京女子医科大学

14,074

再生医療支援事業

 

【報告セグメントごとの固定資産の減損損失に関する情報】

前連結会計年度(自 2018年1月1日 至 2018年12月31日)

 該当事項はありません。

 

当連結会計年度(自 2019年1月1日 至 2019年12月31日)

 該当事項はありません。

 

【報告セグメントごとののれんの償却額及び未償却残高に関する情報】

前連結会計年度(自 2018年1月1日 至 2018年12月31日)

 該当事項はありません。

 

当連結会計年度(自 2019年1月1日 至 2019年12月31日)

 該当事項はありません。

 

 

【報告セグメントごとの負ののれん発生益に関する情報】

前連結会計年度(自 2018年1月1日 至 2018年12月31日)

 該当事項はありません。

 

当連結会計年度(自 2019年1月1日 至 2019年12月31日)

 該当事項はありません。

 

 

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

 

(1)経営方針

 経営理念として以下の通りミッション及びビジョンを策定し、再生医療の発展に貢献して参ります。

「ミッション」:価値ある、革新的な再生医療をリードし、世界の医療に貢献します。

「ビジョン」:細胞シートビジネスプラットフォームを確立して、最良の製品を世界に届けます。

 

 

(2)目標とする経営指標

 当社は再生医療支援事業と細胞シート再生医療事業を展開しておりますが、いずれの事業もまだ継続的な利益を計上する前の段階にあります。ただし、細胞シート再生医療事業においては、早期売上高計上開始を目指して複数のパイプラインの研究開発を推進しております。また、再生医療支援事業においては、国内外の販売代理店を通じた各種細胞培養器材の販売を推進し、販売促進を通じた売上高増強に努めております。

 当社は、以上のような売上高増加を目指した様々な事業活動を推進することによって、早期に連結ベースでの継続的な黒字化を実現することを中長期的な最重要経営課題としております。

 

 

(3)経営環境及び対処すべき課題

 

① 再生医療支援事業に関する経営環境及び対処すべき課題

 再生医療支援事業の最大の課題は、対象顧客層における当社細胞培養器材の認知度向上による売上高増加であります。現在国内外の販売代理店及び自社による販促活動に注力しておりますが、特に海外においては認知度向上余地が大きいと考えられます。その施策の1つとして、新規販売代理店の開拓は喫緊の課題であると認識しております。

 顧客ニーズに対応した製品ラインナップの拡充も重要な課題であります。操作性の向上を目的とした新しい器材形態の開発や培養する細胞の特性に応じた培養器材表面の調整など様々な要望が顧客から寄せられており、当社でも具体的な検討作業を進めております。

 また、臨床応用用途の製品開発も重要な課題であると考えております。現在、当社が市販している製品は研究開発用途を目的とした製品が主ですが、今後は臨床研究段階や再生医療等製品の製品化の際にも利用可能な製品開発も進めております。

 さらに製造コストの引き下げ及び生産能力の拡充も重要課題の1つであります。現在、市販製品については大日本印刷株式会社に製造を委託して製品の安定供給を進めつつ、製造方法の抜本的な変革を目指し製造枚数を飛躍的に増やしつつ製造コストも引き下げる検討を進めて参ります。

 

② 細胞シート再生医療事業に関する経営環境及び対処すべき課題

(a) 細胞シート再生医療第1号製品の早期事業化

 当社の使命である「細胞シート工学」という日本発の革新的再生医療技術を基盤として様々な「細胞シート再生医療」製品を開発し、その世界普及を推進するためには、当社細胞シート再生医療第1号製品を日本において早期事業化することが重要であります。当社は、まず国内での細胞シート再生医療等製品パイプラインの開発を自社主体で推進し、販売承認取得を目指します。また製造体制・販売体制の確立を通して事業化段階をより前進させつつ、海外展開においては他社との提携等も視野に入れ、細胞シート再生医療事業の拡大を目指して参ります。

 

(b) 細胞培養施設の運営

 再生医療における細胞の培養には、細胞培養施設というバイオクリーンルーム設備が必要となります。当社は2016年に当該施設(細胞培養センター)を設置いたしましたが、当該施設は2014年11月施行の「再生医療等の安全性の確保等に関する法律」に準拠した設備運営実現のための体制作りを終え、現在はその維持、向上を目指しております。

 

(c) 細胞シート培養技術者の育成

 「再生医療等の安全性の確保等に関する法律」の施行により、企業は医療機関からの臨床用細胞の培養の受託が可能となります。当社にとっては、細胞培養施設を所有しない、もしくは有しながらも人的リソースの不足などから効率的な運営ができないなどの問題を抱える大学病院や医療機関などから臨床用細胞シートの製造受託が可能となり、営業収益を拡大する機会となります。しかしながら、細胞シートの培養を適正かつ安全に行うには、十分な教育をうけた技術者の育成が必要であり、また高い技能を有した細胞培養技術者の育成は品質向上につながります。当社ではこれまで培ってきた細胞シート培養の経験やノウハウを活かし、臨床用細胞シートの培養を適正かつ安全に行うための細胞シート培養技術者の育成を進めて参ります。

 

③ 事業推進に必要な経営資源・インフラに関する経営環境及び対処すべき課題

(a) 事業資金の確保

 当社グループでは、研究開発活動の推進に伴い、運転資金、研究開発投資及び設備投資等、資金需要の増加が予想されます。このような資金需要に対応すべく当社は第三者割当増資や公募増資等を実施しましたが、今後さらにエクイティ・ファイナンス、事業提携の実現による開発中品目の上市前における収益化(一時金の獲得など)、国をはじめとする公的補助金、銀行からの借入等の活用などにより資金需要に対応して参ります。また、資金調達手段の多様化により継続的に当社グループの財務基盤の強化を図っていく方針であります。

 

(b) 人材の採用・育成

 再生医療等製品の研究開発には様々な専門スキルを有する人材が必要であります。特に細胞シート再生医療は工学・細胞生物学・化学などの学際分野に属することから多様な専門人材の採用・育成が不可欠です。またMetaTech社に加え台湾合弁会社設立によって、今後は今まで以上に台湾における共同開発、事業化に重点を置く予定であることから、日本国内のみならずグローバルで活躍できる人材の確保に注力する方針であります。

 また、組織規模の拡大・多様化に対応した会社組織としてのガバナンス、従業員サポート、教育の質的向上にも尽力して参ります。

 

 

(4)中長期的な経営戦略

 

 当社は経営の基本方針に基づき、当社が果たすべき基本的使命の確実な遂行により、外部環境の変化に対応して持続的な成長を実現するために、下記概要の通り計画を推進して参ります。

●日本で早期の食道再生上皮シートの製造販売承認申請を目指す

●自己軟骨再生シートは東海大学より先進医療に係る製造を受託。先進医療を見据えて治験実施

●食道再生上皮シート及び軟骨再生シートに続く、第三品目の歯根膜再生シートについて東京医科歯科大学との間で詳細検討に向けた協議終了後、開発に着手する。

●日本発の細胞シート工学の世界展開のために事業提携を積極的に推進し収益の拡大を目指す。

●台湾における再生医療ビジネスへの投資拡大を見据え、メタッテク社及び台湾合弁会社との協業を強化し、更なる収益機会獲得を目指す。

●再生医療支援製品の新製品開発及び需要増加に対応した生産能力の確保、更なる収益機会の拡大を目指す。

●受託製造、コンサルティング事業を推進し、更なる収益機会獲得を目指す。

 

 

2【事業等のリスク】

 以下において、当社グループの事業展開その他に関するリスク要因となる可能性があると考えられる主な事項を記載しております。当社グループは、これらのリスク発生の可能性を認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対応に努める方針でありますが、リスクの発生を全て回避できる保証はありません。また、以下の記載は当社グループに関連するリスクすべてを網羅するものではありませんのでご留意ください。

 なお、本項中の記載内容については、将来に関する事項は本書提出日現在において当社グループが判断したものであります。

 

① 再生医療支援事業・細胞シート再生医療事業の双方に共通するリスク

(a) 知的財産権に関するリスク

 当社グループは研究開発活動等に必要な様々な知的財産権を保有しており、これらは当社グループ所有の権利・ノウハウであるか、あるいは適法に実施許諾を受けた権利・ノウハウであると認識しております。現在当社グループでは事業に必要な特許を原則として全て自社で確保する方針を採用しており、例えば各再生医療パイプラインに関する基本的な特許については当社が出願人となって既に出願しております。さらに順次周辺特許の出願等を通じた特許網の拡充にも取り組んでおりますが、一方で出願中の特許については登録に至らない可能性が存在します。また重要なノウハウについては秘密保持契約を課すなどして管理しておりますが、第三者が独自に同様又は類似のノウハウの開発・知得に成功する可能性は否定できません。出願中特許が成立しない場合、事業に必要な特許が何らかの理由で確保できない場合、あるいは当社ノウハウと同様あるいは類似のノウハウを第三者が開発又は知得した場合、当社グループの事業戦略や経営成績及び外部企業との提携関係に重大な影響を及ぼす可能性があります。

 このような可能性が何らかの形で現実化した場合には当社グループの財政状態と経営成績に重大な影響を及ぼす可能性があります。

 なお、当社グループの重要な知的財産権については定期的に関連特許出願状況等をチェックしており、重大な問題が生じる前に逸早く対策を打つことができるよう体制の整備を図っております。さらに、継続的に新規特許を出願することによって、当社グループ特許網の拡充に努めております。

 

(b) 技術革新に伴う競合リスク

 当社グループは細胞シート工学を基盤技術として細胞シート再生医療等製品・再生医療支援製品の研究開発を進めております。再生医療事業に本格参入している企業はまだ比較的少ないものの、研究開発を進めながら参入を検討している潜在的競合相手は少なくないと想定しております。さらに、本業界における技術の進歩は速く、後発参入製品の機能は先発製品の機能を少なからず上回り、競争が激化することが容易に想定されます。それら競合相手の中には、技術力、マーケティング力、財務状況等において当社グループと比較して優位にあると思われる企業もあり、製品機能だけでなく、製造能力や生産性及びマーケティング・販売力などで当社グループを上回る可能性が考えられます。このため、当社グループは早期の事業化・収益化を目指しておりますが、これら競合相手との競争においては、計画どおりの収益を上げることができない可能性があります。

 

(c) 製造物責任に関するリスク

 医薬品・医療機器・再生医療等製品の設計、開発、製造及び販売には、製造物責任賠償のリスクが内在しております。当社は細胞培養器材について製造物責任保険を一部付保しておりますが、最終的に当社が負担すべき賠償額を全額カバーできるとは限りません。従いまして、当社製品の欠陥等による事故が発生した場合、当社が開発した細胞シート再生医療等製品が患者の健康被害を引き起こした場合、又は当社製品の治験、製造、人道的使用に関する説明、営業もしくは販売において不適当な点が発見された場合には、製造物責任を負う可能性があり、当社グループの事業及び財務状況に重大な悪影響を及ぼす可能性があります。また、このような事例において結果として当社グループの過失が否定されたとしても、当社に対する製造物責任に基づく損害賠償請求等がなされること自体によるネガティブ・イメージにより、当社製品に対する信頼に悪影響が生じ、当社グループの事業に影響を与える可能性があります。

 

(d) 研究開発活動に由来するリスク

 当社グループは研究開発型企業として、産学連携のもと、大学との共同研究や治験を進めております。また当社グループが手掛けている細胞シート再生医療事業及び再生医療支援事業そのものが新しいため、社内のほぼすべての部署が直接的又は間接的に研究開発に深く関与しており事業予算に占める研究開発費は多額なものとなっております。

 しかしながら、研究開発活動が計画どおりに進む保証はなく、当該研究開発の成果が当社グループの予想どおりに上がらず、当社グループの事業戦略、業績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

 当社グループが進めている細胞シート再生医療事業及び再生医療支援事業は、製品開発に長期間を要し、かつ、細胞シート再生医療事業での治験承認や製造販売承認等の薬事承認プロセスにも不確定要素が多いため、事業計画における研究開発期間が想定以上に延びた場合等に、研究開発費の負担増が当社グループ業績を圧迫するなど経営成績に重大な影響を及ぼす可能性があります。

 

(e) ビジネスモデルに由来するリスク

ⅰ)大学及び研究機関等との関係に由来するリスク

 当社グループは、東京女子医科大学・東海大学を始めとする大学や他の研究機関との連携を通じて、研究開発活動や事業基盤の強化を行っております。具体的には、当社グループの事業に関し、大学教員と顧問契約を締結して技術指導を受ける、または大学・研究機関等と共同研究を行うなどしております。しかしながら、大学教員と企業との関係は法令や各大学の規程等に影響を受ける可能性があり、また国立大学の独立行政法人化により大学の知的財産権に対する意識も変化しつつあります。従いまして、当社グループの希望どおりに共同研究や権利の譲受を行うことができない可能性があり、かかる場合には当社グループの事業戦略や経営成績に重大な影響を及ぼす可能性があります。

 

ⅱ)提携に関するリスク

 当社グループの事業計画には、外部企業との提携関係を前提にした部分が存在します。前提となっている提携関係には既に契約済みのものと今後契約することを想定したものの両方がありますが、既に契約済みの提携については提携先の都合による契約終了や契約条件変更のリスクがあり、今後契約することを想定した提携については想定どおりの時期・条件で契約できないリスクが存在します。いずれの場合が現実化した場合でも、当社グループの事業戦略や経営成績に重大な影響を及ぼす可能性があります。

 

② 再生医療支援事業に関するリスク

 現在当社は、販売代理店を通じて日本国内・海外双方でUpCellを始めとする各種細胞培養器材を販売しております。当社の再生医療支援事業の製品は多くはこれまでに例をみない全く新しい種類の製品であり、付加価値が大きい分、価格も高く設定されております。従いまして、今後必ずしも当社計画どおり販売数量が伸びるとは限らず、また販売促進などの理由から価格を下げる戦略を採用した結果収益性が低下する可能性も否定できません。また当社では、温度応答性細胞培養器材の生産能力の大幅増強や生産コストの引き下げ、さらには新しい温度応答性細胞培養器材の研究開発に取り組んでおりますが、これらの取り組みが実際に当社グループの事業計画や経営成績に与えるインパクトについては現時点では定かではありません。

 

③ 細胞シート再生医療事業に関するリスク

(a) 先端医療に関する事業であることに由来するリスク

 まず一般論として、再生医療は世界的に見てまだ本格的な普及段階に至っておらず、特に日本では最近まで主に特定の医師・医療機関が用いる高度な医療技術として比較的限定された範囲での臨床応用を中心として行われてきた経緯があります。

 こういった現状の背景には、最先端の医療・医薬品に特有の課題やリスクが存在します。まず再生医療の基盤となる学問や技術が急速な進歩を遂げている中で再生医療等製品そのものに関する研究開発も非常に速いスピードで進んでおり、日々新しい研究開発成果や安全性・有効性に関する知見が生まれて来ています。当社グループの基盤技術である細胞シート工学は現時点では新規性の高い再生医療技術であり、また学術的に見ても安全性・有効性・応用可能性ともに他の再生医療等製品よりも優れていると自負しておりますが、一方で常に急激な技術革新の波に追い越されるリスクや想定していない副作用が出るリスクが存在し、またそのために当社グループの事業戦略や経営成績に重大な影響が出る可能性があります。

 

(b) 法規制改正・政府推進政策等の変化に由来するリスク

 再生医療等製品に関連する法規制についても、最新の技術革新の状況に対応すべく常時変更や見直しがなされる可能性があります。例えば、法律・ガイドライン等の追加・改正により、これまで使用が認められてきた原材料が突然全く使用できなくなるといったリスクや当社の想定通りの内容で薬事承認が下りない又は薬事承認の取得に想定以上の時間を要するといったリスクも否定できません。また世界的な医療費抑制の流れの中で、当社が想定している製品価値よりも低い薬価・保険償還価格となる可能性もあります。当然このような場合には、当社グループの事業戦略や経営成績に重大な影響が出る可能性があります。

 

(c) 事業基盤の整備・確立に係るリスク

 細胞シート再生医療事業には、まだ確立された事業基盤が存在しないことに起因するリスクが存在します。細胞シート再生医療事業を長期的に持続可能な事業構造にするためには様々な事業基盤の整備・確保が必要で、その一部には当社グループのみならず関連する官庁・企業・業界も一緒になって整備・拡充に取り組む必要がある社会的基盤もあります。また、当社グループは再生医療等製品の製造企業としての製品供給体制の確立へ向けた取り組みを推進しております。こういった取り組みの中には、先行投資を回収し得る利益率を達成できるだけの製造原価低減、医師に適切な内容・量の製品情報を届けることができるマーケティング・販売体制の構築、製造販売開始後のフォローアップ体制の確立など多くの課題が存在し、その解決のためには時間と多額の費用が必要となります。さらに言えば、当社グループの想定どおりに市場を開拓することができる保証はございません。当社グループでは大手製薬企業などで豊富な実務経験を積んだスタッフを採用して事業基盤の確立に取り組んでおりますが、細胞シート再生医療事業の基盤の整備・構築にあたっては上述の通り当社グループの事業戦略や経営成績に重大な影響を及ぼす不測の事態が発生するリスクが存在します。

 

(d) ヒト又は動物由来の原材料の使用に関するリスク

 一般的に、再生医療等製品はヒト細胞・組織を利用したものであり、利用するヒト細胞・組織に由来する感染の危険性を完全に排除し得ないことなどから安全性に関するリスクが存在するとされています。

 また、やはり一般的に再生医療等製品は、原材料や製造工程で使用する培地に動物由来原料を使用することがあり、この動物由来原料の使用によって未知のウイルスによる被害等が発生する可能性を否定できません。

 以上のように、一般的に再生医療等製品には原材料として使用するヒト又は動物由来材料に起因する感染リスクなどヒト又は動物由来材料(又はその一部)が患者の体内に移植されることに伴うリスクが存在し、そのリスクが当社グループの事業及び財務状況に重大な悪影響を及ぼす可能性は否定できません。

 また、このような事例について当社グループの過失が否定されたとしても、ネガティブ・イメージによる業界全体及び当社製品に対する信頼に悪影響が生じ、当社グループの事業に影響を与える可能性があります。

 

④ 財務状況に由来するリスク

(a) マイナスの利益剰余金を計上していることに由来するリスク

 現時点では当社グループは研究開発活動を中心とした企業であり、細胞シート再生医療等製品が販売されるようになるまでは多額の研究開発費用が先行して計上されることとなります。そのため、当連結会計年度末において△3,617,630千円の利益剰余金を計上しております。

 当社グループは、将来の利益拡大を目指しております。しかしながら、当社グループは将来において想定どおりに親会社株主に帰属する当期純利益を計上できない可能性もあります。また、当社グループの事業が計画どおりに進展せず親会社株主に帰属する当期純利益を獲得できない場合には、マイナスの利益剰余金がプラスとなる時期が著しく遅れる可能性があります。

 

(b) 税務上の繰越欠損金に関するリスク

 当社には現在のところ税務上の繰越欠損金が存在しております。そのため、事業計画の進展から順調に当社業績が推移するなどして繰越欠損金による課税所得の控除が受けられなくなった場合には、通常の税率に基づく法人税、住民税及び事業税が計上されることとなり、親会社株主に帰属する当期純利益又は親会社株主に帰属する当期純損失及びキャッシュ・フローに影響を与える可能性があります。

 

(c) 資金繰り及び資金調達に関するリスク

 当社グループでは、研究開発活動の推進に伴い営業キャッシュ・フローのマイナスが生じており、今後も事業の進捗に伴って運転資金、研究開発投資及び設備投資等の資金需要が想定されます。このような資金需要に対応すべく当社はこれまでに第三者割当増資や公募増資等を実施しましたが、今後さらにエクイティ・ファイナンス、事業提携の実現による開発中品目の上市前における収益化(一時金の獲得など)、国をはじめとする公的補助金等の活用などにより資金需要に対応していく方針です。また、資金調達手段の多様化により継続的に当社グループの財務基盤の強化を図ってまいりますが、エクイティ・ファイナンスや売上収入・提携一時金及び公的助成金・補助金等の獲得を含めた資金調達が想定どおり進まない場合等、資金繰りの状況によっては当社グループの事業活動等に重大な影響を与える可能性があります。

 また、将来増資などのエクイティ・ファイナンスを実施した場合には、当社の発行済株式数が増加することにより1株当たりの株式価値が希薄化する可能性があります。

 

(d) 配当政策に関するリスク

 当社は設立以来配当を実施しておりません。また、当社は研究開発活動を継続的に実施していく必要があることから、当面は内部留保の充実に努め研究開発資金の確保を優先することを基本方針としております。また、株主への利益還元も重要な経営課題の1つであると認識しており、経営成績と財政状態を勘案して利益配当も検討してまいります。しかしながら、事業等の進捗によっては利益配当までに時間を要する可能性があります。

 

⑤ 新株予約権の行使による株式価値の希薄化に関するリスク

 当社は、ストック・オプション制度を採用しております。2015年8月13日開催の取締役会及び2017年8月10日開催の取締役会において会社法第236条、第238条及び第240条の規定に基づく新株予約権付与に関する決議を行いました。当該新株予約権の行使が行われた場合には、当社の1株当たりの株式価値が希薄化する可能性があります。また、今後も優秀な人材確保のために、同様なインセンティブプランを継続して実施していくことを検討しております。従いまして、今後付与される新株予約権の行使が行われた場合には、当社の1株当たりの株式価値が希薄化する可能性があります。

 また当社は、2019年8月14日開催の取締役会において第三者割当による新株予約権の発行による資金調達を決議いたしました。当該新株予約権の行使が行われた場合には、当社の1株当たりの株式価値が希薄化する可能性があります。

 

⑥ 人材及び組織に関するリスク

(a) 特定の人材への依存に由来するリスク

 当社グループでは、過度に特定の人材に依存しない組織的な経営体制の構築を進めておりますが、現時点で何らかの事由で特定の人材が当社の業務を継続することが困難になった場合、当社グループの事業展開や経営成績に重大な影響を及ぼす可能性があります。

 

(b) 人材の確保及び育成に関するリスク

 当社グループの事業活動は、現在の経営陣、各部門の責任者と構成員等に大きく依存しております。そのため、優秀な人材の確保と育成に努めておりますが、人材確保又は育成が計画どおりに行えない場合、当社グループの事業展開や経営成績に重大な影響を及ぼす可能性があります。

 

(c) 小規模組織であることに由来するリスク

 当社グループの組織は小規模であり、内部管理体制も規模に応じたものとなっております。今後の事業拡大に伴い、内部管理体制の一層の充実を図る方針ではありますが、当社グループが事業拡大に応じて適切かつ十分な組織対応ができない場合には、組織効率が低下したり十分な事業活動が行えない可能性があります。また、人員の増加とそれに連動する人件費の増加によって、経営効率が低下する可能性があります。

 

(d) 世界展開に必要な組織体制の構築に関するリスク

 当社グループは細胞シート再生医療事業の世界展開を推進しており、欧州に連結子会社を設立しております。このような海外拠点の設立にあたっては現地事情に詳しい組織や提携先のネットワークを最大限に活用して情報収集や人材採用に努めておりますが、想定どおりに人材採用や組織構築が進まない可能性もあります。このような場合、当社グループの事業展開や経営成績に重大な影響を及ぼす可能性があります。

 

⑦ 海外展開に伴うカントリーリスク

 当社は、台湾・三顧股份有限公司(MetaTech(AP) Inc.)と台湾での合弁会社設立について合意し、日本・台湾のアカデミアからのシーズをベースに再生医療等製品の開発・事業化を行っていく方針でありますが、台湾における法令、制度・規制、社会情勢をはじめとしたカントリーリスクが顕在化し、円滑な事業推進を行うことが困難になった場合、当社グループの業績及び事業展開に影響を与える可能性があります。

 

⑧ 新型コロナウィルス感染拡大に伴うリスク

 今般の新型コロナウィルス感染症の流行拡大は、世界的な規模で経済活動に影響を及ぼしております。会社、担当現場レベルでのリスク対応策は想定してはおりますが、当該影響により、当社においても株価低迷による資金調達金額の減少、売上等の減少、当社社員に感染者が発生した場合における細胞シート受託製造の中止、延期などの事象が顕在化し、円滑な事業推進を行うことが困難になった場合には、当社グループの業績及び事業展開に影響を与える可能性があります。

 

 

⑨ 継続企業の前提に関する重要事象等

 当社グループは、当社新株予約権の行使による資金調達の実施により、当連結会計年度末の手元資金(現金及び預金)残高は1,065,072千円となり、財務基盤については安定的に推移しております。一方で事業面におきましては細胞シート再生医療事業の重要課題である当社細胞シート再生医療第1号製品の早期事業化の道程を示すまでには至っておらず、当社グループは当連結会計年度末において、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような状況が存在していると判断しております。

 

2【沿革】

年月

事項

2001年5月

細胞シート工学に基づく再生医療等製品・再生医療支援製品の研究開発を主な目的として、東京都新宿区市谷仲之町に株式会社セルシードを設立

2001年7月

東京都新宿区住吉町に本店を移転

2002年7月

東京都新宿区新宿六丁目に本店を移転

2004年1月

超低付着性細胞培養器材HydroCell、細胞回収用温度応答性細胞培養器材RepCellの販売を開始

2005年1月

東京都新宿区若松町に本店を移転

2007年9月

細胞シート回収用温度応答性細胞培養器材UpCellの国内販売を開始

2008年10月

連結子会社CellSeed Europe SARL(本社フランス・リヨン)を設立

2010年3月

ジャスダック証券取引所NEO(現 東京証券取引所JASDAQグロース)に株式上場

2010年6月

イギリス・ロンドンに連結子会社CellSeed Europe Ltd.を設立

CellSeed Europe SARL(本社フランス・リヨン)の商号をCellSeed France SARLに変更

2012年12月

東京都新宿区原町に本店を移転

2014年4月

大日本印刷株式会社と細胞培養器材に関する製造委託基本契約を締結

2015年5月

2016年3月

スウェーデンに連結子会社CellSeed Sweden AB(本社スウェーデン・ストックホルム)を設立

東京都江東区青海(現所在地)に本店を移転

2016年11月

東京都江東区青海(現所在地)に細胞培養センターを設置

2016年12月

CellSeed France SARLを清算結了

2016年12月

CellSeed Europe Ltd.を休眠会社化

2017年1月

東海大学との軟骨再生シート開発に関する基本合意書を締結

2017年3月

細胞培養センターの「特定細胞加工物製造許可」を取得

2017年4月

台湾・三顧股份有限公司(MetaTech(AP) Inc.)との細胞シート再生医療事業に関する台湾での独占的事業提携契約を締結

2018年10月

「再生医療等製品製造業許可」を取得

2018年11月

2019年8月

再生医療受託サービスを開始

湾・三顧股份有限公司(MetaTech(AP) Inc.)との合弁会社の設立に関する基本合意書を締結

(5)【所有者別状況】

 

 

 

 

 

 

 

2019年12月31日現在

区分

株式の状況(1単元の株式数100株)

単元未満株式の状況

(株)

政府及び地方公共団体

金融機関

金融商品取引業者

その他の法人

外国法人等

個人その他

個人以外

個人

株主数(人)

-

1

33

76

38

17

13,689

13,854

所有株式数(単元)

-

423

9,038

5,559

2,781

192

111,772

129,765

5,319

所有株式数の割合

(%)

-

0.32

6.96

4.28

2.14

0.14

86.13

100.00

(注) 自己株式154株は、「個人その他」に1単元及び「単元未満株式の状況」に54株を含めて記載しております。

 

3【配当政策】

 当社は設立以来配当を実施しておらず、また当事業年度末においても配当可能な状況にありません。

 当社は細胞シート再生医療製品及び再生医療支援製品の研究開発を主体とするビジネスモデルを採用しており、現在は細胞シート再生医療製品の第1号製品の早期事業化を目指している段階です。細胞シート再生医療製品の第1号製品が本格的に収益に寄与するまでにはまだ数年以上の時間が必要である一方で、多額の先行投資を伴う研究開発活動を今後も継続的かつ積極的に実施していく計画としていることから、当面は内部留保に努め、研究開発資金の確保を優先したいと考えております。

 ただし、株主への利益還元も当社にとって最も重要な経営課題の1つであると認識しており、経営成績及び財政状態を勘案しながらできるだけ早期に配当を実現すべく引き続き検討してまいります。

 剰余金の配当を行う場合は、年1回期末での配当を考えており、配当の決定機関は株主総会です。また、当社は、機動的な配当対応を行うため、会社法第454条第5項に基づく中間配当を取締役会の決議によって行うことができる旨を定款に定めております。

 

(2)【役員の状況】

① 役員一覧

男性4名 女性3名 (役員のうち女性の比率42.9%)

役職名

氏名

生年月日

略歴

任期

所有株式数(株)

代表取締役

社長

橋本 せつ子

1953年8月15日

 

1984年4月

ヘキストジャパン株式会社 入社

1991年4月

ファルマシアバイオテク株式会社 入社

1998年7月

ビアコア株式会社 マーケティング部及び開発部 部長

2008年7月

株式会社バイオビジネスブリッジ 設立 代表取締役社長

2009年2月

スウェーデン大使館 投資部

主席投資官

2014年3月

当社取締役副社長

2014年6月

当社代表取締役社長(現任)

2015年11月

株式会社バイオビジネスブリッジ取締役 (現任)

 

(注3)

24,300

取締役

最高財務責任者

小野寺 純

1957年1月16日

 

1980年4月

ソニー株式会社 入社

1998年4月

同社 情報機器事業本部

企画管理部 部長

2001年10月

ソニーエリクソン日本法人

取締役

2003年8月

ソニーエリクソンアメリカ法人 副社長

2006年5月

ソニーエリクソン欧州法人

副社長

2009年3月

S-LCD(ソニー/サムソンJV)

代表取締役 兼 CFO

2012年5月

Sony Service&Operations of Americas CEO

2015年4月

サンデンビジネスエキスパート

株式会社 代表取締役社長

2016年10月

当社最高財務責任者

 兼 管理部門長

2017年3月

当社取締役 最高財務責任者

 兼 経営企画部門長(現任)

 

(注3)

6,100

取締役

大江田 憲治

1951年9月10日

 

1982年4月

住友化学工業株式会社 入社

1990年10月

同社 生命工学研究所主任研究員

2007年1月

内閣府・大臣官房審議官(科学技術政策)

2010年1月

住友化学株式会社 フェロー

2011年4月

独立行政法人 理化学研究所理事

2015年4月

同研究所 顧問

2015年7月

株式会社住化技術情報センター

取締役

2017年3月

当社取締役(現任)

2018年6月

公益社団法人日本工学アカデミー

常務理事(現任)

 

(注3)

600

 

 

役職名

氏名

生年月日

略歴

任期

所有株式数(株)

取締役

田路 則子

1964年9月29日

 

2002年4月

明星大学情報学部経営情報学科 専任講師及び准教授

2004年10月

独立行政法人産業技術総合研究所ベンチャー開発戦略研究センター 客員研究員

2006年4月

法政大学経営学部・大学院経営学研究科(ビジネススクール) 准教授

2008年4月

法政大学経営学部・大学院経営学研究科(ビジネススクール)教授(現任)

2012年4月

法政大学イノベーション・マネジメント研究センター所長

2015年7月

不二製油株式会社 社外取締役

2018年3月

Chalmers University of Technology 客員研究員(現任)

2019年3月

当社取締役(現任)

 

(注3)

常勤監査役

砂押 正己

1950年11月29日

 

1973年4月

三菱化工機株式会社 入社

1986年9月

日本DEC株式会社 入社

1991年9月

株式会社レイケム 入社

2012年3月

株式会社CSIジャパン 代表取締役社長

2015年4月

株式会社CSIジャパン 非常勤顧問

2016年3月

当社取締役

2017年3月

当社監査役(現任)

 

(注4)

3,100

監査役

山口 十思雄

1963年6月4日

 

1988年10月

サンワ等松青木監査法人(現有限責任監査法人トーマツ)入社

1996年8月

株式会社ジャフコ入社 ジャフコ公開コンサルティング株式会社(現ジャフココンサルティング株式会社)出向

2008年5月

山口公認会計士事務所開設

2009年6月

株式会社ディジタルメディアプロフェッショナル 社外監査役

(現任)

2011年3月

当社監査役(現任)

2015年6月

株式会社エクストリーム

社外取締役(現任)

 

(注4)

監査役

廣瀬 真利子

1967年9月21日

 

1995年4月

ブラウン・守谷・帆足・窪田法律事務所 入所

1997年7月

春木・澤井・井上法律事務所 入所

2000年2月

三井・安田法律事務所 入所

2004年10月

西村あさひ法律事務所 入所

2009年10月

サンフラワー法律事務所を開設

代表弁護士(現任)

2017年3月

当社監査役(現任)

2018年6月

株式会社ディジタルメディアプロフェッショナル 社外監査役

(現任)

 

(注4)

34,100

(注)1 取締役大江田憲治氏および田路則子氏は、会社法第2条第15号に定める社外取締役であります。

2 監査役山口十思雄氏および廣瀬真利子氏は、会社法第2条第16号に定める社外監査役であります。

3 2018年12月期に係る定時株主総会終結の時から2020年12月期に係る定時株主総会終結の時までであります。

4 2016年12月期に係る定時株主総会終結の時から2020年12月期に係る定時株主総会終結の時までであります。

 

② 社外役員の状況

 当社の社外取締役は2名、社外監査役は2名であります。

 社外取締役である大江田憲治氏は、企業及び公的機関での経験が豊富で、ライフサイエンスにおける深い見識を有しております。産官学の幅広い人脈もあり、当社の経営に有益な助言を得ることが期待できることから選任しております。連結会計年度末現在、当社との利害関係はありません。

 社外取締役である田路則子氏は、長年にわたり企業経営に必要な多方面の専門領域の研究活動に携わっており、豊富な専門知識と経験を有しています。同氏の有する豊富な専門知識を踏まえて当社の経営に有益な助言を得ることが期待できることから選任しております。連結会計年度末現在、当社との利害関係はありません。

 社外監査役である山口十思雄氏は、公認会計士であり株式会社ディジタルメディアプロフェッショナル社外監査役 兼 株式会社エクストリーム社外取締役です。公認会計士として企業会計に関する豊富な経験と幅広い知識を有していることから、取締役の業務執行を中立な立場から適切に監査する役割を期待できることから選任しております。当連結会計年度末現在、当社との利害関係はありません。

 社外監査役である廣瀬真利子氏は、サンフラワー法律事務所代表弁護士であり株式会社ディジタルメディアプロフェッショナル社外監査役です。弁護士として企業法務に関する豊富な経験と幅広い知識を有していることから、取締役の業務執行を法的な観点から適切に監査する役割を期待できることから選任しております。当連結会計年度末現在、当社との利害関係はありません。

 社外取締役及び社外監査役は、毎月1回の定時取締役会に出席し、議案審議及び報告事項の議論に対し、それぞれの見地より適宜助言等を行い、意思決定の妥当性・適正性の確保に努めております。加えて、社外監査役は、経営の意思決定が、法令・定款に準拠しているかを監視・検証して、必要に応じ意見を述べております。

 当社は独立性が高く、幅広い知識と豊富な経験を持つ社外取締役及び社外監査役を選任することにより、経営の意思決定における客観性を高めるとともに、経営の健全化と透明性の向上を図っております。また、社外取締役及び社外監査役を選任するための当社からの独立性に関する基準及び方針は定めておりませんが、選任にあたっては東京証券取引所の独立役員の独立性に関する判断基準等を参考にしております。

また、社外取締役及び社外監査役の選任にあたり、東京証券取引所の企業行動規範に定める独立性の基準に照らして一般株主と利益相反が生じるおそれがない者で、かつ、各自の専門分野での知識・経験に基づく客観的かつ適切な監督または監査が期待できる者を選任しております。

 また、社外監査役は、毎月1回の定時監査役会を通じ、内部監査担当部署と情報の交換を行っております。

 

 

③ 社外取締役又は社外監査役による監督又は監査と内部監査、監査役監査及び会計監査との相互連携並びに内部統制部門との関係

(3)「監査の状況」に記載のとおりであります。

 

 

4【関係会社の状況】

名称

住所

出資金

主要な事業の

内容

議決権の

所有割合(%)

関係内容

(連結子会社)

 

 

 

 

 

CellSeed Sweden AB

スウェーデン

・ストックホルム

6,800千クローナ

細胞シート

再生医療事業

100.0

役員兼任1名、

業務委託・受託

(注)1.CellSeed Europe Ltd.は休眠会社としております。

   2.「主要な事業の内容」欄には、セグメントの名称を記載しております。

 

※2 その他の主要な費目及び金額は次のとおりであります。

 

前第2四半期連結累計期間

(自 2019年1月1日

  至 2019年6月30日)

当第2四半期連結累計期間

(自 2020年1月1日

  至 2020年6月30日)

役員報酬

30,495千円

31,590千円

給与手当

41,585千円

33,761千円

賞与

20,710千円

7,391千円

賞与引当金繰入額

2,204千円

1,641千円

支払報酬

15,692千円

13,382千円

特許関連費

15,116千円

9,236千円

1【設備投資等の概要】

 当連結会計年度において実施した設備投資の総額は14,952千円であります。その主な内容は、再生医療支援事業セグメントにおける新規器材の開発を目的とした設備投資7,612千円、及び全社におけるサーバの取得4,565千円であります。

 

【借入金等明細表】

該当事項はありません。

 

【社債明細表】

該当事項はありません。

 

株価(1年)
期間を変更
PER(1年/会予)
期間を変更

その他企業情報

企業価値3,879 百万円
純有利子負債-1,283 百万円
EBITDA・会予N/A
株数(自己株控除後)14,259,265 株
設備投資額15 百万円
減価償却費5 百万円
のれん償却費N/A
研究開発費546 百万円
代表者代表取締役社長 橋本 せつ子
資本金4,116 百万円
住所東京都江東区青海二丁目5番10号テレコムセンタービル
会社HPhttp://www.cellseed.com/

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